JP2002308134A - 運転操作装置 - Google Patents

運転操作装置

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JP2002308134A
JP2002308134A JP2001118799A JP2001118799A JP2002308134A JP 2002308134 A JP2002308134 A JP 2002308134A JP 2001118799 A JP2001118799 A JP 2001118799A JP 2001118799 A JP2001118799 A JP 2001118799A JP 2002308134 A JP2002308134 A JP 2002308134A
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  • Control Of Direct Current Motors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反力を発生する電動モータや同電動モータに
通電する電流を制御するための駆動回路の過熱状態が継
続することを防止すること。 【解決手段】 この運転操作装置は、操作レバー10
と、前記操作レバーの操作角θjを検出する操作角セン
サ26と、付与される電流の大きさ及び向きに応じて反
力を発生する電動モータ25と、前記電動モータに付与
される電流を制御する駆動回路42と、検出された操作
角θjに応じて前記電動モータに付与される電流の大き
さ及び向きを決定し、同電流を同電動モータに付与する
ように前記駆動回路に指示を与える反力演算部B13
と、前記電動モータの温度又は前記駆動回路の温度を検
出又は推定する温度検出部B3,B4と、検出又は推定
された温度に応じて前記電動モータに付与される前記電
流の大きさを所定の電流制限値以下に制限する電流制限
手段(B14〜B16)とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に対し移動可
能に支持されるとともに運転者により操作される操作レ
バー等の操作部材の操作量に応じて車両の運転制御量を
変更する運転操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開平10−226352号
公報に記載されているように、車輪の向きを変える舵取
機構に機械的に連結されていない操舵手段と、前記操舵
手段の操舵角を検出する操舵角検出手段と、検出された
操舵角に応じて前記舵取機構の舵角を増減制御するとと
もに、前記操舵角に基いて前記操舵手段に与えるべき反
力を求め、求めた反力を前記操舵手段に与えることを指
示するための反力指示信号を出力する制御手段と、反力
指示信号に応じて反力を増減する反力増減手段と、前記
制御手段の故障を検出したときに前記反力を所定の固定
値とする反力固定手段とを備えた車両用操舵装置が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、反力増減手段を構成する電動モー
タや同電動モータに通電する電流を制御するための駆動
回路が過熱した場合、或いは、舵取機構の舵角を増減制
御するための電動モータや同電動モータに通電する電流
を制御するための駆動回路が過熱した場合についての具
体的対策がなされていないため、これらが過熱して寿命
が短くなるという問題がある。
【0004】
【本発明の概要】本発明は、上記課題に対処するために
なされたものであって、その特徴の一つは、車体に対し
移動可能に支持されるとともに運転者により操作される
操作部材と、前記操作部材の操作量を検出する操作量検
出手段と、前記検出された操作部材の操作量に応じて前
記車両の運転制御量を変更する運転制御手段と、付与さ
れる電流の大きさ及び向きに応じて前記操作部材に入力
される運転者の操作力に抗する力である反力を発生する
反力発生手段と、前記反力発生手段に付与される電流を
制御する駆動回路と、前記検出された操作部材の操作量
に応じて前記反力発生手段に付与される電流の大きさ及
び向きを決定するとともに同決定された大きさ及び向き
の電流を同反力発生手段に付与するように前記駆動回路
に指示を与える反力制御手段とを備えた運転操作装置に
おいて、前記反力発生手段の温度又は前記駆動回路の温
度を検出又は推定する温度検出推定手段と、前記検出又
は推定された温度に応じて前記反力発生手段に付与され
る前記電流の大きさを所定の電流制限値以下に制限する
電流制限手段を備えたことにある。
【0005】これによれば、運転者により操作部材が操
作されると同操作部材の操作角(回動角度)又は同操作
部材に付与される運転者の操作力等の操作部材の操作量
が検出され、検出された操作部材の操作量に応じた電流
が制御力発生手段に流され、操舵角やスロットル開度
(スロットルバルブ開度)等の車両の運転制御量が変更
される。また、検出された操作部材の操作量に応じて反
力発生手段に付与される電流の大きさ及び向きが決定さ
れ、同決定された大きさ及び向きの電流が駆動回路を介
して反力発生手段に付与されることで、同操作部材の操
作量に応じた反力が同操作部材に付与される。そして、
前記反力発生手段の温度又は前記駆動回路の温度が検出
又は推定され、同検出又は推定された温度に応じて前記
反力発生手段に付与される前記電流の大きさが所定の電
流制限値以下に制限され、同反力発生手段又は同駆動回
路の発熱量が抑制される。従って、反力発生手段又は駆
動回路が長時間過熱状態となることを回避することがで
きる。
【0006】この場合において、前記電流制限手段は、
前記検出又は推定された温度に応じて前記所定の電流制
限値を決定するように構成されることが好適である。
【0007】これによれば、反力発生手段又は駆動回路
の温度に応じて適切に電流を制限して発熱量を抑制する
ことが可能となるので、反力が過小となることを回避し
ながら反力発生手段又は駆動回路の過熱を回避すること
が可能となる。
【0008】更に、前記所定の電流制限値を反力発生手
段又は駆動回路の温度に応じて決定する運転操作装置に
おいて、前記電流制限手段は、車速を検出する車速検出
手段と、検出された車速に応じて前記所定の電流制限値
を補正する制限値補正手段とを含むことが好適である。
【0009】これによれば、車速に応じて電流制限値を
変化させ得るので、例えば、車速が高いほど前記電流制
限値を大きくすることにより、高速走行時に適切な反力
を確保して高速安定性を十分に維持しながら、反力発生
手段又は駆動回路の過熱防止を図ることができる。
【0010】一方、前記電流制限手段は、前記検出又は
推定された温度が第1所定温度より高くなったときから
前記所定の電流制限値を徐々に減少させるように構成さ
れることが望ましい。
【0011】これによれば、反力発生手段に付与される
電流が徐々に減少するので、反力の急変を回避しながら
反力発生手段又は駆動回路の過熱が長時間継続すること
を回避することができる。
【0012】この場合、前記電流制限手段は、前記検出
又は推定された温度が前記第1所定温度より高くなった
後は、同検出又は推定された温度が同第1所定温度より
も低い第2所定温度より低くなったときから前記所定の
電流制限値を徐々に増大させるように構成されることが
好適である。
【0013】これによれば、前記検出又は推定された温
度が前記第1所定温度より高くなった後、同検出又は推
定された温度が同第1所定温度よりも低い第2所定温度
より低くなってから前記所定の電流制限値を徐々に増大
させるので、反力発生手段又は駆動回路の温度が頻繁に
第1所定温度を超えることがなく、同反力発生手段又は
同駆動回路の過熱状態の再発を効果的に防止することが
できるとともに、電流制限値の増加・減少が頻繁に繰り
返されることがないので、安定した反力を得ることがで
きる。
【0014】更に、電流制限値を徐々に減少又は増大さ
せる場合において、前記電流制御手段は、車速を検出す
る車速検出手段と、検出された車速に応じて前記所定の
電流制限値が減少又は増大されるときの変化速度を変更
する変化速度変更手段とを含むことが好適である。
【0015】これによれば、電流制限値の変化速度を車
速に応じて変化させ得るので、例えば、車速が大きいほ
ど同電流制限値の減少速度及び増大速度を小さく設定す
ることにより、高速走行時に適切な反力を確保して高速
安定性を十分に維持しながら、反力発生手段又は駆動回
路の過熱防止を図ることができる。
【0016】本発明の他の特徴は、車体に対し移動可能
に支持されるとともに運転者により操作される操作部材
と、前記操作部材の操作量を検出する操作量検出手段
と、付与される電流の大きさ及び向きに応じて前記車両
の制御量を変更するための力を発生する制御力発生手段
と、前記制御力発生手段に付与される電流を制御する制
御力用駆動回路と、前記検出された操作量に応じて前記
制御力発生手段に付与される電流の大きさ及び向きを決
定するとともに同決定された大きさ及び向きの電流を同
制御力発生手段に付与するように前記制御力用駆動回路
に指示を与える制御力制御手段と、付与される電流の大
きさ及び向きに応じて前記操作部材に入力される運転者
の操作力に抗する力である反力を発生する反力発生手段
と、前記反力発生手段に付与される電流を制御する駆動
回路と、前記検出された操作部材の操作量に応じて前記
反力発生手段に付与される電流の大きさ及び向きを決定
するとともに同決定された大きさ及び向きの電流を同反
力発生手段に付与するように前記駆動回路に指示を与え
る反力制御手段とを備えた運転操作装置において、前記
制御力発生手段又は前記制御力用駆動回路の温度を検出
又は推定する制御力用温度検出推定手段と、前記検出又
は推定された前記制御力発生手段又は前記制御力用駆動
回路の温度に応じて、前記反力発生手段に付与される電
流の大きさを補正する反力補正手段とを備えたことにあ
る。
【0017】これによれば、検出された操作部材の操作
量に応じた電流が制御力発生手段に流され、車両の操舵
角やスロットルバルブ開度等の車両の運転制御量が変更
されるとともに、同操作量に応じた反力が同操作部材に
付与される。このとき、車両の制御量を変更するための
制御力を発生する前記制御力発生手段又は同制御力発生
手段に付与される電流を制御する制御力用駆動回路の温
度が検出又は推定され、同検出又は推定された温度に応
じて前記反力発生手段に付与される電流の大きさが補正
される。
【0018】従って、前記制御力発生手段又は同制御力
発生手段に付与される電流を制御する制御力用駆動回路
の温度状態が操作部材に対する反力として運転者に伝達
されるため、同運転者は、例えば同制御力発生手段又は
同制御力用駆動回路の温度が高温になっていることを認
識することができる。
【0019】本発明の他の特徴は、車体に対し移動可能
に支持されるとともに運転者により操作される操作部材
と、前記操作部材の操作量を検出する操作量検出手段
と、付与される電流の大きさ及び向きに応じて前記車両
の制御量を変更するための力を発生する制御力発生手段
と、前記制御力発生手段に付与される電流を制御する制
御力用駆動回路と、前記検出された操作量に応じて前記
制御力発生手段に付与される電流の大きさ及び向きを決
定するとともに同決定された大きさ及び向きの電流を同
制御力発生手段に付与するように前記制御力用駆動回路
に指示を与える制御力制御手段とを備えた運転操作装置
において、前記制御力発生手段又は前記制御力用駆動回
路の温度を検出又は推定する制御力用温度検出推定手段
と、前記検出又は推定された前記制御力発生手段又は前
記制御力用駆動回路の温度に応じて、前記制御力発生手
段に付与される前記電流の大きさを所定の電流制限値以
下に制限する電流制限手段を備えたことにある。
【0020】これによれば、運転者により操作部材が操
作されると同操作部材の操作角(回動角度)又は同操作
部材に付与される運転者の操作力等の操作部材の操作量
が検出され、検出された操作部材の操作量に応じた電流
が制御力発生手段に流され、操舵角やスロットル開度等
の車両の運転制御量が変更される。そして、前記制御力
発生手段の温度又は前記制御力用駆動回路の温度が検出
又は推定され、同検出又は推定された温度に応じて前記
制御力発生手段に付与される電流の大きさが所定の電流
制限値以下に制限され、同制御力発生手段又は同制御力
用駆動回路の発熱量が抑制される。従って、制御力発生
手段又は制御力用駆動回路が長時間過熱状態となること
を回避することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による車両の運転操作装置の一実施形態について説明す
る。この運転操作装置は、図1及び図2に示した操作部
材としての操作レバー(ジョイスティック)10を備え
ている。操作レバー10は、車両の運転席近傍に設けら
れ、図1に矢印で示したように、運転者により全体を前
後方向及び左右方向に傾動(回動)させられるようにな
っている。
【0022】図2は、上記操作レバー10を含む操作レ
バー装置の概略斜視図を示している。上記操作レバー1
0は、円柱棒状のロッド10aと、同ロッド10aの上
部外周に固定された円柱状の把持部10bとを備えてい
る。ロッド10aは略中央部に球状部10cを備えてい
て、同球状部10cにて車体に対して左右及び前後方向
に回動可能に支持されている。なお、ロッド10aの軸
方向が鉛直上下方向に沿う場合、操作レバー10の回動
位置はその回動方向中央位置である中立位置にあるもの
と定義される。
【0023】また、ロッド10aには、同ロッド10a
の車両左右方向の歪を同車両左右方向において操作レバ
ー10に加えられる操作力FSとして検出する歪センサ
(即ち、操作力センサ)10dと、同ロッド10aの車
両前後方向の歪を同車両前後方向において同操作レバー
10に加えられる操作力FZとして検出する歪センサ
(即ち、操作力センサ)10eとが備えられている。上
記操作力FS,FZは、操作レバー10の操作量(操作
レバー10に加わる操作量)でもあり、従って、操作力
センサ10d,10eは、操作部材の操作状態を示す操
作量を検出する操作量検出手段の一部を構成している。
【0024】操作レバー装置は、また、操作レバー10
の車両左右方向の回動に対する反力(中立位置から車両
左右方向に回動させようとする運転者の操作力に抗する
力)を発生する左右方向反力発生機構(反力発生手段)
20を備えている。この左右方向反力発生機構20は、
ガイドプレート21、回転軸22、第1歯車23、第2
歯車24、直流電動モータ(左右反力用モータ)25、
及び操作部材の操作量検出手段としての操作角センサ
(操作量センサ)26を備えている。
【0025】ガイドプレート21は、L字状に屈曲され
てなる板状部材であり、回転軸22が固定された面が鉛
直面内に存在するように配置され、水平方向に存在する
ように配置される面に前記ロッド10aの直径より若干
だけ大きい幅を有して車両前後方向に長手方向を有する
溝21aが設けられていて、同溝内21a内をロッド1
0aが貫通するように構成されている。
【0026】回転軸22は、その軸線が車両前後方向に
沿うとともに、前記操作レバー10の球状部10cの中
心を通るように車体に対して回転可能に支持されてい
て、中央部に第1歯車23を一体的に備えている。この
第1歯車23は電動モータ25の回転軸に固定された第
2歯車24に噛合している。
【0027】以上の構成により、操作レバー10は車体
に対して左右方向に(左右方向の面内で)回動可能に支
持されるとともに、電動モータ25の回転により(電動
モータ25の発生トルクにより)ガイドプレート21が
回転軸22回りに回動し、これにより、操作レバー10
に左右方向の反力が付与されるようになっている。
【0028】操作角センサ(操作角検出手段)26は、
回転軸22の端部位置において車体に固定されていて、
同回転軸22の回転角を操作レバー10の左右方向の操
作角θjとして検出するようになっている。この操作角
センサ26の出力である操作角θjの値は、操作レバー
10が左右方向の中立位置にあるときに「0」となるよ
うに調整されている。なお、操作角センサ26は、回転
軸22の回転を直線運動に変換し、同変換後の直線変位
量を検出するものであってもよく、回転軸22の回転と
ともに移動する左右方向反力発生機構20の他の部材の
回転角変化を操作角θjとして検出するものであっても
よい。
【0029】更に、操作レバー装置は、操作レバー10
の車両前後方向の回動に対する反力(中立位置から車両
前後方向に回動させようとする運転者の操作力に抗する
力)を発生する前後方向反力発生機構(反力発生手段)
30を備えている。この前後方向反力発生機構30は、
ガイドプレート31、回転軸32、第3歯車33、第4
歯車34、直流電動モータ(前後反力用モータ)35、
及び操作角センサ36を備えている。
【0030】ガイドプレート31は、L字状に屈曲され
てなる板状部材であり、回転軸32が固定された面が鉛
直面内に存在するように配置され、水平方向に存在する
ように配置される面に前記ロッド10aの直径より若干
だけ大きい幅を有して車両左右方向に長手方向を有する
溝31aが設けられ、同溝内31a内をロッド10aが
貫通するように構成されている。
【0031】回転軸32は、その軸線が車両左右方向に
沿うとともに、前記操作レバー10の球状部10cの中
心を通るように車体に対して回転可能に支持されてい
て、中央部に第3歯車33を一体的に備えている。この
第3歯車33は電動モータ35の回転軸に固定された第
4歯車34に噛合している。
【0032】以上の構成により、操作レバー10は車体
に対して前後方向に(前後方向の面内で)回動可能に支
持されるとともに、電動モータ35の回転により(電動
モータ35の発生トルクにより)ガイドプレート31が
回転軸32回りに回動し、これにより、操作レバー10
に前後方向の反力が付与されるようになっている。
【0033】また、操作角センサ(操作角検出手段)3
6は、回転軸32の端部位置において車体に固定されて
いて、同回転軸32の回転角を操作レバー10の前後方
向の操作角θjyとして検出するようになっている。こ
の操作角センサ36の出力である操作角θjyの値は、
操作レバー10が前後方向の中立位置にあるときに
「0」となるように調整されている。なお、操作角セン
サ36は、回転軸32の回転を直線運動に変換し、同変
換後の直線変位量を検出するものであってもよく、回転
軸32の回転とともに移動する前後方向反力発生機構3
0の他の部材の回転角変化を操作角θjyとして検出す
るものであってもよい。また、操作角θj,θjyは、
操作レバー10の操作状態を示す操作量でもあり、従っ
て、上記操作角センサ26,36は、操作部材の操作量
を検出する操作量検出手段の一部を構成している。
【0034】次に、本運転操作装置の電気制御装置につ
いて図3を参照しながら説明する。なお、図3は、説明
を簡単にするため、左右方向の反力発生機構20の電動
モータ25と操舵機構52を含む操舵角制御機構等を示
すが、前後方向の反力発生機構30の電動モータ35、
操作角センサ36、操作レバー10の前後方向の操作に
より変更される車両の内燃機関のスロットル開度及びブ
レーキアクチュエータ等の図示を省略している。
【0035】この電気制御装置40は、マイクロコンピ
ュータ41と、電動モータ25に所定の電流を流すため
の反力用駆動回路(スイッチング回路)42と、操舵用
電動モータ51に所定の電流を流すための制御力用駆動
回路(スイッチング回路)43とを備えている。
【0036】マイクロコンピュータ41は、CPU41
aと、入力インターフェース41bと、出力インターフ
ェース41cと、EEPROM41d(Electrical Era
sable PROM)とを含んでいて、CPU41aは、後述す
るプログラム及びマップ等を記憶したROM、及びCP
U41aによるプログラムの実行時に一時的に演算値を
記憶するRAMからなるメモリ41eを内蔵している。
【0037】入力インターフェース41bは、バスを介
してCPU41aに接続されるとともに、実際の操舵角
(操舵角、タイヤ切れ角)Xを検出する操舵角センサ5
2a、駆動回路42の基板温度THEを検出する温度セ
ンサ42a、駆動回路43の基板温度TSEを検出する
基板温度センサ43a、上記操作角センサ26、上記操
作力センサ10d、及び車両状態量センサとしての車速
Vを検出する車速センサ61と接続されていて、これら
のセンサの検出値をCPU41aに供給するようになっ
ている。
【0038】入力インターフェース41bは、また、駆
動回路42の抵抗42bの上流側と接続されていて、同
抵抗42bの上流側電位を検出することで電動モータ2
5に流れる実際のモータ電流値(実モータ電流)HIを
CPU41aに供給するとともに、駆動回路43の図示
しない抵抗(抵抗42bと同様な抵抗)の上流側電位を
検出することで電動モータ51に流れる実モータ電流S
IをCPU41aに供給するようになっている。
【0039】出力インターフェース41cは、バスを介
してCPU41aに接続されるとともに、駆動回路4
2,43、及び常開(ノーマリー・オープン)型のリレ
ー44に接続されていて、CPU41aからの指令に基
づきこれらの状態を変更する信号を送出するようになっ
ている。
【0040】EEPROM41dは、車両バッテリ70
からの電源の供給を受けない状態においてもデータを記
憶・保持する記憶手段であり、バスを介してCPU41
aと接続されていて、電源が供給されている状態にて同
CPU41aから供給されるデータを格納するととも
に、CPU41aの要求に応じて保持しているデータを
同CPU41aに供給するようになっている。
【0041】駆動回路42は、ゲートが出力インターフ
ェース41cにそれぞれ接続されたMOSFETからな
る4個のスイッチング素子Tr1〜Tr4と、抵抗42
bとを備えている。スイッチング素子Tr1,Tr2の
各ドレインは、車両に搭載されたバッテリ70の電源ラ
インLに上流側端子が接続されたリレー44の下流側端
子に接続されていて、同スイッチング素子Tr1,Tr
2のソースは、スイッチング素子Tr3,Tr4のドレ
インにそれぞれ接続され、同スイッチング素子Tr3,
Tr4のソースは抵抗42bを介して接地されている。
また、スイッチング素子Tr1とTr3との間は電動モ
ータ25の一側に接続され、スイッチング素子Tr2と
Tr4との間は電動モータ25の他側に接続されてい
る。
【0042】以上の構成により、駆動回路42(即ち、
電動モータ25)はリレー44がオン(閉成)したときに
バッテリ70から電源の供給を受け得る状態となり、ス
イッチング素子Tr1,Tr4が選択的に導通状態(オ
ン状態)とされたとき、電動モータ25に所定の方向の
電流が流れて同電動モータ25は一方向に回転し、スイ
ッチング素子Tr2,Tr3が選択的に導通状態とされ
たとき、電動モータ25に前記所定の方向と反対方向の
電流が流れて同電動モータ25は他方向に回転する。ま
た、リレー44がオフ(開成)したときには電動モータ
25の電源供給経路が遮断され、同電動モータ25への
通電は停止する。
【0043】駆動回路43は、上記駆動回路42と同様
の構成を有していて、出力インターフェース41cを介
して与えられるCPU41aの指示に応じて操舵用モー
タ51に所定の電流を流すようになっている。これによ
り、操舵用モータ51が回転トルクを発生すると操舵機
構52が作動し、所定の操舵角X(操舵角、タイヤ切れ
角)が達成されるようになっている。なお、操舵機構5
2はラックバーを軸線方向に駆動し、同ラックバーにタ
イロッドを介して連結されている前輪を操舵するように
なっている。
【0044】前記バッテリ70の電源ラインLには、運
転者によりオン(閉成)状態又はオフ(開成)状態に切
換えられるイグニッションスイッチ45の一端が接続さ
れている。イグニッションスイッチ45の他端はダイオ
ードD1を介してCPU41a、入力インターフェース
41b、出力インターフェース41c、及びEEPRO
M41dに接続されていて、イグニッションスイッチ4
5がオン状態とされたとき、それぞれに電源が供給され
るようになっている。また、ダイオードD1の下流は、
リレー44の下流側から前記ダイオードD1の下流側へ
向う電流のみを許容するダイオードD2を介して前記リ
レー44の下流側端子と接続されていて、リレー44が
オン状態とされたときは、イグニッションスイッチ45
の状態にかかわらず、CPU41a、入力インターフェ
ース41b、出力インターフェース41c、及びEEP
ROM41dに電源が供給されるようになっている。
【0045】なお、図3においては省略されているが、
実際には入力インターフェース41bに操作角センサ3
6及び操作力センサ10eが接続されるとともに、出力
インターフェース41cには警告灯、電動モータ35に
電流を付与するための駆動回路、及び他のアクチュエー
タが接続されている。
【0046】次に、上記のように構成した運転操作装置
の作動について、図4を参照して説明する。図4は、図
3に示したCPU41aがプログラムを実行することに
より達成する機能をブロック図で示したものであり、理
解を容易にするために、各センサ、反力発生用の電動モ
ータ25、操作レバー10を含む操作機構、駆動回路4
2,43、操舵用の電動モータ51、及び操舵機構52
を併せて図示している。以下、各ブロック毎の機能につ
いて個別に説明し、その後、全体の作動の概略について
説明する。
【0047】(温度検出部B1、B2、B3、B4)温
度検出部B1は、駆動回路43のスイッチング素子の温
度TMPSEを検出及び推定する温度検出推定手段(制
御力用温度検出推定手段)を構成するものであって、基
板温度センサ43aの検出する温度TSEを入力すると
ともに、駆動回路43から電動モータ51に流れる電流
SIを入力し、図5に示した温度検出ルーチンを所定時
間の経過毎に繰り返すことにより、駆動回路43のスイ
ッチング素子温度TMPSEを検出・推定する。
【0048】ここで、図5に示したルーチンについて説
明すると、CPU41aはステップ500から処理を開
始し、ステップ505に進んで同ステップ505に示し
た擬似積分を行って電流積分値INAを求める。次い
で、CPU41aはステップ510に進んで、同ステッ
プ510に示した擬似積分を行って電流積分値INBを
求め、ステップ515に進んで、同ステップ515中に
示した擬似積分を行って電流積分値INCを求める。な
お、ステップ505〜515に示した数式において、I
は上記電動モータ51に流れる電流SIを示し、α1〜
α3は互いに異なる0〜1までの所定の定数である。そ
して、CPU41aはステップ520に進み、同ステッ
プ520中に示した式に従って基板温度TMP(実際に
は、基板温度TMPSE)を求め、ステップ595に進
んで本ルーチンを一旦終了する。なお、ステップ520
中の値Tは上記基板温度センサ43aの検出する温度T
SEを表し、値kは電流積分値を二乗した値(INA
等)を電流値に換算するための係数である。
【0049】このように、CPU41aは、基板温度セ
ンサ43aの検出する温度TSEと、電動モータ51に
流れる電流SIを異なる定数α1〜α3を用いて擬似積
分した値の二乗値とに基いて、駆動回路43のスイッチ
ング素子温度TMPSEを検出・推定するので、基板温
度センサ43aの検出する温度TSEと同スイッチング
素子の温度の上昇傾向の差を補って同スイッチング素子
の温度を正確に推定することができる。
【0050】温度検出部B2は、電動モータ51の温度
TMPSMを検出及び推定する温度検出推定手段(制御
力用温度検出推定手段)を構成するものであって、駆動
回路43から同電動モータ51に流れる電流SIを入力
し、図5に示したルーチンと類似した温度検出ルーチン
(図示省略)を所定時間の経過毎に繰り返すことによ
り、同電動モータ51の温度TMPSMを検出・推定す
る。具体的に述べると、CPU41aは図5に示したル
ーチンのステップ500〜515と同様のステップを実
行する。この場合、Iは電動モータ51に流れる電流S
Iである。そして、CPU41aは、値k・(INA
+INB+INC)を計算し、この値を電動モータ
51の温度TMPSMとして推定する。なお、この場合
の定数α1〜α3及び係数kは、温度検出部B1が使用
するそれらとは異なる値を有している。これによれば、
電動モータ51に温度センサを設けることなく、同電動
モータ51の温度を精度良く推定でき、装置の製造コス
トを低下することができる。
【0051】温度検出部B3は、電動モータ25の温度
TMPHMを検出及び推定する温度検出推定手段を構成
するものであって、駆動回路42から同電動モータ25
に流れる電流HIを入力し、図5に示したルーチンと類
似した温度検出ルーチン(図示省略)を所定時間の経過
毎に繰り返すことにより、同電動モータ25の温度TM
PHMを検出・推定する。具体的に述べると、CPU4
1aは図5に示したルーチンのステップ500〜515
と同様のステップを実行する。この場合、Iは電動モー
タ25に流れる電流HIである。そして、CPU41a
は、値k・(INA+INB+INC)を計算
し、この値を電動モータ25の温度TMPHMとして推
定する。なお、この場合の定数α1〜α3及び係数k
は、温度検出部B1,B2が使用するそれらとは異なる
値を有している。これによれば、電動モータ25に温度
センサを設けることなく、同電動モータ25の温度を精
度良く推定でき、装置の製造コストを低下することがで
きる。
【0052】温度検出部B4は、駆動回路42のスイッ
チング素子Tr1〜Tr4の温度TMPHEを検出及び
推定する温度検出推定手段を構成するものであって、基
板温度センサ42aの検出する温度THEを入力すると
ともに、駆動回路42から電動モータ25に流れる電流
HIを入力し、図5に示したルーチンと類似した温度検
出ルーチン(図示省略)を所定時間の経過毎に繰り返す
ことにより、同スイッチング素子Tr1〜Tr4の温度
TMPHEを検出・推定する。具体的に述べると、CP
U41aは図5に示したルーチンのステップ500〜5
15と同様のステップを実行する。この場合、Iは電動
モータ25に流れる電流HIである。そして、CPU4
1aは、ステップ520に示した式と同様な式に従って
スイッチング素子温度TMPHEを推定する。なお、こ
の場合の定数α1〜α3及び係数kは、温度検出部B
1,B2,B3が使用するそれらとは異なり、またステ
ップ520での温度TMPは温度TMPHMを、値Tは
温度THEを表している。これによれば、電動モータ2
5に流れる電流(即ち、スイッチング素子Tr1〜Tr
4を流れる電流)HIを用いて温度TMPHEを推定す
るので、基板温度センサ42aの検出する温度THEと
同スイッチング素子Tr1〜Tr4の実際の温度の上昇
傾向の差を補うことができ、同スイッチング素子Tr1
〜Tr4の温度TMPHEを正確に推定することができ
る。
【0053】(操舵角演算部B5)操舵角演算部B5
は、操作レバー10の操作状態(操作角θj、操作力F
S等)に従って車輪の目標操舵角を決定し、これに応じ
た指示電流I*(電動モータ51に流すべき電流)を決
定し、同決定した指示電流I*を電流制御部B10に出
力する機能を有している。具体的に述べると、操舵角演
算部B5は、実際の操舵角を検出する操舵角センサ52
aの出力を操舵角検出部B6を介して操舵角Xとして入
力し、車速センサ61の検出する車速を車速検出部B7
を介して車速SPDとして入力する。また、操舵角演算
部B5は、操作角センサ26の検出する操作角を操作角
検出部B8を介して操作角θjとして入力するととも
に、操作力センサ10dの検出する操作力を操作力検出
部B9を介して操作力FSとして入力し、これらの入力
値に基いて前記指示電流I*を決定して出力する。
【0054】より具体的には、CPU41aは図6に示
した目標操舵角演算ルーチンを所定時間の経過毎に実行
することにより、操舵角演算部B5の機能を達成する。
即ち、CPU41aは、所定のタイミングとなるとステ
ップ600から処理を開始してステップ605に進み、
同ステップ605にて操作角θjと同ステップ605内
に示した目標基本舵角マップとに基いて目標基本舵角X
1を決定する。そして、CPU41aはステップ610
に進み、同ステップ610にて実際の操舵角Xと前記目
標基本舵角X1との差(X−X1)と、同ステップ61
0内に示した電流I1マップとから電流I1を決定す
る。
【0055】次に、CPU41aはステップ615に進
み、操作力FSと同ステップ615内に示した補正舵角
マップとに基いて補正舵角X2を決定し、ステップ62
0に進んで実際の操舵角Xと前記補正舵角X2との差
(X−X2)と、同ステップ620内に示した電流I2
マップとから電流I2を決定する。次いで、CPU41
aはステップ625に進み、同ステップ625にて車速
SPDと同ステップ625内に示したゲインマップとか
らゲインKVを決定する。ゲインKVは、0〜1までの
値である。次に、CPU41aは、ステップ630に進
み、同ステップ630内に示した数式(I*=KV・I
1+(1−KV)・I2)に従って指示電流I*を求
め、求めた指示電流I*を電流制御部B10に出力す
る。以上により、指示電流I*(即ち、目標とする操舵
角)は、操作角θj、操作力FS、及び車速SPDの関
数として決定される。なお、上記電流I1と上記電流I
2との和(I1+I2)に上記ゲインKVを乗じた値を
指示電流I*としてもよい。
【0056】(電流制御部B10)電流制御部B10
は、PWM機能を含むとともに、前記操舵角演算部B5
に加えて後述する電流制限値演算部B11,B12と接
続されている。電流制御部B10は、前記指示電流I*
を電流制限値演算部B11,B12から与えられる電流
制限値ImaxSE、ImaxSMのうちの小さい制限
値以下に制限することで最終的な指示電流I*を得ると
ともに、同制限を行った指示電流I*に応じて駆動回路
43のスイッチング素子をオン・オフ駆動するタイミン
グを決定し、同タイミングに応じて同駆動回路43のス
イッチング素子を制御する。
【0057】これにより、前記指示電流I*に応じた電
流が電動モータ51に流れ、同電動モータ51によって
操舵機構52が作動されて車輪の操舵(操舵)が行われ
る。このように、操舵角演算部B5と電流制御部B10
は、検出された操作量(操作角θj,操作力FS)に応
じて車両の制御力発生手段(電動モータ51)に付与さ
れる電流の大きさ及び向きを決定するとともに同決定さ
れた大きさ及び向きの電流を同制御力発生手段に付与す
るように制御力用駆動回路43に指示を与える制御力制
御手段を構成している。
【0058】(電流制限値演算部B11,B12)電流
制限値演算部B11は、駆動回路43のスイッチング素
子の過熱を防止するためのものであって、温度検出部B
1から入力される駆動回路43のスイッチング素子の温
度TMPSEに応じて前記電流制御部B10に入力され
る電流制限値ImaxSEを決定する機能を有してい
る。
【0059】より具体的には、CPU41aは図7に示
した電流制限値演算ルーチンを所定時間の経過毎に実行
することにより、電流制限値演算部B11の機能を達成
する。即ち、CPU41aは、所定のタイミングとなる
とステップ700から処理を開始してステップ705に
進み、同ステップ705にて温度検出部B1の求めた駆
動回路43のスイッチング素子温度TMP(ここでは、
TMPSE)と、同ステップ705に示した電流制限値
マップとに基いて電流制限値ImaxN(この場合は、
スイッチング素子過熱防止用電流制限値ImaxSE)
を決定し、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終
了する。ステップ705内に示したように、電流制限値
ImaxSEは、スイッチング素子温度TMPSEが大
きいほど小さくなるように定められ、これにより同スイ
ッチング素子に流れる電流(電動モータ51に流れる電
流)が制限されて同素子の発熱が抑制され、同素子の過
熱が防止される。
【0060】電流制限値演算部B12は、電動モータ5
1の過熱を防止するためのものであって、温度検出部B
2から入力される同電動モータ51の温度TMPSMに
応じて前記電流制御部B10に入力される電流制限値I
maxSMを決定する機能を有している。
【0061】より具体的には、CPU41aは図7に示
した電流制限値演算ルーチンを所定時間の経過毎に実行
する。この場合、ステップ705における温度TMPは
電動モータ51の温度TMPSMであり、電流制限値I
maxNは電動モータ過熱防止用電流制限値ImaxS
Mである。ステップ705内に示したように、電流制限
値ImaxSMは、電動モータ51の温度TMPSMが
大きいほど小さくなるように定められ、これにより電動
モータ51に流れる電流が制限されて同電動モータ51
の発熱が抑制され、同電動モータ51の過熱が防止され
る。
【0062】(反力演算部B13)反力演算部B13
は、車速検出部B7から車速SPDを入力するととも
に、操作力検出部B9から操作力FSを入力し、これら
の入力値に基いて最終目標反力FRMを決定し、同最終
目標反力FRMに応じた反力が発生するように電動モー
タ25に流すべき指示電流IH*を決定し、同指示電流
IH*を電流制御部B14に出力する機能を有してい
る。また、反力演算部B13は、温度検出部B1,B2
からスイッチング素子温度TMPSE,電動モータ51
の温度TMPSMをそれぞれ入力するとともに、電流制
限値演算部B11,B12から電流制限値ImaxS
E,ImaxSMをそれぞれ入力し、これらの入力値に
応じて最終目標反力FRMを適宜補正する。
【0063】より具体的には、CPU41aは図8に示
した反力演算ルーチンを所定時間の経過毎に実行するこ
とにより、反力演算部B13の機能を達成する。即ち、
CPU41aは、所定のタイミングとなるとステップ8
00から処理を開始してステップ805に進み、同ステ
ップ805にて操作角θjと、同ステップ805に示し
た基本反力FRKマップとに基いて基本反力FRKを決
定する。この例では、基本反力FRKの絶対値は操作角
θjの絶対値が大きいほど大きくなるように決定され
る。
【0064】次いで、CPU41aはステップ810に
進み、同ステップ810にて車速SPDと同ステップ8
10内に示したゲインマップとからゲインKRを決定す
る。ゲインKRは、車速SPDが大きいほど大きい値と
なるように決定され、これにより車速SPDが大きいほ
ど反力が大きくなる。次に、CPU41aはステップ8
15に進み、同ステップ815にて操舵機構部報知用ゲ
インKWを決定する。この操舵機構部報知用(過熱報知
用)ゲインKWは、電動モータ51の温度又は駆動回路
43のスイッチング素子の温度が上昇していることを運
転者に報知するため、電動モータ51の温度又は駆動回
路43のスイッチング素子の温度が高いほど反力を大き
くするように決定される。
【0065】より具体的に述べると、CPU41aは電
動モータ51の温度TMPSMと同ステップ815内に
示されたKW1マップとから第1ゲインKW1を決定す
るとともに、駆動回路43のスイッチング素子の温度T
MPSEと同ステップ815内に示されたKW2マップ
とから第2ゲインKW2を決定し、第1ゲインKW1と
第2ゲインKW2のうち大きい方を操舵機構部報知用ゲ
インKWとして決定する。なお、KW1マップ及びKW
2マップによれば、第1,第2ゲインKW1,KW2と
も、温度TMPSM,温度TMPSEがそれぞれ大きい
ほど大きくなるとともに、何れも「1」より大きくなる
ように決定される。このように、ステップ815は、制
御力発生手段(電動モータ51)又は制御力用駆動回路
(駆動回路43)の温度に応じて、電動モータ25を含
む反力発生手段に付与される電流の大きさを補正する反
力補正手段の機能を達成している。
【0066】次いで、CPU41aはステップ820に
進み、同ステップ820にて反力発生機構部(反力機構
部)20の過熱防止用ゲインKPを決定する。この反力
機構部過熱防止用ゲインKPは、電動モータ25又は駆
動回路42のスイッチング素子Tr1〜Tr4の過熱を
防止するために、これらに流れる電流を抑制する係数で
あって、同電動モータ25の温度TMPHM、又は同ス
イッチング素子Tr1〜Tr4の温度TMPHEが高い
ほど反力を小さくするように決定される。
【0067】より具体的に述べると、CPU41aは電
動モータ25の温度TMPHMと同ステップ820内に
示されたKP1マップとから第3ゲインKP1を決定す
るとともに、駆動回路42のスイッチング素子Tr1〜
Tr4の温度TMPHEと同ステップ820内に示され
たKP2マップとから第4ゲインKP2を決定し、第3
ゲインKP1と第4ゲインKP2のうち小さい方を反力
機構部過熱防止用ゲインKPとして決定する。なお、K
P1マップ及びKP2マップによれば、第3,第4ゲイ
ンKP1,KP2は温度TMPHM,TMPHEがそれ
ぞれ大きいほど小さくなるとともに、何れも「1」より
小さくなるように決定される。
【0068】次に、CPU41aはステップ825に進
んで、同ステップ825にて最終目標反力FRMを同ス
テップ825内に示した式(FRM=FRK・KR・K
W・KP)に従って決定し、続くステップ830にて最
終目標反力FRMを得るための指示電流IH*を求め、
求めた指示電流IH*を電流制御部B14に出力する。
【0069】(電流制御部B14)電流制御部B14
は、PWM機能を含んでいて、前記反力演算部B13に
加え、後述する電流制限値演算部B15,B16と接続
されている。そして、電流制御部B14は、前記指示電
流IH*を電流制限値演算部B15,B16から与えら
れる電流制限値ImaxHE、ImaxHMのうちの小
さい制限値以下に制限した指示電流IH*を得るととも
に、同制限を行った指示電流IH*に応じて駆動回路4
2のスイッチング素子Tr1〜Tr4をオン・オフ駆動
するタイミングを決定し、同タイミングに応じて同スイ
ッチング素子Tr1〜Tr4を制御する。これにより、
前記指示電流IH*に応じた電流が電動モータ25に流
れ、同電動モータ25によって反力発生機構20が作動
されて操作レバー10に反力が付与される。
【0070】(電流制限値演算部B15,B16)電流
制限値演算部B15は、電動モータ25の過熱を防止す
るためのものであって、温度検出部B3から入力される
同電動モータ25の温度TMPHMに応じて前記電流制
御部B14に入力される電流制限値ImaxHMを決定
する機能を有している。
【0071】より具体的には、CPU41aは図7に示
した電流制限値演算ルーチンを所定時間の経過毎に実行
する。この場合、ステップ705における温度TMPは
電動モータ25の温度TMPHMであり、電流制限値I
maxNは電動モータ過熱防止用電流制限値ImaxH
Mである。これにより電動モータ25に流れる電流が制
限されて同電動モータ25の発熱が抑制され、同電動モ
ータ25の過熱が防止される。
【0072】電流制限値演算部B16は、スイッチング
素子Tr1〜Tr4の過熱を防止するためのものであっ
て、温度検出部B4から入力される同スイッチング素子
Tr1〜Tr4の温度TMPHEに応じて前記電流制御
部B14に入力される電流制限値ImaxHEを決定す
る機能を有している。
【0073】より具体的には、CPU41aは図7に示
した電流制限値演算ルーチンを所定時間の経過毎に実行
する。この場合、ステップ705における温度TMPは
スイッチング素子Tr1〜Tr4の温度TMPHEであ
り、電流制限値ImaxNはスイッチング素子Tr1〜
Tr4の保護用電流制限値ImaxHEである。これに
よりスイッチング素子Tr1〜Tr4(即ち、電動モー
タ25)に流れる電流が制限されて同スイッチング素子
Tr1〜Tr4の発熱が抑制され、同スイッチング素子
Tr1〜Tr4の過熱が防止される。
【0074】(全体の作動)以上、説明した各ブロック
の機能が達成されて、本実施形態の運転操作装置は電動
モータ25,51、及び駆動回路42,43(のスイッ
チング素子)の過熱を防ぎながら、少なくとも操作レバ
ー10の操作角θjに応じた操舵角制御を行うととも
に、同操作レバー10に適切な反力を与える。また、電
動モータ51又は駆動回路43(のスイッチング素子)
の温度が上昇したときには、操作レバー10に付与され
る反力が大きくされるので、運転者はそのような状態が
生じていることを反力の変化から認識することができ、
例えば、車両を停車させる等の適切な対応をとることが
できる。
【0075】なお、電流制限値演算部B15,B16
と、上記反力演算部B13について実施される図8のス
テップ820は、何れもが電動モータ25と駆動回路4
2のスイッチング素子Tr1〜Tr4の過熱防止のため
に設けられているから、電流制限値演算部B15,B1
6又はステップ820の何れか一方を省略してもよい。
【0076】次に、上記実施形態の変形例について説明
する。
【0077】(電流制限値演算部B15,B16の第1
変形例)図9は、CPU41aが実行することにより、
上記電流制限値演算部B15,B16の第1変形例の機
能を達成する電流制限値演算ルーチンを示している。以
下、このルーチンについて電流制限値演算部B15を代
表例として説明する。
【0078】CPU41aは図9に示したルーチンを所
定時間の経過毎に実行している。従って、所定のタイミ
ングになるとステップ900から処理を開始し、ステッ
プ905に進んで温度検出部B3の求めた電動モータの
温度TMP(ここでは、TMPHM)と、同ステップ9
05に示した電流制限値マップとに基いて電流制限基本
値Imax0N(この場合は、Imax0HM)を決定
する。次いで、CPU41aはステップ910に進ん
で、同ステップ910にて車速SPDと同ステップ91
0内に示したゲインマップとに基いてゲインKLを決定
する。ゲインKLは、常に「1」より小さい値である
が、車速SPDの増大とともに増加するような値となる
ように決定される。その後、CPU41aはステップ9
15に進み、同ステップ915内に示した式(Imax
N=KL・Imax0N)に従って電流制限値Imax
N(この場合は、ImaxHM)を求め、ステップ99
5に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0079】これによれば、電流制限値ImaxHM
は、電動モータ25の温度TMPHMが大きいほど小さ
くなるように定められるので、同温度TMPHMが大き
くなると同電動モータ25に流れる電流が減少され、同
電動モータ25の過熱が防止される。また、ゲインKL
により電流制限値ImaxHMは車速SPDが大きいほ
ど大きくなるので、車速SPDが大きい高速走行時には
電動モータ25に流れる電流が過小とならず、比較的大
きな反力が操作レバー10に付与される。この結果、車
両の走行安定性が容易に維持される。
【0080】なお、電流制限値演算部B16の第1変形
例は、CPU41aが図9に示したルーチンと同様なル
ーチンを実行することにより達成される。この場合、同
図9のルーチンにおける温度TMPは駆動回路42のス
イッチング素子Tr1〜Tr4の温度TMPHEであ
り、電流制限値Imax0Nは電流制限値Imax0H
Eであり、電流制限値ImaxNは電流制限値Imax
HEである。
【0081】これにより、電流制限値ImaxHEは、
駆動回路42のスイッチング素子Tr1〜Tr4の温度
TMPHEが大きいほど小さくなるように定められるの
で、同温度TMPHEが大きくなると同スイッチング素
子Tr1〜Tr4(即ち、電動モータ25)に流れる電
流が減少され、同スイッチング素子Tr1〜Tr4の過
熱が防止される。また、ゲインKLにより電流制限値I
maxHEは車速SPDが大きいほ大きくなるので、車
速SPDが大きい高速走行時にはスイッチング素子Tr
1〜Tr4(即ち、電動モータ25)に流れる電流が過
小とならず、比較的大きな反力が操作レバー10に付与
される。この結果、車両の走行安定性が容易に維持され
る。
【0082】(電流制限値演算部B15,B16の第2
変形例)図10は、CPU41aが実行することによ
り、上記電流制限値演算部B15,B16の第2変形例
の機能を達成する電流制限値演算ルーチンを示してい
る。以下、このルーチンについて電流制限値演算部B1
5を代表例として説明する。
【0083】CPU41aは同ルーチンを所定時間の経
過毎に実行している。従って、所定のタイミングになる
とステップ1000から処理を開始し、ステップ100
5に進んで温度検出部B3の求めた電動モータ25の温
度TMP(ここでは、TMPHM)が所定の閾値温度T
MP0(第1所定温度)より大きいか否かを判定する。
この閾値温度TMP0は、電動モータ25に流れる電流
を制限することにより同電動モータ25の発熱量を低下
させるべき温度に設定されている。
【0084】いま、車両を長時間停車した後に同車両の
運転を開始したとすると、図示しないイニシャルルーチ
ンが実行されて、電流制限値ImaxNの値は最大側ガ
ード値TGUH(正常時に電動モータ25に通電される
最大電流値以上の値)に設定される。また、電動モータ
25の温度TMPHMは通常の温度である。従って、電
動モータ25の温度TMPHMは閾値温度TMP0より
小さいので、CPU41aはステップ1005にて「N
o」と判定してステップ1010に進み、同ステップ1
010にてフラグF1の値が「1」であるか否かを判定
する。このフラグF1の値は、電動モータ25の温度T
MPHMが前記閾値温度TMP0を超えたときに1にセ
ットされ、同温度TMPHMが前記閾値温度TMP0よ
り低い閾値温度TMP1(第2所定温度)より小さくな
ったとき「0」にリセットされる。従って、現段階では
フラグF1の値は「0」であるから、CPU41aはス
テップ1010にて「No」と判定してステップ101
5に進む。
【0085】CPU41aは、ステップ1015にて電
流制限値ImaxN(ここでは、ImaxHM)を微小
量Δiuだけ増加し、続くステップ1020にてIma
xNが同ImaxNの最大側ガード値IGUHより大き
くなったか否かを判定する。現段階においては、電流制
限値ImaxNの値は最大側ガード値IGUHより微小
量Δiuだけ大きくなっている。従って、CPU41a
はステップ1020にて「Yes」と判定してステップ
1025に進み、同ステップ1025にてImaxNの
値を最大側ガード値IGUHに設定し、ステップ109
5に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0086】このような処理は、電動モータ25の温度
TMPHMが閾値温度TMP0を超えない限り繰り返さ
れるので、電流制限値ImaxNは最大側ガード値IG
UHに固定される。従って、電動モータ25に流れる電
流は、電流制限値ImaxNによっては実質的に制限さ
れない。
【0087】その後、運転が継続されて電動モータ25
の温度TMPHMが閾値温度TMP0より大きくなった
とすると、CPU41aは所定のタイミングにてステッ
プ1005に進んだとき、同ステップ1005にて「Y
es」と判定してステップ1030に進み、同ステップ
1030にてフラグF1の値を「1」に設定する。
【0088】次いで、CPU41aはステップ1035
に進み、同ステップ1035にて電流制限値ImaxN
の値を所定の微小量Δidだけ減少し、続くステップ1
040にて同電流制限値ImaxNの値が最小側ガード
値IGUL(IGUL<IGUH)より小さくなったか
否かを判定する。現段階では、電流制限値ImaxN
は、最大側ガード値IGUHから微小量Δidだけ減少
されたのみであるから、最小側ガード値IGULよりも
大きい。従って、CPU41aはステップ1040にて
「No」と判定してステップ1095に進み、同ステッ
プ1095にて本ルーチンを一旦終了する。
【0089】このような処理は、電動モータ25の温度
TMPMHが閾値温度TMP0を超えている限り繰り返
される。従って、ステップ1035の処理により電流制
限値ImaxNの値は所定時間毎に微小量Δidだけ減
少される。この結果、電動モータ25に流れる電流も時
間経過に応じて徐々に減少変化する。そして、電流制限
値ImaxNの値が最小側ガード値IGULより小さく
なると、CPU41aはステップ1040にて「Ye
s」と判定してステップ1045に進み、同ステップ1
045にて電流制限値ImaxNの値を最小側ガード値
IGULとする。
【0090】以降においては、電動モータ25の温度T
MPMHが閾値温度TMP0を超えている限り、CPU
41aはステップ1005,1030,1035,10
40,1045,1095と進むので、電流制限値Im
axNの値は最小側ガード値IGULに固定され、電動
モータ25に流れる電流は同最小側ガード値IGULに
応じた値となる。
【0091】このように電動モータ25に流れる電流が
制限された結果、同電動モータ25の温度TMPHMが
下降して閾値TMP0より小さくなると、CPU41a
はステップ1005に進んだとき、同ステップ1005
にて「No」と判定してステップ1010に進む。この
場合、フラグF1の値は先のステップ1030にて
「1」に設定されているから、CPU41aはステップ
1010にて「Yes」と判定してステップ1050に
進み、同ステップ1050にて電動モータ25の温度T
MPHMが閾値TMP1より低下したか否かを判定す
る。現段階では、電動モータ25の温度TMPHMは閾
値TMP1を下回るまでは低下してないので、CPU4
1aはステップ1050にて「No」と判定し、ステッ
プ1035以降に進む。この結果、電流制限値Imax
Nの値は最小側ガード値IGULと一致するか、最小側
ガード値IGULより大きい範囲では所定時間に微小量
Δidだけ減少する。このような処理は、電動モータ2
5の温度TMPHMが閾値TMP1より小さくなるまで
繰り返される。
【0092】更に時間が経過すると、電動モータ25の
温度TMPHMは閾値TMP1より小さくなる。従っ
て、CPU41aはステップ1050に進んだとき、同
ステップ1050にて「Yes」と判定してステップ1
055に進み、同ステップ1055にてフラグF1の値
を「0」にリセットする。
【0093】次いで、CPU41aはステップ1015
に進んで電流制限値ImaxNの値を微小量Δiuだけ
増大し、ステップ1020及びステップ1025にて同
電流制限値ImaxNの値を最大側ガード値IGUHに
ガードする。このような処理は、電動モータ25の温度
TMPHMが再び閾値温度TMP1を上回るまで繰り返
される。従って、電流制限値ImaxNは最大側ガード
値IGUHより小さい範囲において所定時間に微小量Δ
iuだけ増大され、これにより電動モータ25に流れる
電流が徐々に増大されて行く。
【0094】以上、説明したように、電流制限値演算部
B15の第2変形例によれば、電動モータ25の温度T
MPMHが閾値温度TMP0を超えると、その時点から
の経過時間に応じて電流制限値ImaxNが徐々に減少
され、同電動モータ25に流れる電流も漸減する。ま
た、電動モータ25の温度TMPMHが閾値温度TMP
0より小さい閾値温度TMP1を下回ると、その時点か
らの経過時間に応じて電流制限値ImaxNが徐々に増
大され、同電動モータ25に流れる電流が徐々に増大す
る。従って、電動モータ25の過熱を防止できるととも
に、反力が急激に変更することがないので、車両の安定
した走行を確保することができる。また、閾値TMP1
は閾値TMP0より小さいので、電動モータ25の過熱
を確実に防止するとともに、反力の減少・増大を繰り返
して操舵フィーリングが悪化することを回避することが
できる。
【0095】なお、電流制限値演算部B16の第2変形
例は、CPU41aが図10に示したルーチンを実行す
ることにより達成される。この場合、同図10のルーチ
ンにおける温度TMPは駆動回路42のスイッチング素
子Tr1〜Tr4の温度TMPHEであり、電流制限値
Imax0Nは電流制限値Imax0HEであり、電流
制限値ImaxNは電流制限値ImaxHEである。
【0096】(電流制限値演算部B15,B16の第3
変形例)図11は、CPU41aが所定時間の経過毎に
実行することにより、上記電流制限値演算部B15,B
16の第3変形例の機能を達成する電流制限値演算ルー
チンを示している。この図11に示したルーチンは、図
10に示したルーチンのステップ1035,1050,
1015を、それぞれステップ1135,1150,1
115に置換したルーチンである。従って、以下におい
ては、この相違点について電流制限値演算部B15を例
にとって説明し、他のステップについては図10と同一
の符号を付して説明を省略する。
【0097】ステップ1135は、電流制限値Imax
Nを減少させるためのステップである。ステップ103
5では電流制限値ImaxNが所定の微小電流Δidだ
け減少されていたのに対し、ステップ1135では同電
流制限値ImaxNが車速SPDに応じて変化する量f
(SPD)だけ減少される。この量f(SPD)は、図
12に示したように、車速SPDが増大するに従って減
少する。
【0098】この結果、電動モータ25の温度TMPM
Hが閾値温度TMP0を超えると、その時点からの経過
時間に応じて電流制限値ImaxN(=ImaxHM)
が車速SPDが大きいほど緩慢に減少される(車速SP
Dが小さいほど速く減少される。)。従って、車速SP
Dが大きい領域では反力が比較的大きい値に保たれると
ともに、反力の変化も小さいので、車両の安定した高速
走行が容易に確保される。
【0099】ステップ1150は、電流制限値Imax
Nを減少させている状態から増大させ始める時点を決め
るステップであり、ステップ1050では電動モータ2
5の温度TMPHMが閾値TMP1を下回ったか否かを
判定していたのに対し、ステップ1150では同温度T
MPHMが車速SPDに応じて変化する閾値温度g(S
PD)(<TMP0)を下回ったか否かを判定するよう
にしている。閾値温度g(SPD)は、図13に示した
ように、車速SPDの増大とともに大きくなるように設
定されている。
【0100】この結果、車速SPDが大きい場合には、
同車速SPDが小さい場合に比べて電流制限値Imax
Nの増大が早期に開始されるので、反力が比較的大きい
値に留まるとともに、同反力が通常の値に早期に復帰す
る。従って、車両の安定した高速走行が容易に確保され
る。
【0101】ステップ1115は、電流制限値Imax
Nを増大させるためのステップである。ステップ101
5では電流制限値ImaxNが所定の微小電流Δiuだ
け増大されていたのに対し、ステップ1115では同電
流制限値ImaxNが車速SPDに応じて変化する量h
(SPD)だけ増大される。この量h(SPD)は、図
14に示したように、車速SPDが増大するに従って増
大する。
【0102】この結果、電動モータ25の温度TMPM
Hが閾値温度TMP0を超えたのちに電流が減少され、
その後、同温度TMPMHが閾値温度g(SPD)を下
回ると、その時点からの経過時間に応じて電流制限値I
maxN(=ImaxHM)が車速SPDが大きいほど
速く増大される(車速SPDが小さいほど緩慢に増大さ
れる。)。従って、車速SPDが大きい領域では反力が
早期に復帰するので、車両の安定した高速走行が容易に
確保される。なお、上記図10のステップ1035,1
050,1050の何れか一つ、又は任意の二つを、そ
れぞれ対応するステップ1135,1150,1115
で置換してもよい。
【0103】なお、電流制限値演算部B16の第3変形
例は、CPU41aが図11に示したルーチンを実行す
ることにより達成される。この場合、同図11のルーチ
ンにおける温度TMPは駆動回路42のスイッチング素
子Tr1〜Tr4の温度TMPHEであり、電流制限値
Imax0Nは電流制限値Imax0HEであり、電流
制限値ImaxNは電流制限値ImaxHEである。
【0104】(反力演算部B13の変形例)図15は、
CPU41aが所定時間の経過毎に実行することによ
り、上記反力演算部B13の変形例の機能を達成する反
力演算ルーチンを示している。以下、図8に示したステ
ップについては同図8と同一の符号を付して詳細な説明
を省略するとともに、同図8との相違点を中心に説明す
る。
【0105】CPU41aは、ステップ1500から処
理を開始すると、ステップ805〜815を実行し、基
本反力FRK、ゲインKR、及び操舵機構部報知用ゲイ
ンKWを決定する。次いで、CPU41aはステップ1
505に進み、同ステップ1505にて反力機構部過熱
防止用調整量βを決定する。具体的に説明すると、CP
U41aは電動モータ25の温度TMPHMとステップ
1505に示したβ1調整量マップとから第1調整量β
1を求めるとともに、駆動回路42のスイッチング素子
Tr1〜Tr4の温度TMPHEと同ステップ1505
に示したβ2調整量マップとから第2調整量β2を求め
る。そして、CPU41aは、第1調整量β1と第2調
整量β2とのうちの大きい方を調整量βとして決定す
る。
【0106】次いで、CPU41aは図16に示したス
テップ1510に進み、同ステップ1510にて暫定反
力FRMZを同ステップ1510内に示した式(FRM
Z=FRK・KR・KW)に従って求め、続くステップ
1515にて同暫定反力FRMZが「0」より大きいか
否かを判定する。
【0107】このとき、暫定反力FRMZが「0」より
大きいとすると、CPU41aはステップ1515にて
「Yes」と判定してステップ1520に進み、同ステ
ップ1520にて暫定反力FRMZから上記調整量βを
減じた値を新たな暫定反力FRMZとする。そして、ス
テップ1525にて新たな暫定反力FRMZが「0」よ
り大きいか否かを判定し、「0」より大きければステッ
プ1530に直接進む。また、ステップ1525にて新
たな暫定反力FRMZが「0」以下であると判定される
場合には、ステップ1535に進んで同暫定反力FRM
Zを「0」とした後にステップ1530に進む。
【0108】他方、前記ステップ1515において「N
o」と判定される場合、即ち、暫定反力FRMZが負の
場合には、CPU41aはステップ1540に進み、同
ステップ1540にて暫定反力FRMZの絶対値(|F
RMZ|)から上記調整量βを減じた値の符号を逆転し
た値(−(|FRMZ|−β))を新たな暫定反力FRM
Zとして設定し、続くステップ1545にて同新たな暫
定反力FRMZが「0」より小さいか否かを判定する。
【0109】このとき、新たな暫定反力FRMZが
「0」より小さければ、CPU41aはステップ154
5にて「Yes」と判定してステップ1530に進み、
新たな暫定反力FRMZが「0」以上であれば、同ステ
ップ1545にて「No」と判定してステップ1550
に進み、同新たな暫定反力FRMZの値を「0」に設定
する。
【0110】このようにCPU41aは、暫定反力FR
MZの方向(符号)が変化しない範囲で同暫定反力FR
MZから上記調整量βを減じた後ステップ1530に進
み、同ステップ1530にて暫定反力FRMZを正規の
反力FRMとして設定する。そして、ステップ1555
に進んで正規の反力FRMと同ステップ1555内に示
した指示電流マップとから指示電流IH*を決定し、同
決定した指示電流IH*を電流制御部B14に出力す
る。
【0111】この反力演算部B13の変形例によれば、
調整量βが電動モータ25の温度TMPHM、又は駆動
回路42のスイッチング素子Tr1〜Tr4の温度TM
PHEが高いほど大きくなるように決定されるので、指
示電流IH*がこれらの温度の上昇に伴って小さくさ
れ、電動モータ25又は駆動回路42のスイッチング素
子の過熱状態が継続することを回避し得る。
【0112】以上、説明したように、本発明による実施
形態とその変形例によれば、電動モータ25,51、駆
動回路42,43(のスイッチング素子)の温度が、許
容温度以上となる状態が継続しないので、これらの寿命
を延ばすことができる。また、高速走行時には低速走行
時よりも反力が大きくなるように制御されるので、高速
走行時の走行安定性を高く維持できる。
【0113】なお、上記実施形態とその変形例におい
て、操舵角演算部B5、電流制御部B10、及び駆動回
路43は、操作部材の操作量に応じて車両の運転制御量
である操舵角を変更する運転制御手段を構成している。
反力演算部B13は、検出された操作部材の操作量に応
じて反力発生手段の電動モータ25に付与される電流の
大きさ及び向きを決定するとともに、同決定された大き
さ及び向きの電流を同反力発生手段に付与するように駆
動回路42に指示を与える反力制御手段を構成してい
る。電流制限値演算部B15,B16及び電流制御部B
14は、温度検出部B3,B4にて検出又は推定された
温度に応じて前記反力発生手段に付与される前記電流の
大きさを所定の電流制限値(ImaxHM,ImaxH
E)以下に制限する電流制限手段を構成している。
【0114】更に、図9に示したルーチンのステップ9
10は、検出された車速に応じて前記電流制限値を補正
する制限値補正手段の機能を達成している。図11のス
テップ1135、1115は、検出された車速に応じて
前記電流制限値が減少又は増大されるときの変化速度を
変更する変化速度変更手段の機能を達成している。
【0115】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採
用することができる。例えば、通常時の操舵角制御は操
作力FS、又は操作角θjの時間微分値を考慮して行っ
てもよく、電動モータ25に流れる電流は、所謂目標ト
ルクに対するPI制御又はPID制御により決定しても
よい。
【0116】また、上記操作力センサ10dは、回転軸
22をトーションバーで構成し、第1歯車23とガイド
プレート21との相対ねじれ角を検出するトルクセンサ
(トルク検出手段、又は操舵トルク手段)で代用するこ
ともできる。同様に、操作力センサ10eは、回転軸3
2をトーションバーで構成し、第3歯車33とガイドプ
レート31との相対ねじれ角を検出するトルクセンサ
(トルク検出手段)で代用することもできる。
【0117】更に、上記実施形態においては、電動モー
タ25,35が大きなトルクを発生するほど、操作レバ
ー10の反力が大きくなるように構成されていたが、バ
ネ部材等の機械的な付勢力付与手段により、操作レバー
10が中立位置に常に復帰するように付勢力を与え、こ
れにより同操作レバー10の操作に対して反力を発生さ
せ、その反力を電動モータ25,25の発生トルクによ
り減少させることで、所望の反力を同操作レバー10に
付与するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る運転操作装置の操作
レバーの概略図である。
【図2】 図1に示した操作レバーを含む操作レバー装
置の概略斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る運転操作装置の電気
制御装置を示すブロック図である。
【図4】 図3に示したCPUにより達成される機能を
表したブロック図である。
【図5】 図3に示したCPUが実行する温度検出ルー
チンを示したフローチャートである。
【図6】 図3に示したCPUが実行する目標舵角演算
ルーチンを示したフローチャートである。
【図7】 図3に示したCPUが実行する電流制限値演
算ルーチンを示したフローチャートである。
【図8】 図3に示したCPUが実行する反力演算ルー
チンを示したフローチャートである。
【図9】 図3に示したCPUが実行する別の電流制限
値演算ルーチンを示したフローチャートである。
【図10】 図3に示したCPUが実行する別の電流制
限値演算ルーチンを示したフローチャートである。
【図11】 図3に示したCPUが実行する別の電流制
限値演算ルーチンを示したフローチャートである。
【図12】 図11に示したルーチンの処理において参
照されるマップである。
【図13】 図11に示したルーチンの処理において参
照されるマップである。
【図14】 図11に示したルーチンの処理において参
照されるマップである。
【図15】 図3に示したCPUが実行する別の反力演
算ルーチン(2)の前半部を示したフローチャートであ
る。
【図16】 図3に示したCPUが実行する別の反力演
算ルーチン(2)の後半部を示したフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10…操作レバー、10d…操作力センサ、20…左右
方向反力発生機構、25…電動モータ(反力発生用電動
モータ)、26,36…操作角センサ、40…電気制御
装置、41…マイクロコンピュータ、42…駆動回路
(反力発生用)、42a…基板温度センサ、43…駆動
回路(制御力用)、43a…基板温度センサ、51…電
動モータ(制御力用電動モータ、制御力発生用電動モー
タ、操舵用電動モータ)、52…操舵機構、52a…操
舵角センサ、61…車速センサ、B1〜B4…温度検出
部、B5…操舵角演算部、B6…操舵角検出部、B7…
車速検出部、B8…操作角検出部、B9…操作力検出
部、B10…電流制御部、B11,B12,B15,B
16…電流制限値演算部、B13…反力演算部、B14
…電流制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 107:00 B62D 107:00 113:00 113:00 121:00 121:00 Fターム(参考) 3D032 CC32 DA02 DA15 DA23 DA64 DA67 DD05 DD10 DD17 EC23 EC29 GG04 3D033 CA02 CA03 CA13 CA16 CA17 CA20 CA21 3D052 DD01 FF03 GG04 HH03 JJ37 5H571 AA03 BB07 CC04 DD01 EE02 GG04 HA09 HB01 HD02 JJ03 JJ04 JJ28 KK06 LL14 LL35 LL36 MM02 MM04 MM06 PP01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体に対し移動可能に支持されるとともに
    運転者により操作される操作部材と、 前記操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、 前記検出された操作量に応じて前記車両の運転制御量を
    変更する運転制御手段と、 付与される電流の大きさ及び向きに応じて前記操作部材
    に入力される運転者の操作力に抗する力である反力を発
    生する反力発生手段と、 前記反力発生手段に付与される電流を制御する駆動回路
    と、 前記検出された操作部材の操作量に応じて前記反力発生
    手段に付与される電流の大きさ及び向きを決定するとと
    もに同決定された大きさ及び向きの電流を同反力発生手
    段に付与するように前記駆動回路に指示を与える反力制
    御手段とを備えた運転操作装置において、 前記反力発生手段の温度又は前記駆動回路の温度を検出
    又は推定する温度検出推定手段と、 前記検出又は推定された温度に応じて前記反力発生手段
    に付与される前記電流の大きさを所定の電流制限値以下
    に制限する電流制限手段を備えた運転操作装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の運転操作装置において、 前記電流制限手段は、前記検出又は推定された温度に応
    じて前記所定の電流制限値を決定するように構成された
    運転操作装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の運転操作装置において、 前記電流制限手段は、車速を検出する車速検出手段と、
    検出された車速に応じて前記所定の電流制限値を補正す
    る制限値補正手段とを含む運転操作装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の運転操作装置において、 前記電流制限手段は、前記検出又は推定された温度が第
    1所定温度より高くなったときから前記所定の電流制限
    値を徐々に減少させるように構成された運転操作装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の運転操作装置において、 前記電流制限手段は、前記検出又は推定された温度が前
    記第1所定温度より高くなった後は、同検出又は推定さ
    れた温度が同第1所定温度よりも低い第2所定温度より
    低くなったときから前記所定の電流制限値を徐々に増大
    させるように構成された運転操作装置。
  6. 【請求項6】請求項4又は請求項5に記載の運転操作装
    置において、 前記電流制御手段は、車速を検出する車速検出手段と、
    検出された車速に応じて前記所定の電流制限値が減少又
    は増大されるときの変化速度を変更する変化速度変更手
    段とを含む運転操作装置。
  7. 【請求項7】車体に対し移動可能に支持されるとともに
    運転者により操作される操作部材と、 前記操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、 付与される電流の大きさ及び向きに応じて前記車両の制
    御量を変更するための力を発生する制御力発生手段と、 前記制御力発生手段に付与される電流を制御する制御力
    用駆動回路と、 前記検出された操作量に応じて前記制御力発生手段に付
    与される電流の大きさ及び向きを決定するとともに同決
    定された大きさ及び向きの電流を同制御力発生手段に付
    与するように前記制御力用駆動回路に指示を与える制御
    力制御手段と、 付与される電流の大きさ及び向きに応じて前記操作部材
    に入力される運転者の操作力に抗する力である反力を発
    生する反力発生手段と、 前記反力発生手段に付与される電流を制御する駆動回路
    と、 前記検出された操作部材の操作量に応じて前記反力発生
    手段に付与される電流の大きさ及び向きを決定するとと
    もに同決定された大きさ及び向きの電流を同反力発生手
    段に付与するように前記駆動回路に指示を与える反力制
    御手段とを備えた運転操作装置において、 前記制御力発生手段又は前記制御力用駆動回路の温度を
    検出又は推定する制御力用温度検出推定手段と、 前記検出又は推定された前記制御力発生手段又は前記制
    御力用駆動回路の温度に応じて、前記反力発生手段に付
    与される電流の大きさを補正する反力補正手段とを備え
    た運転操作装置。
  8. 【請求項8】車体に対し移動可能に支持されるとともに
    運転者により操作される操作部材と、 前記操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、 付与される電流の大きさ及び向きに応じて前記車両の制
    御量を変更するための力を発生する制御力発生手段と、 前記制御力発生手段に付与される電流を制御する制御力
    用駆動回路と、 前記検出された操作量に応じて前記制御力発生手段に付
    与される電流の大きさ及び向きを決定するとともに同決
    定された大きさ及び向きの電流を同制御力発生手段に付
    与するように前記制御力用駆動回路に指示を与える制御
    力制御手段とを備えた運転操作装置において、 前記制御力発生手段又は前記制御力用駆動回路の温度を
    検出又は推定する制御力用温度検出推定手段と、 前記検出又は推定された前記制御力発生手段又は前記制
    御力用駆動回路の温度に応じて、前記制御力発生手段に
    付与される前記電流の大きさを所定の電流制限値以下に
    制限する電流制限手段を備えた運転操作装置。
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