JP2002310137A - 蓄熱ロールおよび画像定着装置 - Google Patents

蓄熱ロールおよび画像定着装置

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JP2002310137A
JP2002310137A JP2001120072A JP2001120072A JP2002310137A JP 2002310137 A JP2002310137 A JP 2002310137A JP 2001120072 A JP2001120072 A JP 2001120072A JP 2001120072 A JP2001120072 A JP 2001120072A JP 2002310137 A JP2002310137 A JP 2002310137A
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JP
Japan
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heat storage
roll
fine particles
rubber layer
microcapsules
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Application number
JP2001120072A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kosaka
義行 小坂
Yasushi Nakada
泰詩 中田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 節電モードを働かした時の温度低下量が小さ
く、再使用時の予熱時間を短縮することができる蓄熱ロ
ール、および、その蓄熱ロールを用いた画像定着装置を
提供する。 【解決手段】 蓄熱微粒子を含有するゴム層3を有し、
表面は離型性を有することを特徴とする蓄熱ロール、蓄
熱微粒子を含有するゴム層3の表面に離型層4が形成さ
れてなることを特徴とする上記蓄熱ロールA、離型層4
が離型性を有するゴム層4から形成されてなることを特
徴とする上記蓄熱ロールA、金属層2、蓄熱微粒子を含
有するゴム層3および離型層4がこの順に積層されてな
ることを特徴とする上記蓄熱ロールA、および、上記蓄
熱ロールAを有してなることを特徴とする画像定着装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やレーザー
プリンター等のOA機器の筐体内に設置される蓄熱ロー
ル、および、その蓄熱ロールを用いた画像定着装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンターなどの画像定着装
置用の定着ロールとしては、金属ロールの表面に離型性
を有するゴム層が形成されてなる定着ロールが用いられ
ている。
【0003】しかし、このような従来の定着ロールで
は、節電モードを働かし定着ロールの加熱を抑制する
と、温度低下量が大きくなるという問題点がある。通
常、節電モードを働かした後、再び使用する時に再使用
が可能となるまでの時間は、数分から数十分かかるの
で、節電モードを働かせている間の温度低下量が大きい
と、再使用が可能となるまでの予熱時間が長くなるとい
う問題点があった。
【0004】そこで、特開昭61−93474号公報や
特開平9−319244号公報には、定着ロールの金属
ロール内部に蓄熱性の高い液体や融解固体を充填し、節
電モードを働かせている間の定着ロールの温度低下を蓄
熱材料の潜熱により抑制する方法が提案されている。
【0005】しかし、これらの方法は、金属ロールの内
部に蓄熱材料を設けているので、定着ロール表面の温度
低下を間接的に抑制するものでしかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点に鑑み、節電モードを働かした時の温度低
下量が小さく、再使用時の予熱時間を短縮することがで
きる蓄熱ロール、および、その蓄熱ロールを用いた画像
定着装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よる蓄熱ロールは、蓄熱微粒子を含有するゴム層を有
し、表面は離型性を有することを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明による蓄熱ロール
は、上記請求項1に記載の蓄熱ロールにおいて、蓄熱微
粒子を含有するゴム層の表面に離型層が形成されてなる
ことを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明による蓄熱ロール
は、上記請求項1または請求項2に記載の蓄熱ロールに
おいて、離型層が離型性を有するゴム層から形成されて
なることを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明による蓄熱ロール
は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蓄熱ロ
ールにおいて、金属層、蓄熱微粒子を含有するゴム層お
よび離型層がこの順に積層されてなることを特徴とす
る。
【0011】また、請求項5に記載の発明による画像定
着装置は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
蓄熱ロールを有してなることを特徴とする。
【0012】本発明の蓄熱ロールを構成するゴム層が含
有する蓄熱微粒子とは、芯物質の周囲にカプセル壁が形
成されてなる、いわゆるマイクロカプセルのことを言
う。
【0013】上記蓄熱微粒子(マイクロカプセル)の芯
物質は、相転移自在な有機化合物を主成分としてなり、
上記相転移自在な有機化合物の相転移に伴う潜熱を利用
して熱を蓄える機能を有する潜熱貯蔵材として用いられ
る。
【0014】上記相転移自在な有機化合物としては、特
に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素、脂肪酸、アルコール等が挙げら
れ、好適に用いられるが、なかでも、蓄熱微粒子(マイ
クロカプセル)を定着ロール用として用いる場合には、
定着温度付近で相転移を起こし得る有機化合物がより好
適に用いられ、具体的には、90℃以上160℃未満の
融点を有する脂肪族炭化水素がより好適に用いられる。
これらの相転移自在な有機化合物は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0015】上記90℃以上160℃未満の融点を有す
る脂肪族炭化水素としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポ
リオレフィン系樹脂;パラフィンワックスなどの天然系
炭化水素化合物;フィッシャートロプシュワックスなど
の合成系炭化水素化合物等が挙げられ、好適に用いられ
る。これらの90℃以上160℃未満の融点を有する脂
肪族炭化水素は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0016】上記相転移自在な有機化合物を主成分とし
てなる芯物質(潜熱貯蔵材)の周囲に形成されるカプセ
ル壁は、ラジカル重合によって得られる熱可塑性樹脂を
主成分としてなる。
【0017】上記ラジカル重合によって得られる熱可塑
性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体、
ポリ酢酸ビニル誘導体等のラジカル重合活性の高いモノ
マーから合成される汎用熱可塑性樹脂が挙げられ、好適
に用いられるが、なかでも、品質面とコスト面とのバラ
ンスに優れる蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を効率的
に製造することができることから、ポリ(メタ)アクリ
レートやポリスチレン誘導体がより好適に用いられる。
これらのラジカル重合によって得られる熱可塑性樹脂
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。尚、本発明で言う「(メタ)アクリレート」
とは、「アクリレート」または「メタクリレート」を意
味する。
【0018】上記熱可塑性樹脂の重合に用いられる(メ
タ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されるも
のではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレー
トなどのアルキル(メタ)アクリレートや、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートなどの極性基含有(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、好適に用いられる。こ
れらの(メタ)アクリレートモノマーは、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0019】また、上記熱可塑性樹脂の重合に用いられ
るスチレン誘導体モノマーとしては、特に限定されるも
のではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等が挙げ
られ、好適に用いられる。これらのスチレン誘導体モノ
マーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用
されても良い。
【0020】上記熱可塑性樹脂を重合する際には、上記
(メタ)アクリレートモノマーやスチレン誘導体モノマ
ー以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、他の重合性モノマーを加えて重合を行っても良
い。
【0021】上記他の重合性モノマーとしては、特に限
定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;アクリ
ル酸、メタクリル酸、多官能性モノマー等が挙げられ、
好適に用いられるが、なかでも、カプセル壁の機械的強
度を向上させることができることから、多官能性モノマ
ーがより好適に用いられる。これらの他の重合性モノマ
ーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0022】上記多官能性モノマーとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レートなどのジ(メタ)アクリレート;トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレートなど
のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリストールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ
(メタ)アクリレートなどのテトラ以上の(メタ)アク
リレート;ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリル
イソシアヌレートなどのジアリル化合物もしくはトリア
リル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエンなどのジビ
ニル化合物等が挙げられ、好適に用いられる。これらの
多官能性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種
類以上が併用されても良い。
【0023】本発明で用いられる蓄熱微粒子(マイクロ
カプセル)の製造方法としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、懸濁重合法等が挙げられ、好適に用
いられる。
【0024】上記懸濁重合法により蓄熱微粒子(マイク
ロカプセル)を製造する具体的な方法は、特に限定され
るものではないが、例えば、前記相転移自在な有機化合
物を主成分とする芯物質(潜熱貯蔵材)とカプセル壁の
形成に用いられる上記ラジカル重合性モノマーとの混合
物を水中に乳化縣濁し、油滴中のモノマーをラジカル重
合させることにより、所望の蓄熱微粒子(マイクロカプ
セル)を得ることができる。特に、芯物質(潜熱貯蔵
材)として疎水性の高い脂肪族炭化水素を用いると、ラ
ジカル重合性モノマーは油滴中で熱力学的に安定な水相
界面付近にポリマーを生成するので、より強固なカプセ
ル壁を得ることができる。
【0025】上記縣濁重合法では、乳化分散剤が用いら
れる。上記乳化分散剤は、芯物質(潜熱貯蔵材)とラジ
カル重合性モノマーとの混合乳化縣濁液の分散安定性を
向上させ、重合を効率的に行う目的で添加される。
【0026】上記乳化分散剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニ
オン系界面活性剤、部分鹸化ポリ酢酸ビニル(部分鹸化
ポリビニルアルコール)、セルロース系乳化分散剤、ゼ
ラチン等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもア
ニオン系界面活性剤がより好適に用いられる。上記アニ
オン系界面活性剤としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等が挙げられ、好適に用いられる。これらの乳化分散剤
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。
【0027】また、上記懸濁重合法では、重合開始剤が
用いられる。上記重合開始剤としては、油溶性のフリー
ラジカルを発生する化合物であれば良く、特に限定され
るものではないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジ
カーボネート、α−クミルパーオキシネオデカノエート
などの有機過酸化物系重合開始剤や、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系重合開始剤等が挙げられ、好適
に用いられる。これらの重合開始剤は、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】さらに、上記懸濁重合法では、本発明の課
題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、pH
調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、消泡剤等の各種添加剤の1種類もし
くは2種類以上が用いられても良い。
【0029】上記縣濁重合法は、ラジカル重合性モノマ
ーの添加方法の違いから、一括重合法およびエマルジョ
ン添加法の2つの方法に大別されるが、本発明で用いら
れる蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を製造する場合に
は、どちらの方法が用いられても良い。
【0030】上記一括重合法では、例えば、先ず、相転
移自在な有機化合物を主成分とする芯物質(潜熱貯蔵
材)、ラジカル重合性モノマーおよび重合開始剤を混合
して、予めモノマー溶液を調製する。一方、ジャケット
付き重合反応槽内に例えばイオン交換水や純水等の仕込
水と乳化分散剤とを投入し、重合反応槽内部を減圧して
酸素除去を行った後、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、
窒素雰囲気下において、上記モノマー溶液を一括して重
合反応槽内へ添加する。次いで、撹拌翼によってモノマ
ー溶液を乳化縣濁した後、重合反応槽内をジャケットに
より所定の温度に昇温して重合する。この時、モノマー
溶液は、乳化分散剤および仕込水の一部と予め混合乳化
された状態で重合反応槽内へ添加されても良い。
【0031】また、上記エマルジョン添加法では、例え
ば、先ず、相転移自在な有機化合物を主成分とする芯物
質(潜熱貯蔵材)、ラジカル重合性モノマー、重合開始
剤、乳化分散剤および仕込水の一部を撹拌により十分乳
化して、予め乳化モノマー液(モノマーエマルジョン)
を調製する。次いで、ジャケット付き重合反応槽内に仕
込水の残部を投入し、重合反応槽内部を減圧して酸素除
去を行った後、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰
囲気下において、重合反応槽内をジャケットにより所定
の温度にした後、上記乳化モノマー液(モノマーエマル
ジョン)を一括添加するか、または、一定量ずつ滴下し
て重合する。
【0032】このような懸濁重合法を用いることによ
り、蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有するスラリ
ーを得ることができる。上記スラリー中の蓄熱微粒子
(マイクロカプセル)の含有量は、特に限定されるもの
ではないが、生産性や重合反応の安定性等が良好なこと
から、10〜70重量%であることが好ましい。
【0033】上記スラリー中の蓄熱微粒子(マイクロカ
プセル)の平均粒子径は、蓄熱微粒子(マイクロカプセ
ル)の使用方法により好ましい平均粒子径が異なり、特
に限定されるものではないが、例えば、蓄熱微粒子(マ
イクロカプセル)をスラリーとして用いる場合には、大
きすぎると蓄熱微粒子(マイクロカプセル)と水との相
分離が起こり易くなり、逆に小さすぎると蓄熱微粒子
(マイクロカプセル)の機械的強度が不十分となるた
め、平均粒子径が0.01〜10μmであることが好ま
しい。また、蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を乾燥
し、粉体として用いる場合には、乾燥工程の操作性等を
考慮すると、平均粒子径が10〜3000μmであるこ
とが好ましい。
【0034】上記蓄熱微粒子(マイクロカプセル)は、
スラリー状態で容器に封入されて潜熱貯蔵材として使用
されても良いし、また、スラリーから粉体として分離さ
れて、各種成形法により賦形されたり、他の物質に添加
された組成物状態で潜熱貯蔵材として使用されても良
い。上記スラリー状態で使用される場合、本発明の課題
達成を阻害しない範囲で必要に応じて、スラリー中に
は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、各
種無機塩類などの凍結防止剤や、防腐剤、増粘剤、着色
剤、乳化分散剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種類
以上が添加されていても良い。
【0035】本発明の蓄熱ロールは、上述した蓄熱微粒
子(マイクロカプセル)を含有するゴム層の表面に離型
層が形成されている等の方法により、表面に離型性が付
与されている。
【0036】上記ゴム層を形成するために用いられるゴ
ムとしては、ロールの構成材として必要な硬度や弾性率
等を発現し得るゴムであれば如何なるゴムであっても良
く、特に限定されるものではないが、例えば、天然ゴム
や、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、シリコ
ーンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム等が挙げられ、好
適に用いられる。これらのゴムは、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0037】上記ゴムからなるゴム層へ蓄熱微粒子(マ
イクロカプセル)を充填して含有させる方法としては、
所定量の蓄熱微粒子(マイクロカプセル)をゴム層中へ
均一に充填(分散)させ得る方法であれば如何なる方法
であっても良く、特に限定されるものではないが、例え
ば、予めゴム層の内部に中空部を設け、その中空部へ蓄
熱微粒子(マイクロカプセル)を充填する方法、予めゴ
ムと蓄熱微粒子(マイクロカプセル)との混練物を作製
し、その混練物をロール状に成形する方法等が挙げら
れ、いずれの方法が採られても良い。
【0038】ゴム層中における蓄熱微粒子(マイクロカ
プセル)の含有量は、蓄熱微粒子(マイクロカプセル)
の有する潜熱貯蔵能力や蓄熱ロールに付与したい蓄熱性
能等に対応して適宜設定されれば良く、特に限定される
ものではない。
【0039】本発明の蓄熱ロールは、上記蓄熱微粒子
(マイクロカプセル)を含有するゴム層の表面に離型層
が形成されている。
【0040】上記離型層の形成方法としては、蓄熱ロー
ルの表面に所望の離型性を付与し得る方法であれば如何
なる方法であっても良く、特に限定されるものではない
が、例えば、シリコーン樹脂系離型剤やフッ素樹脂系離
型剤等の各種離型剤を蓄熱微粒子(マイクロカプセル)
を含有するゴム層の表面に塗工する方法、離型シート、
離型フィルム、離型紙等の各種離型材の非離型面を蓄熱
微粒子(マイクロカプセル)を含有するゴム層の表面に
積層する方法、シリコーンゴムやフッ素ゴム等のそれ自
体が離型性を有する各種離型性ゴムを蓄熱微粒子(マイ
クロカプセル)を含有するゴム層の表面に積層する方
法、ゴム層を形成するためのゴムとしてシリコーンゴム
やフッ素ゴム等の各種離型性ゴムを用い、蓄熱微粒子
(マイクロカプセル)を含有するゴム層と離型層とを一
括して形成する方法等が挙げられ、いずれの方法が採ら
れても良い。尚、こうして形成される離型層の厚みが十
分に厚い場合には、離型層中にも蓄熱微粒子(マイクロ
カプセル)を含有させていて良い。
【0041】上記離型層の形成方法のなかでも、離型効
果そのものや離型効果の持続性に優れることから、シリ
コーンゴムやフッ素ゴム等の各種離型性ゴムを蓄熱微粒
子(マイクロカプセル)を含有するゴム層の表面に積層
する方法や、ゴム層を形成するためのゴムとしてシリコ
ーンゴムやフッ素ゴム等の各種離型性ゴムを用い、蓄熱
微粒子(マイクロカプセル)を含有するゴム層と離型層
とを一括して形成する方法等の、蓄熱ロール表面が離型
性を有するゴム層から形成される方法を採ることが好ま
しい。
【0042】また、本発明の蓄熱ロールは、伝熱性や機
械的強度等をさらに向上させるために、金属層、前記蓄
熱微粒子(マイクロカプセル)を含有するゴム層および
上記離型層がこの順に積層されてなることが好ましい。
【0043】上記金属層を形成するために用いられる金
属は、例えば、アルミニウム、クロムメッキ鋼、亜鉛メ
ッキ鋼等の金属ロール用として従来から一般的に用いら
れている各種金属で良く、特に限定されるものではな
い。
【0044】次に、本発明の画像定着装置は、例えば複
写機やレーザープリンターなどのトナー画像を定着させ
る定着ロールを有する装置であり、定着ロールとして上
述した本発明の蓄熱ロールを有してなる。即ち、画像定
着装置の筐体内に設置される少なくとも一対のロールの
内の少なくとも1本は本発明の蓄熱ロールである。
【0045】
【作用】従来の金属ロールは、ヒーターによる加熱が止
まると、再加熱されるまでの間の温度低下量が大きい
が、本発明の蓄熱ロールは、ゴム層中に含有されている
潜熱貯蔵機能を有する蓄熱微粒子(マイクロカプセル)
が潜熱を発生するため、再加熱されるまでの間の温度低
下量が小さく、再使用時の予熱時間を短縮することがで
きる。また、蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有す
るゴム層は、蓄熱ロールの表面の温度低下を直接的に抑
制することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0047】(実施例1)図1に示すように、アルミニ
ウムロール(金属層)2の外周面に蓄熱微粒子(マイク
ロカプセル)を含有するゴム層3が積層され、その外周
面に離型層を兼ねるフッ素ゴム層4が積層されてなる蓄
熱ロールAを作製した。
【0048】(実施例2)図2に示すように、アルミニ
ウムロール(金属層)2の外周面に蓄熱微粒子(マイク
ロカプセル)を含有し、離型層を兼ねるフッ素ゴム層5
が積層されてなる蓄熱ロールAを作製した。
【0049】(実施例3)図3に示すように、アルミニ
ウムロール(金属層)2の外周面に蓄熱微粒子(マイク
ロカプセル)を含有するゴム層3が積層され、その外周
面に蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有し、表面に
シリコーン樹脂系離型剤が塗工されたゴム層6が積層さ
れてなる蓄熱ロールAを作製した。
【0050】(比較例1)図4に示すように、アルミニ
ウムロール(金属層)2の外周面に離型層を兼ねるフッ
素ゴム層4が積層されてなるロールBを作製した。
【0051】実施例1〜実施例3で得られた蓄熱ロール
A、および、比較例1で得られたロールBを用いて、図
5に示すような画像定着装置Cを作製した。
【0052】上記で得られた画像定着装置Cを一定時間
運転した後、低温状態での節電モードを働かせたとこ
ろ、実施例1〜実施例3で得られた蓄熱ロールAを用い
て作製した画像定着装置Cは、温度低下量が小さかった
ので、短時間の予熱時間で再使用することができた。こ
れに対し、蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有させ
なかった比較例1のロールBを用いて作製した画像定着
装置Cは、温度低下量が大きかったので、再使用するた
めには長時間の予熱時間が必要であった。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の蓄熱ロール
は、節電モードを働かした時の温度低下量が小さく、再
使用時の予熱時間を短縮することができるので、複写機
やレーザープリンター等のOA機器の画像定着装置用と
して好適に用いられる。また、本発明の画像定着装置
は、上記本発明の蓄熱ロールを有してなるので、節電モ
ードを働かした時の温度低下量が小さく、短時間の予熱
時間で再使用することができ、使い勝手に優れる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した蓄熱ロールを示す斜視図で
ある。
【図2】実施例2で作製した蓄熱ロールを示す斜視図で
ある。
【図3】実施例3で作製した蓄熱ロールを示す斜視図で
ある。
【図4】比較例1で作製したロールを示す斜視図であ
る。
【図5】画像定着装置を示す断面図である。
【符号の説明】 A 蓄熱ロール B ロール C 画像定着装置 1 ヒーター 2 アルミニウムロール(金属層) 3 蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有するゴ
ム層 4 離型層を兼ねるフッ素ゴム層 5 蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有し、離
型層を兼ねるフッ素ゴム層 6 蓄熱微粒子(マイクロカプセル)を含有し、表
面にシリコーン樹脂系離型剤が塗工されたゴム層 7 画像定着装置のプラスチック製筐体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA30 BB03 BB04 BB08 BB13 BB14 BB15 BB29 BB30 3J103 AA02 AA14 AA24 AA51 BA03 BA16 BA41 FA01 GA02 GA57 GA58 HA04 HA12 HA43 HA47 HA53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱微粒子を含有するゴム層を有し、表
    面は離型性を有することを特徴とする蓄熱ロール。
  2. 【請求項2】 蓄熱微粒子を含有するゴム層の表面に離
    型層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載
    の蓄熱ロール。
  3. 【請求項3】 離型層が離型性を有するゴム層から形成
    されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の蓄熱ロール。
  4. 【請求項4】 金属層、蓄熱微粒子を含有するゴム層お
    よび離型層がこの順に積層されてなることを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蓄熱ロール。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    蓄熱ロールを有してなることを特徴とする画像定着装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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