JP3962555B2 - 再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます蓋 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます蓋に関し、詳しくは、使用済みのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂成形体、例えばPETボトルを回収し、ポリ塩化ビニル(PVC)製品の代替品として有効に利用するための再生プラスチック組成物及びその成形方法並びにます蓋に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
各種飲料用ボトルとして用いられているPETボトルは、多くの自治体で回収が進んでいるが、回収したPET樹脂をそのまま樹脂原料とした射出成形品は、脆くて割れやすいという難点があるため、繊維原料として一部が再利用されているのみであり、PETボトル回収品の用途開発が強く望まれている。一方、各種配管材料や成形品として多く用いられているPVC樹脂は、近年の環境問題から代替品への置き換えが望まれている。
【0003】
そこで本発明は、PETボトル回収品からPVC代替品を製造するための樹脂原料として有効に利用することができる再生プラスチック組成物を提供するとともに、PVC成形品の代替品としての性能を発揮させることができる成形方法を提供し、さらに、代替品として最適な形状のます蓋を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の再生プラスチック組成物は、ポリエチレンテレフタレート樹脂成形体の破砕物を主体とする再生プラスチック75〜93重量部と、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物を主体とする結合材5〜20重量部と、酸化チタン白着色剤を主体とする改質剤2〜5重量部とを混合したことを特徴としている。
【0005】
本発明の再生プラスチック組成物の主原料となるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂成形体は、各種形状の成形体を対象とすることができるが、特に、前述のように回収が進んでいるPETボトルを主な対象としている。
【0006】
PETボトルのようなPET樹脂成形体は、適当な破砕機により、適当な大きさに破砕し、例えば2〜5mmの大きさの再生プラスチック片に破砕して用いる。この再生プラスチック片の最大寸法が5mmを超えると、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物からなる結合材との混合が不均一になり、成形性が低下したり、成形品の強度が低下したりすることがある。
【0007】
また、再生プラスチック片の最大寸法を2mm未満にするには、破砕機に比べて高価な粉砕機を使用する必要があり、回収再利用コストの上昇を招いてしまう。なお、再生プラスチック片には、破砕機による破砕で微粉末状態になったものが含まれていても問題はない。
【0008】
結合材としての前記エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物は、エポキシ基がPET樹脂のカルボキシル基と反応して架橋構造をとるため、PET樹脂との相溶性が良好であり、この混合物をPET樹脂に適量混合することにより、PET樹脂単体からなる成形品の脆さを改善して耐衝撃性を向上させることができる。
【0009】
改質剤としての酸化チタン白着色剤は、成形品の耐候性を改善させるためのものであって、成形品を屋外で使用したときの劣化を防止する。なお、さらに耐候性を向上させるため、紫外線吸収剤を添加することもできる。
【0010】
前記PET樹脂破砕物(再生プラスチック片)、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物(結合材)、酸化チタン白着色剤(改質剤)の混合比率は、前述のように、再生プラスチック75〜93重量部好ましくは85〜90重量部に対して、結合材5〜20重量部好ましくは8〜12重量部、改質剤2〜5重量部好ましくは2〜3重量部が適当である。
【0011】
ここで、前記結合材の混合比率が5重量部未満だと成形品が脆くなって割れやすくなり、20重量部を超えて混合すると成形品が柔らかくなって撓んでしまうという不都合が生じる。また、改質剤の混合比率が2重量部未満だと十分な耐候性を得られなくなり、5重量部を超えて混合しても耐候性の向上効果はほとんどない。
【0012】
このような再生プラスチック組成物は、通常の樹脂組成物と同様の方法で成形することが可能であるが、中でも特定の条件で射出成形することにより、PET樹脂単体のものに比べて耐衝撃性を大幅に向上させることができる。
【0013】
すなわち、本発明の再生プラスチック組成物の成形方法は、上記組成の再生プラスチック組成物を溶融状態で射出成形するにあたり、成形金型の温度を20〜30℃とし、成形品の結晶化度を20%以下にすることを特徴としている。
【0014】
成形金型の温度を30℃を超える温度にすると、金型内に射出されたPET樹脂の冷却に時間がかかるため、金型内でPET樹脂の結晶化が進んでしまう。そして、成形品の結晶化度が20%を超えると成形品が脆くなって割れやすくなってしまう。したがって、成形金型の適切な位置に冷却水通路を設置して金型温度を20〜30℃に保ち、金型内に射出された樹脂を急冷して結晶化度が20%を超えないようにする。一方、金型温度を低くし過ぎると、射出成形時の樹脂流れが阻害されて均質な成形品を得られなくなることがある。
【0015】
また、射出成形品を確実に冷却してその結晶化度を20%以下にするためには、該成形品の厚みも関係し、成形品が厚くなると内部まで冷却するのに時間がかかるため、結晶化が進んでしまうことになる。さらに、成形品の大きさも関係し、ある程度の大きさを超えると、冷却速度と樹脂流れとの関係から、均質な成形品を得にくくなる。
【0016】
このようなことから、前記再生プラスチック組成物を射出成形して得られる成形品には最適な形状、大きさ、厚みがあることになり、特に、PVC樹脂からなる成形品の代替品となるものが好ましい。このような条件を満たすPVC成形品としては、下排水経路等に設けられている排水ますの立上がり管上部開口を閉塞するます蓋がある。
【0017】
すなわち、本発明のます蓋は、前記組成の再生プラスチック組成物を前記射出成形方法で射出成形したます蓋であって、肉厚が4〜7mm、直径が150〜220mmであることを特徴とするものである。このように、肉厚が4〜7mm、直径が150〜220mmの範囲のます蓋は、本発明の再生プラスチック組成物を本発明の成形方法で射出成形して得る成形品として最適であり、PVC製ます蓋の代替品として十分な強度、耐衝撃性、耐候性を有するものとなる。
【0018】
【実施例】
PETボトルを2〜5mmの範囲に破砕した再生プラスチックと、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物(ダイセル化学製:ヒロマスターSF235)からなる結合材と、酸化チタン白着色剤からなる改質剤とを用意し、▲1▼再生プラスチック98重量部+改質剤2重量部、▲2▼再生プラスチック93重量部+結合材5重量部+改質剤2重量部、▲3▼再生プラスチック88重量部+結合材10重量部+改質剤2重量部の3種類の再生プラスチック組成物を製造した。
【0019】
そして、射出成形により、図1に断面図で示すます蓋11を製造した。このます蓋11は、ますを構成する立上がり管12の上部開口に装着されるものであって、各部の厚みTが6mmで外径Dが165mm(サイズ:150)の円盤状本体部13の下面に円筒状嵌合部14を一体成形した成形品である。
【0020】
結合材を含まない▲1▼の組成物については、金型温度60℃と20℃とで射出成形した。また、▲2▼、▲3▼の結合材を含む組成物は金型温度20℃で射出成形した。得られた各ます蓋の破壊エネルギーを、JIS K 7211落錘衝撃試験に基づく試験方法により、50%破壊エネルギー(E50[J])としてそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1の結果から、金型温度60℃では脆く、金型温度を20℃にすることによって脆さが改善されることがわかる。そして、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物からなる結合材を加えることによって脆さが大きく改善され、該結合材を全体の約5重量%以上になるように混合することにより、ます蓋として十分な耐衝撃性が得られることがわかる。
【0023】
また、▲3▼の組成物を金型温度20℃で射出成形したます蓋に対して耐候性促進試験を行ったが、500時間経過した時点で異常は認められなかった。一方、再生プラスチック片90重量部+結合材10重量部(酸化チタン白着色剤無添加)からなる組成物を金型温度20℃で射出成形したます蓋は、耐候性促進試験500時間経過後に、変色が認められた。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多くの自治体で回収が進んでいるPETボトルを再生原料として有効に利用することができ、従来はPVC製だったます蓋の代替品として特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で製作したます蓋を説明するための断面図である。
【符号の説明】
11…ます蓋、12…立上がり管、13…円盤状本体部、14…円筒状嵌合部
Claims (3)
- ポリエチレンテレフタレート樹脂成形体の破砕物を主体とする再生プラスチック75〜93重量部と、エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリカプロラクトンの混合物5〜20重量部と、酸化チタン白着色剤2〜5重量部とを混合したことを特徴とする再生プラスチック組成物。
- 請求項1記載の再生プラスチック組成物を溶融状態で射出成形するにあたり、成形金型の温度を20〜30℃とし、成形品の結晶化度を20%以下にすることを特徴とする再生プラスチック組成物の成形方法。
- 請求項2記載の再生プラスチック組成物の成形方法で射出成形して得られたます蓋であって、肉厚が4〜7mm、直径が150〜220mmであることを特徴とする再生プラスチック組成物製ます蓋。
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