JP2002318167A - 圧力センサにおける受圧ダイアフラムの保護構造およびそのシール部材 - Google Patents

圧力センサにおける受圧ダイアフラムの保護構造およびそのシール部材

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JP2002318167A
JP2002318167A JP2001124364A JP2001124364A JP2002318167A JP 2002318167 A JP2002318167 A JP 2002318167A JP 2001124364 A JP2001124364 A JP 2001124364A JP 2001124364 A JP2001124364 A JP 2001124364A JP 2002318167 A JP2002318167 A JP 2002318167A
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Ikuo Hirono
郁夫 広野
Koichiro Nakazawa
恒一郎 中澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受圧ダイアフラムをシール部材によって被測
定流体から隔絶し直接接触しないようにすることによ
り、受圧ダイアフラムの腐食、水素透過等を防止する。 【解決手段】 検出器ボディ2の両側面8,9に受圧ダ
イアフラム10,11と、シール部材30をそれぞれ設
ける。シール部材30を、検出器ボディ2とカバー部材
3A,3Bとの接合面37をシールする環状のシール部
と、このシール部の内側に設けられ受圧ダイアフラム1
0,11を覆うダイアフラム部30bとで構成し、被測
定流体33と受圧ダイアフラム10,11が直接接触し
ないようにする。シール部材30の接液面に耐食性材料
からなる保護膜をコーティングし、接液ダイアフラム1
0,11とシール部材30との間に非圧縮性流体からな
る充填材40を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力センサにおけ
る受圧ダイアフラムの保護構造およびそのシール部材に
関する。
【0002】
【従来の技術】被測定流体の圧力を計測する圧力センサ
の代表的なものとしては、ダイアフラムの弾性変形によ
って差圧、圧力等を計測する差圧発信器、圧力発信器、
リモートシール型発信器等が従来から知られている
(例:特公平3−22574号公報、特公平3−779
39号公報等)。これらの発信器は、被測定流体に接し
その流体圧によって弾性変形する受圧ダイアフラムを有
し、この受圧ダイアフラムを覆うカバー部材を検出器ボ
ディにシール部材を介して密接し、ボルト締めすること
により、検出器ボディとカバー部材の接合面をシールし
たものが最も一般的である。
【0003】ところで、プロセス流体の測定において
は、腐食性の高い流体を扱うことが多く、受圧ダイアフ
ラムの腐食が問題となる。このため、被測定流体が腐食
性流体の場合は、タンタル、チタン、ステンレス鋼、N
i基合金等の耐食性材料によって形成した受圧ダイアフ
ラムを用いている。
【0004】また、被測定流体中に含まれている水素原
子の一部が受圧ダイアフラムに吸着すると、受圧ダイア
フラムを拡散、透過して封入液中に侵入し水素ガスとな
って溜まるという問題もあった。このような現象を水素
透過という。そして、封入液中に水素ガスとなって溜ま
ると、封入液の圧力が変化するため、正確な測定ができ
なくなったり、水素脆化によってダイヤフラム自体の機
械的な特性が低下し、測定不能になる。そこで、このよ
うな水素透過を防止するための対策として、従来は受圧
ダイアフラムの表面に水素原子透過防止金属層(例:
金、タングステン)をメッキ、コーティング等によって
被覆したり(実開昭62−86528号公報)、水素原
子透過防止金属層、中間金属層(チタン、タングステ
ン、クロム、モリブデン等)および絶縁層(例:Si
C,Al23 ,AlN ,SiO2 等)を順次積層コ
ーティング(特開平5−209800号公報)したりし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
は受圧ダイアフラムに耐食性が要求される場合、耐食性
金属材料によって形成し、水素透過を防止する場合は、
その表面に水素透過を防止するための膜を被覆してい
た。しかしながら、このような方法では、特定の用途に
応じて受圧ダイアフラムを加工、選定する必要があるこ
とから、製造コストの増加につながり、またダイアフラ
ムの種類が増加するためにその管理が煩雑になるという
問題があった。
【0006】そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、
受圧部本体とカバーとの接合部をシールするガスケッ
ト、Oリング等のシール部材に着目し、このシール部材
にダイアフラムとしての機能を付与することにより、上
記問題を解決することができることを見いだした。
【0007】本発明は上記した従来の問題および検討結
果に基づいてなされたもので、その目的とするところ
は、受圧ダイアフラムをシール部材によって被測定流体
から隔絶し直接接触しないようにすることにより、ダイ
アフラムの腐食、水素透過等を確実に防止し得るように
した圧力センサにおける受圧ダイアフラムの保護構造お
よびそのシール部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、圧力センサにおける受圧ダイアフラ
ムの保護構造において、測圧面に前記受圧ダイアフラム
の外周縁部が固定された受圧部本体と、この受圧部本体
の前記測圧面を覆い前記受圧ダイアフラムに被測定流体
を導くための流体導入口を有するカバー部材と、前記受
圧部本体と前記カバー部材との接合面をシールするシー
ル部材とからなり、このシール部材は前記受圧部本体と
前記カバー部材の接合面によって挟持された環状のシー
ル部と、このシール部の内側に設けられることにより前
記受圧ダイアフラムの表面を覆い前記被測定流体の流体
圧によって弾性変形するダイアフラム部とで構成され、
前記受圧ダイアフラムと前記シール部材との間に非圧縮
性流体を介在させたものである。この発明において、シ
ール部材は受圧ダイアフラムを被測定流体から隔絶し、
被測定流体による受圧ダイアフラムの腐食、水素透過を
防止する。シール部材のダイアフラム部は、被測定流体
の流体圧によって弾性変形する。このダイアフラム部の
弾性変形に伴い、受圧ダイアフラムも弾性変形し、被測
定流体の流体圧が受圧ダイアフラムに伝達される。シー
ル部材の材質としては、フッ素樹脂系、ゴム系等の耐食
性に優れた材料が用いられる。受圧ダイアフラムとシー
ル部材のダイアフラム部との間には、空気が溜まらない
ように非圧縮性流体が介在されているので、流体圧をダ
イアフラム部を介して受圧ダイアフラムに確実に伝達す
ることができる。非圧縮性流体としては、封入液と同じ
液体またはグリース等が用いられる。受圧ダイアフラム
とシール部材との間に空気が存在すると、温度変化によ
って膨張収縮するため好ましくない。
【0009】第2の発明は、上記第1の発明において、
シール部材のダイアフラム部が耐食性材料からなる保
護膜を備えているものである。この発明において、保護
膜は被測定流体によるシール部材の腐食を防止するとと
もに、強度を増大させる。保護膜の材質としては、金、
タングステン、フッ素樹脂、ゴム等が用いられる。保護
膜は、シール部材の表面に形成されるものに限らず内部
に形成されるものであってもよい。
【0010】第3の発明は、上記第1の発明において、
シール部材のダイアフラム部の接液面に水素透過防止膜
を形成したものである。この発明において、水素透過防
止膜は水素原子の透過を防止する。水素透過防止膜とし
ては、水素原子透過防止金属層(例:金、タングステ
ン)をメッキ、コーティング等によって被覆したり(実
開昭62−86528号公報)、水素原子透過防止金属
層、中間金属層(チタン、タングステン、クロム、モリ
ブデン等)および絶縁層(例:SiC,Al23 ,A
lN ,SiO2 等)を順次積層コーティング(特開平
5−209800号公報)したものであればよい。
【0011】第4の発明は、ダイアフラム保護用シール
部材において、環状のシール部と、このシール部の内側
に設けられることにより受圧ダイアフラムの表面を覆い
被測定流体の流体圧によって弾性変形するダイアフラム
部とからなるものである。この発明において、シール部
材は受圧ダイアフラムの表面を覆い被測定流体が受圧ダ
イアフラムに接触しないようにする。ダイアフラム部は
流体圧によって弾性変形する。
【0012】第5の発明は、上記第4の発明において、
ダイアフラム部が耐食性材料からなる保護膜を備えてい
るものである。この発明において、保護膜はシール部材
の腐食を防止する。
【0013】第6の発明は、上記第4の発明において、
ダイアフラム部の接液面に水素透過防止膜を形成した耐
食性材料からなる保護膜をコーティングしたものであ
る。この発明において、水素透過防止膜は水素原子の透
過を防止する。、また、シール部材を補強する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明を差圧・
圧力発信器に適用した一実施の形態を示す断面図、図2
はシール部材の断面図である。これらの図において、全
体を符号1で示す差圧・圧力発信器は、検出器ボディ
(受圧部本体)2と、検出器ボディ2の両側面(測圧
面)8,9にそれぞれ取付けられた左右一対のカバー部
材3A,3Bと、検出器ボディ2の上方にネック部4を
介して設けられた圧力伝送器5等で構成されている。
【0015】前記検出器ボディ2は、円板状に形成され
た2つのボディ2A,2Bを電子ビーム溶接等によって
一体的に接合することにより形成されており、両側面
8,9に受圧ダイアフラム10,11がそれぞれ取付け
られている。受圧ダイアフラム10,11は、通常燐青
銅、ベリリウム銅などの薄膜状金属板を塑性加工するこ
とで円板状に形成され、外周縁部(固定部)が検出器ボ
ディ2の各側面8,9にそれぞれ溶接によって固定され
ている。受圧ダイアフラム10,11の加工形成に際し
ては、圧力を受ける受圧部、すなわち前記側面8,9に
溶接される外周縁部(固定部)より内側部分に波形の襞
aを同心円状に付けることで、ダイアフラムのコンプラ
イアンスを大きくし、言い換えれば受圧ダイアフラム1
0,11を柔らかくし、荷重−弾性変形の式を満足する
線形域を広くしている。
【0016】前記検出器ボディ2の各側面8,9で受圧
ダイアフラム10,11の受圧部と対向する部分には、
ダイアフラムが直接接触しないように円形の凹部12,
13が形成されており、その底面がこれらダイアフラム
が着底する着底面を構成し、ダイアフラムと同形の波形
の襞bが同心円状に形成されている。これは、受圧ダイ
アフラム10,11に所定圧以上の過大な圧力が作用し
たとき、受圧ダイアフラム10,11の受圧部を凹部1
2,13の着底面に着底させることで受圧ダイアフラム
10,11の塑性変形、破損等を防止するとともに、後
述する半導体圧力センサ15に所定値以上の圧力が加わ
らないようにするためである。
【0017】また、検出器ボディ2の内部中央、すなわ
ち前記2つのボディ2A,2Bの接合面間には内室21
が設けられており、この内室21をセンターダイアフラ
ム22によって2つの室、すなわち高圧側ボディ内室2
1Aと低圧側ボディ内室21Bに仕切っている。センタ
ーダイアフラム22は、外周縁部(固定部)が溶接によ
ってボディ2A,2Bの接合面に挟持されて溶接され、
外周縁部より内側部分が受圧部を形成している。この受
圧部には、前記受圧ダイアフラム10,11の受圧部と
同様に波形の襞cが同心円状に形成されている。前記ボ
ディ内室21A,21Bの内壁面は、前記センターダイ
アフラム22の受圧部の着底面を構成し、センターダイ
アフラム22と同形の波形の襞dがそれぞれ同心円状に
形成されている。
【0018】前記検出器ボディ2の各側面8,9と各受
圧ダイアフラム10,11の裏面との間には、ダイアフ
ラム室23a,23bがそれぞれ形成されており、これ
らのダイアフラム室23a,23bと前記各ボディ内室
21a,21bは、ボディ2A,2B内に形成した封入
回路24a,24bによってそれぞれ連通している。前
記ボディ内室21A,21B、ダイアフラム室23a,
23bおよび封入回路24a,24bには、各ボディ2
A,2Bに設けた封入液封入用孔25a,25bから圧
力伝達媒体であるプロピレングリコール、シリコーンオ
イル等の封入液26a,26bがそれぞれ封入されてい
る。各封入液封入用孔25a,25bは、ボール27に
よってそれぞれ封止され、このボール27の抜けを止め
ねじ28によって防止している。
【0019】前記カバー部材3A,3Bは、裏面の外周
縁部がシール部材30を介して前記検出器ボディ2の側
面8,9の外周縁部に密接され、複数のボルト31およ
びナット32によって締結されている。各カバー部材3
A,3Bの中央には、被測定流体33を検出器ボディ2
に導く流体導入口34a,34bがそれぞれ表裏面に貫
通して形成されている。また、カバー3A,3Bの内側
面中央には、前記流体導入口34a,34bに連通する
円形の凹部35a,35bがそれぞれ形成されており、
これらの凹部35a,35bと前記シール部材30とで
被測定流体33が供給される流体室36a,36bを形
成している。凹部35a,35bは、ボディ2A,2B
の凹部12,13と略同一の大きさを有している。
【0020】前記シール部材30は、前記検出器ボディ
2とカバー3A,3Bの接合面37をシールするととも
に、受圧ダイアフラム10,11を被測定流体33から
隔絶するためのもので、フッ素樹脂系、ゴム系等の耐食
性に優れた材料によって円板状に形成され、外周縁部が
環状のシール部30aを構成し、このシール部30aよ
り内側部分がダイアフラム部30bを構成している。シ
ール部30aは、検出器ボディ2とカバー部材3A,3
Bの接合面37によって挟持されることにより、この接
合面37をシールする。シール部30aの表面側には、
図2に示すように環状の突状体30cが一体に突設され
ており、この突状体30cは、前記カバー3A(3B)
の裏面外周部寄りに形成した環状溝38に嵌合されてい
る。ダイアフラム部30bは、前記被測定流体33の流
体圧(高圧PH または低圧PL )を受けるとその圧力に
応じて弾性変形する部分で、前記受圧ダイアフラム1
0,11の受圧部と略同一の大きさで、かつ受圧ダイア
フラム10,11と同形の波形の襞eが同心円状に形成
されている。また、ダイアフラム部30bは、厚さが
0.2〜0.4mm程度で、被測定流体33との接液面
には金等の耐食性材料からなる保護膜39がコーティン
グされている。なお、各受圧ダイアフラム10,11と
シール部材30とで囲まれた密閉空間には、空気が溜ま
らないように非圧縮性流体からなる充填材40がそれぞ
れ充填されている。充填材40としては、グリース、オ
イル等が用いられる。グリースの場合は、図2に示すよ
うに予めシール部材30の裏面にグリース40を塗布し
ておき、このシール部材30を受圧ダイアフラム10,
11にそれぞれ密着させればよい。オイルの場合は、シ
リコーンオイル等が用いられ、シール部材30を取付け
た後、各受圧ダイアフラム10,11とシール部材30
との隙間に充填すればよい。また、充填材40として
は、金の他にタングステン、フッ素樹脂、ゴム等を用い
ることが可能である。
【0021】前記ネック部4は、検出器ボディ2の上面
に溶接によって一体的に接合された外筒42,内筒4
3、内筒43の内部に嵌合され外筒42と内筒43の上
端開口部を閉塞するセンサーベース44等で構成され、
センサーベース44の内部に前記半導体圧力センサ15
が組み込まれている。半導体圧力センサ15は、シリコ
ン基板のエッチングによって形成した半導体ダイアフラ
ム45を有し、その表裏面に前記検出器ボディ2内の前
記封入液26a,26bが封入回路46a,46b、4
7a,47bを介してそれぞれ導かれている。封入回路
46a,46bは、前記各ボディ2A,2B内に形成さ
れており、その一端が前記高圧側ボディ内室21Aと低
圧側ボディ内室21Bにそれぞれ連通し、他端が前記各
封入回路47a,47bにそれぞれ連通している。封入
回路47a,47bは、ネック部4内にそれぞれ形成さ
れている。そして、半導体圧力センサ15は、前記圧力
伝送器5内に組み込まれた信号処理回路に電気的に接続
されている。
【0022】このような構造からなる差圧・圧力発信器
1において、被測定流体33の高圧PH と、低圧PL を
各流体導入口34a,34bを通って流体室36a,3
6bに導き、各シール部材30のダイアフラム部30b
に印加すると、各シール部材30のダイアフラム部30
bは、このときの差圧(PH −PL )に応じて弾性変形
する。このため、受圧ダイアフラム10,11も弾性変
形し、その弾性変形が封入液26a,26bを介してセ
ンターダイヤフラム22に伝達される。これによりセン
ターダイアフラム22は差圧(PH −PL )に応じて弾
性変形し、この変形がさらに封入液26a,26bを介
して半導体圧力センサ15の半導体ダイヤフラム45に
伝達される。このため、半導体ダイヤフラム45は差圧
(PH −PL )に応じて歪み、その歪量が電気信号に変
換されて取り出されることにより差圧が測定される。
【0023】このように、本発明においては、検出器ボ
ディ2とカバー部材3A,3Bとの接合面37をシール
するシール部材30に受圧ダイアフラム10,11を被
測定流体33から隔絶するダイアフラム部30bを設
け、このダイアフラム部30bによって被測定流体33
の流体圧を受け、その弾性変形を受圧ダイアフラム1
0,11に伝達するように構成したので、差圧を確実に
測定することができると同時に、被測定流体33と受圧
ダイアフラム10,11が直接接触しないので、被測定
流体33による受圧ダイアフラム10,11の腐食を防
止することができる。それ故、受圧ダイアフラム10,
11自体を安価な材料で、しかも表面に耐食性材料をコ
ーティングしたりことなく製作することができ、受圧ダ
イアフラム10,11の製造コストおよび種類を削減す
ることができる。また、検出器ボディ2自体は何ら設計
変更する必要がないので、検出器ボディ2の種類が増加
したりすることもない。
【0024】この場合、被測定流体33によるシール部
材30自体の腐食については防止することができない
が、その接液面にコーティングした耐食性の保護膜39
によって耐食性を向上させているので、実用上何ら問題
ない。また、保護膜39の耐食性が低下したときはカバ
ー部材3A,3Bを取り外してシール部材30のみを交
換するだけでよいので、受圧ダイアフラム10,11を
交換する場合に比べて交換作業がきわめて簡単(封入液
を入れ替えたり、ダイアフラムを溶接したりする必要が
ないため)で、短時間に行うことができる。
【0025】ここで、本実施の形態においては、シール
部材30のダイアフラム部30bの接液面に耐食性材料
からなる保護膜39をコーティングしたが、水素脆化、
水素透過を防止する場合は、保護膜39の代わりにまた
はその表面(またはシール部材と保護膜39との間)に
水素原子透過防止層を形成しておけばよい。水素透過防
止膜としては、金、タングステン等をメッキまたはコー
ティングしたり(実開昭62−86528号公報)、あ
るいは水素原子透過防止金属層、中間金属層(チタン、
タングステン、クロム、モリブデン等)および絶縁層
(例:SiC,Al23 ,AlN ,SiO2 等)を
順次積層コーティング(特開平5−209800号公
報)して形成したものであればよい。
【0026】なお、上記した実施の形態においては、圧
力センサとして、差圧・圧力発信器に適用した例を示し
たが、本発明はこれに何等限定されるものではなく、受
圧ダイアフラムを備えた圧力発信器、リモートシール型
発信器等の各種センサにも適用することができる。ま
た、上記した実施の形態においては、シール部材30の
表面に保護膜39を形成した例を示したが、本発明はこ
れに何ら限定されるものではなく、内部に設けてもよ
い。その場合は、予め薄い金属板等からなる保護膜を形
成しておき、その上にシール部材30をコーティングす
ることにより、保護膜を内部に備えたシール部材30を
製作すればよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る圧力セ
ンサにおける受圧ダイアフラムの保護構造は、受圧ダイ
アフラムが被測定流体と直接接触しないので、受圧ダイ
アフラムの腐食、水素脆化、水素透過等を確実に防止す
ることができる。したがって、受圧ダイアフラムを安価
に製作することができる。また、受圧ダイアフラムの種
類を削減でき、部品管理が容易である。
【0028】また、シール部材はダイアフラムとしての
機能を有するので、受圧ダイアフラムに流体圧を確実に
伝達することができ、シール部材が腐食したり劣化した
ときは、カバー部材を取り外してシール部材のみを交換
すればよいので、交換作業が容易で短時間に行なうこと
ができる。さらに、シール部材に耐食性材料からなる保
護膜およびまたは水素透過防止膜を設けているので、シ
ール部材の耐食性、水素透過防止性能、強度等を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を差圧・圧力発信器に適用した一実施
の形態を示す断面図である。
【図2】 シール部材の断面図である。
【符号の説明】
1…差圧・圧力発信器、2…検出器ボディ、3A,3B
…カバー部材、4…ネック部、5…ヘッダー、8,9…
側面、10,11…受圧ダイアフラム、15…半導体圧
力センサ、30…シール部材、30a…シール部、30
b…ダイアフラム部、34a,34b…流体導入口、3
7…接合面、39…保護膜、40…充填材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力センサにおける受圧ダイアフラムの
    保護構造において、 測圧面に前記受圧ダイアフラムの外周縁部が固定された
    受圧部本体と、この受圧部本体の前記測圧面を覆い前記
    受圧ダイアフラムに被測定流体を導くための流体導入口
    を有するカバー部材と、前記受圧部本体と前記カバー部
    材との接合面をシールするシール部材とからなり、この
    シール部材は前記受圧部本体と前記カバー部材の接合面
    によって挟持された環状のシール部と、このシール部の
    内側に設けられることにより前記受圧ダイアフラムの表
    面を覆い前記被測定流体の流体圧によって弾性変形する
    ダイアフラム部とで構成され、前記受圧ダイアフラムと
    前記シール部材との間に非圧縮性流体を介在させたこと
    を特徴とする圧力センサにおける受圧ダイアフラムの保
    護構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧力センサにおける受圧
    ダイアフラムの保護構造において、 シール部材のダイアフラム部が耐食性材料からなる保護
    膜を備えていることを特徴とする圧力センサにおける受
    圧ダイアフラムの保護構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧力センサにおける受圧
    ダイアフラムの保護構造において、 シール部材のダイアフラム部の接液面に水素透過防止膜
    を形成したことを特徴とする圧力センサにおける受圧ダ
    イアフラムの保護構造。
  4. 【請求項4】 環状のシール部と、このシール部の内側
    に設けられ受圧ダイアフラムの表面を覆うダイアフラム
    部とからなることを特徴とするダイアフラム保護用シー
    ル部材。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のダイアフラム保護用シー
    ル部材において、 ダイアフラム部が耐食性材料からなる保護膜を備えてい
    ることを特徴とするダイアフラム保護用シール部材。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のダイアフラム保護用シー
    ル部材において、 ダイアフラム部の接液面に水素透過防止膜を形成したこ
    とを特徴とするダイアフラム保護用シール部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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