JP2003195731A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2003195731A
JP2003195731A JP2001396804A JP2001396804A JP2003195731A JP 2003195731 A JP2003195731 A JP 2003195731A JP 2001396804 A JP2001396804 A JP 2001396804A JP 2001396804 A JP2001396804 A JP 2001396804A JP 2003195731 A JP2003195731 A JP 2003195731A
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JP
Japan
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heat storage
heat
optical device
acrylate
meth
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Application number
JP2001396804A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kosaka
義行 小坂
Keiko Yoshida
敬宏 吉田
Yukio Ochitani
幸雄 落谷
Takahiro Omura
貴宏 大村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置自体を複雑化させることなく、定着装置部
分等の光学機器部分の外側に存在する発熱源からの熱の
光学機器や、ポリゴンミラーの駆動モーターなどの光学
機器部分に存在する発熱源からの熱による光学機器への
影響を極力減らすことができる電子写真装置を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】光学機器部分の少なくともレンズ配置部と
光学機器部分の外部に存在する発熱源との間に、光学機
器部分を保護し発熱源から発生する熱が前記レンズ配置
部に影響することを防ぐ隔壁を備える電子写真装置にお
いて、前記隔壁が蓄熱粒子を含む蓄熱層を備えているこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザープリンタ
ー、ファクシミリ、コピー機等の電子写真装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザープリンター、ファクシミリ、コ
ピー機等の電子写真装置は、図3に示すように、まず、
レーザー光等が多数のレンズ101およびポリゴンミラ
ー102等よりなる光学機器部分を通って、感光体ドラ
ム103の所定位置に照射され、原稿と同じ形の電荷パ
ターン(潜像)が感光体ドラム103上に形成され、逆
の電荷を持つトナーが感光体ドラム103の電荷パター
ンに吸い付いたのち、そのトナーが静電気を使って紙や
OHP用シート等に付着され、その後、トナーが簡単に
取れないように熱と圧力を加えてトナーを紙やOHP用
シート等に定着させてから、プリントアウトされるとい
うしくみになっている。
【0003】また、上記のような電子写真装置において
は、光学機器部分が定着装置部分の加熱手段や、光学機
器部分に存在するポリゴンミラーの駆動モータ等の、特
に電子写真化作業時に発生する発熱源の熱の影響によっ
て、レンズに歪み等が生じて正確な電荷パターンを感光
体ドラム103表面に形成できなくなる恐れがある。
【0004】そこで、従来の電子写真装置においては、
上記光学機器部分を保護カバーで覆ったり、光学機器部
分と発熱源との間に隔壁を設けて、発熱源からの熱が光
学機器部分に影響を及ばさないようにしている。また、
保護カバーの一部に通孔を形成するなどして保護カバー
内に熱が籠もらない工夫がなされている。さらに、レン
ズとしては、樹脂製のレンズに比べて熱の影響を受けに
くいガラス製の精密レンズが用いられている。しかしな
がら、ガラス製のレンズは、製造時に研磨などの煩雑な
作業が必要で、成形で容易に製造できる樹脂製のレンズ
に比べて、製造コストがかかるという問題がある。
【0005】一方、ファンなどにより光学機器部分を強
制的に冷却することも提案されているが、樹脂レンズも
使用できるような十分な冷却能力を得ようとすれば、装
置が大型化し却ってコストアップするという問題がある
とともに、ファンによる騒音の問題も発生する恐れがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みて、装置自体を複雑化させることなく、定着装置
部分等の光学機器部分の外側に存在する発熱源からの熱
の光学機器への影響や、ポリゴンミラーの駆動モーター
などの光学機器部分に存在する発熱源からの熱による光
学機器への影響を極力減らすことができる電子写真装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の請求項1に記載の電子写真装置
は、光学機器部分の少なくともレンズ配置部と光学機器
部分の外部に存在する発熱源との間に、光学機器部分を
保護し発熱源から発生する熱が前記レンズ配置部に影響
することを防ぐ隔壁を備える電子写真装置において、前
記隔壁が蓄熱粒子を含む蓄熱層を備えていることを特徴
としている。
【0008】本発明の請求項2に記載の電子写真装置
は、光学機器部分の少なくともレンズ配置部とポリゴン
ミラーと該ミラーの駆動装置を保護し、光学機器部分の
外部に存在する発熱源から発生する熱が前記レンズ配置
部に影響することを防ぐ隔壁を有し、隔壁とは別体もし
くは一体として形成された光学機器部分を保護する保護
ボックスを備える電子写真装置において、前記隔壁が蓄
熱粒子を含む蓄熱層を備えていることを特徴としてい
る。
【0009】また、本発明の電子写真装置において、蓄
熱粒子としては、特に限定されないが、例えば、請求項
3のように、相転移自在な化合物を主成分とする芯物質
の周囲にカプセル壁が少なくとも1層以上備え、前記カ
プセル壁の少なくとも最外層が、ビニル系モノマーを主
成分とする熱可塑性樹脂で形成されているマイクロカプ
セルが好適に用いられる。
【0010】上記マイクロカプセルにおいて、芯物質の
主成分を成す相転移自在な化合物(以下、「潜熱貯蔵
材」と称す)は、相変化に伴う潜熱を利用して熱を蓄え
る目的で用いられ、有機系のものでも無機系のものでも
構わない。特に限定されないが、例えば、有機系潜熱貯
蔵材としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪
酸、アルコール等が挙げられ、無機系潜熱貯蔵材として
は、例えば、塩化カルシウム6水和物(融点29℃)、
炭酸ナトリウム10水和物(融点32℃)、硫酸ナトリ
ウム10水和物(融点32℃)、リン酸水素ナトリウム
12水和物(融点36℃)、硝酸亜鉛6水和物(融点3
6℃)、硝酸ニッケル6水和物、チオ硫酸ナトリウム5
水和物等が挙げられる。
【0011】また、上記潜熱貯蔵材は、単独もしくは混
合することによって、目的に応じた融点を自由に設計で
きることから、例えば、ペンタデカン、ヘキサデカン、
ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、
ドコサン等の脂肪族炭化水素を使用することがさらに好
ましい。特に、電子写真装置内は高温となるため、融点
が常温よりやや高めである潜熱蓄蔵材のほうが好まし
く、融点40℃以上の潜熱蓄蔵材がさらに好ましい。さ
らに、上記有機系潜熱貯蔵材には、マイクロカプセルの
熱伝導性、比重を調節する目的で、カーボン、金属粉、
アルコール等が添加されても良い。
【0012】カプセル壁を構成する熱可塑性樹脂は、請
求項3のように、ビニル系モノマーを主成分とするもの
であることが好ましい。
【0013】ビニル系モノマーとしては、特に限定され
ず、例えば、エチルアクリレート(単独重合体のガラス
転移温度=−24℃、以下かっこ内に温度のみを示
す)、メチルメタクリレート(105℃)、エチルメタ
クリレート(65℃)、イソプロピルメタクリレート
(61℃)、n−プロピルメタクリレート(33℃)、
イソブチルメタクリレート(48℃)、n−ブチルメタ
クリレート(20℃)、t−ブチルメタクリレート(1
07℃)、n−アミルメタクリレート(10℃)、n−
ヘキシルメタクリレート(−5℃)、n−プロピルアク
リレート(−37℃)、n−ブチルアクリレート(−5
4℃)、イソブチルアクリレート(−24℃)、sec
ーブチルアクリレート(−21℃)、n−ヘキシルアク
リレート(−57℃)、2−エチルヘキシルアクリレー
ト(−85℃)、n−オクチルメタクリレート(−25
℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、n−ノ
ニルメタクリレート(−35℃)、n−デシルメタクリ
レート(−45℃)等のアルキル(メタ)アクリレート
類、炭素数4〜6個の炭素原子からなる共役ジエンモノ
マー類、ビニルメチルエーテル(−31℃)、ビニルエ
チルエーテル(−33℃)、ビニルプロピルエーテル
(−49℃)等のビニルエーテル類等が挙げられる。上
記ビニルモノマーの内、ガラス転移温度の調整、経済性
等からアルキル(メタ)アクリレートが好適に用いられ
る。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
【0014】なお、上記マイクロカプセルが電子写真装
置内の環境温度によりカプセル壁を構成する熱可塑性樹
脂が軟化し壊れる恐れがあるので、熱可塑性樹脂のガラ
ス転移温度は、電子写真装置内の環境温度より高いもの
が好ましい。
【0015】上記最外層(表面)の熱可塑性樹脂には、
上記ビニル系モノマーの他に上記ビニル系モノマーと共
重合可能な他のモノマーが使用できる。上記ビニル系モ
ノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定
されず、例えば、(メタ)アクリレート、スチレン誘導
体、酢酸ビニル誘導体等のラジカル重合活性の高い汎用
モノマーを用いることが好ましく、これらは単独で用い
られても良く、あるいは2種以上が併用して用いられて
も良い。さらに、カプセル壁の機械的強度を改善する目
的で、多官能性モノマー等と共重合してもよい。
【0016】上記(メタ)アクリレートモノマーとして
は、特に限定されないが、例えば、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメ
タクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメ
タクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等
のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等の極性基含有(メタ)アク
リレートが挙げられ、これらは単独または2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0017】上記(メタ)アクリレート以外の他のモノ
マーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレ
ン、α- メチルスチレン、p- メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン等のスチレン誘導体モノマー、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル、ア
クリル酸、メタクリル酸が挙げられ、これらは単独また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】上記多官能性モノマーとしては、特に限定
されないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等
のジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリストールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メ
タ)アクリレート類が挙げられる。また、その他の多官
能性モノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレ
ート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ト
リアリルイソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化
合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合
物等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み
合わせて用いることができる。
【0019】上記カプセル壁は、上記熱可塑性樹脂が上
記蓄熱材の表面を三次元的に覆い、上記潜熱蓄蔵材の流
出を防止する。上記カプセル壁は、目的に応じて単層で
あっても二層以上の多層構造であっても構わない。二層
以上の場合、表面ではない内側の熱可塑性樹脂層は、ラ
ジカル重合によって合成可能な熱可塑性樹脂であれば特
に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ま
たはポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル誘導体等のラ
ジカル重合活性の高いモノマーから合成される汎用樹脂
を用いることが好ましく、これらは単独あるいは共重合
体として使用される。
【0020】上記内側の熱可塑性樹脂層の重合に用いら
れる(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定
されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)ア
クリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等
のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等の極性基含有(メタ)アク
リレート類が挙げられ、これらは単独または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0021】上記内側の熱可塑性樹脂層の重合に用いら
れる(メタ)アクリレート以外の他のモノマーとして
は、特に限定されないが、例えば、スチレン、α- メチ
ルスチレン、p-メチルスチレン、p−クロロスチレン
等のスチレン誘導体モノマー、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等の不飽和ニトリル、アクリル酸、メタ
クリル酸が挙げられ、これらは単独または2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0022】上記内側の熱可塑性樹脂には、カプセル壁
の機械的強度を改善する目的で、必要に応じて多官能性
モノマーが添加されてもよい。上記多官能性モノマー
は、特に種類は限定されないが、例えば、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリ
レート等のトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。ま
た、その他の多官能性モノマーとしては、ペンタエリス
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリル
サクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジもし
くはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン
等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独または
2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】また、上記マイクロカプセルの製造方法
は、相転移自在な有機化合物を主成分とする潜熱貯蔵材
とカプセル壁の形成に用いられるラジカル重合性モノマ
ーの混合物を、水中に乳化懸濁し、油滴中のモノマーを
ラジカル重合することによって得られる。特に芯材とし
て疎水性の高い脂肪族炭化水素を用いると、ラジカル重
合性モノマーは油滴中で熱力学的に安定な水相界面付近
にポリマーを生成し、より強固なカプセル壁が得られ
る。また、上記懸濁重合法は分散剤及び重合開始剤を用
いる。
【0024】上記分散剤は、上記潜熱貯蔵材とモノマー
の混合乳化懸濁液の分散安定性を向上させ、重合を効率
的に行う目的で添加され、例えば、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特
に望ましくはアニオン系界面活性剤であり、例えば、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、油溶性のフリーラジカルを発
生する化合物、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジカーボ
ネート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有
機系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系
開始剤及びレドックス開始剤等が挙げられる。また、上
記懸濁重合法では、必要に応じてpH調整剤、酸化防止
剤等が添加されてもよい。
【0025】上記懸濁重合法には、モノマー添加法の違
いから一括重合法、エマルジョン添加法の2つに大別さ
れ、特に限定されるものではない。一括重合法とは、例
えば、まず、潜熱貯蔵材、ラジカル重合性モノマー、重
合開始剤を予め混合しモノマー溶液を調製する。一方、
ジャケット付重合反応槽内にイオン交換水、分散剤を入
れ、重合槽部を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて
圧力を大気圧まで戻して窒素雰囲気下とし、上記モノマ
ー溶液を一括して重合槽内へ添加する。撹拌翼によっ
て、重合液を乳化懸濁した後、槽内をジャケットにより
所定の温度に昇温して重合を開始する方法である。ま
た、モノマー溶液は分散剤及び仕込水の一部と予め混合
乳化され、重合槽へ添加されてもよい。
【0026】エマルジョン添加法とは、例えば、まず、
潜熱貯蔵材、ラジカル重合性モノマー、重合開始剤、分
散剤、イオン交換水を撹拌により充分乳化することによ
り予め乳化モノマー液を調製する。次いでジャケット付
重合反応槽内にイオン交換水を入れ、重合槽内部を減圧
して酸素除去を行った後、窒素にて圧力を大気圧まで戻
して窒素雰囲気下とし、槽内をジャケットにより所定の
温度にした後、上記乳化モノマー液を一括に添加、ある
いは一定量ずつ滴下することにより重合する方法であ
る。
【0027】重合の結果得られるマイクロカプセルを含
むスラリーの樹脂固形分は、特に限定されるものではな
いが、生産性、重合反応の安定性を鑑みて、10〜70
重量%が好ましい。上記スラリー中のマイクロカプセル
の平均粒子径は特に限定されないが、スラリーとして用
いる場合は、大きくなるとマイクロカプセルと水の分離
が起こりやすくなり、小さすぎるとカプセル壁の強度が
落ちるため、0.01〜50μmが適当である。上記マ
イクロカプセルを含むスラリーは、必要に応じて、ポリ
エチレングリコール、各種無機塩類等の凍結防止剤、防
腐剤、増粘剤、顔料、分散剤、難燃剤、シート強度を向
上させるための短繊維など、各種の目的に応じた添加物
が添加されて使用してもよい。
【0028】本発明の隔壁または保護ボックスの材質
は、特に限定されないが、例えば、蓄熱粒子を基材とな
る熱可塑性樹脂に練り込んだ状態で形成した全体が蓄熱
層となる板材、蓄熱粒子を含む樹脂層を備えた蓄熱層が
積層された多層シートまたは多層板、蓄熱粒子を含むス
ラリーを織布や不織布などに含浸や塗布するなどして担
持させたコアシートをアルミニウムなどの金属板で挟み
込むなどして形成した多層シートまたは多層板等が挙げ
られる。尚、蓄熱層は、光学機器部分側に存在すること
が好ましく、また、隔壁や保護ボックスの全体に形成さ
れず部分的に形成されていてもよい。蓄熱粒子として上
記請求項3のようなものを用いる場合、シート化する方
法としては、特に限定はされないが、例えば、乾燥させ
たマイクロカプセル化蓄熱材粉末を、バインダー樹脂と
混合したのち、必要に応じて溶剤を加え、離型紙などに
展開、加熱し圧延ロールで厚さ調整してシート化する方
法や、マイクロカプセルを含むスラリーをそのまま織布
や不織布等の上に塗布後、加熱して水分を蒸発させ、シ
ート化する方法などが挙げられるが、スラリーを不織布
に塗布したのち、乾燥させる方法が製造工程を簡略化が
できるので好ましい。
【0029】さらに、蓄熱層を備えた隔壁のみを設け
て、光学機器部分と、光学機器部分の外側にある発熱源
との間のみを隔絶するようにしてもよいが、請求項2の
ように、光の透過部分や通気孔部分を除いて、光学機器
部分全体を保護する保護ボックスを設けることがより好
ましい。また、蓄熱層をもたない隔壁を別途設けるよう
にしても構わない。また、本発明の電子写真装置は、特
に限定されないが、例えば、レーザープリンター、コピ
ー機、ファクシミリ等に使用できる。
【0030】
【作用】本発明の電子写真装置は、装置の電子写真化作
業時にとくに発生する発熱源からの熱を一旦隔壁または
保護ボックスの壁の蓄熱層に蓄熱して直接光学機器部分
に熱の影響を与えないようにできる。そして、電子写真
化作業が行なわれていないときに、蓄熱された熱を徐々
に放熱するようにすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。図1および図2は、本発明にかかる電子
写真装置の1つの実施の形態をあらわしている。
【0032】図1に示すように、この電子写真装置とし
てのレーザープリンター1は、多数の合成樹脂製レンズ
2およびポリゴンミラー3等からなる光学機器部分4の
全体が、光の透過部を除いて覆われるように保護ボック
ス5内に収容され、定着装置部分6やポリゴンミラー3
の駆動モータなどの発熱源との隔壁となる保護ボックス
5の壁51が図2に示すようなアルミニウム製の基板5
2と基板52との間に蓄熱層となる蓄熱シート53が挟
まれた状態に積層されている複合材料で形成されている
以外は、従来の保護ボックスを備えた電子写真装置と同
様になっている。
【0033】すなわち、蓄熱シート53は、図示してい
ないが、蓄熱粒子としての、相転移自在な化合物を主成
分とする芯物質の周囲にカプセル壁を少なくとも1層以
上備え、前記カプセル壁の少なくとも最外層が、単独重
合体のガラス転移温度が100℃以上であるビニル系モ
ノマーを主成分とする熱可塑性樹脂で形成されているマ
イクロカプセルをスラリー状態で不織布に含浸させたの
ち乾燥して得ることができる。
【0034】そして、蓄熱シート53とアルミニウム板
52とは、予めアルミニウム板に設けておいた粘着層に
より積層一体化されている。なお、図1中、7は感光体
ドラムである。
【0035】このレーザープリンター1は、以上のよう
に、光学機器部分4と定着装置部分6やポリゴンミラー
3の駆動モータ等との間が隔壁としての保護ボックス5
の壁51によって隔絶されているとともに、壁51が蓄
熱粒子を含む蓄熱シート53によって形成された蓄熱層
を備えているので、電子写真化作業時に発生する発熱源
からの熱が一旦蓄熱シート53内の蓄熱粒子に蓄熱さ
れ、光学機器部分4へ熱が伝搬しにくくなる。そして、
電子写真化作業終了後、徐々に熱が放冷される。したが
って、合成樹脂製レンズ2が発熱源で発生する熱によっ
てひずんだりすることがない。すなわち、ファン等の冷
却装置を用いず、簡単な装置構造で、安価な合成樹脂レ
ンズ2を用いることができ、レーザープリンター1の製
造コストを低減できる。
【0036】本発明にかかる電子写真装置は、上記の実
施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態で
は、光学機器部分4の全体が保護ボックス5によって覆
われていたが、レンズ部分のみでも構わない。また、上
記の実施の形態では合成樹脂レンズが用いられていた
が、精密ガラスレンズを用いるようにしても構わない。
【0037】
【発明の効果】本発明にかかる電子写真装置は、以上の
ように構成されているので、装置の電子写真化作業時に
とくに発生する発熱源からの熱を一旦隔壁の蓄熱層に蓄
熱して直接光学機器部分に熱の影響を極力少なくするこ
とができる。そして、電子写真化作業が行なわれていな
いときに、蓄熱された熱を徐々に放熱するようにするこ
とができる。したがって、装置を複雑化することなく、
レンズを合成樹脂製のものにすることができる。すなわ
ち、装置の製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電子写真装置の1つの実施の形
態をあらわす断面図である。
【図2】図1の電子写真装置の保護ボックスの壁の断面
図である。
【図3】電子写真装置の光学機器部分の1例をあらわす
斜視図である。
【符号の説明】
1 レーザープリンター(電子写真装置) 2 合成樹脂レンズ(光学機器) 3 ポリゴンミラー(光学機器) 4 光学機器部分 5 保護ボックス 51 壁(隔壁) 53 蓄熱シート(蓄熱層)
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月28日(2001.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、上記潜熱貯蔵材は、単独もしくは混
合することによって、目的に応じた融点を自由に設計で
きることから、例えば、ペンタデカン、ヘキサデカン、
ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、
ドコサン等の脂肪族炭化水素を使用することがさらに好
ましい。特に、電子写真装置内は高温となるため、融点
が常温よりやや高めである潜熱貯蔵材のほうが好まし
く、融点40℃以上の潜熱貯蔵材がさらに好ましい。さ
らに、上記有機系潜熱貯蔵材には、マイクロカプセルの
熱伝導性、比重を調節する目的で、カーボン、金属粉、
アルコール等が添加されても良い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】上記カプセル壁は、上記熱可塑性樹脂が上
潜熱貯蔵材の表面を三次元的に覆い、上記潜熱貯蔵材
の流出を防止する。上記カプセル壁は、目的に応じて単
層であっても二層以上の多層構造であっても構わない。
二層以上の場合、表面ではない内側の熱可塑性樹脂層
は、ラジカル重合によって合成可能な熱可塑性樹脂であ
れば特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリレー
ト、またはポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル誘導体
等のラジカル重合活性の高いモノマーから合成される汎
用樹脂を用いることが好ましく、これらは単独あるいは
共重合体として使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落谷 幸雄 滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 大村 貴宏 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 Fターム(参考) 2C362 DA33 2H027 JA11 JB12 JC04 JC08 2H071 BA03 BA27 DA02 DA12 EA04 2H076 AB05 AB12 AB22 AB81 EA04 EA08 EA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学機器部分の少なくともレンズ配置部と
    光学機器部分の外部に存在する発熱源との間に、光学機
    器部分を保護し発熱源から発生する熱が前記レンズ配置
    部に影響することを防ぐ隔壁を備える電子写真装置にお
    いて、前記隔壁が蓄熱粒子を含む蓄熱層を備えているこ
    とを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】光学機器部分の少なくともレンズ配置部と
    ポリゴンミラーと該ミラーの駆動装置を保護し、光学機
    器部分の外部に存在する発熱源から発生する熱が前記レ
    ンズ配置部に影響することを防ぐ隔壁を有し、隔壁とは
    別体もしくは一体として形成された光学機器部分を保護
    する保護ボックスを備える電子写真装置において、前記
    隔壁が蓄熱粒子を含む蓄熱層を備えていることを特徴と
    する電子写真装置。
  3. 【請求項3】蓄熱粒子は、相転移自在な化合物を主成分
    とする芯物質の周囲にカプセル壁を少なくとも1層以上
    備え、前記カプセル壁の少なくとも最外層が、ビニル系
    モノマーを主成分とする熱可塑性樹脂で形成されている
    請求項1または請求項2に記載の電子写真装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011099916A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Sharp Corp 現像装置および画像形成装置
US8078080B2 (en) 2008-06-11 2011-12-13 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus

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