JP2002315267A - モータのブラシ装置 - Google Patents

モータのブラシ装置

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JP2002315267A
JP2002315267A JP2001115710A JP2001115710A JP2002315267A JP 2002315267 A JP2002315267 A JP 2002315267A JP 2001115710 A JP2001115710 A JP 2001115710A JP 2001115710 A JP2001115710 A JP 2001115710A JP 2002315267 A JP2002315267 A JP 2002315267A
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JP
Japan
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commutator
conductive brush
brush member
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JP2001115710A
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English (en)
Inventor
Yasushi Mizusaki
康史 水嵜
Masao Takemura
政夫 竹村
Hirotaka Sakamaki
弘孝 坂牧
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で、耐摩耗性及び接触安定性を得るこ
とを可能とする。 【解決手段】 複数本の導電性ブラシ部材12,13,
14のうちの少なくとも一体13を異形横断面形状とし
て、その一部13aをコミュテータの外周表面に当接配
置するとともに、その導電性ブラシ部材13のコミュテ
ータ当接部位13aに対して潤滑作用を付与する気層潤
滑剤をモータケース内に保持したことによって、異形横
断面形状による各種利点を得つつ、気層潤滑剤によって
良好な長寿命化を図るようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性金属板から
なるブラシ部材をコミュテータ側に接触させることによ
って駆動電流を供給するようにしたモータのブラシ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般のブラシ付きモータでは、例えば図
14に示されているように、導電性金属板からなる一対
の導電性ブラシ部材1,1が、略円筒状のコミュテータ
2の外周表面を直径方向に挟み込むようにして配置され
ている。これら一対の導電性ブラシ部材1,1は、当該
導電性ブラシ部材1の先端側に設けられた通電接触部1
aが、上記コミュテータ1の外周表面に当接されてお
り、それらの各通電接触部1a,1a,・・・が、上記
コミュテータ1上を摺動することによって駆動電流の給
電が行われるようになっている。
【0003】このときの上記導電性ブラシ部材1の通電
接触部1aとしては、上述した図14に示されているよ
うな平板状接触部1aからなるものや、図15に示され
ているような横断面が略逆V字形状に折り曲げ形成され
た異形状接触部1bからなるものなどがある。そのうち
の平板状接触部1aは、上記コミュテータ2の外周表面
に対して平面状に当接するものであり、異形状接触部1
bは、上記コミュテータ2の外周表面に対して折り曲げ
形状の自由端に相当する複数の端縁部1cが線状に接触
する構成になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなブラシ部材
1における平板状接触部1a、及び異形状接触部1bに
は、それぞれ一長一短があり、平板状接触部1aでは、
面状の接触状態となっているために導電性ブラシ部材1
の摩耗が少なくいという利点はあるものの、接触圧力を
高くしないと良好な接触安定性が得られない上に、摺動
位置の変動が小さいことから、パウダー(有機ガスの燃
えカス)等の異物が発生して接点障害を将来するおそれ
があり、電力供給が不安定になって機動不良や電気ノイ
ズ、更にはアークにより電気摩耗を起こしやすいという
問題がある。また、この平板状接触部1aの接触圧力を
高くし過ぎると、接触部分でブラシ部材1に折れ曲り変
形を生じることがあり、そのブラシ部材1の折れ曲り変
形によって、コミュテータ2の回転を係止させる状態と
なることもある。
【0005】これに対して、異形状接触部1bは、線状
の接触状態となっていることから実質的な接触圧力を高
めることができ、コミュテータ2の表面に付着した不導
通物質を切り破る作用等によって良好な接触安定性が得
られ、不要な電気ノイズや火花の発生を抑制することが
できる。また、ブラシ摩耗に伴って摺動位置が徐々に変
化していくことから、パウダーや摩耗粉の排除を行わせ
る自己クリーニング作用を得ることも可能という利点が
ある。
【0006】しかしながら、このような異形状接触部1
bにおいては、コミュテータ2側への食い込み現象が大
きくなるために複数条の摺動跡が残ることとなり、コミ
ュテータ2側の摩耗が大きくなって、ブラシ折れに至る
こともある。そのため、コミュテータ2の表面部分に設
けられた接点金属層2aをかなり厚く設定する必要があ
り、コスト高にならざるを得ないという問題がある。ま
た、切削摩耗粉の発生によるスリットショートの危険性
が生じ易いという問題もある。
【0007】そこで本発明は、長寿命で、耐摩耗性及び
接触安定性にも優れたモータのブラシ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載のモータのブラシ装置では、複数本もし
くは複数本に分割された導電性ブラシ部材のうちの少な
くとも一体は、当該導電性ブラシ部材の長手方向に沿っ
て延在するように形成された形状境界線の両側部分に、
当該形状境界線を介して不連続となる面部を有する異形
横断面形状を備えているとともに、その導電性ブラシ部
材における異形横断面形状の一部が、上記コミュテータ
の外周表面に当接する配置関係になされ、かつ上記モー
タケース内には、前記導電性ブラシ部材とコミュテータ
側との当接部位に対して潤滑作用を付与する気層潤滑剤
が保持されている。
【0009】すなわち、上記異形横断面形状の導電性ブ
ラシ部材によって、良好な接触安定性が得られるととも
に、不要な電気ノイズや火花の発生が抑制され、しか
も、ブラシ摩耗に伴って摺動位置が徐々に変化していく
ことから、パウダーや摩耗粉の排除を行わせる自己クリ
ーニング作用を得ることも可能である。また、上記異形
横断面形状を有する導電性ブラシ部材のコミュテータ側
への過剰な食い込み現象が、気層潤滑剤の潤滑作用によ
って適宜に緩和されることとなって、コミュテータ側の
摩耗や、ブラシ折れが良好に回避されるようになってい
る。
【0010】より具体的には、請求項2記載のモータの
ブラシ装置のように、導電性ブラシ部材の形状境界線
が、折曲線から形成されたものであって、上記導電性ブ
ラシ部材の異形横断面形状が折曲形状を含み、その折曲
形状の両端部が、前記コミュテータの外周表面に当接す
る配置関係になされていることによって、上述した請求
項1にかかる作用が確実に得られるとともに、導電性ブ
ラシ部材の異形横断面形状が容易に成形可能となってい
る。
【0011】さらに、請求項3記載のモータのブラシ装
置のように、導電性ブラシ部材の形状境界線が凹凸境界
線から形成されたものであって、上記導電性ブラシ部材
の異形横断面形状が、凹凸境界線を介して両側に延在す
る少なくとも一対の凹面及び凸面を含み、それらの各凹
面及び凸面のうちのいずれかが、前記コミュテータの外
周表面に当接する配置関係になされていることことによ
っても、上述した請求項1にかかる作用が確実に得られ
る。
【0012】さらにまた、請求項4記載のモータのブラ
シ装置では、前記請求項1記載の導電性ブラシ部材の凹
面及び凸面のうちの前記コミュテータ側に当接する凹面
又は凸面が、導電性ブラシ部材の全幅に対して1/3以
下の幅寸法となるように形成されていることから、上述
した各作用をより一層、確実に得ることが可能となる。
【0013】また、請求項5記載のモータのブラシ装置
では、前記請求項1記載の気層潤滑剤として、多価アル
コール類のものが用いられていることから、上述した各
作用をより一層、安価かつ確実に得ることが可能とな
る。
【0014】さらに、請求項6記載のモータのブラシ装
置では、前記請求項1記載のコミュテータの表面部分に
設けられたクラッド層の厚さが、10μm以上で100
μm以下に設定されていることから、上述した各作用を
より一層、確実に得ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明するが、モータのブラシ装置の全体
構造については、ブラシ部材事態の構造を除いて、前述
した図14又は図15に示されているものと同様である
ので、詳細な説明は省略することとして、本発明にかか
るブラシ部材の実施形態の要部について説明する。
【0016】まず、図1、図2及び図3に示されている
第1の実施形態では、幅広に形成されたブラシ基部11
から分岐するようにして、3体の導電性ブラシ部材1
2,13,14が、細長片持ち形状をなすように略平行
に延出している。上記ブラシ基部11は、図示を省略し
た電極部に接合されており、その電極部を通して、図示
を省略したコミュテータに対する給電制御操作が行われ
るようになっている。
【0017】このとき、上述した3体の導電性ブラシ部
材12,13,14のうちの両端側に延在している一対
の導電性ブラシ部材12及び14は、平板状部材から形
成されていて、当該両導電性ブラシ部材12及び14に
おけるコミュテータ側に接触するコミュテータ当接部位
12a,14aの表面には、耐摩耗性及び電気的安定性
を向上させるためのクラッド層が被着されている。本実
施形態におけるクラッド層の厚さは、例えば90μmに
設定されている。
【0018】また、上記両端側の導電性ブラシ部材12
及び14どうしの間に挟まれた中央部分に延在している
導電性ブラシ部材13においては、適宜の長さにわたっ
て延在するようにコミュテータとの当接部位13aが設
けられている。この導電性ブラシ部材13におけるコミ
ュテータ当接部位13aは、長手方向に直交する横断面
形状が異形形状に形成されていて、本実施形態における
異形横断面形状は、略逆V字の形状になされている。す
なわち、上記導電性ブラシ部材13における異形横断面
形状は、当該導電性ブラシ部材13の長手方向に沿って
延在する形状境界線13bを介して両側部分に、不連続
な一対の傾斜面部13c,13cを有するように形成さ
れている。
【0019】そして、そのような略逆V字状の異形横断
面形状を有するコミュテータ当接部位13aにおいて
は、当該略逆V字状の開放側両端部分に相当するエッジ
部13d,13dが、図示を省略したコミュテータ側の
表面に当接されるようになされていて、そのコミュテー
タ側への接触表面には、耐摩耗性及び電気的安定性を向
上させるためのクラッド層が被着されている。本実施形
態におけるクラッド層の厚さは、例えば90μmに設定
されている。
【0020】一方、これらのコミュテータや導電性ブラ
シ部材は、図示を省略したモータケース内に配置されて
いるが、そのモータケース内には、多価アルコールを含
む気層潤滑剤が保持されており、その気層潤滑剤によっ
て、特に、上記導電性ブラシ部材13のコミュテータ当
接部位13aに対して、良好な潤滑作用を付与してい
る。この気層潤滑剤は、例えばゲル状のものが採用され
ていて、上記モータケースの内壁面に被着させることに
より、適宜の部位に配置することを可能としている。
【0021】このように本実施形態では、3体の導電性
ブラシ部材12,13,14の中に略逆V字形状の折曲
形状からなる異形横断面形状の導電性ブラシ部材13を
含んでいることから、当該導電性ブラシ部材13の異形
横断面形状によって、良好な接触安定性が得られるとと
もに、不要な電気ノイズや火花の発生が抑制される。し
かも、ブラシ摩耗に伴って摺動位置が徐々に変化してい
くことから、パウダーや摩耗粉の排除を行わせる自己ク
リーニング作用を得ることも可能である。
【0022】また、このような異形横断面形状の導電性
ブラシ部材13は、気層潤滑剤の潤滑作用によってコミ
ュテータ側への過剰な食い込み現象が適宜に緩和される
こととなり、その結果、コミュテータ側の摩耗や、ブラ
シ折れが良好に回避されるようになっている。
【0023】さらに、本実施形態では、上記導電性ブラ
シ部材13の異形横断面形状として、略逆V字状の折曲
形状を採用していることから、上述した各作用が確実に
得られるとともに、その導電性ブラシ部材13の異形横
断面形状を容易に成形することが可能となっている。
【0024】また、本実施形態では、気層潤滑剤とし
て、多価アルコール類のものが用いられていることか
ら、上述した各作用をより一層、安価かつ確実に得るこ
とが可能となっている。
【0025】なお、このような導電性ブラシ部材13の
相手方のコミュテータの表面部分に対してもクラッド層
が設けられているが、そのクラッド層の厚さは、10μ
m以上で100μm以下に設定されていて、上述した各
作用をより一層、確実に得ることが可能となる。この点
の詳細については後述する。
【0026】次に、図4、図5及び図6に示されている
第2の実施形態では、幅広に形成されたブラシ基部21
から分岐する3体の各導電性ブラシ部材22,23,2
4のいずれに対しても、略逆V字状の異形横断面形状を
有するコミュテータ当接部位22a,23a,24aが
長手方向に適宜の長さにわたって設けられている。そし
て、それらの各コミュテータ当接部位22a,23a,
24aにおける、上記略逆V字状の開放側両端部分に相
当するエッジ部22d,23d,24dが、図示を省略
したコミュテータ側表面に当接される構成になされてお
り、このコミュテータ側への接触表面に、耐摩耗性及び
電気的安定性を向上させるためのクラッド層が被着され
ている。
【0027】さらに、上述した第1の実施形態と同様
に、コミュテータや導電性ブラシ部材を収容しているモ
ータケース内に、ゲル状の多価アルコールを含む気層潤
滑剤が保持されており、その気層潤滑剤によって、特
に、上記各導電性ブラシ部材22,23,24のコミュ
テータ当接部位22a,23a,24aに対して、良好
な潤滑作用を付与している。
【0028】このように本実施形態では、3体の導電性
ブラシ部材22,23,24の全てが、略逆V字の折曲
形状からなる異形横断面形状のコミュテータ当接部位2
2a,23a,24aを含んでいることから、当該異形
横断面形状の導電性ブラシ部材22,23,24によっ
て、上述した実施形態と同様な作用・効果を得ることが
できる。
【0029】更に、図7、図8及び図9に示されている
第3の実施形態では、幅広に形成されたブラシ基部31
から分岐する3体の導電性ブラシ部材32,33,34
の全てにおいて、適宜の長さにわたって異形横断面形状
のコミュテータとの当接部位32a,33a,34aが
設けられていて、そのコミュテータ当接部位32a,3
3a,34aにおける長手方向に直交する横断面形状
が、いわゆる半押しプレス工程によって形成された段差
形状になされている。
【0030】より具体的には、上記導電性ブラシ部材3
2,33,34の各々には、長手方向に沿って延在する
凹凸境界線32b,33b,34bからなる形状境界線
が形成されていて、それらの各凹凸境界線32b,33
b,34bの幅方向両側には、高さが異なるように形成
された凹面及び凸面が形成されている。すなわち、上述
した各凹凸境界線32b,33b,34bを境として、
板幅方向の中央部分に凸状面32c,33c,34cが
それぞれ形成されているとともに、それらの凸状面32
c,33c,34cの両側に、上記各凹凸境界線32
b,33b,34bを介して凹状面32d,33d,3
4dがそれぞれ形成されている。
【0031】そして、上記中央部の凸状面32c,33
c,34cが、図示を省略したコミュテータ側表面に当
接されるようになっている。このコミュテータ側へ接触
する中央部の凸状面32c,33c,34cの表面に
は、耐摩耗性及び電気的安定性を向上させるためのクラ
ッド層がそれぞれ被着されている。
【0032】このとき、上述した各導電性ブラシ部材3
2,33,34における凹面及び凸面のうち、コミュテ
ータ側に当接する中央部の凸状面32c,33c,34
cは、各導電性ブラシ部材32,33,34の全幅に対
して、1/3以下の幅寸法となるように形成されてい
る。
【0033】さらに、上述した各実施形態と同様に、コ
ミュテータや導電性ブラシ部材を収容しているモータケ
ース内には、ゲル状の多価アルコールを含む気層潤滑剤
が保持されており、その気層潤滑剤によって、特に、上
記導電性ブラシ部材32,33,34のコミュテータ当
接部位32a,33a,34aに対して、良好な潤滑作
用を付与している。
【0034】このように本実施形態では、3体の導電性
ブラシ部材32,33,34の全てが段差形状からなる
異形横断面形状のコミュテータ当接部位32a,33
a,34aを含んでいることから、当該異形横断面形状
の導電性ブラシ部材32,33,34によって、上述し
た実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0035】次に、実際に使用した場合のブラシ寿命を
比較してみる。まず、上述したよう本発明の第2実施形
態におけるブラシ構造(逆V字形状)において、クラッ
ド層厚を90μmに設定し、かつ気層潤滑剤を用いない
ようにしたものと、前述した図14に示されている従来
構造のブラシ構造(平板形状)においてクラッド層厚を
20μmとしたものとを、所定の負荷状態でモータを回
転駆動させた場合のブラシ寿命(モータ寿命)に関して
比較してみると、例えば図10に示されているようにな
る。図10では、従来構造品のモータ寿命を「1」とし
たときの寿命比を表しており、ブラシ側のクラッド層の
厚さを拡大させることによってブラシ寿命(モータ寿
命)が延長されることが解る。但し、クラッド層の厚さ
を現状の20μmのままに維持したときには、ブラシ寿
命(モータ寿命)は現状の6割程度に短縮されてしま
う。
【0036】一方、上述したような気層潤滑剤を用いる
ようにしたものでは、例えば図11に示されているよう
に、大きな延命作用が得られる。すなわち、この図11
においても、従来構造品のブラシ寿命(モータ寿命)を
「1」としたときの寿命比を表しているが、気層潤滑剤
を、異形横断面形状(逆V字形状)のブラシ部材に用い
ることによって、約10倍程度まで寿命が延ばされる。
また、平板形状のブラシ部材であっても、気層潤滑剤を
用いることによって、5倍程度の延命作用が得られるこ
とが解る。
【0037】更に、接触安定性に関する比較を行うため
に、従来構造品と、上述した第2実施形態にかかる本発
明品とを、シロキ酸濃度を10ppmとした雰囲気中で
8時間駆動させた後、ガス吸着による接点障害を比較し
てみたところ、例えば図12に示されているような電流
波形落ちに差が見られた。すなわち、この図12におい
ては、接点へのSiガス吸着によって、電流の供給動作
が部分的に遮断される電流波形落ち現象を調べた結果が
示されているが、従来構造品では、試験の開始後20分
程度から、接点障害による電流波形落ちがみられたのに
対して、本発明品では、試験終了に至るまで接点障害を
生じることはなく、電流の供給動作が終始安定して得ら
れた。
【0038】このようなことから、本発明品では、上述
した各実施形態にかかる異形横断面形状の導電性ブラシ
部材を、気層潤滑剤とともに採用することとしており、
その結果、例えば図13に示されているような長寿命化
の作用・効果が得られた。この図13では、従来構造品
のブラシ寿命(モータ寿命)を「1」としたときの寿命
比を表しているが、上述した各実施形態のうちのいずれ
の場合においても、コミュテータ側のクラッド層厚が1
0μmから100μmの範囲内であれば、長寿命化が良
好に図られている。そして、その絶対寿命値の順位とし
ては、第2実施形態が最も長寿命であり、それに続い
て、第3実施形態、第1実施形態の順となった。
【0039】なお、いずれの実施形態にかかるブラシ形
状においても、コミュテータ側のクラッド厚さによる影
響は小さいが、そのコミュテータのクラッド層の厚さが
小さいと、銅材等からなる下地が露出してしまうことも
ある。従って、ブラシ部材も含めて、クラッド層の厚さ
はなるべく大きくした方が好ましい。
【0040】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0041】例えば、本発明にかかる導電性ブラシ部材
の異形横断面形状は、上述した各実施形態に限定される
ものではなく、良好な接触安定世を有するものであれ
ば、その他の多種多様な異形横断面形状に成形すること
も可能である。
【0042】また、気層潤滑剤も、前述した各実施形態
におけるような多価アルコールを含むゲル状のものに限
定されるものではなく、多価アルコール以外の気相潤滑
成分を用いたもでよく、さらに、その設置手段として
は、気相潤滑成分を、セラミックなどの多孔質体や、不
織布などに含浸させたものを、モータケース内に設ける
ようにしてもよい。
【0043】さらにまた、前述した各実施形態は、導電
性ブラシ部材を3分割したものの場合であるが、2体又
は4体以上の導電性ブラシ部材を有する場合や、分割す
ることなく別々の導電性ブラシ部材が複数本となってい
る場合であっても、本発明は同様に適用することができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1記
載にかかるモータのブラシ装置は、複数本もしくは複数
本に分割された導電性ブラシ部材のうちの少なくとも一
体を異形横断面形状として、その一部をコミュテータの
外周表面に当接配置するとともに、その導電性ブラシ部
材のコミュテータ当接部位に対して潤滑作用を付与する
気層潤滑剤をモータケース内に保持したものであって、
異形横断面形状による各種利点を得つつ、気層潤滑剤に
よって良好な長寿命化を図るようにしたものであるか
ら、モータのブラシ装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0045】また、請求項2記載のモータのブラシ装置
のように、請求項1にかかる構成に加えて、導電性ブラ
シ部材の異形横断面形状を、折曲形状を含む形状とする
ことによって、上述した請求項1にかかる効果を確実に
得ることが可能になるとともに、その導電性ブラシ部材
の異形横断面形状を、容易に成形可能として生産性を向
上させることができる。
【0046】さらに、請求項3記載のモータのブラシ装
置のように、請求項1にかかる構成に加えて、導電性ブ
ラシ部材の異形横断面形状を、段差形状を含む形状とす
ることによって、上述した請求項1にかかる効果を確実
に得ることが可能になるとともに、その導電性ブラシ部
材の異形横断面形状を、容易に成形可能として生産性を
向上させることができる。
【0047】さらにまた、請求項4記載のモータのブラ
シ装置は、請求項3にかかる構成に加えて、導電性ブラ
シ部材の凹面及び凸面のうちのコミュテータ当接凹面及
び凸面を、導電性ブラシ部材の全幅に対して1/3以下
の幅寸法となるように形成したものであるから、上述し
た各効果をより一層、確実に得ることが可能となる。
【0048】また、請求項5記載のモータのブラシ装置
は、請求項1にかかる構成に加えて、多価アルコール類
を含む気層潤滑剤を用いたものであるから、上述した各
効果をより一層、安価かつ確実に得ることが可能とな
る。
【0049】さらに、請求項6記載のモータのブラシ装
置は、請求項1にかかる構成に加えて、コミュテータの
表面部分に設けられたクラッド層の厚さを10μm以上
で100μm以下に設定したものであるから、上述した
各効果をより一層、確実に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる導電性ブラシ部材
の要部を拡大して表した平面説明図である。
【図2】図1に表した導電性ブラシ部材の中央部分のも
のを表した縦断面説明図である。
【図3】図1に表した導電性ブラシ部材の横縦断面説明
図である。
【図4】本発明の他の実施形態にかかる導電性ブラシ部
材の要部を拡大して表した平面説明図である。
【図5】図4に表した導電性ブラシ部材の中央部分のも
のを表した縦断面説明図である。
【図6】図4に表した導電性ブラシ部材の横縦断面説明
図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態にかかる導電性ブラ
シ部材の要部を拡大して表した平面説明図である。
【図8】図7に表した導電性ブラシ部材の中央部分のも
のを表した縦断面説明図である。
【図9】図8に表した導電性ブラシ部材の横縦断面説明
図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるブラシ構造
(逆V字形状)で気層潤滑剤を用いないようにしたもの
と、従来構造品(平板形状)とを比較したときのブラシ
寿命(モータ寿命)を表した線図である。
【図11】気層潤滑剤を用いた場合の延命作用を表した
線図である。
【図12】従来のブラシ構造品(平板形状)と、本発明
の第2実施形態にかかるブラシ構造品(逆V字形状)と
の接触安定性に関する比較結果を表した線図である。
【図13】本発明の各実施形態における異形横断面形状
の導電性ブラシ部材を、コミュテータ側のクラッド層厚
を変えて比較した結果を表した線図である。
【図14】一般のブラシ付きモータにおけるブラシ装置
の構造例を表した外観斜視説明図である。
【図15】一般のブラシ付きモータにおけるブラシ装置
の他の構造例を表した外観斜視説明図である。
【符号の説明】
12,13,14 導電性ブラシ部材 12a,14a,13a コミュテータ当接部位 13b 形状境界線 13c,13c 傾斜面部 13d,13d エッジ部 22,23,24 導電性ブラシ部材 22a,23a,24a コミュテータ当接部位 22d,23d,24d エッジ部 32,33,34 導電性ブラシ部材 32a,33a,34a コミュテータ当接部位 32b,33b,34b 凹凸境界線 32c,33c,34c 凸状面 32d,33d,34d 凹状面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂牧 弘孝 長野県諏訪郡下諏訪町5329番地 株式会社 三協精機製作所内 Fターム(参考) 5H613 AA01 AA03 BB04 BB16 BB19 BB20 GA10 GB01 GB05 GB08 GB09 GB13 GB16 KK09 QQ02 QQ04 QQ06 SS04 SS07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータケース内に、ロータとともに回転
    駆動する略円筒状のコミュテータが配置されているとと
    もに、そのコミュテータの回転軸に略直交する方向に延
    在する複数本もしくは複数本に分割された駆動電流供給
    用の導電性ブラシ部材が、上記コミュテータの外周表面
    に当接するように配置されたモータのブラシ装置におい
    て、 上記複数本もしくは複数本に分割された導電性ブラシ部
    材のうちの少なくとも一体は、当該導電性ブラシ部材の
    長手方向に沿って延在するように形成された形状境界線
    の両側部分に、当該形状境界線を介して不連続となる面
    部を有する異形横断面形状を備えているとともに、 その導電性ブラシ部材における異形横断面形状の一部
    が、上記コミュテータの外周表面に当接する配置関係に
    なされ、かつ上記モータケース内には、前記導電性ブラ
    シ部材とコミュテータ側との当接部位に対して潤滑作用
    を付与する気層潤滑剤が保持されていることを特徴とす
    るモータのブラシ装置。
  2. 【請求項2】 前記導電性ブラシ部材の形状境界線が、
    折曲線から形成されたものであって、 上記導電性ブラシ部材の異形横断面形状が、折曲形状を
    含み、その折曲形状の両端部が、前記コミュテータの外
    周表面に当接する配置関係になされていることを特徴と
    する請求項1記載のモータのブラシ装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性ブラシ部材の形状境界線が凹
    凸境界線から形成されたものであって、 上記導電性ブラシ部材の異形横断面形状が、凹凸境界線
    を介して両側に延在する少なくとも一対の凹面及び凸面
    を含み、 それらの各凹面及び凸面のうちのいずれかが、前記コミ
    ュテータの外周表面に当接する配置関係になされている
    ことを特徴とする請求項1記載のモータのブラシ装置。
  4. 【請求項4】 前記導電性ブラシ部材の凹面及び凸面の
    うち、前記コミュテータ側に当接している凹面又は凸面
    が、前記導電性ブラシ部材の全幅に対して1/3以下の
    幅寸法となるように形成されていることを特徴とする請
    求項3記載のモータのブラシ装置。
  5. 【請求項5】 前記気層潤滑剤に、多価アルコール類が
    含まれていることを特徴とする請求項1記載のモータの
    ブラシ装置。
  6. 【請求項6】 前記コミュテータの表面部分に設けられ
    たクラッド層の厚さが、10μm以上、100μm以下
    に設定されていることを特徴とする請求項1記載のモー
    タのブラシ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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