JP2002315821A - 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法 - Google Patents

細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002315821A
JP2002315821A JP2001124294A JP2001124294A JP2002315821A JP 2002315821 A JP2002315821 A JP 2002315821A JP 2001124294 A JP2001124294 A JP 2001124294A JP 2001124294 A JP2001124294 A JP 2001124294A JP 2002315821 A JP2002315821 A JP 2002315821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eptfe
adhesion
ions
ion beam
irradiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001124294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5505752B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Suzuki
嘉昭 鈴木
Masaya Iwaki
正哉 岩木
Makoto Kaihara
真 貝原
Masami Kamio
正巳 神尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP2001124294A priority Critical patent/JP5505752B2/ja
Priority to US10/122,305 priority patent/US6872759B2/en
Priority to EP02008213A priority patent/EP1252902B1/en
Priority to DE60211589T priority patent/DE60211589T2/de
Publication of JP2002315821A publication Critical patent/JP2002315821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5505752B2 publication Critical patent/JP5505752B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/14Macromolecular materials
    • A61L27/16Macromolecular materials obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/14Macromolecular materials
    • A61L27/18Macromolecular materials obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2400/00Materials characterised by their function or physical properties
    • A61L2400/18Modification of implant surfaces in order to improve biocompatibility, cell growth, fixation of biomolecules, e.g. plasma treatment
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31Surface property or characteristic of web, sheet or block

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定条件下でイオンビーム照射されたePTFE
を使用し、骨、筋肉と密着させることにより、時間経過
過程でどのような形態学的、組織化学的変化を伴って細
胞と接着するかを明らかにすること、またこの細胞接着
性が臨床応用に耐え得るものであるか否かを検討するこ
と。 【解決手段】 炭素を構成元素として含む高分子材料よ
り構成され、表面の少なくとも一部がイオン衝撃により
改質されてなる、骨及び/又は筋膜に接着性を有する材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工硬膜などの医
療用材料として使用可能な骨及び/又は筋膜に接着性を
有する材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】頭蓋骨内にあって脳実質を保護する三層
の膜(軟膜、クモ膜、硬膜)のうち、硬膜は最も硬く、
三層の中で最外層に存在し、頭蓋骨の内側骨膜でもあ
る。脳神経外科手術に際し、硬膜を切除せざるを得ない
ことがしばしばあり、硬膜欠損が生じる。また、硬膜自
体の自然収縮のために一次的な縫合が困難になることも
ある。硬膜を開放したまま閉創する事は、髄液の漏出を
招いて頭蓋内感染症を生じたり、脳実質と骨ないし皮下
組織との癒着を生じて、局所神経症状を呈したり、てん
かん発作の焦点となるなど、重篤な合併症を来たす原因
となる。従って閉創時には硬膜に隙間が生じないよう厳
密な縫合が要求される。このため、硬膜に欠損が生じた
り一次縫合が困難となった場合には何らかの補填材料を
用いて隙間が生じない様に完全に縫合する必要が生じ
る。
【0003】いかなる補填材料を用いて硬膜欠損の補填
を行うかは長期に渡り脳神経外科医を悩ませ続けた問題
である。当初人工物が使用された時期もあるが、生体適
合性、使いやすさ等に問題があり、何れも長続きしなか
った。当初より今日に到るまで最も広く用いられている
のは自家筋膜であるが、摘出部位に筋膜の欠損を生じる
こと、脳に対して癒着しやすいことなど問題点も少なく
ない。ヒト乾燥硬膜は屍体から採取された硬膜を放射線
処理等を行った硬膜補填材料であり、これまでの中では
最も優れたものであった。しかし、クロイツフェルト・
ヤコブ病の原因とされるプリオンが硬膜内に存在する可
能性があり、ヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・
ヤコブ病の感染が生じと事例が報告されるに到り、1998
年にその使用は全面的に禁止された。
【0004】現在自己筋膜以外に硬膜補填材料として使
用可能な素材は、厚生省が認可しているePTFE(expanded
polytetra-fluoroethylene)のみである。ePTFEは高分
子材料であるため生体に対して全く接着性を有していな
い。この性質は脳と癒着を生じないという面では優れて
いる。一方収縮性に乏しいため針穴から髄液が漏出して
しまうため特殊な縫合糸を使用して縫合を行う必要があ
る。また生体接着性がないため縫合面の隙間からも髄液
漏が生じる可能性が高い。これと共に、周辺組織とも接
着性を有さないため、単なる骨格素材となってしまう可
能性も高い。これ迄にePTFEをいかにうまく使用するか
についての多くの試みがなされてきたが、何れもePTFE
を骨格素材して使用し、周囲に線維性組織の被膜が形成
されるのを待つものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれまで
に、イオン注入法を用いて高分子材料表層を改質し、細
胞接着性を変化させる種々の実験を行いその利用価値に
ついて検討を行ってきており、イオン注入法により高分
子素材の表面改質を行い、一側は細胞接着性を持たず、
他側は細胞接着性を持つ新たな人工硬膜の開発を目差し
てきた。
【0006】高分子材料にイオンビームを照射すると、
進入したイオンは母材原子との衝突によって随時エネル
ギーを損失し、最終的に停止する。その過程で、結合の
切断や新たな結合が生じる。一般に核阻止能が支配的な
場合にはラジカルのような欠陥の発生、コンフォメーシ
ョン、密度、モルフォロジーの変化が観察され、電子阻
止能が支配的な場合には、電子的励起を伴い、分枝鎖の
切断、架橋が生じていると考えられる。高分子材料の原
子間結合は数eV程度の結合エネルギーであり、イオンビ
ーム照射により母材に与えられる単位長当たりのエネル
ギー量は数十eV/Åである。結合エネルギーに比して十
倍以上のエネルギー束の照射である。このエネルギー束
を照射することによって高分子材料に物性変化が生じる
ことが観測されている。これらの現象はイオンビームの
種類、加速エネルギー、照射量、及び母材の種類によっ
て異なる。高分子材料にイオンビームを照射する際に
は、高分子材料が熱に弱いため、ビーム電流を上げすぎ
ない必要がある。また高分子材料は電気的絶縁体である
ため、電流測定では正確な注入量が測定できない可能性
があることに注意を払う必要がある。
【0007】本発明者らは、これまでに各種高分子材料
へヘリウム(He)、ネオン(Ne)などのイオン種を照射して
表面改質を行い、培養細胞系を用いて細胞接着性に関す
る基礎的な実験結果を繰り返してきた。この結果、ヒト
への使用が認可されているePTFEに対し、 Neイオンビー
ムを加速エネルギー150KeV、イオンビーム電流0.5μA/
cm2以下で照射することにより、細胞接着性を付与する
ことが可能であることが明らかとなった。また、細胞接
着性がイオン照射量によって変化し、多すぎても少なす
ぎても充分な接着性が得られないことも明らかとなっ
た。これまでの実験では1×1014ions/cm2の照射量から
Neイオン照射ePTFE表面に細胞接着性が認められるよう
になり、1×1015ions/cm2付近の照射量で最も接着性が
高くなり、1×1017ions/cm2の照射量では逆に細胞接着
性が低下することが明らかとなっている。これまではイ
オンビーム照射によるアモルファスカーボン化が接着性
を増強すると考えられてきた。しかし1×1014ions/cm2
の照射量でも細胞接着は観察された。この照射量では添
加量は理論計算上微々たる物であり、照射損傷もフーリ
エ変換赤外分光法、ラマン分光法などの分析では感知で
きない範囲である。この微細な変化を細胞は感知して接
着しているのである。どの様にして細胞が微細な変化を
感知し、どのような機序で接着するかは未だ不明であ
り、各種分析機器を用いて検討が行われている。
【0008】イオンビームを照射した高分子材料は細胞
の接着性のみならず、接着強度も向上している。細胞は
人工素材表面に接着斑と呼ばれる蛸足のようなものを侵
入させ自身を固定する。おそらくイオンビーム照射した
面においてはこの接着斑が増加することにより接着強度
が改善されると予想される。イオンビーム照射した高分
子材料は原子間力顕微鏡で観察した範囲では表面が滑ら
かであることが確認されており、当初予想されたイオン
ビーム照射による表面の粗化によって細胞との接着面積
が増加するためではないことが明らかとなっている。表
面改質の条件を選択することにより接着斑が増加するこ
とに関しては培養細胞を用いた基礎実験でも確認されて
いる。
【0009】これまでの基礎実験のデータを基に生体応
用可能なePTFEに対するイオンビーム至適照射量を決定
することにより臨床応用が可能になると考えられる。当
初、この至適照射量で表面処理したePTFEは頭部脳神経
外科手術に際しての硬膜欠損部分を補填する人工硬膜と
しての役割だけが考えられていた。しかし、ヒト乾燥硬
膜が頭蓋底外科における頭蓋底形成の際に使用される補
填材量として、脊髄疾患の手術の際の補填材量として、
他の胸部腹部臓器ないし筋骨系手術の際の補填材量とし
ても使用されてきたことを考えると、より広い応用範囲
が存在すると考えるに到った。あらゆる部位において、
一側では組織癒着が望まれず、他側では組織癒着が望ま
れる状況であれば、このNeイオンビーム照射ePTFEは広
く使用できる。
【0010】しかし、上記したePTFEの細胞接着性に関
するデータはあくまでも培養細胞系という生体外でのも
のであり、実際の生体内でNeイオンビーム照射ePTFEが
どのような細胞接着性を示すかについては明らかにされ
てこなかった。従って培養細胞系で得られた至適イオン
ビーム照射量1×1015 ions/cm2が生体内でも至適照射
量であるか否かについても明らかではない。生体内でも
生じるであろう細胞接着性がどのような形態学的、組織
化学的状態を呈するか、特に接着斑の動態についてはこ
れまで全く報告がない。生体内では組織修復機転という
自己管理システムが働いているため、培養細胞系のよう
に単純な反応だけでは説明できない事態が生じることは
想像に難くない。また実際に生体内で生じるであろう細
胞接着性の増強が臨床的にどのような意義を持つもので
あるか、生体適合性に問題はないか、手術操作を前提と
した操作性はどうか、異物反応は生じないか、など全く
未知の問題点が山積している。
【0011】即ち、本発明が解決しようとする課題は、
一定条件下でイオンビーム照射されたePTFEを使用し、
骨、筋肉と密着させることにより、時間経過過程でどの
ような形態学的、組織化学的変化を伴って細胞と接着す
るかを明らかにすること、またこの細胞接着性が臨床応
用に耐え得るものであるか否かを検討することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、Neイオンビーム照射
ePTFEは生体内でも細胞接着性を有することを見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、炭
素を構成元素として含む高分子材料より構成され、表面
の少なくとも一部がイオン衝撃により改質されてなる、
骨及び/又は筋膜に接着性を有する材料が提供される。
【0013】本発明の好ましい態様によれば、炭素を構
成元素として含む高分子材料が、延伸ポリテトラフルオ
ロエチエン(ePTFE)、ポリ乳酸、又はポリグラクチン
である上記材料;並びにドース量φが1×1013≦φ<
1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入を行うこ
とによって、イオン衝撃による改質を行う、上記材料が
提供される。
【0014】本発明の別の側面によれば、上記した骨及
び/又は筋膜に接着性を有する材料から成る人工硬膜用
材料が提供される。
【0015】本発明のさらに別の側面によれば、炭素を
構成元素として含む高分子材料の表面の少なくとも一部
にドース量φが1×1013≦φ<1×1016個/cm2
となる範囲でイオン注入を行うことを特徴とする、骨及
び/又は筋膜に接着性を有する材料の製造方法が提供さ
れる。本発明の好ましい態様によれば、炭素を構成元素
として含む高分子材料が、延伸ポリテトラフルオロエチ
エン(ePTFE)、ポリ乳酸、又はポリグラクチンであ
る、上記の製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明で使用される炭素を構成元素
として有する高分子材料は、生体適合性があり、操作が
容易である材料であれば特に限定されず任意の材料を使
用できる。本発明で好ましい高分子材料としては、延伸
ポリテトラフルオロエチエン(ePTFE)、または生分解
性高分子(例えば、.ポリ乳酸、又はポリグラクチンな
ど)が挙げられ、特に延伸ポリテトラフルオロエチエン
(ePTFE)が好ましい。
【0017】本発明の骨及び/又は筋膜に接着性を有す
る材料における高分子材料の表面の少なくとも一部は、
イオン衝撃により改質されている。注入するイオン種と
してはHe+ ,C+ ,N+ ,Ne+ ,Na+ ,N2 +
2 + ,Ar+,Kr+ 等が例示されるが、溶出して細胞
の成育を阻害するものでなければこれらに特に限定され
るものではない。
【0018】ドース量φは、1×1013≦φ<1×10
16個/cm2 の範囲であることが好ましい。1013個/
cm2より低いと、細胞接着性の顕著な改善効果が小さ
くなり、1016個/cm2 より高いと高分子材料が破壊
され易くなり、何れも好ましくない。より好ましくは、
ドース量φは、1×1013≦φ<1×1015個/cm 2
の範囲である。イオン加速エネルギーに関しては、その
高低によりエネルギー伝達機構に差異が生ずるものと考
えられるが、実用的には数十〜数百keV程度の範囲で
設定することができ、好ましくは50〜150keV程
度である。
【0019】ビーム電流密度はおおよそ0.5μA/c
2 を越えない範囲に設定することが好ましい。これ
は、ビーム電流密度が過大になるとターゲットである高
分子材料の温度が上がり過ぎ、高分子材料自身が劣化す
る上、細胞の接着性が低下する恐れがあるからである。
【0020】本発明においてイオン衝撃を与える手段と
してはイオン注入が挙げられる。イオン注入は、その反
応自体がイオン・ビームと被注入材料(ターゲット材
料)との間の相互作用に限られる。しかも、イオン入射
エネルギーを選択することにより表面から任意に深さイ
オンを埋め込むことができ、極めて制御性に優れてい
る。これは、プラズマ処理にはない特徴である。注入さ
れたイオンは、比較的質量の軽いイオンに対しては拡散
初期に電子阻止能が働き、比較的質量の重いイオンに対
しては始めから核阻止能が働くという機構上の差異はあ
るものの、高分子材料に格子振動による加熱をもたらし
(熱的非平衡状態)、溶融,アモルファス化等を引き起
こす。以下の実施例により本発明をより具体的に説明す
るが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【0021】
【実施例】(A)実験の概要 (1)Neイオンビーム照射により表面改質を行ったePTF
Eの生体接着性とイオン照射量の関係 これまでの培養細胞系を用いた実験結果から、1×1014
ions/cm2の照射量で細胞接着能が獲得されるようにな
り、1×1015 ions/cm2の照射量で最大の細胞接着能を
示し、1×1016 ions/cm2の照射量では細胞接着能が大
幅に失われることが観察されている。そこで生体内埋込
み実験では、1×1014 ions/cm2照射量ePTFE、5×1014
ions/cm2照射量ePTFE、1×1015 ions/cm2照射量ePTFE
を使用し照射量による細胞接着性の変化を観察検討する
こととした。
【0022】(2)Neビーム照射により表面改質を行っ
たePTFEと生体接着の経時的変化 生体内では常に細胞が動的に振る舞っており、創傷治癒
機転という生体管理システムが働いている。従って生体
内に埋め込まれたイオンビーム照射表面改質ePTFEの表
面でも経時的に細胞接着は進行すると考えられる。超短
期から、超長期迄の観察が行えれば理想的であるが、困
難であるため、創の一次癒合がほぼ終了する2週間目と
組織内修復機転が強まると考えられる4週間目に標本観
察を絞り検討することとした。この際も照射量による変
化が加味されるため、1×1014 ions/cm2照射量ePTFE、
5×1014ions/cm2照射量ePTFE、1×1015 ions/cm2照射
量ePTFEそれぞれについて経時観察を行うこととした。
【0023】(3)Neビーム照射により表面改質を行っ
たePTFEと異なる生体組織の接着性の関係 本発明の目的の一つは、硬膜欠損を補填する際に脳に接
する面では細胞接着性を持たず、頭蓋骨に接する面では
細胞接着性を有する人工硬膜の開発にあった。しかし、
かつてヒト乾燥硬膜が使用されていた時代には、ヒト乾
燥硬膜は硬膜補填のみならず整形外科、泌尿器科、外科
等でも使用されていた経緯がある。そこで、同一実験系
で施行が可能な他臓器での接着性を確認することを目的
として、家兎筋肉との接着実験を併せて行うこととし
た。
【0024】(B)実験方法 (1)試料 理化学研究所200KeVイオン注入装置を用いて厚さ0.3m
m、20mm角のePTFEに対してNeイオンを加速エネルギー15
0KeV、照射量 1×1014、5×1014、1×1015 ions/cm2
イオンビーム電流0.5μA/cm2以下で照射した3種類の素
材を作製し使用した。この3種の照射線量を選択したの
は、これまでの細胞培養系を用いた基礎実験によりePTF
Eへの細胞接着性がイオン照射量1×1014 ions/cm2から
発現し、1×1015 ions/cm2で接着効果が最大となり、1
×1016 ions/cm2になると大方の接着効果が失われてし
まうことを踏まえたものである。実際の実験際しては、
照射素材を包埋部分の大きさに併せて、周囲からの力が
掛かり難い大きさに切断して使用した。
【0025】(2)動物実験 体重2.5〜3.0Kgのオス日本白色家兎10羽を実験に使用
した。イソフルラン全身麻酔下に2%キシロカインを局
所注射し、頭皮を冠状縫合に沿って切開して頭骨を露出
した。頭骨の表面骨膜を完全に除去した状態で試料を骨
側に照射面を当てて置いた。骨上には筋組織がないため
試料が移動する可能性が極めて低いと考えられるため、
特に固定は行わなかった。骨膜を除去したのは、硬膜が
頭骨内側骨膜の一部を担っているため、通常の手術に際
して補填された人工硬膜は骨膜を有さない骨と直接接触
することとなるためである。次いで、背部傍正中に2%
キシロカインを局所麻酔下に縦に皮切を置き、皮下組織
を鈍的に剥離して背部筋群を露出した。背部筋群の筋膜
を筋肉に傷を付けない様丁寧に剥離し、筋層上に照射面
を当てるように試料を置き、四隅を軽く筋膜に縫合固定
した。筋肉が存在する部分では筋の動きに伴って試料が
移動してしまう可能性が強いためである。
【0026】(3)観察 試料を包埋移植後2週間目及び4週目にネンブタールを
用いて家兎を犠牲とし、それぞれ周辺組織ごと一塊とし
て取り出し、10%バッファーホルマリンで固定した。
周辺組織ごと摘出したのはイオンビーム非処理面では組
織とePTFEが全く接着していないためにePTFEと組織が分
離してしまうことを避けるためである。筋上に置いた試
料はそのままパラフィン包埋し、頭骨上に置いた試料は
頭骨を脱灰後パラフィン包埋し、ヘマトキシリン・エオ
ジン染色、マッソントリクローム染色を行って顕微鏡下
に観察を行った。
【0027】(C)結果 (1)筋膜上に置いたePTFEの形態学的変化 未処置のePTFE面はこれまでも報告のある通り細胞接着
は、2週目、4週目において全く観察されなかった(図
1中の図1−1及び1−2)。しかし周囲組織に全く何
の反応も認められないわけではない。一見するとePTFE
と狭い間隙を介して表面平滑な線維性組織がePTFEを覆
う形を取っているように見えるが、2週目では線維性組
織のePTFEに接する面では、組織球の集簇が認められた
(図1中の図1−3)。しかし、これがePTFEに対する
反応性として出現してきたものか、単純に障害された組
織断端の反応であるかは今回の実験からは明らかにし得
なかった。4週目になると組織球集簇部位に線維性成分
が増し、周囲の線維芽細胞も厚味を増してしっかりとし
た被膜形成の形を取ってくることが明かとなった(図1
中の図1−4)。
【0028】これに対してNeイオンビーム処理を施した
ePTFE面では移植後2週間目で既に膜表面に線維芽細胞
と考えられる細胞の接着が認められ、組織球、リンパ球
等の細胞浸潤が周辺に形成された線維性膜の内部に認め
られた(図2中の図2−1)。また、処理面側ではePTF
E内部に液体成分の染み込こみが確認された。非処理面
ではこの様な液体成分の染み込みは認められなかった。
染み込んでいる液体成分は、染色性から蛋白質を含有し
ていると考えられるが、実際のどのような成分が染み込
んでいるかは今後検討する必要がある。また、ePTFEと
接着表面の強固さに直接関係する接着斑も認められ、2
週目よりは4週目の方が増加する傾向を示した(図2中
の図2−2)。
【0029】線維芽細胞とイオンビーム処理ePTFE面と
の接触性は1×1014 ions/cm2では極めて軽度であり、液
体成分の染み込みも少なく、接着斑の出現も少なかっ
た。5×1014、1×1015ions/cm2と照射量が増加するに従
って、液体成分の染み込みが増加し、接着斑も増加する
傾向を示した(図3中の図3−1)。しかし、一部では
液体成分の染み込みを認めないにも拘わらず、接着斑が
認められる部分もあり、液体成分の染み込みと接着斑の
出現は必ずしも並行関係にあるとは考えられなかった
(図3中の図3−2)。
【0030】4週目に摘出された標本でも、所見は類似
していた。1×1014ions/cm2照射ePTFEでは2週目と同程
度の接着性しか示しておらず、周辺の反応性繊維性成分
の厚みが増したのみであった。5×1014、1×1015ions/c
m2照射ePTFE面では2週目に比して細胞接着が進み、接
着斑も増加する傾向を示した。接着斑の長さは150KeVで
のePTFEへのNeイオンビームの侵入距離である4000Åを
越えている部分が存在した。
【0031】(2)頭骨上に置いたePTFEの形態学的変
非処理ePTFE面で反応は筋膜上に置いた場合と全く異な
る所はなかった。2週目に摘出した標本において、骨と
接触したイオンビーム処理ePTFE面では1×1014ions/cm2
においても細胞接着性が認められ、組織球反応、液体成
分の染み込みも認められ、接着斑も少数ながら認められ
た(図2中の図2−3)。筋膜上に置いた場合より細胞
接着が強い印象を受けたが、客観的に証明することは出
来なかった。5×1014、1×1015ions/cm2と照射量が増加
するに従って線維芽細胞の接触が増加し、組織球反応、
液体成分の染み込み、接着斑も増加する傾向を示した
(図2中の図2−4;図3中の図3−3)。
【0032】4週目に摘出した標本において1×1014 io
ns/cm2照射群では接触する線維芽細胞の厚みが増す傾向
を示したのみで、液体成分の染み込みは余り増加してい
なかった(図3中の図3−4)。5×1014、1×1015ions
/cm2照射群ではePTFE面での線維芽細胞の接触が増加
し、筋面と同様にePTFE接着斑が増加し、一部では接触
班の集簇も認められた(図4中の図4−1及び図4−
2)。また、液体成分の染み込みも増加していると考え
られた。一部で2週目、4週目共に組織球や線維芽細胞
の発現に乏しく、骨芽細胞を思わせる組織がePTFEに直
接接触している像が確認された(図4中の図4−3及び
図4−4)。しかしこの細胞がePTFE内に接着斑を出し
ている所見は得られず、単純な接触だけであるか否かは
確認できなかった。
【0033】イオンビーム照射面に対して接触した線維
芽細胞が接着斑を作ってePTFE内部に侵入し、その距離
がイオンビームの侵入距離を越える可能性が示唆された
が、これは細胞接着性を持たないePTFEであっても、一
旦足掛かりが出来れば線維芽細胞等がePTFE内に侵入し
ていく可能性があることを示唆しており、ePTFEと周辺
に進展してくる細胞との間に強固な接着性が得られる可
能性をも示唆する。
【0034】(D)結論及び考察 今回の一連の実験から以下のことが明かとなった。(1)Neイオンビーム照射ePTFEは生体内でも細胞接着
性を有する。 これまでの培養細胞系を用いた実験からNeイオンビーム
照射ePTFEが細胞接着性を有すようになることは明らか
であった。しかし、実際の生体内ではより複雑な創傷治
癒機転が存在するため、Neイオンビーム照射ePTFEに対
して生体がどのように反応するかは明らかでなかった。
今回の実験から、イオンビーム照射量に拘わらず多くの
例で2週目には処理面に対して組織球が接着し、一部線
維芽細胞も接着するすることが明かとなった。また、少
数例ながら骨、筋肉に対して組織球や線維芽細胞を介さ
ず直接骨、筋肉が接着している所見が認められた。従っ
て、組織とNeイオンビーム照射ePTFEとの接着には組織
球を主とした細胞接着因子が主体をなす場合と周辺組織
が直接接着する場合が考えられる。
【0035】(2)Neイオンビーム照射ePTFEの生体内
における細胞接着性は照射イオンビーム量に依存する。 Neイオンビーム照射ePTFEに対する細胞接着性とイオン
ビーム照射量との関係については培養細胞系で明らかな
関係が存在することが提示されている。しかし生体内で
この条件がそのまま当て嵌まるか否かは明らかでなかっ
た。今回の一連の実験により、イオンビーム照射ePTFE
は生体内でも培養細胞系と同様に細胞接着性を有し、接
着斑を介して強固に接着することが明かとなった。しか
し、生体内では組織球、貪食細胞など培養細胞系では認
められない細胞の出現が接着性と強く関係していること
が示唆された。Neイオンビーム照射ePTFEの細胞接着性
は培養細胞系と同様に接着斑の出現状況等から1×1
014、5×1014、1×1015と照射量が増加することによ
って増加することが明かとなった。
【0036】(3)Neイオンビーム照射ePTFEに対する
細胞接着は、接着斑が重要な役割を担っている。 今回の実験でNeイオンビーム照射ePTFEと周辺組織との
接着面を観察してみると、a) 表面に組織球が接着して
る、b) 線維芽細胞が接着している、c) 周辺に存在して
いる骨、筋肉が接着している、d) 組織球、線維芽細胞
から接着斑が出現しePTFE内部に足を出したように接着
している、という4種類の接着状況が存在することが明
らかとなった。各々の状態において剥し力測定を行って
いる訳ではないが、組織球や線維芽細胞がePTFEの上に
乗っているだけでは強固な接着性は期待できない。イオ
ンビーム処理を行っていない面でも同様の所見が認めら
れるからである。非照射面ではePTFEとの接着は認めら
れない事から、Neイオンビーム照射ePTFE上に組織球、
線維芽細胞がただ乗っているように見えても実際には小
さな接着斑が存在している可能性が高い。
【0037】(4)Neイオンビーム照射ePTFEの内部に
液体成分の染み込みが生じている。 今回の実験で染色態度からタンパク質を含むと考えられ
る液体成分がNeイオンビーム照射ePTFE内部に染み込こ
んでいる所見が認められた。染込みは表面から広く染み
込んでいる場所と、小さい瘻孔が存在して表面より内部
に大きな広がりを見せて染込んでいる場所が認められ
た。
【0038】(5)Neイオンビーム照射ePTFE接着面で
の反応はイオンビーム照射量、接している組織、反応時
間と必ずしも並行しない。 全体的に見ると接着面での反応は至適照射量で増強し、
時間経過と共に強化され、接している組織によって反応
態度に差があることが明かとなった。しかし、実験結果
を詳細に検討すると、接着面での組織球の出現状態、線
維芽細胞の出現状態、接着斑の出現状況等が必ずしもイ
オンビーム照射量、接している組織、反応時間等と必ず
しも並行していないことが分かった。今回の家兎を用い
た生体内埋込み実験の結果から、Neイオンビーム照射eP
TFEは1×1015ions/cm2照射量で最大の効果を示す充分な
細胞接着性を示した。また骨、筋肉に対してほぼ同様な
接着性を示した。これらの結果は、Neイオンビーム照射
ePTFEが硬膜補填材料としての人工硬膜としてだけでな
く、癒着性・非癒着性の二面性を持つ生体膜補填材量と
して様々な臨床分野において応用可能であることを示
す。
【0039】
【発明の効果】本発明により、新規な細胞接着性を有す
る人工硬膜およびその製造方法が提供されることになっ
た。即ち、本発明により、頭蓋骨側に接する面に細胞接
着性を付与することでより生体に近い機能を有する人工
硬膜の形成が可能となる。さらに本発明は、人工硬膜へ
の応用のほか、脊髄疾患の手術の際の補填材料、胸部腹
部臓器ないし筋骨系手術の際の補填材料としての応用も
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、筋膜上におけるePTFEの形態学的
変化を示す図である。 図1−1:1×1014 ions/cm2の照射量で筋肉上2週間 図1−2:1×1014 ions/cm2の照射量で筋肉上4週間 図1−3:非照射面で筋肉上で2週間 図1−4:非照射面で筋肉上で4週間
【図2】図2は、筋膜および骨上におけるePTFEの
形態学的変化を示す図である。 図2−1:5×1014 ions/cm2の照射量で筋肉上2週間 図2−2:5×1014 ions/cm2の照射量で筋肉上4週間 図2−3:1×1014 ions/cm2の照射量で骨上2週間 図2−4:5×1014 ions/cm2の照射量で骨上2週間
【図3】図3は、筋膜および骨上におけるePTFEの
形態学的変化を示す図である。 図3−1:1×1015 ions/cm2の照射量で筋肉上4週間 図3−2:1×1015 ions/cm2の照射量で筋肉上4週間 図3−3:1×1015 ions/cm2の照射量で骨上2週間 図3−4:1×1014 ions/cm2の照射量で骨上4週間
【図4】図4は、骨上におけるePTFEの形態学的変
化を示す図である。 図4−1:5×1014 ions/cm2の照射量で骨上4週間 図4−2:1×1015 ions/cm2の照射量で骨上4週間 図4−3:1×1015 ions/cm2の照射量で骨上2週間 図4−4:1×1015 ions/cm2の照射量で骨上4週間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貝原 真 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 神尾 正巳 神奈川県横浜市磯子区東町3−15−1003 Fターム(参考) 4C081 AB11 AC01 BA16 BA17 BB04 CA131 CA171 CB011 DA02 DB07 EA15 4F073 AA08 BA16 BA23 BB01 CA51

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素を構成元素として含む高分子材料よ
    り構成され、表面の少なくとも一部がイオン衝撃により
    改質されてなる、骨及び/又は筋膜に接着性を有する材
    料。
  2. 【請求項2】 炭素を構成元素として含む高分子材料
    が、延伸ポリテトラフルオロエチエン(ePTFE)、ポリ
    乳酸、又はポリグラクチンである、請求項1に記載の骨
    及び/又は筋膜に接着性を有する材料。
  3. 【請求項3】 ドース量φが1×1013≦φ<1×10
    16個/cm2 となる範囲でイオン注入を行うことによっ
    て、イオン衝撃による改質を行う、請求項1または2に
    記載の骨及び/又は筋膜に接着性を有する材料。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れかに記載の骨及び
    /又は筋膜に接着性を有する材料から成る人工硬膜用材
    料。
  5. 【請求項5】 炭素を構成元素として含む高分子材料
    の表面の少なくとも一部にドース量φが1×1013≦φ
    <1×1016個/cm2 となる範囲でイオン注入を行う
    ことを特徴とする、骨及び/又は筋膜に接着性を有する
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素を構成元素として含む高分子材料
    が、延伸ポリテトラフルオロエチエン(ePTFE)、ポリ
    乳酸、又はポリグラクチンである、請求項5に記載の製
    造方法。
JP2001124294A 2001-04-23 2001-04-23 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法 Expired - Lifetime JP5505752B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001124294A JP5505752B2 (ja) 2001-04-23 2001-04-23 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法
US10/122,305 US6872759B2 (en) 2001-04-23 2002-04-16 Artificial dura mater having cell adhesiveness and a process for producing the same
EP02008213A EP1252902B1 (en) 2001-04-23 2002-04-18 Artificial dura mater having cell adhesiveness and a process for producing the same
DE60211589T DE60211589T2 (de) 2001-04-23 2002-04-18 Künstliche Dura Mater mit Zellhaftung und Prozess zur Produktion

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001124294A JP5505752B2 (ja) 2001-04-23 2001-04-23 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011240862A Division JP2012066096A (ja) 2011-11-02 2011-11-02 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002315821A true JP2002315821A (ja) 2002-10-29
JP5505752B2 JP5505752B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=18973705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001124294A Expired - Lifetime JP5505752B2 (ja) 2001-04-23 2001-04-23 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6872759B2 (ja)
EP (1) EP1252902B1 (ja)
JP (1) JP5505752B2 (ja)
DE (1) DE60211589T2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005016324A1 (ja) * 2003-08-19 2005-02-24 Riken 動脈瘤治療用材料
JP2014129548A (ja) * 2006-03-15 2014-07-10 Univ Of Sydney 生体分子に結合する活性化ポリマー
US8858527B2 (en) 2005-02-24 2014-10-14 Riken Catheter having denatured part for contact with body
JP2015144804A (ja) * 2014-01-06 2015-08-13 公立大学法人首都大学東京 成形体
JP6316496B1 (ja) * 2017-11-24 2018-04-25 株式会社多磨バイオ 人工心嚢膜シート

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4445697B2 (ja) * 2002-08-30 2010-04-07 独立行政法人理化学研究所 生体組織接着剤と親和性を有する生体修復材料
KR101802687B1 (ko) 2014-02-20 2017-11-28 각코호진 오키나와가가쿠기쥬츠다이가쿠인 다이가쿠가쿠엔 제어가능한 및 가역적 ph-감응성 롤링가능한 2d 나노 구조
CN106668935B (zh) * 2016-11-22 2020-03-06 大博医疗科技股份有限公司 一种膨胀体聚四氟乙烯人工硬脑膜及制备工艺
JP6426812B1 (ja) 2017-08-01 2018-11-21 株式会社多磨バイオ 医療用シート
JP6263305B1 (ja) * 2017-08-01 2018-01-17 株式会社多磨バイオ 医療用シート

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0549689A (ja) * 1991-08-20 1993-03-02 Sony Corp 細胞接着性材料およびその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5133757A (en) 1990-07-31 1992-07-28 Spire Corporation Ion implantation of plastic orthopaedic implants
US6051751A (en) 1995-01-20 2000-04-18 Spire Corporation Arthroplasty process for securely anchoring prostheses to bone, and arthroplasty products therefor
JP3536051B2 (ja) 1996-05-17 2004-06-07 独立行政法人理化学研究所 抗血栓材料及びその製造方法
DE19904913A1 (de) 1999-02-06 1999-09-16 Lothar Sellin Flexible modifizierte Herzklappe zum Ersatz einer Klappe im menschlichen Herzen Polymer-Carbon Herzklappe

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0549689A (ja) * 1991-08-20 1993-03-02 Sony Corp 細胞接着性材料およびその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005016324A1 (ja) * 2003-08-19 2005-02-24 Riken 動脈瘤治療用材料
JP2007020590A (ja) * 2003-08-19 2007-02-01 Institute Of Physical & Chemical Research 動脈瘤治療用材料
US8268300B2 (en) 2003-08-19 2012-09-18 Riken Material for aneurysm curing
US8858527B2 (en) 2005-02-24 2014-10-14 Riken Catheter having denatured part for contact with body
JP2014129548A (ja) * 2006-03-15 2014-07-10 Univ Of Sydney 生体分子に結合する活性化ポリマー
JP2015144804A (ja) * 2014-01-06 2015-08-13 公立大学法人首都大学東京 成形体
JP6316496B1 (ja) * 2017-11-24 2018-04-25 株式会社多磨バイオ 人工心嚢膜シート
WO2019102779A1 (ja) * 2017-11-24 2019-05-31 株式会社多磨バイオ 人工心嚢膜シート
JP2019092950A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 株式会社多磨バイオ 人工心嚢膜シート

Also Published As

Publication number Publication date
DE60211589T2 (de) 2007-06-06
JP5505752B2 (ja) 2014-05-28
US6872759B2 (en) 2005-03-29
US20020155295A1 (en) 2002-10-24
DE60211589D1 (de) 2006-06-29
EP1252902B1 (en) 2006-05-24
EP1252902A1 (en) 2002-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Vert et al. Stereoregular bioresorbable polyesters for orthopaedic surgery
US9968711B2 (en) Bone regeneration using biodegradable polymeric nanocomposite materials and applications of the same
EP1656932B1 (en) Material for aneurysm curing
Griffin et al. Enhancing tissue integration and angiogenesis of a novel nanocomposite polymer using plasma surface polymerisation, an in vitro and in vivo study
JP2002315821A (ja) 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法
KR20170135264A (ko) 방사선을 이용한 유착방지막의 제조방법 및 그 유착방지막
JP4445697B2 (ja) 生体組織接着剤と親和性を有する生体修復材料
Ali et al. Classifications, surface characterization and standardization of nanobiomaterials
US20080083908A1 (en) Bio-responsive and electrically conductive polymer compositions for tissue engineering and methods for production
KR101786645B1 (ko) 생체세라믹과 생분해성 고분자로의 이중 코팅에 의해 내부식성이 향상된 마그네슘 기재의 제조방법
US20110153029A1 (en) Bioresorbable and flexible membranes exhibiting asymmetric osteoconductive behavior in both faces
Shishatskaya Biomedical investigations of biodegradable PHAs
PL226891B1 (pl) Sposób wytwarzania implantu kostnego iimplant kostny
RU2316290C2 (ru) Сетчатый эндопротез для восстановительной хирургии
JP2012066096A (ja) 細胞接着性を有する人工硬膜およびその製造方法
EP2968661B1 (en) Biodegradable polymeric nanocomposite materials and applications of the same
JP6129861B2 (ja) 骨形成特性を有するポリマーコンポジットの人工骨インプラントまたは骨移植片
Gao et al. Corrosion and bone response of magnesium implants after surface modification by heat-self-assembled monolayer
EP4032557A1 (en) Biological tissue adhesive sheet , biological tissue reinforcing material kit, and method for producing biological tissue adhesive sheet
Kulbakin et al. Biodegradable composite material for bone reconstruction: Medical and biological research
Page PCL Shape Memory Scaffolds Prepared with Variable Cross-Link Density
박천일 Surface modification of polymeric bio-implants with sputtering-based metal Ion implantation to enhance biocompatibility
CN111012955A (zh) 一种改性医用镁合金材料及其制备方法
Heidemann et al. Printed version in: Biomedizinische Technik 2003; 48: 262-268

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031201

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040416

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111221

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111227

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20120127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130909

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5505752

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term