JP2002316034A - 乳化分散剤 - Google Patents

乳化分散剤

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JP2002316034A JP2001121843A JP2001121843A JP2002316034A JP 2002316034 A JP2002316034 A JP 2002316034A JP 2001121843 A JP2001121843 A JP 2001121843A JP 2001121843 A JP2001121843 A JP 2001121843A JP 2002316034 A JP2002316034 A JP 2002316034A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量でもロジン系物質を水中によく分散させ
ることができ、ロジン系物質の化学構造や分子量等を工
夫しないでも、乾燥時等に固形分の溶融性がよくなるよ
うなロジン系エマルション用の乳化分散剤を提供する。 【解決手段】 1/T=W1 /T1 +W2 /T2 ・・・
n /Tn (T:共重合体のガラス転移温度、Wn :共
重合体の各成分に対応する各モノマーの全モノマーに対
する重量分率、Tn :共重合体の各成分に対応する各モ
ノマーのホモポリマーのガラス転移温度)において、T
が0〜80℃となる共重合体を含有する乳化分散剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化分散剤に係わり、
詳しくはガラス転移温度が0〜80℃である共重合体を
含有する乳化分散剤に関する。
【0002】乳化分散剤は種々の疎水性物質を水中に乳
化分散させるために使用され、これによる水性エマルシ
ョンは塗料、接着剤、表面加工剤、ラテックス、粘着剤
及びサイズ剤等として多くの用途で実用に供されてお
り、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等
のアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル
等の非イオン性界面活性剤がこれらを得るために乳化分
散剤として用いられることが知られている。ところが、
乳化分散剤は水系エマルション製品を製造したり、使用
するまで保存したりするには分散安定性を保持すること
が不可欠であるが、それら水系エマルション製品が、例
えば塗布されたり、印刷されたり、あるいは接着剤や粘
着剤などとして使用された後には、上記乳化分散剤は不
要であり、むしろ塗膜、印刷膜、接着皮膜や塗布面、印
刷面などに悪影響を及ぼし、耐水性、耐油性等の性能を
損ねることが少なくない。これら塗膜等への性能の悪影
響に対する対策として、乳化分散剤の配合量を少なくす
ることのほかに、乳化分散剤を構成する化合物を高分子
量化するなどのことが検討されており、具体的には特開
昭61−108796公報に開示されているように高分
子乳化分散剤などの技術が開発されている。また、乳化
分散剤の乳化する機能を有する成分は水系エマルション
粒子表面に存在し易く、乳化分散剤の組成を検討するこ
とにより水性エマルションの性能を改善する技術が特開
平10−245795公報に開示されている。しかし、
これらの技術は水系エマルションの定着性能の向上や発
泡性の低減などを図ったものであり、上記した乳化剤の
悪影響そのものは解消されないか、あるいはその改善の
効果が十分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】乳化分散剤の塗膜等へ
の悪影響を回避するには、具体的には、例えば接着剤、
製紙用サイズ剤、塗料・インク用改質剤などの水性エマ
ルション製品は、接着、にじみ止め、塗膜の形成等、各
々の用途に応じた性能を発揮するためには、エマルショ
ン粒子内部の被乳化分散物質成分が接着面、パルプ繊維
表面、塗装・印刷面で均一に広がる必要があり、そのた
めには乾燥させたり熱を加えることによりエマルション
粒子を壊し被乳化分散物質成分を流動化させる必要があ
ることから、各々製品の性能は被乳化分散物質のひろが
りやすさの影響を大きく受けると考えられ、従来、その
性能を向上させる方法として被乳化分散物質の分子構造
や分子量を変えたり、添加物等によって被乳化分散物質
の軟化点、粘度を下げる方法がとられてきた。しかしな
がら、被乳化分散物質の物質構造や分子量の変更がその
使用目的の性能の点から軟化点を下げることと両立しな
い場合はその組成を変更することができず、また、被乳
化分散物質に添加物を加える場合には添加物の悪影響
や、主要成分の被乳化分散物質の有効分を減少させるこ
とに伴う性能低下の問題を避けることができない。それ
のみならず、軟化点の低下、流動性の上昇は、機械的せ
ん断力が加わった際エマルション粒子が変形、破壊され
やすく、また、エマルション同士が接触した際融着しや
すくなる傾向があり、保存安定性や、機械的安定性に問
題があった。具体的には、例えば、特開平07−119
076号公報、特開平07−119077号公報、特開
平07−189174号公報に開示されているエマルシ
ョンサイズ剤は、製紙業界では生産性向上のため抄紙機
はより高速化され、その結果として比較的急速に乾燥さ
れる場合が多く、従来のサイズ剤では紙に十分なサイズ
度が付与されないというこれら出願時の実状に鑑み、被
乳化分散物質としてのロジン系物質に脂肪酸類などの低
軟化点の疎水性物質を混合し軟化点を下げることにより
低温条件での溶融性を向上させ、パルプ表面へのひろが
りの性能向上を図っているが、広範囲のpH領域におい
て十分に紙にサイズ度を付与した紙が得られない傾向が
あり、また、機械的剪断力をうけた際の安定性や硬水希
釈時の安定性、および抄紙工程での発泡が多いという問
題がある。
【0004】本発明の第1の目的は、被乳化分散物質を
水中に良好に分散させることができる乳化分散性を有す
る乳化分散剤を提供することにある。本発明の第2の目
的は、少量の乳化分散剤の使用量でも水性エマルション
の安定性を向上させることができる乳化分散剤を提供す
ることにある。本発明の第3の目的は、被乳化分散物質
の化学構造変更、分子量低減、低軟化点の疎水性物質の
混合等による軟化点低下等の方法を用いずに水性エマル
ションの固形分の溶融性を向上できる乳化分散剤を提供
することにある。本発明の第4の目的は、サイズ性能が
優れ、機械的安定性や保存安定性、硬水希釈安定性に優
れ抄紙工程での発泡が少ない水性エマルションが得られ
る乳化分散剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、疎水性物質の水
系エマルションの性能が乳化分散剤の成分の共重合体の
ガラス転移温度に大きく影響することを見出し、本発明
を完成するに至った。したがって、本発明は、(1)、
下記式(1)に従って、共重合体のガラス転移温度T
(K)に対応するガラス転移温度が0〜80℃となるよ
うに複数のモノマーが選択されて該複数のモノマーの共
重合により得られる共重合体を含有する乳化分散剤を提
供するものである。 1/T=W1 /T1 +W2 /T2 +・・・+Wn /Tn (1) (式中、Tは共重合体のガラス転移温度(K)、T1
2 、・・・Tn は共重合体を構成する各モノマーのホ
モポリマーのガラス転移温度(K)、W1 、W2、・・
・Wn はT1 、T2 、・・・Tn に順次対応する共重合
体を構成する各モノマーの全モノマーに対する重量分率
(W1 +W2 +・・・+Wn =1)を表わす。) また、本発明は、(2)、共重合体がスチレン系モノマ
ー(a)と、ガラス転移温度が高くても0℃であるホモ
ポリマーを構成することができるモノマーである(メ
タ)アクリル酸エステル系モノマー(b)と、(メタ)
アクリル酸及び/又はその塩のモノマー(c)と、上記
(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(b)以外の
(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(d)をモノマ
ー構成に有するモノマーを共重合させて得られる共重合
体及び/又はその中和物である上記(1)の乳化分散
剤、(3)、モノマーを2,4−ジフェニル−4−メチ
ル−1−ペンテン(e)及びアルキルメルカプタン
(f)の存在下に共重合させて共重合体及び/又はその
中和物を得る上記(1)又は(2)の乳化分散剤、
(4)、ロジン系物質の乳化に用いる上記(1)ないし
(3)のいずれかの乳化分散剤を提供するものである。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明記
載のガラス転移温度(Tg)とは、例えば文献(大津隆
行著、化学同人発行、「改訂高分子合成の化学」p1
2)に記載のように、加熱融解した高分子を冷却した
際、高分子がガラス状固体となる温度のことであり、高
分子の温度変化に対する比容積、弾性、膨張係数、比
熱、屈折率の変化を測定することによって求められる。
一般的に、ガラス転移温度より高温では高分子鎖が運動
することができるが、ガラス転移温度より低温では高分
子鎖の運動ができないという特徴があるため、高分子の
熱的性質を表すパラメータとして用いられる。ホモポリ
マーのガラス転移温度についてはPOLYMER HA
NDBOOK THIRD EDITION(J.BR
ANDRUP、E.H.IMMERGUT編、出版:A
WILEY−INTERSCIENCE PUBLIC
ATION)等の文献に公開されている。ここで、請求
項1記載の式(1)とは、共重合体のガラス転移温度
と、共重合体を構成するモノマー成分比の関係を表す式
であって、Gordon−Taylorの式と呼ばれ、
例えば文献(T.G.Fox,Bulletin A
m.Physics Sci.,1(3),123(1
956))等に記載されている。即ち、式(1)によ
り、共重合体のモノマー組成および共重合体を構成する
各モノマー各々をホモポリマーとした場合のガラス転移
温度から共重合体のガラス転移温度を計算できる。本発
明において、式(1)から算出される共重合体のガラス
転移温度が0℃未満の場合、水系エマルションは機械的
安定性が悪い傾向にある。式(1)から算出される共重
合体のガラス転移温度が80℃より高い場合は、溶融性
が悪く、得られた水性エマルションの性能も悪い傾向で
ある。
【0007】本発明における乳化分散剤は、上記式
(1)に従って複数のモノマーが選択され、この複数の
モノマーの共重合により得られる共重合体を含有し、該
共重合体を構成するモノマーとして酸基及び/又は塩基
性基を含むものを使用した場合はそれぞれ一部又は全部
を中和したものの共重合体も挙げられる。
【0008】上記共重合体を形成するモノマーの種類は
特に制限されないが、好ましくはスチレン系モノマー
(a)、ガラス転移温度が0℃以下であるホモポリマー
を構成することができる(メタ)アクリル酸エステル系
モノマー(b)および(メタ)アクリル酸及び/又はそ
の塩のモノマー(c)の3種、あるいは上記(a)〜
(c)に、上記(b)のモノマー以外の(メタ)アクリ
ル酸エステル系モノマー(d)を加えた4種のモノマー
の併用が好ましい。
【0009】上記乳化分散剤が含有する共重合体及び/
又はその中和物を構成するモノマーのうち、スチレン系
モノマー(a)としてスチレン(ホモポリマーのガラス
転移温度100℃、以下、モノマーの括弧内は同様のガ
ラス転移温度を示す)、α−メチルスチレン(168
℃)、ビニルトルエン、及びジビニルベンゼン等のスチ
レン類が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上が用
いられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。
【0010】上記乳化分散剤が含有する共重合体及び/
又はその中和物を構成するモノマーのうち、ガラス転移
温度が0℃以下であるホモポリマーを構成することがで
きる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(b)とし
ては、具体的にはPOLYMER HANDBOOK
THIRD EDITION(J.BRANDRUP、
E.H.IMMERGUT編、出版:AWILEY−I
NTERSCIENCE PUBLICATION)に
記載のエチルアクリレート(−24℃)、n−プロピル
アクリレート(−37℃)、イソプロピルアクリレート
(−5℃)、n−ブチルアクリレート(−45.4
℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、ヘキシル
アクリレート(−57℃)、ヘプチルアクリレート(−
60℃)、オクチルアクリレート(−65℃)、エチル
ヘキシルアクリレート(−55.3℃)、ノニルアクリ
レート(−58℃)、ドデシルアクリレート(−3
℃)、メチルブチルアクリレート(−32℃)、ジメチ
ルブチルアクリレート(−15℃)等のアクリル酸エス
テル系モノマー、ペンチルメタアクリレート(−5
℃)、ヘキシルメタアクリレート(−5℃)、オクチル
メタアクリレート(−70℃)、エチルヘキシルメタア
クリレート(−10℃)、デシルメタアクリレート(−
70℃)、ドデシルメタアクリレート(−65℃)等の
メタクリル酸エステル系モノマーが挙げられ、これらの
1種もしくは2種以上が用いられる。これらの内、ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルヘキ
シルアクリレート、エチルヘキシルメタアクリレートが
好ましい。これらのそれぞれのモノマーのホモポリマー
のガラス転移温度は0〜−70℃であり、ホモポリマー
のガラス転移温度が0〜−60℃になるモノマーが好ま
しい。
【0011】上記乳化分散剤が含有する共重合体及び/
又はその中和物を構成するモノマーのうち、(メタ)ア
クリル酸及び/又はその塩のモノマー(c)は、アクリ
ル酸(86.6℃)、メタクリル酸(143.5℃)及
びこれらを塩基性物質で中和して得られる塩の少なくと
も1種が挙げられ、塩基性物質としては例えば、ナトリ
ウム、カリウム、アンモニウム、メチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が用いられる。これらのうち、メタクリル酸
及び/又はこのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩、モノエタノールアミン塩が好ましい。
【0012】上記乳化分散剤が含有する共重合体及び/
又はその中和物を構成するモノマーとして、上記(b)
のモノマー以外の(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
ー(d)を使用してもよく、この(d)のモノマーとし
ては、メチルアクリレート(8℃)、t−ブチルアクリ
レート(107℃)、シクロヘキシルアクリレート(1
9℃)、ベンジルアクリレート(6℃)等のアクリル酸
エステル系モノマー、メチルメタクリレート(104.
2℃)、エチルメタクリレート(65℃)、プロピルメ
タクリレート(35℃)、n−ブチルメタクリレート
(20℃)、i−ブチルメタクリレート(60℃)、t
−ブチルメタクリレート(118℃)、シクロヘキシル
メタクリレート(83℃)、ベンジルメタクリレート
(54℃)等のメタクリル酸エステル系モノマーが挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。こ
れらのうち、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、ノルマルブチルメタクリレート、イソブチルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレートが好ましい。
【0013】本発明では、乳化分散剤が含有する共重合
体及び/又はその中和物を構成するモノマーとして、上
記(a)〜(c)、(a)〜(d)と共重合可能なその
他のモノマーを共重合体のガラス転移温度が0〜80℃
となる範囲で併用できる。このようなモノマーとして
は、マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸の
ジアルキルエステル類、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル類等の疎水性モノマー、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラ
コン酸等のα,β−不飽和カルボン酸類、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロ
ピル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フ
マル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モ
ノブチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノプロピル及びイタコン酸モノブチル
等のα,β−不飽和ジカルボン酸半エステル類等のカル
ボキシル基含有モノマー、ビニルスルホン酸、(メタ)
アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸及びスルホン化スチレン等のスルホン
酸基含有モノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートのリン酸エステル等のリン酸エステル基含有モノ
マー等及びこれらのアルカリ化合物による塩等のアニオ
ン性モノマー、(モノ−又はジ−アルキル)アミノアル
キル(メタ)アクリレート、(モノ−又はジ−アルキ
ル)アミノヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレー
ト、(モノ−又はジ−アルキル)アミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール及びジアリルアミン等のカチオン性モノマー、(メ
タ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド
及びビニルピロリドン等のノニオン性モノマーが挙げら
れる。その使用量は、例えばロジン系物質の水性エマル
ション組成物の場合には、サイズ剤としてそのサイズ効
果を低下させない範囲であればよく、具体的には通常全
モノマーの10重量%以下(多くても10重量%、以下
同様)、好ましくは多くても5重量%である。
【0014】上記(a)〜(d)成分は、(a)成分が
10〜60重量%、(b)成分が20〜70重量%、
(c)成分が20〜60重量%及び(d)成分が10重
量%以下であることが好ましく、より好ましくは(d)
成分は5重量%以下である。(d)成分を使用しないと
きは、(a)成分が10〜60重量%、(b)成分が2
0〜70重量%、(c)成分が20〜60重量%が好ま
しい。なお、重量%は重量部としてもよい。
【0015】2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペ
ンテン(e)あるいはアルキルメルカプタン(f)の存
在下にモノマーを共重合させると、共重合体及び/又は
その中和物を生成する際の分子量を制御することが容易
であることは公知であるが、これらの連鎖移動剤を併用
することにより、本発明においては得られた共重合体及
び/又はその中和物を含有する乳化分散剤を使用するこ
とにより、疎水性物質を水中に乳化、分散させた場合、
粒子の微細なエマルション製造がより一層良く可能とな
り、経時的な沈降、クリーミング、凝集、分離がより一
層生じ難い水系エマルション組成物が得られる。上記の
アルキルメルカプタン(f)としては、n−オクチルメ
ルカプタン、ターシャリードデシルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタ
ン、n−ヘキサデシルメルカプタン等が挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が用いられる。特に、n−ド
デシルメルカプタン、ターシャリードデシルメルカプタ
ンが好ましい。上記乳化分散剤が含有する共重合体及び
/又はその中和物の合成に際しては、上記(e)成分、
(f)成分以外の連鎖移動剤を併用することも可能であ
る。例えば、チオグリコール酸誘導体、メルカプトプロ
ピオン酸誘導体、メルカプトエタノール、チオリンゴ
酸、及びチオサリチル酸等のメルカプタン誘導体等が挙
げられる。上記(a)〜(d)又は上記(a)〜(c)
成分の合計の重量に対し(e)成分を0.1〜3重量
%、(f)成分を0.1〜3重量%使用することが好ま
しい。
【0016】上記乳化分散剤が含有する共重合体及び/
又はその中和物を製造するにあたってその重合方法は、
乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合のいずれの方
法でも良いが乳化重合が好ましい。乳化重合用の乳化剤
としては、公知の界面活性剤を使用することができる。
その界面活性剤としては、通常、乳化重合に適用できる
ものが使用可能であり、ノニオン性、アニオン性及び両
性の界面活性剤が挙げられるが、重合性基を有する界面
活性剤も使用できる。この界面活性剤は1種単独で使用
することもできるし、また、2種以上でも使用できる。
【0017】上記ノニオン性界面活性剤としては、例え
ばポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアル
キレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキ
シエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂
肪酸ジエタノールアミド、及びポリオキシプロピレンポ
リオキシエチレングリコール等が挙げられる。これらの
ノニオン性界面活性剤の1種を単独で使用することもで
きるし、また、2種以上を併用することもできる。
【0018】上記アニオン性界面活性剤としては、ポリ
オキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シアルキレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキ
シアルキレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシ
アルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレン
脂肪酸エステル等の化合物のリン酸エステル塩、スルホ
ン酸塩、コハク酸エステル塩及びスルホコハク酸エステ
ル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物塩、アルケニルコハク酸塩、ロ
ジン塩、強化ロジン塩及びヘキシルジフェニルエーテル
ジスルホン酸、デシルジフェニルエーテルジスルホン
酸、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸及びヘキ
サデシルジフェニルエーテルジスルホン酸等のアルキル
ジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物及びこれらの
化合物の塩を挙げることができる。その塩としては、ナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩等を例示できる。これらのアニオン性
界面活性剤の1種を単独で使用することもできるし、ま
た、2種以上を併用することもできる。
【0019】上記両性界面活性剤としては、アニオン性
基とカチオン性基とを有する界面活性剤及びこれらにお
いてアニオン性基がナトリウム塩等のアルカリ金属塩又
はアミン塩になっているもの等を挙げることができる。
これらは1種単独で使用することもでき、又、2種以上
を使用することもできる。上記重合性基を有する界面活
性剤としては、一般に反応性乳化剤と称され、分子中に
疎水基、親水基及び重合性基を有する化合物を挙げるこ
とができる。この重合性基としては、例えば、(メタ)
アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペ
ニル基、イソプロペニル基、ビニル基、(メタ)アクリ
ロイル基等の炭素−炭素二重結合を有する官能基を含む
重合性基が挙げられる。この重合性基を有する界面活性
剤としては、通常乳化重合に適用できるものが使用可能
であり、特に限定されるものではないが、具体例として
分子中に前記重合性基を一つ以上有する、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアラ
ルキルエーテル及びポリオキシアルキレンフェニルエー
テル等の重合性基含有ポリオキシアルキレンエーテル系
化合物、ポリオキシアルキレンモノスチリルフェニルエ
ーテル及びポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエ
ーテル等のポリオキシアルキレンスチリルフェニルエー
テル系化合物を挙げることができる。その他に、これら
の重合性基含有ポリオキシアルキレンエーテル系化合物
及び前記ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテ
ル系化合物から誘導されるスルホン酸塩、硫酸エステル
塩、リン酸エステル塩及びスルホコハク酸エステル塩、
前記重合性基含有ポリオキシアルキレンエーテル化合物
から誘導される脂肪族カルボン酸塩及び芳香族カルボン
酸塩、酸性リン酸(メタ)アクリル酸エステル系化合
物、及びロジン−グリシジル(メタ)アクリレート系化
合物等を例示できる。これらの界面活性剤は1種単独で
使用することもできるし、また、その2種以上を使用す
ることもできる。
【0020】上記乳化分散剤が含有する共重合体及び/
又はその中和物の合成に際して、溶媒としては、水及び
トルエン、ヘキサン、ベンゼン、イソプロピルアルコー
ル、エタノール、アセトン等の有機溶剤が挙げられる。
また、その重合にあたって使用する重合開始剤として
は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナ
トリウムなどの過硫酸塩、ターシャリーブチルハイドロ
パーオキサイド等の過酸化物、これらの過硫酸塩又は過
酸化物と還元剤の組合せによるレドックス系重合触媒、
及び2,2 '−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2
'−アゾビス−2−メチルプロピオナミジンジヒドロク
ロリド等のアゾ系触媒等を挙げることができるが、特に
これらに限定されることはなく、他の公知慣用の重合開
始剤も使用できる。これらの重合開始剤は、1種単独で
使用することもできるし、また、その2種以上を使用す
ることもできる。
【0021】上記重合開始剤の使用量は、上記乳化分散
剤が含有する共重合体及び/又はその中和物の合成の際
に使用するモノマーの合計量に対して、通常0 .01〜
5モル%である。また、この重合開始剤は、モノマーと
ともに反応容器に一括で仕込んでもよく、連続滴下して
もよい。この重合において使用するモノマーを添加する
方法としては、全てのモノマーを反応容器に一括で仕込
んで重合する一括添加重合法、モノマーの一部又は全部
を反応容器に分割して添加して重合する分割添加重合
法、及びモノマーの一部又は全部を反応容器に連続的に
滴下しながら重合する連続滴下重合法等を用いることが
できる。
【0022】この重合時のモノマー濃度は、通常15〜
50重量%である。15重量%未満のモノマー濃度で重
合し、濃縮操作により、15重量%以上の濃度の共重合
体及び/又はその中和物を得ることも可能であるが、経
済性の点から好ましくない。また、50重量%を超える
モノマー濃度で重合する場合は、重合熱の制御が困難と
なる。重合反応温度は、通常40〜95℃、好ましくは
50〜90℃であり、反応時間は、1〜20時間であ
る。また、共重合体を中和させる場合はそのときの中和
反応は、通常反応温度が60〜90℃であり、反応時間
が0.5〜4時間である。重合終了後、共重合体の(メ
タ)アクリル酸に対応する重合体部分を中和する場合
は、その(メタ)アクリル酸のアニオン性基の当量即ち
アニオン当量に対して、0.6〜1当量が好ましい。
【0023】上記乳化分散剤は、上記の共重合体及び/
又はその中和物で、通常、固形分濃度が15〜50重量
%として得られ、通常、25重量%の固形分濃度におけ
る粘度(ブルックフィールド回転粘度計による25℃の
測定値)が10〜5000mPa・ s であり、pHが6〜
11である。
【0024】本発明の乳化分散剤により安定に乳化分散
させることができる被乳化分散物質としては、水に難溶
か不溶の液体又は固体物質(疎水性物質)であって、た
とえばロジン系物質、アルキルケテンダイマー系化合物
およびその誘導体、アルケニル無水コハク酸類およびそ
の誘導体、石油樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタンエ
ラストマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹
脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿
素樹脂及びこれらの変性樹脂等であり、また、これらの
物質のオリゴマー、コポリマー、ポリマー類、さらにケ
ロシン、スピンドル油、固形パラフィン、ミネラルター
ペン等の鉱物油、ベンゼン、キシレン、ソルベントナフ
サ、四塩化炭素、シクロヘキサン等の有機溶剤、動植物
油、エステル油、高級アルコール類、高級脂肪酸類が挙
げられ、単独または2種以上配合して用いることができ
るが、これらに限定されるものではない。また、本発明
の乳化分散剤の用途としては、繊維・延伸・紡績油剤用
乳化分散剤、染色助剤・染料用乳化分散剤、製紙薬品用
乳化分散剤、乳化重合・懸濁重合用乳化分散剤、合成ゴ
ム・合成樹脂ラテックス用改質剤、ポリマーアロイ用相
溶化剤、農薬製剤用乳化分散剤、石炭−水分散剤、香粧
品用乳化分散剤、圧延油用乳化分散剤、切削油剤用乳化
分散剤、顔料・トナー用乳化分散剤、コンクリート用化
学混和剤等が挙げられ、中でも製紙薬品用乳化分散剤の
用途が好ましい。本発明の乳化剤を使用して得られた水
性エマルションの用途として、繊維油剤、サイズ剤、塗
料、接着剤、プラスチック用着色助剤、農薬製剤、燃料
助剤、香粧品、圧延油、切削油剤、顔料インク等が挙げ
られる。
【0025】本発明の乳化分散剤を用いた上記疎水性物
質の水性エマルション組成物の製造方法は、特に限定さ
れるものではないが、例えば文献「分散系レオロジーと
分散技術」第357〜360頁記載の一般流体用攪拌
機、高速回転高せん断型攪拌分散機、加圧ノズル(ジェ
ット流)式乳化機、超音波式乳化機、機械的振動攪拌
機、静電場を利用した攪拌機等の各種乳化機を用いる方
法等が挙げられ、具体的には特開昭54−77209号
公報に記載されている方法に準じて、疎水性物質を溶融
して流動状態とし、乳化分散剤を混合して油中水型エマ
ルションを形成し、反転水を添加し水中油型エマルショ
ンに相転移させる方法(転相法)、特表平11−500
192号公報に記載されている方法に準じて、疎水性物
質および乳化分散剤を溶融混合した後、ホモジナイザー
を通して水中油型エマルションを製造する方法(メカニ
カル法)、特公昭54−36242号公報に記載されて
いる方法に準じて、疎水性物質を溶剤(例えばベンゼ
ン、トルエン、塩化メチレン等)に溶かして流動状態と
し、乳化分散剤を添加した後にホモジナイザーを通して
水中油型エマルションを製造する方法(溶剤法)、特開
平07−228783号公報に記載されている方法に準
じて、疎水性物質及び乳化分散剤を高剪断型回転式乳化
分散機に通して水中油型エマルションを製造する方法等
が挙げられる。
【0026】得られるエマルションの粒子径(重量基準
粒径分布における累積50%径)は1μm以下、好まし
くは0.5μm以下である。1μmを越える粒子径の場
合、保存中に粒子が沈殿やクリーミングを生じて分離し
易く、また機械的安定性が良くないことがある。粒子径
は、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布装置LA−9
10(堀場製作所社製)で測定することができる。
【0027】かくして得られた水性エマルション組成物
は、従来の乳化分散剤を用いたものと比較して乳化性、
機械的安定性が優れている。すなわち同一の乳化分散剤
量で比較すると粒子径が小さく、より少量の乳化剤量で
同一の粒子径にすることができる。また、揮発分を揮発
させた後の固形分の溶融性が優れる等の特徴がある。
【0028】本発明における乳化分散剤は、特にロジン
系物質を被乳化分散物質とした場合、良好な乳化性、機
械的安定性を示し、また、ロジン系物質の水性エマルシ
ョンをサイズ剤として用いた場合、サイズ効果が優れる
特徴がある。以下にロジン系物質を被乳化分散物質とし
たロジン系物質の水性エマルション組成物の場合につい
て詳細に説明する。
【0029】本発明において、ロジン系物質は、ロジン
そのものと、ロジンを反応成分に用いた反応生成物(ロ
ジン変性物)及びそれらの強化ロジン、ロジンエステル
類を言い、これらは単独又は2種以上の混合物として用
いられる。ロジンそのものとしては、ガムロジン、トー
ル油ロジン、ウッドロジンが挙げられ、これらは単独又
は2種以上の混合物として用いられる。ロジン変性物と
しては、上記ロジンを一部あるいは実質的に完全に水素
化されたもの、不均化されたもの、重合化されたもの、
あるいはホルムアルデヒドで変性されたものなどが挙げ
られる。
【0030】上記強化ロジンとは、上記のロジンあるい
はロジン変性物に、α,β−不飽和カルボン酸を付加反
応させたものを言う。ここで用いられるα,β−不飽和
カルボン酸の代表的なものには、フマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シ
トラコン酸、無水シトラコン等の不飽和二塩基酸、アク
リル酸、メタクリル酸等の不飽和一塩基酸などが挙げら
れ、これらは単独又は2種以上を併用して用いられる。
【0031】上記ロジンエステル類とは、上記ロジン及
びロジン変性物あるいは強化ロジンの少なくとも一つ
と、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコ
ール及びエポキシ化合物等から選ばれる少なくとも1種
との反応生成物が挙げられる。また、上記ロジンエステ
ル類にさらにα,β−不飽和カルボン酸を付加反応させ
た強化ロジンエステルも含まれる。ロジン系物質にロジ
ンエステル類を含有する場合は、これを含有しないもの
よりpH6以上の弱酸性または中性抄紙系でサイズ効果
が良くなる傾向にある。pH4〜6の酸性抄紙系ではロ
ジンエステル類を含まない方がサイズ効果の点からは好
ましい。
【0032】本発明の乳化分散剤を使用して得られるロ
ジン系物質の水性エマルション組成物は、少なくとも上
記ロジン系物質成分、乳化分散剤成分からなり、各々の
使用量(固形分)としては、ロジン系物質成分が70〜
99重量%、乳化分散剤成分が1〜30重量%が好まし
い。乳化分散剤成分が1重量%未満ではサイズ効果など
に及ぼす効果が上記範囲のものより低下し、また、30
重量%より多いとサイズ効果などへの影響が頭打ちにな
る傾向が見られ、経済的に好ましくない。なお、本発明
の効果を害さない範囲で公知の高分子系乳化分散剤、低
分子系乳化分散剤、高分子界面活性剤、低分子界面活性
剤等を併用してもよい。
【0033】このようにして得られたロジン系物質の水
性エマルション組成物は、サイズ剤として用いると、保
存安定性及び機械的安定性に優れており、高速抄紙機で
比較的温和な乾燥条件下、すなわち湿紙に付与する熱量
が比較的少ない、例えばヤンキードライヤーを有する抄
紙機あるいは超高速の新聞用紙用抄紙機に使用した場
合、抄紙pH4〜6、特にpH4.5〜5.0、すなわ
ちいわゆる酸性抄紙系において従来のサイズ剤に比べて
サイズ効果等の性能が優れている。また、抄紙pH6〜
7の弱酸性抄紙系、抄紙pH7〜8の中性抄紙系におい
ても従来のサイズ剤に比べてサイズ効果が優れている。
抄紙pHが4未満であったり、抄紙pHが8より大きく
ても本発明のロジン系物質の水性エマルション組成物を
サイズ剤として使用できるが、サイズ効果の点では上記
範囲のものが好ましい。また、本発明のロジン系物質の
水性エマルション組成物をサイズ剤として使用すると、
プレスロール、ドライヤーキャンバスなどの抄紙用具の
汚れが少ないこと等の利点がある。
【0034】本発明の乳化分散剤を使用して得られるロ
ジン系物質の水性エマルション組成物をサイズ剤として
用いた抄紙pH4〜8における種々の紙や板紙の製造工
程においては、そのサイズ剤を例えばウェット・エンド
部に添加することにより実施される。具体的には、本発
明のロジン系物質の水性エマルション組成物をサイズ剤
としてパルプの水性分散液にその乾燥重量に対して0.
01〜5固形分重量%、好ましくは0.05〜2固形分
重量%添加する。本発明の乳化分散剤を使用して得られ
るロジン系物質の水性エマルション組成物は、表面サイ
ズ剤として使用することも可能であり、この場合、抄紙
された湿紙に噴霧、浸漬、塗布などの慣用的な表面サイ
ジング方法が適用される。その湿紙は予め抄造された湿
紙でもよい。本発明の乳化分散剤を使用して得られるロ
ジン系物質の水性エマルション組成物をサイズ剤とする
ときは、表面サイズ剤もその下位概念に含む。
【0035】上記ロジン系物質と、上記乳化分散剤が含
有する共重合体及び/又はその中和物を少なくとも含有
するロジン系物質の水性エマルション組成物をサイズ剤
として用い、硫酸バン土存在下(カチオン性ポリアクリ
ルアミド等のカチオン性薬品存在下では必ずしも硫酸バ
ンドは存在しなくてもよく)、パルプ固形分に対して好
ましくは0.5%〜5%添加して、抄紙pH4ないしp
H8で抄造することにより、従来のロジン系サイズ剤を
使用してサイズされた紙に比べて優れたサイズ効果を示
す。
【0036】上記ロジン系物質の水性エマルション組成
物をサイズ剤として用いて得られる紙としては、特に制
限されないが、各種の紙、板紙が挙げられる。紙の種類
としては、PPC用紙、インクジェット印刷用紙、レー
ザープリンター用紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記
録原紙、感圧記録原紙等の記録用紙、印画紙及びその原
紙、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙、中質
コート紙等のコート原紙、クラフト紙、純白ロール紙等
の包装用紙、その他ノート用紙、書籍用紙、各種印刷用
紙、新聞用紙等の各種紙(洋紙)、マニラボール、白ボ
ール、チップボール等の紙器用板紙、ライナー、石膏ボ
ード原紙等の板紙が挙げられる。
【0037】紙あるいは板紙を製造するに当たって、パ
ルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイ
トパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パル
プ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの
晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段
ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれ
も使用することができる。また、上記パルプ原料と石
綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレ
フィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物
も使用することができる。
【0038】填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向
上剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤などの添加物も、各
々の紙種に要求される物性を発現するために、必要に応
じて使用しても良い。填料としては、クレー、タルク、
炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは単独で用いても
良く、2種以上を併用しても良い。乾燥紙力向上剤とし
ては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリ
アクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン化
澱粉、両性澱粉等が挙げられ、これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用しても良い。湿潤紙力向上剤とし
ては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、メラミン
・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂
等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、アニオン
性ポリアクリルアミドを併用しても良い。歩留り向上剤
としては、アニオン性又はカチオン性高分子量ポリアク
リルアミド、シリカゾルとカチオン化澱粉の併用、ベン
トナイトとカチオン性高分子量ポリアクリルアミドの併
用等が挙げられる。濾水性向上剤としては、ポリエチレ
ンイミン、カチオン性又は両性又はアニオン性ポリアク
リルアミド等が挙げられる。また、サイズプレス、ゲー
トロールコーター、ビルブレードコーター、キャレンダ
ーなどで、澱粉、ポリビニルアルコール、アクリルアミ
ド系ポリマー等の表面紙力向上剤、染料、コーティング
カラー、表面サイズ剤、防滑剤などを必要に応じて塗布
しても良い。また、硫酸バン土は本発明のサイズ剤を添
加する前、添加した後、あるいは同時に添加して使用し
ても良い。
【0039】
【発明の実施の形態】乳化分散剤が含有する共重合体及
び/又はその中和物としては、(i)上記(b)成分と
上記(c)成分を使用する場合、上記(b)成分として
n−ブチルアクリレート(Tg(そのホモポリマーのガ
ラス転移温度、以下同様):−45.4℃)、2−エチ
ルヘキシルアクリレート(Tg:−55.3℃)(Tg
が−40〜−60℃である(メタ)アクリル酸エステル
系モノマーとしてもよい)の少なくとも1種を20〜6
5重量部、上記(c)成分として(メタ)アクリル酸を
35〜80重量部用い、(ii)上記(a)成分と上記
(b)成分と上記(c)成分を使用する場合、上記
(a)成分としてスチレン及び/又はα−メチルスチレ
ンを10〜50重量部、上記(b)成分としてn−ブチ
ルアクリレート(Tg:−45.4℃)、イソブチルア
クリレート(Tg:−15℃)、2−エチルヘキシルア
クリレート(Tg:−55.3℃)(Tgが−10〜−
60℃である(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと
してもよい)の少なくとも1種を20〜60重量部、上
記(c)成分として(メタ)アクリル酸を20〜50重
量部用い、(iii)上記(b)成分と上記(c)成分
と上記(d)成分を使用する場合、、上記(b)成分と
してn−ブチルアクリレート(Tg:−45.4℃)、
2−エチルヘキシルアクリレート(Tg:−55.3
℃)(Tgが−40〜−60℃である(メタ)アクリル
酸エステル系モノマーとしてもよい)の少なくとも1種
を20〜65重量部、上記(c)成分として(メタ)ア
クリル酸を10〜50重量部、上記(d)成分としてメ
チルメタクリレート(Tg:104.2℃)を10〜5
0重量部用い、(iv)上記(a)成分と上記(b)成
分と上記(c)成分と上記(d)成分を使用する場合、
上記(a)成分としてスチレン及び/又はα−メチルス
チレンを5〜40重量部、上記(b)成分としてn−ブ
チルアクリレート(Tg:−45.4℃)、2−エチル
ヘキシルアクリレート(Tg:−55.3℃)(Tgが
−40〜−60℃である(メタ)アクリル酸エステル系
モノマーとしてもよい)の少なくとも1種を15〜60
重量部、上記(c)成分として(メタ)アクリル酸を1
5〜45重量部、上記(d)成分としてメチルメタクリ
レート(Tg:104.2℃)を5〜20重量部を用
い、これら(i)〜(iv)とともにそれぞれ連鎖移動
剤としてアルキルメルカプタン及び/又は2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下、あるいは
これらとメルカプトエタノールの存在下に重合させた共
重合体、あるいはさらに苛性ソーダ、苛性カリ及びアン
モニアの少なくとも1種を用いて当量比0.6〜1で中
和して得られるその共重合体の中和物を得る。そしてこ
れを含有する乳化分散剤を得る。
【0040】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、各実施例における部及び%はいずれも重量基
準である。
【0041】乳化分散剤の製造 実施例1(乳化分散剤(A−1)の製造) 攪拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに
ブチルアクリレート4.25部、80%メタクリル酸1
8.84部、ノルマルドデシルメルカプタン0.21
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.04
部、過硫酸アンモニウム1.19部仕込み、固形分濃度
が27%となるよう水52.36部を加えて攪拌混合
し、90℃で3時間加熱した。ついで70℃まで冷却
し、メタクリル酸のアニオン当量に対して0.6当量と
なり、固形分濃度が25%となるよう48.5%水酸化
カリウム水溶液12.87部および水10.24部を徐
々に滴下し、30分間攪拌した後室温まで冷却すること
により、固形分25.2%、粘度2840mPa・s、
pH8.2の高分子系乳化分散剤(A−1)を得た。使
用した上記各成分、上記当量比、上記固形分、粘度、p
Hの測定値を表1に示す。また、上記式(1)に従って
算出したTg(℃)を示す。なお、粘度はブルックフィ
ールド回転粘度計を用いた25℃の測定値である。
【0042】実施例2〜25(乳化分散剤A−2〜A−
25の製造) 上記実施例1中のモノマー類、連鎖移動剤、アルカリ類
を表1記載の対応する欄の組成比となるようにし、アル
カリ類の仕込量は表1記載の対応する欄の(メタ)アク
リル酸のアニオン当量に対する当量比となる量としたこ
と以外はこの実施例1と同様にして共重合体分散液を製
造し、高分子系乳化分散剤(A−2〜A−25)を得
た。実施例1の場合と同様に測定、計算した結果を表1
に示す。
【0043】比較例1〜11(乳化分散剤のA−26〜
A−36の製造) 上記実施例1中のモノマー類、連鎖移動剤、アルカリ類
を表2記載の対応する欄の組成となるようにし,アルカ
リ類の仕込量は表2記載の対応する欄の(メタ)アクリ
ル酸のアニオン当量に対する当量比となる量としたこと
以外はこの実施例1と同様にして共重合体分散液を製造
し,高分子系乳化分散剤(A−26〜A−36)を得
た。実施例1の場合と同様に測定、計算した結果を表2
に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】 なお、表1、2中の略号は以下の表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】応用例用被乳化分散物質の製造 ロジン系物質の製造例 200℃で溶融状態にあるガムロジン350部にフマル
酸90部を徐々に加え、200℃で2時間攪拌保温した
後、さらにホルムアルデヒド処理(変性率1%)トール
油ロジンを560部加え、溶融攪拌して均質に混合し、
その後に得られた反応生成物を室温に冷却した。この反
応生成物はフマル酸が9%付加されたフマル酸強化ロジ
ンであり、フマル酸強化ロジン系物質(B−1)とす
る。
【0048】応用例1(ロジンエマルションサイズ剤の
製造例1) 上記ロジン系物質(B−1)を約160℃に加熱溶融
し、攪拌しながら、上記実施例1で得られた高分子系乳
化分散剤(A−1)を全固形分中6%になるように添加
して混合し、油中水型のエマルションとした。これに攪
拌下、熱水を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルシ
ョンとし、これにさらに熱水を素早く添加して混合し、
安定な水中油型エマルションとした後、室温まで冷却し
ロジン系物質の水性エマルション組成物を得た。このよ
うにして得られたロジン系エマルション組成物の固形分
は50.5%、平均粒子径(重量基準粒径分布における
50%径)は0.35μm、1μm以上は0、粘度は4
2mPa・s、pHは5.9であった。このロジン系エ
マルション組成物をそのままサイズ剤とする。これらの
測定値を表4に示す。なお、粒子径はレーザー回折/散
乱式粒度分布装置LA−910(堀場製作所社製)によ
る測定値、粘度はブルックフィールド回転粘度計を用い
た25℃の測定値である。
【0049】応用例2〜25(ロジンエマルションサイ
ズ剤の製造例2〜25) 高分子系乳化分散剤(A−1)を表1記載の高分子系乳
化分散剤(A−2〜A−25)に代えたこと以外は応用
例1と同様にしてロジン系エマルション組成物を得た。
得られたロジン系エマルション組成物について応用例1
の場合と同様に測定した結果を表4に示す。
【0050】比較応用例1〜11 高分子乳化分散剤(A−1)を表1記載の高分子系乳化
分散剤(A−26〜A−36)に代えたこと以外は実施
例1と同様にしてロジン系エマルション組成物を得た。
得られたロジン系エマルション組成物について実施例1
の場合と同様に測定した結果を表5に示す。
【0051】上記応用例及び比較応用例で得られたロジ
ン系物質の水性エマルションである各ロジン系物質の水
性エマルション組成物を用いて、サイズ効果試験、機械
的安定性試験、静置安定性試験、発泡性試験及び硬水希
釈安定性試験を行った結果を表6(応用例1〜25)、
表7(比較応用例1〜11)に示す。 (サイズ効果試験)晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹
のパルプ比が1対9である混合パルプ)をパルプ濃度が
2.5%になるように硬度100ppmの希釈用水で希
釈し、ビーターを用いて叩解度380とした。次いで得
られたパルプスラリー1.2リットルを離解機に秤取
し、攪拌下、NDタルク(日本タルク社製)を対パルプ
3%、硫酸バン土を対パルプ1.2%加えた後、上記応
用例、比較応用例のそれぞれから得られたロジン系物質
の水性エマルション組成物を各別に対パルプ0.25%
添加した。それからpH4.5の希釈水でこの得られた
パルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し、定着剤と
してカチオン性ポリアクリルアミド(日本ピー・エム・
シー(株)製紙力増強剤DS477)を対パルプ0.0
5%添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙pH
4.5で抄紙し、得られた湿紙の乾燥はドラムドライヤ
ーを用いて100℃、80秒の条件で行い、坪量65g
/m2 の上記実施例、比較例の乳化分散剤を使用したロ
ジン系物質の水性エマルション組成物を用いたそれぞれ
の試験紙を得た。得られたそれぞれの試験紙を恒温恒湿
(23℃、相対湿度50%)環境下で24時間調湿した
後、サイズ度をステキヒト法で測定した。
【0052】(静置安定性試験)長さ30cm、内径
2.1cmの試験管に100mlの上記応用例、比較応
用例の各ロジン系物質のエマルション組成物を各別に入
れ、2ケ月静置後、底部に沈殿した沈殿物の高さ(c
m)を測定した。 (機械的安定性試験)上記応用例、比較応用例の各ロジ
ン系物質のエマルション組成物50gを各別にカップに
入れ、温度25℃、荷重25Kg、回転数800rpm
にて10分間マーロン式安定性試験を行った。各カップ
毎の生成した凝集物を325メッシュ金網にて濾過して
各カップ毎の全固形分に対する析出量を測定し百分率で
表した。
【0053】(発泡性試験)晒クラフトパルプ(針葉樹
対広葉樹のパルプ比が1対9である混合パルプ)をパル
プ濃度が2.5%になるように硬度100ppmの希釈
用水で希釈し、ビーターを用いて叩解度380とした。
次いで得られたパルプスラリー1.2リットルを離解機
に秤取し、攪拌下、NDタルク(日本タルク社製)を対
パルプ3%、硫酸バン土を対パルプ1.2%加えた後、
上記応用例、比較応用例のそれぞれから得られたロジン
系物質の水性エマルション組成物を各別に対パルプ0.
25%添加した。それからpH4.5の希釈水でこの得
られたパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し、円
筒型の容器に入れた。その後、希釈したパルプスラリー
に定着剤としてカチオン性ポリアクリルアミド(日本ピ
ー・エム・シー(株)製紙力増強剤DS477)を対パ
ルプ0.05%添加した後、このパルプスラリーをポン
プで循環してこれを50cmの高さから容器中に落下さ
せ、10分後の液面に蓄積する泡の面積を、液面全体面
積に対する百分率で表した。
【0054】(硬水希釈安定性試験)ロジン系物質の水
性エマルションを硬度300ppmの硬水を用いて固形
分5%となるように希釈し、40℃で24時間保持後、
ろ紙でろ過し、全固形分に対するろ過残量を測定し百分
率で表した。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】上記表4及び表5から、実施例の分散剤を
使用した応用例のロジン系エマルション組成物は、比較
例の分散剤を使用した比較応用例のものに比べて、粒子
径が数十%も小さく、その粒子径の分布も1μm以上の
粒子径がなく、その相違は顕著であり、応用例のものは
ロジン系物質を乳化分散させたときの分散状態が極めて
微細であるということができる。これにより応用例のも
のは静置安定性、機械的安定性、硬水希釈安定性が顕著
に優れることは表6、7から分かる。また、表6、7の
結果から、応用例のものは比較応用例のものに比べて、
サイズ度が顕著に優れることがわかる。また、応用例の
ものは発泡性が少なく、通常取り扱いやすい粘度でもあ
る。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、被乳化分散物質を水中
に良好に分散させることができる乳化分散性を有し、少
量の使用量でも水性エマルションの安定性を向上させる
ことができ、しかも被乳化分散物質の化学構造変更、分
子量低減、低軟化点の疎水性物質の混合等による軟化点
低下等の方法を用いずに水性エマルションの固形分の溶
融性を向上できる乳化分散剤を提供することができ、本
発明の乳化分散剤を用いることにより、サイズ性能が優
れ、機械的安定性や保存安定性、硬水希釈時の安定性に
優れ抄紙工程での発泡を少なくできる水性エマルション
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA05 AB03 AB20 AC01 AC05 BA01 DD03X DD05X DD09X DD10X DD14X DD17X DD18X 4J011 AA06 NA12 NA25 NB04 4L055 AG50 AG63 AG71 AG89 AH11 AH33 EA20 FA17 FA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)に従って、共重合体のガラ
    ス転移温度T(K)に対応するガラス転移温度が0〜8
    0℃となるように複数のモノマーが選択されて該複数の
    モノマーの共重合により得られる共重合体を含有する乳
    化分散剤。 1/T=W1 /T1 +W2 /T2 +・・・+Wn /Tn (1) (式中、Tは共重合体のガラス転移温度(K)、T1
    2 、・・・Tn は共重合体を構成する各モノマーのホ
    モポリマーのガラス転移温度(K)、W1 、W2、・・
    ・Wn はT1 、T2 、・・・Tn に順次対応する共重合
    体を構成する各モノマーの全モノマーに対する重量分率
    (W1 +W2 +・・・+Wn =1)を表わす。)
  2. 【請求項2】 共重合体がスチレン系モノマー(a)
    と、ガラス転移温度が高くても0℃であるホモポリマー
    を構成することができるモノマーである(メタ)アクリ
    ル酸エステル系モノマー(b)と、(メタ)アクリル酸
    及び/又はその塩のモノマー(c)と、上記(メタ)ア
    クリル酸エステル系モノマー(b)以外の(メタ)アク
    リル酸エステル系モノマー(d)をモノマー構成に有す
    るモノマーを共重合させて得られる共重合体及び/又は
    その中和物である請求項1記載の乳化分散剤。
  3. 【請求項3】 モノマーを2,4−ジフェニル−4−メ
    チル−1−ペンテン(e)及びアルキルメルカプタン
    (f)の存在下に共重合させて共重合体及び/又はその
    中和物を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    乳化分散剤。
  4. 【請求項4】 ロジン系物質の乳化に用いることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の乳化分散
    剤。
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