JP2002052703A - 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法 - Google Patents

基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法

Info

Publication number
JP2002052703A
JP2002052703A JP2000245623A JP2000245623A JP2002052703A JP 2002052703 A JP2002052703 A JP 2002052703A JP 2000245623 A JP2000245623 A JP 2000245623A JP 2000245623 A JP2000245623 A JP 2000245623A JP 2002052703 A JP2002052703 A JP 2002052703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
acoustic
fresnel lens
mask
mask layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000245623A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Usami
浩之 宇佐美
Satonobu Hamazaki
聡信 浜崎
Shuichi Yamada
秀一 山田
Akira Mihara
顕 三原
Hiroshi Ikeda
宏 池田
Yoshinao Kondo
義尚 近藤
Nanao Inoue
七穂 井上
Naoki Morita
直己 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2000245623A priority Critical patent/JP2002052703A/ja
Publication of JP2002052703A publication Critical patent/JP2002052703A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響フレネルレンズを精度良く形成できる基
板の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 固定基板10上に、第1マスク層12を
形成し、その上部に形成したフォトレジストをマスクに
して第1マスク層12をエッチングし、固定基板10の
一部を露出させる。同様にして第1マスク層12の上
に、第2マスク層16、第3マスク20を積層する。こ
の状態で、第3マスク層20をマスクにして固定基板1
0をエッチングする。第3マスク層20を除去した後、
第2マスク層16をマスクにして固定基板10をエッチ
ングする。同様にして第1マスク層12をマスクにして
固定基板10のエッチングすることによって、精度良く
音響フレネルレンズが形成できる。すなわち、エッチン
グの前にマスク層12、16、20を積層するため、マ
スク層が精度良く形成され、このマスク層に基づいてエ
ッチングするため、音響フレネルレンズが精度良く製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響レンズを表面
に形成する基板および液滴噴射装置並びにフレネルレン
ズ付基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク液滴を記録媒体上に飛翔させ記録
ドットを形成するインクジェット技術は、他の記録方式
に比べて騒音が少なく、小型化などに向いており、パー
ソナル分野を中心に普及している。
【0003】現在までに多くのインクジェットプリンタ
方式が提案されている。例えば、特公昭56-9492
号公報に開示されている発熱体の熱により発生するバブ
ルの圧力でインク液滴を飛翔させるサーマルインクジェ
ット方式、特公昭53-12138号公報に開示されて
いる圧電体の変位による圧力パルスでインク液滴を飛翔
させる圧電型インクジェット方式などである。
【0004】しかしながら、これらの方式では、解像度
を増やすために個別ノズルの寸法を細くすると、ノズル
の目詰まりを生じやすいという問題がある。また、作製
工程においても高度なノズル作製技術を必要とし、しば
しば製造歩留まりが低下するという問題もある。
【0005】これらの欠点を改善するために、例えば、
K.A.Krouseらの「インクジェットの集束」IBM Technica
l Disclosure Bulletin, Vil.16, No.4. 1973.
9,1168-1170に報告されているように、圧電素
子を振動させ発生する音響波を利用してインク液面から
インク液滴を飛翔させる方式が提案された。この方式
は、ノズルを用いないため、ノイズの目詰まりを回避す
ることができる。
【0006】上記音響インクジェットのインク液滴の飛
翔原理について説明する。図16に示すように、音響イ
ンクジェットヘッド50は、固定基板52の片面に駆動
電極54、圧電素子56、対向電極58が備えられてお
り、駆動電極54、対向電極58にRF駆動電圧が与え
られると圧電素子56が振動し、音響波60を生じる。
音響波60は固定基板52内を伝播し、固定基板52の
他方の面に設けられた音響フレネルレンズ62によっ
て、音響ビーム64としてインク66の自由表面(液/
空気界面)68付近で集束される。この音響ビーム64
によって自由表面68に付与されたエネルギによって、
インク液滴70が自由表面68から吐出される。
【0007】このような原理を用いた例として、複数の
音響レンズアレイを配置した線形アレイ構造の音響プリ
ントヘッド構造が特公平6-45233号公報に開示さ
れている。
【0008】また、特許2511570号では、自由表
面に音響エネルギを集束させるために、位相音響フレネ
ルレンズを使うことが提案されている。音響フレネルレ
ンズは、球面レンズに比べて、集束効率は多少落ちる
が、半導体技術などで安価に大量に生産可能であるとい
う利点を持っている。
【0009】このような音響フレネルレンズの製造方法
の一例が特許2511570に開示されている。具体的
には、図17に示すように、固定基板(例えばクオーツ
あるいはガラス基質)72に対して音響的に平坦な物質
(例えばa-シリコン)74を着膜する。物質74の厚さ
は、形成される音響フレネルレンズの最も高い位相ステ
ップの高さ(ここでは8.159μm)とされている。
【0010】次に、所望の位相プロフィールを得るため
に、フォトレジストでマスクパターン(フォトレジスト
マスク)76を物質74上に形成し(図17(A)参
照)、フォトレジストマスク76をマスクにして物質7
4をエッチング(ここではウェットエッチング)して1
段目のステップを得る(図17(B)参照)。次に、フ
ォトレジストマスク76を除去した後、1段目のステッ
プの一部もマスクするフォトレジストマスク78を物質
74上に形成し(図17(C)参照)、フォトレジスト
マスク78をマスクにして物質74をエッチングして2
段目のステップを得る(図17(D)参照)。さらに、
同様にして2段目のステップの一部もマスクするフォト
レジストマスク80を物質74上に形成し (図17
(E)参照)、フォトレジストマスク80をマスクにし
て物質74をエッチングして3段目のステップを形成
し、フォトレジストマスク80を除去する。このように
して4段のステップからなる4相の音響フレネルレンズ
82の形成を行なう(図17(F)参照)。
【0011】このような製造方法によって形成された基
板上に音響フレネルレンズが形成された基板を用いた音
響インクジェットヘッドの具体例について図18を参照
して説明する。なお、音響インクジェット方式の原理の
説明ですでに説明した部位については、図15と同様の
参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0012】音響インクジェットヘッド50は、図18
に示すように、固定基板52上に配列されている音響フ
レネルレンズ62、音響フレネルレンズ62に音響波を
個別に選択的に照射できるアドレッシング可能な駆動電
極54、圧電素子56、対向電極58を備える。音響フ
レネルレンズ62上にはインク66が保持されており、
インク66の自由表面68が音響フレネルレンズ62の
焦点付近に維持されるように、インク液面保持プレート
83に形成された開口部85にインク66の自由表面6
8が保持されている。
【0013】このように構成される音響インクジェット
ヘッド50は、駆動電極54、対向電極58にRF駆動
電圧を与えることにより、圧電素子56の局部的な振動
により音響波60が発生する。音響波60は固定基板5
2を通って音響フレネルレンズ62に伝播する。音響フ
レネルレンズ62によって、音響波60がインク66の
自由表面68(液/空気境界面)で集束され、インク液
滴70を飛翔させる。音響インクジェットヘッド50
は、電極54、58に印可される駆動電圧の振幅、周波
数、パルス時間を変調させることによって、音響フレネ
ルレンズ62毎に空間的に隔てて制御可能となる。
【0014】
【発明が解決すべき課題】上記製造方法で製造された音
響インクジェットヘッドには、以下の問題点がある。
【0015】音響インクジェットヘッド50は、圧電素
子56から発生した音響波をできるだけ減衰させずに音
響フレネルレンズ62で集束させること、つまり、圧電
素子56から発生した音響エネルギを効率よく伝播し、
自由表面68に集束させ、自由表面68からインク液滴
70を飛翔させることが求められている。このように構
成することによって、駆動エネルギの低減、レンズの微
細化等につながり、音響インクジェットの高性能化、作
製コスト低減などにメリットが大きいからである。
【0016】しかしながら、上記音響インクジェットヘ
ッドでは、固定基板52と音響フレネルレンズ62の界
面Fで音響インピーダンスの違いからエネルギの損失を
生じる。すなわち、固定基板52上にフレネルレンズ形
成材料である音響的に平坦な物質(例えばa-シリコン)
74を着膜し、音響フレネルレンズ62を形成している
ため、圧電素子56から照射される音響波60は、固定
基板52と音響フレネルレンズ62との界面Fで減衰さ
れてしまうという問題があった。
【0017】また、音響フレネルレンズの製造工程にお
いて、複数のエッチングを行なった後フォトレジストマ
スクを形成する場合(例えば、図17(E)の場合)に
は、深い段差部分にもマスクを形成しなくてはならず、
その段差(深さ)によって精度良くマスクが形成されな
いという不都合があった。例えば、3回目のフォトレジ
ストマスク80を形成する場合には、図19(A)に示
すように、音響フレネルレンズの性能上の要求により段
差が2μm程度と大きくなるため、段差部分において露
光不足によるフォトレジストの残渣84、あるいは段差
部分でマスク層が薄くなったり全く付着しないマスク不
良部86が発生する。この状態でエッチングを行なう
と、残渣84の部分はエッチングされず、マスク不良部
86は反対に部分的にエッチングされるため、最終的に
形成される音響フレネルレンズに形状異常88や寸法ず
れが発生するおそれがあった。この結果、音響フレネル
レンズの性能劣化をもたらし、インク液滴70の飛翔安
定性に問題を生じさせるおそれがあった。
【0018】このような不都合を解決するために、音響
レンズと基板の間の音響波の伝搬効率を向上させる基板
および液滴噴射装置、ならびに基板上に精度良く音響フ
レネルレンズを製造できるフレネルレンズ付基板の製造
方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題解決するための手段】上記の課題を解決するため
に、請求項1記載の本発明は、音響波を集束する音響レ
ンズが表面を削って形成されていることを特徴とする。
【0020】請求項1記載の発明の作用について説明す
る。
【0021】基板が音響インクジェットのヘッド等に用
いられた場合、すなわち、基板の反対側から音響波が照
射されて基板内を伝搬して音響レンズに到達する場合
に、音響レンズが基板の表面を削って形成されているた
め、基板と音響レンズの間に界面がなく基板から音響レ
ンズに伝搬する音響波が減衰することを抑制できる。す
なわち、音響波のエネルギを効率的に伝搬することがで
きる。
【0022】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
発明において、前記音響レンズは音響フレネルレンズで
あることを特徴とする。
【0023】請求項2記載の発明の作用について説明す
る。
【0024】音響レンズが音響フレネルレンズであれ
ば、基板の表面に階段状に削るだけで良く、半導体製造
技術等の適用により基板上に音響レンズを容易に製造す
ることができる。
【0025】請求項3記載の本発明は、請求項1または
2記載の発明において、前記基板上に、前記音響波を発
生する圧電素子を設けたことを特徴とする。
【0026】請求項3記載の発明の作用について説明す
る。
【0027】基板上に圧電素子を設けることにより、圧
電素子から音響レンズまでの音響波の伝搬によるエネル
ギ損失(減衰、拡散など)を最小限にすることができ
る。
【0028】請求項4記載の本発明は、請求項3記載の
発明において、前記基板上に、前記圧電素子を制御する
制御回路を設けたことを特徴とする。
【0029】請求項4記載の発明の作用について説明す
る。
【0030】基板上に圧電素子を制御する制御回路を設
けることによって、生産コストが低減されると共に、駆
動・制御信号のロスが抑制されると共に、信頼性が向上
する。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項記載の発明において、前記基板は、シリコン
基板であることを特徴とする。
【0032】請求項5記載の発明の作用について説明す
る。
【0033】基板がシリコン基板であれば、加工性に優
れるため、製造が容易になる。
【0034】請求項6記載の発明は、液体の自由表面に
音響波を集束させて液滴を射出する液滴射出装置におい
て、自由表面を有する状態で液体を基板上に保持する液
体保持手段と、前記液体に接する前記基板の第1面に、
当該第1面を削って形成され前記音響波を集束する音響
レンズと、前記基板の第1面と反対側の第2面上に設け
られ前記音響波を発生する圧電素子と、を備えたことを
特徴とする。
【0035】請求項6記載の発明の作用について説明す
る。
【0036】圧電素子を駆動することによって発生した
音響波が基板内部を通過して、反対側の第1基板面に形
成された音響レンズを介して液体の自由表面に集束さ
れ、自由表面から液滴が吐出される。この際、音響レン
ズは、基板の第1基板面を削って形成されているため、
音響レンズと基板の間に界面はない。したがって、基板
から音響レンズに伝搬する間に音響波が減衰することを
抑制できる。したがって、圧電素子から液体の自由表面
に付与されるまでのエネルギ効率が向上する。
【0037】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、前記第2面に、前記圧電素子を制御する制
御回路が設けられていることを特徴とする。
【0038】請求項7記載の発明の作用について説明す
る。
【0039】基板上に圧電素子を制御する制御回路を設
けることによって、生産コストが低減されると共に、駆
動・制御信号のロスが抑制される。
【0040】請求項8記載の発明は、基板上に音響フレ
ネルレンズを形成する製造方法であって、基板上にマス
ク層を形成し、前記マスク層をエッチングして前記基板
の所定領域を露出させるという工程をN回(Nは2以上
の自然数)繰り返す第1工程と、前記基板の露出領域を
エッチングし、続いて最外層となる前記マスク層を1層
除去するという工程をN回(Nは2以上の自然数)繰り
返す第2工程と、を備えることを特徴とする。
【0041】請求項8記載の発明の作用について説明す
る。
【0042】複数の段差を有する階段形状の音響フレネ
ルレンズを基板にエッチングによって形成する場合、マ
スク層を基板上に形成し、基板の所定領域を露出させる
ようにマスク層をエッチングすることをN回繰り返すこ
とによって、複数のマスク層を基板上に積層できる。こ
の際、個々のマスク層の厚さはエッチング選択比などを
考慮することにより十分に薄くできるため、最外層のマ
スク層において基板まで到達する垂直部分でも、精度良
くマスク層を形成することができる。
【0043】この状態で、基板のエッチングを開始す
る。先ず、全てのマスク層がついた状態で基板のエッチ
ングを行ない1段目のステップを形成する。続いて、最
外層のマスク層を除去する。これをマスク層の数(N
回)だけ繰り返す。この結果、N+1段(N+1相)の
音響フレネルレンズを形成することができる。
【0044】このように基板をエッチングする前にマス
ク層を積層するためマスク層を精度良く形成することが
できる。この後、マスク層を一層ずつ除去しながらエッ
チングを行なうため、精度良く音響フレネルレンズを形
成することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
基板および基板の製造方法および基板が実装された音響
インクジェット記録装置について説明する。
【0046】固定基板10は、図1に示すように、一方
の面に音響フレネルレンズ22が形成されており、他方
の面に駆動電極24、対向電極28によって駆動される
圧電素子26を備える。
【0047】図2に示すように、固定基板10上に二次
元的に複数個の音響フレネルレンズ22が形成されてい
る。本実施形態では、一般的に高解像度といわれる60
0dpiを実現するために、100dpiのピッチで配列した
音響フレネルレンズ22を1/6ピッチずつずらして6
列配置している。
【0048】固定基板10の音響フレネルレンズ22と
反対側の面には、図3に示すように、縦方向に直列で繋
がれた駆動電極24と、横方向に直列で繋がれた対向電
極28とが交差する部位に圧電素子26が挟持されてい
る。すなわち、任意の駆動電極24、対向電極28にR
F駆動電圧を与えることで、所望の圧電素子26を振動
させることが可能となる。
【0049】次に、このように構成される固定基板10
の製造方法について説明する。
【0050】固定基板10は、シリコン、窒化シリコ
ン、溶融水晶、ガラスなどの材料から選択する。本実施
形態では加工性からシリコンを選択している。
【0051】先ず、固定基板(シリコン基板、以下Si基
板という場合がある)10上に酸化膜からなる第1マス
ク層12を着膜し、フォトリソグラフィ工程によって第
1マスク層12上にフォトレジスト14を形成する(図
4参照)。続いて、フォトレジスト14をマスクにして
第1マスク層12をエッチングして固定基板10の第1
領域10Aを露出させる(図5参照)。エッチングはフ
ッ酸系のウェットエッチング、あるいはガスを使ったド
ライエッチングのどちらでもかまわない。
【0052】次に、エッチング終了後、フォトレジスト
14を除去した(図6参照)後、固定基板10および第
1マスク層12上にアルミニウムからなる第2マスク層
16を着膜する(図7参照)。さらに、第2マスク層1
6上にフォトリソグラフィ工程によってフォトレジスト
18を形成する(図8参照)。次にフォトレジスト18
をマスクにして第2マスク層16をエッチングして固定
基板10の第1領域の一部(以下、第2領域という)1
0Bを露出させる(図9参照)。エッチングはリン酸系
のウェットエッチング、あるいはガスを使ったドライエ
ッチングのどちらでもかまわない。
【0053】さらに、フォトレジスト18を第2マスク
層16上から除去した後、第2領域の一部をマスクする
ようにフォトリソグラフィ工程によって第3マスク層
(フォトレジスト)20を形成する(図10参照)。し
たがって、固定基板10は、第2領域の一部(以下、第
3領域10Cという)が露出されている。
【0054】このようにして、マスク層12、16、2
0を3段に積層しておく。
【0055】次に、第3マスク層20をマスクにして固
定基板10(第3領域10C)をエッチングし、第1段
目のステップS1を形成する(図11参照)。エッチン
グはエッチング異方性に優れているガスを使ったドライ
エッチングが望ましく、ICP(Inductively Coupled Pla
sma; 誘導結合型プラズマ)エッチングが好適である。
【0056】続いて、第3マスク層20を第2マスク層
16上から除去したのち、第2マスク層16をマスクに
して固定基板10(第2領域10B)をエッチングし
て、第2段目のステップS2を形成する。(図12参
照) 最後に、リン酸を用いてウェット法で第2マスク層(ア
ルミニウム)16を第1マスク層(酸化膜)12上から
除去し、第1マスク層12をマスクにして固定基板10
をエッチングして3段目のステップS3を形成した後、
第1マスク層(酸化膜)12をフッ酸でウェット法によ
り除去する。このようにして、エッチングによって基板
10に4段(4相)の音響フレネルレンズ22が形成さ
れる(図13参照)。
【0057】このように、先ず第1〜第3マスク層1
2、16、20を積層し、その後でエッチングを行なっ
て音響フレネルレンズ22を形成することにより、第1
〜第3マスク層12、16、20を精度良く形成するこ
とができる。例えば、第3マスク層20は、第1マスク
層12、第2マスク層16上に積層されているが、マス
ク層の厚さはエッチング選択比を適切に選択することに
よって十分に薄くできる(1.0μm程度)ため、第3
マスク層20において基板10まで垂直に形成される垂
直部20Aも音響フレネルレンズの段差の影響を受けず
に精度良く形成することができる。このように、精度良
く形成されたマスク層12、16、20をマスクにして
基板10のエッチングを行なうため、音響フレネルレン
ズ22を精度良く製造することができる。
【0058】一方、従来例のように、マスク層を基板上
に一回形成するごとにエッチングを行ない、マスク層を
除去して新たなマスク層を形成することを繰り返すと、
音響レンズの性能上、段差が2μm程度となるため、段
差が多くなるに従って上述の垂直部が精度良く形成でき
ないおそれが大きくなる。したがって、製品の歩留まり
が低下する。
【0059】なお、本実施形態では、固定(Si)基板1
0のエッチングマスクとして、第1〜第3マスク層1
2、16、20にそれぞれ酸化膜、アルミニウム、レジ
ストを使用した。それぞれのマスク層の材料選択基準
は、固定基板10に対するエッチング選択比が大きくと
れること、上に積層されたマスク層が除去されるときに
下側のマスク層においてエッチングが進行しないように
上下のマスク層のエッチング選択比を大きくとれること
である。マスク層と固定基板、あるいはマスク層相互の
エッチング選択比を適切に選択することによって、積層
されるマスク層の厚さを一層薄くすることができる。こ
れによって、マスク層の形成精度、すなわち、音響フレ
ネルレンズの製造精度を一層向上させることができる。
【0060】なお、本実施形態は、4相の音響フレネル
レンズの作製方法を明示しているが、5相以上のフレネ
ルレンズを作製する場合も同様である 次に、固定基板10の音響フレネルレンズ22が形成さ
れた面と反対側の面に、個々にアドレス可能な駆動電極
24を着膜しフォトリソグラフィ工程によってパターニ
ングする(図1、3参照)。このとき、駆動電極24
は、圧電素子26の振動を固定基板10に伝えるため薄
い膜が望ましいが、アルミニウム(Al)をそのまま使用
してもよい。例えば、Ti-Taを厚さ100nm形成し、引
き出し線としてAl配線を1μm着膜しパターニングして
形成する2層構造、あるいはそれ以上多層で形成しても
よい。
【0061】次に、圧電素子26を形成する。圧電素子
膜としてはPZT、LiNbNO3、ZnOなどを使用する。本発明
ではZnO膜を厚さ20μm形成する。
【0062】次に、対向電極28を形成する。駆動電極
24と同様にアルミニウム(Al)をそのまま配線しても
良いし、例えば、Ti-Taを厚さ100nm形成し、引き出
し線としてAl配線を1μm着膜しパターニングして形成
する2層構造、あるいはそれ以上多層で形成してもよい
(図1参照)。
【0063】このようにして圧電素子26や音響フレネ
ルレンズ22が設けられた固定基板10を用いて構成さ
れる音響インクジェットヘッドおよびこれを備えた音響
インクジェット記録装置について説明する。
【0064】本実施形態に係る音響インクジェットヘッ
ド30は、図14に示すように、固定基板10の音響フ
レネルレンズ22側にインク32を保持し、インク液面
保持プレート34の開口部36によって音響フレネルレ
ンズ22の焦点にインク32の自由表面38を保持して
いる。
【0065】したがって、図示しない制御手段によって
駆動電極24、対向電極28にRF駆動電圧を印可する
と、圧電素子26が振動して音響波40を発生する。音
響波40は、固定基板10を透過して音響フレネルレン
ズ22で音響ビーム42となって自由表面38で集束
し、インク32の自由表面38からインク液滴44を飛
翔させる。この場合、固定基板10に音響フレネルレン
ズ22が直接形成されているため、音響波40が固定基
板10から音響フレネルレンズ22に伝搬する際の減衰
・反射が抑制される。また、レンズの作製精度も高いた
め、RF駆動電圧を印可した所望の駆動電極24に対応
した音響フレネルレンズ22に音響波40(エネルギ)
が効率よく伝播、集束される。したがって、より少ない
駆動エネルギで安定的にインク液滴を飛翔させることが
可能である。
【0066】なお、固定基板10にシリコン基板を用い
た場合には加工性に優れるため、圧電素子26側に論理
・駆動回路43(図2、ニ点鎖線部参照)を実装でき、
駆動信号、制御信号のロスを抑えられると共に信頼性を
向上させることができ、生産コストも低減させることが
できる。
【0067】以上のように作製された音響インクジェッ
トヘッド30は、プリントヘッドとして音響インクジェ
ット記録装置45に装填される。すなわち、ガイドシャ
フト46に沿って主走査方向に走査されることにより、
用紙48に向かってインク液滴を吐出し、画像形成を行
なうことができる。
【0068】なお、本実施形態では吐出される液体をイ
ンクとしたが、これに限定されるものではない。
【0069】
【発明の効果】本発明の基板は、固定基板上の上面に音
響レンズを直接削って形成するため、基板を透過して音
響波が音響レンズに到達する場合、音響レンズと基板の
間に界面が存在せず、音響波の減衰が抑制される。した
がって、エネルギ伝達効率が向上し、少ない駆動エネル
ギで液滴を吐出することができる。音響レンズが音響フ
レネルレンズであれば、基板における形成が一層容易に
なる。また、圧電素子を基板に設けてあれば、音響波の
エネルギ伝達効率が一層向上する。さらに基板に制御・
駆動回路を設ければ、信頼性が向上して生産コストが低
減される。また、基板がシリコン基板であれば、音響レ
ンズの形成が容易になる。
【0070】このような基板を備えた液滴噴射装置は、
より小さな駆動エネルギで液滴を吐出することができ
る。また、本発明のフレネルレンズ付基板の製造方法に
よれば、基板上に複数のマスク層を積層した後、エッチ
ングを行なうため、音響フレネルレンズの段差に影響を
受けずにマスク層を精度良く形成することができる。し
たがって、音響フレネルレンズを精度良く形成できる。
この結果、基板の歩留まりが向上し、生産コストを低減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る圧電素子が形成さ
れた基板を示す断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る基板の音響フレネ
ルレンズ側を示す平面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る基板の圧電素子側
を示す平面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フレ
ネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フレ
ネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フレ
ネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フレ
ネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フレ
ネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図9】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フレ
ネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図10】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フ
レネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図11】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フ
レネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図12】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フ
レネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図13】 本発明の一実施形態に係る基板上に音響フ
レネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図14】 本発明の一実施形態に係る音響インクジェ
ットヘッドを示す断面図である。
【図15】 本発明の一実施形態に係る音響インクジェ
ット記録装置を示す概略斜視図である。
【図16】 音響インクジェット方式の原理説明図であ
る。
【図17】 (A)〜(F)は、従来例に係る基板上に
音響フレネルレンズを製造する方法を示す図である。
【図18】 従来例に係る音響インクジェットヘッドを
示す断面図である。
【図19】 (A)は、従来例に係る音響フレネルレン
ズ製造工程におけるマスク形成状態を示す説明図であ
り、(B)は上記マスクによって形成された音響フレネ
ルレンズの部分を示す図である。
【符号の説明】
10…固定基板 12…第1マスク層 16…第2マスク層 20…第3マスク層 22…音響フレネルレンズ 26…圧電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 秀一 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 三原 顕 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 池田 宏 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 近藤 義尚 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 井上 七穂 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 森田 直己 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 2C057 AF52 AF93 AG44 AG62 AG83 AK07 AN01 AP31 BA04 BA14 BA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響波を集束する音響レンズが表面を削
    って形成されていることを特徴とする基板。
  2. 【請求項2】 前記音響レンズは音響フレネルレンズで
    あることを特徴とする請求項1記載の基板。
  3. 【請求項3】 前記基板上に、前記音響波を発生する圧
    電素子を設けたことを特徴とする請求項1または2記載
    の基板。
  4. 【請求項4】 前記基板上に、前記圧電素子を制御する
    制御回路を設けたことを特徴とする請求項3記載の基
    板。
  5. 【請求項5】 前記基板は、シリコン基板であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の基板。
  6. 【請求項6】 液体の自由表面に音響波を集束させて液
    滴を射出する液滴射出装置において、 自由表面を有する状態で液体を基板上に保持する液体保
    持手段と、 前記液体に接する前記基板の第1面に、当該第1面を削
    って形成され前記音響波を集束する音響レンズと、 前記基板の第1面と反対側の第2面上に設けられ前記音
    響波を発生する圧電素子と、を備えたことを特徴とする
    液滴噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記第2面に、前記圧電素子を制御する
    制御回路が設けられていることを特徴とする請求項6記
    載の液滴噴射装置。
  8. 【請求項8】 基板上に音響フレネルレンズを形成する
    製造方法であって、 基板上にマスク層を形成し、前記マスク層をエッチング
    して前記基板の所定領域を露出させるという工程をN回
    (Nは2以上の自然数)繰り返す第1工程と、 前記基板の露出領域をエッチングし、続いて最外層とな
    る前記マスク層を1層除去するという工程をN回(Nは
    2以上の自然数)繰り返す第2工程と、 を備えることを特徴とするフレネルレンズ付基板の製造
    方法。
JP2000245623A 2000-08-14 2000-08-14 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法 Pending JP2002052703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000245623A JP2002052703A (ja) 2000-08-14 2000-08-14 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000245623A JP2002052703A (ja) 2000-08-14 2000-08-14 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002052703A true JP2002052703A (ja) 2002-02-19

Family

ID=18736111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000245623A Pending JP2002052703A (ja) 2000-08-14 2000-08-14 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002052703A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2511570B2 (ja) 音響放射体
KR100471793B1 (ko) 잉크제트기록장치와그제조방법
EP2701217A1 (en) Piezoelectric actuator and ink-jet head provided with same
JP2008254206A (ja) 圧電素子製造方法及び液体吐出ヘッド製造方法
JP3805756B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3413048B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2939504B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2965513B2 (ja) 記録素子および記録装置
WO2001072520A1 (fr) Tete a jet d'encre a buses multiples et son procede de fabrication
JP2002052703A (ja) 基板および液滴噴射装置並びにフレネルレンズ付基板の製造方法
JP2010179622A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、および液体噴射ヘッドの製造方法
JP3519535B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2004209740A (ja) 液体吐出ヘッド
JP2006062148A (ja) シリコン構造体製造方法、モールド金型製造方法、シリコン構造体、インクジェット記録ヘッド、画像形成装置、及び、半導体装置
JP2002316409A (ja) 音響波集束体および音響インクジェット記録装置
JP2002210950A (ja) 音響波集束体および音響インクジェット記録装置
JPH07266552A (ja) インクジェットヘッド及び記録方法
JPH09226111A (ja) 記録方法および記録装置
JP3469036B2 (ja) インクジェット記録装置
CN118046681A (zh) 集成电路控制的声学液滴喷射方法、装置及其制造方法
JPH09150502A (ja) 液滴噴射装置
JP2008093918A (ja) 液滴吐出ヘッド
JPH11235825A (ja) 記録ヘッド
JP2001301155A (ja) 音響インクジェット記録ヘッドおよび音響インクジェット記録装置
JP2005144917A (ja) 液体吐出ヘッドおよびその製造方法