JP2002320402A - 作業車両の車速制御機構 - Google Patents

作業車両の車速制御機構

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質の圃場において、ロータリ耕耘装置を昇
降自在に装着した作業車両を使用して作業を行う場合、
ロータリ耕耘装置が接地するとき耕耘爪の掘削抵抗によ
る反力を受けてトラクタが前に跳びだすダッシング現象
を防止する。 【解決手段】 作業機139の下降時には、車軸回転数
センサ112より作業車両の実際の走行速度を検出し、
設定された車速との偏差からダッシングの発生を検知し
て、制御コントローラ110によって自動制御された無
段変速機構23を用いて予め走行速度を減速する。減速
時間C1及び復帰過程時間C2はダッシングの程度によ
り変化させる。そして、著しく大きなダッシングの発生
時には目標速度をゼロにして作業車両の走行を停止させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダッシングを防止
するために農用作業車両等の作業車両に備えられた車速
制御機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタ等の作業車両において、
主変速装置の変速方式としては、スライダを摺動させて
歯車を選択したり、又は、油圧クラッチを用いて常時噛
合している変速比の異なる歯車を選択して動力を伝える
ようにしたりするものがあり、主変速装置に加えて、前
後進切り替え装置を備えた技術も公知となっている。一
方、HST式変速装置は可変容量型の油圧ポンプの可動
斜板を主変速レバーと連結連動して、該主変速レバーを
回動することにより油圧ポンプからの吐出量を変更して
出力回転数を変更して主変速を行い、主変速レバーを中
立位置から逆方向に回動することにより前後進を切り換
えて、同時に変速を行えるようにしている。
【0003】そして、上述のような作業車両では、本機
後部に設けられた作業機連結部に該ロータリ耕耘装置等
の作業機を連結して作業を行う。作業機はリンク機構を
介して連結されて、作業機連結部に昇降装置を備えて、
作業状態での耕耘深さ調整及び圃場からの持ち上げのた
めの作業機の昇降動作を行うことができるようにしてい
る。ために、昇降装置には作業機の高さを設定するレバ
ーの他に、簡便に上昇又は下降をスイッチで切り換える
ことのできるようにしている。
【0004】このようにして作業車両に連結された作業
機が、例えば、ロータリ耕耘装置である場合、該ロータ
リ耕耘装置によって耕耘する土壌の硬度が高い場合に
は、作業機を降下した状態において土壌に耕耘爪が食い
込まずに地表面を走行し、作業車両を前方へ押し出す現
象(ダッシング)が発生する。このダッシングが著しい
場合には、作業車両が不意に急加速したりエンストした
りして作業車両の走行が不安定になる恐れが生じる可能
性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ダッシング防
止のため、土壌硬度の高い圃場においては作業機の下降
速度を遅くするなどの手段が採られたが、設定耕深とな
るまでに時間が長くかかっていた。また、作業機の下降
時に、一定時間だけ自動的に車速を減速する機構(特願
平6−285733)においては、自動的にトランスミ
ッションを減速させて枕地及び鋤込み始めの長さを少な
くする機構が提案されたが、通常作業時の車速段数やエ
ンジン回転によって鋤込み始めの長さは一定せず、ま
た、ミッションの変速によって急激に車速が復帰するた
め、オペレータに加速時のショックを感じさせると共
に、作業状態(例えばロータリ耕耘装置で耕耘された土
塊の大きさ)も急変してしまう。
【0006】また、ダッシング等の速度異常が発生する
と走行を停止させる技術が特開2000−66725に
より公知となっており、また、ダッシングを検知すると
ブレーキにより制動して速度を減速させる技術が、特開
平10−4701により公知となっているが、回行時等
で作業機を下降させる度にダッシングが検知されると走
行が停止したり、減速して停止したりするようになるた
めに、作業が進まなくなってしまうのである。そこで本
発明では、作業機を降下したときにダッシングが発生す
れば、許容範囲内で走行して作業ができる速度に減速す
るように制御して、この制御状態を記憶させておき、次
回作業機を下降させるときには車速を自動的に減速させ
てダッシングの発生を抑制して、作業を効率よくできる
ようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0008】即ち、請求項1においては、可変容量型の
油圧ポンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無
段変速装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段
変速機構を備え、昇降機構を備えた作業機装着装置によ
って作業機を装着可能とする作業車両において、走行速
度を検知する手段と、走行速度を設定する手段と、無段
変速機構の速度変更手段と、作業機の昇降を検知する手
段と、耕深を検知する手段と、耕深設定手段とを制御手
段と接続し、走行速度と設定速度からダッシングを検知
するとともに、ダッシング発生時に耕深設定値に応じて
減速するようにしたものである。
【0009】請求項2においては、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備え、昇降機構を備えた作業機装着装置によって作
業機を装着可能とする作業車両において、走行速度を検
知する手段と、走行速度を設定する手段と、無段変速機
構の速度変更手段と、作業機の昇降を検知する手段と、
耕深を検知する手段と、耕深設定手段とを制御手段と接
続し、走行速度と設定速度からダッシングを検知すると
ともに、ダッシング発生時に減速した減速幅、減速時
間、復帰過程時間を記憶し、繰り返し作業を行う時に前
記記憶値に基づいて走行制御するようにしたものであ
る。
【0010】請求項3においては、前記ダッシングの解
消のあとで、主変速レバーと副変速レバーによって設定
された車速に復帰する際に、トラニオン軸角度の追従速
度を調整するよう制御したものである。
【0011】請求項4においては、前記ダッシングが一
定レベル以上の時、無段変速機構を作動させて走行を停
止するよう制御したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の車速制御機構を装備したトラクタの
左側面図、図2は同じく平面図、図3はミッションケー
スの側断面図、図4は駆動伝達機構を示すスケルトン図
である。図5は主変速レバー取付部の側面図、図6は副
変速レバー取付部の側面図、図7はミッションケースの
変速部側面図、図8は同じく一部拡大図、図9は油圧回
路図、図10は制御ブロック図、図11乃至図13はフ
ローチャートである。
【0013】まず、本発明に係る車速制御機構を具備し
た油圧駆動式の作業車両の一実施例であるトラクタの概
略構成について説明する。
【0014】図1及び図2に示す如く、前記作業車両は
本機前部にエンジン2を配設し、該エンジン2をボンネ
ット3で覆っている。該ボンネット3の後部に位置する
ダッシュボード4上には、操向手段となるハンドル5を
配置し、ダッシュボード4側部にアクセルレバー18と
前後進切換操作具となる前後進切換レバー8を突出した
状態に配置している。そして、該ダッシュボード4下方
であってステップ39上には、本機前進方向右側にブレ
ーキペダル17及びアクセルペダル28を、同じく左側
にクラッチペダル42を配設している。
【0015】前記ハンドル5の後方に座席シート6を配
設し、該座席シート6近傍に副変速操作具となる副変速
レバー10、PTO変速レバー11、作業機昇降レバー
12、耕深設定手段となる耕深設定ダイヤル140を配
置し、そして、前記座席シート6の左右両側方に位置す
るフェンダー21上に主変速操作具となる主変速レバー
7を配置している。該主変速レバー7と副変速レバー1
0が走行速度設定手段となる。前記座席シート6及びハ
ンドル5を中心として本機を操向をするためのレバー等
が集中している部分を本機の操縦部9としている。な
お、前記各レバーの配置位置は限定するものではなく、
操縦部9の近傍であればよい。
【0016】また、本機前部両側に前輪13・13を支
架し、同じく後部両側に後輪14・14を支架してい
る。そして、前記座席シート6下部にミッションケース
15を配置し、該ミッションケース15の後方に本機に
各種作業機139を装着するための三点リンク式の作業
機装着装置16を配設している。実施例として、作業車
両には作業機139としてロータリ耕耘装置を搭載した
ものを例示している。作業機139は前記作業機装着装
置16によって耕耘使用範囲内で略平行昇降できるよう
本機後部に装着されている。
【0017】前記作業機139へは、前記ミッションケ
ース15の後面より突出する図示せぬPTO軸27より
動力を取り出すようにしている。該PTO軸27によ
り、ドライブシャフトを介して作業機139(ロータリ
耕耘装置)のギヤボックスの入力軸に動力が伝達される
と、該ギヤボックス内で回動方向が変えられ、メインビ
ームによりチェンケース138に動力が伝達される。メ
インビーム下部には耕耘爪144を放射状に植設した耕
耘爪軸144aが横架されており、チェンケース138
内においてメインビーム及び耕耘爪軸144aの端に固
設されたスプロケットに巻回されたチェンにより耕耘爪
軸144aに動力が伝達される。
【0018】本実施例においては、作業車両に前記作業
機139を装着するための作業機装着装置16はトップ
リンク142と二本のロワリンク141L・141Rか
らなる三点リンク式としている。作業車両の本機後方下
部に下リンク点141Lb・141Rbを中心として回
動自在にロワリンク141L・141Rを延出し、該ロ
ワリンク141L・141Rの後端で作業機139を下
ヒッチ点141La・141Raを中心として回動自在
に支承している。また、作業車両は作業機139を昇降
するための油圧昇降装置を搭載しており、該油圧昇降装
置のリフトアーム149が作業車両後部へ突出し、該リ
フトアーム149の後端ではリフトロッド143を枢結
し、該リフトロッド143はロワリンク141L・14
1Rに枢結されている。同じくリフトアーム149の後
端ではトップリンク142の前端も回動自在に枢結され
て、上リンク点142aを形成しており、該トップリン
ク142の後端は作業機139のアッパーアーム146
に上ヒッチ点142bを中心に回動自在に枢結されてい
る。
【0019】このような構成の作業機装着装置16にお
いて、油圧昇降装置であるリフトアーム149を回動さ
せると、リフトロッド143を介してロワリンク141
L・141Rが下リンク点141Lb・141Laを軸
中心として回動し、トップリンク142及びロワリンク
141L・141Rで形成されたリンク機構により、作
業機139が昇降する。作業機139の昇降状態を検知
する手段として、作業機昇降センサ148が油圧昇降装
置に設けられていて、作業機139の昇降状態を知るこ
とができるようにしている。作業機昇降センサ147は
制御手段となるコントローラ110と接続されている。
【0020】そして、作業機139がロータリ耕耘装置
であるとき、該作業機139による耕深を前記耕深設定
ダイヤル140で設定し、ロータリ耕耘装置のリヤカバ
ー145の回動中心近傍に設けられた耕深を検知する手
段となる耕深センサ147によってリヤカバー145の
角度を検知できるようにして、耕深を操縦部9で調節で
きるようにしている。
【0021】次に、作業車両の伝動機構について、図3
及び図4を用いて説明する。
【0022】前記エンジン2の出力側の後部に、ダンパ
ー20又はクラッチを介してミッションケース15内に
配置したHST(油圧式無段変速装置)23の油圧ポン
プ51の入力軸33に動力が伝達される。該入力軸33
は油圧ポンプ51を貫通して後方に延出し、伝動軸47
経てPTO駆動軸48と連結し、油圧ポンプ51を駆動
すると共に、PTO変速機構26を介してPTO軸27
に動力を伝達している。また、前記エンジン2の出力軸
近傍には回転数センサ113を配置して、エンジン2の
回転数を検知するようにしている。該回転数センサ11
3はコントローラ110と接続されている。
【0023】前記HST23は可変容量型の油圧ポンプ
51と固定容量型の油圧モータ52から構成され、油圧
ポンプ51を構成する可動斜板53は、後述する速度変
更手段としてのアクチュエータとなる油圧シリンダ67
の作動により傾倒され、該油圧シリンダ67は主変速レ
バー(HSTレバー)7等の操作で駆動されるようにし
ている。
【0024】本実施例では主変速レバー7を、図5に示
す如く、前記操縦部9のフェンダー21上に配置してお
り、フェンダー21上にレバーガイド54を設けて、ク
ランク状に構成したガイド溝に主変速レバー7を挿入し
て、該主変速レバー7の回動基部近傍に主変速レバー7
の回動位置を検知する手段となる角度センサからなるレ
バーセンサ111を配置している。具体的には、主変速
レバー7の回動軸55をミッションケース15上の油圧
ケース56から突出して、該回動軸55からアーム57
を突出し、レバーセンサ111のセンサアーム111a
から突出したピンを該アーム57に形成した溝に挿入し
て、回動軸55の回動をレバーセンサ111伝達し、主
変速レバー7の回動位置を検知する構成としている。該
レバーセンサ111はコントローラ110と接続されて
いる。
【0025】前記HST23の後側、即ち、動力伝達経
路の下流側に副変速装置24を配設している。HST2
3の油圧モータ52の出力軸25から副変速装置24に
動力を伝達し、該副変速装置24は摺動歯車31を摺動
することによって三段の変速を可能としている。前記摺
動歯車31は、図7に示す副変速装置軸69と連結した
図示せぬシフタで摺動し、該副変速操作軸69はミッシ
ョンケース15より側方に突出して、副変速アーム58
を固設している。該副変速アーム58の先端には副変速
レバーリンク59の一端を回動自在に連結して、該副変
速レバーリンク59の他端を副変速レバー10の端部に
連結している。こうして、副変速レバー10は副変速ア
ーム58及び副変速レバーリンク59等からなるリンク
機構を介して副変速装置24の摺動歯車31と連結連動
している。
【0026】前記副変速レバー10は主変速レバー7と
反対側の油圧ケース56側面に配置されて、該油圧ケー
ス56の側面より突出した支点軸60に副変速レバー1
0の下部が枢支されている。そして、副変速レバー10
の基部、即ち、支点軸60近傍に副変速位置センサ11
6を配置して、該副変速位置センサ116のセンサアー
ム116aを副変速レバー10より突出したピンに当接
するよう配置して、副変速レバー10の回動位置を検知
する構成としている。但し、該副変速位置センサ116
は支点軸60上に配置することもできる。また、副変速
レバー10や前記主変速レバー7はダッシュボード4等
に配置することもできて、その位置を限定するものでは
ない。
【0027】そして、前記副変速装置24の出力軸をド
ライブ軸30として、前記副変速装置24で変速された
あとの動力が、該ドライブ軸30の後端に設けたドライ
ブピニオン32を介して後輪デフ装置34に動力が伝達
され、該後輪デフ装置34より左右のデフヨーク軸35
L・35R、最終減速機構36・36を介して後輪14
・14が駆動される構成としている。この後輪14の回
転数を車軸回転数センサ112で検知し実際の走行速度
を検知する手段としている。本実施例ではデフヨーク軸
35Lの回転を検知する構成としているが、最終減速機
構36の歯車の回転数や後輪14を固定した車軸の回転
数やドライブ軸30の回転数を検知する構成とすること
もできる。
【0028】また、前記ドライブ軸30上に前輪駆動歯
車40を固設して、該前輪駆動歯車40より二連のカウ
ンタ歯車41を介して前輪変速装置29に伝達してい
る。該前輪変速装置29は咬合式の四輪駆動クラッチ3
7と前輪増速クラッチ38からなり、両クラッチがOF
Fの場合には後輪のみの二輪駆動となり、路上走行等に
作動される。四輪駆動クラッチ37がONとなると、前
輪13・13と後輪14・14が同速で駆動され、作業
時等に作動される。前輪増速クラッチ38は作業時にお
いてハンドル5を設定角度以上に回転させるとONとな
り、前輪13・13の駆動速度を後輪14・14よりも
増速して、約二倍の速度で駆動するようにしている。
【0029】前記前輪変速装置29によって変速された
あとの動力は、出力軸より伝動軸19を介してフロント
アクスルケース内のフロントデフ装置43に伝達され、
該フロントデフ装置43より両側のデフヨーク軸44L
・44R、最終減速機構45を介して前輪13・13を
駆動するようにしている。
【0030】前記HST23の油圧式ポンプ51の可動
斜板53には、図7に示す如く、トラニオン軸(変速
軸)61が連結されて、該トラニオン軸61はHST収
納ケース62より突出して、その先端にシフトアーム6
3を固定している。該シフトアーム63の一端(63
a)は角度センサ64のセンサアーム64aに形成され
た係合溝64abに、シフトアーム63に固設されたピ
ン63abが係合して、シフトアーム63と角度センサ
64のセンサアーム64aとを係合している。該角度セ
ンサ64はトラニオン軸61上方のHST収納ケース6
2上に固定されて、シフトアーム63(トラニオン軸6
1)の回動角を検知している。つまり、角度センサ64
はHST23の変速位置を検知し、後述するコントロー
ラ110に接続されている。なお、角度センサ64はポ
テンショメータやロータリスイッチやロータリエンコー
ダ等で構成し、限定するものではなく、また、角度セン
サ64はトラニオン軸61上又はその周囲に配置するこ
ともあり、取付位置も限定するものではない。
【0031】前記シフトアーム63の他端(63b)を
下方に延出して、連結リンク65の一端(65b)に枢
支されている。該連結リンク65の他端(65a)は後
方へ延出して、連結アーム66の一端(66a)に枢支
され、該連結アーム66の他端(66b)がアクチュエ
ータとなる油圧シリンダ67のピストンロッド67a先
端に枢支されている。該連結アーム66はその中途部が
ミッションケース15側面に固定した支点ブラケット6
8に立設したピン66cに枢支されている。従って、油
圧シリンダ67のピストンロッド67aが伸縮すると、
連結アーム66がピン66cを中心として回動し、連結
アーム66の回動に連動して連結リンク65が前後に摺
動し、シフトアーム63をトラニオン軸61を中心とし
て回動させる。このとき、トラニオン軸61はシフトア
ーム63の回動に伴って回動する。即ち、油圧シリンダ
67のピストンロッド67aの伸縮によってトラニオン
軸61を回動し、HST23の油圧式ポンプ51の可動
斜板53を制御するる仕組みとしている。
【0032】こうして可動斜板53はリンク機構を介し
てアクチュエータとなる油圧シリンダ67と連結連動し
ており、該油圧シリンダ67を前記コントローラ110
の制御信号により後述する制御バルブ86を切り換えて
伸縮させると、連結アーム66、連結リンク65、シフ
トアーム63を介してトラニオン軸61を回動して、可
動斜板53を傾倒させることができ、図8に示す如く、
その傾倒角(現トラニオン軸角度T)を角度センサ64
で検知して、コントローラ110にフィードバックする
ようにしている。
【0033】次に、図9を用いて油圧回路を説明する。
【0034】エンジン2の駆動により、第一ポンプ71
と第二ポンプ72とチャージポンプ73と油圧ポンプ5
1が駆動され、ミッションケース15内の作動油をフィ
ルタを介して吸い込み、該第二ポンプ72からの圧油が
図示しない作業機139昇降用の油圧シリンダや作業機
139水平制御用の油圧シリンダへ送油されて駆動でき
るようにしている。前記第一ポンプ71の吐出側には分
留弁74が接続され、該分留弁74はプライオリティバ
ルブとなっており、優先側の分留油路にHST23と制
御用の油圧シリンダ67に接続され、他方はパワーステ
アリング用制御バルブ75、及び、パワステシリンダ7
6に接続されている。
【0035】前記分留弁74の優先側出力油路には圧シ
リンダ67の制御圧を設定するリリーフバルブ77と制
御バルブ86に接続されている。該制御バルブ86は油
圧シリンダ67の伸長を制御する電磁バルブ78と縮小
を制御する電磁バルブ79と、チャージポンプ73へ流
れる量を制御する電磁バルブ80から構成されている。
但し、電磁バルブ78・79・80は一つの電磁バルブ
で構成することも可能である。該電磁バルブ80はPW
M制御によりデューティ比を調整して開閉制御し、流量
を制御することにより、油圧シリンダ67への油圧を制
御するようにしている。
【0036】前記電磁バルブ78又は電磁バルブ79は
後述する操作により切り換えられて、油圧シリンダ67
が伸長又は収縮して、可動斜板53の傾倒角を変更して
油圧ポンプ51の吐出量及び吐出方向を変更し、油圧モ
ータ52の出力軸25を前進回転又は後進回転させ、本
機を前進又は後進させることができる。前記HST23
は油圧ポンプ51と油圧モータ52の間を油路81・8
2により接続して閉回路を構成し、該油路81・82の
油圧は圧力センサ114・115によって検知され、該
圧力センサ114・115はコントローラ110と接続
されている。前記閉回路には前記チャージポンプ73か
らの圧油がフィルタ83、絞り84、チェックバルブ8
5を介して補給可能に接続している。
【0037】次に、図10より制御構成を説明する。走
行制御コントローラ110には、主変速レバー7の回動
位置(変速位置)を検知する主変速レバーセンサ11
1、副変速レバー10の回動位置(変速位置)を検知す
る副変速位置センサ116、前記トラニオン軸61の回
動角を検知する角度センサ64、前後進切換レバー8の
回動位置を検知する方向切換スイッチ102、車軸の回
転数を検知する車軸回転数センサ112、エンジン2の
回転数を検知するエンジン回転数センサ113、HST
23の油路81・82の圧力を検知する圧力センサ11
4・115、作業機139による耕深を設定する耕深設
定ダイヤル140、本機後部に作業機装着装置16によ
って連結された作業機139の昇降(位置)を検知する
作業機昇降センサ147、後述の減速時間(C1)カウ
ンタ及び復帰過程時間(C2)カウンタ(コントローラ
でカウントすることも可能である)が接続されている。
そして、走行制御コントローラ110に電磁バルブ78
・79のソレノイド78a・79aが接続され、コント
ローラ110からの制御信号により、電磁バルブ78・
79を切り換えて、油圧シリンダ67を伸縮駆動してト
ラニオン軸61(可動斜板53)の角度を変更できるよ
うにしている。
【0038】このような構成において、本発明に係る車
速制御機構による制御を、図11乃至図13に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0039】作業車両は、通常時にはギアやミッション
の変速操作を行う副変速レバー10と、HST23のト
ラニオン軸61の角度を決定する主変速レバー7によっ
て決定される設定速度で走行するが、作業車両に連結さ
れた作業機139を下降し、作業機(ロータリ耕耘装
置)139が接地した際、耕耘爪144が地面に食い込
まず地表面を走り、作業車両本機を前に押し出す現象
(ダッシング)が起こると、圃場が目標の深さで耕耘さ
れないだけでなく、土壌硬度が著しく高い場所では作業
車両が急加速して走行制御が不安定となる。また、耕耘
作業途中においても土壌硬度が急激に高くなる場所があ
る場合においても作業車両の速度が急変し同様の状態と
なることがある。本発明に係る車速制御機構では、上述
のダッシングを防止するために、制御コントローラ11
0が車軸回転数センサ112から実際の走行速度を計算
し、主変速レバーセンサ111と副変速位置センサ11
6の情報から設定速度と比較して、設定速度と実際の走
行速度の偏差からダッシングの発生を検知し減速を行う
よう構成している。但し、実際にはエンジン回転数も考
慮するが作業時の回転数は一定として制御している。
【0040】まず、現在の主変速レバー7の回動位置
と、副変速レバー10の回動位置と、トラニオン軸61
の回動位置が夫々センサ111・116・64によって
読み込まれ、次に、方向切換スイッチ102の信号がコ
ントローラ110に入力されて、前後進切換レバー8が
どの位置にあるかを判断したうえで、コントローラ11
0がトラニオン軸角度Tの基本設定値Tbを計算する
(151)。該基本設定値Tbは主変速レバーセンサ1
11と副変速位置センサ115からの情報によって設定
されたトラニオン軸角度Tの基本値であり、ダッシング
防止のために車速制御を行わない場合は、 この値がその
ままトラニオン軸角度Tの制御目標値となる。
【0041】次に、作業機139の油圧昇降装置に備え
た作業機昇降センサ147により、作業機139が上昇
位置から下降位置に位置変化したかどうかを作業機昇降
センサ147からの情報により判断する(152)。
【0042】作業機139が上昇位置から下降位置に位
置変化すれば、次に、ダッシング防止のために車速を減
速したときのトラニオン軸角度Tの目標値である減速時
目標値Tdを計算する(153)。減速時目標値Tdは
ダッシング防止制御を行う際、 作業機139の圃場面接
地によっておこるダッシングに備えて基本設定値Tbよ
り予め減速を行うための目標値であり、基本設定値Tb
と減速時目標値Tdの差、即ち、減速幅H(H=Tb−
Td)は作業機139による耕深目標量によって決定す
る。 目標とする耕深が大きくなるほど減速幅Hも大きく
なるように決定する。従って、減速時目標値Tdは基本
設定値Tb、主変速レバーセンサ111・副変速位置セ
ンサ115・耕耘設定ダイヤル140から得られた値、
変数Zの関数としている。なお、変数Zは、ダッシング
量Sを抑えつつ、減速時間C1及び復帰過程時間C2を
できるだけ短くするために時系列的な計算補正値のテー
ブル値を最適化していくための基本設定値Tbの補正値
であり、これにより作業した圃場にあわせて自動的に、
ダッシングを防止するために必要な減速幅H、減速時間
C1、復帰過程時間C2を短くしてゆく。
【0043】そして、減速時目標値Tdを計算したあ
と、次に、車速制御機構によりダッシングを予測して車
速を減速する時間(減速時間C1)を算出するカウンタ
をセットする(154)。該減速時間C1のカウンタ
は、セットされた後、 一定時間ごとに変数の値が減少す
る。 この変数がゼロになるまでの間、トラニオン軸角度
Tの制御目標値Tmを減速時目標値Tdとする。 減速時
間C1カウンタによって計算された減速時間C1は、主
変速レバーセンサ111・副変速位置センサ115・耕
耘設定ダイヤル140からの情報によって決定する。即
ち、目標とする耕深が大きくなるほど減速時間C1も大
きくなるようにしているのである。上述の如く、作業機
139の位置変化があるたびに減速時目標値Tdを算出
し、減速時間C1のカウンタをセットする。
【0044】そして、作業機139の位置変化がないと
き、或いは、作業機139の位置変化があって減速時間
C1カウンタをセットしたのち、ダッシング量Sを計算
する(155)。該ダッシング量Sは、正常な走行速度
値と実際の走行速度値の差であり、この値をゼロに近づ
けるために一連の車速制御を行う。 詳しくは、変速レバ
ーセンサ111・副変速位置センサ116・HST圧力
センサ114・115から得られた情報によって決定さ
れた走行速度と、車軸回転数センサ112からの情報に
より計算された実際の走行速度の差分をもとめること
で、ダッシング量Sを算出する。
【0045】次に、上述の如く算出したダッシング量S
が制御範囲内にあるかどうかを判断する(157)。ダ
ッシング量Sが、予め設定された制御範囲を超える場合
は、著しいダッシングが発生したものとして作業車両を
停止させる(158)。 予め設定された制御範囲とは、
本発明に係る車速制御機構によって車速を減速させて目
標通りの走行速度で略作業ができる範囲であって、該車
速制御機構は作業機139が下降位置にあるときに自動
制御された無段変速機構を用いて予め走行速度を減速
し、ダッシングを防止するためのものであるので、ダッ
シングが自動制御によって防止できないほど著しいとき
は作業車両の走行が不安定になる恐れがあるため、トラ
ニオン軸角度Tを中立位置(T=0)とする。即ち、著
しく大きなダッシングの発生時には目標速度をゼロにし
て作業車両の走行を停止させ、緊急的に危険を回避する
安全機構を備えているのである。
【0046】一方、ダッシング量Sが制御範囲内にある
ときは、減速時間C1のカウンタから送られた情報を基
に、カウンタの値がゼロであるかどうかを判断する(1
59)。カウンタの値がゼロであれば、ダッシング防止
のための補正値Tpを計算する(160)。補正値Tp
は発生したダッシング量Sに対して作業車両を減速させ
るための補正値であり、この値だけトラニオン軸角度T
の目標値を減速側に修正する。 補正値Tpは、現トラニ
オン軸角度T、基本設定値Tb、減速時目標値Td、車
軸回転数センサ112・HST圧力センサ115・耕耘
設定ダイヤル140から得られた情報、ダッシング量
S、変数G1によって決定され、ダッシング防止減速時
と設定速度走行時とで計算式を違えて、ダッシング量S
が大きいほどダッシング防止補正値が大きくなるように
している。 なお、変数G1は、通常設定速度時にダッシング量Sの
変動を抑えつつ、復帰過程時間C2をできるだけ短くす
るために時系列的な計算補正値のテーブル値を最適化し
ていくため、補正値Tpを最適化するパラメータであ
る。これにより、作業した圃場にあわせて自動的に、ダ
ッシングを防止するために必要な補正値Tpの変動を小
さくして車速の変動を抑え、作業条件を一定に保つこと
ができる。
【0047】そして、算出した前記補正値Tpから、ト
ラニオン軸角度Tの制御目標値Tmをセットする(16
1)。通常時(復帰時)の目標値Tmは基本設定値Tb
に前記補正値Tpを加えたものであり、減速時の目標値
Tmは減速時目標値Tdに補正値Tpを加えたものであ
る。
【0048】そして、目標値Tmを設定したあと、ダッ
シング防止減速時から通常の設定速度に復帰するまでの
時間(復帰過程時間C2)を計算するカウンタの数値を
判定する(162)。復帰過程時間C2を算出するカウ
ンタは、セットされた後、 一定時間ごとに変数の値は減
少する。 この変数がゼロになるまでの間をかけてトラニ
オン軸角度Tの制御目標値Tmを減速時目標値Tdから
通常の速度に徐々に復帰する。 この速度復帰にかける時
間は主変速レバーセンサ111・副変速位置センサ11
6・耕耘設定ダイヤル140からの情報によって決定す
る。 即ち、目標とする耕深が大きくなるほどダッシング
が起こりやすいと想定して復帰の過程にかける時間も大
きくなるとしているのである。
【0049】前記復帰過程時間C2のカウンタの値がゼ
ロでなければ、復帰モデル値Tiを計算する(16
3)。ダッシングの解消のあと、設定された通常走行速
度に復帰する際に、オペレータに加速のショックを与え
ず作業状態を急変させないためにトラニオン軸角度Tの
追従速度を調整するのである。前記復帰モデル値Tiと
は、トラニオン軸角度Tの制御目標値Tmが減速時目標
値Tdから基本設定値Tbに復帰する過程での、復帰過
程時間C2のカウンタの減少に対する理論上のトラニオ
ン軸角度Tの予測値であり、減速時目標値Td・基本設
定値Tb・現トラニオン軸角度T・復帰過程時間C2に
より決定される。 復帰モデル値Tiよりも実際のトラニ
オン軸角度T( トラニオン軸角センサ64値) が増速側
へ大きな値をとるとき、トラニオン軸61の駆動アクチ
ュエータである油圧シリンダ67ヘの出力パラメータを
減少させ、 また、増速側へ小さな値をとるとき油圧シリ
ンダ67ヘ出力パラメータを増大させる。
【0050】そして、復帰モデル値Tiを算出したあ
と、復帰オーバーシュート量Dmを計算する(16
4)。トラニオン軸角度Tの復帰オーバーシュート量D
mとは、油圧シリンダ67の実際の駆動速度が理論上の
駆動速度に比べて異なる量であり、復帰モデル値Tiか
ら現トラニオン軸角度Tを引いて算出される。
【0051】そして、前記復帰オーバーシュート量Dm
からトラニオン軸61の駆動アクチュエータである油圧
シリンダ67の出力パラメータの補正値Hmを算出する
(165)。油圧シリンダ67を減速速度時の位置から
通常設定速度時の位置に戻すとき、復帰過程時間C2だ
け時間をかけるよう復帰オーバーシュート量Dmに応じ
て油圧シリンダ67の実際の駆動速度が早すぎる場合は
遅くするよう負の値を、 遅すぎる場合は早くなるよう正
の値を復帰モデル値Tiに補正する。
【0052】また、前記復帰過程時間C2のカウンタの
値がゼロであれば、油圧シリンダ67の出力パラメータ
を初期化する(166)。即ち、出力パラメータの補正
値Hmをゼロとする。このようにして、ダッシングが止
まり、車速が収束したあと、設定の車速に復帰させるよ
うHSTトラニオン軸を駆動するのである。
【0053】一方、減速時間C1を算出するカウンタの
値がゼロでなければ、補正値Tpを計算して(16
7)、トラニオン軸角度Tの目標値Tmをセットし(1
68)、油圧シリンダ67の出力パラメータを初期化し
て(169)、復帰過程時間C2を算出するカウンタを
セットする(170)。このとき、完全にダッシングを
防止できるまで減速されておらず、減速時間C1を算出
するカウンタの値がゼロであるときと比べて、補正値T
pの値は大きく、従って、トラニオン軸角度Tの目標値
Tmが大きくなる。
【0054】そして、繰り返し発生するダッシングの程
度から、作業機139下降時の減速幅H、減速時間C
1、復帰過程時間C2を記録し、自動でパラメータの最
適化を行うために、減速時間C1、復帰過程時間C2及
びダッシング量Sの変化によるダッシングの特性を記録
する(172)。このとき、ダッシングの特性として、
変数Z1・変数U1・変数U2・変数G1・変数G2を
記録する。これらの変数は車速制御を最適化させるため
の変数である。変数U1又は変数U2は、減速時間C1
又は復帰過程時間C2を最適化するためのパラメータで
あり、ダッシング量Sを抑えつつ、減速時間C1・復帰
過程時間C2をできるだけ短くするために時系列的な計
算補正値のテーブル値を最適化する。これにより作業す
る圃場にあわせて自動的に、ダッシングを防止するため
に必要な減速幅H・減速時間C1・復帰過程時間C2を
短縮する。
【0055】変数G1及び変数G2は、何れも補正値T
pを最適化するためのパラメータであり、通常設定速度
時にダッシング量Sの変動を抑えつつ、復帰過程時間C
2をできるだけ短くするために時系列的な計算補正値の
テーブル値を最適化する。これにより作業した圃場にあ
わせて自動的に、ダッシングを防止するために必要な補
正値Tpの変動を小さくして車速の変動を抑え、作業条
件を一定に保つようにしている。
【0056】そして、上述の如く算出したトラニオン軸
角度Tの目標値Tmと、現トラニオン軸角度Tの偏差
(D=Tm−T)を計算する(173)。該偏差Dとト
ラニオン軸角度Tの不感(許容)帯幅(K)との数値関
係により、コントローラ110から油圧シリンダ67へ
伝達する信号を変化させて(174)、HST23を制
御する。
【0057】前進側に傾倒している場合には(D<−
K)、後進側(減速)方向出力パラメータPbを計算し
て(175)、後進側へ油圧シリンダ67を作動し、ト
ラニオン軸61駆動出力をする(178)。即ち、ダッ
シングが発生したときの耕耘設定ダイヤル140・主変
速レバーセンサ111・副変速位置センサ116・HS
T圧力センサ115・エンジン回転数センサ113の情
報からダッシングを止めるのに必要な減速速度を計算
し、トラニオン軸61を減速側に動かすフィードバック
制御を行うのである。なお、後進側(減速)方向出力パ
ラメータPbは、油圧シリンダ67の減速( 後進) 方向
への出力強さの基本パラメータであり、偏差Dによって
決定される。
【0058】−K≦D≦Kであれば、トラニオン軸61
駆動出力の停止処理を行う(176)。
【0059】後進側に傾倒している場合は(D>K)、
前進側(増速)方向出力パラメータPfを計算し(17
7)、前進側へ油圧シリンダ67を作動し、トラニオン
軸61駆動出力をする(179)。前進側(増速)方向
出力パラメータPfは、油圧シリンダ67の増速方向へ
の出力強さの基本パラメータであり偏差Dによって決定
される。
【0060】このようにして、前進側又は後進側の電磁
バルブ78・79を作動させて油圧シリンダ67を作動
し、主変速レバー7で設定した角度(目標値Tm)と一
致しているかを判断して、一致した位置で油圧シリンダ
67の作動を停止させる。なお、車軸回転数センサ11
2からの値によって、設定速度となった時点で油圧シリ
ンダ67の作動を停止させることもできる。
【0061】なお、トラニオン軸61が中立位置(T=
0)において、角度センサ64が中立位置以外の信号を
出力していたり、車軸回転数センサ112から出力があ
ったり、圧力センサ114と圧力センサ115の値に差
があったりすると、油圧モータ52の出力軸25が回転
している可能性があるので、この場合は圧力センサ11
4と圧力センサ115の値が同じとなるように、又は、
車軸回転数センサ112から出力がゼロになるように油
圧シリンダ67を伸縮駆動する。
【0062】上述の如くダッシングを防止するために車
速制御機構を構成したので、オペレータは特別な操作を
することなく自動的に車速が変更されてダッシングを防
止することができ、また、ダッシングが収束したときも
自動的に目的とする速度に自動的に変速されるために、
オペレータは通常通りに操縦部9で作業車両を操向だけ
で、車速の規制が従来よりも厳密となって目標とする車
速を保持することができるのである。また、作業機13
9がロータリ耕耘装置であるときには耕耘爪144が圃
場の部分的な硬度の変化にも対応することができて均一
な耕耘ができるのである。また、ダッシングが著しいと
きには作業車両の車速が急変するためにオペレータが恐
慌を来してしまいがちであるが、このとき作業車両は自
動的に走行停止するので、作業車両が暴走する恐れがな
く、安全性の向上に寄与している。
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0064】即ち、請求項1に示す如く、可変容量型の
油圧ポンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無
段変速装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段
変速機構を備え、昇降機構を備えた作業機装着装置によ
って作業機を装着可能とする作業車両において、走行速
度を検知する手段と、走行速度を設定する手段と、無段
変速機構の速度変更手段と、作業機の昇降を検知する手
段と、耕深を検知する手段と、耕深設定手段とを制御手
段と接続し、走行速度と設定速度からダッシングを検知
するとともに、ダッシング発生時に耕深設定値に応じて
減速するようにしたので、ダッシングを阻止することが
できる。
【0065】請求項2に示す如く、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備え、昇降機構を備えた作業機装着装置によって作
業機を装着可能とする作業車両において、走行速度を検
知する手段と、走行速度を設定する手段と、無段変速機
構の速度変更手段と、作業機の昇降を検知する手段と、
耕深を検知する手段と、耕深設定手段とを制御手段と接
続し、走行速度と設定速度からダッシングを検知すると
ともに、ダッシング発生時に減速した減速幅、減速時
間、復帰過程時間を記憶し、繰り返し作業を行う時に前
記記憶値に基づいて走行制御するようにしたので、ダッ
シングを防止するための車速制御を速やかに行うことが
でき、また、作業条件を一定に保つことができる。
【0066】請求項3に示す如く、前記ダッシングの解
消のあとで、主変速レバーと副変速レバーによって設定
された車速に復帰する際に、トラニオン軸角度の追従速
度を調整するよう制御したので、運転者に加速のショッ
クを与えず作業状態を急変させない。
【0067】請求項4に示す如く、前記ダッシングが一
定レベル以上の時、無段変速機構を作動させて走行を停
止するよう制御したので、緊急的に危険を回避する安全
機構を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車速制御機構を装備したトラクタの左
側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】ミッションケースの側断面図。
【図4】駆動伝達機構を示すスケルトン図。
【図5】主変速レバー取付部の側面図。
【図6】副変速レバー取付部の側面図。
【図7】ミッションケースの変速部側面図。
【図8】同じく一部拡大図。
【図9】油圧回路図。
【図10】制御ブロック図。
【図11】フローチャート図。
【図12】フローチャート図。
【図13】フローチャート図。
【符号の説明】
C1 減速時間 C2 復帰過程時間 H 減速幅 2 エンジン 16 作業機装着装置 17 ブレーキペダル 17L 左ペダル 17R 右ペダル 23 HST 51 油圧ポンプ 52 油圧モータ 53 可動斜板 67 油圧シリンダ 50 ブレーキ非連結スイッチ 61 トラニオン軸 88 連結板 110 コントローラ 111 主変速レバーセンサ 112 車軸回転数センサ 116 副変速位置センサ 139 作業機 140 耕深設定ダイヤル 147 作業機昇降センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 裕之 長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 (72)発明者 窪田 徹男 長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 Fターム(参考) 2B033 AA07 AB01 AB11 2B304 KA16 LA02 LA06 LB05 LB15 MA02 MB02 QA05 QB13 QB16 QB17 QB28 RA02 RA27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備え、昇降機構
    を備えた作業機装着装置によって作業機を装着可能とす
    る作業車両において、走行速度を検知する手段と、走行
    速度を設定する手段と、無段変速機構の速度変更手段
    と、作業機の昇降を検知する手段と、耕深を検知する手
    段と、耕深設定手段とを制御手段と接続し、走行速度と
    設定速度からダッシングを検知するとともに、ダッシン
    グ発生時に耕深設定値に応じて減速するようにしたこと
    を特徴とする作業車両の車速制御機構。
  2. 【請求項2】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備え、昇降機構
    を備えた作業機装着装置によって作業機を装着可能とす
    る作業車両において、走行速度を検知する手段と、走行
    速度を設定する手段と、無段変速機構の速度変更手段
    と、作業機の昇降を検知する手段と、耕深を検知する手
    段と、耕深設定手段とを制御手段と接続し、走行速度と
    設定速度からダッシングを検知するとともに、ダッシン
    グ発生時に減速した減速幅、減速時間、復帰過程時間を
    記憶し、繰り返し作業を行う時に前記記憶値に基づいて
    走行制御するようにしたことを特徴とする作業車両の車
    速制御機構。
  3. 【請求項3】 前記ダッシングの解消のあとで、主変速
    レバーと副変速レバーによって設定された車速に復帰す
    る際に、トラニオン軸角度の追従速度を調整するよう制
    御したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    作業車両の車速制御機構。
  4. 【請求項4】 前記ダッシングが一定レベル以上の時、
    無段変速機構を作動させて走行を停止するよう制御した
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の作業車
    両の車速制御機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019033673A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 歩行型作業車両用の危険挙動検出装置

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WO2006095720A1 (ja) 2005-03-07 2006-09-14 Iseki & Co., Ltd. 作業用車両
US7832520B2 (en) 2005-03-07 2010-11-16 Iseki & Co., Ltd. Work vehicle
JP2019033673A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 歩行型作業車両用の危険挙動検出装置

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