JP2002319112A - 磁気抵抗効果ヘッドおよび垂直磁気記録再生装置 - Google Patents
磁気抵抗効果ヘッドおよび垂直磁気記録再生装置Info
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Abstract
な磁気抵抗効果ヘッドを提供する。 【解決手段】 媒体対向面に対して膜面が実質的に垂直
に配置された、第1磁化自由層(23)および第2磁化
自由層(25)と、これらの磁化自由層の間に挟まれた
中間層(24)と、下地層(31)と、保護層(32)
とを有し、下地層、第1磁化自由層、中間層、第2磁化
自由層、保護層の順に順次積層され、第1磁化自由層お
よび第2磁化自由層は媒体からの信号磁束に応じて独立
にその磁化方向を変化させ、それぞれの磁化方向の変化
に応じて磁気抵抗効果を発揮する磁気抵抗効果膜と、前
記磁気抵抗効果膜の膜面に対して実質的に垂直に電流を
通電するために設けられ、下地層に電気的に接続された
第1電極(22)および保護層に電気的に接続された第
2電極(27)とを有する磁気抵抗効果ヘッド。
Description
ドおよび垂直磁気記録再生装置に関する。
ては、高記録密度化が急激に進んでいる。高記録密度化
に伴って記録媒体に記録される記録ビットサイズが小さ
くなり、信号磁束も小さくなってきている。このような
状況で、従来のリングコア型インダクティブ磁気ヘッド
はリングコアを介して電磁誘導効果により媒体磁束を間
接的に検出するため、小さな信号磁束に対して十分な感
度を確保できなくなっている。このため近年、磁気抵抗
効果を利用して媒体磁束を直接感知する磁気抵抗効果ヘ
ッド(MRヘッド)が実用化されてきた。
層(スペーサ層)/磁化自由層(フリー層)]という積
層膜を有し、さらに巨大な磁気抵抗効果を発生するスピ
ンバルブ型MR(SV−MR)ヘッドが主流をなしてい
る。このSV−MRヘッドはMRヘッドに比べて2倍以
上の巨大磁気抵抗効果を発揮する。
ールドの間に磁気ギャップを介してSV−MR膜を形成
した構造を有する。また、従来のSV−MRヘッドは1
対の電極からSV膜の面内にセンス電流を通電する、い
わゆるCIP(Current-in-plane)−MRヘッドとして
使用されてきた。
にセンス電流を通電する、いわゆるCPP(Current-pe
rpendicular-to-plane)−MRヘッドが提案されてい
る。CPP通電することによりさらに磁気抵抗変化率
(MR変化率)が向上するので、高いヘッド出力が期待
できる。
熱擾乱のために記録密度の向上が限界に近づいている。
このため、熱擾乱に強い垂直磁気記録システムが有望視
され、垂直記録媒体とSV−MRヘッドとを組み合わせ
たシステムが提案されている。
体に対して使用することを想定した、すでに提案されて
いるCIPモードのSV−MRヘッドの構造を示す概略
図である。図17(a)および(b)は、それぞれ図1
6(a)および(b)のSV−MRヘッドにより得られ
る出力波形を示す図である。
よび磁気シールド間の狭ギャップ化が問題となる。すな
わち、従来の面内磁気記録システムと同様に、垂直磁気
記録システムでも磁化転移でピークを有する出力波形が
得られることが好ましい。また、将来の高記録密度化に
対応するためには、磁気シールド間に設けられるSV膜
の膜厚が薄く、狭ギャップ化を達成できることが好まし
い。
ングルSV−MRヘッドを適用したものである。図16
(a)において、垂直記録層1に対向するように、1つ
のSV−MR膜10が設けられている。SV−MR膜1
0は、反強磁性層11/ピン層12/スペーサ層13/
フリー層14を積層した基本構造を有する。SV−MR
膜10は、1対の磁気シールド15、16間に配置され
ている。
るように、記録ビットに対応して単調に変化する出力波
形が得られる。この場合、従来の面内磁気記録システム
と同様に磁化転移でピークを有する出力波形を得るため
には、再生信号処理部に微分回路を追加しなければなら
ない。しかし、微分回路はノイズを増大させるおそれが
ある。また、従来のSV−MRヘッドは厚い反強磁性層
11を有するため、将来の高記録密度化に対応して狭ギ
ャップ化することが困難であるという問題があった。
ュアル・ストライプSV−MRヘッドを適用したもので
ある。図16(b)において、垂直記録層1に対向する
ように、1対のSV−MR膜10が設けられている。各
SV−MR膜10は、図16(a)と同様な基本構造を
有する。1対のSV−MR膜10は、1対の磁気シール
ド15、16間に配置されている。
差動動作させて、図17(b)に示されるように従来の
面内磁気記録システムで得られるのと同様な出力波形を
得るようにしている。しかし、この構造においては、磁
気ギャップ中に2つのSV−MR膜が形成されるため、
やはり将来の高記録密度化に対応できないという問題が
あった。
録密度化に対応して狭ギャップ化が可能な磁気抵抗効果
ヘッド、およびこのようなヘッドを搭載した垂直磁気記
録再生装置を提供することにある。
気抵抗効果ヘッドは、媒体対向面に対して膜面が実質的
に垂直に配置された、第1磁化自由層および第2磁化自
由層と、これらの磁化自由層の間に挟まれた中間層と、
下地層と、保護層とを有し、下地層、第1磁化自由層、
中間層、第2磁化自由層、保護層の順に順次積層され、
前記第1磁化自由層および第2磁化自由層は媒体からの
信号磁束に応じて独立にその磁化方向を変化させ、それ
ぞれの磁化方向の変化に応じて磁気抵抗効果を発揮する
磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して
実質的に垂直に電流を通電するために設けられ、下地層
に電気的に接続された第1電極および保護層に電気的に
接続された第2電極とを有する。
装置は、垂直磁気記録媒体と、垂直磁気記録媒体に対向
して設けられる上記の磁気抵抗効果ヘッドとを有する。
ドは、第1磁化自由層(第1フリー層)および第2磁化
自由層(第2フリー層)と、これらのフリー層の間に挟
まれた中間層(スペーサ層)と、下地層と、保護層とを
含む磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜の膜面に対して
実質的に垂直に電流を通電する第1電極および第2電極
とを有する。すなわち、この磁気抵抗効果膜は、CPP
−MR膜である。第1フリー層、中間層および第2フリ
ー層は、媒体対向面に対して膜面が実質的に垂直に配置
されている。この磁気抵抗効果膜は、下地層、第1磁化
自由層、中間層、第2磁化自由層、保護層の順で基板側
から順次積層されている。第1フリー層および第2フリ
ー層の磁化方向は、媒体(好ましくは垂直記録媒体)か
らの信号磁束に応じて独立に変化する。第1フリー層お
よび第2フリー層は、互いの磁化方向の変化に応じて磁
気抵抗効果を発揮する。
は、第1電極および第2電極に挟まれた、磁気抵抗効果
膜の部分である。このセンシング部は、第1フリー層、
中間層および第2フリー層を含むが、絶縁体からなる磁
気ギャップ層、反強磁性層および磁化固着層(ピン層)
を含まない。このため、本実施形態の磁気ヘッドは、従
来のSV−MR膜に比べて、狭ギャップ化が容易であ
り、高記録密度化に対応できる。
方向に磁気異方性を付与するには、以下のような構造が
適用される。
2フリー層で形成される磁気抵抗効果膜の両端部に1対
のハードバイアス膜を設け、第1フリー層および第2フ
リー層に実質的に一方向の磁気異方性を付与してもよ
い。
の反強磁性層を設けて第1フリー層の両端部の磁化を固
着することにより、第1フリー層の中央部に所望の方向
に磁気異方性を付与し、第2フリー層の両端部に接して
1対の反強磁性層を設けて第2フリー層の両端部の磁化
を固着することにより、第2フリー層の中央部に所望の
方向に磁気異方性を付与してもよい。この場合、第1フ
リー層中央部の磁気異方性の方向と第2フリー層中央部
の磁気異方性の方向が、約90°の角度をなすことが好
ましい。ただし、2つのフリー層に付与された磁気異方
性の方向のなす角度は、60°〜120°の範囲であれ
ばよい。
1フリー層および第2フリー層は、その磁化方向を媒体
からの信号磁束に応じて独立に変化させ、互いの磁化方
向の変化に応じて磁気抵抗効果を発揮する。その結果、
本発明の実施形態に係る磁気ヘッドは、媒体に記録され
た情報を読み出すことができる。なお、上述した第1フ
リー層および第2フリー層への磁気異方性の付与の仕方
に応じて、異なる原理で媒体磁束が検出されるが、その
検出原理については後に詳細に説明する。
なる金属層またはそれらの合金層を含有する強磁性材料
で形成される。フリー層に用いられる強磁性材料は、よ
り具体的には、Co90Fe10(at%)、CoFeN
i、NiFe、Fe、Co、Niなどである。
果を出すために、第1フリー層および第2フリー層を
[強磁性層/強磁性層]の積層構造、[強磁性層/非磁
性層]の積層構造、またはこれらの複合構造としてもよ
い。
は、[NiFe/CoFe]、[Fe/NiFe]、
[Fe/CoFe]などの組み合わせが用いられる。
場合、非磁性層は、Au、Ag、Cu、Ir、Ru、R
h、Pd、Ptなどの貴金属から選択される。界面での
散乱を増大させる[強磁性層/非磁性層]の組み合わせ
としては、[NiFe/Au]、[NiFe/Ag]、
[CoFe/Cu]、[Co/Cu]、[Fe/A
u]、[Ni/Au]などが挙げられる。
層]からなるフェリカップリング・フリー層(シンセテ
ィック・フリー層)を用い、Ms・t積(飽和磁化・厚
み積)を調整してもよい。
層、中間層および第2フリー層を含む磁気抵抗効果膜を
挟むように、下地層と保護層とが設けられる。下地層ま
たは保護層としては、Taなどの金属層、フリー層の軟
磁気特性を向上させる軟磁性下地層、フリー層の結晶配
向性を向上させる配向性制御層、電子の鏡面反射効果を
利用するための鏡面反射層(スペキュラー層)が用いら
れる。軟磁性下地層には、Ni80Fe20(at%)合金
(パーマロイ)、および非晶質CoZrNbなどが含ま
れる。配向性制御層には、[Ru/Cu]、[Au/C
u]、Cu、NiFeCr合金などが含まれる。軟磁性
下地層及び配向制御層に、米国特許5,549,978
に開示されている undercoating film の材料を用いる
こともできる。スペキュラー層には、γ−Fe2O3、F
e3O4などのFe酸化物;Ta酸化物;Ni酸化物;C
r2O3やCrO2などのCr酸化物;Mn酸化物などが
含まれる。
は中間層に挿入することが可能である。中間層中にスペ
キュラー層または上述したような絶縁層が挿入される場
合、たとえばCr酸化物などの場合は、非磁性導電性中
間層としてはCu層などが良く用いられる。このときの
非磁性導電性中間層の厚さは1nm以下であることが好
ましい。非磁性導電性中間層は、絶縁膜の片側だけに形
成してもよい。非磁性伝導層の存在により、第1および
第2フリー層の軟磁気特性が向上する。
1対の磁気シールドの間に設置することが好ましい。磁
気抵抗効果膜を1対の磁気シールドの間に設置すれば、
出力ピーク半値幅(PW50)を小さく抑えることがで
き、さらに良好な線分解能を得ることができる。
1電極または第2電極と電気的に接続することが好まし
い。このような構成では、電極およびシールドを一体的
に電極として取り扱うことができ、電極部を低抵抗化し
てCPP−MR膜への熱の影響を低減できる。
において、1対の磁化自由層(フリー層)によって磁気
回路を形成し、中間層(スペーサ層)の厚さによって線
分解能を決定する磁気ギャップを規定する場合には、シ
ールドを省略することができる。
a、Cu、Au、Ag、Rh、RuおよびIrからなる
群より選択される導電性非磁性材料が用いられる。この
ような導電性非磁性材料を用いれば、約50nm以上の
十分長いスピン拡散長を得ることができ、フリー層と中
間層との間の界面で大きなスピン依存散乱を得ることが
できる。
第2磁化自由層と接する1対の第1中間層と、1対の第
1中間層に挟まれるように形成された第2中間層とを含
む3層構造としてもよい。この場合、第1中間層をC
u、Au、Ag、Rh、RuおよびIrからなる群より
選択される少なくとも1種の金属で形成し、第2中間層
をBe、Al、MgおよびCaからなる群より選択され
る少なくとも1種の金属で形成することが好ましい。上
記の第1中間層はフリー層と中間層との間の界面で大き
なスピン依存散乱を示す。上記の第2中間層は長いスピ
ン拡散長を示す。
に酸化物層を用いてもよい。この場合、磁気抵抗効果膜
は、第1フリー層、酸化物中間層および第2フリー層を
含むトンネル型磁気抵抗効果膜である。酸化物層には、
Al酸化物たとえばAl2O3、Si酸化物たとえばSi
O2、Ta酸化物、Cr酸化物たとえばCrO2、Fe酸
化物たとえばFe3O4、およびペロブスカイト型酸化物
たとえばLaSrMnO(LSMO)からなる群より選
択される少なくとも1層が用いられる。トンネル型磁気
抵抗効果膜の素子抵抗を考慮すると、中間層の厚さは約
5nm以下にすることが好ましい。
に[金属層/酸化物層またはチッ化物層]の積層膜、ま
たは[金属層/酸化物層/金属層]もしくは[金属層/
チッ化物層/金属層]のサンドイッチ膜で形成してもよ
い。この場合、上記の酸化物層には、Al酸化物たとえ
ばAl2O3、Si酸化物たとえばSiO2、Fe酸化
物、Ta酸化物、Ni酸化物、ペロブスカイト型酸化
物、およびCr酸化物からなる群より選択される少なく
とも1層が用いられる。この場合、上記金属層には、C
u、Ru、Ag、Au、Ir、およびRhからなる群よ
り選択される少なくとも1層が用いられる。上記の金属
層は、フリー層の酸化を抑制・防止する。その結果、フ
リー層の軟磁気特性が向上し、各フリー層で低保磁力が
得られる。
態をより詳細に説明する。(第1の実施形態)図1
(a)は第1の実施形態における垂直通電型磁気抵抗効
果(CPP−MR)ヘッドを媒体対向面(ABS:air-
bearing surface)に垂直な面で切断した断面図であ
る。この図において、xはトラック長方向、yはトラッ
ク幅方向、zは媒体対向面に対して垂直な方向を示す。
このCPP−MRヘッドは、垂直磁気記録システムに使
用される。
−MRヘッドは、下部磁気シールド21、第1電極2
2、下地層31、第1磁化自由層(第1フリー層)2
3、導電性非磁性材料で形成されたスペーサ層24、第
2磁化自由層(第2フリー層)25、保護層32、第2
電極26、および上部磁気シールド27を順次積層した
構造を有する。
23と第2フリー層25、およびそれらに挟まれるスペ
ーサ層24の膜面は、媒体対向面に対してほぼ垂直にな
っている。第1フリー層および第2フリー層は、磁気記
録媒体に記録されている信号磁束に従って磁化が自由に
応答する。後述するように、第1フリー層23と第2フ
リー層25の磁化方向のなす角度により磁気抵抗変化が
発生し、媒体磁束を読み取ることができる。
23、スペーサ層24、第2フリー層25、保護層3
2、および第2電極26のABSからz方向に離れた位
置には絶縁膜28が設けられている。CPP−MR膜に
は第1電極22と第2電極26により膜面に垂直に電流
が流される。これらの電極の材料には、主にCu、A
u、Ag、Taから選択される金属または合金が用いら
れる。このCPP−MRヘッドでは、磁気シールドの有
無に関わらず良好な線分解能が得られるので、必ずしも
磁気シールドを設ける必要はない。しかし、磁気シール
ド21、27を設けた方が、線分解能をより向上できる
ので好ましい。
MRヘッドのCPP−MR膜部分をABSから見た平面
図である。第1フリー層23、スペーサ層24および第
2フリー層25を含むCPP−MR膜は、1対のハード
バイアス膜(ハード膜)29、30の間に設置されてい
る。第1フリー層23および第2フリー層25は、ハー
ド膜29、30により一方向に磁気異方性が付与される
ように、バイアス磁界が印加される。
構について説明する。図2(a)〜(c)は、媒体磁束
に対する磁気抵抗効果膜の磁化方向の変化を説明する模
式図である。これらの図は、トラック長方向に沿って、
第1フリー層23、スペーサ層24、第2フリー層25
を含むMR膜と、垂直記録層1を示している。図2
(a)はヘッドがアップ磁化の続く記録磁区の上方を走
行する場合、図2(b)はヘッドがアップ磁化とダウン
磁化との遷移領域の上方を走行する場合、図2(c)は
ヘッドがダウン磁化の続く記録磁区の上方を走行する場
合を示している。
に対する相対的位置関係の変化にしたがって、第1フリ
ー層と第2フリー層の磁化方向は、媒体中の記録磁化の
方向に応じて以下のように変化する。図2(a)に示さ
れるように、媒体中でアップ磁化が続いているときに
は、第1フリー層および第2フリー層の磁化はともにア
ップ方向に向き、互いに平行になる。図2(b)に示さ
れるように、媒体磁化の遷移領域においては、リーディ
ング側の第1フリー層の磁化がダウン方向に変化し、ト
レーリング側の第2フリー層の磁化はアップ方向のまま
変化しない。従って、第1および第2のフリー層の磁化
方向は互いに反平行になる。図2(c)に示されるよう
に、媒体中でダウン磁化が続いているときには、第1フ
リー層および第2フリー層の磁化はともにダウン方向に
向き、互いに平行になる。
出力波形(ΔV=I・Δρ)を模式的に示す。図3中の
(a)、(b)および(c)で示される出力値は、それ
ぞれ図2(a)、(b)および(c)の状態に対応して
いる。
ッドを用いた面内磁気記録システムで得られるものとほ
ぼ同じである。従って、磁気記録再生システムにおける
再生信号処理部の回路およびシステムを変更することな
く、記録磁化を感知することが可能である。
理を説明する図である。この図は図2(b)に対応して
おり、第1フリー層の磁化と第2フリー層の磁化は角度
θをなしている。
化方向が平行であるときの磁気抵抗効果膜の電気抵抗を
ρP、反平行であるときの電気抵抗をρAP、最大抵抗変
化量をΔρmaxとする。このとき、抵抗変化Δρは、第
1フリー層と第2フリー層の磁化方向がなす図4の角度
θを用いて、次式で表される。
用いて、Δρ=ρP・MRによって表すこともできる。
化の動きのみによってΔVが得られる。しかし、実際に
はフリー層の磁化の動きは媒体磁束の分布にも依存す
る。
膜の保磁力(Hc)、媒体上の遷移長(TL)、磁気的
な媒体とヘッド間の距離(MS)、パルスの半値幅(P
W50、図6に図示されている)、スペーサ層の厚さ(t
spacer)を適切に設定することが重要になる。
ン拡散長によって決定される。スペーサ層の厚さが厚く
なると出力パルス幅が広がるため望ましくない。逆に、
スペーサ層の厚さが薄くなるとMRヘッドの磁束吸い込
み効率が低下する。磁束吸い込み効率を向上するために
は、CPP−MR膜のディメンションを適切に設定する
必要がある。
PP−MRヘッドおよび記録媒体のパラメータを示す。
ここで、図5(a)に示されるように、CPP−MR素
子のデプス(奥行)をD、磁束の減衰長をFD、フリー
層の厚さをtfree1=tfree2=tf、フリー層の透磁率
をμ、スペーサ層の厚さをtspacerとする。このとき、
シールドを設けていないCPP−MRヘッドにおける磁
束の減衰長は、次式で与えられる。
2nm以上50nm以下、さらに5nm以上30nm以
下であることが好ましいことがわかっている。スペーサ
層の厚さが2nm未満であると、磁束吸い込み効率が低
下し、出力が低下する。スペーサ層の厚さが50nmよ
り大きいと、MR変化率が低下する。
与えられる。
ましい。
μ=100、tf=2nm〜10nmとなるので、減衰
長FDは14(nm)≦FD≦160(nm)となる。
デプスDは減衰長FDよりも大きいことが好ましく、D
≧FDの条件を満たすことが好ましい。この場合、フリ
ー層のデプスのみを長くしてもよい。また、MR膜のデ
プスDを長くするのではなく、図5(b)に図示したよ
うにMR膜20の後部に後部フラックスガイド33を設
けることによってもMR膜のデプスDを長くした場合と
同様に実効的に磁束効率を向上する効果が得られる。こ
の場合、後部フラックスガイド33の長さをGDとする
と、D+GD≧FDの条件を満たすことが好ましい。従
って、100Gbpsi以上の記録密度では、D≧16
0nmまたはD+GD≧160nmであることが好まし
い。
ヘッドを用いた場合の出力を具体的に見積もった例を説
明する。
2のフリー層23、25にNiFe/CoFe、スペー
サ層24にCuを用い、フリー層の厚さtfree1=t
free2=5nm、スペーサ層の厚さtspacer=20n
m、デプスD=100nm、トラック幅方向の長さL=
100nmとした。ハードバイアス膜29、30(一方
向に磁化が固着されている)にはCoCrPt膜を用
い、ハードバイアス膜の厚さt bias=40nm、残留磁
化Mrbias=500emu/ccとした。媒体は垂直記
録層1と軟磁性裏打ち層2の積層構造であり、記録層の
厚さtrecord=10nm、残留磁化Mrrecord=400
emu/cc、裏打ち層の厚さtsoft=10nmとし
た。ビット間の磁化の遷移はtanh型で仮定し、遷移
長TL=10nmとした。CPP−MRヘッドと媒体の
磁気的スペーシングMS=10nmとした。
す。図6において、(a)はシールドなし、(b)はシ
ールドあり(シールド間隔:70nm)、(c)はシー
ルドあり(シールド間隔:50nm)である。図6に示
されるように、シールド間隔が狭くなるにつれて、出力
の半値幅であるPW50は小さくなる。なお、シールド間
隔が狭くなるにつれて、出力のピーク値も低下するが問
題ない程度である。
態におけるCPP−MRヘッドを媒体対向面と平行な面
で切断した断面図である。下部シールド41上に絶縁層
42が形成され、その一部がエッチングされ、そこに下
部シールド41に接するピラー形状の第1電極43が埋
め込まれている。第1電極43を中心として、トラック
幅方向(y方向)に沿って絶縁層42の両側部の上に、
1対のパターニングされた第1の反強磁性層44a、4
4bが形成されている。第1電極43、絶縁層42およ
び第1の反強磁性層44a、44b上に、下地層55が
形成されている。下地層55上に、第1フリー層45、
スペーサ層46および第2フリー層47を含むCPP−
MR膜が形成されている。第2フリー層47の一部上に
保護層57が形成されている。トラック幅方向(y方
向)に沿って第2フリー層47の両側部に接して、1対
のパターニングされた第2の反強磁性層48a、48b
が形成されている。保護層57および第2の反強磁性層
48a、48b上に絶縁層49が形成され、その一部が
エッチングされ、そこに第2フリー層47に接するピラ
ー形状の第2電極50が埋め込まれている。絶縁層49
および第2電極50上に、上部シールド51が形成され
ている。
施形態において説明したのと同様な材料を用いることが
できる。
性金属たとえばTa、Ti、Cu、Ru、AuおよびC
rなど、ならびに軟磁性材料たとえばNiFe(パーマ
ロイ)および非晶質CoZrNbなどが挙げられる。
PdMn合金、CrMn合金、CrPtMn合金、Ir
Mn合金、RhMn合金などが用いられる。反強磁性層
のパターンは、以下のような方法によりを形成すること
ができる。(i)反強磁性体を成膜し、フォトリソグラ
フィープロセスによりレジストをパターニングし、レジ
ストをマスクとしてイオンミリングにより反強磁性層の
パターンを形成した後、レジストを除去する。(ii)フ
ォトリソグラフィーによりレジストをパターニングし、
フリー層上の保護層を除去し、反強磁性体を成膜した
後、リフトオフによってレジストおよびその上の反強磁
性体を除去することにより、反強磁性層のパターンを形
成してもよい。
縁層には、SiO2やAl2O3などが用いられる。な
お、反強磁性層がフリー層に対して十分比抵抗が大きい
場合には、必ずしも絶縁層を形成しなくてもよい。絶縁
層を形成する場合には、少なくともどちらか一方の電極
に対して形成すればよいが、両方の電極に対して形成す
ることがさらに好ましい。フリー層と電極との接触部の
サイズは、絶縁層の開口部により規定される。
シング部は第1電極43および第2電極50に挟まれた
CPP−MR膜の部分である。このセンシング部は、第
1フリー層45、スペーサ層46および第2フリー層4
7を含む。一方、パターニングされた反強磁性層44
a、44b、48a、48bはセンシング部からはずし
て形成されている。したがって、このCPP−MRヘッ
ドでも、第1の実施形態と同様に、狭ギャップを実現で
きる。
フリー層45の両端部の磁化を固着することにより、セ
ンシング部(図面の中央部)に相当する第1フリー層4
4に、媒体対向面に対して所定の角度をなす方向に磁気
異方性を付与する。同様に、第2の反強磁性層48a、
48bは、第2フリー層47の両端部の磁化を固着する
ことにより、センシング部(図面の中央部)に相当する
第2フリー層47に、媒体対向面に対して所定の角度を
なす方向に磁気異方性を付与する。第1フリー層45お
よび第2フリー層47に付与される磁気異方性の方向
は、媒体対向面から測ってほぼ45°をなし、かつ互い
にほぼ直交する方向とすることが好ましい。ただし、2
つのフリー層に付与される磁気異方性の方向がなす角度
は、おおよそ60°〜120°の範囲であればよい。
性層とフリー層との交換結合を利用して、フリー層に磁
気異方性を付与する。このため、第1フリー層45およ
び第2フリー層47にそれぞれ磁気異方性を付与するよ
うに、2段階のアニールが行われる。このとき、第1フ
リー層45に付与された磁気異方性が第2段階のアニー
リングによって影響を受けないように、第1の反強磁性
層44a、44bと第2の反強磁性層48a、48bと
の間で、膜厚を変えるかまたは組成を変え、ブロッキン
グ温度および交換結合磁界の温度特性を調整する。
れた反強磁性層によってフリー層の磁気異方性を制御す
る場合、2つの反強磁性体層間の距離Lを適切に設定す
ることが好ましい。2つの反強磁性体層間の距離Lは、
0.5μm以下であることが好ましい。Lが0.5μm
より大きいと、2つの反強磁性層間に位置するフリー層
の磁気異方性を制御することが困難になり、フリー層に
大きな保磁力を発生させ、さらにはバルクハウゼンノイ
ズを引き起こす。また、一般的にはスピン結合長は0.
2μm以下といわれているので、Lは0.2μm以下で
あることがさらに好ましい。
動作原理を説明する。本実施形態の磁気ヘッドによって
媒体磁束を検出するには、例えば以下に示す2つの方法
が用いられる。
出するための第1の方法について説明する。
る1対のフリー層に付与される磁気異方性の方向の一例
を示す図である。理解を容易にするために、この図では
第1フリー層45と第2フリー層47を横並びにして示
している。しかし、実際には第1フリー層45と第2フ
リー層47は重なっている。図8において、第1フリー
層45の磁気異方性の方向は媒体対抗面に対して約+4
5°斜め上向き、第2フリー層47の磁気異方性の方向
は媒体対抗面に対して約−45°斜め上向きとなってい
る。したがって、第1フリー層45の磁気異方性の方向
と第2フリー層47の磁気異方性の方向はほぼ直交して
いる。
れた1対のフリー層を有するCPP−MRヘッドによる
出力波形を示す図である。
を走行する場合、第1フリー層45の磁化方向と第2フ
リー層47の磁化方向はともにアップ方向に向いて互い
に平行になるため、出力電圧は−Vppという最低値を示
す。
合、第1フリー層45の磁化方向と第2フリー層47の
磁化方向はほぼ直交したままであるので、出力電圧はほ
ぼ0である。
を走行する場合、第1フリー層45の磁化方向と第2フ
リー層47の磁化方向は水平で互いに反平行になるた
め、出力電圧は+Vppという最高値を示す。
り、記録媒体の記録ビットの磁化方向を直接に検出でき
る。この動作原理を用いる場合、磁束は第1フリー層4
5または第2フリー層47から下部シールド41または
上部シールド51へと流れるので、1対の磁気シールド
を設ける必要がある。
を検出するための第2の方法について説明する。
ける1対のフリー層に付与される磁気異方性の方向の他
の例を示す図である。図10において、第1フリー層4
5の磁気異方性の方向は媒体対抗面に対して約+45°
斜め上向き、第2フリー層47の磁気異方性の方向は媒
体対抗面に対して約−45°斜め下向きとなっている。
したがって、第1フリー層45の磁気異方性の方向と第
2フリー層47の磁気異方性の方向はほぼ直交してい
る。
与された1対のフリー層を有するCPP−MRヘッドに
よる出力波形を示す図である。
移領域の上方を走行する場合、第1フリー層45の磁化
方向と第2フリー層47の磁化方向はともに水平で平行
になるため、出力電圧は−Vppという最低値を示す。
く記録磁区の上方を走行する場合、第1フリー層45の
磁化方向と第2フリー層47の磁化方向はほぼ直交した
ままであるので、出力電圧はほぼ0である。
移領域の上方を走行する場合、第1フリー層45の磁化
方向は上向き、第2フリー層47の磁化方向は下向き
で、互いに反平行になるため、出力電圧は+Vppという
最高値を示す。
り、記録ビットの遷移領域を検出できる。この動作原理
を用いる場合、磁束は第1フリー層45から第2フリー
層47へ、または第2フリー層47から第1フリー層4
5へと流れるので、1対の磁気シールドは必ずしも設け
る必要はない。
のCPP−MRヘッドに用いられるCPP−MR膜を媒
体対向面に垂直な面で切断した断面図である。図12の
CPP−MR膜は、図1(a)と同様に、下地層31、
第1フリー層23、スペーサ層24、第2フリー層2
5、保護層32が積層されている。しかし、図12のC
PP−MR膜では、スペーサ層24がそれぞれ第1フリ
ー層23または第2フリー層と接する1対の第1スペー
サ層24aと、1対の第1スペーサ層24aに挟まれる
ように形成された第2スペーサ層24bとを含む3層構
造になっている。
の実施形態に係るCPP−MRヘッドを設計する上で非
常に重要である。従って、設計の自由度を増すために
も、スペーサ層にはスピン拡散長を十分に長く設定でき
るような材料を選ぶことが好ましい。
g、Be、Caのような原子量の小さい元素からなる金
属またはそれらを含むような合金が挙げられる。Al、
Mg、Be、Caのスピン拡散長は、室温で約200n
m程度である。従って、スペーサ層の一部にAlまたは
Mg層を用いることが適当である。また、電気伝導率の
低いCu、Au、Ag、Rh、Ru、Irなどの材料も
スピン拡散長が長く、スペーサ層の材料として好まし
い。我々の研究の結果、これらの材料ではスピン拡散長
が50nm以上あると考えられる。
ーサ層/第2スペーサ層/第1スペーサ層]の3層構造
が挙げられる。第1スペーサ層には、Au、Cu、A
g、Rh、Ir、Ruから選択される金属が用いられ
る。第2スペーサ層には、Al、Mg、Be、Caから
選択される金属が用いられる。この積層構造では、第2
スペーサ層によりスピン拡散長を調整し、第1スペーサ
層と第1フリー層または第2フリー層との界面において
スピン依存散乱の効果を与える。
きるだけ伸ばすために10nm以下であることが好まし
い。第2スペーサ層の膜厚は、スピン拡散長よりも短く
なるように、200nm以下であることが好ましい。
ると、CPP−MR膜のフリー層とスペーサ層の膜厚の
合計は、第2スペーサ層のスピン拡散長の50%以下で
あることが好ましい。ここで、フリー層の膜厚とはスピ
ン依存散乱に寄与する部分の膜厚を意味する。すなわ
ち、単純フリー層の場合には全膜厚、シンセティック・
フリー層の場合にはRu層の膜厚とスペーサ層側の磁性
層の膜厚とを合計した膜厚のことを指す。
ヘッドには、図13または図14に示した磁気抵抗効果
膜を用いることもできる。
どの酸化物で形成されたスペーサ層62および第2フリ
ー層63を積層したトンネル型磁気抵抗効果膜(TM
R)の断面図である。TMR膜では、素子抵抗を考慮す
るとスペーサ層62の厚さは5nm以下であることが好
ましい。スペーサ層62には、たとえばAl2O3などの
Al酸化物、Fe3O4などのFe酸化物、LSMOなど
のペロブスカイト型酸化物から選択される少なくとも1
層を用いることができる。
MR膜であるが、スペーサ層62として[金属層62a
/酸化物層またはチッ化物層62b/金属層62a]の
積層体を用いている。中間の酸化物層またはチッ化物層
62bは必ずしも連続膜である必要はなく、非連続であ
ってもよい。酸化物層またはチッ化物層62bが連続膜
になっているか否かは、電子顕微鏡観察によって確認す
ることができる。
搭載した磁気ヘッドアセンブリ、およびこの磁気ヘッド
アセンブリを搭載した磁気ディスク装置について説明す
る。
した磁気ヘッドアセンブリの斜視図である。アクチュエ
ータアーム201は、磁気ディスク装置内の固定軸に固
定されるための穴が設けられ、図示しない駆動コイルを
保持するボビン部等を有する。アクチュエータアーム2
01の一端にはサスペンション202が固定されてい
る。サスペンション202の先端にはCPP−MRヘッ
ドを搭載したヘッドスライダ203が取り付けられてい
る。また、サスペンション202には信号の書き込みお
よび読み取り用のリード線204が配線され、このリー
ド線204の一端はヘッドスライダ203に組み込まれ
たCPP−MRヘッドの各電極に接続され、リード線2
04の他端は電極パッド205に接続されている。
ッドアセンブリを搭載した磁気ディスク装置の内部構造
を示す斜視図である。磁気ディスク211はスピンドル
212に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制
御信号に応答する図示しないモータにより回転する。ア
クチュエータアーム201は固定軸213に固定され、
サスペンション202およびその先端のヘッドスライダ
203を支持している。磁気ディスク211が回転する
と、ヘッドスライダ203の媒体対向面は磁気ディスク
211の表面から所定量浮上した状態で保持され、情報
の記録再生を行う。アクチュエータアーム201の基端
にはリニアモータの1種であるボイスコイルモータ21
4が設けられている。ボイスコイルモータ214はアク
チュエータアーム201のボビン部に巻き上げられた図
示しない駆動コイルとこのコイルを挟み込むように対向
して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気
回路とから構成される。アクチュエータアーム201は
固定軸213の上下2個所に設けられた図示しないボー
ルベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ2
14により回転摺動が自在にできるようになっている。
ギャップ化が可能になり、高記録密度化に対応できる磁
気抵抗効果ヘッド、およびこの磁気抵抗効果ヘッドを有
する磁気記録再生装置を提供することができる。
果(CPP−MR)ヘッドを媒体対向面に垂直な面で切
断した断面図、およびこのCPP−MRヘッドのCPP
−MR膜を媒体対向面から見た平面図。
ついて媒体磁束に対する磁気抵抗効果膜の磁化方向の変
化を説明するための模式図。
出力波形を模式的に示す図。
るための図。
ヘッドおよび記録媒体のパラメータを示す図、(b)は
第1の実施形態におけるCPP−MRヘッドに後部フラ
ックスガイドを設けた状態を示す図。
図。
媒体対向面と平行な面で切断した断面図。
ー層に付与される磁気異方性の方向の一例を示す図。
のフリー層を有するCPP−MRヘッドによる出力波形
を示す図。
リー層に付与される磁気異方性の方向の他の例を示す
図。
1対のフリー層を有するCPP−MRヘッドによる出力
波形を示す図。
図。
ドを搭載した磁気ヘッドアセンブリの斜視図、および磁
気ディスク装置の内部構造を示す斜視図。
図。
示す図。
Claims (18)
- 【請求項1】媒体対向面に対して膜面が実質的に垂直に
配置された、第1磁化自由層および第2磁化自由層と、
これらの磁化自由層の間に挟まれた中間層と、下地層
と、保護層とを有し、下地層、第1磁化自由層、中間
層、第2磁化自由層、保護層の順に順次積層され、前記
第1磁化自由層および第2磁化自由層は媒体からの信号
磁束に応じて独立にその磁化方向を変化させ、それぞれ
の磁化方向の変化に応じて磁気抵抗効果を発揮する磁気
抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して実質
的に垂直に電流を通電するために設けられ、下地層に電
気的に接続された第1電極および保護層に電気的に接続
された第2電極とを有する磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項2】 さらに、前記第1の電極、前記磁気抵抗
効果膜および前記第2の電極で形成された構造の両面に
設けられた1対の磁気シールドを有する請求項1に記載
の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項3】 前記1対の磁気シールドの各々は前記第
1または第2電極と電気接続されている請求項2に記載
の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項4】 前記中間層が、導電性非磁性層で形成さ
れている請求項1に記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項5】 前記中間層が、Be、Al、Mg、C
a、Cu、Au、Ag、Rh、RuおよびIrからなる
群より選択される少なくとも1種の金属で形成されてい
る請求項4に記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項6】 前記中間層は、それぞれ前記第1磁化自
由層または第2磁化自由層と接する1対の第1中間層
と、前記1対の第1中間層に挟まれた第2中間層とを含
む3層構造を有する請求項1に記載の磁気抵抗効果ヘッ
ド。 - 【請求項7】 前記第1中間層はCu、Au、Ag、R
h、RuおよびIrからなる群より選択される少なくと
も1種の金属から形成され、前記第2中間層はBe、A
l、MgおよびCaからなる群より選択される少なくと
も1種の金属から形成される請求項6に記載の磁気抵抗
効果ヘッド。 - 【請求項8】 前記中間層が、酸化物層で形成されてい
る請求項1に記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項9】 前記酸化物層が、Al酸化物、Si酸化
物、Fe酸化物、Cr酸化物、Ta酸化物、Ni酸化物
およびペロブスカイト型酸化物からなる群より選択され
る少なくとも1層で形成されている請求項8に記載の磁
気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項10】 前記酸化物層の厚さは約5nm以下で
ある請求項8に記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項11】 前記中間層が、[金属層/酸化物層ま
たはチッ化物層]の積層膜、または[金属層/酸化物層
/金属層]もしくは[金属層/チッ化物層/金属層]の
サンドイッチ膜で形成されている請求項1に記載の磁気
抵抗効果ヘッド。 - 【請求項12】 前記酸化物層が、Al酸化物、Si酸
化物、Fe酸化物、ペロブスカイト型酸化物、Ta酸化
物、Cr酸化物およびNi酸化物からなる群より選択さ
れる少なくとも1層で形成されている請求項11に記載
の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項13】 さらに、前記第1磁化自由層、中間層
および第2磁化自由層を含む磁気抵抗効果膜のトラック
幅方向に沿う両端部に形成された、前記第1磁化自由層
および第2磁化自由層に実質的に同一方向に磁気異方性
を付与する1対のハードバイアス膜を有する請求項1に
記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項14】 さらに、前記第1磁化自由層のトラッ
ク幅方向に沿う両端部に接して形成され、前記第1磁化
自由層に所定方向に磁気異方性を付与する1対の第1の
反強磁性膜と、前記第2磁化自由層のトラック幅方向に
沿う両端部に接して形成され、前記第2磁化自由層に所
定方向に磁気異方性を付与する1対の第2の反強磁性膜
とを有する請求項1に記載の磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項15】 前記1対の第1の反強磁性膜によって
前記第1磁化自由層に付与される磁気異方性の方向と、
前記1対の第2の反強磁性膜によって前記第2磁化自由
層に付与される磁気異方性の方向とが、互いに約60°
〜120°の角度をなす請求項14に記載の磁気抵抗効
果ヘッド。 - 【請求項16】 前記1対の第1の反強磁性膜間の距
離、および前記1対の第2の反強磁性膜間の距離が、約
0.5μm以下である請求項14に記載の磁気抵抗効果
ヘッド。 - 【請求項17】 前記1対の第1の反強磁性膜間の距
離、および前記1対の第2の反強磁性膜間の距離が、約
0.2μm以下である請求項16に記載の磁気抵抗効果
ヘッド。 - 【請求項18】垂直磁気記録媒体と、垂直磁気記録媒体
に対向して設けられる請求項1ないし16のいずれかに
記載の磁気抵抗効果ヘッドとを有する垂直磁気記録再生
装置。
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