JP2006203973A - マルチワイヤブラシ - Google Patents

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Yoshimi Suzuki
良美 鈴木
Tadayoshi Kurakawa
忠義 倉川
Shigeki Mutai
茂樹 務台
Kenichi Chiba
健一 千葉
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NOGE DENKI KOGYO KK
Noge Electric Industries Co Ltd
Suzuki Contact Point Ind Co Ltd
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Noge Electric Industries Co Ltd
Suzuki Contact Point Ind Co Ltd
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Abstract

【課題】
直流小型モータの回転トルクを維持するために、板ブラシの幅を狭くする必要があるが、プレス金型技術では限界がある。そこでブラシの形状を板材からワイヤの形状として、開発だ進んだ。しかし、ワイヤの問題点は、ワイヤが伸線加工で製造されているため、整流子とブラシの接触は線または面接触となっており、現状のCu合金や洋白では磨耗が起こりやすく、製品寿命が短いという問題を抱えており、耐磨耗性を改善するために、Cu合金などにAg−Pdをクラッドしたものが使用されるようになった。しかし、クラッド材は製造工程が複雑であり、コスト面から考えても高い欠点がある。
【解決手段】
洋白およびCu合金を芯材として、芯材表面にニッケルめっきを施し、中間層に金などのフラッシュめっきをし、最表面層にパラジウムめっき皮膜を施し、かつ、最表面層を峰状結晶とすることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、モーターにおけるワイヤブラシに関するものである。
モーターにおいては、整流子とブラシの間で摺動しながら電気を送るために、整流子及びブラシ間に化学的、電気的及び機械的に摺動部の磨耗が発生する。この磨耗を防止するため各種の試みがなされてきた。特許文献1では整流子が銀パラジウムとカーボングラファイトで構成されている。また、特許文献2から6に示されるように整流子の表面をめっきにより改質することが行われている。めっきにはAg−Zn−Pd、Ag−Zn−Pd−Cu、Ag−Zn−Pd−Ni、Ag−Zn−Pd−Cu−Ni合金、Au−CoやNi+Au−Coなどが使用されている。
直流小型モータにおいては整流子の電極として、銅素材にAg150μm−Au100μmをクラッド加工したものが使用されている。
また、ブラシに関しては特許文献7のようにブラシ材に磁性材料を使用し、ブラシの追従性を改善するものや、特許文献8のように従来の板バネ構造からフレキシブルな基板上に銅薄の導体パターンを形成し、摺動面を酸化から防止するために金めっきを施すものに改良されてきた。また、特許文献9にあるように複数の線材を整列させ、支持プレートに溶接する方法も取られている。
公開特許公報 昭57-148559 特願平7-184690 特願平7-194064 特願平11-508427 特開2003-309951 特開2003-321794 公開特許公報 昭53-29506 特願平6-73867 公開特許公報 昭61-140081
直流小型モータにおけるブラシに関しては、整流子の回転速度が速いため、磨耗が問題となっている。
ブラシが図1に示す板材の場合は、ブラシに使用する材質として、銅および洋白に金、銀、パラジウム、白金等の貴金属合金をクラッドする方法がとられてきたが、コストが高いという問題があった。
コスト低減のために、芯材が銅合金である板ブラシの表面の改質を行うために、クラッドの代わって金、銀、パラジウム、白金等の貴金属をめっきする方法がとられてきた。
しかし、携帯電話に内臓されている振動モーター等の小型モーターにおいては、板ブラシを使用した場合、図1に示すようにブラシ接触部の幅が0.2mm、ブラシ接触部の間隔が0.12mmが加工限界であり、板ブラシ全体の幅は0.52mmとなる。一方、ワイヤブラシの接触部を0.12mmにすることが可能であり、板ブラシに比較すると0.4mm狭くすることが可能である。この短縮された長さは、小型モーターにおいては重要な意味を有している。すなわち、モーターの全長を同じにすれば、図5のハウジング部、すなわち、巻線のターン数が多く取れることになり、板ブラシに比較し、高い回転トルクを得ることが可能となる。また、板ブラシと同じ回転トルクの場合は0.4mm短いモーターとなるメリットが生じ、小型モーターにとっては著しい技術格差を生じるのである。
そこでブラシの形状を板材からワイヤの形状に変更して、ブラシ特性に適合させるために弾性変形に富む材料であるリン青銅やBe−Cu合金(以下にCu合金と呼ぶ)や洋白を使用する方法が開発された。しかし、ワイヤの問題点は、ワイヤが伸線加工で製造されているため、整流子とブラシの接触は線または面接触となり、Cu合金や洋白では磨耗が起こりやすく、製品寿命が短いという問題を抱えていた。
ワイヤブラシの耐磨耗性を改善するために、Cu合金や洋白の表面を銀−パラジウムをクラッドしたものが使用されるようになったが、板ブラシ同様にクラッド材は製造工程が複雑であり、コスト面から考えても高い欠点がある。
本発明は、ブラシを板材から図2に示すようにマルチワイヤにし、芯材を洋白やCu合金とし、芯材表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきまたはNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層に鋭角な峰を有する突起部(以下、峰状結晶と呼ぶ)を有するPdめっき皮膜を配することを特長とした。
本発明はブラシ形状を板材からワイヤに変えることによって、ワイヤ直径を100μm以下にすることが可能となり、モーターへの負荷を抑えることが可能となり、モーターの回転トルクを維持しやすくするとともに、ワイヤ最表面に鋭角な峰状結晶を有するパラジウムめっき皮膜を施すことよって、通電時のスパークが防止され、通電を確実に行うことができるため、整流子接触面でのブラシの磨耗が著しく改善される。
洋白およびCu合金を芯材として、芯材表面に0.3μm以上のニッケルめっきを施し、中間層にパラジウムめっきの密着性を改善するため、金のフラッシュめっきを行い、最表面層に鋭角な峰状結晶を有するパラジウムめっき皮膜を0.3μm以上配したワイヤ。または、洋白およびCu合金を芯材として、芯材表面に0.3μm以上のニッケルめっきを施し、中間層にパラジウムのめっき密着性を改善するため、Ni−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層に鋭角な峰状結晶を有するパラジウムめっき皮膜を0.3μm以上配したことを特徴とするワイヤ。
直径60μmから95μmの洋白ワイヤにニッケルめっき、金めっきおよびパラジウムめっきを下記の工程で行う。
原線(洋白)→脱脂→酸活性→ニッケルめっき→金めっき→パラジウムめっき→乾燥→めっきワイヤの製品
原線はめっきする前に脱脂処理を行い、めっきの付きをよくするために酸処理を行う。酸処理後水洗して酸を洗い、ニッケルめっきを表1の条件で0.2乃至0.7μmを施す。中間層に金めっきを行うが、これは最表面層になるパラジウムめっきの密着性をよくするために行う。金めっきは表2に示す条件で0.003乃至0.007μm施す。最表面層は表3に示す条件でパラジウムめっきを0.2乃至0.7μmを施す。パラジウムめっき表面は電流密度で結晶の形が変化し、電流密度を上げていくと図3に示すように形状がドーム型の結晶(以下、球状結晶と呼ぶ)から峰状結晶に変化していく。
Figure 2006203973
Figure 2006203973
Figure 2006203973
このようにして製造した、めっきワイヤを図4の工程(1)に示すように台材にスポット溶接で接合する。スポットされるワイヤは多数本が使用される。接合後、図4の工程(2)に示すようにパラジウムめっきワイヤを所定の寸法に切断する。切断後、図4の工程(3)に示すようにパラジウムめっきワイヤに曲げ加工を行う。その後、図4の工程(4)に示すようにブラシアッシーを台材から切り離す。切り離されたブラシアッシーは図5に示すモーター組み立て工程に従って、ブラシ台にセットされ、モーターとして組み立てられる。
ワイヤブラシの磨耗試験は、振動モーター用の整流子にブラシを接触させて組み立てられた後、図6に示す駆動信号の試験条件で耐久サイクル340万サイクルが実施され、試験終了後にワイヤの磨耗状況を観察する。磨耗試験結果を表4乃至6に示す。
Figure 2006203973
Figure 2006203973
Figure 2006203973
磨耗試験結果は表面の峰状結晶の数とよい相関を有している。ここで表面の突起とは図3に示すように25μm2の表面に現れる峰状結晶の数を言う。
直径60μmから95μmのCu合金ワイヤにニッケルめっき、パラジウムめっきおよび金めっきを下記の工程で施す。
原線(洋白)→脱脂→酸活性→ニッケルめっき→金めっき→パラジウムめっき→乾燥→製品
ニッケルめっき条件を表1に示す。中間層には接合性を向上させるために表2の条件を使用して金めっきを施し、再表面層には表3に示す条件でパラジウムめっきを施す。。ワイヤ表面はパラジウムめっきで決まるが、表面の性状を制御するため、電流密度を変化させた。
磨耗試験は実施例と同様に行い、峰状結晶の数が5乃至60個が良好な結果を示した。
直径60μmから95μmの洋白ワイヤにニッケルめっきを施し、不規則な凹凸表面を有するPdめっき皮膜を施し、さらにNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Auのフラッシュめっきを順に積層した。ニッケルとパラジウムの比率は50:50であり、めっき厚さは0.003〜0.005μm、パラジウムとルテニウムの比率は70:30であり、めっき厚さは0.003〜0.005μmおよびパラジウムと金の比率は30:70であり、めっき厚さは0.003〜0.005μmである。また、製造工程は実施例1と同じである。磨耗試験は実施例と同様に行い、峰状結晶の数が5乃至55個が良好な結果を示した。
直径60μmから95μmのCu合金ワイヤにニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Auのフラッシュめっきを順に積層し、最表面層に鋭角な峰の有する峰状結晶のパラジウムめっき皮膜を施す。ニッケルとパラジウムの比率は50:50であり、めっき厚さは0.003〜0.005μm、パラジウムとルテニウムの比率は70:30であり、めっき厚さは0.003〜0.005μmおよびパラジウムと金の比率は30:70であり、めっき厚さは0.003〜0.005μmである。また、製造工程は実施例1と同じである。磨耗試験は実施例と同様に行い、峰状結晶の数が5乃至50個が良好な結果を示した。
本発明におけるめっきをされたワイヤはモーター用ブラシの他にも、可変抵抗器用の摺動子やスライドスイッチ用摺動子に使用できる。
板ブラシ マルチワイヤブラシ 峰状結晶の定義 マルチワイヤの組み立て工程 モーターの組み立て 駆動信号
符号の説明
1 板ブラシの接触部
2 板ブラシの接触部の間隔
ワイヤブラシの接触部
ワイヤと金属板のスポット溶接
ワイヤカット
ワイヤ曲げ
切り離し
分銅
ハウジング(磁石および巻線)
シャフト
整流子
マルチワイヤブラシ
ブラシ台
リード線

Claims (29)

  1. ワイヤの芯材を洋白として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきを施し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤ
  2. ワイヤの芯材を洋白として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきを施し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  3. 線径60μm乃至95μmの洋白ワイヤを芯材として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきを施し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤブラシ
  4. ワイヤの芯材をCu合金として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきを施し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  5. ワイヤの芯材をCu合金として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきを施し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤ
  6. 線径60μm乃至95μmのCu合金ワイヤを芯材として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層に金めっきを施し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  7. ワイヤの芯材を洋白として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤ
  8. ワイヤの芯材を洋白として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  9. 線径60μm乃至95μmの洋白ワイヤを芯材として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  10. ワイヤの芯材をCu合金として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤ
  11. ワイヤの芯材をCu合金として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  12. 線径60μm乃至95μmのCu合金ワイヤを芯材として、該ワイヤの表面にニッケルめっきを施し、中間層にNi−Pd、Pd−RuおよびPd−Au合金のフラッシュめっきを順に積層し、最表面層にパラジウムめっきを施したワイヤを用いたモーター用ブラシ
  13. ワイヤ最表面をパラジウムめっきとし、該ワイヤ表面の峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在するワイヤ
  14. ワイヤ最表面をパラジウムめっきとし、該ワイヤ表面の峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在するワイヤを用いたモーター用ブラシ
  15. 線径60μm乃至95μmのワイヤにおいて、該ワイヤ最表面をパラジウムめっきとし、ワイヤ表面の峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在するワイヤを用いたモーター用ブラシ
  16. 線径60μm乃至95μmの洋白ワイヤにおいて、該ワイヤ最表面をパラジウムめっきとし、ワイヤ表面の峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在するワイヤを用いたモーター用ブラシ
  17. 線径60μm乃至95μmのCu合金ワイヤにおいて、該ワイヤ最表面をパラジウムめっきとし、ワイヤ表面の峰上突起の数が4μm2に5乃至60個存在するワイヤを用いたモーター用ブラシ
  18. 請求項1において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在することを特徴とする
  19. 請求項2において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在することを特徴とする
  20. 請求項3において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在することを特徴とする
  21. 請求項4において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至60個存在することを特徴とする
  22. 請求項5において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至60個存在することを特徴とする
  23. 請求項6において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至60個存在することを特徴とする
  24. 請求項7において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至55個存在することを特徴とする
  25. 請求項8において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至55個存在することを特徴とする
  26. 請求項9において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至55個存在することを特徴とする
  27. 請求項10において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在することを特徴とする
  28. 請求項11において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在することを特徴とする
  29. 請求項12において、該ワイヤ表面に峰上突起の数が4μm2に5乃至50個存在することを特徴とする

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108347147A (zh) * 2018-02-11 2018-07-31 金卡智能集团股份有限公司 一种防腐蚀的直流有刷电机及流量计量仪表

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