JP2002317917A - ガス冷却型廃棄物溶融炉 - Google Patents

ガス冷却型廃棄物溶融炉

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JP2002317917A
JP2002317917A JP2001124410A JP2001124410A JP2002317917A JP 2002317917 A JP2002317917 A JP 2002317917A JP 2001124410 A JP2001124410 A JP 2001124410A JP 2001124410 A JP2001124410 A JP 2001124410A JP 2002317917 A JP2002317917 A JP 2002317917A
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furnace
melting
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molten
gas
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JP2001124410A
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Katsuhiro Iwasaki
克博 岩崎
Mitsuhiro Tada
光宏 多田
Takuya Shinagawa
拓也 品川
Keisuke Nakahara
啓介 中原
Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却灰および飛灰その他の廃棄物の溶融処理
において炉壁の耐火物寿命を大幅に向上させることがで
きるガス冷却型廃棄物溶融炉を提供する。 【解決手段】 スラグ浴面近傍、特に溶融塩層が存在す
る領域の炉側壁部より炉中心部に向かって稼動面冷却用
流体を吹込み、スラグを凝固させる層、溶融スラグを凝
固ないし温度降下により粘性を増大ないし溶融塩を稼動
面から遠ざけることにより、溶融スラグ浴面近傍部分と
その直上の溶融塩存在領域の寿命の大幅な向上をなすこ
とを図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、灰等の廃棄物を電
力または化石燃料を熱源として溶融処理するガス冷却型
廃棄物溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、都市ゴミ、下水汚泥等の各種廃
棄物は、焼却施設で焼却処理され、生じた焼却灰、ばい
じんは埋め立て処分されていた。しかし、埋め立て処分
地の枯渇の問題や有害重金属類の溶出による地下水汚染
の問題があるため溶融による減量・減溶化と無害化の必
要性が高まってきている。加えて平成4年に「特別管理
一般廃棄物」の一部が改正され、一般廃棄物の焼却に伴
い発生するばいじんは溶融等の中間処理が義務づけられ
た。このような背景のもとにコークス、灯油、電力を熱
源とする種々の溶融処理方式が提案されている。このう
ち電力を熱源として用いる溶融処理方式を大別すると、
特開平7-77318号公報に開示されている交流電気抵抗溶
融炉と直流電気抵抗溶融炉とがある。
【0003】図5に従来の交流方式の電気抵抗溶融炉の
設備概要を示す。交流方式の炉では、上部炉蓋13に2
本もしくは3本の黒鉛電極21を設け、電極21の先端
を炉内の溶融スラグ8に埋没させ、電極21に交流電圧
をかけることにより溶融スラグ8に交流通電し、溶解状
態になった灰そのものを抵抗体にして電気抵抗熱を発生
させ、その熱でスラグの溶解状態の維持と、溶融スラグ
からの伝熱で灰を加熱、溶融する。
【0004】一方、従来の直流方式の電気加熱式溶融炉
(図示せず)では、上部炉蓋に中空黒鉛電極を1本設
け、この中空黒鉛電極の先端を炉内の溶融スラグの上面
近くに位置させ、当該電極の中空部分にアルゴンガス又
は窒素ガスを上方から流し、上部の中空黒鉛電極と炉底
電極との間に直流通電し、プラズマ化したガス流でアー
クを維持することにより灰4を加熱、溶融するものであ
る。
【0005】これらの構造を有する電気加熱式溶融炉に
おいて、炉内に供給された焼却灰、飛灰、あるいはこれ
らの混合物等の廃棄物は電気抵抗加熱によって溶融処理
され、例えば図5に示すように、下層より溶融メタル
7、溶融スラグ8、溶融塩5の各層が生成される。溶融
メタル7は溶融メタル出湯口20を介して出湯される。
また、溶融スラグ8は溶融スラグ出湯口19を介して出
湯される。また、溶融塩5は溶融塩出湯口3を介して出
湯される。
【0006】また、特開平9−119616号公報には
電極21の近傍にバブリングランス6を設け、ガスバブ
リングにより電極先端部を保護する技術が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来の電気加
熱方式(つまり電気抵抗式、アーク式、プラズマ式)の
溶融炉では、スラグ浴面近傍、とくに溶融塩層が存在す
る領域において炉耐火物が著しく損耗される。このため
耐火物の寿命を大幅に向上させる必要がある。
【0008】一方では、灰等の廃棄物溶融炉の1基当り
の溶融規模は近年大型化する方向にある。環境規制や環
境に対する意識が高まる一方で、灰等の溶融炉の生産性
が現状のままでは、それらの環境対策設備の設置に膨大
な敷地が必要となる。このため設備投資額も巨額とな
り、地方都市財政を圧迫し、都市部での新規立地がはな
はだ困難となる状況となってきている。したがって、今
後の環境対策設備としての灰等の溶融炉には、耐火物の
寿命が長く、耐火物補修の頻度が低く、長期間にわたり
連続操業することが求められる状況となってきている。
【0009】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであって、焼却灰および飛灰その他の廃棄物を
溶融処理する際に、耐火物寿命を大幅に向上させること
ができるガス冷却型廃棄物溶融炉を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炉壁耐火
物の寿命延長のために種々の材質のレンガ耐火物を用い
て鋭意研究努力した結果、溶融炉の長時間連続操業を可
能とする本発明を完成させるに至った。なお、これに先
立ち、炉内の灰等の溶融状況の調査および溶融メカニズ
ムの解明を鋭意検討した結果、炉からの発生ガス量の少
ない電気抵抗式溶融炉においては、炉内での熱移動が電
極近傍の発熱部分での対流を除くと炉内のスラグ浴の表
面流動は数mm/秒から数cm/秒程度の大変遅い速度
であるため、溶融スラグ浴上の被加熱物と熱源との間の
熱移動の律速段階の一つとなっているという知見を得
た。
【0011】スラグはメタルと比べて熱伝導率が小さい
ので、ほとんど撹拌のない従来技術に対する本発明方法
において、所要冷却ガス量は、100〜1000Nm3
/m2hr(側壁耐火物稼動面面積時間当たりのガス
量)で十分であり、冷却用に炭化水素系流体(例えばL
PG、LNG、灯油、廃油、重油、その他)を導入する
場合には、さらに少ない流量の冷却流体ですますことが
できる。炉体耐火物としては、C系ないしSiC系の高
い熱伝導性を有する耐火物を使用することにより、ガス
吹込み冷却の効果を更に向上させることができ、ガス吹
込み配管からの冷却効果のおよぶ範囲を広くとれるの
で、ガス吹込み配管の間隔を十分大きくすることができ
る。
【0012】ここで、冷却流体には基本的に窒素ガス等
の不活性ガスがガス配管ならびに周囲耐火物の酸化によ
る損耗を抑制するという観点で望ましい。ただし、窒素
供給には、PSA等の高純度の窒素ガス分離機が必要と
なるので、設備投資額がその分だけ増加することとな
る。
【0013】一方、炭化水素系流体を用いる場合には、
冷却効果は大きいが、配管途中でのクラッキング等によ
る詰まりの懸念があり、これを単体で使用するのは望ま
しくない。その点で窒素ガスに少量の炭化水素系流体を
混合する方法がそれらの改善方法としてある。炭化水素
系流体を使用する場合には、その冷却効果希釈ガスとし
て、空気や回収プロセスガスを配管等酸化しない程度
(少なくとも空気比という点では、0.9以下、望まし
くは0.5以下さらに望ましくは0.3以下)に混合す
ることは、窒素ガス製造装置の省略等につながる有効な
手段である。
【0014】空気で化石燃料を燃やすタイプのバーナー
を用いた溶融炉と比べて、プラズマ方式や純酸素バーナ
ーを用いる方式では比較的ガス発生量の少ない方法にお
いても熱源からの受熱部分は炉全体からみると局所的で
あり、スラグ浴の流動状態は、電気抵抗方式に近い状況
であった。
【0015】これに対して、電極近傍にバブリングラン
スを設けて電極保護を行なう特開平9-119616号公報に開
示されている従来方法を適用した場合は、バブリングガ
スによる撹拌効果でスラグ浴とカバーリング層間の熱伝
達が少しは促進されるものの、スラグ浴表面の流れが炉
壁方向に向かうために、炉中心部の高温スラグないし高
温溶融塩が炉壁に達して炉壁寿命をかなり低減するばか
りでなく、高温の溶融物の顕熱が外壁を冷却している炉
壁から効率よく奪われることとなり、その結果として生
産性が僅かに向上する場合もあるが、炉壁寿命の低下と
熱損失増大という問題を生じる。
【0016】本発明に係るガス冷却型廃棄物溶融炉は、
炉蓋ないし炉壁を貫通して炉内に導入された加熱溶融用
熱供給源を有し、炉体下部ないし側面に溶融スラグ出湯
口および溶融メタル出湯口を具備する廃棄物溶融炉にお
いて、スラグ浴表面近傍および溶融塩存在領域のうち少
なくとも電極近傍領域の炉側壁耐火物部分にて開口する
ように炉側壁耐火物に形成された複数の貫通孔と、これ
らの貫通孔に炉側壁耐火物を冷却するための流体を供給
する冷却用流体供給手段と、を具備することを特徴とす
る。
【0017】この場合に、炉蓋ないし炉壁を貫通するの
が電極であって、加熱溶融用熱供給源をいわゆる電気抵
抗方式としてもよいし、加熱溶融用熱供給源をいわゆる
サブマージドアーク加熱可能なアーク方式としてもよい
し、またはプラズマ加熱するプラズマ方式としてもよ
い。また、炉蓋ないし炉壁を貫通するのが純酸素バーナ
ーであって、加熱溶融用熱供給源をいわゆるスラグ浴中
燃焼可能な水冷構造バーナー方式としてもよい。
【0018】冷却用流体供給手段は、不活性ガス、炭化
水素系物質含有流体、プロセス回収ガス、水、水蒸気お
よび空気からなる群より選ばれる単体流体又はこれらの
群より選ばれる2以上の混合流体を供給することが望ま
しい。
【0019】炉体の上部に、溶融塩出湯口および溶融塩
外部排出用プローブ挿入口のうち少なくとも一方を設け
ることが好ましい。
【0020】溶融スラグ出湯口、溶融メタル出湯口、溶
融塩出湯口のうち少なくともスラグ出湯口に関しては、
スラグレベル一定化可能としうる連続出湯装置を設ける
ことが好ましい。
【0021】ここで、本発明方法が溶融対象物とする
「灰等の廃棄物」とは、下廃棄物焼却灰や水汚泥焼却灰
等の主灰、飛灰あるいはそれらの混合物等ないし、高炉
・転炉・電気炉・表面処理設備等から発生するダスト・
スラッジ等をいうものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
【0023】(第1の実施形態)図1を参照しながら本
発明の第1の実施形態について説明する。
【0024】本発明の第1の実施形態に係る高溶解性能
廃棄物溶融炉の概要を図1に示す。本実施形態の溶融炉
10は、3本の棒状黒鉛電極21および耐火物ランス1
6を備えた交流電気抵抗方式の溶融炉である。溶融炉1
0は、炉本体15、炉底14および炉蓋13からなり、
炉蓋13は図示しない昇降装置により昇降可能に支持さ
れている。炉本体15は、外側が鉄皮で覆われ、内側が
耐火レンガ等の耐火物で内張りされている。
【0025】各電極21は、炉蓋13の中央部を貫通
し、下端部が炉内の溶融スラグ8中に浸漬されている。
交流電源23がケーブル22を介して各電極21にそれ
ぞれ接続されている。電源23は制御器30によって給
電動作が制御されるようになっている。
【0026】炉本体15の外周には風箱17が取り付け
られている。風箱17は、炉側周壁の全部又は一部を覆
い、配管27aを介して送風機27に連通し、送風機2
7はコンプレッサーを備えた窒素ガス供給源(図示せ
ず)に連通すると共に、炉壁を貫通する複数のガス吹込
用ノズル16に連通している。風箱17は、炉側周壁を
全周囲にわたり覆うことが望ましいが、炉側周壁を部分
的に覆うように複数箇所に分割して取り付けるようにし
てもよい。炉側周壁を部分的に覆う場合は、所望の冷却
効果を得るために風箱17は炉側周壁のスラグライン相
当高さを100%以上覆うように設けることが好まし
い。この場合に、ガス吹き込み領域が広くなるにしたが
って炉壁の寿命を左右するスラグライン部の寿命が延び
るが、所要冷却ガス量が増大して、冷却ガスによる抜熱
が無視できないほど増大するため、その最適値を求める
ことが必要となる。具体的にはスラグ浴表面レベルより
上に少なくとも20mm、より望ましくは50mm、さ
らに望ましくは100mmまでとし、スラグ浴規定レベ
ルより下に少なくとも20mm、より望ましくは50m
m、さらに望ましくは100mmまでの範囲とする。
【0027】各ノズル16は溶融スラグ8層の炉側周壁
近傍にて開口し、炉側周壁を通過して炉側周壁のほうか
ら炉中央に向けてノズル16から加圧窒素ガスが溶融ス
ラグ8中に吹込まれるようになっている。ノズル16の
数は炉体の大きさに応じて増減するが、一般的に100
〜10000孔/m2の範囲とすることが望ましい。ま
た、ノズル16の内径は1〜4mmの範囲とすることが
好ましい。なお、送風機27の電源スイッチは制御器3
0の出力部に接続され、送風動作が制御されるようにな
っている。
【0028】シュータ11が炉蓋13の適所に取り付け
られ、灰4を主成分とする廃棄物が図示しないホッパか
らシュータ11を通って炉内に投入されるようになって
いる。炉蓋13の内面には図示しないガイドが取り付け
られ、シュータ11から炉内に投入される灰4がガイド
により炉中央部のほうに導かれるようになっている。
【0029】排気管12が炉蓋13の適所に取り付けら
れ、炉内生成ガスが排気管12を介して図示しないブロ
ワにより吸引排気されるようになっている。
【0030】溶融スラグ出湯口19が炉本体15の下部
に設けられている。溶融スラグ出湯口19には処理中は
耐火物レンガが嵌め込まれている。処理後にはドリルで
耐火レンガを穿孔して溶融スラグ出湯口19を開口さ
せ、開口した出湯口19から溶融スラグ8が出湯される
ようになっている。
【0031】溶融メタル出湯口20が炉底14と炉本体
15との間に設けられている。この溶融メタル出湯口2
0にも耐火物レンガが嵌め込まれている。処理後にはド
リルで耐火レンガを穿孔して溶融メタル出湯口20を開
口させ、開口した出湯口20から溶融スラグ8が出湯さ
れるようになっている。
【0032】次に、上記の溶融炉により灰等を主成分と
する廃棄物を処理する場合について説明する。炉蓋13
を開け、所定量のスクラップ鋼材を炉内に装入する。炉
蓋13を閉じ、電極21に給電し、電極21とスクラッ
プ鋼材との間に放電アークを発生させ、アーク熱により
スクラップ鋼材を溶解する。電極21への給電量は40
0kWとした。スクラップ鋼材の大部分が溶融して湯面
が形成されたところで所定量のガラスカレットや溶接用
フラックス等の良電気伝導性物質または塩類(NaC
l,KCl,CaCl2)および固形スラグ(CaO,
Al23,SiO2)をシュータ11から炉内に投入
し、これらを加熱溶解し、溶融スラグ8の層と溶融塩5
の層とを形成する。さらに、所定量の灰4をシュータ1
1から炉内に投入する。灰4はガイド(図示せず)によ
り炉周縁部から炉中央部に案内され、湯面が灰4で覆わ
れる。
【0033】次いで、系外の送風機27からコンプレッ
サーで昇圧された窒素ガスを炉側周壁に設けられた風箱
17に供給する。風箱17への窒素ガスの供給圧力(背
圧)は例えば0.8MPaとし、ガス供給流量は例えば
5〜20Nm3/分/m2とした。この場合に、ノズル1
6の先端でのガス流速を少なくとも50m/秒以上と
し、ノズルのガス流路に溶融物が侵入する湯さしが生じ
ないようにすると共に、吹込み流体(ガス)によるバッ
クアタック等が生じないようにすることが肝要である。
このため、ノズル16の先端での最大ガス流速は、場合
により音速程度となることもある。なお、湯さしを生じ
ない最小ガス流速はノズル16の内径に応じて種々変わ
るものではあるが、ノズル先端でのガス流速を50m/
秒以上とすれば通常のノズル径(最大4mm)では湯さ
しを生じない。
【0034】風箱17から複数のノズル16を介して窒
素ガスを炉内のスラグ浴表面近傍ないし溶融塩存在領域
に吹き込むと、吹込みガスは、耐火物稼動面部分を冷却
し、スラグ凝固層を形成せしめ、溶融塩層の凝固付着ま
たは溶融塩温度降下により粘性を低下させ、さらに溶融
塩を稼動面近傍から吹き払うように作用する。これによ
り炉側周壁耐火物の損耗を大幅に低減することができ
る。また、該吹込みガスは、湯面上層を膨張せしめ、炉
壁側から電極近傍へのスラグ浴表面流動を生成させるよ
うにも作用するので、灰4の溶融反応が促進される。
【0035】本実施形態によれば、炉側周壁からガス吹
込みするもので、従来のように炉壁の水冷等による抜熱
が炉からのヒートロスとなるのに対して、冷却流体が炉
体耐火物貫通孔を通過する間に炉内部から抜熱された熱
量は、炉内にガスが侵入することにより回収されるの
で、ガス吹込みによるガス顕熱分の所要電力増大部分は
少ない。なお、ガス吹込み量を高めていくことにより、
ガスは炉内の溶融スラグ層を積極的に対流せしめ灰の溶
解を促進することができる。
【0036】(第2の実施形態)次に、図2を参照しな
がら本発明の第2の実施形態について説明する。なお、
この第2の実施形態が上記第1の実施形態と重複する部
分の説明は省略する。
【0037】本実施形態では溶融スラグ出湯口19にス
ラグシャッター31を設け、スラグシャッター31の開
度調節により出滓速度を増減し、これにより炉内の溶融
スラグ8のレベルを制御するようにしている。なお、ス
ラグシャッター31の開度調節は、制御器30が昇降装
置32の動作をコントロールすることによりなされる。
【0038】このようなシャッター31を用いたスラグ
レベルコントロールにより、風箱17のノズル16から
の吹込みガスによるガス撹拌効果を常に一定に保つこと
ができる。この場合に、スラグ浴表面レベルより深いレ
ベルまで(つまりメタルレベルに近いところまで)ガス
吹込みすることは、ガス原単位・吹込み動力原単位・ヒ
ートロス等の増大につながるので好ましくない。炉側周
壁からのガス吹込みは、できるだけスラグ浴表面レベル
から浅い領域に限定することが望ましい。
【0039】(第3の実施形態)次に、図3を参照しな
がら本発明の第3の実施形態について説明する。なお、
この第3の実施形態が上記第1及び第2の実施形態と重
複する部分の説明は省略する。
【0040】本実施形態では溶融スラグ出湯口19に連
続出滓装置として前炉式湯溜り41を設け、前炉式湯溜
り41への出滓により炉内の溶融スラグ8のレベルを制
御するようにしている。
【0041】このような前炉式湯溜り41を用いたスラ
グレベルコントロールによっても風箱17のノズル16
からの吹込みガスによるガス撹拌効果を常に一定に保つ
ことができる。
【0042】本実施形態においても、スラグ浴表面レベ
ルより深いレベルまで(つまりメタルレベルに近いとこ
ろまで)ガス吹込みすることは、ガス原単位・吹込み動
力原単位・ヒートロス等の増大につながるので好ましく
なく、炉側周壁からのガス吹込みは、できるだけスラグ
浴表面レベルから浅い領域に限定することが望ましい。
【0043】(第4の実施形態)次に、図4を参照しな
がら本発明の第4の実施形態について説明する。なお、
この第4の実施形態が上記第1乃至第3の実施形態と重
複する部分の説明は省略する。
【0044】本実施形態の溶融炉はガスバブリング機能
を有するアーク電極21を備えたアーク炉である。各ア
ーク電極21は先端で開口するガス流路21aをそれぞ
れ有するものであり、送風機27から配管27bを介し
てガス流路21aに窒素ガスのような不活性ガスが供給
されるようになっている。
【0045】風箱17のノズル16から窒素ガスを炉内
のスラグ浴表面近傍ないし溶融塩存在領域に吹き込むと
共に、アーク電極21の先端からバブリングガスを溶融
スラグ8中に吹込むと、これらの吹込みガスは、湯面上
層を膨張せしめ、炉壁側から電極近傍へのスラグ浴表面
流動を生成させるようにも作用するので、灰4の溶融反
応が促進される。また、不活性ガスである窒素ガスを供
給した場合は、アーク電極21の酸化反応が抑制される
ので、電極21の消耗を低減できる。
【0046】また、図示は省略しているが、純酸素バー
ナーを熱供給源とし、バブリング・ガスを供給するラン
ス管に昇降機能を兼備させることで、バーナー近傍に発
生する高温領域からそこへ供給されるスラグが炉内の熱
移動を促進することが可能になる。
【0047】以上の実施形態においては、本発明の交流
電気抵抗炉への適用を主体として説明したが、本発明は
これのみに限定されるものではなく、直流電気抵抗溶融
炉やその他のアーク炉、プラズマ炉、化石燃料を用いた
バーナー炉や純酸素バーナー炉へも適用可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば次の効果を奏することが
できる。
【0049】(1)ガスバブリング操業に伴い生成され
るスラグ浴表面流動は、従来の数mm/sレベルから少
なくとも数倍以上、概ね十倍ないしそれ以上となり、こ
の流動促進効果による熱移動促進により、炉内の熱供給
源からカバーリング層の被加熱物への熱伝達が促進さ
れ、生産性が少なくとも10%以上、バブリングガス量
をふやすに従い50%以上までの溶融生産性向上が期待
できる。溶融塩から電極を遮断できるため、十分な電圧
を印可でき安定な運転が図れる。
【0050】(2)交流電気抵抗溶融炉および直流電気
抵抗溶融炉等の灰等の溶融炉において、炉壁へのスラグ
ないし溶融塩によるアタックが防止されるため炉壁の寿
命が延長され、炉壁の巻き替えコストが低減でき、安定
な長時間運転が図れる。
【0051】(3)既設の炉内または上部炉蓋に容易に
設置可能であることから、既設の運転方法改善に効果を
発揮することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガス冷却型廃棄物溶融
炉を示す内部透視断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係るガス冷却型廃棄物
溶融炉を示す内部透視断面図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るガス冷却型廃棄物
溶融炉を示す内部透視断面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係るガス冷却型廃棄物
溶融炉を示す内部透視断面図。
【図5】従来の電気抵抗溶融炉を示す内部透視断面図。
【符号の説明】
4…灰、 5…溶融塩(溶融スラグとの混在層)、 6…ランス管、 7…溶融メタル、 8…溶融スラグ、 11…シュータ(灰供給口)、 12…排気管、 13…炉蓋、 16…ノズル、 17…風箱、 19…溶融スラグ出湯口、 20…溶融メタル出湯口、 21…電極、 23…電源、 27…送風機、 30…制御器、 31…シャッター、 32…昇降装置、 33…冷却水供給源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27B 3/19 F27B 3/19 3/20 3/20 3/24 3/24 F27D 11/08 F27D 11/08 A E (72)発明者 品川 拓也 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中原 啓介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山本 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K061 AA18 AB03 AC03 BA06 DB19 NB01 NB16 3K065 AA18 AB03 AC03 BA06 FA11 FA14 FA21 FB02 4K045 AA04 BA10 RA06 RB02 RB04 RB13 RC11 4K063 AA04 AA12 BA13 CA05 CA06 FA22 FA55 FA56

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉蓋ないし炉壁を貫通して炉内に導入さ
    れた加熱溶融用熱供給源を有し、炉体下部ないし側面に
    溶融スラグ出湯口および溶融メタル出湯口を具備する廃
    棄物溶融炉において、 スラグ浴表面近傍および溶融塩存在領域のうち少なくと
    も電極近傍領域の炉側壁耐火物部分にて開口するように
    炉側壁耐火物に形成された複数の貫通孔と、 これらの貫通孔に炉側壁耐火物を冷却するための流体を
    供給する冷却用流体供給手段と、を具備することを特徴
    とするガス冷却型廃棄物溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記炉蓋ないし炉壁を貫通するのが電極
    であって、加熱溶融用熱供給源が電気抵抗方式であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の溶融炉。
  3. 【請求項3】 前記炉蓋ないし炉壁を貫通するのが電極
    であって、加熱溶融用熱供給源が溶湯をサブマージドア
    ーク加熱するアーク方式又はプラズマ加熱するプラズマ
    方式であることを特徴とする請求項1記載の溶融炉。
  4. 【請求項4】 前記炉蓋ないし炉壁を貫通するのが純酸
    素バーナーであって、加熱溶融用熱供給源がスラグ浴中
    燃焼可能な水冷構造バーナー方式であることを特徴とす
    る請求項1記載の溶融炉。
  5. 【請求項5】 前記冷却用流体供給手段は、不活性ガ
    ス、炭化水素系物質含有流体、プロセス回収ガス、水、
    水蒸気および空気からなる群より選ばれる単体流体又は
    これらの群より選ばれる2以上の混合流体を供給するこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載の溶融
    炉。
  6. 【請求項6】 前記炉体の上部に、溶融塩出湯口および
    溶融塩外部排出用プローブ挿入口のうち少なくとも一方
    を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1
    記載の溶融炉。
  7. 【請求項7】 前記溶融スラグ出湯口、溶融メタル出湯
    口、溶融塩出湯口のうち少なくともスラグ出湯口に関し
    ては、スラグレベル一定化可能としうる連続出湯装置を
    設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1記
    載の溶融炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015199083A (ja) * 2014-04-07 2015-11-12 新日鐵住金株式会社 タンディッシュプラズマ加熱装置及びタンディッシュ内溶鋼の加熱方法

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