JP2002308244A - プラスチック製容器 - Google Patents
プラスチック製容器Info
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Abstract
及び復元抑止性に優れたプラスチック製容器を提供する
こと。 【解決手段】 本発明は、所定の軸線の回りに4以上の
偶数の曲面20を配列してなる胴部14を備えるプラス
チック製容器10において、各曲面の、前記軸線に沿う
断面を波形とし、各曲面の山部が隣接の曲面の谷部と同
一の高さ位置となるよう配置し、且つ、軸線に直角な方
向に胴部に外力を加えて当該胴部を平板状に押し潰した
場合に、隣合う曲面20,20間を繋ぐ稜線24の一部
が内側に凹状に変形された状態26で維持されるように
したことを特徴としている。かかる構成においては、容
器の薄肉化が可能であり押潰しが容易となると共に、押
し潰した際に稜線の一部が凹状に変形したままの状態で
維持されるため、胴部が元の状態に復元されることも抑
制される。
Description
品、液体又は顆粒状の調味料、中小の粒状の固形物等の
ボルト又は広口容器等の容器として用いられているプラ
スチック製容器に関する。
な社会問題となり、いわゆる容器包装リサイクル法等の
社会基盤が整備されつつある。そして、プラスチック製
容器をリサイクルや廃棄処理に出すときには、押潰しに
よる減容化で運搬効率を上げるような指導がされてい
る。
器が提案、開発されている。例えば、特開平10−16
7243号公報や特開平10−218149号公報、特
開平7−172424号公報に記載のものは、容器の胴
部に蛇腹壁や溝等を設けて、押潰し容易性と復元抑止性
を確保しようとしている。
特開2000−85738号公報、特開2000−35
678号公報に記載の容器では、容器上部と底部にV字
状のリブを配置して胴部を折畳み可能としている。
載の容器では、胴部に特殊形状のリブを設けることで、
容器の薄肉化及び押潰し容易性の改善を図っている。特
開平11−208634号公報に記載のものも、容器の
胴部を特殊形状として容器に必要な強度を持たせること
によって薄肉化を図っており、これにより押潰し容易性
を改善している。
た従来技術のいずれも問題点を有している。
10−218149号公報、特開平7−172424号
公報に記載のものは、押潰し力を小さくしたために軸線
方向の座屈強度が低下し、内容物の保護が十分にできな
いという問題点を生じている。
特開2000−85738号公報、特開2000−35
678号公報に記載の容器は、胴部そのものに押潰し容
易性と復元抑止性を持たせた構造ではなく、実効性の低
いものである。
器は、復元抑止性の点では十分ではないため、廃棄時の
減容性は高くない。
記載の容器は、押潰し容易性や復元抑止性を考慮したも
のではないため、当該公報に記載の構成を有する全ての
容器で押潰し容易性と復元抑止性とが良いというわけで
はなかった。
であり、その目的は、必要な座屈強度は維持しつつ、押
潰し容易性及び復元抑止性に優れた新規なプラスチック
製容器を提供することにある。
に、本発明は、所定の軸線の回りに4以上の偶数の曲面
を配列してなる胴部を備えるプラスチック製容器におい
て、各曲面の、前記軸線に沿う断面を波形とし、各曲面
の山部が隣接の曲面の谷部と同一の高さ位置となるよう
に配置し、且つ、軸線に直角な方向に胴部に外力を加え
て当該胴部を平板状に押し潰した場合に、隣合う曲面間
を繋ぐ稜線の一部が内側に凹状に変形された状態で維持
されるようにしたことを特徴としている。
能であり押潰しが容易となると共に、押し潰した際に稜
線の一部が凹状に変形したままの状態で維持されるた
め、胴部が元の状態に復元されることも抑制される。
部と同一の高さ位置となるように」とは、山部の最高点
と谷部の最低点とが完全に同一の高さ位置となる場合の
みならず、実質的に同一の高さ位置となる場合、すなわ
ち、高さ方向において所定の幅の範囲内で山部の最高点
と谷部の最低点とが配置される場合を含むものである。
実質的に同一の高さ位置にあれば、容器を押し潰した後
における復元抑制の効果が得られるからである。なお、
山部の最高点と谷部の最低点との間の許容される高さ方
向の幅は容器の容積によって異なり、その具体例につい
ては以下で述べる。
の表面形状を表す語であるが、容器は比較的薄肉である
ので、胴部壁体をも意味するものである。
されている場合、容器の座屈強度及び減圧変形強度がよ
り向上され、より一層の薄肉化が可能となり、ひいては
押潰し容易性の向上が可能となる。
状に変形された状態で維持されるためには、具体的に
は、所定の高さ位置にての軸線に直交する断面における
胴部の周囲長(L)に対する曲面の山部と谷部との間の
高低差(PV値)の比(r1=PV値/L)が所定値以
上であり、且つ、軸線に直交する断面における胴部の断
面であって、正多角形となる断面において、隣合う両辺
の中心点を結ぶ線から稜線頂部までの距離(h)に対し
ての、前記多角形となる断面においてフィレットの両端
点が前記胴部の中心点となす角度(α)の比(r2=α
/h)が所定値以下であることが好ましい。
数が6以上、12以下であること(断面が六角形〜十二
角形)が好ましいが、かかる面数の容器の場合、前記r
1は0.005以上、前記r2は5以下とすることがよ
い。このr1及びr2については以下で詳説する。
るプラスチック製容器の好適な実施形態について詳細に
説明する。なお、本明細書において「上」や「下」等の
向きを示す語は容器を水平面に縦置きとした状態での語
として用いることとする。
容器10は、或る程度の剛性を有するプラスチックから
なる縦長の有底筒状の一体成形品であり、底部12と、
胴部14と、口頚部16とから構成されている。口頚部
16は、その頂部中央に注出口18が形成されている。
注出口18には、ねじ式の蓋(図示しない)が螺合され
るようになっている。
は、所定の軸線の回りに曲面20を偶数、周方向に配列
することにより構成されている。各曲面20は、軸線に
沿っての断面を見た場合、波形となっており、また、各
曲面20の山部が隣接の曲面20の谷部と同一の高さ位
置となるよう配置されている。曲面20の数は、好まし
くは4以上、14以下、より好ましくは6以上、12以
下であり、図示実施形態では8つとなっている。面数を
制限した理由については後述する。また、各曲面20
は、前記軸線(すなわち、胴部の中心の軸線)の回りに
螺旋状に配置されている。
3を参照すると、胴部14の水平断面の形状において
は、八角形となっていることが分かるであろう。また、
この胴部14には、胴部14の高さ(軸線方向の全長)
にもよるが、3箇所以上の基準となる高さ位置が定めら
れている。図示実施形態では、6カ所が基準高さ位置と
され、互いに等間隔とされている。各基準高さ位置にお
ける水平断面の形状は、図3の(a)〜(f)に示すよ
うに全て同一であり、短辺と長辺とを交互に組み合わせ
た形状となっている。
場合を示している。図4において実線と二点鎖線とのず
れ量が曲面における山谷の高低差(PV値)を表してい
るが、図4の(a)から理解されるように、倍率が小さ
いと、正多角形に近くなり、波形の曲面として胴部14
に現れなくなり、後述する本発明の効果の一つ、すなわ
ち軸線方向の座屈強度及び減圧変形強度の向上という効
果が得られなくなる。一方、図4の(c)に示すよう
に、倍率が大きいと、長辺のみからなる多角形(図4の
(c)の場合は四角形)と変わらなくなり、また、曲面
の凹凸も大きくなり、持ちにくいという問題点が生ず
る。
の基準高さ位置を第1位置22aと称し、順次上から、
第2位置22b、第3位置22c、第4位置22d、第
5位置22e、最も低い基準高さ位置を第6位置22f
と称することとする。そして、奇数番の基準高さ位置
(第1位置22a、第3位置22c及び第5位置22
e)における水平断面の多角形については、短辺を基準
辺とし、偶数番の基準高さ位置(第2位置22b、第4
位置22d及び第6位置22f)における水平断面の多
角形については、長辺を基準辺とする。
辺の中心点が軸線方向に一直線に整列するよう各基準高
さ位置22a〜22fにおける多角形を配向する。そし
て、それぞれの辺を通るように滑らかに曲面で繋ぐと、
図8の如き形状が得られる。
位置22a〜22fでの水平断面の多角形における基準
辺は、同じ向きとされておらず、その中心を軸に水平方
向に回転させて配置されている。回転させる量は、上側
の基準高さ位置における多角形の基準辺を基準に、回転
角θ/基準高さ位置間の距離H=0.1〜2.0deg
/mmである。この回転量は、胴部14の上部から中央
部にかけて徐々に大きくしていき、中央部で最大になる
ようにする。そして、中央部から下部にかけて徐々に小
さくすることが好適である。図示実施形態では、第1位
置22aから第2位置22bの間では、θ/H=0.3
2deg/mm、第2位置22bから第3位置22cの
間では、θ/H=0.53deg/mm、第3位置22
cから第4位置22dの間では、θ/H=0.75de
g/mm、第4位置22dから第5位置22eの間で
は、θ/H=0.53deg/mm、第5位置22eか
ら第6位置22fの間では、θ/H=0.32deg/
mmとされている。
における断面多角形を配向したならば、それぞれの辺を
通るように滑らかに曲面で繋ぐ。この辺の繋ぎ合わせ
は、例えば三次元CADのロフト機能を用いて行うこと
ができる。ロフトとは、複数の二次元断面図形の外形を
連続的に滑らかに結ぶ面を生成する方法をいう。この滑
らかに曲面を繋ぐ手段として、数学的なスプライン補間
による曲面を用いることもできる。
部14の中心軸線に沿っての断面が波形となり、隣合う
曲面20,20間には波形の稜線24が形成される。更
に、或る曲面における山部(谷部)は、隣接の曲面にお
ける谷部(山部)と水平面において隣合う。また、各曲
面20は螺旋状となる。各基準高さ位置における断面多
角形の回転量は前述したように上下と中央部で変化させ
ているため、胴部14の軸線方向の中央部における螺旋
のねじれ角α2は、上部と下部のねじれ角α1,α3より
も小さなものとなる。
縮荷重を作用させると、螺旋状で、軸線方向に対して傾
斜している曲面20により荷重が水平方向と垂直方向に
分散され、胴部14に生ずる応力は小さく抑制される。
すなわち、座屈強度が向上する。なお、胴部14の上部
と下部において水平断面の多角形の回転量を小さくして
いる(曲面20の螺旋のねじれ角αを大きくしている)
理由は、回転量を大きくすると、口頚部16又は底部1
2と胴部14との境界部に応力が集中するおそれがある
ためである。そして、応力が最も大きくなる胴部14の
中央部においては、回転量が大きくなっているので、応
力の抑制に役立っている。但し、曲面20のねじれ角が
45度以下となると、曲面20,20間の稜線24に大
きなせん断力が作用することになるので、ねじれ角は4
5度よりも大きくする必要がある。
4に水平方向の外力を作用させると、曲面20の一部が
へこみ、そこに隣接する他の曲面20の部分が膨れるよ
うな挙動を示す。この挙動は、曲面20,20間に形成
された稜線24を枢軸として両側の部分がヒンジの如く
動くことで生じ、減圧変形に対する強度を高めることが
できる。従って、曲面20の数が多く、胴部14に稜線
24がはっきり出ないものでは、かかる効果が期待でき
ず、曲面20の数、すなわち水平断面の多角形の角数は
14以下であることが望ましいものとなる。
屈強度及び減圧変形強度が共に向上しているので、容器
10を薄肉化することも可能であり、かかる場合には容
器10の重量は減じられることになる。
らず、容器10の軸線方向と平行に延びる構成であって
も、図1に示す構成よりは若干劣るが、高い座屈強度及
び減圧変形強度を奏することができる。
減圧変形強度の向上により、容器10を薄肉化すること
ができるが、この薄肉化により、空の容器10の胴部1
4に、軸線に対して直角の方向(横方向)から外力を加
えると、図6に示すように、平板状に容器10を容易に
押し潰すことが可能となる。
にされた後、押潰し力を解放すると、胴部14が元の状
態に復元する場合と、平板状のまま維持される場合とが
ある。本発明者らはこの違いを鋭意検討した結果、押し
潰された胴部14の曲面20間を繋いでいる稜線24
が、そのほぼ全長にわたり、図7の(a)に示すように
外側に突出した状態となる場合には、隣合う曲面20,
20間が互いに近づく方向の弾性復帰力が作用すると共
に、各曲面20が元の平坦な状態に戻ろうとする弾性復
帰力が作用して、胴部14が元の状態に復元されること
を見出した。そして、稜線24の複数箇所が、図7の
(b)に示すように、容器内側に凹状に変形され且つそ
の変形部26が維持されている場合には、その部分にお
ける弾性復帰力が作用せず、胴部14が平板状を維持す
ることを見出した。
押し潰した際、稜線24に凸状のままの部分と、図7の
(b)に示すような凹状変形部26とが容易に形成さ
れ、且つ、(2)一旦形成された凹状変形部26が維持
されて元の状態に復元しない、という二つの条件を満た
した場合、復元抑止性が高い容器10となると結論づけ
た。そして、かかる条件は次の二つの関係を満たした場
合に得られることを見出した。
における胴部14の水平断面における周囲長(L)に対
する胴部14の曲面20の山谷の高低差(PV値)の比
(r1=PV値/L)が所定値以上である、というもの
である。PV値は図4の如く水平断面を描き、長辺(実
線)と、これと同位置の短辺(二点鎖線)との差を求め
ることにより得られるものである。例えば、図1の実施
形態のように曲面20の数が8、すなわち水平断面が八
角形の場合には、r1は0.005以上であればよい。
これは、山谷の高低差PV値が大きい場合には、胴部1
4を押し潰した場合の稜線24の外側への突出量も大き
くなり、凹状変形部26が形成されやすくなるためであ
る。
基準高さ位置の中間部、すなわち胴部14の山谷の高低
差がない位置での胴部水平断面(正多角形となる)にお
ける稜線高さ(h)に対する、稜線24のフィレット角
度(α)の比(r2=α/h)が所定値以下である、と
いうものである。ここで、稜線高さhは、前記位置での
胴部水平断面において、隣り合う両辺の中心点を結ぶ線
からの稜線24の頂点までの距離をいう。また、フィレ
ット角度αは、前記位置での胴部水平断面において、フ
ィレット(隣り合う両辺間を結合する曲線)の両端点が
胴部14の中心点(軸線)となす角度をいう。例えば、
曲面20が8である容器10の場合、r2は5以下であ
ることが条件となる。
りである。まず、稜線高さhについては、このhが大き
いほど、大きな凹状変形部26を形成するため、変形部
26の維持に寄与することが、本発明者らにより見いだ
された。一方、フィレット角度αが大きいと、変形部2
6の維持を妨げる。これは、図5の(d)に示すように
フィレット角度αが大きい場合には、稜線24が丸みを
帯びた状態で現れ、凹状に変形しやすいものの、元の状
態に復元しやすくなる、ということである。例えば通常
の円筒形の容器の場合、復元しやすいことは経験的に知
られているが、図5の(d)のような形状についても円
筒形容器と同様な作用が生ずるのである。また、対辺距
離D(互いに正対する辺間の距離)が一定の場合、フィ
レット角度αが小さくなると(すなわちフィレット半径
frが小さくなると)、稜線高さhは大きくなってい
く。このため、稜線高さhに対するフィレット角度αの
比r2(=α/h)を求めた場合、比r2が或る特定の
値以下である場合、稜線高さh及びフィレット角度αが
共に、凹状変形部26を維持するための値にあることを
示すことになる。この特定の値が、面数8の場合には、
「5」となるのである。このr2の値については、実験
やシミュレーションで容易に確認できるものである。
ましくはr1=0.2、r2=0.58となる断面が八
角形の形状の場合、容器10を押し潰した場合に復元し
にくくなるという効果、すなわち高い復元抑止性が得ら
れる。従って、廃棄時の減容化という要請にも大いに寄
与することとなる。
ても押潰し容易性について再考する。上記実施形態で
は、容器10を薄肉化することで、押潰し容易性を向上
させているが、同じ肉厚の容器においても、押潰し容易
性に差異が見られる。図1に示す上記実施形態のよう
に、胴部14の周囲長が胴部の全長にわたりほぼ等しい
場合、すなわち胴部14の最大周囲長に対する胴部14
の最小周囲長の比r3が、 0.97≦r3<1 の関係にある場合、胴部14の押潰しは容易である。一
方、例えば胴部14が樽形状、或いは下方ほど広がるフ
レア形状となっている場合であって、r3が前記範囲を
超えるほど周囲長に長短が生じている場合、胴部14の
周囲長が胴部の全長にわたりほぼ等しい場合に比して、
たとえ肉厚が同一であっても、平板状に押し潰すことが
困難となる。従って、胴部14の最大周囲長に対する胴
部14の最小周囲長の比r3が0.97以上であること
が、好適である。
い形状にも上記関係は適用され得るものであり、押潰し
容易性及び復元抑止性に富んだ容器とすることが可能で
ある。
した容器10の場合と同様にして容器の作ることができ
る。その好適な形態が図9に示すものである。
度及び減圧変形強度が向上し、薄肉化が可能となり、容
器100の胴部114の押潰し容易性が向上する。
は、上記2つの関係を満たす必要がある。まず、基準高
さ位置における胴部114の水平断面における周囲長
(L)に対する胴部114の曲面120の山谷の高低差
(PV値)の比(r1=PV値/L)を求め、その値
を、曲面数が10の場合における所定値以上とする。か
かるr1についての所定値は、その周囲長が曲面数8の
場合の周囲長とほぼ同等であるため、この場合も0.0
05としている。図10の場合、(b)〜(e)がこの
条件を満たすものである。
わち胴部114の山谷の高低差がない位置での胴部水平
断面(正多角形となる)における稜線高さ(h)に対す
る稜線24のフィレット角度(α)の比(r2=α/
h)を、曲面数が10の場合における所定値以下、すな
わち実験やシミュケーションから得られた5以下とす
る。図11に示す形態のうち、(a)〜(c)がこの条
件を満たしている。このようにして得られた形状の容器
100についても、図1に示す容器10の場合と同様、
押潰し容易性のみならず、復元抑止性が良好なものとな
る。
1は0.005以上、r2は5以下として、良好な結果
が得られることが分かっている。
の単層体又は積層体で構成されることが好ましくは、そ
の樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、
スチレン系樹脂、エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂又
はこれらの樹脂混合物を用いることができ、好ましく
は、エチレン系樹脂としてエチレン系単独重合体、エチ
レン系共重合体、プロピレン系樹脂としてプロピレン系
単独重合体、プロピレン系共重合体を用いることがで
き、特に好ましくは、ポリエチレン、少なくとも1種類
のαオレフィン(好ましくは、炭素数が4ないし10)
を含むエチレン・αオレフィン共重合体、プロピレン・
エチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレン・(メタ)アクリル酸共重合体、金属として亜鉛
(Zn)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)の
少なくとも1種類を含むエチレン・(メタ)アクリル酸
共重合体の金属塩部分中和物(アイオノマー樹脂という
ことがある)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキル
エステル共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体
が挙げられる。
外層、接着層、酸素ガスバリア層、接着層、再生利用す
る樹脂の層、内層からなるものがある。このような積層
体では、外層及び内層用の樹脂としてプロピレン系共重
合体(住友化学社製、商品名「ノーブレン」(結晶融点
132℃、メルトインデックス1.4、密度0.90g
/cm3))、酸素ガスバリア層用樹脂としてエチレン
・酢酸ビニル共重合体鹸化物(クラレ社製、商品名「E
VAL」銘柄EP−F101(結晶融点183℃、メル
トインデックス1.3、エチレン含有率32モル%、鹸
化度99%、密度1.19g/cm3))、接着層用樹
脂としてマレイン酸グラフト変性したポリプロピレン
(三井石油化学社製、商品名「ADMER」(結晶融点
112℃、密度0.89g/cm3))、再生利用する
樹脂としてこの容器本体12の粉砕物からなる樹脂を用
いることができる。
は、まず、環状多層ダイに溶融した各層用樹脂を導入
し、ダイ内共押出し積層して筒状のパリソンを押し出
し、次いで割金型にこのパリソンを導入し、金型を閉じ
てからブローピンをパリソン上端に刺し込み、圧縮空気
を吹込むのである。この圧縮空気の吹込みにより、パリ
ソンが膨らみ、金型内面に樹脂が押し付けられて容器1
0が成形される。各層用樹脂導入についてより具体的に
述べるならば、フルフライト型スクリュー装着の口径4
0mm押出機をシリンダー温度220℃に設定して内層
用樹脂及び外層用樹脂を導入し、フルフライト型スクリ
ュー装着の口径25mm押出機をシリンダー温度210
℃に設定して酸素ガスバリア層用樹脂を導入し、フルフ
ライト型スクリュー装着の口径25mm押出機をシリン
ダー温度200℃に設定して接着層用樹脂を導入し、3
条バリア型スクリュー装着の口径40mm押出機をシリ
ンダー温度200℃に設定して再生利用する樹脂を導入
するのが好適である。
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない
ことは言うまでもない。例えば、図9の容器100の変
形例として、図12に示すような曲面にねじれがない容
器にも本発明は適用可能である。
山部が隣接の曲面20の谷部と同一の高さ位置に配置さ
れた構成が示されており、当該山部の最高点(容器中心
軸線からの水平距離において最長点)と当該谷部の最低
点(容器中心軸線からの水平距離において最短点)とが
完全同一の高さ位置に配置される如く述べているが、当
該山部の最高点と当該谷部の最低点とは高さ方向におい
て所定の幅の範囲内に配置されて、実質的に同一の高さ
となっていればよい。実質的に同一の高さ位置にあれ
ば、容器の薄肉化の効果、及び、容器を押し潰した後に
おける復元抑制の効果が得られるからである。
の許容される高さ方向の幅は容器の容積によって異な
り、1000cm3の容器の場合、その幅は4mmまで
の範囲内、3000cm3の容器の場合、その幅は6m
mまでの範囲内であればよい。
ねじれを加えていない図8に示す容器(実施例2)、r
2が5.38である以外は実施例1の容器とほぼ同様な
構成であり、図5の(d)に相当する容器(比較例
1)、r1が0.004である以外は実施例1の容器と
同様な構成であり、図4の(a)に相当する容器(比較
例2)、図13に示す市販されている一般的な容器(参
考例1)、図示しないが、胴部が完全な円筒形(水平断
面が円形)となっている点を除き実施例1の容器とほぼ
同様な構成の容器(参考例2)を用いて、押潰し容易性
及び復元抑止性について評価した結果を述べる。押潰し
容易性の試験では、平均的な女性の握力で潰した場合を
想定した。
考例1,2の容器の材料は共に、外層及び内層用の樹脂
としてプロピレン系共重合体(住友化学社製、商品名
「ノーブレン」(結晶融点132℃、メルトインデック
ス1.4、密度0.90g/cm3))、酸素ガスバリ
ア層用樹脂としてエチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物
(クラレ社製、商品名「EVAL」銘柄EP−F101
(結晶融点183℃、メルトインデックス1.3、エチ
レン含有率32モル%、鹸化度99%、密度1.19g
/cm3))、接着層用樹脂としてマレイン酸グラフト
変性したポリプロピレン(三井石油化学社製、商品名
「ADMER」(結晶融点112℃、密度0.89g/
cm3))、再生利用する樹脂としてこの容器の粉砕物
からなる樹脂から形成された積層体である。この積層体
の曲げ剛性は700MPaである。製造方法は上記方法
による。また、全ての例の容器とも胴部の平均肉厚は
0.7mm、高さは270mm、容積1000cm3の
ものを用いた。
施例1,2、比較例1,2及び参考例2の容器が良好な
ものとなっている。これらは肉厚が0.7mmと薄肉な
ものであり、胴部の最大周囲長に対する胴部の最小周囲
長の比が0.97以上となっているからである。もちろ
ん、実施例1,2及び比較例1,2はその形態から座屈
強度及び減圧変形強度に優れたものであるが、参考例2
の円筒形容器は、座屈強度及び減圧変形強度が低く、実
際の使用には耐えられないものと考えられる。参考例1
の容器については、肉厚が他の容器と同等であるが、胴
部の形状が下方にいくほど広がり、胴部の最大周囲長に
対する胴部の最小周囲長の比が0.97未満となってい
るため、女性や、子供、老人等の非力な者の力では押潰
しができないという結果が得られた。
器が押し潰した状態で維持されるか否かを試験した結
果、実施例1,2の容器に良好な復元抑止性が認められ
た。比較例1,2の容器は共に容器が元の状態に近い状
態まで復元した。実施例1の容器と異なる点はr1及び
r2の条件のみである。すなわち、比較例1のr2が
5.38であり、5以下という条件を満たしておらず、
また、比較例2はr1が0.004であり、0.005
以上という条件を満たしていない。従って、これらの数
値が復元抑止性に影響を与えていることがこの結果から
明らかとなった。
できなかったため、復元抑止性の試験は行えなかった。
また、参考例2の容器は、ほぼ完全に元の状態に戻っ
た。
は、座屈に対する強度及び減圧による変形に対する強度
が共に向上した結果、薄肉化することが可能となり、押
潰し容易性を向上させることができる。また、押し潰し
た後の復元抑止性も向上するため、容器の廃棄や廃棄場
への運搬時に減容化された状態を維持することができ、
運搬効率を上げることができ、廃棄場の省スペースにも
寄与することができる。
の一実施形態を示す斜視図である。
(f)は、それぞれ、図2のA−A線、B−B線、C−
C線、D−D線、E−E線及びF−F線に沿っての端面
図であり、肉厚を省略して描いた図である。
胴部形状の関係を示す図である。
胴部形状の関係を示す図である。
る。
示す容器の断面部分図であり、(b)は容器を押し潰し
た際に凹状変形部が形成された場合を概略的に示す容器
の断面部分図である。
えられていない曲面数8の容器を示す説明図である。
器の別の実施形態を示す説明図である。
と胴部形状の関係を示す図である。
と胴部形状の関係を示す図である。
加えられていない曲面数10の容器を示す説明図であ
る。
部、16…口頚部、18…注出口、20,120…曲
面、22…基準高さ位置、24,124…稜線。
Claims (5)
- 【請求項1】 所定の軸線の回りに4以上の偶数の曲面
を配列してなる胴部を備えるプラスチック製容器であっ
て、 前記各曲面の、前記軸線に沿う断面が波形であり、 前記各曲面の山部が隣接の曲面の谷部と同一の高さ位置
となるよう配置され、 前記軸線に直角な方向に前記胴部に外力を加えて当該胴
部を平板状に押し潰した場合に、隣合う前記曲面間を繋
ぐ稜線の一部が内側に凹状に変形された状態で維持され
るようになっていることを特徴とするプラスチック製容
器。 - 【請求項2】 前記各曲面が前記軸線の回りに螺旋状に
形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラ
スチック製容器。 - 【請求項3】 所定の高さ位置にての前記軸線に直交す
る断面における前記胴部の周囲長(L)に対する前記曲
面の山部と谷部との間の高低差(PV値)の比(r1=
PV値/L)が所定値以上であり、且つ、 前記軸線に直交する断面における前記胴部の断面であっ
て、正多角形となる断面において、隣合う両辺の中心点
を結ぶ線からの稜線頂部の距離(h)に対しての、前記
正多角形となる断面においてフィレットの両端点が前記
胴部の中心点となす角度(α)の比(r2=α/h)が
所定値以下であることを特徴とする請求項1又は2に記
載のプラスチック製容器。 - 【請求項4】 前記曲面の数が6以上、12以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック
製容器。 - 【請求項5】 所定の高さ位置にての前記軸線に直交す
る断面における前記胴部の周囲長(L)に対する前記曲
面の山部と谷部との間の高低差(PV値)の比(r1=
PV値/L)が0.005以上であり、且つ、 前記軸線に直交する断面における前記胴部の断面であっ
て、正多角形となる断面において、隣合う両辺の中心点
を結ぶ線からの稜線頂部の距離(h)に対しての、前記
正多角形となる断面においてフィレットの両端点が前記
胴部の中心点となす角度(α)の比(r2=α/h)が
5以下であることを特徴とする請求項4に記載のプラス
チック製容器。
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---|---|---|---|
JP2001118503A JP4603716B2 (ja) | 2001-04-17 | 2001-04-17 | プラスチック製容器 |
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JP4603716B2 JP4603716B2 (ja) | 2010-12-22 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-04-17 JP JP2001118503A patent/JP4603716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP4603716B2 (ja) | 2010-12-22 |
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