JP2002318336A - レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器 - Google Patents

レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器

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JP2002318336A
JP2002318336A JP2001124450A JP2001124450A JP2002318336A JP 2002318336 A JP2002318336 A JP 2002318336A JP 2001124450 A JP2001124450 A JP 2001124450A JP 2001124450 A JP2001124450 A JP 2001124450A JP 2002318336 A JP2002318336 A JP 2002318336A
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hole
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JP2001124450A
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Atsushi Koyama
小山  敦史
Masahisa Tamura
田村  昌久
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏芯調整後又は/及び倒れ調整後においても
接着による仮止めが容易であり、偏芯調整が必要なかっ
た場合でも接着による仮止めが容易なレンズ鏡筒及びそ
れを有する光学機器を得ること。 【解決手段】 第1の光学素子を保持する第1の素子保
持部材と、それを第1の結合部材を利用して結合すると
ともに、光軸直交方向での位置調整を可能とした連結板
と、該連結板に対して第2の結合部材を利用して結合す
る第2の素子保持部材とを有したレンズ鏡筒において、
該連結板および該第1の素子保持部材は、互いに光軸方
向に当接する面を有し、該第1の素子保持部材の当接面
には穴部が設けられ、該連結板には貫通孔が設けられて
おり、該穴部および該貫通孔は、該連結板を該第1の素
子保持部材に結合したとき、該穴部の少なくとも一部が
該貫通孔を通して露出する形状となっていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の光学素子を
備えたレンズ鏡筒及びそれを有する光学機器に関するも
のであり、例えば製造誤差によって生じる各光学素子の
光軸ずれおよび倒れ等を容易に修正することができる調
整構造を有するレンズ鏡筒及びそれを有する光学機器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の光学素子の光軸ずれや倒れ
等を修正する為の調整構造を有するレンズ鏡筒の構成の
一部の概略図である。この図において、30は第1のレ
ンズ群、31は第1のレンズ群30を保持する第1のレ
ンズ保持枠、32は第2のレンズ群、33は第2のレン
ズ群32を保持する第2のレンズ保持枠である。第2の
レンズ保持枠33は、第1のレンズ保持枠31の光軸方
向に延びる腕部31aの後端にビス34で結合されてい
る。
【0003】35は案内筒であり、定位置に保持され光
軸方向に延びる直進溝35aが形成されている。また、
この案内筒35の内周には、第1のレンズ保持枠31の
外周が嵌合している。
【0004】36はカム環であり、カム溝36aが形成
されている。このカム環36は、案内筒35の外周に、
光軸方向の移動が阻止された状態で光軸回りで回転可能
に嵌合している。
【0005】37は第1のレンズ保持枠31の腕部31
aに固定されるコロであり、直進溝35aとカム溝36
aとに係合している。これにより、カム環36が回転す
ると、第1のレンズ保持枠31が光軸方向に進退し、第
1のレンズ保持枠31に結合された第2のレンズ保持枠
33も同じく進退する。
【0006】次に、上記レンズ鏡筒の組立上の調整工程
について説明する。調整を行う際は、まずビス34をビ
ス止め途中の状態(不完全結合状態)で案内筒35を不
図示の調整工具本体に固定するとともに、調整部材3
8、付勢部材39および付勢ばね40からなる調整工具
41を取り付ける。
【0007】このとき、調整部材38の内周には第2の
レンズ保持枠33の外周が嵌合し、この第2のレンズ保
持枠33を光軸直交方向に移動可能に保持しつつ、付勢
部材39が付勢ばね40の弾性力によって第2のレンズ
保持枠33を第1のレンズ保持枠31に向けて付勢して
いる。これにより、第1のレンズ群30と第2のレンズ
群32の光軸方向の間隔が定められ、調整部材38およ
び第2のレンズ保持枠33を光軸直交方向に移動させる
ことにより、第1のレンズ群30と第2のレンズ群32
の光軸ずれの修正(以下、偏芯調整という)を行うこと
ができる。
【0008】そして、偏芯調整を行った後、ビス34を
締め付けて両レンズ保持枠31,33を完全に結合させ
る。
【0009】また上記の従来のレンズ鏡筒において、第
2のレンズ保持枠33の倒れ調整を行えるようにするた
めには、簡単な構成としては、倒れ補正量を見込んで第
1のレンズ保持枠31と第2のレンズ保持枠33との間
にワッシャーを挿入することが考えられる。
【0010】しかしながら、倒れ補正量が見込んだ値と
異なった場合、一度第2のレンズ保持枠33を取り外す
必要があり、大変な手間がかかってしまう。また、この
方法は倒れ調整ができたとしても段階的な調整しかでき
ないので理想的とはいえない。
【0011】また、第1のレンズ保持枠31と第2のレ
ンズ保持枠33との間に弾性部材を挟持させ、ビスを緩
めることにより無段階に倒れ調整を行なうことも考えら
れるが、倒れ調整を行ったあとに偏芯調整を行った場合
には、倒れた面、すなわち光軸に対して非垂直な面で偏
芯調整を行うことになり、厳密な調整が行えない。ま
た、偏芯調整を行う際にビス34を緩める必要があるの
で、倒れ調整を行う意味がなくなってしまう。
【0012】以上のことから、偏芯調整構造と倒れ調整
構造とは互いに独立していることが望ましいが、これら
を独立させると、レンズ鏡筒の大型化および構成の複雑
化が懸念される。
【0013】そこで、本出願人は特願2000−396
219号において、図6に示すレンズ鏡筒を提案してい
る。この図において、連結板42は、第3レンズ群を保
持する第3レンズ保持枠18の後端部に、第1ビス(第
1の結合部材)27によって後方から結合される。連結
板42の外周3箇所には、径方向外方(光軸直交方向)
に延び、第1ビス27が挿通する切り欠き部42aが形
成されている。この切り欠き部42aの幅は、第1ビス
27のネジ部より広く、かつビス27の頭部より狭い。
【0014】連結板42の後面側には、第5レンズ群を
保持する第5レンズ保持枠23が第2ビス(第2の結合
部材)28によって後方から結合される。連結板42と
第5レンズ保持枠23との間には、第2ビス28のネジ
部回りに取り付けられた環状のばね座金(弾性部材)2
9が挟持される。
【0015】第1ビス27および第2ビス28はそれぞ
れ、保持枠周方向において略等角度間隔で、かつ互いに
異なる角度位相で配置されている。そして、第5レンズ
保持枠23は、第1ビス27が第5レンズ保持枠23に
干渉しないように第1ビス27を避ける形状に形成され
ている。次に、第3レンズ保持枠18(第3レンズ群L
3)および第5レンズ保持枠23(第5レンズ群L5)
の偏芯調整および倒れ調整について説明する。
【0016】まず、偏芯調整は、第2ビス28を完全に
締め付け、第1ビス27を緩めた状態(不完全結合状
態)で行われる。
【0017】この状態では、連結板42の切り欠き部4
2aが上述したように第1ビス27のネジ部より幅広
で、かつ第1ビス27の頭部より幅狭に形成されている
ので、連結板42およびこれに結合されている第5レン
ズ保持枠23を、第3レンズ保持枠18の後端面18a
に沿って光軸直交方向に位置調整することができる。
【0018】こうして、第3レンズ保持枠18に保持し
た第3レンズ群L3(さらにはレンズ鏡筒内の他のレン
ズ群)に対する第5レンズ保持枠23に保持した第5レ
ンズ群L5の光軸ずれを修正することができる。
【0019】一方、倒れ調整は、第1ビス27を完全に
締め付け、いずれかの第2ビス28を適当な量だけ緩め
る(すなわち、結合度合いを変える)ことにより行う。
第2ビス28の緩め量を変えることにより、ばね座金2
9の弾性力によって連結板42および第3レンズ保持枠
18に対して第5レンズ保持枠23の傾き角度および傾
き方向を無段階的に変えることができる。
【0020】こうして、第3レンズ群L3(さらにはレ
ンズ鏡筒内の他のレンズ群)に対する第5レンズ群L5
の倒れを修正することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記したような構成に
おいて偏芯調整後に第3レンズ保持枠18に連結板42
を第1ビス27で結合する際、第1ビス27と連結板4
2の摩擦により、連結板42、しいては第5レンズ保持
枠23が移動してしまうことがあった。
【0022】本発明は、簡単な構成でありながら、光学
素子を保持する素子保持部材の偏芯調整及び傾き調整を
容易に行うことができるレンズ鏡筒及びそれを有する光
学機器の提供を目的とする。
【0023】この他本発明は偏芯調整後又は/及び倒れ
調整後においても接着による仮止めが容易であり、偏芯
調整が必要なかった場合でも接着による仮止めが容易な
レンズ鏡筒及びそれを有する光学機器の提供を目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のレンズ
鏡筒は、第1の光学素子を保持する第1の素子保持部材
と、該第1の素子保持部材に第1の結合部材によって結
合されるとともに、該第1の結合部材による不完全結合
状態にて該第1の素子保持部材に対して光軸直交方向で
の位置調整が可能な連結板と、第2の光学素子を保持
し、該連結板に第2の結合部材によって結合される第2
の素子保持部材と、該第2の素子保持部材と該連結板と
の間に配置され、該第2の結合部材よる結合度合いに応
じて該第2の素子保持部材の該第1の素子保持部材に対
する倒れを調整可能とするための弾性部材とを有するレ
ンズ鏡筒において、該連結板および該第1の素子保持部
材は、互いに光軸方向に当接する面を有し、該第1の素
子保持部材の当接面には穴部が設けられ、該連結板には
貫通孔が設けられており、該穴部および該貫通孔は、該
連結板を該第1の素子保持部材に対する光軸直交方向で
の位置調整前後において、該穴部が該貫通孔を通して露
出する形状で設定されていることを特徴としている。
【0025】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、前記第2の素子保持部材には、前記穴部および前記
貫通孔を露出させる切り欠きが設けられていることを特
徴としている。
【0026】請求項3の発明は請求項1又は2の発明に
おいて、前記第2の素子保持部材は、光射出側の最後尾
に配置されることを特徴としている。
【0027】請求項4の発明のレンズ鏡筒は、第1の光
学素子を保持する第1の素子保持部材と、それを第1の
結合部材を利用して結合するとともに、光軸直交方向で
の位置調整を可能とした連結板と、該連結板に対して第
2の結合部材を利用して結合する第2の素子保持部材と
を有したレンズ鏡筒において、該連結板および該第1の
素子保持部材は、互いに光軸方向に当接する面を有し、
該第1の素子保持部材の当接面には穴部が設けられ、該
連結板には貫通孔が設けられており、該穴部および該貫
通孔は、該連結板を該第1の素子保持部材に結合したと
き、該穴部の少なくとも一部が該貫通孔を通して露出す
る形状となっていることを特徴としている。
【0028】請求項5の発明は請求項4の発明におい
て、前記第2の素子保持部材には、前記穴部および前記
貫通孔の少なくとも一部を露出させる切り欠きが設けら
れていることを特徴としている。
【0029】請求項6の発明は請求項4又は5の発明に
おいて、前記第2の素子保持部材は、光射出側の最後尾
に配置されることを特徴としている。
【0030】請求項7の発明の光学機器は、請求項1か
ら6のいずれか1項のレンズ鏡筒を有することを特徴と
している。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態1の要
部断面図である。図1は一眼レフカメラ(光学機器)に
適用した交換レンズ鏡筒の構成を示している。
【0032】このレンズ鏡筒は、第1レンズ群L1から
第5レンズ群L5を有する5群構成のズームレンズを含
み、ズーミングの際には全てのレンズ群が光軸方向に進
退し、フォーカシングの際には第2レンズ群L2が光軸
方向に進退する。尚、ズームタイプは5群構成に限らず
他のズームタイプでも良い。
【0033】図1において、1はマウントで、不図示の
一眼レフカメラ本体にバヨネット結合するための爪部を
有しており、固定筒2にビス等(不図示)で結合されて
いる。
【0034】固定筒2には案内筒3がビス(不図示)に
て結合されており、案内筒3にはフォーカス用の第2レ
ンズ群L2を駆動する為の振動型モータを用いたフォー
カスユニット4が固定されている。
【0035】また、固定筒2とフォーカスユニット4の
間には、フォーカスリング5が光軸を中心に回転可能に
保持されている。また、案内筒3の外周にはカム筒6が
バヨネット結合されて嵌合しており、光軸回りで回転の
み可能となっている。
【0036】7は各レンズ群を駆動させる為のズームリ
ングで、フォーカスユニット4に固定された連絡環8に
バヨネット結合し、光軸回りで回転のみ可能となってい
る。また、カム筒6とズームリング7は不図示のズーム
キーで連結されており、一体的に回転する。
【0037】9は直進筒であり、案内筒3に設けられた
光軸方向に延びる直進溝(不図示)とカム筒6に設けら
れたカム溝(不図示)に係合する不図示の直進コマに固
定されており、ズームリング7の回転操作により光軸方
向に進退し、第1レンズ群L1を駆動させている。
【0038】直進筒9の先端には、第1群レンズ群L1
を保持する第1レンズ保持枠10と、フィルター枠11
とが固定されている。フィルター枠11の後端部にはオ
スヘリコイドが設けられており、中間筒12の内周に設
けられたメスヘリコイドと螺合している。
【0039】また、中間筒12の外周に設けられた凸部
12aは、ズームリング7の内周に設けられた直進溝
(不図示)と係合している。
【0040】13は中間筒12の抜け止め部材であるネ
ームリングであり、レンズ名称等が印刷されている。
【0041】14は案内筒3に設けられたカム溝3bと
カム筒6に設けられた直進溝6bとに係合するコロ15
が結合されたインナーカム筒であり、案内筒3の内周に
回転可能に嵌合している。このため、インナーカム筒1
4は、ズームリング7の回転操作により光軸方向に回転
しながら進退する。
【0042】16は第2レンズ群L2を保持する第2レ
ンズ保持枠であり、インナーカム筒14の内周に設けら
れた凸リードのカムを挟み込むような凸部が外周に設け
られている。
【0043】17はフォーカスキーであり、フォーカス
ユニット4内の振動型モータの回転量およびマニュアル
リング5の回転量を第2レンズ群保持枠16に出力す
る。フォーカスキー17の先端部は、第2レンズ保持枠
16に設けられた腕部16aに係合しており、第2レン
ズ保持枠16を回転させてフォーカシングを行わせ、ズ
ーミング時には第2レンズ保持枠16の回転規制部材の
役割も果たす。
【0044】18は第3レンズ群L3を保持する第3レ
ンズ保持枠で、案内筒3の内周に光軸方向に進退可能に
嵌合している。また、第3レンズ保持枠18には案内筒
3に設けられた光軸方向に延びる直進溝(不図示)とカ
ム筒6に設けられたカム溝(不図示)に係合する不図示
のコロが結合されており、ズーミングにより光軸方向に
進退する。
【0045】19は絞りを開閉する為の電磁絞りユニッ
トであり、第3レンズ保持枠18の先端に固定されてい
る。20は第4レンズ群L4を保持する第4レンズ保持
枠であり、第3レンズ保持枠18の内周に回転可能に嵌
合している。第4レンズ保持枠20には、案内筒3に設
けられたカム溝(不図示)と第3レンズ保持枠18に設
けられたカム溝(不図示)とに係合するコロ21が結合
されている。
【0046】ズーミング時には、第4レンズ保持枠20
は、第3レンズ保持枠18の光軸方向の進退により、回
転しながら光軸方向に進退する。
【0047】22は連結板であり、第3レンズ保持枠
(第1の素子保持部材)18の後端部に結合されてい
る。23は第5レンズ群L5を保持する第5レンズ保持
枠(第2の素子保持部材)であり、連結板22に結合さ
れている。連結板22には第3レンズ保持枠18と第5
レンズ保持枠23が連結されている為、第5レンズ保持
枠23は、ズーミング時には第3レンズ保持枠18と一
体的に光軸方向に進退する。
【0048】24はメイン基板であり、固定筒2に固定
されている。メイン基板24には、フォーカスユニット
4および電磁絞りユニット19等とフレキシブルプリン
ト基板を介して電気的に接続され、各種制御を行う電子
部品が実装されている。
【0049】25は裏蓋であり、マウント1に弾性結合
して、後方から入射してくる有害光をカットしている。
【0050】26はマウント1に固定されている接点ブ
ロックであり、メイン基板24と電気的に接続されてい
る。この接点ブロック26は、不図示のカメラ本体との
間で各種情報の通信を行うため、およびカメラ本体側か
らの電源供給を受けるために設けられている。
【0051】次に、以上のように構成されたレンズ鏡筒
における第3レンズ保持枠18および第5レンズ保持枠
23の結合構造について、図2を用いて説明する。図2
は調整構造を示す図1の部分分解斜視図であり、上記結
合構造を、像面側(後方)の斜め方向から見た分解斜視
図である。
【0052】連結板22は、第3レンズ保持枠18の後
端部に、第1ビス(第1の結合部材)27によって切り
欠き部22aを介し後方から結合される。切り欠き部2
2aは連結板22の外周3箇所に、径方向外方(光軸直
交方向)に延び、第1ビス27が挿通するように形成さ
れている。この切り欠き部22aの幅(円周方向の幅)
は、第1ビス27のネジ部27aより広く、かつビス2
7の頭部27bより狭い。
【0053】連結板22の後面側には、第5レンズ保持
枠23が第2ビス(第2の結合部材)28によって後方
からネジ部22bを介し結合される。連結板22と第5
レンズ保持枠23との間には、第2ビス28のネジ部回
りに取り付けられた環状のばね座金(弾性部材)29が
挟持される。
【0054】第1、第2の結合部材はビス以外のもので
も良い。又弾性部材29はばね座金以外の弾性のある部
材ならなんでも良い。
【0055】第1ビス27および第2ビス28はそれぞ
れ、保持枠18,23の周方向において略等角度間隔
で、かつ互いに異なる角度位相で配置されている。そし
て、第5レンズ保持枠23の外周部は、第1ビス27が
第5レンズ保持枠23に干渉しないように第1ビス27
を避ける形状に形成されている。また第5レンズ保持枠
23には、連結板22に対する突き当て部23aが設け
られている。この突き当て部23aは、第2ビス28で
第5レンズ保持枠23を連結板22に完全に締め付けた
状態で、ばね座金29の光軸方向の高さによらず第5レ
ンズ保持枠23と連結板22(つまりは第3レンズ保持
枠18)間の光軸方向における相対位置決めを行うため
に設けられている。
【0056】すなわち、第2ビス28を完全に締め付け
た状態で、ばね座金29が第5レンズ保持枠23と連結
板22に完全に密着しないように、つまり、連結板22
側のばね座金29の受け面22dから、第5レンズ保持
枠23側のばね座金の受け面23dまでの距離が、ばね
座金29の密着高さより長く、かつ自然高さよりも短く
なるように突き当て部23aが設けられている。
【0057】また、第3レンズ保持枠18は、第5レン
ズ保持枠23を連結板22に結合させている第2ビス2
8のネジ部28aを貫通させるとともに、ネジ部28a
の先端を第3レンズ保持枠18の外方に露出させる形状
(凹部)18dに形成されている。このため、後述する
各調整後に上記ネジ部28aを第3レンズ保持枠18に
容易に接着固定し、結合強度を上げることができる。
【0058】このように構成される第3レンズ保持枠1
8および第5レンズ保持枠23の結合構造の組み立て状
態を図3に示す。また、図3中のA部の拡大図を図4に
示す。
【0059】第3レンズ保持枠18には穴部(凹部)1
8bと連結板22には貫通孔22bが複数設けられてい
る。また穴部18bと貫通孔22bそれぞれの形状・大
きさは、後述する偏芯調整後においても、貫通孔22b
を通して穴部18bが露出するよう形成されている。ま
た第5レンズ保持枠23には、貫通孔22bつまり穴部
18bが外部に露出するよう切り欠き23cが設けられ
ている。
【0060】次に、第3レンズ保持枠18(第3レンズ
群L3)および第5レンズ保持枠23(第5レンズ群L
5)の偏芯調整および倒れ調整について説明する。
【0061】まず、偏芯調整は、第2ビス28で第5レ
ンズ保持枠23を連結板22に完全に締め付け、第1ビ
ス27を緩めた状態(不完全結合状態)で行われる。
【0062】この状態では、連結板22の切り欠き部2
2aが上述したように第1ビス27のネジ部27aより
幅広で、かつ第1ビス27の頭部27bより幅狭に形成
されているので、連結板22およびこれに結合されてい
る第5レンズ保持枠23を、第3レンズ保持枠18の後
端面18cに沿って光軸直交方向に位置調整することが
できる。
【0063】こうして、第3レンズ群L3(さらにはレ
ンズ鏡筒内の他のレンズ群)に対する第5レンズ群L5
の光軸ずれを修正することができる。偏芯調整終了後
は、第1ビス27を完全に締め付けるが、締め付ける際
に第1ビス27と連結板22の摩擦により、連結板22
が不用意に動かぬように、貫通孔22bを通して凹部1
8bに、接着剤等の固定手段を注入し仮止めをおこなっ
てから第1ビス27を完全に締め付ける。作業性を考慮
すると接着剤は、短時間で固着するようなものが望まし
く、また周囲に摺動部がある場合には粘性の高いものは
好ましくない。以上のことから、いわゆる瞬間接着剤と
呼ばれる短時間硬化型接着剤や、紫外線照射により固着
する紫外線硬化型接着剤が好ましい。
【0064】一方、倒れ調整は、複数の第2ビス28の
うちいずれかの第2ビス28を適当な量だけ緩める(す
なわち、結合度合いを変える)ことにより行う。第2ビ
ス28の緩め量を変えることにより、ばね座金29の弾
性力によって連結板22および第3レンズ保持枠18に
対して第5レンズ保持枠23の傾き角度および傾き方向
を無段階的に変えることができる。
【0065】こうして、第3レンズ群L3(さらにはレ
ンズ鏡筒内の他のレンズ群)に対する第5レンズ群L5
の倒れを修正している。
【0066】以上のように本実施形態によれば、第1の
光学素子(第3レンズ群)L3を保持する第1の素子保
持部材18と、この第1の素子保持部材18に第1の結
合部材27によって結合されるとともに、第1の結合部
材27による不完全結合状態にて第1の素子保持部材に
対する光軸直交方向での位置調整が可能な連結板22
と、第2の光学素子第5レンズ群L5を保持し、連結板
22に第2の結合部材28によって結合される第2の素
子保持部材23と、第2の素子保持部材23と連結板2
2との間に配置され、第2の結合部材28よる結合度合
いに応じて第2の素子保持部材23の第1の素子保持部
材18に対する倒れを調整可能とするための弾性部材2
9とを有し、連結板22および第1の素子保持部材18
は、互いに光軸方向に当接する面22c、18cを有
し、第1の素子保持部材18の当接面18cには凹部1
8bが設けられ、連結板には貫通孔22bが設けられて
おり、凹部および貫通孔は、連結板を第1の素子保持部
材に対する光軸直交方向での位置調整前後において、凹
部が貫通孔を通して常に露出するような形状を設定して
いる。
【0067】このように本実施形態によれば、第3レン
ズ保持枠18に設けられた穴部(凹部)18bと連結板
22に設けられた貫通孔22bの形状・大きさを、偏芯
調整後においても、貫通孔22bを通して穴部18bが
露出するよう形成することにより、偏芯調整終了後に接
着による仮止めを容易におこない、その後固定手段で固
定することが可能となる。
【0068】また第5レンズ保持枠23は、連結板22
の貫通孔22bを通して第3レンズ保持枠18の凹部1
8bが露出するよう切り欠き部23cが形成されている
ので、偏芯調整終了後に仮止めを行なう際の接着剤注入
を容易に行なうことが可能となる。また紫外線硬化型接
着剤を使用した場合には、紫外線の照射も容易となる。
また、偏芯調整または倒れ調整のどちらからでも調整が
可能である。
【0069】また第5レンズ保持枠23は、全レンズ群
中最後尾(光射出側の最後尾)に配置されているので、
偏芯調整終了後に仮止めを行なう際の接着剤注入を容易
に行なうことが可能となる。また紫外線硬化型接着剤を
使用した場合には、紫外線の照射も容易となる。
【0070】さらに、上記実施形態では、一眼レフカメ
ラに用いられる交換レンズについて説明したが、本発明
は、レンズシャッタカメラ、デジタルカメラ、ビデオカ
メラ等の各種撮影装置(光学機器)のレンズ鏡筒部分に
も同様に適用することができる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成でありなが
ら、光学素子を保持する素子保持部材の偏芯調整及び傾
き調整を容易に行うことができるレンズ鏡筒及びそれを
有する光学機器を達成することができる。
【0072】この他本発明によれば、偏芯調整後又は/
及び倒れ調整後においても接着による仮止めが容易であ
り、偏芯調整が必要なかった場合でも接着による仮止め
が容易なレンズ鏡筒及びそれを有する光学機器を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の一眼レフカメラに適用
したときの交換レンズ鏡筒の断面図である。
【図2】 図1の交換レンズ鏡筒における第3および第
5群レンズ保持枠の結合構造を像面側斜め方向から見た
分解斜視図である。
【図3】 図1の交換レンズ鏡筒における第3および第
5群レンズ保持枠の結合構造の組み立て状態での斜視図
である。
【図4】 図3中のA部の拡大図である。
【図5】 従来の一眼レフカメラに取り付けられる交換
レンズ鏡筒の光軸ずれ修正方法を示す部分断面図であ
る。
【図6】 従来の一眼レフカメラに取り付けられる交換
レンズ鏡筒の光軸ずれ修正方法を示す分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群 L4 第4レンズ群 L5 第5レンズ群 1 マウント 2 固定筒 3 案内筒 4 フォーカスユニット 5 フォーカスリング 6 カム筒 7 ズームリング 8 連絡環 9 直進筒 10 第1レンズ保持枠 11 フィルター枠 12 中間筒 13 ネームリング 14 インナーカム筒 15 コロ 16 第2レンズ保持枠 17 フォーカスキー 18 第3レンズ保持枠 19 電磁絞りユニット 20 第4レンズ保持枠 21 コロ 22 連結板 23 第5レンズ保持枠 24 メイン基板 25 裏蓋 26 接点ブロック 27 第1ビス 28 第2ビス 29 ばね座金 30 第1のレンズ群 31 第1のレンズ保持枠 32 第2のレンズ群 33 第2のレンズ保持枠 34 ビス 35 案内筒 36 カム筒 37 コロ 38 調整部材 39 付勢部材 40 付勢ばね 41 調整工具 42 連結板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の光学素子を保持する第1の素子保持
    部材と、該第1の素子保持部材に第1の結合部材によっ
    て結合されるとともに、該第1の結合部材による不完全
    結合状態にて該第1の素子保持部材に対して光軸直交方
    向での位置調整が可能な連結板と、 第2の光学素子を保持し、該連結板に第2の結合部材に
    よって結合される第2の素子保持部材と、 該第2の素子保持部材と該連結板との間に配置され、該
    第2の結合部材よる結合度合いに応じて該第2の素子保
    持部材の該第1の素子保持部材に対する倒れを調整可能
    とするための弾性部材とを有するレンズ鏡筒において、 該連結板および該第1の素子保持部材は、互いに光軸方
    向に当接する面を有し、該第1の素子保持部材の当接面
    には穴部が設けられ、該連結板には貫通孔が設けられて
    おり、該穴部および該貫通孔は、該連結板を該第1の素
    子保持部材に対する光軸直交方向での位置調整前後にお
    いて、該穴部が該貫通孔を通して露出する形状で設定さ
    れていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】前記第2の素子保持部材には、前記穴部お
    よび前記貫通孔を露出させる切り欠きが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】前記第2の素子保持部材は、光射出側の最
    後尾に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のレンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】第1の光学素子を保持する第1の素子保持
    部材と、それを第1の結合部材を利用して結合するとと
    もに、光軸直交方向での位置調整を可能とした連結板
    と、 該連結板に対して第2の結合部材を利用して結合する第
    2の素子保持部材とを有したレンズ鏡筒において、 該連結板および該第1の素子保持部材は、互いに光軸方
    向に当接する面を有し、該第1の素子保持部材の当接面
    には穴部が設けられ、該連結板には貫通孔が設けられて
    おり、該穴部および該貫通孔は、該連結板を該第1の素
    子保持部材に結合したとき、該穴部の少なくとも一部が
    該貫通孔を通して露出する形状となっていることを特徴
    とするレンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】前記第2の素子保持部材には、前記穴部お
    よび前記貫通孔の少なくとも一部を露出させる切り欠き
    が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のレ
    ンズ鏡筒。
  6. 【請求項6】前記第2の素子保持部材は、光射出側の最
    後尾に配置されることを特徴とする請求項4又は5に記
    載のレンズ鏡筒。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれか1項のレンズ鏡
    筒を有することを特徴とする光学機器。
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