JP2005184014A - 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気抵抗変換システム及び磁気記録システム - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気抵抗変換システム及び磁気記録システム Download PDF

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Kazuhiko Hayashi
一彦 林
Junichi Fujikata
潤一 藤方
Tsutomu Ishi
勉 石
Shigeru Mori
茂 森
Hiroyuki Ohashi
啓之 大橋
Masabumi Nakada
正文 中田
Kiyokazu Nagahara
聖万 永原
Kunihiko Ishihara
邦彦 石原
Nobuyuki Ishiwata
延行 石綿
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Abstract

【課題】 センス電流が縦バイアス層に流れることを防止し、再生波形のノイズが少なく、(S/N)比及びビットエラーレートが良好な磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気抵抗変換システム及び磁気記録システムを提供する。
【解決手段】 縦バイアス層2bにより印加される磁界方向において、フリー層3bの長さを固定層5の長さよりも長くし、固定層5と縦バイアス層2bとの間の距離を保ったまま、フリー層3bが縦バイアス層2bの近傍に配置する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、磁気記録媒体上に情報信号を記録し、その情報信号を読み取り再生するための磁気抵抗効果素子、この磁気抵抗効果素子を具備する磁気抵抗効果ヘッド、この磁気抵抗効果ヘッドを具備する磁気抵抗変換システム及びこの磁気抵抗変換システムを具備する磁気記録システムに関し、特に、強磁性トンネル接合を利用し、再生信号のノイズが少ない磁気抵抗効果素子に関する。
従来、磁気抵抗センサ(Magneto-Resistance Sensor、以下、MRセンサという)又はヘッドと呼ばれる磁気読み取り変換器が開示されており、この磁気読み取り変換器は大きな線形密度で磁性表面からデータを読み取ることができる。MRセンサは、読み取り素子が外部から印加される磁束の強さ及び方向の関数として電気抵抗値を変化させ、この電気抵抗値の変化を測定することにより磁界信号を検出する。
このような従来のMRセンサは、読み取り素子の電気抵抗値の変化成分が磁化方向と読み取り素子中を流れる感知電流方向との間の角度の余弦の2乗に比例して変化する異方性磁気抵抗効果(Anisotropic Magneto-Resistance effect、以下、AMR効果という)に基づいて動作する。AMR効果のより詳しい説明は、非特許文献1(D.A.トムプソン(Thompson)、アイ・イー・イー・イー、トランスアクションズ・オン・マグネチックス(IEEE Transactions on Magnetics)第MAG−11巻、第4号、第1039ページ、1975年、"Memory,Storage,and Related Applications")に記載されている。
また、最近では、積層磁気センサの電気抵抗値変化が非磁性層を介する磁性層間での伝導電子のスピン依存性伝送及びそれに付随する層界面でのスピン依存性散乱に起因するより顕著な磁気抵抗効果が開示されている。この磁気抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効果」及び「スピン・バルブ効果」等種々の名称で呼ばれている。このような磁気抵抗センサは適当な材料で構成されており、AMR効果を利用するセンサで観察されるよりも検出感度が改善され、電気抵抗値変化が大きい。この種のMRセンサにおいては、非磁性層で分離された一対の強磁性体層の間の平面内抵抗が、前記一対の強磁性体層における磁化方向間の角度の余弦に比例して変化する。1988年6月に優先権主張されている特開平2−61572号公報には、磁性層内における磁化方向の反平行整列によって生じる高いMR変化をもたらす積層磁性構造が記載されている。
一方、近年、トンネル電流が流れる極薄絶縁層(バリア層)の上下に位置する強磁性体の磁化方向の相対的変化により電気抵抗値が変化する現象が発見され、強磁性層、バリア層、強磁性層の積層構造は強磁性トンネル接合と名付けられている。強磁性トンネル接合については、例えば、非特許文献2(ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)第79(8)巻、第15号、第4724頁、1996年)等に紹介されている。
しかしながら、強磁性トンネル接合を利用するシールド型素子においては、素子の電気抵抗値変化を検出するためのセンス電流をトンネル接合部に垂直に流す必要がある。しかしながら、従来のスピンバルブを使用するシールド型素子に類似した構造では、センス電流がトンネル接合部の近傍に配置されたフリー層の磁区を制御するための縦バイアス層を流れてしまい、トンネル接合部を流れる電流が減少し、電気抵抗値変化を減少させるという問題点がある。
この問題点を解決するために、1996年11月27日に優先権主張されている特許文献1(特開平10−162327号公報)において、強磁性トンネル接合膜を使用する再生ヘッドにおいて縦バイアス層がフリー層に接触しないような構造を有する再生ヘッドが開示されている。
図106は、特許文献1に記載されている従来の強磁性トンネルヘッドの部分断面図である。図106には、パターン化された強磁性トンネル接合素子、即ち、磁気抵抗効果素子30において、縦バイアス層2bとフリー層3bとの間に絶縁層11が配置されている構造が示されている。これにより、センス電流が縦バイアス層2bに流れることを防止できる。
しかしながら、この磁気抵抗効果素子30は、縦バイアス層2bとフリー層3bとの間に配置された絶縁層11が磁気分離層としても作用してしまうため、フリー層3bに十分な大きさの縦バイアス磁界を印加することが困難である。そのため、フリー層3bの磁区が十分に制御されず、シールド型センサとしてR−Hループ上でヒステリシスが大きくなり、記録媒体上の磁気情報を再生した場合にはノイズが多い再生信号になるという問題点がある。
この問題点を解決するために、1997年3月7日に優先権主張されている特許文献2(特開平10−255231号公報)において、強磁性トンネル接合膜を使用する再生ヘッドにおいて縦バイアス層がフリー層に接触するような構造が開示されている。
図107及び図108は、特許文献2に記載されている強磁性トンネルヘッドの部分断面図である。図107及び図108には、フリー層3b、非磁性層4及び固定層5からなる積層体において、フリー層3b又は固定層5のいずれかの端部に、縦バイアス層2bが直接接触している構造が示されている。
D.A.トムプソン(Thompson)、アイ・イー・イー・イー、トランスアクションズ・オン・マグネチックス(IEEE Transactions on Magnetics)第MAG−11巻、第4号、第1039ページ、1975年、"Memory,Storage,and Related Applications"」 ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)第79(8)巻、第15号、第4724頁、1996年 特開平10−162327号公報 特開平10−255231号公報
しかしながら、図107及び図108に示された構造には以下のような問題点がある。本発明の実施例の項において述べるように、図107及び図108に示された構造を狙って実際に再生ヘッドを作製したところ、センス電流が縦バイアス層2bに流れてしまい非磁性層4に十分に流れず、センス電流の十分な出力を得ることかできなかった。出力が小さいと(S/N)比及びビットエラーレートも十分な値を得ることができない。従って、この構造では、原理的にはセンス電流が縦バイアス層2bに流れて非磁性層4をバイパスすることを防止できるはずではあるが、縦バイアス層2bがフリー層3b、非磁性層4及び固定層5からなる積層体における非磁性層4の端部の直近に配置されているため、この構造をセンス電流が縦バイアス層2bに流れて非磁性層4をバイパスすることを防止できるように正確に作製することは困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、センス電流が縦バイアス層に流れることを防止し、再生波形のノイズが少なく、(S/N)比及びビットエラーレートが良好な磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気抵抗変換システム及び磁気記録システムを提供することを目的とする。
本発明に係る磁気抵抗効果素子は、下部導電層と、この下部導電層上に設けられ磁化方向が固定された固定層と、この固定層上に設けられた非磁性層と、この非磁性層上に設けられ印加される磁界によって磁化方向が変化するフリー層と、このフリー層上に設けられた磁性層と、この磁性層上に設けられ前記磁性層に磁界を印加する縦バイアス層と、を有し、前記非磁性層の電気抵抗値変化を検出するセンス電流が前記非磁性層に実質的に垂直に流れることを特徴とする。
本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドは、前記磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効果素子の基材となる下シールド層と、前記磁気抵抗効果素子上に設けられ前記磁気抵抗効果素子にこの磁気抵抗効果素子の電気抵抗値変化を検出するセンス電流を入力するための上部導電層と、この上部導電層上に設けられた上シールド層と、を有することを特徴とする。
本発明に係る磁気抵抗変換システムは、前記磁気抵抗効果ヘッドと、前記磁気抵抗効果ヘッドにセンス電流を供給する電流発生回路と、前記磁気抵抗効果ヘッドの電気抵抗変化を検出して前記磁気抵抗効果ヘッドに印加された磁界を求めるデータ読取回路と、を有することを特徴とする。
本発明に係る磁気記録システムは、前記磁気抵抗変換システムと、この磁気抵抗変換システムによりデータを記録及び再生する複数個のトラックを有する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体における選択されたトラックが配置されている位置へ前記磁気抵抗変換システムを移動させる第1のアクチュエータと、前記トラックを回転駆動させる第2のアクチュエータと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、従来よりも再生波形のノイズが少なく、(S/N)比及びビットエラーレートが良好な磁気抵抗効果ヘッドを得ることができる。また、この磁気抵抗効果ヘッドを使用して、高性能な磁気記録再生装置、磁気記憶装置を得ることができる。
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明の実施例において使用する部分断面図は、全て磁気抵抗効果ヘッドをエア・ベアリング表面に平行に切断した部分断面図である。また、本発明の実施例において、層等を「パターン化する」という表現は、図示されている断面における図示されている領域内においてエッチング等の手段により層等の一部を残し一部を除去することを指し、図示されない断面又は領域においてエッチング等の手段により層等の一部を残し一部を除去することは指さない。即ち、本発明の実施例において、「パターン化する」という記載のない層等であっても、図示されない断面又は領域においてエッチング等の手段により層等の一部を残し一部が除去されている場合もあり得る。
本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法ついて説明する。図1乃至7は、本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図1に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図2に示すように、下部導電層1上に開口部20aを有するフォトレジスト20を形成し、下部導電層1をドライエッチング等の手段によりエッチングし、下部導電層1の表面に凹部1aを形成する。
次に、図3に示すように、下部導電層1の凹部1a上に、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを下部導電層1の凹部に部分的に埋め込むように成膜し、その後、フォトレジスト20を取り除く。
次に、図4に示すように、下部導電層1及び縦バイアス層2b上にフリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をこの順に形成し積層する。
次に、図5に示すように、上部層7の上面における直下に縦バイアス層2bが配置されていない領域の中央部を覆うようにフォトレジスト21を形成し、フォトレジスト21をマスクとして非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をドライエッチング等によりエッチングし、エッチングされた部分を埋め込むように絶縁層11を形成する。このとき、上部層7の上面は絶縁層11の上面において露出するようにする。
次に、図6に示すように、フォトレジスト21を除去し、下部導電層1、縦バイアス層下地層2a、縦バイアス層2b、フリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7からなる磁気抵抗効果素子31aを形成する。
次に、図7に示すように、上部層7及び絶縁層11上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成してこれをマスクとして上部導電層15をドライエッチング等によりパターン化した後に、このフォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド61aを形成する。
本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド61aの構成について説明する。図7に示すように、下シールド層16及び下部導電層1が設けられ、下部導電層1は凹部1aを有し、凹部1aに縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられている。下部導電層1における縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられていない部分及び縦バイアス層2bの上にはフリー層下地層3a及びフリー層3bが設けられている。フリー層3b上には、縦バイアス層2bの直上に配置されないようにパターン化された非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7がこの順に積層されている。
また、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7は絶縁層11に埋め込まれており、上部層7の上面は絶縁層11の上面に露出している。更に、上部層7及び絶縁層11上には上部導電層15が設けられ、上部導電層15上には上シールド層17が設けられている。
上記の構造において、下部導電層1及び上部導電層15は、下部導電層1と上部導電層15との間に配置されているフリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7に対して、積層面に垂直方向にセンス電流を流すための下部電極及び上部電極である。下部導電層1及び上部導電層15を構成する材料としては、Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Pt及びTa等からなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、Au、Ag、Cu、Pt及びTaはより有力な候補である。また、基体を構成する材料としては、アルチック、SiC、アルミナ、アルチック、アルミナ、SiC、アルミナが挙げられる。
また、縦バイアス層2bはフリー層3bに縦バイアス磁界を印加するためのものであり、縦バイアス層下地層2aは縦バイアス層2bの結晶性等の膜質を改善し、縦バイアス層2bの磁気特性を良好にするための下地層である。縦バイアス層下地層2aを構成する材料としては、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb、V、Fe、FeCo、FeCoNi及びNiFe等からなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、Cr、Fe及びCoFeはより有力な候補である。また、縦バイアス層2bを構成する材料としては、CoCrPt、CoCr、CoPt、CoCrTa、FeMn、NiMn、Ni酸化物、NiCo酸化物、Fe酸化物、NiFe酸化物、IrMn、PtMn、PtPdMn、ReMn、Coフェライト及びBaフェライトからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、CoCrPt、CoCrTa、CoPt、NiMn及びIrMnはより有力な候補である。
フリー層3bは磁気抵抗効果ヘッド61aを含む磁気センサに外部磁界が印加されると、その磁界の方向及び大きさに応じて磁化の方向を変える磁性層である。フリー層3bには縦バイアス層2bを介して外部磁界が印加される。また、フリー層下地層3aはフリー層3bの結晶性等の膜質を改善し、フリー層3bの磁気特性を良好にするための下地層である。フリー層下地層3aを構成する材料としては、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb及びVからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、Ta、Zr及びHfはより有力な候補である。フリー層3bを構成する材料としては、NiFe、CoFe、NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb及びCoZrMoNiの合金又はアモルファス磁性材料が挙げられる。添加元素として、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb及びVからなる群より選択された1種以上の元素を使用することもできる。NiFe、(NiFe/CoFe)2層膜、(NiFe/NiFeCo)2層膜及び(NiFe/Co)2層膜はより有力な候補である。
固定化層6bは固定層5の磁化方向を固定するための層であり、固定化層下地層6aは固定化層6bの結晶性等の膜質を改善し、固定化層6bの磁気特性を良好にするための下地層である。また、固定層5は固定化層6bにより磁化方向が固定されている層である。
固定化層下地層6aを構成する材料としては、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb及びVからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、Ta、Zr及びHfは有力な候補である。また、固定化層6bを構成する材料としては、FeMn、NiMn、IrMn、RhMn、PtPdMn、ReMn、PtMn、PtCrMn、CrMn、CrAl、TbCo、CoCr、CoCrPt、CoCrTa及びPtCo等を使用することができる。特に、PtMn又はPtMnにTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si及びAlのうち少なくとも1種の元素を添加した材料は有力な候補である。
固定層5を構成する材料としては、NiFe、Co、CoFe、NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb及びCoZrMoNiの合金又はアモルファス磁性材料を使用することができる。また、これらの材料と、Ti、V、Cr、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ra、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al及びNiからなる群より選択された少なくとも1種の金属又はその合金とを組み合わせた積層膜を使用することも可能である。特に、(Co/Ru/Co)、(CoFe/Ru/CoFe)、(CoFeNi/Ru/CoFeNi)、(Co/Cr/Co)、(CoFe/Cr/CoFe)及び(CoFeNi/Cr/CoFeNi)各3層膜は有力な候補である。
非磁性層4はフリー層3bと固定層5との間に配置され、フリー層3bの磁化方向と固定層5の磁化方向とのなす角度に応じて、電気抵抗値が変化する層である。非磁性層4を構成する材料としては、金属、酸化物、窒化物、酸化物と窒化物の混合物又は金属と酸化物との多層膜、金属と窒化物との多層膜、金属と酸化物及び窒化物の混合物との多層膜を使用する。このとき、金属はTi、V,Cr、Co、Cu,Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re及びVからなる群より選択された少なくとも1種以上の金属であり、酸化物はこれらの金属の酸化物であり、窒化物はこれらの金属の窒化物である。特に、Alの酸化物及びCuは有力な候補である。
また、上部層7はその下に配置されている層が、磁気抵抗効果ヘッド61aの製造プロセス中及び使用環境中において腐食されることを防止する層である。上部層7を構成する材料としては、Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、Ti、Pt、Zr、Hf、V、Nb、Ta及びRuからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、Ta、Zr及びTiは有力な候補である。
更に、絶縁層11は非磁性層4を流れるセンス電流が漏洩することを防止する層である。絶縁層11を構成する材料としては、Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコン又はダイアモンドライクカーボンからなる単体、これらの混合物及びこれらにより構成される多層膜が挙げられる。
更にまた、下シールド層16及び上シールド層17を構成する材料としては、NiFe、CoZr、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi、FeAlSi、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェライト及びMgZnフェライトからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。
次に、磁気抵抗効果ヘッド61aの動作について説明する。磁気抵抗効果ヘッド61aに外部から磁界が印加されると、縦バイアス層2bを介してフリー層3bに磁界が印加され、印加される磁界の方向及び大きさに応じてフリー層3bの磁化の方向が変わる。このとき、固定層5は固定化層6bにより磁化方向が固定されているため、固定層5の磁化方向とフリー層3bの磁化方向との間に変化が生じ、非磁性層4の電気抵抗値が変化する。この状態において、下部導電層1及び上部導電層15により非磁性層4に垂直な方向にセンス電流を流し、非磁性層4の電気抵抗値を測定することにより、外部の磁界を検出することができる。
本実施例の効果について説明する。本実施例の磁気抵抗効果ヘッド61aにおいては、図7に示すように、フリー層3bの長さが固定層5の長さよりも長くなっており、フリー層3bのみが縦バイアス層2bの近傍に配置されている。これにより、縦バイアス層2bはフリー層3bに確実且つ効果的に磁界を印加できると共に、固定層5からセンス電流が縦バイアス層2bに漏洩することを防止することができる。これにより、印加されたセンス電流のほぼ全てが非磁性層4に流れ、磁気抵抗効果ヘッド61aの性能が向上する。
また、パターン化された縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bの膜厚方向の一部が下部導電層1の凹部1aに埋め込まれているために、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bのパターンの端部における傾斜が緩やかになり、縦バイアス層2bからフリー層3bに縦バイアス磁界をより有効に印加することができる。
図8及び図9は、本実施例における磁気抵抗効果素子の変形例を示す部分断面図である。図8はフリー層3bがパターン化され、フリー層3bの端部が縦バイアス層2bの端部に接触している磁気抵抗効果素子31bを示している。
また、図9はフリー層3bがパターン化され、フリー層3bの端部が縦バイアス層2b上に重なっている磁気抵抗効果素子31cを示している。図8及び図9に示した磁気抵抗効果素子31b及び31cによっても、磁気抵抗効果素子31aと同様に磁気抵抗効果ヘッドを構成することができる。
なお、本実施例においては、非磁性層4が固定層5、固定化層6b及び上部層7と共にパターン化された例を示したが、非磁性層4はフリー層3bのように広がっていてもよいし、また、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンよりも大きく且つフリー層3bのパターンよりも小さくなるようにパターン化されてもよい。
また、縦バイアス層下地層2a、フリー層下地層3a及び上部層7は省略されてもよく、縦バイアス層2b上に縦バイアス層の保護層を設けることもできる。
更に、本実施例においては、下シールド層16と下部導電層1とを別に設ける例を示したが、下シールド層16と下部導電層1とは共通の層であってもよい。この場合は、下部導電層1が省略される。また、上シールド17と上部導電層15とが共通の層であってもよい。この場合は、上部導電層15が省略される。これにより、上下シールド層間のギャップを小さくすることができる。更に、上部導電層15と上シールド層17との間に上ギャップ層を設けてもよく、下シールド層16と下部導電層1との間に下ギャップ層を設けてもよい。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図10乃至18は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図10に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図11に示すように、下部導電層1上に開口部20aを有するフォトレジスト20を形成し、下部導電層1をドライエッチング等の手段によりエッチングし、下部導電層1の表面に凹部1aを形成する。
次に、図12に示すように、フォトレジスト20を除去した後、下部導電層1上に縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを成膜する。
次に、図13に示すように、縦バイアス層2b上における直下に凹部1aが配置されている領域を覆い直下に凹部1aが配置されていない領域に開口部21aを有するようにフォトレジスト21を形成する。次いで、フォトレジスト21をマスクとしてドライエッチング等の手段により縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bをエッチングし、これらをパターン化する。
次に、図14に示すように、下部導電層1及び縦バイアス層2b上にフリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をこの順に形成し積層する。
次に、図15に示すように、上部層7上における直下に縦バイアス層2bが配置されていない領域を覆うようにフォトレジスト22を設け、フォトレジスト22をマスクとして、ドライエッチング等の手段によりフリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をパターン化する。
次に、図16に示すように、フォトレジスト22を除去し、上部層7上に上部層7の中央部を覆うようにフォトレジスト23を形成し、フォトレジスト23をマスクとして、ドライエッチング等の手段により非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をパターン化する。
次に、図17に示すように、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンの周囲を絶縁層11により埋め込み、磁気抵抗効果素子32aを形成する。
次に、図18に示すように、フォトレジスト23を除去した後、上部層7及び絶縁層11上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、このフォトレジストをマスクとして上部導電層15をドライエッチング等の手段によりパターン化した後に、このフォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド62aを形成する。
本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド62aの構成について説明する。図18に示すように、本実施例の磁気抵抗効果ヘッド62aは、図7に示した第1の実施例における磁気抵抗効果ヘッド61aと比較して、フリー層下地層3a及びフリー層3bの形状が異なる。本実施例においては、フリー層下地層3a及びフリー層3bの端部は、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bの端部と同一の高さにあり、互いに接触している。本実施例における磁気抵抗効果ヘッド62aにおいて、フリー層下地層3a及びフリー層3bの形状以外の構成及び動作は、前記第1の実施例における磁気抵抗効果ヘッド61aと同一である。
なお、本実施例においては、非磁性層4が固定層5、固定化層6b及び上部層7と共にパターン化された例を示したが、第1の実施例と同様に、非磁性層4はフリー層3bのように広がっていてもよいし、また、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンよりも大きく且つフリー層3bのパターンよりも小さくなるようにパターン化されてもよい。
また、本実施例においては、上部導電層15がパターン化されている例を示したが、上部導電層15はパターン化されずに広がっていてもよい。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図19乃至25は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図19に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図20に示すように、下部導電層1上に開口部20aを有するフォトレジスト20を形成し、下部導電層1をドライエッチング等の手段によりエッチングし、下部導電層1の表面に凹部1aを形成する。
次に、図21に示すように、フォトレジスト20をマスクとして、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを下部導電層1の凹部1aに部分的に埋め込むように成膜し、フォトレジスト20を除去する。
次に、図22に示すように、下部導電層1及び縦バイアス層2b上にフリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をこの順に形成し積層する。
次に、図23に示すように、上部層7の上面における直下に縦バイアス層2bが配置されていない領域の中央部を覆うようにフォトレジスト21を設け、フォトレジスト21をマスクとして、ドライエッチング等の手段により非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をパターン化し、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7の周囲を絶縁層11により埋め込む。
次に、図24に示すように、フォトレジスト21を除去し、上部層7及び絶縁層11上におけるフォトレジスト21が設けられていた位置にフォトレジスト21よりも広い領域を覆うようにパターン化されたフォトレジスト22を形成し、フォトレジスト22をマスクとして、ドライエッチング等の手段によりフリー層下地層3a、フリー層3b及び絶縁層11をエッチングしパターン化する。次いで,このエッチングされた領域を絶縁層11bにより埋め込み、磁気抵抗効果素子32bを形成する。
次に、図25に示すように、フォトレジスト22を除去した後、上部層7、絶縁層11及び絶縁層11b上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、このフォトレジストにより上部導電層15をドライエッチング等の手段によりパターン化した後に、このフォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド62bを形成する。
本実施例において形成された磁気抵抗効果ヘッド62bは、絶縁層11及び11bが2回の工程により形成されている点以外は、第2の実施例における磁気抵抗効果ヘッド62aと構成及び動作が同一である。
次に、本発明の第4の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法ついて説明する。図26乃至28は、本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、第1の実施例において図1乃至3に示した工程により、図3に示すような積層体を形成する。
次に、図26に示すように、下部導電層1及び縦バイアス層2b上に磁性層下地層8a、磁性層8b、第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をこの順に形成し積層する。
次に、図27に示すように、上部層7の上面における直下に縦バイアス層2bが配置されていない領域の一部を覆うようにフォトレジスト21を形成し、第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をドライエッチング等によりエッチングし、エッチングされた部分を埋め込むように絶縁層11を形成し、下シールド層16上に磁気抵抗効果素子33aを形成する。
次に、図28に示すように、フォトレジスト21を除去し、上部層7及び絶縁層11上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成して上部導電層15をドライエッチング等によりパターン化した後に、このフォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド63aを形成する。
本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド63aの構成について説明する。図28に示すように、磁気抵抗効果ヘッド63aの特徴は、フリー層3bの下に非磁性層9を介して磁性層8bが設けられている点である。
図28に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1が設けられ、下部導電層1は凹部1aを有し、凹部1aに縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられている。下部導電層1における縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられていない部分及び縦バイアス層2bの上には、磁性層下地層8a及び磁性層8bが設けられている。磁性層8b上には、縦バイアス層2bの直上に配置されないようにパターン化された第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7がこの順に積層されている。
また、第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7は絶縁層11に埋め込まれており、上部層7の上面は絶縁層11の上面に露出している。更に、上部層7及び絶縁層11上にはパターン化された上部導電層15が設けられ、上部導電層15上には上シールド層17が設けられている。
上記の構造において、磁性層8bは縦バイアス層2bにより印加される縦バイアス磁界を強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁性的カップリング等の磁気的カップリングによりフリー層3bに伝えるためのものである。また、第2の非磁性層9はその構成材料及び膜厚により、磁性層8bとフリー層3bとの間の磁気的カップリングを制御するためのものである。磁性層下地層8aは磁性層8bの結晶性等の膜質を改善し、磁性層8bの磁気特性を良好にするための下地層である。なお、第1の非磁性層4はトンネル電流を流すためのものであり絶縁層であるが、第2の非磁性層9は磁性層8bとフリー層3bとの間の磁気的カップリングを制御するためのものであり導電層である。
磁性層8bを構成する材料としては、NiFe、Co、CoFe、NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi等の合金又はアモルファス磁性材料からなる単層膜、混合物膜又は多層膜を使用する。特に、NiFe、Co、CoFe、NiFeCo又はFeCoは有力な候補である。また、添加元素として、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb及びVからなる群から選択された1種以上の元素を使用することもできる。
第2の非磁性層9を構成する材料としては、Ti、V,Cr、Co、Cu,Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re及びVからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜を使用する。特に、Ru及びCrは有力な候補である。
磁性層下地層8aを構成する材料としては、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb及びVからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜が挙げられる。特に、Ta及びZrはより有力な候補である。
本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド63aにおける他の層の構成材料及び機能は、前記第1の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド61aにおける各層の構成材料及び機能と同一である。
次に、磁気抵抗効果ヘッド63aの動作について説明する。磁気抵抗効果ヘッド63aに外部から磁界が印加されると、縦バイアス層2bを介して磁性層8bに磁界が印加される。次に、磁性層8bから第2の非磁性層9を介して、縦バイアス磁界が強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁性的カップリング等の磁気的カップリングによりフリー層3bに印加される。このとき、この磁界の方向及び大きさに応じてフリー層3bの磁化の方向が変わる。固定層5は固定化層6bにより磁化方向が固定されているため、固定層5の磁化方向とフリー層3bの磁化方向との間に変化が生じ、非磁性層4の電気抵抗値が変化する。この状態において、下部導電層1及び上部導電層15により非磁性層4に垂直な方向にセンス電流を流し、非磁性層4の電気抵抗値を測定することにより、外部の磁界を検出することができる。
本実施例の効果について説明する。本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド63aにおいては、二段階のプロセスを通して縦バイアス磁界が縦バイアス層2bからフリー層3bに印加されるため、縦バイアス磁界の印加が確実となると共に、磁界印加量の制御が容易になる。また、図28に示すように、フリー層3b及び固定層5は縦バイアス層2bの近傍には配置されず、磁性層8bのみが縦バイアス層2bの近傍に配置されている。これにより、縦バイアス層2bは磁性層8bに確実且つ効果的に磁界を印加できると共に、フリー層3b又は固定層5からセンス電流が縦バイアス層2bに漏洩することを防止することができる。
図29及び図30は、本実施例における磁気抵抗効果素子の変形例を示す部分断面図である。図29は磁性層8bがパターン化され、磁性層8bの端部が縦バイアス層2bの端部に接触している磁気抵抗効果素子33bを示している。
また、図30は磁性層8bがパターン化され、磁性層8bの端部が縦バイアス層2b上に重なっている磁気抵抗効果素子33cを示している。図29及び図30に示した磁気抵抗効果素子33b及び33cによっても、磁気抵抗効果ヘッドを構成することができる。
なお、本実施例においては、第2の非磁性層9、フリー層3b及び非磁性層4が固定層5、固定化層6b及び上部層7と共にパターン化された例を示したが、第2の非磁性層9、フリー層3b及び非磁性層4は磁性層8bのように広がっていてもよいし、また、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンよりも大きく且つ磁性層8bのパターンよりも小さくなるようにパターン化されてもよい。また、第2の非磁性層9のパターンがフリー層3bのパターンよりも広がっていてもよく、フリー層3bのパターンが非磁性層4よりも広がっていてもよい。
また、縦バイアス層下地層2a、磁性層下地層8a、第2の非磁性層9及び上部層7は省略されていてもよく、縦バイアス層2a上に縦バイアス層の保護層を設けることもできる。
更に、本実施例においては、下シールド層16と下部導電層1とを別に設ける例を示したが、前記第1乃至第3の実施例と同様に、下シールド層16と下部導電層1とは共通の層であってもよい。この場合は、下部導電層1が省略される。また、上シールド17と上部導電層15とが共通の層であってもよい。この場合は、上部導電層15が省略される。これにより、上下シールド層間のギャップを小さくすることができる。更に、上部導電層15と上シールド層17との間に上ギャップ絶縁層を設けてもよく、下シールド層16と下部導電層1との間に下ギャップ絶縁層を設けてもよい。
次に、本発明の第5の実施例について説明する。図31乃至34は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、前記第2の実施例における図10乃至13に示した工程により、図13に示されているような積層体を形成する。
次に、図31に示すように、フォトレジスト21を除去し、下部導電層1の露出部分及び縦バイアス層2b上に磁性層下地層8a、磁性層8b、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をこの順に形成し積層する。
次に、図32に示すように、上部層7の上面における直下に縦バイアス層2bが配置されていない領域を覆うようにフォトレジスト22を設け、フォトレジスト22をマスクとして、ドライエッチング等の手段により磁性層下地層8a、磁性層8b、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をパターン化する。
次に、図33に示すように、フォトレジスト22を除去し、上部層7上に上部層7の中央部を覆うようにフォトレジスト23を形成し、フォトレジスト23をマスクとして、ドライエッチング等の手段により第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をパターン化し、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンの周囲を絶縁層11により埋め込み、下部導電層16上に磁気抵抗効果素子34aを形成する。
次に、図34に示すように、フォトレジスト23を除去した後、上部層7及び絶縁層11上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、ドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、このフォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド64aを形成する。
本実施例における磁気抵抗効果ヘッド64aの構成について説明する。図34に示すように、本実施例の磁気抵抗効果ヘッド64aは、図28に示した第4の実施例における磁気抵抗効果ヘッド63aと比較して、磁性層下地層8a及び磁性層8bの形状が異なる。本実施例においては、磁性層下地層8a及び磁性層8bパターン化され、それらの端部は縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bの端部と同一の高さにあり、互いに接触している。本実施例における磁気抵抗効果ヘッド64aにおいて、磁性層下地層8a及び磁性層8bの形状以外の構成動作及び効果は、前記第4の実施例における磁気抵抗効果ヘッド63aと同一である。
なお、本実施例においては、非磁性層4が固定層5、固定化層6b及び上部層7と共にパターン化された例を示したが、前記第4の実施例と同様に、非磁性層4はフリー層3bのように広がっていてもよいし、また、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンよりも大きく且つフリー層3bのパターンよりも小さくなるようにパターン化されてもよい。また、第2の非磁性層9のパターンは磁性層8bのパターンよりも広がっていてもよく、磁性層8bのパターンが非磁性層4よりも広がっていてもよい。
また、本実施例においては、上部導電層15がパターン化されている例を示したが、上部導電層15はパターン化されずに広がっていてもよい。
次に、本発明の第6の実施例について説明する。図35乃至39は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、前記第1の実施例における図1及び図2に示した工程により、図2に示されているような積層体を形成する。
次に、図35に示すように、フォトレジスト20を除去し、下部導電層1上に磁性層下地層8a、磁性層8b、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をこの順に形成し積層する。
次に、図36に示すように、上部層7の上面における直下に下部導電層1の凹部1aが配置されていない領域の中央部分を覆うようにフォトレジスト21を設け、フォトレジスト21をマスクとして、ドライエッチング等の手段により第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をパターン化し、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンの周囲を絶縁層11により埋め込む。
次に、図37に示すように、フォトレジスト21を除去し、上部層7及び絶縁層11の上面における直下に凹部1aが配置されていない領域を覆うようにフォトレジスト22を形成する。このとき、フォトレジスト21が覆っていた領域はフォトレジスト22が覆う領域に含まれる。
次に、図38に示すように、フォトレジスト22をマスクとして、絶縁層11、磁性層下地層8a及び磁性層8bをエッチングしてパターン化し、次いで、縦バイアス下地層2a及び縦バイアス層2bを順に形成し、縦バイアス層2b上に第2の絶縁層11bを形成し、下部導電層16上に磁気抵抗効果素子34bを形成する。
次に、図39に示すように、フォトレジスト22を除去した後、上部層7、絶縁層11及び絶縁層11b上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、ドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、フォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド64bを形成する。
本実施例において形成された磁気抵抗効果ヘッド64bは、絶縁層11及び11bが2回の工程により形成されている点以外は、第5の実施例における磁気抵抗効果ヘッド64aと構成及び動作が同一である。
次に、本発明の第7の実施例について説明する。図40乃至46は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図40に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図41に示すように、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9をこの順に形成し積層する。
次に、図42に示すように、第2の非磁性層9上にパターン化されたフォトレジスト20を形成し、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9をドライエッチング等の手段によりパターン化し、パターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9からなるパターン29aを形成する。
次に、図43に示すように、パターン29aを埋め込むように絶縁層11を形成する。このとき、絶縁層11の高さはパターン29aの近傍においてはパターン29aの高さと等しくし、パターン29aから一定の距離を隔てた位置ではパターン29aの高さよりもやや低くし、それらの間を滑らかな傾斜でつなぐようにする。
次に、図44に示すように、絶縁層11上に縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを形成する。このとき、縦バイアス層2bの厚さを絶縁層11の傾斜に沿って変化させ、パターン29aから一定の距離を隔てた位置においては縦バイアス層2bの厚さを厚くし、パターン29aに近づくほど薄くなるようにする。
次に、図45に示すように、フォトレジスト20を取り除き、縦バイアス層2b上に磁性層8b及び上部層7を形成し、磁気抵抗効果素子35aを形成する。
次に、図46に示すように、上部層7上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、ドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、フォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド65aを形成する。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド65aの構成について説明する。図46に示すように、下シールド層16が設けられ、下シールド層16上に下部導電層1が設けられている。下部導電層1上にはパターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9からなるパターン29aが形成されている。パターン29の周囲には絶縁層11が配置され、パターン29aは絶縁層11により埋め込まれている。
パターン29aの近傍においては絶縁層11の上面はパターン29aの上面と等しく、パターン29aから一定の距離を隔てた位置では絶縁層11の上面はパターン29aの上面よりもやや低くなっており、それらの間は滑らかな傾斜になっている。この絶縁層11の上面の形状に沿うように、絶縁層11上に縦バイアス層2bが膜厚方向の少なくとも一部が絶縁層11に埋め込まれるように設けられており、縦バイアス層2bの厚さはパターン29aから一定の距離を隔てた位置においては厚く、パターン29aに近づくほど薄くなっている。縦バイアス層2b上及びパターン29a上には、磁性層8b及び上部層7が設けられている。
上部層7上にはパターン化された上部導電層15が設けられ、その上には上シールド層17が設けられている。
次に本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド65aの動作について説明する。磁気抵抗効果ヘッド65aに外部から磁界が印加されると、縦バイアス層2bを介して磁性層8bに磁界が印加される。次に、磁性層8bから第2の非磁性層9を介して、縦バイアス磁界が強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁性的カップリング等の磁気的カップリングによりフリー層3bに印加される。このとき、この磁界の方向及び大きさに応じてフリー層3bの磁化の方向が変わる。固定層5は固定化層6bにより磁化方向が固定されているため、固定層5の磁化方向とフリー層3bの磁化方向との間に変化が生じ、非磁性層4の電気抵抗値が変化する。この状態において、下部導電層1及び上部導電層15により非磁性層4に垂直な方向にセンス電流を流し、非磁性層4の電気抵抗値を測定することにより、外部の磁界を検出することができる。
本実施例の効果について説明する。本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド65aにおいては、二段階のプロセスを通して縦バイアス磁界が縦バイアス層2bからフリー層3bに印加されるため、縦バイアス磁界の印加が確実となると共に、磁界印加量の制御が容易になる。
なお、本実施例においては、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9はいずれも同じようにパターン化された例を示したが、パターン化は少なくともフリー層3bにおいて行われていればよく、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び第1の非磁性層4はパターン化されていなくてもよい。また、固定化層下地層6aのパターンが固定化層6bのパターンより大きくてもよく、固定化層6bのパターンが固定層5のパターンより大きくてもよく、固定層5のパターンが第1の非磁性層4のパターンより大きくてもよく、第1の非磁性層4のパターンがフリー層3bのパターンより大きくてもよい。また、本実施例においては絶縁層11の上面がフリー層3bのパターンの上面よりも低い例を示したが、絶縁層11の上面はフリー層3bのパターンの上面と同じ高さであってもよく、フリー層3bのパターンの上面より高くてもよい。
図47乃至54は本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果素子の構成を示す部分断面図である。図47に示す磁気抵抗効果素子35bにおいては、図46に示す磁気抵抗効果素子35aと比較して、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び第1の非磁性層4がパターン化されていない点が異なっている。第1の非磁性層4上にはパターン化されたフリー層3b及び第2の非磁性層9が設けられ、これらのパターンは絶縁層11により埋め込まれている。固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び第1の非磁性層4の形状以外の構造は、磁気抵抗効果素子35aの構造と同一である。磁気抵抗効果素子35bの動作も磁気抵抗効果素子35aの動作と同一である。
磁気抵抗効果素子35bは磁気抵抗効果素子35aと比較して、製造時における固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び第1の非磁性層4のエッチング工程を省略できるという利点がある。
本変形例においては、フリー層3b及び第2の非磁性層9がパターン化されている例を示したが、パターン化は少なくともフリー層3bについて行われていればよく、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び第1の非磁性層4からなる積層体のうち、どこまでパターン化するかは適宜選択することができる。
また、図48に示す磁気抵抗効果素子35cは、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9がパターン化されている例である。
更に、図49に示す磁気抵抗効果素子35cは、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9がパターン化されている例である。
更にまた、図50に示す磁気抵抗効果素子35eは、縦バイアス層2bのパターンが第1の非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9からなるパターン29bから離れて設置されている例である。これにより、センス電流が縦バイアス層2bに漏洩することをより確実に防止することができる。磁気抵抗効果素子35eにおける上記以外の構成及び動作は、図48に示した磁気抵抗効果素子35cと同一である。
本変形例においては、フリー層3b及び第2の非磁性層9がパターン化されている例を示したが、パターン化は少なくともフリー層3bについて行われていればよく、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び第1の非磁性層4からなる積層体のうち、どこまでパターン化するかは適宜選択することができる。
また、本変形例においては、絶縁層11の上面がフリー層3bのパターンの上面よりも高い例を示したが、絶縁層11の上面は、フリー層3bのパターンの上面と同程度の高さであってもよく、フリー層3bのパターンの上面よりも低くてもよい。
更に、本変形例においては、磁性層8bがパターン化されていない例を示したが、磁性層8bは縦バイアス層2bから磁性層8bに縦バイアス磁界が印加される程度に少なくともその一部が縦バイアス層2bの近傍に位置していればよい。
図51に示す磁気抵抗効果素子35fは、磁性層8bのパターンの端部が縦バイアス層2bに乗り上げている例である。
図52に示す磁気抵抗効果素子35gは、磁性層8bのパターンの端部が縦バイアス層2bのパターンの端部に接している例である。
本変形例においては、フリー層3bと第2の非磁性層9は同じようにパターン化されている例を示したが、図53に示す磁気抵抗効果素子35hのように、第2の非磁性層9は縦バイアス層2b上に広がっていてもよい。
また、図54に示す磁気抵抗効果素子35iのように、第2の非磁性層9が絶縁層11上に広がっていてもよい。
図47乃至54に示した磁気抵抗効果素子35b、35c、35d,35e、35f、35g、35h及び35iについても、磁気抵抗効果素子35aと同様に磁気抵抗効果ヘッドに使用することができる。
なお、本実施例においても、下シールド層16と下部導電層1は同一の層であってもよく、上シールド層17と上部導電層15は同一の層であってもよい。また、上部導電層15と上シールド層17との間に上ギャップ層を設けてもよく、下シールド層16と下部導電層1との間に下ギャップ層を設けてもよい。
また、縦バイアス層下地層2a、固定化層下地層6a、第2の非磁性層9及び上部層7は省略してもよく、縦バイアス層2b上に縦バイアス層の保護層を設けてもよい。
次に、本発明の第8の実施例について説明する。図55乃至61は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図55に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図56に示すように、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層をこの順に形成し積層する。
次に、図57に示すように、第2の非磁性層9上に開口部20aを有するフォトレジスト20を形成し、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9をドライエッチング等の手段によりパターン化し、パターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9からなるパターン29cを形成する。
次に、図58に示すように、パターン29cを埋め込むように絶縁層11を形成する。
次に、図59に示すように、パターン29c及び絶縁層11上に第1の磁性層8、第3の非磁性層13、第2の磁性層12及び縦バイアス層2bを形成する。
次に、図60に示すように、パターン化された第2の非磁性層9の直上に開口部21aを有するフォトレジスト21を形成し、フォトレジスト21をマスクとして縦バイアス層2bをパターン化し、磁気抵抗効果素子36aを形成する。
次に、図61に示すように、フォトレジスト21を取り除き、第2の磁性層12の露出部分及び縦バイアス層2bのパターン上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、ドライエッチング等の手段によりパターン化した後に、フォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド66aを形成する。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド66aの構成について説明する。図61に示すように、磁気抵抗効果ヘッド66aにおいては、下シールド層16が設けられ、下シールド層16上に下部導電層1が設けられている。下部導電層1上にはパターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9からなるパターン29cが形成されている。パターン29cの周囲には絶縁層11が配置され、パターン29cは絶縁層11により埋め込まれている。
パターン29c及び絶縁層11の上には、第1の磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12が設けられ、第2の磁性層12上にはパターン29cの直上に配置されないように縦バイアス層2bが設けられている。
また、第3の非磁性層13は、その構成材料や膜厚により第2の磁性層12と磁性層8との間の磁気的カップリングを制御するためのものである。第3の非磁性層13を構成する材料としては、Ti、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、Ta、Pt及びNiからなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物、2種以上の材料の化合物又は2種以上の材料により構成される多層膜を使用する。特に、Ru及びCrは有力な候補である。
また、第2の磁性層12を構成する材料としては、NiFe、Co、CoFe、NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi等の合金又はアモルファス磁性材料からなる群から選択された1種の材料の単体、2種以上の材料の混合物又は2種以上の材料により構成される多層膜を使用する。特に、NiFe、Co、CoFe、NiFeCo又はFeCoは有力な候補である。また、添加元素として、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、Os、Pd、Nb及びVからなる群から選択された1種以上の元素を使用することもできる。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド66aの動作について説明する。磁気抵抗効果ヘッド66aに外部から磁界が印加されると、縦バイアス層2bを介して第2の磁性層12に磁界が印加される。次に、第2の磁性層12から第3の非磁性層13を介して、縦バイアス磁界が強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁性的カップリング等の磁気的カップリングにより磁性層8bに印加される。更に、縦バイアス磁界は磁性層8から第2の非磁性層9を介して強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁性的カップリング等の磁気的カップリングによりフリー層3bに印加される。
このとき、この磁界の方向及び大きさに応じてフリー層3bの磁化の方向が変わる。固定層5は固定化層6bにより磁化方向が固定されているため、固定層5の磁化方向とフリー層3bの磁化方向との間に変化が生じ、非磁性層4の電気抵抗値が変化する。この状態において、下部導電層1及び上部導電層15により非磁性層4に垂直な方向にセンス電流を流し、非磁性層4の電気抵抗値を測定することにより、外部の磁界を検出することができる。
本実施例の効果について説明する。本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド65aにおいては、三段階のプロセスを通して縦バイアス磁界が縦バイアス層2bからフリー層3bに印加されるため、縦バイアス磁界の印加がより確実になると共に、磁界印加量の制御が容易になる。
磁気抵抗効果ヘッド65aにおけるもう一つの長所は、磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12からなる積層膜において、磁性層8と第2の磁性層12との間に強固な反強磁性的カップリングが生じるようにし、更に、磁性層8の磁化(飽和磁化と膜厚の積)と第2の磁性層12の磁化を実質的に等しくした場合である。この場合は、前記積層膜は実効的に磁化を持たない一体化した膜となるため、外部磁界が印加されても磁界に対する感度を持たない。そのため、この場合は図61の構造の中で外部磁界に対して感度を持つのはフリー層3bのみとなり、磁気抵抗効果ヘッド65aを再生ヘッドとして機能させる場合のトラック幅が、フリー層3bのパターン幅のみによって決まる。このことは、狭トラックヘッドを作る上では有利である。なお、この場合も縦バイアス磁界は上記のプロセスによりフリー層3bに正確に印加される。また、磁性層8の磁化が第2の磁性層12の磁化に実質的に等しいとは、前記効果が認められる程度に等しいということである。
なお、本実施例においては、固定化層下地層6a、第2の非磁性層9、第3の非磁性層13及び上部層7は省略してもよい。また、縦バイアス層2bの下部に縦バイアス層下地層を設けてもよい。縦バイアス層2b上には縦バイアス層の保護層を、第2の磁性層12上には上部層を設ける場合もある。
更に、本実施例においては、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9はいずれも同じようにパターン化された例を示したが、パターン化は少なくともフリー層3bについて行われていればよく、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4からなる積層膜の部分はパターン化されていなくてもよい。また、固定化層下地層6aのパターンは固定化層6bのパターンより大きくてもよく、固定化層6bのパターンは固定層5のパターンより大きくてもよく、固定層5のパターンは非磁性層4のパターンより大きくてもよく、非磁性層4のパターンはフリー層3bのパターンより大きくてもよい。また、本実施例においては、絶縁層11の上面がフリー層3bのパターンの上面と同じ高さである例を示したが、絶縁層11の上面はフリー層3bのパターンの上面よりも低くてもよく、更に、高くてもよい。更に、図61では第2の非磁性層9がフリー層3bと同じようにパターン化された場合を示したが、第2の非磁性層9のパターンはフリー層3bのパターンより広がっていてもよい。
図62及び図63は本実施例の変形例における磁気抵抗効果素子の構成を示す部分断面図である。図61では第1の磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12はパターン化されていない例を示したが、図62に示す磁気抵抗効果素子36bにおいては、磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12のパターンの端部が縦バイアス層2bのパターンの下に配置されている。
また、図63に示す磁気抵抗効果素子36cにおいては、磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12のパターンにおける端部が、縦バイアス層2bのパターンの端部に接している。なお、磁気抵抗効果素子36b及び36cにおいても、磁気抵抗効果素子36aと同様に、磁気抵抗効果ヘッドに使用することができる。
次に、本発明の第9の実施例について説明する。図64乃至67は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、前記第8の実施例における図55乃至58に示す工程により、図58に示すような構造体を形成する。
次に、図64に示すように、フォトレジスト20を取り除き、第2の非磁性層9及び絶縁層11における第2の非磁性層9の周辺の領域を覆うようにフォトレジスト21を形成する。
次に、図65に示すように、フォトレジスト21をマスクとして絶縁層11に凹部11aを形成し、凹部11aに埋め込むように縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを形成する。
次に、図66に示すように、フォトレジスト21を取り除き、第1の磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12をこの順に形成し、磁化抵抗効果素子37aを形成する。
次に、図67に示すように、第2の磁性層12上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、このフォトレジストをマスクとして、ドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、フォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド67aを形成する。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド67aの構成について説明する。磁気抵抗効果ヘッド67aにおいては、下シールド層16が設けられ、下シールド層16上に下部導電層1が設けられ、下部導電層1上にパターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9がこの順に積層されたパターンが形成され、このパターンは絶縁層11により埋め込まれている。図67に示すように、絶縁層11は上面に凹部11aを有し、凹部11aに埋め込まれるように、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが形成されている。そして、第2の非磁性層9、絶縁層11及び縦バイアス層2bの上に、磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12が設けられている。更に、第2の磁性層12上にはパターン化された上部導電層15が設けられ、第2の磁性層12及び上部導電層15のパターン上には上シールド層17が設けられている。
次に、本発明の第10の実施例について説明する。図68乃至73は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図68に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図69に示すように、下部導電層1上に固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9、第1の磁性層8、第3の非磁性層13、第2の磁性層12、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bをこの順に形成し積層する。
次に、図70に示すように、縦バイアス層2b上にパターン化されたフォトレジスト20を形成する。
次に、図71に示すように、フォトレジスト20をマスクとしてドライエッチング等の手段により固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9、磁性層8、第3の非磁性層13、第2の磁性層12及び縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bをエッチングしてパターン化し、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9、磁性層8、第3の非磁性層13、第2の磁性層12、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bからなるパターン29dを形成する。
次に、図72に示すように、パターン29dを埋め込むように絶縁層11を形成し、磁気抵抗効果素子38aを形成する。
次に、図73に示すように、フォトレジスト20を取り除き、縦バイアス層12及び絶縁層11上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、このフォトレジストをマスクとしてドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、フォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッドを形成する。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成について説明する。図73に示すように、磁気抵抗効果ヘッドにおいては、下シールド層(図示せず)が設けられ、下シールド層上に下部導電層1が設けられている。下部導電層1上には、パターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9、第1の磁性層8、第3の非磁性層13、第2の磁性層12、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bからなるパターン29dが設けられ、パターン29dは絶縁層11に埋め込まれ、パターン29dの縦バイアス層2bは絶縁層1の上面において露出している。また、パターン29d及び絶縁層1の上部にはパターン化された上部導電層15が設けられ、上部導電層15及び絶縁層11上には上シールド層17が設けられている。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの動作について説明する。磁気抵抗効果ヘッドに印加された磁界は、縦バイアス層2bを介して第2の磁性層12に印加される。次に、第2の磁性層12から第3の非磁性層13を介して強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁的カップリング等の磁気的カップリングにより縦バイアス磁界は第1の磁性層8に印加される。更に、縦バイアス磁界は第1の磁性層8から第2の非磁性層9を介して強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁的カップリング等の磁気的カップリングによりフリー層3bに印加される。
このとき、第3の非磁性層13の構成材料及び膜厚により、第2の磁性層12と磁性層8との間の磁気的カップリングが制御される。また、第2の非磁性層9の構成材料及び膜厚により、磁性層8とフリー層3bとの間の磁気的カップリングが制御される。このように、三段階のプロセスを通して縦バイアス磁界が縦バイアス層2bからフリー層3bに印加されるため、縦バイアス磁界の印加が確実になると共に、印加される縦バイアス磁界のコントロールが容易になる。
なお、固定化層下地層6a、第2の非磁性層9、第3の非磁性層13及び縦バイアス層下地層2aは省略することができる。また、縦バイアス層2b上に縦バイアス層2bの保護層を設けてもよく、第2の磁性層12上に上部層を設けてもよい。
図74は本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果素子38bの構成を示す部分断面図である。磁気抵抗効果素子38bは、基体(図示せず)上に下部導電層1が設けられ、下部導電層1上にパターンかされた固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9、磁性層8、縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられ、これらは絶縁層11に埋め込まれ、縦バイアス層2bは絶縁層11の上面において露出している。
磁気抵抗効果素子38bに印加された縦バイアス磁界は、先ず、縦バイアス層2bを介して第1の磁性層8に印加される。次に、第1の磁性層8から第2の非磁性層9を介して強磁性的カップリング、反強磁性的カップリング又は静磁性的カップリング等の磁気的カップリングによりフリー層3bに印加される。このとき、第2の非磁性層9の構成材料及び膜厚により、磁性層8とフリー層3bとの間の磁気的カップリングが制御される。
このように、二段階のプロセスを通して縦バイアス磁界が縦バイアス層2bからフリー層3bに印加されるため、縦バイアス磁界の印加が確実になると共に、印加量の制御が容易になる。
なお、本実施例においては、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9はいずれも同じようにパターン化される例を示したが、パターン化は少なくともフリー層3bについて行われていればよく、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5及び非磁性層4からなる積層膜の部分はパターン化されていなくてもよい。また、固定化層下地層6aのパターンは固定化層6bのパターンより大きくてもよく、固定化層6bのパターンは固定層5のパターンより大きくてもよく、固定層5のパターンは非磁性層4のパターンより大きくてもよく、第1の非磁性層4のパターンはフリー層3bのパターンより大きくてもよい。
次に、本発明の第11の実施例について説明する。図75乃至84は本実施例における磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を工程順に示す部分断面図である。
先ず、図75に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図76に示すように、下部導電層1上に固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9をこの順に形成し積層する。
次に、図77に示すように、第2の非磁性層9上にパターン化されたフォトレジスト20を形成し、ドライエッチング等の手段により固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9をパターン化し、これらの層により構成されるパターン29eを形成する。
次に、図78に示すように、パターン29eの周囲に、パターン29eを埋め込むように絶縁層11を形成する。このとき、絶縁層11の高さはパターン29eの近傍においてはパターン29eの高さと等しくし、パターン29eから一定の距離を隔てた位置ではパターン29eの高さよりもやや低くし、それらの間を滑らかな傾斜でつなぐようにする。
次に、図79に示すように、絶縁層11上に縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを形成する。このとき、縦バイアス層2bの厚さを絶縁層11の傾斜に沿って変化させ、パターン29eから一定の距離を隔てた位置においては縦バイアス層2bの厚さを厚くし、パターン29eに近づくほど薄くなるようにする。
次に、図80に示すように、フォトレジスト20を取り除き、第2の非磁性層9及び縦バイアス層2b上に第1の磁性層8b及び第4の非磁性層18を形成する。
次に、図81に示すように、第2のフリー層19、第5の非磁性層20、第2の固定層26、第2の固定化層27及び上部層7をこの順に形成する。
次に、図82に示すように、上部層7上におけるパターン29eに整合する領域を覆うようにフォトレジスト21を形成し、フォトレジスト21をマスクとして第4の非磁性層18、第2のフリー層19、第5の非磁性層20、第2の固定層26、第2の固定化層27及び上部層7をパターン化し、第4の非磁性層18、第2のフリー層19、第5の非磁性層20、第2の固定層26、第2の固定化層27及び上部層7から構成されるパターン29fを形成する。
次に、図83に示すように、パターン29fの周囲に、パターン29fを埋め込むように絶縁層11bを形成し、下シールド層16上に形成された磁化抵抗効果素子39aを形成する。
次に、図84に示すように、フォトレジスト21を取り除き、上部層7及び絶縁層11b上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、このフォトレジストをマスクとしてドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、フォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド69aを形成する。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果素子39aの構成について説明する。図84に示すように、磁気抵抗効果素子39aの特徴は、縦バイアス層2aから縦バイアス磁界を印加されている第1の磁性層8bを中心に上下対称に非磁性層、フリー層、非磁性層、固定層、固定化層が形成されている点である。
磁気抵抗効果素子39aにおいては、下シールド層16が設けられ、下シールド層16上に下部導電層1が設けられている。下部導電層1上には、パターン化された固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b及び第2の非磁性層9からなるパターン29eが設けられ、パターン29eは絶縁層11に埋め込まれている。
絶縁層11の上面は、パターン29eの近傍ではパターン29eの上面とほぼ等しく、パターン29eから一定距離隔てた位置においてはパターン29eの上面よりもやや低くなっており、そこに、縦バイアス下地層2a及び縦バイアス層2bのパターンが膜厚方向の少なくとも一部が絶縁層11に埋め込まれるように設けられている。パターン29e及び縦バイアス層2b上には第1の磁性層8bが設けられている。
第1の磁性層8b上には、パターン化された第4の非磁性層18、第2のフリー層19、第5の非磁性層20、第2の固定層26、第2の固定化層27及び上部層7から構成されるパターン29fが設けられており、パターン29fは絶縁層11bに埋め込まれている。更に、パターン29f及び絶縁層11b上には上部導電層15及び上シールド層17が設けられている。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果素子39aの動作について説明する。第2のフリー層19はフリー層3bと同様に、磁気抵抗効果素子39aを含むセンサが外部磁界を受けた場合に、その磁界の方向及び大きさに応じて磁化の方向を変える磁性層である。第5の非磁性層25は第2のフリー層19と第2の固定層26の間に配置され、第2のフリー層の磁化方向と第2の固定層26の磁化方向とのなす角度に応じて電気抵抗値が変化する層である。第2の固定層26は第2の固定化層27により磁化方向が固定されているので、外部磁界の方向及び大きさに応じてフリー層の磁化方向が変わると、固定されている固定層の磁化方向とフリー層の磁化方向との間に変化が生じて、第5の非磁性層25の抵抗が変化する。
磁気抵抗効果素子39aにおいては、下部導電層1から上部導電層15へとセンス電流を流したときの電気抵抗値変化量は、磁性層8bより下のパターン29eで生じる電気抵抗値変化量と、磁性層8bより上のパターン29fで生じる電気抵抗値変化量との和になる。
通常、磁気抵抗効果素子においては、フリー層は膜面に垂直に流れる電流に起因する円周状の電流磁界の影響を不可避的に受けるが、本実施例に係る磁気抵抗効果素子39aにおいては、フリー層3bが受ける電流磁界の影響と第2のフリー層19が受ける電流磁界の影響が逆になるので、全体としては打ち消しあい電流磁界の影響を著しく低減させることができる。
また、磁気抵抗効果素子39aにおいて、印加された縦バイアス磁界は先ず、縦バイアス層2bを介して第1の磁性層8bに印加される。次に、第1の磁性層8bから第2の非磁性層9を介してフリー層3bに、また、第4の非磁性層18を通して第2のフリー層19に夫々印加される。第2の非磁性層9はその構成材料及び膜厚により第2の磁性層8bとフリー層3bとの間の磁気的カップリングを制御し、第4の非磁性層18はその構成材料及び膜厚により磁性層8bと第2のフリー層19との間の磁気的カップリングを制御する。このように、二段階のプロセスにより縦バイアス磁界が縦バイアス層2bからフリー層3b及び第2のフリー層19に印加されるため、縦バイアス磁界の印加がより確実になると共に、印加量の制御が容易になる。
なお、本実施例においては、縦バイアス層下地層2a、固定化層下地層6a、第2の非磁性層9、第4の非磁性層18及び上部層7は省略することもできる。また、縦バイアス層2b上に縦バイアス層の保護層を設ける場合もある。また、本実施例においては、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4、フリー層3b、第2の非磁性層9はいずれも同じようにパターン化される例を示したが、パターン化は少なくともフリー層3bについて行われていればよく、固定化層下地層6a、固定化層6b、固定層5、第1の非磁性層4はパターン化されていなくてもよい。
更に、固定化層下地層6aのパターンは固定化層6bのパターンより大きくてもよく、固定化層6bのパターンは固定層5のパターンより大きくてもよく、固定層5のパターンは非磁性層4のパターンより大きくてもよく、第1の非磁性層4のパターンはフリー層3bのパターンより大きくてもよい。
更にまた、本実施例では絶縁層11の上面におけるパターン29e及び29fから一定距離隔てた位置における高さが、フリー層3bのパターンの上面よりも低い例を示したが、この絶縁層11の上面は、フリー層3bのパターンの上面と同じであってもよく、また、フリー層3bのパターンの上面より高くてもよい。更に、縦バイアス層2bのパターンが、フリー層3bのパターン及び第2のフリー層19のパターンから離れていてもよい。また、第4の非磁性層18は第2のフリー層19と共にパターン化されていてもよく、第4の非磁性層18は第二フリー層19のパターンよりも広がっていてもよい。また、第2の非磁性層9のパターンはフリー層3bのパターンより広がっていてもよい。
図85乃至87は、本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果素子の構成を示す部分断面図である。図85は第4の非磁性層18がパターン化されていない例を示している。
また、図86は絶縁層11の上面の高さがフリー層3bのパターンの上面の高さよりも高い例を示している。
更に、図87は縦バイアス層2bのパターンがフリー層3bのパターン及び第2のフリー層19のパターンから離れている例を示している。図85乃至87に示す磁気抵抗効果素子も、磁気抵抗効果ヘッドに使用することができる。
次に、本発明の第12の実施例について説明する。図88乃至91は本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。
先ず、前記第1の実施例における図1乃至3に示す工程により、図3に示すような積層体を形成する。
次に、図88に示すように、下部導電層1及び縦バイアス層2b上に第2の磁性層下地層12a1、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13、第2の磁性層8、第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7を順に積層させる。
次に、図89に示すように、上部層7上における下部導電層1の凹部1aが形成されていない領域の中央部に整合する位置にフォトレジスト21を形成する。
次に、図90に示すように、第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をドライエッチング等の手段によりエッチングし、エッチングにより除去された部分を絶縁層11により埋め込み、磁気抵抗効果素子39bを形成する。
次に、図91に示すように、フォトレジスト21を取り除き、上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成し、このフォトレジストをマスクとしてドライエッチング等の手段により上部導電層15をパターン化した後に、このフォトレジストを取り除き、その上に上シールド層17を形成し、磁気抵抗効果ヘッド69bを形成する。
次に、本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッド69bの構成について説明する。図91に示すように、磁気抵抗効果ヘッド69bにおいては、下シールド層16が設けられ、下シールド層16上には下部導電層1が設けられている。下部導電層1の上面には凹部1aが設けられ、凹部1aに埋め込まれるように縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられている。下部導電層及び縦バイアス層2b上には第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8が設けられている。第1の磁性層8上における2つの縦バイアス層のパターンに囲まれた部分の直上には、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンが形成される。
本実施例においては、第2の非磁性層9はフリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7と共にパターン化されている例を示したが、第2の非磁性層9は磁性層8のパターンのように広がっていてもよく、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7より広がっており、且つ磁性層8のパターンより小さくてもよい。
また、縦バイアス層下地層2a、第2の非磁性層下地層12a及び上部層7は省略することもできる。縦バイアス層2bの上部には縦バイアス層の保護層を設けることもできる。更に、第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8は、必ずしも図91に示すように広がっている必要はない。
図92及び図93は本実施例の変形例における磁気抵抗効果素子の構成を示す部分断面図である。図92は第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8の端部が、縦バイアス層2bにおけるパターンの端部に接している例を示す。
また、図93は第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8の端部が、縦バイアス層2bのパターンに乗り上げている例を示す。
また、第2の磁性層12bのパターンは第3の非磁性層13のパターンより大きくてもよく、第3の非磁性層13のパターンは磁性層8bのパターンより大きくてもよい。
次に、本発明の第13の実施例について説明する。図94乃至99は本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。
先ず、図94に示すように、基体(図示せず)上に下シールド層16及び下部導電層1を順次形成する。
次に、図95に示すように、下部導電層1上に縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bを成膜する。
次に、図96に示すように、第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13、磁性層8、第2の非磁性層9、フリー層下地層3a、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7を順に積層させる。
次に、図97に示すように、上部層7上にパターン化されたフォトレジスト21を形成する。
次に、図98に示すように、フォトレジスト21をマスクとして、第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7をドライエッチング等の手段によりエッチングした後に、エッチングにより除去された部分を絶縁層11で埋め込み、磁気抵抗効果素子39cを形成する。
次に、図99に示すように、フォトレジスト20を取り除き、絶縁層11及び上部層7上に上部導電層15を成膜し、フォトレジスト(図示せず)を形成してこのフォトレジストをマスクとして上部導電層15をドライエッチング等の手段によりパターン化した後、このフォトレジストを取り除き、上部導電層15上に上シールド層17を形成し、磁化抵抗効果ヘッド69cを形成する。
次に、本実施例に係る磁化抵抗効果ヘッド69cの構成について説明する。図99に示すように、磁化抵抗効果ヘッド69cにおいては、下シールド層16上に下部導電層1が設けられ、その上に縦バイアス層下地層2a及び縦バイアス層2bが設けられ、その上に、第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び磁性層8bが設けられている。磁性層8b上には、パターン化された第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7が設けられ、これらのパターンは絶縁層11に埋め込まれている。また、上部層7及び絶縁層11上には上部導電層15が設けられ、その上には上シールド層17が設けられている。
本実施例においては、第2の非磁性層9、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7がパターン化されている例を示したが、第2の非磁性層9は第1の磁性層8bのパターンのように広がっていてもよいし、フリー層3b、非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンより広がっており、かつ磁性層8bのパターンより小さくてもよい。
また、縦バイアス膜下地層2a、第2の非磁性層下地層12a及び上部層7は省略することもできる。更に、縦バイアス層2bの上部には縦バイアス層の保護層を設けることもできる。更に、第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8は必ずしも広がっている必要はない。
図100及び図101は本実施例の変形例における磁気抵抗効果素子の構成を示す部分断面図である。図100は、第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8がパターン化されている例を示す。
また、図101は第2の磁性層下地層12a、第2の磁性層12b、第3の非磁性層13及び第1の磁性層8がパターン化され、その大きさが第2の非磁性層9、フリー層3b、第1の非磁性層4、固定層5、固定化層6b及び上部層7のパターンとほぼ同じ大きさになっている例を示す。図100及び図101に示した磁気抵抗効果素子も磁気抵抗効果ヘッドに使用することができる。
更に、第2の磁性層12bのパターンが第3の非磁性層13のパターンより大きくてもよく、第3の非磁性層13のパターンが第1の磁性層8bのパターンより大きくてもよい。
次に、本発明の磁気抵抗効果素子の記録再生ヘッド及び記録再生システムへの適用例を示す。本発明の第14の実施例について説明する。図102は本実施例に係る磁気記録再生ヘッドの概略図である。この磁気記録再生ヘッド(記録再生素子部130)においては、前記磁気抵抗効果ヘッドをその一部に含み、記録媒体から信号を読み取る再生ヘッド45が基体42上に設けられている。また、再生ヘッド45上には磁極43、複数のコイル41及び上磁極44からなり記録媒体上に信号を書き込む記録ヘッド46が設けられている。この場合、上部シールド層は磁極43と共通にしてもよく、また、別に設けてもよい。図102に示すように、再生ヘッド45の感磁部分と記録ヘッドの磁気ギャップを同一スライダ上に重ねた位置に形成することにより、同一トラックに同時に位置決めすることができる。このとき、記録ヘッド46により記録媒体(図示せず)に磁界を印加してデータを書き込み、また、再生ヘッド45によりこの記録媒体に記録されたデータを読み取る。この記録再生ヘッドをスライダに加工し、磁気記録再生装置に搭載する。
図103は図102に示した磁気記録再生ヘッドを備えた本実施例に係る磁気抵抗変換システムの構成を示す概略図である。この磁気抵抗変換システムは、スライダを構成する基板129内に記録再生素子部130(磁気記録再生ヘッド)が形成され、保護膜132によって保護されている。基板129は、例えばAl23−TiC複合セラミックス等から構成され、保護膜132は、例えばダイアモンドライクカーボンから構成されている。
記録再生素子部130には、記録素子部(記録ヘッド)に接続された電極端子131a及び再生素子部(再生ヘッド)に接続された電極端子131bが夫々形成されている。電極端子131aは記録素子部に駆動電流を印加し記録動作を生じさせる電流駆動回路133に接続されている。また、電極端子131bは、再生素子部にセンス電流を流す電流発生回路134及び再生素子部の抵抗率変化により発生する電圧変化を印加される磁界の関数として検出し記録媒体上の記録データ情報を読み取るためのデータ読み取り回路135に接続されている。このように磁気抵抗変換システムは、記録再生素子部130、電流発生回路134及びデータ読み取り回路135を具備している。
図104は、図103に示した磁気抵抗変換システムを使用する磁気記録システムの一例を示す概略図である。この磁気記録システムは、磁気記録再生ヘッド103、センス電流検出手段107及びコントローラ108により構成される磁気抵抗変換システムと、データ記録のための複数個のトラックを有する磁気記録媒体102と、磁気記録再生ヘッド103を磁気記録媒体102上の所定の位置に移動させるVCM(ヴォイスコイルモータ)からなる第1のアクチュエータ106と、磁気記録媒体102を回転させるモータからなる第2のアクチュエータ101とを備えている。また、磁気記録再生ヘッド103はサスペンション104及びアーム105により支持されている。
図105は磁気記録システムの具体例を示した斜視図である。この例においては、ヘッドスライダを兼ねる基板52上に、再生ヘッド51及び記録ヘッド50を形成し、これを記録媒体53上に位置決めして再生を行う。記録媒体53は回転し、ヘッドスライダは記録媒体53上を0.2μm以下の高さ又は接触状態で対抗して相対運動する。この機構により、再生ヘッド51は記録媒体53に記録された磁気的信号をその漏れ磁界54から読み取ることのできる位置に設定される。
本発明の磁気記憶システムとしては、ハードディスク装置、フレキシブルディスク装置及び磁気テープ装置を使用することができる。ハードディスク装置にはディスクの交換が不可能な固定ディスク装置及びディスク交換が可能な装置が含まれる。
次に、本発明を適用して試作された磁気記憶装置について説明する。磁気記憶装置は、ベース上に3枚の磁気ディスク(磁気記録媒体)を備え、ベース裏面にヘッド駆動回路、信号処理回路及び入出力インターフェイスを収納している。外部とは32ビットのバスラインで接続される。磁気ディスクの両面には6個のヘッドが配置され、ヘッドを駆動するためのロータリーアクチュエータ(アクチュエータ手段)、その駆動及び制御回路並びにディスク回転用スピンドル直結モータが搭載されている。ディスクの直径は63mmであり、データ面は直径10mmから57mmまでを使用する。埋め込みサーボ方式を使用し、サーボ面を有しないため高密度化が可能である。本装置は、小型コンピュータの外部記憶装置として直接接続が可能になっている。入出力インターフェイスには、キャッシュメモリを搭載し、転送速度が毎秒5乃至20メガバイトの範囲であるバスラインに対応する。また、外部コントローラを設け、本装置を複数台接続することにより、大容量の磁気ディスク装置を構成することも可能である。
先ず、比較のために、従来の技術の項で記載した図106及び図107の構造のヘッドを作成した。膜形成後には、成膜時の磁界とは直交する方向に7.9×105A/mの磁界を印加しつつ250℃の温度で5時間の熱処理を行った。
ヘッドを構成する各要素としては以下の材料を使用した。以下に示されている各材料の組成は、スパッタリングで使用したターゲットの組成(原子%)であり、括弧内は層の厚さである。
基体…厚さ1.2mmのアルチック上にアルミナを3μm積層したもの
下シールド層…Co89Zr4Ta4Cr3(1μm)
下部導電層…Ta(20μm)
上電極層…なし
上シールド層…Co65Ni12Fe23(1μm)
絶縁層…アルミナ(20nm)
縦バイアス下地層…Cr(10nm)
縦バイアス…Co74.5Cr10.5Pt15(33nm)
下ギャップ層…なし
上ギャップ層…なし
上部層…Ta(5nm)
フリー層下地層…Ta(3nm)
固定化層…Pt46Mn54(20nm)
固定層…(Co90Fe10(3nm)/Ru(0.7nm)/Co50Fe50(3nm))3層膜
非磁性層…Al酸化物(0.7nm)
フリー層…Ni82Fe18(5nm)
上部層…Ta(3nm)
このヘッドを図102に示す再生ヘッド45のような記録再生一体型ヘッドに加工及スライス加工し、CoCrTa系媒体上にデータを記録再生した。この際、書き込みトラック幅は0.7μm、読み込みトラック幅は0.4μmとした。
TMR素子部の加工は、i線を使用したフォトレジスト工程及びミリング工程により行った。書き込みヘッド部のコイル部作成時のフォトレジスト硬化工程は250℃の温度に2時間保持することにより行った。
この工程により本来は素子高さ方向を向いていなければならない固定層及び固定化層の磁化方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しなくなったため、再生ヘッド部及び記録ヘッド部作成終了後に、温度200℃、4.0×104A/mの磁界中で1時間の着磁熱処理を行った。この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測されなかった。
媒体の保磁力は2.4×105A/m、MrT(残留磁化と膜厚の積)は0.35emu/cm2とした。試作したヘッド各10個ずつ使用して、再生出力、(S/N)比及び実効トラック幅を測定した。図106の構造についての測定結果を表1に,図107の構造についての測定結果を表2に夫々示す。
Figure 2005184014
Figure 2005184014
図106の構造の場合は、再生出力は2.8乃至3.1mVと高いが、(S/N)比が18乃至21dBと低かった。これは再生信号にバルクハウゼンノイズが含まれているためであり、ヘッドのR−Hループを測定したところ、フリー層磁化反転のヒステリシスが大きくフリー層の磁壁移動に伴うバルクハウゼンノイズが発生している事が明らかになった。図106の構造では、縦バイアス層とフリー層とが絶縁層により隔離されているために、縦バイアス磁界がフリー層に十分印加されず、縦バイアス磁界がバルクハウゼンノイズの低減に寄与しなかったためと考察される。
一方、図107の構造の場合は、再生出力が0乃至1.2mVと低く、それに伴い(S/N)比も0乃至17dBと低かった。これは、センス電流が縦バイアス層2bに漏洩し非磁性層4に十分流れないためである。この構造では、原理的には縦バイアス層2bへのセンス電流の漏洩を防止することができるはずではあるが、縦バイアス層2bが固定層5、非磁性層4、フリー層3からなる積層体における非磁性層4(バリア層)の端部直近に位置しているため、センス電流が縦バイアス層2bに漏洩し非磁性層4に十分流れないことを防止するように、精密に作製することが難しいためであると考えられる。
次に、本発明の実施例として、図7、図18、図28、図34、図46及び図61に示す構造の磁気抵抗効果ヘッドを作製した。このとき、磁気抵抗効果ヘッドを構成する各要素として以下の材料を使用した。
基体…厚さ1.2mmのアルチック上にアルミナを3μm積層したもの
下シールド層…Co89Zr4Ta4Cr3(1μm)
下部導電層…Ta(20nm)
上電極層…なし
上シールド層…Co65Ni12Fe23(1μm)
絶縁層…アルミナ(20nm)
縦バイアス下地層…Cr(10nm)
縦バイアス…Co74.5Cr10.5Pt15(33nm)
下ギャップ層…なし
上ギャップ層…なし
上部層…Ta(5nm)
フリー層下地層…Ta(3nm)
磁性層下地層…Ta(3nm)
固定化層…Pt46Mn54(20nm)
第2の固定化層…Pt46Mn54(20nm)
固定層…(Co90Fe10(3nm)/Ru(0.7nm)/Co50Fe50(3nm))3層膜
第2の固定層…(Co90Fe10(3nm)/Ru(0.7nm)/Co50Fe50(3nm))3層膜
第1の非磁性層…Al酸化物(0.7nm)
第2の非磁性層…Ru(0.75nm)
第3の非磁性層…Ru(0.75nm)
第4の非磁性層…Ru(0.75nm)
第5の非磁性層…Al酸化物(0.7nm)
フリー層…Ni82Fe18(5nm)
磁性層…Ni82Fe18(5nm)
上部層…Ta(3nm)
このヘッドを図102に示した再生ヘッド45のような記録再生一体型ヘッドに加工及びスライダ加工し、CoCrTa系媒体上にデータを記録再生した。この際、書き込みトラック幅は0.7μm、読み込みトラック幅は0.4μmとした。
TMR素子部の加工はi線を使用するフォトレジスト工程及びミリング工程により行った。書き込みヘッド部のコイル部作製時のフォトレジスト硬化工程は250℃の温度に2時間保持することにより行った。
この工程により本来は素子高さ方向を向いていなければならない固定層及び固定化層の磁化方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しなくなったため、再生ヘッド部及び記録ヘッド部の作製終了後に温度200℃、4.0×104A/mの磁界中で1時間の着磁熱処理を行った。この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測されなかった。
媒体の保磁力は2.4×105A/m、MrT(残留磁化と膜厚の積)は0.35emu/cm2とした。試作したヘッド各10個ずつ使用して、再生出力、(S/N)比及び実効トラック幅を測定した。
図7、図18、図28、図34、図46及び図61に示す構造のヘッドについての測定結果を、夫々表3乃至8に示す。
Figure 2005184014
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Figure 2005184014
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Figure 2005184014
図7、図18、図28、図34、図46及び図61に示す構造のいずれの場合も(S/N)比は25dB以上であり、従来例と比較して大きく向上していることがわかる。これは、いずれの構造の場合もセンス電流がバリア層をバイパスすることを防ぐことができた結果、十分な出力を得ることができ、更に適当量の縦バイアス磁界をフリー層に印加することに成功した結果、ノイズを十分低く押さえることができ、良好な(S/N)比を得ることができたためである。図7、図18、図28、図34、図46及び図61に示す磁気抵抗効果ヘッドの中では、図61に示す磁気抵抗効果ヘッドが最も実効トラック幅が小さく良好であった。これは、図61に示す磁気抵抗効果ヘッドにおいては、磁性層8、第3の非磁性層13及び第2の磁性層12の部分が積層反強磁性層構造になっているため、この部分が媒体からの漏れ磁界の影響を受けず、再生実効トラック幅がフリー層3bの幅のみにより決まっているためと考えられる。
本発明の第1の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図1の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図2の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図3の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図4の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図5の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図6の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図10の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図11の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図12の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図13の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図14の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図15の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図16の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図17の次の工程を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図19の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図20の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図21の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図22の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図23の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図24の次の工程を示す図である。 本発明の第4の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図26の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図27の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第5の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図31の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図32の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図33の次の工程を示す図である。 本発明の第6の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図35の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図36の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図37の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図38の次の工程を示す図である。 本発明の第7の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図40の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図41の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図42の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図43の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図44の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図45の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第8の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図55の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図56の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図57の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図58の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図59の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図60の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第9の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図64の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図65の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図66の次の工程を示す図である。 本発明の第10の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図68の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図69の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図70の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図71の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図72の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第11の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図75の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図76の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図77の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図78の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図79の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図80の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図81の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図82の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図83の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の更に他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第12の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図88の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図89の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図90の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第13の実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図94の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図95の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図96の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図97の次の工程を示す図である。 本実施例に係る磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す部分断面図であって、図98の次の工程を示す図である。 本実施例の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本実施例の他の変形例に係る磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の第14の実施例に係る磁気記録再生ヘッドの構成を示す斜視図である。 本実施例に係る磁気抵抗変換システムの構成を示す模式図である。 本実施例に係る磁気記録システムの構成を示すブロック図である。 本実施例に係る磁気記録システムの構成を示す斜視図である。 従来の磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 従来の磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。 従来の磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す部分断面図である。
符号の説明
1;下部導伝層
1a:凹部
2a;2縦バイアス層下地層
2b;縦バイアス層
3a;フリー層下地層
3b;フリー層
4;非磁性層
5;固定層
6a;固定化層下地層
6b;固定化層
7;上部層
8a;磁性層下地層
8b;第1の磁性層
9;第2の非磁性層
11、11b;絶縁層
11a;凹部
12;第2の磁性層
13;第3の非磁性層
15;上部導電層
16;下シールド層
17;上シールド層
18;第4の非磁性層
19;第2のフリー層
20;フォトレジスト
20a;開口部
21;フォトレジスト
21a;開口部
22;フォトレジスト
25;第5の非磁性層
26;第2の固定層
27;第2の固定化層
29a、29b,29c,29d,29e、29f;パターン
30〜39;磁気抵抗効果素子
41;コイル
42;基体
43;磁極
44;上磁極
45;再生ヘッド
46;記録ヘッド
50;記録ヘッド
51;再生ヘッド
52;ヘッドスライダを兼ねる基板
53;記録媒体
54;媒体からの漏れ磁界
61〜69;磁気抵抗効果ヘッド
101;第2のアクチュエータ
102;磁気記録媒体
103;磁気記録再生ヘッド
104;サスペンション
105;アーム
107;センス電流検出手段
108;コントローラ
106;第1のアクチュエータ
129;基板
130;記録再生素子部(磁気記録再生ヘッド)
131a;記録素子部(記録ヘッド)に接続された電極端子
131b;再生素子部(再生ヘッド)に接続された電極端子
132;保護膜
133;電流駆動回路
134;再生素子部にセンス電流を流す電流発生回路
135;データ読み取り回路

Claims (7)

  1. 下部導電層と、この下部導電層上に設けられ磁化方向が固定された固定層と、この固定層上に設けられた非磁性層と、この非磁性層上に設けられ印加される磁界によって磁化方向が変化するフリー層と、このフリー層上に設けられた磁性層と、この磁性層上に設けられ前記磁性層に磁界を印加する縦バイアス層と、を有し、前記非磁性層の電気抵抗値変化を検出するセンス電流が前記非磁性層に実質的に垂直に流れることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記磁性層と前記縦バイアス層との間に第2の磁性層を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効果素子の基材となる下シールド層と、前記磁気抵抗効果素子上に設けられ前記磁気抵抗効果素子にこの磁気抵抗効果素子の電気抵抗値変化を検出するセンス電流を入力するための上部導電層と、この上部導電層上に設けられた上シールド層と、を有することを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  4. 前記磁気抵抗効果素子における下部導電層が前記下シールド層と一体であることを特徴とする請求項3に記載の磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 前記上部導電層が前記上シールド層と一体であることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果ヘッドと、前記磁気抵抗効果ヘッドにセンス電流を供給する電流発生回路と、前記磁気抵抗効果ヘッドの電気抵抗変化を検出して前記磁気抵抗効果ヘッドに印加された磁界を求めるデータ読取回路と、を有することを特徴とする磁気抵抗変換システム。
  7. 請求項6に記載の磁気抵抗変換システムと、この磁気抵抗変換システムによりデータを記録及び再生する複数個のトラックを有する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体における選択されたトラックが配置されている位置へ前記磁気抵抗変換システムを移動させる第1のアクチュエータと、前記トラックを回転駆動させる第2のアクチュエータと、を有することを特徴とする磁気記録システム。
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