JP2002316409A - 音響波集束体および音響インクジェット記録装置 - Google Patents
音響波集束体および音響インクジェット記録装置Info
- Publication number
- JP2002316409A JP2002316409A JP2001122114A JP2001122114A JP2002316409A JP 2002316409 A JP2002316409 A JP 2002316409A JP 2001122114 A JP2001122114 A JP 2001122114A JP 2001122114 A JP2001122114 A JP 2001122114A JP 2002316409 A JP2002316409 A JP 2002316409A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acoustic
- acoustic wave
- lens
- electrode
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 クロストークを確実に防止できる音響波集束
体およびインクジェット記録装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 音響波集束体11は、固定基板10の表
面に音響フレネルレンズ22を形成すると共に、音響フ
レネルレンズ22が形成された面と反対面上に下部共通
電極24および個別電極28に挟持された圧電素子26
を配設することによって構成されている。個別電極28
は、1個の音響フレネルレンズ22(圧電素子26)に
対応して1個形成されている。したがって、ある個別電
極28に駆動電圧が印加された場合に、隣接する個別電
極28にリーク電流が流れることはなく、クロストーク
が確実に防止される。
体およびインクジェット記録装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 音響波集束体11は、固定基板10の表
面に音響フレネルレンズ22を形成すると共に、音響フ
レネルレンズ22が形成された面と反対面上に下部共通
電極24および個別電極28に挟持された圧電素子26
を配設することによって構成されている。個別電極28
は、1個の音響フレネルレンズ22(圧電素子26)に
対応して1個形成されている。したがって、ある個別電
極28に駆動電圧が印加された場合に、隣接する個別電
極28にリーク電流が流れることはなく、クロストーク
が確実に防止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響レンズを表面
に形成した音響波集束体および音響インクジェット記録
装置に関する。
に形成した音響波集束体および音響インクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を記録媒体上に飛翔させ記録ド
ットを形成するインクジェット技術は、他の記録方式に
比べて騒音が少なく、小型化などに向いておりパーソナ
ル分野を中心に普及している。
ットを形成するインクジェット技術は、他の記録方式に
比べて騒音が少なく、小型化などに向いておりパーソナ
ル分野を中心に普及している。
【0003】現在までに多くのインクジェットプリンタ
方式が提案されている。例えば、特公昭56-9492
号公報に開示されている発熱体の熱により発生するバブ
ルの圧力でインク滴を飛翔させるサーマルインクジェッ
ト方式、特公昭53-12138号公報に開示されてい
る圧電体の変位による圧力パルスでインク滴を飛翔させ
る圧電型インクジェット方式などである。
方式が提案されている。例えば、特公昭56-9492
号公報に開示されている発熱体の熱により発生するバブ
ルの圧力でインク滴を飛翔させるサーマルインクジェッ
ト方式、特公昭53-12138号公報に開示されてい
る圧電体の変位による圧力パルスでインク滴を飛翔させ
る圧電型インクジェット方式などである。
【0004】しかしながら、これらの方式では、解像度
を向上させるために個別ノズルの寸法を細くすると、ノ
ズルの目詰まりを生じやすいという問題がある。また、
作製工程においても高度なノズル作製技術を必要とし、
しばしば製造歩留まりが低下するという問題もある。
を向上させるために個別ノズルの寸法を細くすると、ノ
ズルの目詰まりを生じやすいという問題がある。また、
作製工程においても高度なノズル作製技術を必要とし、
しばしば製造歩留まりが低下するという問題もある。
【0005】これらの欠点を改善するために、例えば、
K.A.Krouseらの「インクジェットの集束」IBM Technic
al Disclosure Bulletin, Vil.16, No.4. 1973.
9,1168-1170に報告されているように、圧電素
子を振動させ発生する音響波を利用してインク液面から
インク滴を飛翔させる方式が提案された。この方式は、
ノズルを用いないため、ノイズの目詰まりを回避するこ
とができる。
K.A.Krouseらの「インクジェットの集束」IBM Technic
al Disclosure Bulletin, Vil.16, No.4. 1973.
9,1168-1170に報告されているように、圧電素
子を振動させ発生する音響波を利用してインク液面から
インク滴を飛翔させる方式が提案された。この方式は、
ノズルを用いないため、ノイズの目詰まりを回避するこ
とができる。
【0006】上記音響インクジェットにおけるインク滴
の飛翔原理について説明する。図9に示すように、音響
インクジェット記録ヘッド100は、固定基板102の
片面に駆動電極104、圧電素子106、対向電極10
8が備えられており、駆動電極104、対向電極108
にRF駆動電圧が印加されると圧電素子106が振動
し、音響波110を生じる。音響波110は固定基板1
02内を伝播し、固定基板102の他方の面に設けられ
た音響フレネルレンズ112によって、音響ビーム11
4としてインク116の自由表面(液/空気界面)11
8付近で集束される。この音響ビーム114によって自
由表面118に付与されたエネルギによって、インク滴
120が自由表面118から吐出される。
の飛翔原理について説明する。図9に示すように、音響
インクジェット記録ヘッド100は、固定基板102の
片面に駆動電極104、圧電素子106、対向電極10
8が備えられており、駆動電極104、対向電極108
にRF駆動電圧が印加されると圧電素子106が振動
し、音響波110を生じる。音響波110は固定基板1
02内を伝播し、固定基板102の他方の面に設けられ
た音響フレネルレンズ112によって、音響ビーム11
4としてインク116の自由表面(液/空気界面)11
8付近で集束される。この音響ビーム114によって自
由表面118に付与されたエネルギによって、インク滴
120が自由表面118から吐出される。
【0007】このような原理を用いた例として、複数の
音響レンズアレイを配置した線形アレイ構造の音響プリ
ントヘッド構造が特公平6-45233号公報に開示さ
れている。
音響レンズアレイを配置した線形アレイ構造の音響プリ
ントヘッド構造が特公平6-45233号公報に開示さ
れている。
【0008】また、特許2511570号には、自由表
面に音響エネルギを集束させるために、位相音響フレネ
ルレンズを使うことが提案されている。音響フレネルレ
ンズは、球面レンズに比べて、集束効率は多少落ちる
が、半導体技術などで安価に大量に生産可能であるとい
う利点を持っている。
面に音響エネルギを集束させるために、位相音響フレネ
ルレンズを使うことが提案されている。音響フレネルレ
ンズは、球面レンズに比べて、集束効率は多少落ちる
が、半導体技術などで安価に大量に生産可能であるとい
う利点を持っている。
【0009】さらに、特願2000−245623号に
記載された多重個別位相フレネル音響レンズの作製方法
は、固定基板に直接形成されたレンズで集束されるた
め、音響波のロスが少なく、レンズの作製精度が高いと
いう利点がある。
記載された多重個別位相フレネル音響レンズの作製方法
は、固定基板に直接形成されたレンズで集束されるた
め、音響波のロスが少なく、レンズの作製精度が高いと
いう利点がある。
【0010】この作製方法について、図10、図11を
参照して具体的に説明する。
参照して具体的に説明する。
【0011】先ず、固定基板(シリコン基板)102上
に第1マスク層122を着膜し、ホトリソグラフィ工程
によってホトレジスト124を形成する。次にホトレジ
スト124をマスクに第1マスク層122をエッチング
する(図10(A)参照)。
に第1マスク層122を着膜し、ホトリソグラフィ工程
によってホトレジスト124を形成する。次にホトレジ
スト124をマスクに第1マスク層122をエッチング
する(図10(A)参照)。
【0012】次に、ホトレジスト124を除去したの
ち、第2マスク層126を着膜し、ホトリソグラフィ工
程によってホトレジスト128を形成する。次に、ホト
レジスト128をマスクに第2マスク層126をエッチ
ングする(図10(B)参照)。
ち、第2マスク層126を着膜し、ホトリソグラフィ工
程によってホトレジスト128を形成する。次に、ホト
レジスト128をマスクに第2マスク層126をエッチ
ングする(図10(B)参照)。
【0013】さらに、ホトレジスト128を除去したの
ち、ホトリソグラフィ工程によって第三マスク層(ホト
レジスト)130を形成する(図10(C)参照)。
ち、ホトリソグラフィ工程によって第三マスク層(ホト
レジスト)130を形成する(図10(C)参照)。
【0014】続いて、ホトレジスト130をマスクに固
定基板102をエッチングする(図10(D)参照)。続
いて、ホトレジスト130を除去したのち、第2マスク
層126をマスクに固定基板102をエッチングする。
(図10(E)参照)。さらに、第2マスク層126を除
去し、第1マスク層122をマスクに固定基板102を
エッチングした後、第1マスク層122を除去すること
によって固定基板102上に音響フレネルレンズ112
を作製する(図10(F)参照)。
定基板102をエッチングする(図10(D)参照)。続
いて、ホトレジスト130を除去したのち、第2マスク
層126をマスクに固定基板102をエッチングする。
(図10(E)参照)。さらに、第2マスク層126を除
去し、第1マスク層122をマスクに固定基板102を
エッチングした後、第1マスク層122を除去すること
によって固定基板102上に音響フレネルレンズ112
を作製する(図10(F)参照)。
【0015】次に、固定基板102の反対側(音響レン
ズ面の対向面)に、絶縁層132(例えば酸化膜)を着
膜後、駆動電極層134を着膜し、ホトリソグラフィ工
程によってホトレジスト136をパターニングする(図
11(G)参照)。
ズ面の対向面)に、絶縁層132(例えば酸化膜)を着
膜後、駆動電極層134を着膜し、ホトリソグラフィ工
程によってホトレジスト136をパターニングする(図
11(G)参照)。
【0016】ホトレジスト136をマスクに駆動電極層
134をエッチングし、個々にアドレス可能な駆動電極
104を作製する。さらに、ホトレジスト136を除去
後、圧電素子層138、対向電極層を着膜し、ホトレジ
スト142を形成する。ホトレジスト142をマスクに
対向電極層をエッチングして対向電極108を作製する
(図11(H)参照)。
134をエッチングし、個々にアドレス可能な駆動電極
104を作製する。さらに、ホトレジスト136を除去
後、圧電素子層138、対向電極層を着膜し、ホトレジ
スト142を形成する。ホトレジスト142をマスクに
対向電極層をエッチングして対向電極108を作製する
(図11(H)参照)。
【0017】最後に、ホトレジスト142をマスクに圧
電素子層138をエッチングして圧電素子106を作製
した後、ホトレジスト142を除去する(図11(I)参
照)。
電素子層138をエッチングして圧電素子106を作製
した後、ホトレジスト142を除去する(図11(I)参
照)。
【0018】このように形成された音響フレネルレンズ
が形成された基板(以下、音響集束体という)150の
一方の面には、図12(A)に示すように、1/6ピッ
チずつずらした6列に音響フレネルレンズ112が形成
されており、反対側の面には、図12(B)および図1
3に示すように、縦方向に延在し複数の圧電素子106
と接続している駆動電極104が平行に複数本形成さ
れ、圧電素子106上には横方向に延在し複数の圧電素
子106と接続している対抗電極108が平行に複数本
形成されている。
が形成された基板(以下、音響集束体という)150の
一方の面には、図12(A)に示すように、1/6ピッ
チずつずらした6列に音響フレネルレンズ112が形成
されており、反対側の面には、図12(B)および図1
3に示すように、縦方向に延在し複数の圧電素子106
と接続している駆動電極104が平行に複数本形成さ
れ、圧電素子106上には横方向に延在し複数の圧電素
子106と接続している対抗電極108が平行に複数本
形成されている。
【0019】したがって、任意の駆動電極104と対向
電極108に対してRF駆動電圧を印加することによっ
て、駆動電極104と対向電極108の交差点に位置す
る圧電素子106が駆動される構成である。すなわち、
アドレッシング可能な構成とされている。
電極108に対してRF駆動電圧を印加することによっ
て、駆動電極104と対向電極108の交差点に位置す
る圧電素子106が駆動される構成である。すなわち、
アドレッシング可能な構成とされている。
【0020】このような製造方法によって作製された音
響波集束体を用いた音響インクジェット記録ヘッドの具
体例について図14を参照して説明する。なお、音響イ
ンクジェット方式の原理の説明ですでに説明した部位に
ついては、図9と同様の参照符号を付し、その詳細な説
明を省略する。
響波集束体を用いた音響インクジェット記録ヘッドの具
体例について図14を参照して説明する。なお、音響イ
ンクジェット方式の原理の説明ですでに説明した部位に
ついては、図9と同様の参照符号を付し、その詳細な説
明を省略する。
【0021】音響インクジェット記録ヘッド100は、
図14に示すように、固定基板102上に配列されてい
る音響フレネルレンズ112、音響フレネルレンズ11
2に音響波110を個別に選択的に照射できるアドレッ
シング可能な駆動電極104(104A〜104C)、
圧電素子106、対向電極108を備える。音響フレネ
ルレンズ112上にはインク116が保持されており、
インク116の自由表面118が音響フレネルレンズ1
12の焦点付近に維持されるように、インク液面保持プ
レート144に形成された開口部146(146A〜1
46C)にインク116の自由表面118が保持されて
いる。
図14に示すように、固定基板102上に配列されてい
る音響フレネルレンズ112、音響フレネルレンズ11
2に音響波110を個別に選択的に照射できるアドレッ
シング可能な駆動電極104(104A〜104C)、
圧電素子106、対向電極108を備える。音響フレネ
ルレンズ112上にはインク116が保持されており、
インク116の自由表面118が音響フレネルレンズ1
12の焦点付近に維持されるように、インク液面保持プ
レート144に形成された開口部146(146A〜1
46C)にインク116の自由表面118が保持されて
いる。
【0022】したがって、音響インクジェット記録ヘッ
ド100は、駆動電極104、対向電極108に印可さ
れる駆動電圧の振幅、周波数、パルス時間を変調させる
ことによって、音響フレネルレンズ112毎に空間的に
隔てて制御可能である。例えば、音響フレネルレンズ1
12Bを用いてインク滴120の吐出を行なう場合に
は、アドレッシング可能な駆動電極104Bと対向電極
108にRF(高周波)駆動電圧を印加することによっ
て駆動電極104Bと対向電極108の交差点に位置す
る圧電素子106を振動させ、発生した音響波110が
音響フレネルレンズ112Bを介して音響ビーム114
として自由表面118で集束し、対応するインク液面プ
レート144の開口部146Bからインク滴120を吐
出させる。
ド100は、駆動電極104、対向電極108に印可さ
れる駆動電圧の振幅、周波数、パルス時間を変調させる
ことによって、音響フレネルレンズ112毎に空間的に
隔てて制御可能である。例えば、音響フレネルレンズ1
12Bを用いてインク滴120の吐出を行なう場合に
は、アドレッシング可能な駆動電極104Bと対向電極
108にRF(高周波)駆動電圧を印加することによっ
て駆動電極104Bと対向電極108の交差点に位置す
る圧電素子106を振動させ、発生した音響波110が
音響フレネルレンズ112Bを介して音響ビーム114
として自由表面118で集束し、対応するインク液面プ
レート144の開口部146Bからインク滴120を吐
出させる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記音響インクジェッ
ト記録ヘッド100には、以下の問題点がある。
ト記録ヘッド100には、以下の問題点がある。
【0024】すなわち、音響波等の伝達効率などの点か
ら表面に音響フレネルレンズ112を作製するために加
工性の点から固定基板102に導電性のシリコン基板を
採用している。
ら表面に音響フレネルレンズ112を作製するために加
工性の点から固定基板102に導電性のシリコン基板を
採用している。
【0025】したがって、駆動電極104Bが印加され
た場合、絶縁層132の厚さが不十分であると固定(S
i)基板102を介して隣接する駆動電極104A、1
04CにRF電流がリークする(図14、矢印L参
照)。この結果、駆動電極104A、104C下の圧電
素子106も振動し、音響フレネルレンズ112A、1
12Cを介して音響ビーム114が自由表面118に収
束し、開口部146A、146Cからインク滴120が
吐出される。すなわち、インクジェット記録ヘッド10
0にクロストークが発生するおそれがあった。
た場合、絶縁層132の厚さが不十分であると固定(S
i)基板102を介して隣接する駆動電極104A、1
04CにRF電流がリークする(図14、矢印L参
照)。この結果、駆動電極104A、104C下の圧電
素子106も振動し、音響フレネルレンズ112A、1
12Cを介して音響ビーム114が自由表面118に収
束し、開口部146A、146Cからインク滴120が
吐出される。すなわち、インクジェット記録ヘッド10
0にクロストークが発生するおそれがあった。
【0026】このクロストークを改善するために、振動
子(駆動電極、圧電素子、対向電極)を絶縁基板上に作
成し、音響レンズが形成された固定基板と接合する方法
が、特願2001−12975号に示されているが、製
造工程の増加、基板接合面での音響波の反射による効率
の低下などの問題があった。これらの問題は印字特性や
コストに大きな影響を与える。
子(駆動電極、圧電素子、対向電極)を絶縁基板上に作
成し、音響レンズが形成された固定基板と接合する方法
が、特願2001−12975号に示されているが、製
造工程の増加、基板接合面での音響波の反射による効率
の低下などの問題があった。これらの問題は印字特性や
コストに大きな影響を与える。
【0027】本発明は、上記の課題を解決するために、
印字特性などに影響を与えることなく、クロストークを
確実に防止できる音響集束体および音響インクジェット
記録装置を提供することを目的とする。
印字特性などに影響を与えることなく、クロストークを
確実に防止できる音響集束体および音響インクジェット
記録装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の本発明は、音響波を集束する音響
レンズが表面を削って形成されている基板と、前記基板
の音響レンズと反対側の表面上に形成された第1電極
と、前記第1電極上に形成された圧電体と、前記圧電体
上に形成され前記音響レンズ1個毎に対応して1個また
は複数個設けられている第2電極と、を備えることを特
徴とする。
めに、請求項1記載の本発明は、音響波を集束する音響
レンズが表面を削って形成されている基板と、前記基板
の音響レンズと反対側の表面上に形成された第1電極
と、前記第1電極上に形成された圧電体と、前記圧電体
上に形成され前記音響レンズ1個毎に対応して1個また
は複数個設けられている第2電極と、を備えることを特
徴とする。
【0029】請求項1記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0030】音響レンズが形成された基板の背面(音響
レンズと反対側)の表面上に形成された第1電極と、圧
電体と、音響レンズに1個に対応して1個または複数個
設けられた第2電極を形成しているため、音響レンズに
対応する第2電極と第1電極に駆動電圧を印加すること
によって圧電体が駆動されて所定の音響レンズからの音
響波によってインク滴が吐出される。
レンズと反対側)の表面上に形成された第1電極と、圧
電体と、音響レンズに1個に対応して1個または複数個
設けられた第2電極を形成しているため、音響レンズに
対応する第2電極と第1電極に駆動電圧を印加すること
によって圧電体が駆動されて所定の音響レンズからの音
響波によってインク滴が吐出される。
【0031】第2電極が複数の音響レンズにまたがって
形成されている場合には、当該複数の音響レンズに対応
する複数の第1電極間で基板を介してリーク電流が発生
し、駆動すべき音響レンズと隣接する音響レンズからの
音響波によってクロストークが発生するおそれがある。
これに対して、本発明では第2電極が音響レンズ毎に設
けられており、第2電極間でリーク電流が発生すること
が抑制されるため、隣接する第1電極間に基板を介して
リーク電流が発生したとしてもクロストークが確実に防
止される。
形成されている場合には、当該複数の音響レンズに対応
する複数の第1電極間で基板を介してリーク電流が発生
し、駆動すべき音響レンズと隣接する音響レンズからの
音響波によってクロストークが発生するおそれがある。
これに対して、本発明では第2電極が音響レンズ毎に設
けられており、第2電極間でリーク電流が発生すること
が抑制されるため、隣接する第1電極間に基板を介して
リーク電流が発生したとしてもクロストークが確実に防
止される。
【0032】請求項2記載の発明は、音響波を集束する
音響レンズが表面を削って形成されている導電性基板
と、前記導電性基板の音響レンズと反対側の表面上に形
成された圧電体と、前記圧電体上に形成され前記音響レ
ンズ1個毎に対応して1個または複数個設けられている
電極と、を備えることを特徴とする。
音響レンズが表面を削って形成されている導電性基板
と、前記導電性基板の音響レンズと反対側の表面上に形
成された圧電体と、前記圧電体上に形成され前記音響レ
ンズ1個毎に対応して1個または複数個設けられている
電極と、を備えることを特徴とする。
【0033】請求項2記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0034】音響レンズが形成された導電性基板の背面
(音響レンズと反対側)の表面上に形成された圧電体
と、音響レンズに1個に対応して1個または複数個設け
られた電極を形成しているため、音響レンズに対応する
電極と導電性基板に駆動電圧を印加することによって圧
電体が駆動されて所定の音響レンズからの音響波によっ
てインク滴が吐出される。
(音響レンズと反対側)の表面上に形成された圧電体
と、音響レンズに1個に対応して1個または複数個設け
られた電極を形成しているため、音響レンズに対応する
電極と導電性基板に駆動電圧を印加することによって圧
電体が駆動されて所定の音響レンズからの音響波によっ
てインク滴が吐出される。
【0035】電極が複数の音響レンズにまたがって形成
されている場合には、当該複数の音響レンズに対応する
導電性基板に駆動電流が流れているため、駆動すべきで
ない音響レンズに対応する圧電体も駆動され、クロスト
ークが発生するおそれが有る。これに対して、電極が音
響レンズ1個に対応して設けられているため、隣接する
電極間にリーク電流が発生することが防止され、クロス
トークを確実に阻止できる。
されている場合には、当該複数の音響レンズに対応する
導電性基板に駆動電流が流れているため、駆動すべきで
ない音響レンズに対応する圧電体も駆動され、クロスト
ークが発生するおそれが有る。これに対して、電極が音
響レンズ1個に対応して設けられているため、隣接する
電極間にリーク電流が発生することが防止され、クロス
トークを確実に阻止できる。
【0036】なお、基板が一方の電極として機能するた
め、製造工程において基板上に一方の電極を作製する工
程が省略されるというメリットもある。
め、製造工程において基板上に一方の電極を作製する工
程が省略されるというメリットもある。
【0037】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記圧電体は、前記音響レンズ1
個毎に対応して1個または複数個設けられていることを
特徴とする。
記載の発明において、前記圧電体は、前記音響レンズ1
個毎に対応して1個または複数個設けられていることを
特徴とする。
【0038】請求項3記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0039】圧電体が音響レンズ毎に設けられているた
め、クロストークが一層確実に抑制される。
め、クロストークが一層確実に抑制される。
【0040】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記圧電体は、前記圧電体は、複
数の前記音響レンズにまたがって設けられていることを
特徴とする。
記載の発明において、前記圧電体は、前記圧電体は、複
数の前記音響レンズにまたがって設けられていることを
特徴とする。
【0041】請求項4記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0042】複数の音響レンズにまたがった圧電体を形
成するため、圧電体を容易に形成することができる。
成するため、圧電体を容易に形成することができる。
【0043】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1電極は、前記音響レンズ1個毎に
対応して1個または複数個設けられていることを特徴と
する。
明において、前記第1電極は、前記音響レンズ1個毎に
対応して1個または複数個設けられていることを特徴と
する。
【0044】請求項5記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0045】第1電極も音響レンズ毎に設けられている
ことによって、クロストークが一層抑制される。
ことによって、クロストークが一層抑制される。
【0046】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1電極は、複数の前記音響レンズに
またがって設けられていることを特徴とする。
明において、前記第1電極は、複数の前記音響レンズに
またがって設けられていることを特徴とする。
【0047】請求項6記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0048】複数の音響レンズに対応して第1電極を形
成することによって、圧電体を容易に形成することがで
きる。
成することによって、圧電体を容易に形成することがで
きる。
【0049】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか1項記載の発明において、前記音響レンズは、音
響フレネルレンズであることを特徴とする。
ずれか1項記載の発明において、前記音響レンズは、音
響フレネルレンズであることを特徴とする。
【0050】請求項7記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0051】音響レンズが音響フレネルレンズであれ
ば、基板の表面に階段状に削るだけで良く、半導体製造
技術等の適用により基板上に音響レンズを容易に製造す
ることができる。
ば、基板の表面に階段状に削るだけで良く、半導体製造
技術等の適用により基板上に音響レンズを容易に製造す
ることができる。
【0052】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項記載の発明において、前記基板は、シリコン
製であることを特徴とする。
ずれか1項記載の発明において、前記基板は、シリコン
製であることを特徴とする。
【0053】請求項8記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0054】基板がシリコン基板であれば、加工性に優
れるため、製造が容易になる。
れるため、製造が容易になる。
【0055】請求項9記載の発明は、請求項1〜8のい
ずれか1項記載の音響波集束体を備え、前記音響波集束
体の音響レンズが形成された表面上に保持された液体の
自由表面に当該音響波集束体によって音響波を集束させ
て液滴を射出することを特徴とする。
ずれか1項記載の音響波集束体を備え、前記音響波集束
体の音響レンズが形成された表面上に保持された液体の
自由表面に当該音響波集束体によって音響波を集束させ
て液滴を射出することを特徴とする。
【0056】請求項9記載の発明の作用について説明す
る。
る。
【0057】簡単な構成でクロストークを確実に防止す
る音響波集束体によって形成されているため、低コスト
で印字性能の高いインクジェット記録装置とすることが
できる。
る音響波集束体によって形成されているため、低コスト
で印字性能の高いインクジェット記録装置とすることが
できる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
音響波集束体および音響波集束体の製造方法および音響
波集束体を用いた音響インクジェット記録ヘッドおよび
音響インクジェット記録装置について説明する。
音響波集束体および音響波集束体の製造方法および音響
波集束体を用いた音響インクジェット記録ヘッドおよび
音響インクジェット記録装置について説明する。
【0059】音響波集束体11は、図1に示すように、
固定基板10の一方の面に音響フレネルレンズ22が形
成されており、他方の面上に下部共通電極24、個別電
極28によって駆動される圧電素子26を備える。
固定基板10の一方の面に音響フレネルレンズ22が形
成されており、他方の面上に下部共通電極24、個別電
極28によって駆動される圧電素子26を備える。
【0060】音響波集束体11は、図2(A)に示すよ
うに、固定基板10の一方の面に複数個の音響フレネル
レンズ22が二次元的に形成されている。本実施形態で
は、音響フレネルレンズ22を1/2ピッチずつずらし
て2列配置している。
うに、固定基板10の一方の面に複数個の音響フレネル
レンズ22が二次元的に形成されている。本実施形態で
は、音響フレネルレンズ22を1/2ピッチずつずらし
て2列配置している。
【0061】また、音響波集束体11において、固定基
板10の音響フレネルレンズ22と反対側の表面には、
図2(B)および図3に示すように、固定基板10上に
長手方向に延在する下部共通電極24が形成され、共通
電極24上に音響フレネルレンズ22に対応して設けら
れた圧電素子26が1/2ピッチずつずらして2列に形
成されている。さらに、各圧電素子26上には、個別電
極28が相互に離間して形成されており、共通電極24
と所定の個別電極28にRF駆動電圧を印加すること
で、所望の圧電素子26を振動させる構成である。
板10の音響フレネルレンズ22と反対側の表面には、
図2(B)および図3に示すように、固定基板10上に
長手方向に延在する下部共通電極24が形成され、共通
電極24上に音響フレネルレンズ22に対応して設けら
れた圧電素子26が1/2ピッチずつずらして2列に形
成されている。さらに、各圧電素子26上には、個別電
極28が相互に離間して形成されており、共通電極24
と所定の個別電極28にRF駆動電圧を印加すること
で、所望の圧電素子26を振動させる構成である。
【0062】次に、このように構成される音響波集束体
11の製造方法について図4および図5を参照して説明
する。
11の製造方法について図4および図5を参照して説明
する。
【0063】先ず、固定基板(シリコン基板、以下Si
基板という場合がある)10上に酸化膜からなる第1マ
スク層12を着膜し、ホトリソグラフィ工程によって第
1マスク層12上にホトレジスト14を形成する。続い
て、ホトレジスト14をマスクにして第1マスク層12
をエッチングして固定基板10の第1領域10Aを露出
させる(図4(A)参照)。エッチングはフッ酸系のウ
ェットエッチング、あるいはガスを使ったドライエッチ
ングのどちらでもかまわない。
基板という場合がある)10上に酸化膜からなる第1マ
スク層12を着膜し、ホトリソグラフィ工程によって第
1マスク層12上にホトレジスト14を形成する。続い
て、ホトレジスト14をマスクにして第1マスク層12
をエッチングして固定基板10の第1領域10Aを露出
させる(図4(A)参照)。エッチングはフッ酸系のウ
ェットエッチング、あるいはガスを使ったドライエッチ
ングのどちらでもかまわない。
【0064】次に、エッチング終了後、ホトレジスト1
4を除去した後、固定基板10および第1マスク層12
上にアルミニウムからなる第2マスク層16を着膜し、
第2マスク層16上にホトリソグラフィ工程によってホ
トレジスト18を形成する。続いて、ホトレジスト18
をマスクにして第2マスク層16をエッチングして固定
基板10の第1領域10Aの一部(以下、第2領域とい
う)10Bを露出させる(図4(B)参照)。エッチン
グはリン酸系のウェットエッチング、あるいはガスを使
ったドライエッチングのどちらでもかまわない。
4を除去した後、固定基板10および第1マスク層12
上にアルミニウムからなる第2マスク層16を着膜し、
第2マスク層16上にホトリソグラフィ工程によってホ
トレジスト18を形成する。続いて、ホトレジスト18
をマスクにして第2マスク層16をエッチングして固定
基板10の第1領域10Aの一部(以下、第2領域とい
う)10Bを露出させる(図4(B)参照)。エッチン
グはリン酸系のウェットエッチング、あるいはガスを使
ったドライエッチングのどちらでもかまわない。
【0065】さらに、ホトレジスト18を第2マスク層
16上から除去した後、第2領域10Bの一部をマスク
するようにホトリソグラフィ工程によって第3マスク層
(ホトレジスト)20を形成する(図4(C)参照)。
したがって、固定基板10は、第2領域10Bの一部
(以下、第3領域という) 10Cが露出されている。
16上から除去した後、第2領域10Bの一部をマスク
するようにホトリソグラフィ工程によって第3マスク層
(ホトレジスト)20を形成する(図4(C)参照)。
したがって、固定基板10は、第2領域10Bの一部
(以下、第3領域という) 10Cが露出されている。
【0066】このようにして、マスク層12、16、2
0を3段に積層しておく。
0を3段に積層しておく。
【0067】次に、第3マスク層20をマスクにして固
定基板10(第3領域10C)をエッチングし、第1段
目のステップS1を形成する(図4(D)参照)。エッ
チングはエッチング異方性に優れているガスを使ったド
ライエッチングが望ましく、ICP(Inductively Coup
led Plasma; 誘導結合型プラズマ)エッチングが好適で
ある。
定基板10(第3領域10C)をエッチングし、第1段
目のステップS1を形成する(図4(D)参照)。エッ
チングはエッチング異方性に優れているガスを使ったド
ライエッチングが望ましく、ICP(Inductively Coup
led Plasma; 誘導結合型プラズマ)エッチングが好適で
ある。
【0068】続いて、第3マスク層20を第2マスク層
16上から除去したのち、第2マスク層16をマスクに
して固定基板10(第2領域10B)をエッチングし
て、第2段目のステップS2を形成する。(図4(E)
参照)最後に、リン酸を用いてウェット法で第2マスク
層(アルミニウム)16を第1マスク層(酸化膜)12
上から除去し、第1マスク層12をマスクにして固定基
板10をエッチングして3段目のステップS3を形成し
た後、第1マスク層(酸化膜)12をフッ酸でウェット
法により除去する。このようにして、エッチングによっ
て固定基板10に4段(4相)の音響フレネルレンズ2
2が形成される(図4(F)参照)。
16上から除去したのち、第2マスク層16をマスクに
して固定基板10(第2領域10B)をエッチングし
て、第2段目のステップS2を形成する。(図4(E)
参照)最後に、リン酸を用いてウェット法で第2マスク
層(アルミニウム)16を第1マスク層(酸化膜)12
上から除去し、第1マスク層12をマスクにして固定基
板10をエッチングして3段目のステップS3を形成し
た後、第1マスク層(酸化膜)12をフッ酸でウェット
法により除去する。このようにして、エッチングによっ
て固定基板10に4段(4相)の音響フレネルレンズ2
2が形成される(図4(F)参照)。
【0069】なお、本実施形態は、4相の音響フレネル
レンズの作製方法を明示しているが、5相以上のフレネ
ルレンズを作製する場合も同様である。
レンズの作製方法を明示しているが、5相以上のフレネ
ルレンズを作製する場合も同様である。
【0070】次に、固定基板10の反対側の面に振動子
を作成する。固定基板10は、シリコン、窒化シリコ
ン、溶融水晶、ガラスなどインク中の音速よりもはるか
に大きい音響速度を有する材料から選択する。加工性か
ら本実施形態ではシリコンを選択した。
を作成する。固定基板10は、シリコン、窒化シリコ
ン、溶融水晶、ガラスなどインク中の音速よりもはるか
に大きい音響速度を有する材料から選択する。加工性か
ら本実施形態ではシリコンを選択した。
【0071】先ず、固定基板10上に、共通電極層を着
膜しホトリソグラフィ工程によってホトレジスト(図示
せず)をパターニングする。このホトレジストをマスク
に共通電極層をエッチングしパターン(共通電極24)
を形成後、ホトレジストを除去する。(図5(G)参
照)。このとき、共通電極層は、圧電素子26の振動を
固定基板10に伝えるため薄い膜が望ましい。
膜しホトリソグラフィ工程によってホトレジスト(図示
せず)をパターニングする。このホトレジストをマスク
に共通電極層をエッチングしパターン(共通電極24)
を形成後、ホトレジストを除去する。(図5(G)参
照)。このとき、共通電極層は、圧電素子26の振動を
固定基板10に伝えるため薄い膜が望ましい。
【0072】続いて、圧電素子層26Aをスパッタ法な
どにより着膜する。圧電素子層26AとしてはPZT、
LiNbNO3、ZnOなどを使用する。本実施形態では圧電素子
層26AとしてZnO膜を20μm形成する。さらに、圧電
素子層26A上に個別電極層を着膜し、ホトレジスト3
4を形成する。ホトレジスト34をマスクに個別電極層
をエッチングして個別電極28を形成する(図5(H)
参照)。
どにより着膜する。圧電素子層26AとしてはPZT、
LiNbNO3、ZnOなどを使用する。本実施形態では圧電素子
層26AとしてZnO膜を20μm形成する。さらに、圧電
素子層26A上に個別電極層を着膜し、ホトレジスト3
4を形成する。ホトレジスト34をマスクに個別電極層
をエッチングして個別電極28を形成する(図5(H)
参照)。
【0073】次に、ホトレジスト34をマスクに圧電素
子層をエッチングして個別の圧電素子26を形成後、ホ
トレジスト34を除去することによって固定基板10上
に振動子を作製する(図5(I)参照)。
子層をエッチングして個別の圧電素子26を形成後、ホ
トレジスト34を除去することによって固定基板10上
に振動子を作製する(図5(I)参照)。
【0074】なお、本実施形態では共通電極をパターン
ニングしている(図2(B)参照)が、パターンニング
を省略し基板全面に着膜した共通電極層をそのまま共通
電極としても良い。
ニングしている(図2(B)参照)が、パターンニング
を省略し基板全面に着膜した共通電極層をそのまま共通
電極としても良い。
【0075】また、図5(I)の工程時にホトレジスト
34をマスクに圧電素子層26Aをエッチングせずに、
各振動子共通の圧電体として構成しても良い。このよう
に、構成することにより、作製工程が簡略化される。
34をマスクに圧電素子層26Aをエッチングせずに、
各振動子共通の圧電体として構成しても良い。このよう
に、構成することにより、作製工程が簡略化される。
【0076】以上のようにして音響波集束体11を作製
する。
する。
【0077】次に、このようにして圧電素子26や音響
フレネルレンズ22が形成された音響波集束体11を用
いて構成される音響インクジェット記録ヘッドおよび音
響インクジェット記録装置について説明する。
フレネルレンズ22が形成された音響波集束体11を用
いて構成される音響インクジェット記録ヘッドおよび音
響インクジェット記録装置について説明する。
【0078】音響インクジェット記録ヘッド31は、図
6に示すように、固定基板10の音響フレネルレンズ2
2側にインク32を所定厚さで保持し、インク液面保持
プレート34の開口部36(36A〜36C)によって
音響フレネルレンズ22の焦点にインク32の自由表面
38を保持している。
6に示すように、固定基板10の音響フレネルレンズ2
2側にインク32を所定厚さで保持し、インク液面保持
プレート34の開口部36(36A〜36C)によって
音響フレネルレンズ22の焦点にインク32の自由表面
38を保持している。
【0079】したがって、図示しない制御手段によって
駆動電極24、個別電極28BにRF(高周波)駆動電
圧を印可すると、圧電素子26が振動して音響波40を
発生する。音響波40は、固定基板10を透過して音響
フレネルレンズ22Bで音響ビーム42となって自由表
面38で集束し、開口部36Bからインク滴44を飛翔
させる。この場合、音響波40は、固定基板10に直接
形成された音響フレネルレンズ22で集束されるため、
音響波40のロスが少ない。また、レンズの作製精度も
高いため、RF駆動電圧を印可した所望の下部共通電極
24に対応した音響フレネルレンズ22に音響波40
(エネルギ)が効率よく伝播、集束される。したがっ
て、より少ない駆動エネルギで安定的にインク滴を飛翔
させることが可能である。
駆動電極24、個別電極28BにRF(高周波)駆動電
圧を印可すると、圧電素子26が振動して音響波40を
発生する。音響波40は、固定基板10を透過して音響
フレネルレンズ22Bで音響ビーム42となって自由表
面38で集束し、開口部36Bからインク滴44を飛翔
させる。この場合、音響波40は、固定基板10に直接
形成された音響フレネルレンズ22で集束されるため、
音響波40のロスが少ない。また、レンズの作製精度も
高いため、RF駆動電圧を印可した所望の下部共通電極
24に対応した音響フレネルレンズ22に音響波40
(エネルギ)が効率よく伝播、集束される。したがっ
て、より少ない駆動エネルギで安定的にインク滴を飛翔
させることが可能である。
【0080】また、本実施形態に係る音響波集束体11
では、1個の音響フレネルレンズ22に対応して設けら
れた個別電極28同士が相互に離間して形成されている
(空気によって隔てられている)ため、共通電極24が
複数の圧電素子26に接続していても、RF駆動電圧が
印加された個別電極28Bから隣接する個別電極28
A、28Cにリーク電流が流れることが防止され、クロ
ストークの発生が確実に防止される。
では、1個の音響フレネルレンズ22に対応して設けら
れた個別電極28同士が相互に離間して形成されている
(空気によって隔てられている)ため、共通電極24が
複数の圧電素子26に接続していても、RF駆動電圧が
印加された個別電極28Bから隣接する個別電極28
A、28Cにリーク電流が流れることが防止され、クロ
ストークの発生が確実に防止される。
【0081】なお、下部共通電極24も音響フレネルレ
ンズ22に対応して個別に形成することによって、クロ
ストークを一層確実に防止することができる。
ンズ22に対応して個別に形成することによって、クロ
ストークを一層確実に防止することができる。
【0082】なお、音響インクジェット記録ヘッド31
は、図7に示すように、プリントヘッドとして音響イン
クジェット記録装置45に装填される。すなわち、ガイ
ドシャフト46に沿って主走査方向に走査されることに
より、用紙48に向かってインク滴を吐出し、画像形成
を行なうことができる。
は、図7に示すように、プリントヘッドとして音響イン
クジェット記録装置45に装填される。すなわち、ガイ
ドシャフト46に沿って主走査方向に走査されることに
より、用紙48に向かってインク滴を吐出し、画像形成
を行なうことができる。
【0083】なお、本実施形態では吐出される液体をイ
ンクとしたが、これに限定されるものではない。 (第2実施形態)本発明の第2実施形態に係るインクジ
ェット記録ヘッドについて図8を参照して説明する。第
1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と
同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。第
1実施形態と異なる音響波集束体についてのみ説明す
る。
ンクとしたが、これに限定されるものではない。 (第2実施形態)本発明の第2実施形態に係るインクジ
ェット記録ヘッドについて図8を参照して説明する。第
1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と
同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。第
1実施形態と異なる音響波集束体についてのみ説明す
る。
【0084】本実施形態に係る音響波集束体11は、固
定基板10を導電性材料から形成することにより、固定
基板10を共通電極として機能させるものである。
定基板10を導電性材料から形成することにより、固定
基板10を共通電極として機能させるものである。
【0085】したがって、音響波集束体11を作製する
場合には、音響フレネルレンズ22の作製後に、固定基
板10の反対側の面上に圧電素子層を形成し、その上に
個別電極28を形成するだけで良い。すなわち、共通電
極の作製工程(第1実施形態の図5(G)参照)を省略
できるため、音響波集束体11の製造工程の簡略化によ
りコスト低減が可能となる。
場合には、音響フレネルレンズ22の作製後に、固定基
板10の反対側の面上に圧電素子層を形成し、その上に
個別電極28を形成するだけで良い。すなわち、共通電
極の作製工程(第1実施形態の図5(G)参照)を省略
できるため、音響波集束体11の製造工程の簡略化によ
りコスト低減が可能となる。
【0086】本実施形態でも第1実施形態と同様に圧電
素子26を個別化しても良い。圧電素子26の個別化に
より、クロストークを一層確実に防止することができ
る。
素子26を個別化しても良い。圧電素子26の個別化に
より、クロストークを一層確実に防止することができ
る。
【0087】なお,一連の実施形態では、音響波集束体
をインクジェット記録ヘッドに適用したものについての
み説明したが、音響波を集束させて使用するものであれ
ば他にも適用可能である。
をインクジェット記録ヘッドに適用したものについての
み説明したが、音響波を集束させて使用するものであれ
ば他にも適用可能である。
【0088】
【発明の効果】本発明の音響波集束体は、クロストーク
を確実に防止することができる。また、本発明の音響イ
ンクジェット記録装置は、インク滴を精度良く吐出する
ことができ、安定した画質を確保することができる。
を確実に防止することができる。また、本発明の音響イ
ンクジェット記録装置は、インク滴を精度良く吐出する
ことができ、安定した画質を確保することができる。
【図1】 本発明の第1実施形態に係る音響波集束体の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】 (A)は本発明の第1実施形態に係る音響波
集束体の音響フレネルレンズ側を示す平面図であり、
(B)は圧電素子側を示す平面図である。
集束体の音響フレネルレンズ側を示す平面図であり、
(B)は圧電素子側を示す平面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る音響波集束体の
圧電素子側を示す斜視図である。
圧電素子側を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る固定基板上に音
響フレネルレンズを製造する方法を示す図である。
響フレネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施形態に係る固定基板上に振
動子を製造する方法を示す図である。
動子を製造する方法を示す図である。
【図6】 本発明の第1実施形態に係る音響インクジェ
ット記録ヘッドの縦断面図である。
ット記録ヘッドの縦断面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態に係る音響インクジェ
ット記録装置を示す斜視図である。
ット記録装置を示す斜視図である。
【図8】 本発明の第2実施形態に係る音響波集束体の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図9】 音響インクジェット方式の原理説明図であ
る。
る。
【図10】 従来例に係る固定基板上に音響フレネルレ
ンズを製造する方法を示す図である。
ンズを製造する方法を示す図である。
【図11】 従来例に係る固定基板上に振動子を製造す
る方法を示す図である。
る方法を示す図である。
【図12】 (A)は従来例に係る音響波集束体の音響
フレネルレンズ側を示す平面図であり、(B)は圧電素
子側を示す平面図である。
フレネルレンズ側を示す平面図であり、(B)は圧電素
子側を示す平面図である。
【図13】 従来例に係る音響波集束体の斜視図であ
る。
る。
【図14】 従来例に係る音響インクジェット記録ヘッ
ドを示す断面図である。
ドを示す断面図である。
10…固定基板 11…音響集束体 22…音響フレネルレンズ 24…下部共通電極 26…圧電素子 28…個別電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 義尚 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF40 AF93 AG44 AG62 AP32 AP33 AP52 AQ02 BA14 BF06
Claims (9)
- 【請求項1】 音響波を集束する音響レンズが表面を削
って形成されている基板と、 前記基板の音響レンズと反対側の表面上に形成された第
1電極と、 前記第1電極上に形成された圧電体と、 前記圧電体上に形成され前記音響レンズ1個毎に対応し
て1個または複数個設けられている第2電極と、 を備えることを特徴とする音響波集束体。 - 【請求項2】 音響波を集束する音響レンズが表面を削
って形成されている導電性基板と、 前記導電性基板の音響レンズと反対側の表面上に形成さ
れた圧電体と、 前記圧電体上に形成され前記音響レンズ1個毎に対応し
て1個または複数個設けられている電極と、 を備えることを特徴とする音響波集束体。 - 【請求項3】 前記圧電体は、前記音響レンズ1個毎に
対応して1個または複数個設けられていることを特徴と
する請求項1または2記載の音響波集束体。 - 【請求項4】 前記圧電体は、複数の前記音響レンズに
またがって設けられていることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の音響波集束体。 - 【請求項5】 前記第1電極は、前記音響レンズ1個毎
に対応して1個または複数個設けられていることを特徴
とする請求項1記載の音響波集束体。 - 【請求項6】 前記第1電極は、複数の前記音響レンズ
にまたがって設けられていることを特徴とする請求項1
記載の音響波集束体。 - 【請求項7】 前記音響レンズは、音響フレネルレンズ
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記
載の音響波集束体。 - 【請求項8】 前記基板は、シリコン製であることを特
徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の音響波集束
体。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項記載の音響
波集束体を備え、前記音響波集束体の音響レンズが形成
された表面上に保持された液体の自由表面に当該音響波
集束体によって音響波を集束させて液滴を射出すること
を特徴とする音響インクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001122114A JP2002316409A (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 音響波集束体および音響インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001122114A JP2002316409A (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 音響波集束体および音響インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002316409A true JP2002316409A (ja) | 2002-10-29 |
Family
ID=18971877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001122114A Pending JP2002316409A (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 音響波集束体および音響インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002316409A (ja) |
-
2001
- 2001-04-20 JP JP2001122114A patent/JP2002316409A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100471793B1 (ko) | 잉크제트기록장치와그제조방법 | |
JP2008254206A (ja) | 圧電素子製造方法及び液体吐出ヘッド製造方法 | |
JP3805756B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
Hadimioglu et al. | Acoustic ink printing | |
JP2939504B2 (ja) | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 | |
JP3413048B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
US6336707B1 (en) | Recording element and recording device | |
JPH1058672A (ja) | インクジェットヘッド | |
JP2002316409A (ja) | 音響波集束体および音響インクジェット記録装置 | |
JP2003019805A (ja) | インクジェットヘッド及びその製造方法 | |
JP3384958B2 (ja) | インクジェット記録装置とその製造方法 | |
JPH0538809A (ja) | インクジエツトヘツド | |
JP3519535B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JPH10166572A (ja) | インクジェット式記録ヘッド | |
JP3217837B2 (ja) | 液体噴射記録ヘッド | |
JPH03272855A (ja) | インクジェットヘッド | |
JP2002052703A (ja) | 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法 | |
JP2002210950A (ja) | 音響波集束体および音響インクジェット記録装置 | |
JP2000177123A (ja) | インクジェットヘッド及びその製造方法 | |
JPH02169256A (ja) | 液体噴射記録装置 | |
JP2001301155A (ja) | 音響インクジェット記録ヘッドおよび音響インクジェット記録装置 | |
JPH0939224A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JPH09150502A (ja) | 液滴噴射装置 | |
JPH0994957A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JPH10328594A (ja) | 液滴形成装置および画像形成方法 |