JP2009245659A - モータ用摺動接点材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体1上に、算術平均粗さRa=(A)μmである貴金属または貴金属を主成分とした合金からなる第1層2と、該第1層の上層に皮膜厚さが0.001×(A)μm以上(A)μm以下の貴金属または貴金属を主成分とした合金からなる第2層3とが設けられた小型モータ用摺動接点材料であって、前記第1層2を形成する貴金属または前記第1層を形成する合金の主成分である貴金属に対して、前記第2層3を形成する貴金属または前記第2層を形成する合金の主成分である貴金属が異なる元素である小型モータ用摺動接点材料。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上記のような問題点を解決し、摺動特性や耐摩耗性に優れ、長寿命であり、低コストで製造できるモータ用摺動接点材料を提供することを目的とする。
これは、最表面となる第2層の貴金属が接点材として利用される際、初期の接触や摺動によって多少なりとも磨耗するが、その磨耗粉が第1層に形成された算術平均粗さRa=(A)μmをもつ貴金属あるいはこれらの成分を主成分とした合金からなる皮膜の、凹凸部に優先的に埋没する。その結果、第2層は貴金属であり特に酸化や変質することなく溝に埋まり、接触状態は見かけ上2種類以上の異種貴金属の接触となり、延性・潤滑効果によって摺動接点材としての寿命を向上させ、さらに安定した接触抵抗を得ることができることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
(1)導電性基体上に、算術平均粗さRa=(A)μmである貴金属または貴金属を主成分とした合金からなる第1層と、該第1層の上層に皮膜厚さが0.001×(A)μm以上(A)μm以下の貴金属または貴金属を主成分とした合金からなる第2層とが設けられた小型モータ用摺動接点材料であって、前記第1層を形成する貴金属または前記第1層を形成する合金の主成分である貴金属に対して、前記第2層を形成する貴金属または前記第2層を形成する合金の主成分である貴金属が異なる元素であることを特徴とする小型モータ用摺動接点材料、
(2)前記(A)が0.05〜0.5であることを特徴とする(1)項記載の小型モータ用摺動接点材料、および
(3)前記第1層及び第2層の少なくとも一層がめっきで設けられたことを特徴とする(1)または(2)項記載の小型モータ用摺動接点材料、
を提供するものである。
なお、本発明でいう「小型モータ」とは、37.5W以下のモータを指し、例えばOA機器用、AV機器用、情報・通信機器用、自動車伝送用、ゲーム機器用、カメラ関連用等に汎用されるモータのことをいう。
なお、貴金属を主成分とした合金とは、通常貴金属がその合金の50質量%以上、好ましくは80質量%以上を占める成分をいう。
なお、第1層と第2層で同じ貴金属元素が含まれている場合で、第1層における貴金属元素と他の元素との質量比がともに50質量%であり、かつ第2層における貴金属元素と他の元素との質量比がともに50質量%である場合については、以下のように定義する。(1)第1層における他の元素または第2層における他の元素のうち少なくとも一方が貴金属元素である場合は、他の貴金属元素が50質量%となるため、第1層の主成分となる貴金属元素と第2層の主成分となる貴金属元素は異なるものとする。
(2)第1層における他の元素および第2層における他の元素が貴金属元素でない場合は、第1層における他の元素と第2層における他の元素とが同一の元素でない限り、本発明においては特別に第1層の主成分となる貴金属元素と第2層の主成分となる貴金属元素が異なるものとみなす。
(3)第1層における他の元素および第2層における他の元素が同一である場合は、第1層と第2層の組成は同一であり、本発明においては第1層の主成分となる貴金属元素と第2層の主成分となる貴金属元素が異なるものとみなさない。
また、第1層における他の元素および第2層における他の元素が同一の貴金属元素である場合であって、第1層または第2層の一方において他の元素である貴金属元素の質量比が50%未満、第1層または第2層の他方において50質量%である場合には、第1層の主成分となる貴金属元素と第2層の主成分となる貴金属元素は異なるものとする。
図2は、本発明の別の実施態様を模式的に示した断面図である。ここでは、導電性基体1の上に第1層2および第2層3からなる被覆層の下地層4を設けられている。
図3は、本発明のさらに別の実施態様を模式的に示した断面図である。これは、導電性基体1および下地層4に部分的に第1層2および第2層3からなる被覆層を形成し設けたものであり、摺動接点材として使用する部分にのみ被覆層を設けることで、省貴金属化におけるコストダウンが図られる。なお、図3に関連して、導電性基体1の上に設けられる下地層4は、部分的に設けられていてもよく、例えば第1層2および第2層3からなる被覆層が設けられる箇所にのみ(被覆層の形状に合わせて)設けられていてもよい。
図1〜図3では、簡略化して、第1層2と第2層3との境界は直線により示されているが、実際は、図4の部分拡大断面図に模式的に示されるように、導電性基体1の上の第1層2の表面は算術平均粗さRa=(A)μmとなるような凹凸を有しており、第2層3の膜厚は、上記(A)の値の0.001倍以上1倍以下、好ましくは上記(A)の値の0.05倍以上0.5倍以下で形成されている。
なお、例えば光沢めっきを第2層に使用した場合などには、第2層を凹部に厚く、凸部に薄くつけることも可能である。また、例えば、めっき後に表面を軽くラッピング(面取り)して削り凹部のみに第2層を被覆してもよい。ここで、第2層3を凹部に厚く、凸部に薄くつける場合の第2層3の膜厚は、算術平均により定義する。
なお、前記算術平均粗さRaは日本工業規格(JIS)の表面粗さ−定義及び表示(B0601−1994)に準拠し、測定した値である。
ただし、第1層を形成する貴金属または第1層を形成する合金の主成分である貴金属と、第2層を形成する貴金属または前記第2層を形成する合金の主成分である貴金属とは異なるものである。
めっきとしては、通常用いられるめっきを適宜選択して用いることができるが、特に薄膜を容易に形成する方法として、電解めっき法を利用することが好ましい。電解めっき液の組成およびめっき条件は常法により行うことができる。また、必要貴金属量を抑制するために、第1層あるいは第2層、またはその両方の貴金属被覆層を、ストライプ状やスポット状等の部分的に施すことも有用である。
[実施例1〜15および比較例1〜4]
厚さ0.3mm、幅18mmのC14410条(銅基体)を電解脱脂、酸洗の前処理を行った後、表1に示しためっき構成材を作製し、各実施例および比較例の小型モータ用摺動接点材料を得た。得られた各摺動接点材料は、小型モータ用整流子片にプレス加工を施し、小型モータに組み込んだ。
一方のブラシ材においては、厚さ0.05mm、幅19mmのC77010条(銅基体)を電解脱脂、酸洗の前処理を行った後、Ni下地めっきを0.2μm、その上にPdめっきを0.5μm施すことで作製し、ブラシ材料を得た。得られたブラシ材料を小型モータ用ブラシ材にプレス加工を施し、小型モータに組み込んだ。
[Niめっき]
めっき液:Ni(NH2SO3H) 500g/l、NiCl2 30g/l、H3BO3 30g/l
めっき条件:電流密度 15A/dm2、温度 50℃
[Coめっき]
めっき液:CoSO4 400g/l、NaCl 20g/g、H3BO4 40g/l
めっき条件:電流密度 5A/dm2、温度 30℃
[Cuめっき]
めっき液:CuSO4・5H2O 250g/l、H2SO4 50g/l、NaCl 0.1g/l
めっき条件:電流密度 6A/dm2、温度 40℃
めっき液:AgCN 5g/l、KCN 60g/l、K2CO3 30g/l
めっき条件:電流密度 2A/dm2、温度 30℃
[Agめっき]
めっき液:AgCN 50g/l、KCN 100g/l、K2CO3 30g/l
めっき条件:電流密度 0.5〜3A/dm2、温度 30℃
[光沢Agめっき]
めっき液:AgCN 5g/l、KCN 100g/l、K2CO3 30g/l、NaS2O3 1.58g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 30℃
めっき液:Pd(NH3)2Cl2 40g/l、NiSO4 45g/l、NH4OH 90ml/l、(NH4)2SO4 50g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 30℃
[Pdめっき]
めっき液:Pd(NH3)2Cl2 45g/l、NH4OH 90ml/l、(NH4)2SO4 50g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 30℃
めっき液:KAu(CN)2 14.6g/l、C6H8O7 150g/l、K2C6H4O7 180g/l、EDTA−Co(II) 3g/l、ピペラジン 2g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 40℃
[Ruめっき]
めっき液:RuNOCl3・5H2O 10g/l、NH2SO3H 15g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 50℃
印加電圧2.5V,負荷電流0.1A,負荷時回転数2000r/min.の条件でモータ試験を行い、モータ停止時間を測定した。停止時間は、測定開始より300日後(7200時間)でも回転し続けているものは、その時点で装置を停止し、十分特性を満足しているものとした。
また、総合的な評価として良いものから悪いものへ◎○△×の4段階に分類した。総合評価においては◎○が望ましい。
2 第1層
3 第2層
4 下地層
Claims (3)
- 導電性基体上に、算術平均粗さRa=(A)μmである貴金属または貴金属を主成分とした合金からなる第1層と、該第1層の上層に皮膜厚さが0.001×(A)μm以上(A)μm以下の貴金属または貴金属を主成分とした合金からなる第2層とが設けられたモータ用摺動接点材料であって、前記第1層を形成する貴金属または前記第1層を形成する合金の主成分である貴金属に対して、前記第2層を形成する貴金属または前記第2層を形成する合金の主成分である貴金属が異なる元素であることを特徴とするモータ用摺動接点材料。
- 前記(A)が0.05〜0.5であることを特徴とする請求項1記載のモータ用摺動接点材料。
- 前記第1層及び第2層の少なくとも一層がめっきで設けられたことを特徴とする請求項1または2記載のモータ用摺動接点材料。
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