JP2002315268A - モータ用のブラシ及びそれを備えたモータ並びにブラシ製造方法 - Google Patents

モータ用のブラシ及びそれを備えたモータ並びにブラシ製造方法

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JP2002315268A
JP2002315268A JP2001116193A JP2001116193A JP2002315268A JP 2002315268 A JP2002315268 A JP 2002315268A JP 2001116193 A JP2001116193 A JP 2001116193A JP 2001116193 A JP2001116193 A JP 2001116193A JP 2002315268 A JP2002315268 A JP 2002315268A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触抵抗を小さくして整流子に対する導通性
を向上させると共に、材料コストを低減する。 【解決手段】 整流子に給電するモータ用のブラシにお
いて、貴金属メッキが施された断面円弧状の凸部が、整
流子と接触するように整流子の軸方向に対して凸部の軸
方向が略直角に配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ用のブラシ
及びそれを備えたモータ並びにブラシ製造方法に関し、
特に、モータ用のブラシと整流子との接触抵抗及び材料
コストを改善したモータ用のブラシ及びそれを備えたモ
ータ並びにブラシ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロモータには、図4に示すよう
に、従来から金属ブラシ21が用いられている。この金
属ブラシ21は、モータ25の回転中に整流子23から
離れたり接触したりの運動を繰り返す。このため、金属
ブラシ21は、整流子23との接触性を向上させるため
に、板バネ状に形成される等種々の工夫がなされてい
る。また、良好な転流のためには、金属同士の接触は好
ましくないので、金属ブラシ21の材料として高価な貴
金属が用いられたり、金属ブラシ表面に貴金属がクラッ
ドされたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
金属ブラシは、図4に示すように、金属ブラシの接触面
と整流子の接触面積が大きいため、接触抵抗が大きくな
り、ブラック・ブラウンパウダー発生時に非導通になり
やすいという問題点があった。また、金属ブラシは、高
価な貴金属材料を使用するため、従来のように金属ブラ
シ表面全体に貴金属材料をクラッドすると、材料コスト
がかかるという問題点があった。
【0004】本発明は、上記に課題に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、接触抵抗を小さ
くして整流子に対する導通性を向上させると共に、材料
コストを低減できるモータ用のブラシ及びそれを備えた
モータ並びにブラシ製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
整流子に給電するモータ用のブラシにおいて、貴金属メ
ッキが施された断面円弧状の凸部が、前記整流子と接触
するように前記整流子の軸方向に対して前記凸部の軸方
向が略直角に配設されていることを特徴とする。
【0006】凸部のメッキには、例えば、金、銀、ある
いはこれら金属を含む合金が用いられる。また、整流子
の軸方向に対して凸部の軸方向が略直角に配設されてい
るため、円筒状に形成された整流子の円周面と、断面円
弧状の凸部の円周面が互いに略直角に接触する。このた
め、整流子と凸部が点接触状態となる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の構成に加えて、前記凸部は、前記整流子の軸方向に
複数個並列に配設されていることを特徴とする。
【0008】凸部が整流子の軸方向に複数個並列に配設
されているため、モータの回転によって、モータ用のブ
ラシが振動しても、いずれかの凸部が整流子との接触状
態を確保できる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の発明の構成に加えて、前記凸部が、第1メッ
キ部と、前記第1メッキ部を覆う第2メッキ部とを備える
ことを特徴とするモータ用のブラシである。
【0010】第1メッキ部は、貴金属メッキで形成され
てもよいが、金属メッキで形成されるのが好ましい。ま
た、第2メッキ部は、整流子と直接接触するため、貴金
属メッキで形成される。
【0011】請求項4記載の発明は、整流子に給電する
モータ用のブラシにおいて、前記整流子と接触するよう
に貴金属メッキにより形成される断面円弧状の凸部を備
えることを特徴とするモータ用のブラシである。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれかに記載のブラシを備えたモータである。
【0013】請求項6記載の発明は、モータ用のブラシ
製造方法において、板材に所定幅のスリットパターンの
レジスト印刷を施す第1工程と、前記スリットパターン
に金属メッキを施し、整流子と接触する断面円弧状の凸
部を形成する第2工程と、前記金属メッキを覆うように
貴金属メッキを施す第3工程と、前記板材を所定のブラ
シ形状に打ち抜く第4工程と、を含むブラシ製造方法で
ある。
【0014】所定幅のスリットパターンは、第2工程で
複数のブラシの金属メッキを一度に施すことができるよ
うになっている。また、第2工程の金属メッキは、銅な
どの金属が好ましいが、貴金属でもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】本実施形態に係る金属ブラシは、
図1に示すように、凸部2が整流子3に接触するよう
に、ブラシ台4に固定されている。金属ブラシ本体1
は、図2に示すように、板状体を略「く」の字型に曲げ
て弾性を有するように形成されている。これは、整流子
3との接触性を向上させるためである。この金属ブラシ
本体1の表面1aは、凸部2を除いて絶縁処理されてい
る。金属ブラシ本体1の表面1aには、整流子3と接触す
る2個の凸部2が整流子3の軸方向に並列に設けられて
いる。
【0016】凸部2は、図1及び図2に示すように、断
面円弧状に形成されており、整流子3の軸方向に沿うよ
うに半円柱状に形成されている。凸部2が2個並列に設
けられているのは、モータの振動により一方の凸部2が
整流子3と接点不良を起こした場合でも、もう一方の凸
部2と整流子3が接触状態を保つようにするためであ
る。この凸部2は、図3(b)に示すように、第1メッキ
部2aと第2メッキ部2bからなる。
【0017】第1メッキ部2aは、金属ブラシ本体1の表面
1aに、例えば銅メッキを施すことにより断面円弧状に形
成される。このように、第1メッキ部2aを例えば銅のよ
うに安価な金属で形成することにより材料コストを低減
することができる。なお、第1メッキ部2aは、整流子3と
の導通が可能な金属メッキで形成されていればよいの
で、銅メッキに限定されるものではなく、他の金属又は
貴金属で形成されていてもよい。
【0018】第2メッキ部2bは、第1メッキ部2aを覆うよ
うに、例えば硬質金メッキを施すことにより形成されて
いる。硬質金メッキの厚さは、整流子3との摩擦を考慮
して形成される。なお、第2メッキ部2bは、整流子3と
の導通が可能な貴金属メッキで形成されていればよいの
で、硬質金メッキに限定されるものではなく、金、銀、
白金などの貴金属で形成されていてもよい。
【0019】本実施形態に係るモータ用のブラシ1は、
整流子3との接触抵抗が小さくなるように、整流子3と
接触する凸部2が形成されているものであればよいの
で、金属ブラシ本体1自体の形状は、略「く」の字型に
限定されるものではない。従って、例えば、金属ブラシ
の裏側から金属ブラシ本体を押圧するような場合には、
平板状の金属ブラシ本体でもよい。
【0020】以上のように形成された金属ブラシ1を小
型モータ5のブラシとして用いることにより、整流子3
に対する導通性が向上すると共に、安価なモータを製造
できる。
【0021】次に、本実施形態に係るブラシ製造方法に
ついて図3を参照しつつ説明する。図3(a)は金属ブ
ラシの製造工程を上から見た図であり、図3(b)は金
属ブラシの断面図である。
【0022】第1工程 に示すように、金属ブラシ本体となる金属平板を用意
し、に示すように、この金属平板の表面に所定幅のス
リットパターンのレジスト印刷を施す。このスリットパ
ターンは、上記の凸部をメッキで形成するために、凸部
を形成する部分となるスリット部分にだけ絶縁物がつか
ないようになっている。このように、所定幅のスリット
パターンのレジスト印刷を施すことにより金属平板に複
数のスリット部分が並列に形成される。
【0023】第2工程 に示すように、複数のスリット部分に例えば銅メッキ
を施し、整流子と接触する断面円弧状の第1メッキ部を
形成する。メッキの方法は、所定高さの凸部を形成する
ために、例えば、肉もりにて行なうのが好ましい。な
お、金属メッキの例として、銅を使用する場合を説明し
たが、第2工程で使用されるメッキの材料は銅に限定さ
れるものではない。従って、整流子との導通状態を確保
でき、かつ、安価な金属材料であれば、銅以外の金属や
貴金属を用いてもよい。
【0024】第3工程 次に、に示すように、第2工程で施された銅メッキを
覆うように硬質金メッキを施す。この硬質金メッキによ
り形成される部分は、直接整流子と接触する部分である
ため、摩擦との関係上所定の厚さに形成されていること
を要するため、第2工程と同様に、肉もりにて行なうの
が好ましい。なお、貴金属メッキの例として、硬質金を
使用する場合を説明したが、第2工程で使用されるメッ
キの材料は硬質金に限定されるものではない。従って、
整流子との導通状態を確保でき、かつ、化学変化しない
安定な貴金属材料であれば、硬質金以外の貴金属を用い
てもよい。
【0025】第4工程 次に、に示すように、複数の凸部が形成された板材を
所定の金属ブラシ形状に打ち抜く。
【0026】以上のように、整流子と接触する断面円弧
状の凸部を、金属ブラシ本体にメッキにて形成すること
により、接触抵抗が小さく導通性に優れ、かつ、材料コ
ストを低減したモータ用のブラシを製造することができ
る。
【0027】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、接触抵抗を小さ
くして整流子に対する導通性を向上させることができる
という効果を奏する。接触抵抗が小さくなるのは、従来
のような線接触ではなく、整流子の軸方向と凸部の軸方
向が略直角に配設されているため、円筒状に形成された
整流子の円周面と、断面円弧状の凸部の円周面が互いに
略直角に点接触するからである。また、従来の金属ブラ
シのように、金属ブラシ表面全体に貴金属をクラッドし
ないで、凸部のみを貴金属で形成するため、使用される
貴金属を減らすことができるので、材料コストを低減で
きるという効果を奏する。
【0028】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、より導通性を向上させることができ
るという効果を奏する。これは、凸部が整流子の軸方向
に複数個並列に配設されているため、モータの回転によ
って、モータ用のブラシが振動しても、いずれかの凸部
が整流子との接触状態を確保できるためである。
【0029】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載の発明の効果に加えて、より材料コストを低減
できるという効果を奏する。第1メッキ部を安価な金属
メッキで形成し、その上に貴金属メッキを施すため、高
価な貴金属が使用される量をより減少させることができ
るためである。
【0030】請求項4記載の発明は、接触抵抗を小さく
して整流子に対する導通性を向上させることができると
いう効果を奏する。また、材料コストを低減できるとい
う効果を奏する。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれかに記載の金属ブラシを小型モータのブラ
シとして用いるため、整流子に対する導通性を向上させ
ることができると共に、安価なモータを提供できるとい
う効果を奏する。
【0032】請求項6記載の発明は、接触抵抗を小さく
して整流子に対する導通性が向上すると共に、材料コス
トを低減したモータ用のブラシを製造できるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金属ブラシと整流子と
の接触状態を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る金属ブラシを説明する
図である。
【図3】本発明の実施形態に係る金属ブラシの製造工程
を説明する図である。
【図4】従来の金属ブラシと整流子との接触状態を説明
する図である。
【符号の説明】
1 モータ用のブラシ 2 凸部 2a 第1メッキ部 2b 第2メッキ部 3 整流子 4 ブラシ台 5 モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整流子に給電するモータ用のブラシにお
    いて、 貴金属メッキが施された断面円弧状の凸部が、前記整流
    子と接触するように前記整流子の軸方向に対して前記凸
    部の軸方向が略直角に配設されていることを特徴とする
    モータ用のブラシ。
  2. 【請求項2】 前記凸部は、前記整流子の軸方向に複数
    個並列に配設されていることを特徴とする請求項1記載
    のモータ用のブラシ。
  3. 【請求項3】 前記凸部は、第1メッキ部と、前記第1
    メッキ部を覆う第2メッキ部とを備えることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載のモータ用のブラシ。
  4. 【請求項4】 整流子に給電するモータ用のブラシにお
    いて、 前記整流子と接触するように貴金属メッキにより形成さ
    れる断面円弧状の凸部を備えることを特徴とするモータ
    用のブラシ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    のブラシを備えたモータ。
  6. 【請求項6】 モータ用のブラシ製造方法において、 板材に所定幅のスリットパターンのレジスト印刷を施す
    第1工程と、 前記スリットパターンに金属メッキを施し、整流子と接
    触する断面円弧状の凸部を形成する第2工程と、 前記金属メッキを覆うように貴金属メッキを施す第3工
    程と、 前記板材を所定のブラシ形状に打ち抜く第4工程と、を
    含むブラシ製造方法。
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