JP2002322354A - 再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます蓋 - Google Patents
再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます蓋Info
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Abstract
するための樹脂原料として有効に利用することができる
再生プラスチック組成物を提供するとともに、PVC成
形品の代替品としての性能を発揮させることができる成
形方法を提供し、さらに、代替品として最適な形状のま
す蓋を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート樹脂成形体
を破砕した再生プラスチック75〜93重量部と、エポ
キシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカ
プロラクトンの混合物5〜20重量部と、酸化チタン白
着色剤2〜5重量部とを混合した再生プラスチック組成
物であって、該組成物を成形金型温度を20〜30℃と
し、成形品の結晶化度が20%以下になるようにして射
出成形し、肉厚が4〜7mm、直径が150〜220m
mのます蓋を得る。
Description
組成物及びその成形方法並びにます蓋に関し、詳しく
は、使用済みのポリエチレンテレフタレート(PET)
樹脂成形体、例えばPETボトルを回収し、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)製品の代替品として有効に利用するため
の再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます
蓋に関する。
料用ボトルとして用いられているPETボトルは、多く
の自治体で回収が進んでいるが、回収したPET樹脂を
そのまま樹脂原料とした射出成形品は、脆くて割れやす
いという難点があるため、繊維原料として一部が再利用
されているのみであり、PETボトル回収品の用途開発
が強く望まれている。一方、各種配管材料や成形品とし
て多く用いられているPVC樹脂は、近年の環境問題か
ら代替品への置き換えが望まれている。
PVC代替品を製造するための樹脂原料として有効に利
用することができる再生プラスチック組成物を提供する
とともに、PVC成形品の代替品としての性能を発揮さ
せることができる成形方法を提供し、さらに、代替品と
して最適な形状のます蓋を提供することを目的としてい
る。
め、本発明の再生プラスチック組成物は、ポリエチレン
テレフタレート樹脂成形体の破砕物を主体とする再生プ
ラスチック75〜93重量部と、エポキシ基含有スチレ
ン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混
合物を主体とする結合材5〜20重量部と、酸化チタン
白着色剤を主体とする改質剤2〜5重量部とを混合した
ことを特徴としている。
となるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂成形
体は、各種形状の成形体を対象とすることができるが、
特に、前述のように回収が進んでいるPETボトルを主
な対象としている。
は、適当な破砕機により、適当な大きさに破砕し、例え
ば2〜5mmの大きさの再生プラスチック片に破砕して
用いる。この再生プラスチック片の最大寸法が5mmを
超えると、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラスト
マー及びポリカプロラクトンの混合物からなる結合材と
の混合が不均一になり、成形性が低下したり、成形品の
強度が低下したりすることがある。
mm未満にするには、破砕機に比べて高価な粉砕機を使
用する必要があり、回収再利用コストの上昇を招いてし
まう。なお、再生プラスチック片には、破砕機による破
砕で微粉末状態になったものが含まれていても問題はな
い。
ン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混
合物は、エポキシ基がPET樹脂のカルボキシル基と反
応して架橋構造をとるため、PET樹脂との相溶性が良
好であり、この混合物をPET樹脂に適量混合すること
により、PET樹脂単体からなる成形品の脆さを改善し
て耐衝撃性を向上させることができる。
形品の耐候性を改善させるためのものであって、成形品
を屋外で使用したときの劣化を防止する。なお、さらに
耐候性を向上させるため、紫外線吸収剤を添加すること
もできる。
片)、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー
及びポリカプロラクトンの混合物(結合材)、酸化チタ
ン白着色剤(改質剤)の混合比率は、前述のように、再
生プラスチック75〜93重量部好ましくは85〜90
重量部に対して、結合材5〜20重量部好ましくは8〜
12重量部、改質剤2〜5重量部好ましくは2〜3重量
部が適当である。
未満だと成形品が脆くなって割れやすくなり、20重量
部を超えて混合すると成形品が柔らかくなって撓んでし
まうという不都合が生じる。また、改質剤の混合比率が
2重量部未満だと十分な耐候性を得られなくなり、5重
量部を超えて混合しても耐候性の向上効果はほとんどな
い。
常の樹脂組成物と同様の方法で成形することが可能であ
るが、中でも特定の条件で射出成形することにより、P
ET樹脂単体のものに比べて耐衝撃性を大幅に向上させ
ることができる。
物の成形方法は、上記組成の再生プラスチック組成物を
溶融状態で射出成形するにあたり、成形金型の温度を2
0〜30℃とし、成形品の結晶化度を20%以下にする
ことを特徴としている。
ると、金型内に射出されたPET樹脂の冷却に時間がか
かるため、金型内でPET樹脂の結晶化が進んでしま
う。そして、成形品の結晶化度が20%を超えると成形
品が脆くなって割れやすくなってしまう。したがって、
成形金型の適切な位置に冷却水通路を設置して金型温度
を20〜30℃に保ち、金型内に射出された樹脂を急冷
して結晶化度が20%を超えないようにする。一方、金
型温度を低くし過ぎると、射出成形時の樹脂流れが阻害
されて均質な成形品を得られなくなることがある。
晶化度を20%以下にするためには、該成形品の厚みも
関係し、成形品が厚くなると内部まで冷却するのに時間
がかかるため、結晶化が進んでしまうことになる。さら
に、成形品の大きさも関係し、ある程度の大きさを超え
ると、冷却速度と樹脂流れとの関係から、均質な成形品
を得にくくなる。
ク組成物を射出成形して得られる成形品には最適な形
状、大きさ、厚みがあることになり、特に、PVC樹脂
からなる成形品の代替品となるものが好ましい。このよ
うな条件を満たすPVC成形品としては、下排水経路等
に設けられている排水ますの立上がり管上部開口を閉塞
するます蓋がある。
再生プラスチック組成物を前記射出成形方法で射出成形
したます蓋であって、肉厚が4〜7mm、直径が150
〜220mmであることを特徴とするものである。この
ように、肉厚が4〜7mm、直径が150〜220mm
の範囲のます蓋は、本発明の再生プラスチック組成物を
本発明の成形方法で射出成形して得る成形品として最適
であり、PVC製ます蓋の代替品として十分な強度、耐
衝撃性、耐候性を有するものとなる。
再生プラスチックと、エポキシ基含有スチレン系熱可塑
性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物(ダイ
セル化学製:ヒロマスターSF235)からなる結合材
と、酸化チタン白着色剤からなる改質剤とを用意し、
再生プラスチック98重量部+改質剤2重量部、再生
プラスチック93重量部+結合材5重量部+改質剤2重
量部、再生プラスチック88重量部+結合材10重量
部+改質剤2重量部の3種類の再生プラスチック組成物
を製造した。
示すます蓋11を製造した。このます蓋11は、ますを
構成する立上がり管12の上部開口に装着されるもので
あって、各部の厚みTが6mmで外径Dが165mm
(サイズ:150)の円盤状本体部13の下面に円筒状
嵌合部14を一体成形した成形品である。
金型温度60℃と20℃とで射出成形した。また、、
の結合材を含む組成物は金型温度20℃で射出成形し
た。得られた各ます蓋の破壊エネルギーを、JIS K
7211落錘衝撃試験に基づく試験方法により、50
%破壊エネルギー(E50[J])としてそれぞれ測定
した。結果を表1に示す。
く、金型温度を20℃にすることによって脆さが改善さ
れることがわかる。そして、エポキシ基含有スチレン系
熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物
からなる結合材を加えることによって脆さが大きく改善
され、該結合材を全体の約5重量%以上になるように混
合することにより、ます蓋として十分な耐衝撃性が得ら
れることがわかる。
成形したます蓋に対して耐候性促進試験を行ったが、5
00時間経過した時点で異常は認められなかった。一
方、再生プラスチック片90重量部+結合材10重量部
(酸化チタン白着色剤無添加)からなる組成物を金型温
度20℃で射出成形したます蓋は、耐候性促進試験50
0時間経過後に、変色が認められた。
多くの自治体で回収が進んでいるPETボトルを再生原
料として有効に利用することができ、従来はPVC製だ
ったます蓋の代替品として特に有効である。
面図である。
部、14…円筒状嵌合部
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート樹脂成形体
の破砕物を主体とする再生プラスチック75〜93重量
部と、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー
及びポリカプロラクトンの混合物を主体とする結合材5
〜20重量部と、酸化チタン白着色剤を主体とする改質
剤2〜5重量部とを混合したことを特徴とする再生プラ
スチック組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の再生プラスチック組成物
を溶融状態で射出成形するにあたり、成形金型の温度を
20〜30℃とし、成形品の結晶化度を20%以下にす
ることを特徴とする再生プラスチック組成物の成形方
法。 - 【請求項3】 請求項2記載の再生プラスチック組成物
の成形方法で射出成形して得られたます蓋であって、肉
厚が4〜7mm、直径が150〜220mmであること
を特徴とする再生プラスチック組成物製ます蓋。
Priority Applications (1)
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JP2001128007A JP3962555B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます蓋 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005139423A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-06-02 | Ube Ind Ltd | 熱可塑性の廃プラスチックから得られる再生樹脂及びその製造方法 |
US7544387B2 (en) | 2004-10-20 | 2009-06-09 | Joy Sawyer Bloom | Additive package for thermoplastic condensation polymers |
KR101251065B1 (ko) | 2011-03-31 | 2013-04-05 | 두양산업(주) | 재생 피이티 수지 조성물 및 그 성형품 |
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- 2001-04-25 JP JP2001128007A patent/JP3962555B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4572560B2 (ja) * | 2003-10-17 | 2010-11-04 | 宇部興産株式会社 | 熱可塑性の廃プラスチックから得られる再生樹脂及びその製造方法 |
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KR101251065B1 (ko) | 2011-03-31 | 2013-04-05 | 두양산업(주) | 재생 피이티 수지 조성물 및 그 성형품 |
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