JP2002318433A - 光学記録材料 - Google Patents

光学記録材料

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JP2002318433A
JP2002318433A JP2002094797A JP2002094797A JP2002318433A JP 2002318433 A JP2002318433 A JP 2002318433A JP 2002094797 A JP2002094797 A JP 2002094797A JP 2002094797 A JP2002094797 A JP 2002094797A JP 2002318433 A JP2002318433 A JP 2002318433A
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Joseph Paul Dinnocenzo
ポール ディノセンゾ ジョセフ
Samir Yacoub Farid
ヤコブ ファリド サミル
Douglas R Robello
ロバート ロベロ ダグラス
Turan Erdogan
アードガン トゥラン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学記録材料の記録容量を増加させること。 【解決手段】 化学放射線に暴露された場合に、暴露領
域で光学特性の変化を生じることにより、情報を記憶お
よび引き出すための情報パターンを提供する光学記録材
料であって、a)バインダー、b)一電子酸化により化
学変換されることができ、その化学変換により前記暴露
領域における光学特性の前記変化をもたらす反応物、お
よびc)化学放射線を吸収して前記反応物の初期の一電
子酸化を生じさせることのできる増感剤を含んで成る光
学記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報を記憶するこ
とおよび引き出すことのできる光学記録素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現代の情報革命によって、データ記憶シ
ステムに対する要求はどこまでもとどまるところを知ら
ない。適例として、CDおよびDVDディスクは、成功
した高容量データ記憶技術を代表するものである。これ
らの技術の1つの主な利点は、媒体と光学ヘッドとの間
に物理的接触がないようにディスク上に光を向けること
によって、データの読み取りまたは書き込みが成される
ということである。しかしながら、これらのディスクの
全記憶容量は、使用される光の波長により読み取ること
のできる媒体表面上の最小マークの大きさによって制限
される。革新的によりいっそう小さなマークを有するデ
ータ記憶システムの開発に多くの試みがなされてきた。
しかしながら、必要な装置は極めて高価であり、また、
データアクセス速度は許容できないほどに遅い傾向があ
る。
【0003】媒体の記憶容量を増加させる1つの手段
は、媒体の表面だけというよりも深さ方向にも情報を記
録することである。これは、三次元でマークを生じさせ
て非常に大きなデータ容量のシステムを提供することを
目的として、ホログラフィー、二光子オプティックス、
および三次元で媒体を照明する類似の方法で使用でき
る。
【0004】有機色素の脱色および光反応(例えば、光
互変性)を、書き込み可能なCD型媒体における単層
と、深さ方向(厚手のポリマー片に溶解)の両方で、光
学データを記録する手段として使用することもできる。
しかしながら、これらの系では読み取り可能なマークを
生成させるには多量の光パワーを必要とするため、その
ような媒体の記録速度は遅い。また、多くの光互変系は
経時的に色が消える傾向もある。
【0005】ホログラフィー記録は、適切なポリマー中
での光学的に誘発される複屈折によっても達成できる
(ポリマー中の側鎖の光配列に頼る方法)。これもま
た、多量の光パワーを必要とするため、この方法は十分
でなく、遅い。さらに、光学的に誘発された配列はポリ
マー中で経時的に緩和する傾向があるため、記録された
情報のフィデリティーは経時的に劣化する。
【0006】特開2000−096588号公報には、
キラルノルボルナジエンとクアドリシクラン誘導体の相
互変換に基づく円偏光二色性の変化を利用する記録媒体
が開示されている。しかしながら、この技術は、合成す
るのが困難な鏡像異性的に濃度を高めた化合物を必要と
する。さらに、この公報には、光誘発型電子移動に増感
剤を使用することは開示されていない。米国特許第5,
759,721号明細書には、三次元で光学的に情報を
記録することにも使用できる光重合技術を使用するホロ
グラフィー記録媒体が開示されている。
【0007】しかしながら、この方法では、光重合が、
構成成分間に新たな化学結合が形成される一連の過程に
よる材料の収縮を通常伴うという点で問題がある。書き
込みの際に生じるいかなる寸法変化も、達成できる解像
度を制限するとともに媒体のデータ容量を減少させる。
さらに、光重合は概して低分子量反応物の使用を必要と
するため、それらの材料から作られた媒体は望ましくな
いほどに軟らかく粘着する傾向がある。さらに、最も一
般的な光重合方法であるフリーラジカル重合は、大気中
の酸素による妨害を受けやすく、当該プロセスに望まし
くない不一貫性をもたらす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
記録材料の記憶容量を増加させることである。本発明の
別の目的は、表面だけというよりもむしろ深さ方向にも
情報を記録できる光学記録材料を提供することである。
本発明のさらなる目的は、記録によって寸法を実質的に
変化しない光学記録材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの目的および他の
目的は、化学放射線に暴露された場合に、暴露領域で光
学特性の変化を生じることにより、情報を記憶および引
き出すための情報パターンを提供する光学記録材料であ
って、 a)バインダー; b)一電子酸化により化学変換されることができ、その
化学変換により前記暴露領域における光学特性の前記変
化をもたらす反応物;および c)化学放射線を吸収して前記反応物の初期(initia
l)の一電子酸化を生じさせることのできる増感剤;を
含んで成る光学記録材料からなる本発明によって達成さ
れる。
【0010】本発明によると、従来技術を凌駕する幾つ
かの利点を有する光学記録材料が得られる。 1.本発明は、固体ポリマーにおける光開始型連鎖反応
を伴い、その反応によって光学記録材料の光学的性質に
変化が生じる。しかしながら、本発明は光重合というよ
りもむしろ光異性化に頼るもので、記録に伴う寸法変化
は無視してよい(分子間に新たな結合は形成されな
い)。 2.本発明は、光の利用の観点で効率的な記録プロセス
を伴う。このプロセスは光開始型連鎖反応を伴うため、
吸収されたフォトン1個当たり多くの新たな分子が形成
される(化学増幅)。記録ビームへのほんのわずかな暴
露によって、光学的性質の比較的大きな変化が得られ
る。 3.本発明の材料は、フィルムおよびスラブに都合よく
作り上げることができる単純で安定なポリマーである。 4.本発明の材料の光学的変化は大きく、永久的、局所
的であり、容易に検出でき、光学記憶媒体の基礎を成
す。本発明は、ホログラフィーおよび二光子オプティッ
クス等の三次元光学データ記録システムに特に適する。 5.フリーラジカル重合とは異なり、本発明のカチオン
ラジカル転位は分子状酸素に影響されにくく、当該技術
分野で現在使用されているフリーラジカル光重合で通常
観察される一貫しない性能を免れる。
【0011】
【発明の実施の形態】バインダーが反応物および増感剤
を溶解することを条件に、いかなるバインダーも本発明
において使用できる。適切なバインダーとしては、米国
特許第4,499,165号および第4,626,36
1号明細書に定義されているようなモノマーガラス、例
えばスクロースオクタアセテート;またはポリマー材
料、例えば、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ
(アルキルアクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、酢酸セルロースまたはポリ(ビニルブチラー
ル)が挙げられる。一般的に、バインダーは、増感剤が
吸収するスペクトル領域で光学的に透明である、すなわ
ち励起波長で著しい吸収を示さないのが望ましく、ま
た、反応物の化学変換を妨げないことが望ましい。バイ
ンダーは可塑剤、保恒剤等を含んでもよい。
【0012】本発明の光学記録素子は、自己保形性のス
ラブまたはディスクの形態をとることができる。本発明
の光学記録素子は、ポリ(エチレンテレフタレート)、
ポリ(エチレンナフトエート)、ポリスチレン、酢酸セ
ルロース等の支持体、ガラス、石英、シリコン等の無機
支持体等にコートされてもよい。好ましい態様におい
て、支持体はポリエステルまたはガラスである。支持体
への記録層の接着性を向上させるために、支持体の表面
を処理してよい。例えば、光学記録材料を適用するのに
先立って、表面をコロナ放電処理してよい。代わりに、
ハロゲン化フェノールまたは部分加水分解塩化ビニル−
酢酸ビニルコポリマーから形成された層等の下塗り層ま
たは下引き層を支持体の表面に適用してよい。記録層の
厚さは1μm〜1cm、好ましくは100μm〜100
0μmである。
【0013】先に述べたように、本発明において使用さ
れる反応物は、一電子酸化によって化学変換を受けるこ
とができ、そのため、光学記録材料の暴露領域での光学
的特性の変化が生じる。そのような化合物は、光誘起型
カチオンラジカル転位して生成物化学種となる。この過
程は、記録事象を規定する。生成物の形成に付随して、
屈折率、蛍光性、または吸収スペクトル等の光学的性質
が変化する。個々の反応物分子の間に新たな化学結合は
形成されない。従って、記録事象間の媒体の寸法変化は
無視してよい。
【0014】反応物は、通常、比較的高い濃度で存在す
る。好ましい態様において、反応物は、前記材料の1〜
50質量%を構成し、増感剤は前記材料の0.001〜
10質量%を構成し、残りはバインダーである。反応物
の化学変換は、環化反応、付加環化反応および環状開環
反応等の反応を伴う異性化である。そのような変換の一
般例は、1aと1bの間の相互転換または2aと2bの
間の相互転換である。
【0015】
【化1】
【0016】上記および下記の式中のRは、H;炭素原
子数1〜12、好ましくは1〜3の置換または未置換ア
ルキルまたはアルコキシ基、例えばメチル、エチル、イ
ソプロピル、ブチル等;シアノまたはカルボキシレート
基;炭素原子数6〜18の置換または未置換アリール
基、例えばフェニル、ナフチル、フェナントリル、アン
トリル等;置換または未置換複素芳香族基、例えばフリ
ル、チエニル、ピリジル、ベンゾフリル、ベンゾチエニ
ル等であることができる。アリール基またはヘテロアリ
ール基上の置換基としては、例えば、1つ以上のアルキ
ル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシル
基、チオアルキル基、チオアリール基等が挙げられる。
さらに、置換基Rの幾つかまたは全てが結合してさらな
る環系を形成していてもよい。1a/1bの例は、
【0017】
【化2】
【0018】である。2a/2bの例は、
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】である。反応物1aおよび2aの具体例を
表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】好ましい態様において、反応物の酸化電位
がその生成物の酸化電位よりも低く、また、増感剤への
電子移動(下記参照)によって適度に速い異性化が起こ
ることが可能なように反応物を選ぶ。上に列挙した化合
物はこれらの特性を有するが、同じ特性を有するととも
に、先に列挙したものと同等以上の機能を発揮する他の
分子(今までのところまだ特定していない)が存在して
もよい。
【0027】本発明において使用される増感剤は反応物
の化学変換を開始する。増感剤は、それが光を吸収した
後、反応物をラジカルカチオンに酸化することができな
くてはならない(すなわち光誘発型電子移動)。本発明
で使用できる増感剤には2つのはっきり区別できる種類
がある。
【0028】1つの態様において、増感剤は、化学放射
線の吸収によって、反応物から電子を受容することがで
きる。そのような増感剤の例としては、表2および3に
示すものが挙げられる。本発明の別の態様において、増
感剤は、前記化学放射線フラグメントの吸収によって、
反応物から電子を受容することのできる酸化剤を与え
る。そのような増感剤の例としては、表4に示すものが
挙げられる。
【0029】
【化6】
【0030】増感剤(電子受容体)の励起エネルギー
は、反応が一重項励起状態から進行する場合には、Sの
規格化された吸収および発光スペクトルの中間点から都
合良く求められる。しかしながら、反応が三重項状態を
経て進行する場合には、Sの三重項エネルギーは励起エ
ネルギーとして使用されるであろう。ラジカルイオン対
のエネルギーEIPは式1により与えられる。この式中、
Δは媒体の極性に依存し、高極性媒体中でのほぼゼロか
ら最低極性の媒体での約0.3eVまでの範囲にわたる
エネルギーインクリメントである。
【0031】
【数1】
【0032】ポリマー媒体は誘電率が小さい傾向があ
り、そのためにラジカルイオン対を強く溶媒和しないで
あろう。従って、式1におけるエネルギーインクリメン
トはほぼ最大値、すなわち0.2〜0.3eVの範囲内
であると予測される。
【0033】
【数2】
【0034】供与体に対する増感作用のある受容体のエ
ネルギー要件を式2の再構成した形態で表すことはさら
に都合良い。
【0035】
【数3】
【0036】式3によると、反応がエネルギー的に許容
されるには、増感剤の励起エネルギーと増感剤の還元電
位の代数和が、反応物の酸化電位にほぼ等しいかまたは
それよりも大きくなくてはならない。SCE(飽和カロ
メル電極)に対して1.59Vの酸化電位を有する反応
物であるヘキサメチルデュワー(dewar)ベンゼンの具
体例に対し、式3の要件を満たす多くの増感作用のある
受容体を使用できる。表2には、この要件、すなわち
1.59eVに等しいかまたはその値を超える励起エネ
ルギーと還元電位の和を有するという要件を満たす化合
物の幾つかを示す。表2に列挙した化合物は、従って、
ヘキサメチルデュワーベンゼン反応物に有用である。
【0037】
【表4】
【0038】一般的に、上記のエネルギーに関する要件
を満足する限り、様々な反応物に対して多くの様々の化
合物から得られる誘導体を電子を受容する増感剤として
使用することができる。これらの潜在的に利用可能な増
感剤としては、シアノ芳香族化合物、例えば1−シアノ
ナフタレン、1,4−ジシアノナフタレン、9,10−
ジシアノアントラセン、2,9,10−トリシアノアン
トラセン、2,6,9,10−テトラシアノアントラセ
ン;芳香族酸無水物およびイミド類、例えば1,8−ナ
フチレンジカルボン酸、1,4,6,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸、3,4−ペリレンジカルボン酸および
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物ま
たはイミド;縮合ピリジニウム塩、例えばキノリニウ
ム、イソキノリニウム、フェナントリジニウム、アクリ
ジニウム塩;並びにピリリウム塩が挙げられる。中でも
三重項励起状態を伴う有用な増感剤は、例えば、電子吸
引性置換基(例えばクロロおよびシアノ)を有するベン
ゾキノン類、ナフトキノン類、アントロキノン類等のキ
ノン類である。特にピリジニウムのような強く電子を吸
引する部分を有するケトクマリン類は、増感剤としても
使用できる。上記の増感剤の例を表3に示す。これらの
増感剤は、溶解性、吸収スペクトル、還元電位等の特性
を調節するために含めることのできるメチル、エチル、
第3級ブチル、フェニル、メトキシ、クロロ等の置換基
を場合に応じて含むことがある。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】2)ラジカルカチオンの光化学的生成によ
る増感 このアプローチでは、励起によって増感剤のフラグメン
ト化と酸化作用のあるラジカルカチオンの形成がもたら
される。この部類に属する増感剤の1つの例はN−メト
キシフェナントリジニウムである(式4)。
【0043】
【化7】
【0044】上の例示において、増感剤は、化学放射線
の吸収によって反応し、フラグメントラジカルカチオン
を生成し、このフラグメントラジカルカチオンは反応物
から電子を受け取る。そのため、中性フラグメントの酸
化電位は反応物の酸化電位よりも高い。
【0045】
【表8】
【0046】
【実施例】以下の例により本発明を例示する。エチルペンタメチルデュワーベンゾエート(R−2)の
合成 窒素雰囲気下にある34.2gの塩化アルミニウムと1
40mlの乾燥ジクロロメタンの攪拌した混合物を氷浴
中で冷却し、次に、70mlの乾燥ジクロロメタン中に
溶解させた26.3g(486ミリモル)の2−ブチン
を滴下添加して処理した。反応容器にこのブチン溶液の
残りをさらなる25mlのジクロロメタンでゆすぎ入れ
た、得られた混合物を20分間攪拌した。窒素雰囲気下
で、この反応混合物を、ダブルチップドニードル(doub
le tipped needle)により、氷浴中で冷却された第2の
反応容器内の70mlの乾燥ジクロロメタン中の20.
1g(179ミリモル)のエチル2−ブチノエートの溶
液に加えた。得られた濃赤褐色透明溶液を0℃で15分
間攪拌し、次に70mlのジメチルスルホキシド(DM
SO)および170mlのジクロロメタンを徐々に加え
た。反応混合物を45分間攪拌し、次に、500mlの
氷水中に注ぎ入れた。得られた混合物をペンタンにより
2回抽出し、そして組み合わせた有機抽出液を水で3回
およびブラインで1回洗浄し、次に硫酸ナトリウムによ
り乾燥させた。溶剤を減圧除去すると、45.9gのさ
らさらした透明な金橙色の油状物が得られた。生成物
を、減圧蒸留し、63〜67℃/0.03〜0.05m
mで沸騰する留分を集めることによって単離した。収量
は28.5g(理論収量の72%)。生成物をNMRに
より特性評価した。1H−NMR(CDCl3):δ
1.20(s,3H),1.25(s,3H),1.3
0(t,3H),1.60(s,3H),1.65
(s,3H),2.05(s,3H),4.20(q,
4H)。
【0047】エチル2−フェニル−3,4,5,6−テ
トラメチルデュワーベンゾエート(R−3)の合成 6.16g(46ミリモル)のAlCl3と30mlの
蒸留したばかりのCH2Cl2の磁気攪拌した懸濁液を氷
水浴中で冷却した。15mlのCH2Cl2中の5.0g
(92ミリモル)の2−ブチンを20分間にわたって添
加した。添加完了後、得られた溶液をさらに30分間攪
拌した。テトラメチルシクロブタジエンクロリド錯体の
この溶液を、30mlのCH2Cl2中に5.90g(3
4ミリモル)のエチルフェニルプロピオネートの攪拌し
た溶液を含む別のフラスコに、ダブルチップドニードル
により正の窒素加圧下で移し入れた。この添加から10
分後、15mlのDMSOと15mlのCH2Cl2の溶
液を15分間にわたって加えた。このDMSOの添加が
完了した後、この溶液を室温でさらに20分間攪拌し
た。次に、混合物を100mlの氷水中に注ぎ入れ、そ
して生成物を石油エーテル(2×200ml)に抽出し
た。組み合わせた有機相を次に水(2×150ml)お
よびブライン(1×100ml)で洗浄し、そしてMg
SO4により乾燥させた。溶剤を減圧除去し、11.0
gの黄色油状物を得た。粗生成物を分取液体クロマトグ
ラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により
精製し、6.6gの淡黄色油状物を得た。−78℃のヘ
キサンからの再結晶化から所望の生成物を白色固形物と
して得た。1H−NMR(CDCl3)により生成物を特
性評価した:δ 7.97〜8.01(m,2H),
7.42〜7.38(m,3H),4.29〜4.23
(m,2H),1.76(q,3H,J=1.2H
z),1.69(q,3H,J=1.2Hz),1.3
8(s,3H),1.36(t,3H,J=7Hz),
1.35(s,3H)。
【0048】エチル2−(4−シアノフェニル)−3,
4,5,6−テトラメチルデュワーベンゾエート(R−
4)の合成 3.65gのp−ヨードベンゾニトリル、6.25gの
エチルプロピオレート、220mgのジクロロビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム、120mgのCu
Iおよび4.42gの炭酸カリウムを丸底フラスコ内で
50mlの蒸留したばかりのTHFとともに混合した。
この混合物を、磁気攪拌しながら4時間還流した。次
に、THFを減圧除去した。反応混合物をCH2Cl
2(2×150ml)で抽出した。組み合わせた有機相
をH2O(2×100ml)およびブライン(1×10
0ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして濃縮
し、黒褐色の油質の固形物を粗生成物として得た。自動
フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチ
ル/ヘキサン)による精製から、中間生成物であるエチ
ル(4−シアノ)フェニルプロピオレートを収率45%
で白色固形物として得た。この中間生成物を1H−NM
R(CDCl3)により分析した:δ 1.36(t,
3H,J=7.2Hz),4.31(q,2H,J=
7.2Hz),7.67(s,4H)。R−3に関して
述べたのと全く同じようにして、この中間体アルキンか
ら最終生成物を調製した。液体クロマトグラフィー(シ
リカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)による精製後、得ら
れた黄色固形物をヘキサンから再結晶化(2回)する
と、黄色結晶を収率40%で得た。この生成物を1H−
NMR(CDCl3)により分析した:δ 1.37〜
1.32(m,9H),1.57(q,3H,J=1.
2Hz),1.72(q,3H,J=1.2Hz),
4.25(qd,2H),7.66(d,2H),8.
01(d,2H)。
【0049】メチル2−(4−メトキシフェニル)−
3,4,5,6−テトラメチルデュワーベンゾエート
(R−5)の合成 この合成における中間生成物、すなわちメチル(4−メ
トキシ)フェニルプロピオレートを文献(Morris, J; W
ishka, D. G., Synthesis 1994, 43-46)に記載の方法
に従って合成した。R−3に関して述べたのと全く同じ
ようにして、この中間体アルキンから最終生成物を調製
した。液体クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチ
ル/ヘキサン)による粗精黄色固形物の精製後、得られ
た黄色固形物をヘキサンから再結晶化すると、白色の結
晶を収率40%で得た。この生成物を1H−NMR(C
DCl3)により分析した:δ 1.30(s,3
H),1.34(s,3H),1.65(q,3H,J
=1.3Hz),1.71(q,3H,J=1.3H
z),3.77(s,3H),3.84(s,3H),
6.91(d,2H),7.95(d,2H)。
【0050】ジメチル3,4,5,6−テトラメチルデ
ュワーベンゼン−1,2−ジカルボキシレート(R−
6)の合成 R−3の合成手順に従ってこの化合物を合成した。生成
物を収率43%で単離し、1H−NMR(CDCl3)に
より特性評価した:δ 3.79(s,6H),1.6
3(s,6H),1.29(s,6H)。
【0051】3,4,5,6−テトラメチルデュワーベ
ンゼン−1,2−ビス(ジプロピルアミド)(R−7)
の合成 8mlのH2Oに溶解させた330mgのKOHおよび
5mlのメタノールを丸底フラスコに入れた。この混合
物に50mgのR−6を加え、そして2.5時間磁気攪
拌した。次に、この溶液を、10%HCl水溶液により
pH=2.3に徐々に酸性化させると、350mgの白
色固形物の沈殿が起こり、この固形物は 1H−NMRに
より対応するジカルボン酸であると求められた。次に、
この二酸を50mlの0℃のCH2Cl2中に懸濁させ、
そしてこの攪拌した懸濁液に、5mlのCH2Cl2中の
470mgの塩化オキサリルの溶液を滴下添加した。1
0分後に反応フラスコ中になんの物理的変化も観察され
なくなった後、この反応混合物に2滴のジメチルホルム
アミド(DMF)を加えると、HClガスの生成が起き
た。この溶液を室温で2時間攪拌し、次に、溶剤を過剰
の塩化オキサリルとともに減圧除去した。粗精二酸クロ
リドを次に20mlのフレッシュなCH2Cl2中に溶解
させ、そして30mlのCH2Cl2中の500mgのジ
プロピルアミンの攪拌した0℃の溶液に20分間にわた
って加えた。2.5時間の攪拌後、溶液を25mlの氷
水に注ぎ入れた。混合物をCH2Cl2(2×50ml)
で抽出した。組み合わせた有機相をH2O(2×25m
l)およびブライン(1×25ml)で洗浄した。生成
物を分取液体クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エ
チル/ヘキサン)により精製すると、350mgの生成
物を淡黄色油状物として得た。ヘキサンからの再結晶化
により白色固形物を得た。生成物を電子スプレー質量分
析(m/e=389でのM++1ピーク)および1H−N
MR(CDCl 3)により特性評価した:δ 0.80
(t,6H),0.89(t,6H),1.27(s,
6H),1.49〜1.35(m,4H),1.60〜
1.49(m,4H),1.69(s,6H),3.4
6〜3.05(m,8H)。
【0052】エチル2−フェニルクアドリシクラン−1
−カルボキシレート(R−8)の合成 肉厚ガラス管にエチルフェニルプロピオレート(5.0
g,29ミリモル)、2.85g(43ミリモル)の蒸
留したばかりのシクロペンタジエン、5mlのキシレン
および20mの3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−
ジヒドロキシ−6,6’−ジメチルジフェニルスルフィ
ドを入れ、そしてアルゴン中で封管した。この管を17
5℃で48時間加熱し、そして冷却した。生成物を減圧
下の分別蒸留により単離すると、3.1g(理論量の4
5%)のエチル2−フェニルノルボルナジエン−1−カ
ルボキシレート(沸点92〜107℃/0.05mm)
を得た。この中間生成物をNMRおよび質量分析により
特性評価した。1H−NMR(CDCl3):δ 1.2
1(t,3H),2.06(m,1H),2.24
(m,1H),3.85(m,1H),4.06(m,
1H)4.14(qt,2H),6.92(m,1
H),6.98(m,1H),7.25(m,3H),
7.52(m,2H)。電子スプレー質量分析は、m/
e 241+の分子イオンを示した。エチル2−フェニ
ルノルボルナジエン−1−カルボキシレート(1.24
g,5.2ミリモル)を50mlのアセトニトリルに溶
解させ、そしてRayonet光化学反応器内で室温で350
nmの光を24時間照射するとエチル2−フェニルクア
ドリシクラン−1−カルボキシレートが定量的収量で生
成した。生成物をNMRにより特性評価した。1H−N
MR(CDCl3):δ 1.05(t,3H),2.
13(dt,1H),2.22(dd,1H),2.3
7(dt,1H),2.44(m,1H),2.54
(dd,1H),3.99(qt,2H),7.15
(m,1H),7.25(m,4H)。
【0053】ジメチルクアドリシクラン−1,5−ジカ
ルボキシレート(R−9)の合成 5.00g(35ミリモル)のジメチルアセチレンジカ
ルボキシレート、2.79g(42ミリモル)のシクロ
ペンタジエンおよび10mlのトルエンの混合物を肉厚
ガラス管内に封入し、そして100℃で20時間加熱し
た。室温に冷却し、溶剤を除去した後、得られた油状物
を減圧蒸留し、沸点66〜80℃/0.05mmの留分
を集めた。中間生成物、すなわちジメチルノルボルナジ
エン2,3−ジカルボキシレートの収量は4.8g(6
5%)であった。この中間生成物をNMRおよび質量分
析により特性評価した。1H−NMR(CDCl3):δ
2.11(m,1H),2.27(m,1H),2.2
4(m,1H),3.78(s,6H),3.94
(m,2H),6.92(t,J=1.9Hz,2
H)。電子スプレー質量分析はm/e 209+の分子
イオンを示した。この中間生成物(3.10g,15ミ
リモル)を60mlのアセトニトリルに溶解させ、そし
て細長いガラス管に入れた。Rayonet光化学反応器内で
この溶液に波長340〜360nmの紫外線を108時
間照射した。溶剤を除去した後、生成物を金色の油状物
として得た。1H−NMR(CDCl3):δ 2.15
(m,1H),2.33(m,3H),2.50(m,
2H),3.68(s,6H)。
【0054】1,5−ジフェニルクアドリシクラン(R
−10)の合成 まず最初に、中間生成物である2,3−ジフェニルノル
ボルナジエンを以下のように調製した:乾燥テトラヒド
ロフラン(50ml)中の2,3−ビス(tert−ブチル
スルホニル)ノルボルナジエン(Riera et al. Tetrahe
dron Letters 1990, volume 31, page 2173)(5.5
0g,19ミリモル)をアルゴン雰囲気下、−78℃で
95ミリモルのフェニルリチウムにより処理した。反応
混合物を一晩かけて室温まで徐々に温め、メタノール
(25ml)を加え、そして溶液を減圧下で少し濃縮し
た。得られた混合物を水(50ml)と混合し、そして
ジクロロメタン(2×50ml)で抽出した。組み合わ
せた有機抽出液を硫酸マグネシウムにより乾燥させ、そ
して濃縮すると、褐色油状物が残った。この中間生成物
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/
ジクロロメタン)により精製し、続いてメタノールから
再結晶化し、1.25g(収率27%)の2,3−ジフ
ェニルノルボルナジエンを白色の固形物として得た。1
H−NMR(CDCl3):δ 2.10(m,1
H),2.40(m,1H),3.92(m,2H),
7.01(t,2H),7.2〜7.3(m,10
H)。2,3−ジフェニルノルボルナジエン(0.50
g,2.0ミリモル)を25mlのクロロホルムに溶解
させ、その溶液に窒素を5分間バブリングすることによ
り脱気し、そして肉厚ガラス管に入れた。Rayonet光化
学反応器内で、この溶液に波長340〜360nmの紫
外線を18時間照射した。溶剤を除去した後、生成物で
ある1,5−ジフェニルクアドリシクランをタン色の油
状物として得た。1H−NMR(CDCl3):δ 1.
89(m,2H),2.20(m,2H),2.42
(m,1H),7.0〜7.2(m,10H)。
【0055】例1−さまざまな増感剤 光学記録素子1 5mlのジクロロメタン中の0.060gの反応物、す
なわちヘキサメチルデュワーベンゼン(R−1)、0.
88gのバインダー、すなわちポリ(メチルメタクリレ
ート)および0.0015gの増感剤S−2の溶液を、
125μmドクターブレードを使用してポリ(エチレン
テレフタレート)支持体上にハンドコートした。全時間
にわたって、この素子を紫外線から保護した。この素子
を室温で15分間乾燥させ、そして5×5cmの正方形
に切断し、金属枠に取り付け、次に、減圧オーブン内で
40℃で1時間乾燥させた。
【0056】光学記録素子2 この素子は、増感剤がS−26であったことを除き、光
学記録素子1と同じであった。光学記録素子3 この素子は、増感剤がS−4であったことを除き、光学
記録素子1と同じであった。
【0057】光学記録手順1 試料素子にホログラフィーグレーティングを書き込む紫
外線干渉計と、回転ステージと、グレーティングの角ス
ペクトルを測定するためのプローブビームから成る実験
装置を使用した。この紫外線干渉計用の光源は波長35
07Åのアルゴンイオンレーザービームであった。この
レーザービームは、フォーカル長50mmの溶融シリカ
レンズにより溶融シリカレンズ直径7.5mmのビーム
にコリメートする前に、倍率10倍の紫外線顕微鏡対物
レンズおよび5μmのピンホールで空間的にフィルター
した。この紫外線ビームは、この装置の光軸を規定し
た。1070nmの周期を有するフェーズマスクは、グ
レーティングの式に従ってUVビームを散乱した。ゼロ
次ビームは遮断されたので試料面に到達できなかった。
入射面を規定する一次回折ビームはそれぞれ光軸に対し
て19.15°の角度を成してグレーティングから伝搬
した。光軸に沿って測定した場合にフェーズマスクから
約23cmの位置にある2枚の平面鏡により一次回折ビ
ームをフィルム面に向け、それら一次回折ビームをフィ
ルム面と32.19°の角度で交差させた。試料面は、
光軸に沿って測定した場合にフェーズマスクから50c
m離れた位置にあった。光軸はフィルム面に対して垂直
であり、交差するUVビームにより作られる32.19
°の角度を二分した。交差するUVビームにより形成さ
れるフリンジパターンは633nmの周期を有するシヌ
ソイド形であった。
【0058】プローブビームのための光源は、波長63
28Åのヘリウム−ネオンレーザービームであった。こ
のプローブビームを、入射面に対して垂直に偏光した。
このレーザービームを、倍率5倍の顕微鏡対物レンズに
より直径3.0mmのビームにコリメートする前に、倍
率10倍の顕微鏡対物レンズおよび25μmのピンホー
ルを使用して空間的に濾過した。低ノイズ検出にロック
インアンプを使用できるように、プローブビームをチョ
ッパーホイールにより1400Hzで変調した。プロー
ブビームは、光軸に対して30.0°の角度を成して試
料面と交差した。この角度は、最大回折効率を得るため
のブラッグ条件を満たした。ホログラフィーグレーティ
ングの回折効率を、ブラッグ角との角度同期のずれ(an
gular detuning)の関数として測定できるように、この
試料を回転ステージ上に載せた。試料素子の露光特性の
測定は、この装置のアラインメント検査から開始した。
顕微鏡スライドガラスを試料面内に置き、その表面から
の背景反射を用いて試料面が光軸に対して垂直であるこ
と、プローブビームが30.00°で入射すること、U
Vビームが32.19°の角度で交差すること、および
光軸がUVビームにより作られる角度を二分することを
確かめた。いったんこのアラインメントを完了したら、
干渉するこれらのUVビームの各出力が3.0mWとな
るように、アルゴンイオンレーザー出力を調節した。回
折効率の測定値を規格化できるように、プローブビーム
の出力をボルト単位でロックインアンプにより測定し
た。
【0059】書き込み手順は以下の通りである。UVビ
ームをシャッターにより遮断するとともに、試料を所定
位置に固定した。60秒間かけて装置を平衡状態にし、
アラインメント手順によりもたらされる機械的および熱
的な妨害を減少できた。次に、試料を、干渉するUVビ
ームに所定の時間暴露するとともに、回折されたプロー
ブビームの出力をコンピューターで記録した。暴露の最
後に、UVビームを遮断し、そして回折されたプローブ
ビームの出力をブラッグ角との角度の同期のずれの関数
として測定した。これらの2組のデータから、グレーテ
ィングの角度スペクトル曲線、回折効率対時間曲線、お
よびインデックス変調対時間曲線を生じさせることがで
きた。結果を以下に示す。上記のように記録ビームに暴
露することによって、屈折率変化のパターンの生成に起
因して、材料中に回折グレーティングが生成した。下記
表に掲げる回折効率は、記録された屈折率変化のパター
ンについての測定値であり、ゼロを超えるいかなる数も
望ましい。
【0060】光学記録手順2 この手順は、クリプトンイオンレーザーを使用し、出力
波長が406nmであり、干渉するビームのそれぞれの
出力は8mWであったことを除き、光学記録手順1と同
じであった。結果を以下に示す。光学記録手順3 この手順は、干渉するビームのそれぞれの出力が24m
Wであったことを除き、光学記録手順2と同じであっ
た。結果を以下に示す。
【0061】
【表9】
【0062】上記結果から、光学記録素子1〜3の材料
に屈折率変化のパターンを記録でき、従って、増感剤S
−2,S−26およびS−4は全て異性化反応に有効な
増感剤であることが判る。
【0063】例2−異なるバインダー 光学記録素子4 この素子は、バインダーがビスフェノールAポリカーボ
ネートであったことを除き、光学記録素子1と同じであ
った。光学記録素子4を例1におけるように試験し、光
学記録素子1と比較した。以下の結果が得られた。
【0064】
【表10】
【0065】上記結果から、異なるバインダーを含む光
学記録素子1および4の材料に屈折率変化のパターンを
記録できることが判る。例3−異なる反応物 光学記録素子5 この素子は、反応物がエチルペンタメチルデュワーベン
ゾエート(R−2)であったことを除き、光学記録素子
1と同様に作製した。光学記録素子6 この素子は、反応物が2−フェニル−3,4,5,6−
テトラメチルデュワーベンゾエート(R−3)であった
ことを除き、光学記録素子1と同様に作製した。
【0066】光学記録素子7 この素子は、反応物がエチル2−フェニルクアドリシク
ラン−1−カルボキシレート(R−8)であったことを
除き、光学記録素子1と同様に作製した。光学記録素子8 この素子は、反応物が3,4−ジフェニル−1,2−シ
クロブタンジカルボン酸環状トリメチレンエステル(R
−12)であったことを除き、光学記録素子1と同様に
作製した。この反応物は、Freedman等の手法(Organic
Preparations and Procedures International, 1969, v
olume 1, page 267)により調製した。
【0067】光学記録素子9 この素子は、反応物が2,5−ジメチル−3,4−ジフ
ェニル−ペンタシクロ[4.4.0.02,5.03,8.0
4,7]デカン)(R−13)であったことを除き、光学
記録素子1と同様に作製した。この反応物は、Hasegawa
等の手法(Journal of Organic Chemistry, volume 56,
page 2170)により調製した。光学記録素子10 この素子は、反応物が2,3−ジフェニルクアドリシク
ラン(R−10)であり、使用した反応物の量が5質量
%であったことを除き、光学記録素子1と同様に作製し
た。
【0068】光学記録素子11 この素子は、反応物がエチル2−フェニル−3,4,
5,6−テトラメチルデュワーベンゾエート(R−3)
であったことを除き、光学記録素子1と同様に作製し
た。光学記録素子12 この素子は、反応物がエチル2−(4−メトキシフェニ
ル)−3,4,5,6−テトラメチルデュワーベンゾエ
ート(R−5)であったことを除き、光学記録素子1と
同様に作製した。光学記録素子5〜12を例1における
ように試験し、そして光学記録素子1と比較した。以下
の結果が得られた。
【0069】
【表11】
【0070】上記結果から、屈折率変化のパターンを、
様々な光学記録素子で使用される反応物のいずれかを含
む媒体に記録できたことが判る。例4(比較例) 光学記録素子13 この素子は、使用した反応物の量が5質量%であり、増
感剤がS−25であったことを除き、光学記録素子2と
同様に作製した。
【0071】対照光学記録素子C−1 この素子は、反応物を使用せず、使用した増感剤の量が
2倍であったことを除き、光学記録素子6と同様に作製
した。対照光学記録素子C−2 この素子は、増感剤を使用しなかったことを除き、光学
記録素子6と同様に作製した。これらの素子を、出力
0.3mW/cm2で記録波長が325nmであったこ
とを除き、例1と同様に試験した。以下の結果が得られ
た。
【0072】
【表12】
【0073】上記結果から、本発明の記録素子13の回
折効率が0より大きい(0より大きいことは望ましい)
が、反応物も増感剤も含まない比較のための光学記録素
子は0の回折効率を有することが判る。従って、有用な
光学記録素子を得るには、光学記録素子中に反応物と増
感剤の両方が存在すべきである。例5−持久性 光学記録素子1の回折効率を測定したところ0.118
%であることが判った。この素子を22℃で106日間
貯蔵した後、回折効率を再び測定したところ0.115
%であることが判った。この結果から、屈折率変化の持
久性のある安定なパターンを記録できることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダグラス ロバート ロベロ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,フットヒル サークル 1291 (72)発明者 トゥラン アードガン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14559, スペンサーポート,ディールボーン レー ン 11 Fターム(参考) 2H123 AA00 AA51

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学放射線に暴露された場合に、暴露領
    域で光学特性の変化を生じることにより、情報を記憶お
    よび引き出すための情報パターンを提供する光学記録材
    料であって、 a)バインダー; b)一電子酸化により化学変換されることができ、その
    化学変換により前記暴露領域における光学特性の前記変
    化をもたらす反応物;および c)化学放射線を吸収して前記反応物の初期の一電子酸
    化を生じさせることのできる増感剤;を含んで成る光学
    記録材料。
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