JP2002322118A - ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金属塩の造粒物およびその製法 - Google Patents

ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金属塩の造粒物およびその製法

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JP2002322118A
JP2002322118A JP2001122934A JP2001122934A JP2002322118A JP 2002322118 A JP2002322118 A JP 2002322118A JP 2001122934 A JP2001122934 A JP 2001122934A JP 2001122934 A JP2001122934 A JP 2001122934A JP 2002322118 A JP2002322118 A JP 2002322118A
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Ryuzo Ueno
隆三 上野
Masaya Kitayama
雅也 北山
Nobutaka Senchi
信孝 泉地
Masaharu Kikko
正治 橘高
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Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛散性が著しく抑制されたソルビン酸または
ソルビン酸アルカリ金属塩の造粒物およびその製法を提
供する。 【解決手段】 平均粒子径が150μm以上であり、硬
度が70g〜3000gであることを特徴とするソルビ
ン酸またはそのアルカリ金属塩の造粒物を提供する。本
発明の造粒物は、ソルビン酸またはそのアルカリ金属塩
粉体を乾式圧縮して成型物を得、これを粉砕、分級する
本発明の方法により得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛散性が著しく抑
制されたソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金属塩の
造粒物およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルビン酸は、カビ、酵母、好気性菌に
対して発育阻止作用があり、多くの食品において保存剤
や防腐剤として使用されるほか、合成樹脂の原料などに
も用いられている。ソルビン酸を製造するには、一般に
ケテンとクロトンアルデヒドとの反応により得られるポ
リエステルを、酸またはアルカリの存在下で加水分解す
る方法、あるいは前記ポリエステルを熱分解する方法が
知られている。
【0003】ソルビン酸およびそのアルカリ金属塩の結
晶は一般に非常に微細なものが含まれていて飛散性が強
く、取り扱い上大きな支障を与える。例えばソルビン酸
またはそのアルカリ金属塩を、食品添加剤の原料として
仕込む時に、これらを混合タンクに投入すると、微粉末
状のソルビン酸またはそのアルカリ金属塩が粉塵となっ
て舞い上がる。空気中に舞い上がったソルビン酸または
そのアルカリ金属塩の微粉末はなかなか沈降せず、広範
囲に浮遊し、作業上に支障を来す。
【0004】このような仕込み時の作業性や安全性の問
題を軽減するため、作業者が防塵眼鏡や防塵マスクを着
用したり、反応タンクの原料仕込み口とは別の口から吸
収脱気し、フィルタで微粉末を捕集したりする方法が行
われているが完全ではない。
【0005】このような性状を有する物質の飛散性を抑
えるために、ソルビン酸またはそのアルカリ金属塩に水
分を含ませ、押出し式の造粒機で押し出した後、乾燥さ
せて、ソルビン酸またはそのアルカリ金属塩の顆粒剤を
形成することが考えられる。しかしながら、このように
して得られた顆粒剤は、個々の粒子の結合力が弱く、輸
送時や転送時等に顆粒が崩壊し、元の小粒子径の粒子に
戻り飛散するという不具合が生じることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
上記課題を解決し、飛散性および溶解性が著しく改善さ
れたソルビン酸またはそのアルカリ金属塩を得ることを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒子径が
150μm以上であり、硬度が70〜3000gである
ことを特徴とする、ソルビン酸またはソルビン酸アルカ
リ金属塩類の造粒物を提供する。このような特性を有す
るソルビン酸またはそのアルカリ金属塩の造粒物は、飛
散性が著しく抑制され、取り扱いが容易となり、環境汚
染や人体への影響が極めて軽減される。しかも、このソ
ルビン酸またはそのアルカリ金属塩の造粒物はかなり強
い衝撃を与えても、元の微粉末状の粒子に戻ることはな
く、輸送時等に崩壊することが抑制され、食品添加剤と
して好適に利用される。
【0008】本発明の造粒物は、ソルビン酸またはその
アルカリ金属塩の粉体を乾式圧縮して成型物を得、これ
を粉砕、分級することによって、好適に調製することが
できる。従って、かかる調製方法もまた、本発明の範囲
に含まれる。
【0009】
【定義】平均粒子径 平均粒子径は以下のように測定したものをいう:予め重
量を測定した造粒物を、目開き1700μm、1180
μm、840μm、500μmおよび250μmのメッ
シュスクリーンにてこの順に篩い、メッシュ上の残存量
を測定する。まず最初に、全量を1700μmのメッシ
ュにて速度230rpmで10分間、篩う。メッシュ上
の残存量を測定し、最初の重量に対する重量%を求め
る。一方、メッシュを通過した造粒物の全量を、118
0μmのメッシュで同様にして篩う。これを順次繰り返
し、最後に250μmのメッシュを通過した造粒物の量
を測定する。得られた結果から以下の式により平均粒子
径を求める: 平均粒子径(μm)=(1700×1700μmメッシ
ュ上残存部%/100)+(1180×1180μmメ
ッシュ上残存部%/100)+(840×840μmメ
ッシュ上残存部%/100)+(500×500μmメ
ッシュ上残存部%/100)+(250×250μmメ
ッシュ上残存部%/100)+(120×250μmメ
ッシュ通過分%/100)
【0010】硬度 簡易粒体硬度計を用いて測定する。試料の中心に先端1
mmφの円錐台型押し棒を当接させて加重をかけ、試料
が破砕する加重を硬度とする。
【0011】摩損度試験器による粉化率 造粒物の粉化しやすさを測定するものである。各試料1
0gを採取し、60Mのメッシュスクリーン(目開き
0.25mm)にて、1分間230rpmの速度で篩別
する。メッシュ上に残った造粒物を、内部の直径27c
m、厚さ4cmである摩損度試験器にて3分間、25回
転/分の衝撃を与えた後、再度60Mのメッシュスクリ
ーンにて1分間篩別する。衝撃を与える前の造粒物のメ
ッシュ上の残存量をW、衝撃を与えた後のメッシュ上
残存量をWとし、粉化率は下記式で示される: 粉化率(%)=(W−W)/W×100 安息角、ゆるみ見掛け比重、固め見掛け比重は、ホソカ
ワミクロン社、パウダーテスター(PT−N型)を用
い、テスターに付属の説明書に記載の方法にて測定され
るものである。
【0012】安息角 標準篩(10メッシュ)上でサンプルを振動させ、ロー
トを通じ、注入法により測定する。
【0013】ゆるみ見掛け比重 篩上でサンプルを振動させ、シュートを通して落下さ
せ、規定の容器に受けて測定する。
【0014】固め見掛け比重 規定の容器にサンプルを入れ、一定の高さから規定回数
タッピングさせ、タッピングの衝撃で固めた後に測定し
たものである。
【0015】圧縮度 圧縮度は、ゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重から以下
の式にて求められる値である: (固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比
重×100
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のソルビン酸またはそのア
ルカリ金属塩の造粒物は、上記により測定される平均粒
子径150μm以上のものであるが、好ましくは250
〜2000μm、より好ましくは350〜1600μm
であるのがよい。平均粒子径が150μm未満であると
十分な飛散抑制効果を得ることができなくなる。平均粒
子径が3000μmを超えると飛散抑制効果は優れるも
のの、粒子径が大きくなり過ぎるため溶解速度が遅く作
業効率が悪くなる傾向がある。
【0017】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物は、74μmのメッシュを通過する粒子の
割合が15重量%以下、好ましくは6重量%以下である
ことが望ましい。74μmのメッシュを通過する小粒子
径粒子の割合が15%を超えると、飛散しやすくなる。
【0018】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物の硬度は、70〜3000gであり、より
好ましくは70〜1000gであるのがよい。硬度が7
0g未満であると、造粒物が容易に崩壊しやすくなるた
め、輸送時等に粉化し、飛散の原因となる。硬度が30
00gを超えると結合力が強くなりすぎて溶解しにくく
なり、作業に支障を来すおそれがある。
【0019】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物は、多少の振動や衝撃等を加えても粉化し
ない強度を有しているものが好ましい。この強度を表わ
す指標である摩損度試験器による粉化率が3%以下のも
のが、搬送性、取り扱い性において優れた性能を示すた
め、特に好ましい。
【0020】また、本発明のソルビン酸またはそのアル
カリ金属塩の造粒物の安息角は35〜50度、好ましく
は40〜45度であるのがよい。この安息角の値は、造
粒物の粒子径が大きくなったことにより、流動性が改善
され取り扱い性が良くなったことを示す。
【0021】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物のゆるみ見掛け比重は0.5〜0.8g/c
c、好ましくは0.55〜0.75g/ccがよい。また
固め見掛け比重は0.55〜0.85g/ccがよく、好
ましくは0.6〜0.8g/ccがよい。
【0022】さらに本発明のソルビン酸またはそのアル
カリ金属塩の造粒物は (固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比
重×100 で表わされる圧縮度が10%以下、好ましくは8%以下
のものがよい。
【0023】従来提供されている小粒子径のソルビン酸
またはそのアルカリ金属塩の圧縮度は35〜45%と高
く、ゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重の差が大きいこ
とを示す。
【0024】これはソルビン酸またはそのアルカリ金属
塩の粒子を一定の容器に詰めた際、粒子間に空隙がかな
り存在することを表わす。これに対し、本発明の造粒物
は圧縮度が10%以下と低く、容器に振動、衝撃等のタ
ッピングを与えなくても造粒物間の空隙は少なく、充填
性が改善されるものである。
【0025】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物は、帯電量が0.02μC/g以下であるこ
とが好ましく、これにより容器やビニール袋等への静電
気による付着が軽減され作業性が向上する。
【0026】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物は、ソルビン酸またはそのアルカリ金属塩
の粉体を乾式圧縮した後に破砕、分級して得ることがで
きる。原料となるソルビン酸またはそのアルカリ金属塩
粉体は、従来いずれの方法で得られたものであってもよ
く、例えば特公昭44−26646号公報に記載の方法
に従い、ケテンとクロトンアルデヒドとの反応により得
られたポリエステルを、濃度35重量%以上の塩酸を用
いかつ常温以上使用塩酸の沸点付近までの温度条件下に
おいて分解し、得られた反応混合物を冷却し、濾過、水
洗浄後、水中で加熱溶解し、これに活性炭を加えて煮沸
することによってソルビン酸を製造することができる。
【0027】また、ソルビン酸のアルカリ金属塩はソル
ビン酸とアルカリ金属水酸化物の中和反応により得られ
た、ソルビン酸アルカリ金属塩の水溶液から噴霧乾燥を
行う方法等によって得ることができる。
【0028】ソルビン酸のアルカリ金属塩としては、ソ
ルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウムなどが挙げら
れるが、特に、ソルビン酸カリウムが好適に造粒され
る。
【0029】得られたソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の粉体を乾式圧縮により成型物を得、これを粉砕し
て分級することにより、本発明のソルビン酸またはその
アルカリ金属塩の造粒物を得ることができる。
【0030】一般に「造粒」とは、粉体、溶融液、水溶
液などからほぼ一定の形と大きさをもつ粉状物を作り出
す操作のことをいい、その造粒には、押し出し造粒、噴
霧乾燥造粒、破砕造粒、転道造粒、攪拌造粒、流動層造
粒等の方法があるが、本発明においては、得られたソル
ビン酸またはそのアルカリ金属塩粉体を圧縮機を用いて
圧縮して成型物を得、これを粉砕、分級して造粒物を得
る方法、一般に乾式破砕造粒と呼ばれる方法により、本
発明のソルビン酸またはそのアルカリ金属塩の造粒物を
好適に得ることができる。
【0031】乾式圧縮に際しては、圧力0.2〜3.0t
on/cmの機械圧縮が採用される。圧力が0.2to
n/cm未満であると、得られた造粒物の結合力が低
く、容易に崩壊してしまうおそれがある。圧力が3.0
ton/cmを超えると、造粒物の結合力が強くなりす
ぎ、溶解性が悪くなる。
【0032】圧縮時に用いるロールとしては、波型ロ一
ルまたは平滑スリットロールが好適に用いられる。機械
圧縮によって得られた成型物は、解砕機によって粉砕さ
れた後、分級することによって所定の粒度特性を有する
造粒物が製造される。
【0033】解砕機としては、ロール式粉砕機、媒体式
粉砕機、気流式粉砕機、剪断・磨砕式粉砕機等、様々な
粉砕機を用いることができるが、特にハンマー型高速回
転衝撃式粉砕機が好適に用いられる。
【0034】次いで粉砕された造粒物を分級する。分級
は、通常よく知られた方法にて行えばよく、例えば適当
な大きさのメッシュスクリーンを用いればよい。また、
カットされた小粒子径のソルビン酸またはそのアルカリ
金属塩は圧縮工程に、またカットされた大粒子径のソル
ビン酸またはそのアルカリ金属塩は粉砕工程にそれぞれ
再供給されることによって歩留まりの良いソルビン酸ま
たはそのアルカリ金属塩の造粒物を得ることができる。
【0035】本発明の、ソルビン酸またはそのアルカリ
金属塩を圧縮機によって圧縮したのち、粉砕、分級して
得られるソルビン酸またはそのアルカリ金属塩の造粒物
は、高い圧力をかけたことにより、粒子間に固体の構成
分子間の結合力(van der Waals力)や静電帯電による
結合力が働く距離まで接近し、凝集している状態にあ
る。この状態は湿式の押出し造粒法を用いて得られる、
顆粒の粒子間に働く液体の表面張力とは異なるものであ
る。したがって、得られたソルビン酸またはそのアルカ
リ金属塩の造粒物は衝撃を加えても容易に崩壊しにくい
にもかかわらず、溶媒には溶けやすいという特性を有し
ており、上述のごとく作業性に優れるものである。
【0036】本発明の方法において、原料として用いる
ソルビン酸またはそのアルカリ金属塩の粉体は、従来の
方法で得られた小粒子径のものを水分調整の工程等を行
わずに用いることができる。従来の原材料に水を添加し
て行う湿式押出し造粒に必要であった水分調整工程が不
要となるため製造プロセスが簡略化され、大量生産が可
能となるという利点もある。
【0037】なお、本明細書では「乾式圧縮」とは、原
材料に水等のバインダー成分を添加せずに圧縮操作を行
うことをいい、原料に全く水を含まないことを意味する
わけではない。原料となるソルビン酸またはそのアルカ
リ金属塩の粉体の水分含量は8%以下、好ましくは5%
以下であることが望ましい。水分含量の少ないソルビン
酸またはそのアルカリ金属塩を乾式圧縮することによっ
て、上述したように、衝撃に強いにもかからわらず、優
れた溶解特性を有するソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物を得ることができる。
【0038】本発明のソルビン酸またはそのアルカリ金
属塩の造粒物は、保存剤や防腐剤などの食品添加剤とし
て用いられる。以下実施例を挙げて本発明を説明する。
【0039】
【実施例】実施例1 公知の方法で工業的に製造した小粒径の(約40〜70
μm)のソルビン酸粉体(水分含量0.1%)を乾式圧
縮造粒機(RCP−66K 栗本鐵工所(株)製)を用
いて、以下の条件にて機械圧縮し、成型物を得た。
【0040】ロール形状:平滑スリット ロール回転数:16rpm スクリュー回転数:34rpm ロール圧力:1.7ton/cm
【0041】圧縮時の圧力は、ロール径とロール間距離
を一定とし、ロールの回転数とロールにソルビン酸を供
給するスクリューの回転数により決定される。
【0042】この成型物をハンマー型高速回転衝撃式粉
砕機(RGS−1512栗本鐵工所(株)製)にて粉砕
した後、種々のメッシュスクリーンにて分級し、表1に
示す粒度特性を有するソルビン酸の造粒物を調製した。
(サンプル1−1〜1−6)
【0043】実施例2 公知の方法で得られた、小粒径(約40〜70μm)の
ソルビン酸カリウム粉体(水分含量0.3%)を実施例
1と同様にして、機械圧縮し成型物を得た。この成型物
を実施例1と同様に粉砕、分級を行って、ソルビン酸カ
リウムの造粒物を調製した。(サンプル2−1〜2−
6)
【0044】実施例1、2の各サンプルについて、粒度
特性を表1に、硬度、粉化率および粉塵飛散性を表2に
示す。
【0045】実施例3 上記で調製した各サンプルを、実際の生産時を考慮して
以下に示す割合で混合し、サンプル1−7およびサンプ
ル2−7を得た。
【0046】サンプル1−7:No.1−1(21.28
%)、No.1−2(45.26%)、No.1−3(2
4.37%)、No.1−4(9.09%) サンプル2−7:No.2−1(25.81%)、No.
2−2(42.83%)、No.2−3(23.16
%)、No.2−4(8.20%) また、それぞれ未造粒のソルビン酸、ソルビン酸カリウ
ムの粉体(粒子径約40〜70μm)をサンプル1−
8、2−8とした。
【0047】サンプル1−8:未造粒のソルビン酸粉体 サンプル2−8:未造粒のソルビン酸カリウム粉体 これらのサンプルの粉体特性、および粉塵飛散性を表3
に示す。
【0048】比較例1(湿式押出法) 実施例2で用いたソルビン酸カリウム粉体にバインダー
として15%エタノール水溶液をソルビン酸カリウム粉
体に対し10重量%を添加し(水分含量8.8%)、孔
径1.2mmのダイスを有する押出式の造粒機を用いて
造粒したものを乾燥し、平均粒子径961μmのソルビ
ン酸カリウムの顆粒剤を得た。この顆粒剤の粒度特性を
表1に、硬度、粉化率、および粉塵飛散性を表2に示
す。また、実施例3の各粉体と比較すべく、粉体特性、
および粉塵飛散性を表3に示す。各種物性の測定は上記
の定義に基づき、以下の通り行った。
【0049】平均粒子径は、振とう機(飯田製作所製E
S−65型)を用い、上記の各メッシュを通過しないも
の、通過するものの重量を測定し上記定義欄にて示した
式に基づいて計算した。また、各サンプルについて、2
50μmメッシュを通過した粒子のうち、さらに74μ
mメッシュを通過する粒子を測定し、その割合を算出し
た。
【0050】硬度、粉化率、粉塵飛散特性は以下の通り
測定した。硬度 簡易粒体硬度計(筒井理化学機械(株))を用いて次の
ようにして測定した。まず、秤の針が0位置にあること
を確認した後、試料台にピンセットで試料を載置し、押
し棒を試料の中心に当接させる。次いでハンドル操作に
より試料に加重をかけ、試料が破砕した際の数値を置き
針にて読み取る。各試料につき10回以上測定し、その
平均値を算出した。なお、造粒物の粒径が0.3mm以
下のものは、試料の位置決めが困難であるため測定でき
なかった。
【0051】粉化率 摩損度試験器(萱垣医理科工業(株))を用いて次のよ
うにして測定した。まず、各試料10gを採取し、粒子
径を求める際に用いたものと同じ振とう機(飯田製作所
製ES−65型)を用い、60Mのメッシュスクリーン
(目開き0.25mm)で1分間篩別した。メッシュ上
に残ったソルビン酸造粒物を、内部の直径27cm、厚
さ4cmである摩損度試験器にて3分間、25回転/分
の衝撃を与えた後、再度60Mのメッシュスクリーンで
1分間篩別した。摩損度試験器で衝撃を与える前にメッ
シュ上に残ったソルビン酸粒子の重量をW、衝撃を与
えた後にメッシュ上に残ったソルビン酸粒子の重量をW
とし、下記式にて粉化率を算出した。 粉化率(%)=(W−W)/W×100 なお、造粒物の粒径が0.3mm以下のものは、粒子径
が小さく元々粉化された状態にあるため、測定の対象外
とした。
【0052】粉塵飛散性 粉塵飛散評価装置を用い、各サンプル50gを斜度60
度の斜面の上部から50cm滑らせ、滑りきった時に舞
う粉塵の距離と高さを測定した。なお、飛散した距離が
70cm、高さが50cmを超えたものについては、測
定不可能として「over」と示した。
【0053】粉体特性は、安息角、スパチュラ角、見掛
け比重について測定した。これらの測定は、上記の通り
粉体特性測定装置(パウダテスタPT−N型 ホソカワ
ミクロン(株))を用いて、同装置の説明書に基づいて
行った。また、スパチュラ角は、スパチュラの上に堆積
する粒子の角度を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】実施例1、2において、乾式圧縮造粒によ
って得られた造粒物のうち、平均粒子径が150μm以
上で、かつ硬度が70g以上であるもの(No.1−1
〜1−5、No.2−1〜2−5およびNo.3−1〜3
−5)は、粉化率が3%以下であり、衝撃等を与えても
容易に崩壊しないものであった。また、粉塵飛散性にお
いても、飛散距離が45cm以下であり、取り扱い性に優
れたものであった。一方、平均粒子径が150μm未満
のもの(No.1−6、No.2−6)は、粉塵飛散性に
おいて、飛散距離が50cm以上であり、取り扱い性の
悪いものであった。
【0058】実施例3のサンプル1−7および2−7
は、実際の生産時を想定して各粒子径の造粒物を混合し
たものであるが、未造粒の小粒子径のソルビン酸および
ソルビン酸カリウム(サンプル1−8、2−8)に比べ
て、安息角、スパチュラ角共に小さく、流動性の改善さ
れたものであることがわかる。また、圧縮度も8%以下
であり、充填性に優れたものであった。さらに飛散距離
も少ないため、作業性および取り扱い性に優れるもので
あった。
【0059】比較例1は、湿式押出し造粒によって得ら
れたソルビン酸カリウムの顆粒であるが、平均粒子径が
150μm以上であっても硬度が70g以下と低く、容
易に崩壊するものであった。この顆粒は粉化率が5%以
上であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 雅也 兵庫県宝塚市山本東3−76 (72)発明者 泉地 信孝 兵庫県芦屋市若宮町8−16 (72)発明者 橘高 正治 兵庫県宝塚市大吹町2−23 Fターム(参考) 4B021 LA44 MC02 MK20 4G004 AA01 MA03 4H006 AA02 AD15 BC52 BD10 BS10 BS70

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が150μm以上であり、硬
    度が70g〜3000gであることを特徴とするソルビ
    ン酸またはソルビン酸アルカリ金属塩の造粒物。
  2. 【請求項2】 全粒子に対して目開き74μmのメッシ
    ュを通過する粒子の割合が15重量%以下である、請求
    項1記載の造粒物。
  3. 【請求項3】 粉化率が3%以下である、請求項1記載
    の造粒物。
  4. 【請求項4】 安息角が35〜50度である、請求項1
    記載の造粒物。
  5. 【請求項5】 ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金
    属塩の造粒物のゆるみ見掛け比重が0.5〜0.8g/c
    cで、固め見掛け比重が0.55〜0.85g/ccであ
    り、 (固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比
    重×100 で表わされる圧縮度が10%以下である、請求項1記載
    の造粒物。
  6. 【請求項6】 ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金
    属塩の粉体を乾式圧縮して成型物を得、これを粉砕して
    分級して得られるものである、請求項1から5いずれか
    に記載の造粒物。
  7. 【請求項7】 乾式圧縮が0.2〜3.0ton/cmの
    圧力で行われる、請求項6記載の造粒物。
  8. 【請求項8】 ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金
    属塩の粉体の水分含量が8%以下である、請求項6記載
    の造粒物。
  9. 【請求項9】 ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ金
    属塩の粉体を乾式圧縮して成型物を得、これを粉砕して
    分級することを特徴とする、請求項1記載の造粒物の製
    法。
  10. 【請求項10】 乾式圧縮が0.2〜3.0ton/cm
    の圧力で行われる、請求項9記載の製法。
  11. 【請求項11】 ソルビン酸またはソルビン酸アルカリ
    金属塩の粉体の水分含量が8%以下である、請求項9記
    載の製法。
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