JP2002307834A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2002307834A
JP2002307834A JP2001119353A JP2001119353A JP2002307834A JP 2002307834 A JP2002307834 A JP 2002307834A JP 2001119353 A JP2001119353 A JP 2001119353A JP 2001119353 A JP2001119353 A JP 2001119353A JP 2002307834 A JP2002307834 A JP 2002307834A
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JP2001119353A
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Makoto Ono
誠 大野
Naohisa Terajima
尚久 寺嶋
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光沢性を有すると共に、ヘッド汚れを防
止して高画質の画像を安定して出力できる感熱記録材料
を提供する。 【解決手段】 支持体上に、感熱記録層と、長鎖アルキ
ルエーテル変性ポリビニルアルコール、及び粒径の異な
る2種以上の無機超微粒子を含有する保護層とを順次有
する感熱記録材料であって、前記無機超微粒子の2種
が、平均粒径0.05〜0.20μmの硫酸バリウム、
及び平均粒径10〜50nmのコロイダルシリカであ
り、かつ前記コロイダルシリカが、硫酸バリウムに対し
て8〜24質量%含有されていることを特徴とする感熱
記録材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドを
用いて画像の記録を行う感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録システムは、ファクシミリ、プ
リンター、ラベル等の多分野においてニーズが拡大して
おり、それに伴い、より高性能な感熱記録材料が求めら
れている。このサーマルヘッドにより画像様に加熱して
画像の記録を行う感熱記録材料では、サーマルヘッドの
保護膜の材質や形状等に合ったヘッドマッチング性を有
することのみならず、ヘッド汚れやヘッド摩耗を発生さ
せずに高品質の画像を安定して出力することができるこ
とが重要である。
【0003】このような感熱記録材料のサーマルヘッド
適性を決定づけるのは、主として最上層にある保護層で
あり、以前から保護層について様々な検討が実施されて
きた。例えば、スティッキングによるヘッドへのはりつ
き等を防止し、印画適性を付与するためには、顔料の添
加が必須であり、更にヘッドの汚れを軽減するには、顔
料の比率を増加したり、顔料の粒径を大きくすること等
が必要である。しかし、顔料の比率の増加や粒径の拡大
は、結果として保護層の表面の平滑性の低下による光沢
度の低下等を招き、品質の低下が生じる。また、酸素透
過性の増加により、ジアゾ化合物を発色剤として使用し
た場合には曝光地肌着色の増大をも招く。
【0004】一方、フルカラーの感熱記録材料では、通
常の感熱記録材料とは異なり、高速、高エネルギーで、
かつ同一面を3回続けて印画するために、ヘッドの表面
温度が上昇し、これにより印画の度に感熱記録材料表面
の潤滑剤が減少していくこと等から非常にヘッド汚れが
発生しやすくなっている。しかし、品質上、高い表面光
沢や低い曝光地肌着色を実現するために、上記のような
一般的な知見(顔料の比率を増加したり、顔料の粒径を
大きくすること)の導入が難しいこともあり、ヘッド汚
れ等を防止して、高画質の画像を安定して出力すること
ができる感熱記録材料を製造することは非常に大きな課
題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い光沢
性を有すると共に、ヘッド汚れを防止して高画質の画像
を安定して出力できる感熱記録材料を提供することを目
的とし、該目的を達成することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】<1> 支持体上に、感
熱記録層と、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアル
コール、及び粒径の異なる2種以上の無機超微粒子を含
有する保護層とを順次有する感熱記録材料であって、前
記無機超微粒子の2種が、平均粒径0.05〜0.20
μmの硫酸バリウム、及び平均粒径10〜50nmのコ
ロイダルシリカであり、かつ前記コロイダルシリカが、
硫酸バリウムに対して8〜24質量%含有されているこ
とを特徴とする感熱記録材料である。
【0007】<2> 印画後の印画面の水に対する接触
角が85°以上である<1>に記載の感熱記録材料であ
る。 <3> 長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコー
ルが、炭素数8〜20のアルキル基を有するアルキルエ
ーテル変性ポリビニルアルコールである<1>又は<2
>に記載の感熱記録材料。 <4> 長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコー
ルが、下記の一般式(Z)からなるポリマーである請求
項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料である。
【0008】
【化2】
【0009】一般式(Z)中、R1は水素原子、メチル
基、または−CH2CO2Mを表し、R2は水素原子、ま
たは−CO2Mを表し、R3は水素原子、−CO2M、ア
ミノ基、アミド基、置換アミド基、ヒドロキシ基、グリ
シジル基、スルホン酸基、ポリエチレンオキサイド基、
ポリプロピレンオキサイド基、またはこれらの官能基を
有する基を表し、R4は水素原子またはメチル基を表
し、R5は炭素原子数8〜20のアルキル基を表す。M
は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、
Na、K、またはLiを表す。n、x、y、zはそれぞ
れ重合度を表す。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持体
上に、感熱記録層と、長鎖アルキルエーテル変性ポリビ
ニルアルコール、及び粒径が異なる2種以上の無機超微
粒子を含有する保護層とを順次有し、前記粒径が異なる
2種以上の無機超微粒子中の2種が、平均粒径0.05
〜0.20μmの硫酸バリウム、及び平均粒径10〜5
0nmのコロイダルシリカであり、その含有割合は、コ
ロイダルシリカが硫酸バリウムに対して8〜24質量%
である。
【0011】保護層のバインダーとして長鎖アルキルエ
ーテル変性ポリビニルアルコールを用いることにより、
無機超微粒子の分散性を向上させて感熱記録材料表面の
平滑性を保ち、無機超微粒子の添加による光沢性の低下
を抑制することができる。また、粒径の微小なコロイダ
ルシリカを用いることにより、表面の平滑性を変化させ
ずに高い硬度を保持することができる。更に、コロイダ
ルシリカのみでは、親水性が高いために潤滑剤が拡散し
て感熱記録材料表面に潤滑剤が保持できなくなる場合が
あるが、硫酸バリウムを併用することにより必要量の潤
滑剤を感熱記録材料表面に安定して存在させることがで
きる。このように、本発明の感熱記録材料は、その表面
の平滑性を維持して高光沢であると共に、その表面が高
い硬度を保持し、かつその表面に潤滑剤が安定して存在
することにより、ヘッドの汚れを防止して、高画質の画
像を安定して出力することができる。
【0012】なお、本発明の感熱記録材料においては、
前記支持体と前記保護層の間には、目的に応じて適宜選
択したその他の層、例えば、前記支持体と前記感熱記録
層との間に設ける下塗り層、前記感熱記録層同士の間に
設ける中間層、前記感熱記録層と前記保護層との間に設
ける光透過率調整層などを有していてもよい。
【0013】以下、本発明の感熱記録材料について詳し
く説明する。 (保護層)保護層は、感熱記録層のスティッキングや感
熱記録層を溶剤等から保護するために設けられる層であ
り、該保護層は、上述のように、長鎖アルキルエーテル
変性ポリビニルアルコール、及び粒径の異なる2種以上
の無機超微粒子を含有している。該無機超微粒子中の2
種は、硫酸バリウムとコロイダルシリカであり、硫酸バ
リウムの平均粒径は、0.05〜0.20μm、好まし
くは0.10〜0.15μmであり、コロイダルシリカ
の平均粒径は、10〜50nm、好ましくは10〜30
nm、より好ましくは15〜25nmである。また、コ
ロイダルシリカは、硫酸バリウムに対して8〜24質量
%、好ましくは8〜16質量%、更に好ましくは8〜1
0質量%含有されている。
【0014】硫酸バリウム及びコロイダルシリカの粒径
が上記範囲になく、かつ硫酸バリウム及びコロイダルシ
リカの含有割合が上記範囲にない場合には、高光沢を維
持できない場合が生じたり、また、ヘッド汚れが顕著と
なって、多数の画像を支障なく形成することが困難とな
る。また、本発明の感熱記録材料は、印画後の印画面の
水に対する接触角が、85°以上であることが好まし
く、87°以上であることがより好ましい。該接触角
が、85°未満であると、感熱記録材料(保護層)表面
に潤滑剤を安定して存在させることができない場合があ
る。
【0015】この接触角とは、JIS−K3211で定
義されており、測定方法としては、例えば、協和界面科
学(株)製の接触角計(FACE 接触角計 CA−
D)等により測定することができる。なお、保護層に
は、前記無機超微粒子(顔料)の他に、必要に応じて他
の顔料、ワックス類、架橋剤、触媒、離型剤、界面活性
剤、及び撥水剤等を含有させることも好ましい。
【0016】本発明で使用する長鎖アルキルエーテル変
性ポリビニルアルコールは、炭素原子数8〜20のアル
キル基を有するアルキルエーテル変性ポリビニルアルコ
ールであることが好ましく、さらに下記一般式(Z)か
らなるポリマーであることがより好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】前記一般式(Z)中、R1は水素原子、メ
チル基、または−CH2CO2Mを表し、R2は水素原
子、または−CO2Mを表し、R3は水素原子、−CO2
M、アミノ基、アミド基、置換アミド基、ヒドロキシ
基、グリシジル基、スルホン酸基、ポリエチレンオキサ
イド基、ポリプロピレンオキサイド基、またはこれらの
官能基を有する基を表し、R4は水素原子またはメチル
基を表す。R1、R2、R4が水素原子でありR3が−CO
2Mの組合せ、または、R2、R4が水素原子でありR1
−CH2CO2MでありR3が−CO2Mの組合せが好まし
い。
【0019】Mは水素原子、アルキル基、アリール基、
アラルキル基、Na、K、またはLiを表す。R5は長
鎖アルキル基、即ち、炭素原子数8〜20のアルキル基
を表す。アルキル基は直鎖でも分岐でもよく、また、ア
リール基等の置換基を有していてもよい。この中でも、
炭素数8〜16のアルキル基が潤滑性の点でより好まし
く、炭素原子数12のドデシル基が特に好ましい。
【0020】n、x、y、zはそれぞれ重合度を表す。
nは0〜20が好ましく、0〜10がより好ましい。n
の値が大きい場合には、酸性基が増加しゼラチンとの相
溶性が良化する。Tg(ガラス転移点)以下でのガスバ
リア性等、ポリビニルアルコールの特性を引き出すこと
ができる点で、xは60〜99が好ましく、75〜95
がより好ましい。yは0〜20が好ましい。zは、感熱
記録ヘッドとの耐摩擦性、潤滑性の点で大きい方が好ま
しいが、溶解性、水溶液の粘度の点で限度があり、n、
x、y、zの総和に対し、0.5〜10%の値が好まし
く、より好ましくは1〜5%である。
【0021】これらの長鎖アルキルエーテル変性ポリビ
ニルアルコールのTgとしては、50℃以上、好ましく
は60℃以上である。Tg(ガラス転移点)が50℃未
満の場合、耐傷性が低下し、好ましくない。
【0022】本発明の感熱記録材料における保護層に
は、長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールが
50質量%以上、好ましくは80質量%以上含有され
る。長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルアルコールの
含有量が50質量%未満では、上記した長鎖アルキルエ
ーテル変性ポリビニルアルコールによる特性が十分に発
揮されないことがある。
【0023】本発明の長鎖アルキルエーテル変性ポリビ
ニルアルコールを用いた保護層の表面には長鎖アルキル
基が配向され易い。このような表面は対感熱ヘッドの動
摩擦を低下させ、印画故障が無くなり、印画面の平滑性
(光沢性)の向上、発色濃度の向上が可能となる。ま
た、表面の静摩擦及び動摩擦の低下はプリンターでのメ
ディアの走行性を良好なものとする。さらに、長鎖アル
キルエーテル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニル
アルコール系の特徴である耐光性、被膜強度に優れると
いう特性を発揮するとともに、表面に疎水性基が配向し
ていることから耐水性も向上する。
【0024】保護層においては、長鎖アルキルエーテル
変性ポリビニルアルコールの他に必要に応じ他の水性バ
インダー成分を併用してもよく、他の水性バインダー成
分としては、シリコーン変性ポリマー、ゼラチン、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、でんぷん類、寒天、κ−カラギナ
ン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン
酸共重合体加水分解物、エチレン−無水マレイン酸共重
合体加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合
体加水分解物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
【0025】これらの水性バインダーの中でも、シリコ
ーン変性水性ポリマー及びエチレン変性ポリビニルアル
コールが好ましい。前記シリコーン変性水性ポリマーの
具体例としては特願平9−7060号に記載のものが挙
げられる。中でも、幹ポリマーにポリビニルアルコール
を用いたシリコーンブロック変性ポリビニルアルコール
が特に好ましい。また、エチレン変性ポリビニルアルコ
ールについては後述する。
【0026】これらの中でも、地肌部及び印画面におい
て表面平滑性が高く、光沢性に優れる点で、セット乾燥
可能な水溶性ポリマーが好適である。セット乾燥可能な
水溶性ポリマーとは、加熱時(例えば、40℃前後)で
は所定の粘度を呈して塗布が可能となり、その後冷却
(例えば、5℃〜15℃)すると粘度が上昇し流動状態
が停止してゲル化する水溶性ポリマーを意味する。セッ
ト乾燥可能な水溶性ポリマーとして好適なポリマーとし
ては、ゼラチン等の蛋白質、カラギナン、寒天等の多糖
類、ポリビニルアルコール系化合物等が挙げられ、ポリ
ビニルアルコール系化合物の場合、ポリビニルアルコー
ル系化合物とゲル化剤としてのほう酸またはその塩と併
用することによってセット乾燥可能な水溶性ポリマーと
して使用することができる。
【0027】他の水性バインダーとしては、合成ゴムラ
テックスあるいは合成樹脂エマルジョン等も使用するこ
ともできる。これらの重合体のラテックス及びエマルジ
ョンを構成する単量体としては、例えば、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、
ビニルエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエ
ステル、イタコン酸ジエステル、アクリルアミド類、メ
タクリルアミド類、ビニルエーテル類、スチレン類、ア
クリロニトリル等が挙げられる。
【0028】これらの単量体について更に具体例を示す
と、アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、アセトキシエチルアクリレート、フェニルアク
リレート、2−メトキシアクリレート、2−エトキシア
クリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアク
リレート等が挙げられる。
【0029】メタクリル酸エステルとしては、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメ
タクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エトキ
シエチルメタクリレート等が挙げられる。クロトン酸エ
ステルとしては、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシ
ル等が挙げられる。ビニルエステルとしては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニル等が挙げら
れる。
【0030】マレイン酸ジエステルとしては、マレイン
酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル
等が挙げられる。フマル酸ジエステルとしては、フマル
酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル等が
挙げられる。イタコン酸ジエステルとしては、イタコン
酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル
等が挙げられる。
【0031】アクリルアミド類としては、アクリルアミ
ド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プ
ロピルアクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、t
ert−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリ
ルアミド、2−メトキシエチルアクリルアミド、ジメチ
ルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、フェニル
アクリルアミド等が挙げられる。
【0032】メタクリルアミド類としては、メチルメタ
クリルアミド、エチルメタクリルアミド、n−ブチルメ
タクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、
2−メトキシメタクリルアミド、ジメチルメタクリルア
ミド、ジエチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0033】ビニルエーテル類としては、メチルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエー
テル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノ
ビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメ
チルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレ
ン、ブチルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシ
スチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、ク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビ
ニル安息香酸メチルエステル、2−メチルスチレン等が
挙げられる。
【0034】これらの単量体により構成される重合体
は、単独重合体でも共重合体でもよい。アクリル酸エス
テル類、メタクリル酸エステル、スチレン類、アクリル
酸、メタクリル酸の二元又は三元共重合体;スチレン類
とブタジエンの共重合体が好ましく用いられる。
【0035】水性バインダーを構成する高分子のTg
(ガラス転移点)は、150℃以下、好ましくは0℃〜
130℃,特に好ましくは40℃〜100℃である。
【0036】また、シリコーン変性ポリマーおよび/ま
たは水性バインダーと架橋反応する架橋剤を併用するこ
とが望ましく、また、シリコーン変性ポリマーおよび/
または水性バインダーは、官能基としてカルボキシ基、
アミノ基、アンモニウム塩基、ヒドロキシ基、スルフィ
ン酸(又はその塩)基、スルホン酸(又はその塩)基、
あるいはグリシジル基から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有することが望ましい。
【0037】上記した架橋剤としては、例えば、ビニル
スルホン系化合物、アルデヒド系化合物(ホルムアルデ
ヒド、グルタールアルデヒド等)、エポキシ系化合物、
オキサジン系化合物、トリアジン系化合物、特開昭62
−234157号公報に記載の高分子硬膜剤、メチル化
メラミン、ブロックドイソシアネート、メチロール化合
物、カルボジイミド樹脂等を使用することができる。
【0038】これらの架橋剤の中でも、ビニルスルホン
系化合物、アルデヒド系化合物、エポキシ系化合物、オ
キサジン系化合物、トリアジン系化合物、特開昭62−
234157号公報に記載の高分子硬膜剤が好適であ
る。
【0039】また、変性ポリビニルアルコールの中で
は、特にシラノール変性ポリビニルアルコールが好まし
く、これはそれ自体で耐水性等を向上させることができ
るが、耐水性をさらに向上させるためにシラノール変性
ポリビニルアルコールと共に架橋剤及びその反応を促進
する触媒の使用が有効である。
【0040】具体的な架橋剤としては、下記のものが挙
げられる。エポキシ化合物としては、2官能以上のもの
が使用でき、例えば、ジブロモフェニルグリシジルエー
テル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、エポキシクレゾールノボラック樹脂のエマルジ
ョン、変性ビスフェノールA型エポキシエマルジョン、
アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタール酸ジク
リシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールSグリシジルエーテル、テレフタル
酸ジグリシジルエーテル、グリシジルフタルイミド、プ
ロピレンポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェ
ノール(EO)5 グリシジルエーテル、p−ターシャ
リブチルフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコ
ール(EO)15グリシジルエーテル、炭素数12〜1
3のアルコール混合物のグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエー
テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチ
レンポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソ
ルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグ
リシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリ
シジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ート等が挙げられ、これらのエポキシ化合物の中でも特
にグリシジルエーテル類が好適である。
【0041】本発明に有効なエポキシ化合物のエポキシ
当量は70〜1000WPEが望ましい。エポキシ当量
が1000WPEを超えると、耐水性を付与するのが困
難となり、好ましくない。
【0042】ブロックドイソシアネートとは、イソシア
ネートの末端イソシアネート基をブロック剤でマスキン
グした化合物をいう。ブロックドイソシアネートとして
は、例えば、(a)イソシアネート化合物の末端にカル
バモイル・スルホネート基(−NHCOSO3 -)からな
る親水性基のブロック体が形成され、活性イソシアネー
ト基をブロックしたもの、(b)イソプロピリデンマロ
ネートを用いて活性イソシアネート基をブロックしたも
の(このブロックドイソシアネートは、HDIイソシア
ヌレートとイソプロピリデンマロネートとトリエチルア
ミンとの反応で得られる。)、(c)フェノール類で活
性イソシアネート基をブロックしたもの、等が挙げられ
る。
【0043】このようなブロックドイソシアネートは、
シラノール変性ポリビニルアルコールと混合、加熱する
ことによりシラノール変性ポリビニルアルコールを架橋
改質して、シラノール変性ポリビニルアルコールの耐水
化が図られる。さらにビニルスルホン化合物には、特開
昭53−57257号、特開昭53−41221号、特
公昭49−13563号、特公昭47−24259号等
に掲載されているもの等が使用可能である。
【0044】アルデヒド系化合物としては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオ
キザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプン
(ジアルデヒドスターチ)等の多価アルデヒド等が挙げ
られ、メチロール化合物としては、メチロールメラミ
ン、ジメチロール尿素等が挙げられる。シラノール変性
ポリビニルアルコールの場合、架橋剤にはアルデヒド系
化合物が特に好適である。
【0045】上記した水溶性ポリマー、重合体ラテック
ス又は重合体エマルジョンに対する架橋剤の使用量とし
ては、水溶性ポリマー、重合体ラテックス又は重合体エ
マルジョン100質量部に対して架橋剤を1〜50質量
部配合することが望ましい。架橋剤の配合量が1質量部
未満であると、架橋改質の程度が低く、耐水性及び耐薬
品性等が不充分となり、一方、50質量部を超えると液
安定性が低下し、好ましくない。
【0046】本発明で使用する無機超微粒子は、コロイ
ダルシリカ及び硫酸バリウムの他に、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、及びアルミナ
が好ましく、アルミナが特に好ましい。
【0047】本発明に好適に使用しうる無機超微粒子と
しては、具体的に、例えば、硫酸バリウム(商品名:B
ARIFINE BF−21、BF−20、堺化学工業
製)、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO、
日産化学(株)製)、酸化ジルコニウム(商品名:NZ
R−A、日産化学製)、酸化亜鉛(商品名:FINEX
−75、堺化学工業製)、酸化チタン(TTO−55、
石原産業製)、シリカ(日本アエロジル製)が挙げられ
る。
【0048】前記硫酸バリウム及びコロイダルシリカ
は、全無機超微粒子中、60質量%以上含まれているこ
とが好ましく、75質量%以上含まれていることがより
好ましく、85質量%以上含まれていることが更に好ま
しい。該硫酸バリウム及びコロイダルシリカが60質量
%以上含まれていることにより、本発明の効果を有効に
発揮することができる。
【0049】ここで、無機超微粒子とは、平均一次粒径
が0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好
ましくは0.15μm以下の無機微粒子をいい、このよ
うな無機微粒子であれば特に制限はないが、分散液での
最大粒子径(分散液中での粒径分布の大きい方でのしき
い値)が0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下が
より好ましく、0.35μm以下が特に好ましい。ま
た、分散液での粒子径が0.35μm以上の(凝集)粒
子の頻度が5%以下、好ましくは1%以下であり、0.
25μm以上の(凝集)粒子の頻度が5%以下であるこ
とが特に好ましい。なお、粒子径は公知の方法、例えば
COULTER N4型サブミクロン粒径分析装置(日
科機)などにより測定することができる。(日本アエロ
ジル製)が挙げられる。
【0050】この無機超微粒子を添加する方法として
は、微粒子同士の凝集を防止し、樹脂粒子表面への均一
な吸着を達成するために、カルボキシメチルセルロー
ス、ゼラチン、ポリビニルアルコールのような水性分散
樹脂とともに樹脂溶液として添加する方法、コロイド分
散物を各種ミル等で調製したのち添加する方法などを採
用することが、効果及び製造上の観点から好ましい。ま
た、バインダーと無機超微粒子との配合割合(バインダ
ー/無機超微粒子)は、質量比で、0.8/0.5〜
0.8/0.15が好ましく、0.8/0.45〜0.
8/0.3がより好ましい。
【0051】なお、前記保護層には、雲母等を含む無機
質の層状化合物、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、カオリン、合成珪酸塩、非晶
質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等の顔料を添加して
もよい。
【0052】保護層は、バインダー及び無機超微粒子等
からなる保護層用塗布液を、後述する感熱記録層等の上
にバーコーター、エアナイフコーター、ブレードコータ
ー、カーテンコーター等の装置を用いて塗布、乾燥して
得る。但し、保護層は感熱記録層等と同時に重畳法によ
り塗布しても構わないし、また感熱記録層等の塗布後、
一旦感熱記録層等を乾燥させ、その上に塗布しても構わ
ない。保護層の乾燥塗布量は、0.1〜3g/m2が好
ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。塗設
量が大きいと著しく熱感度が低下してしまうし、あまり
に低い塗設量では保護層としての機能(耐摩擦性、潤滑
性、耐傷性等)を発揮できない。また、保護層塗布後、
必要に応じてキャレンダー処理を施しても良い。
【0053】(感熱記録層)前記感熱記録層は、単層構
造であってもよいし、多層構造であってもよく、目的に
応じて適宜選択した層構成とすることができる。前記感
熱記録層は、発色成分を含み、該発色成分の発色反応に
より所望の色画像を形成し得るように設計される。前記
発色成分としては、特に制限はなく、従来から公知のも
のが好適に使用することができる。前記発色反応として
は、特に制限はなく、例えば、ジアゾニウム塩化合物と
カプラーとの発色反応、電子供与性無色染料と電子受容
性化合物との発色反応、などが好適に挙げられる。
【0054】前記感熱記録層が、前記ジアゾニウム塩化
合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈色する
カプラーとを含有する場合、該感熱記録層には、該ジア
ゾニウム塩化合物と該カプラーとの発色反応を促進する
塩基性物質等が好適に添加される。
【0055】前記ジアゾニウム塩化合物は、下記一般式
(B)で表される化合物であり、これらはAr部分の置
換基の位置や種類によってその最大吸収波長を制御する
ことができるものである。 一般式(B): Ar−N2+- 前記一般式(B)において、Arは、アリール基を表
す。X-は、酸アニオンを表す。
【0056】前記ジアゾニウム塩化合物の具体例として
は、4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミル
フェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニ
ウム、4−ジオクチルアミノベンゼンジアゾニウム、4
−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)ベン
ゼンジアゾニウム、4−ジヘキシルアミノ−2−ヘキシ
ルオキシベンゼンジアゾニウム、4−N−エチル−N−
ヘキサデシルアミノ−2−エトキシベンゾジアゾニウ
ム、3−クロロ−4−ジオクチルアミノ−2−オクチル
オキシオベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−
4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、2,5−オクト
キシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、2,5−
ジブトキシ−4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピ
ペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジエトキシ
−4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフ
ェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウ
ム、2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジア
ゾニウム、3−(2−オクチルオキシエトキシ)−4−
モロホリノベンゼンジアゾニウムなどの酸アニオン塩及
び下記ジアゾニウム塩化合物(D−1〜5)が挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。これらの中でも、ヘキサフルオロフ
ォスフェート塩、テトラフルオロボレート塩、1,5−
ナフタレンスルホネート塩が特に好ましい。
【0057】
【化4】
【0058】これらのジアゾニウム塩化合物の中でも、
300〜400nmの波長の光により光分解する、4−
(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキ
シ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4
−ジオクチルアミノベンゼンジアゾニウム、4−(N−
(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジア
ゾニウム、4−ジヘキシルアミノ−2−ヘキシルオキシ
ベンゼンジアゾニウム、4−N−エチル−N−ヘキサデ
シルアミノ−2−エトキシベンゾジアゾニウム、2,5
−ジブトキシ−4−(N−(2−エチルヘキサノイル)
ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジエトキ
シ−4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−アミル
フェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニ
ウム、上記具体例D−3〜5に示すジアゾニウム塩化合
物が特に好ましい。なお、ここでいうジアゾニウム塩化
合物の最大吸収波長は、それぞれのジアゾニウム化合物
を0.1〜1.0g/m2の塗布量で塗膜にしたものを
分光光度計(Shimazu MPS−2000)によ
り測定したものである。
【0059】前記ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して
呈色するカプラーとしては、例えば、レゾルシン、フル
ルグルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−ス
ルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
モルホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジ
ヒドロキシ−6−スルファニルナフタレン、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−
ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−3−ナ
フトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸−N−ドデシルオキシプルピルアミド、2−ヒドロ
キシ−3−ナフトエ酸テトラデシルアミド、アセトアニ
リド、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリ
ド、2−クロロ−5−オクチルアセトアセトアニリド、
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾ
ロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)
−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、1−(2’,
4’,6’−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5
−ピラロン、1−フェニル−3−フェニルアセトアミド
−5−ピラゾロン、下記(C−1〜6)に示す化合物、
などが挙げられる。これらのカプラーは、1種単独で使
用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0060】
【化5】
【0061】
【化6】
【0062】前記塩基性物質としては、特に制限はな
く、目的に応じて公知のものの中から適宜選択すること
ができ、無機又は有機の塩基性化合物の外、加熱時に分
解等を生じアルカリ物質を放出するような化合物も含ま
れ、代表的なものとしては、有機アンモニウム塩、有機
アミン、アミド、尿素及びチオ尿素さらにそれらの誘導
体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラ
ジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール
類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、
ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジ
ン類等の含窒素化合物が挙げられる。
【0063】これらの具体例としては、トリシクロヘキ
シルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジ
ルアミン、ステアリルアミン、アリル尿素、チオ尿素、
メチルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、
2−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウン
デシルイミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イ
ミダゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−
2−イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、
1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジシク
ロヘキシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシ
ルグアニジン、グアニジントリクロロ酢酸塩、N,N’
−ジベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルホリ
ン、モルホリニウムトリクロロ酢酸塩、2−アミノベン
ゾチアゾール、2−ベンゾイルヒドラジノベンゾチアゾ
ールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0064】前記電子供与性無色染料としては、特に制
限はなく、目的に応じて公知の物の中から適宜選択する
ことができ、本発明においては電子供与性無色染料前駆
体を用いることができる。
【0065】前記電子供与性無色染料前駆体としては、
例えば、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタ
ン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、
スピロピラン系化合物、などが挙げられる。これらは、
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
く、これらの中でも、発色濃度が高く有用な点で、トリ
アリールメタン系化合物、キサンテン系化合物が好まし
い。これらの例としては、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ち
クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)
−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベン
ジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N
−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、
ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン(p−
ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−ク
ロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオ
ラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ
−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロ
イコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレ
ンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−
エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ
−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフ
トピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン、な
どが挙げられる。
【0066】前記電子受容性化合物としては、フェノー
ル誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エス
テル、などが挙げられる。これらの中でも、ビスフェノ
ール類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が特に好まし
く、具体的には、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、4,4’−
(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール
(即ち、ビスフェノールP)、2,2−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロ
キシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−
(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロ
キシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α
−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属塩、
3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びその多
価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸及
びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p
−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香
酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノール、p
−クミルフェノールなどが特に好ましい。
【0067】本発明においては、前記感熱記録層は、増
感剤を含有することが好ましく、該増感剤としては、分
子内に芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点
有機化合物が好ましく、具体的には、p−ベンジルオキ
シ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、
β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニ
ルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニル
エステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エ
ーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、
1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテ
ル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエー
テル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエ
ーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エ
タン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)
エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキ
シ)エタン、p−ベンジルビフェニル、などが挙げられ
る。
【0068】また、感熱記録層は、下記一般式(A)で
表される化合物を0.05g/m2以上含有することが
好ましい。感熱記録層が複数の層からなる場合、一般式
(A)で表される化合物が含有される層としては特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
固体分散物で構成される層であるのが好ましい。
【0069】一般式(A): R−SO3M 前記一般式(A)において、Rは、アルキル基、アリー
ル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、ポリオキシ
エチレンアリール基、又は、ポリオキシエチレンアルキ
ル基を表し、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、
炭素数1〜30のアリール基が好ましく、炭素数1〜2
0のアルコキシル基が好ましく、炭素数1〜30のアリ
ールオキシ基が好ましく、炭素数1〜30のポリオキシ
エチレンアリール基が好ましく、炭素数1〜20のポリ
オキシエチレンアルキル基が好ましい。Mは、アルカリ
金属を表し、ナトリウム、カリウムなどが好ましい。
【0070】前記一般式(A)で表される化合物の具体
例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、アルカンスル
ホン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマ
リン縮合物のナトリウム塩、などが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。本発明においては、これらの中でも、地肌部の
曝光着色を改良できる点で、下記式で表されるドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0071】
【化7】
【0072】前記一般式(A)で表される化合物の前記
感熱記録層における含有量としては、0.05g/m2
以上であり、0.05〜0.50g/m2が好ましく、
0.05〜0.20g/m2が好ましい。前記含有量
が、0.05g/m2未満であると、感熱記録材料の耐
光性が十分でなく、地肌曝光着色が生ずる点で好ましく
なく、一方、0.05g/m2であると、そのようなこ
とがなく、感熱記録材料の耐候性が著しく改善され、地
肌曝光着色が効果的に抑制される点で好ましい。
【0073】前記感熱記録層における、前記ジアゾニウ
ム塩化合物、該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応して呈
色する前記カプラー、前記塩基性物質、前記電子供与性
無色染料、前記電子受容性化合物、前記増感剤、等の含
有の態様については特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、例えば、これらを、(1)固体分
散による含有させる方法、(2)乳化分散により含有さ
せる方法、(3)ポリマー分散により含有させる方法、
(4)ラテックス分散により含有させる方法、(5)マ
イクロカプセル化して含有させる方法、などが挙げられ
る。
【0074】これらの中でも、保存性の観点から、マイ
クロカプセル化して含有させる方法が好ましく、前記ジ
アゾニウム塩化合物と前記カプラーとの発色反応を利用
する場合には、前記ジアゾニウム塩化合物をマイクロカ
プセル化して前記感熱記録層中に含有させるのが好まし
く、前記電子供与性無色染料と前記電子受容性化合物と
の発色反応を利用する場合には、前記電子供与性無色染
料をマイクロカプセル化して前記感熱記録層中に含有さ
せるのが好ましい。
【0075】前記感熱記録層を多層構造とする場合、各
感熱記録層の色相を変えることにより、多色の感熱記録
材料を得ることができる。この場合の層構成としては、
特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる
が、本発明においては、感光波長の異なる2種のジアゾ
ニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニウム塩化合物と
熱時反応して異なった色相に発色するカプラーとを組み
合わせた感熱記録層2層と、電子供与性無色染料と電子
受容性化合物とを組み合わせた感熱記録層と、を積層し
た多色の感熱記録層とするのが好ましい。即ち、前記支
持体上に、電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを
含む感熱記録層A、最大吸収波長が360±20nmで
あるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と
熱時反応して呈色するカプラーとを含有する感熱記録層
B−1、最大吸収波長が400±20nmであるジアゾ
ニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応し
て呈色するカプラーとを含有する感熱記録層B−2、を
この順に積層した多色の感熱記録材料が好ましい。
【0076】この多色の感熱記録材料の記録方法として
は、まず感熱記録層B−2を加熱し、該感熱記録層B−
2に含まれるジアゾニウム塩化合物とカプラーとを発色
させる。次に、400±20nmの光を照射して感熱記
録層B−2中に含まれている未反応のジアゾニウム塩化
合物を分解させた後、感熱記録層B−1が発色するに十
分な熱を加え、該感熱記録層B−1に含まれているジア
ゾニウム塩化合物とカプラーとを発色させる。このと
き、感熱記録層B−2も同時に強く加熱されるが、すで
にジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失わ
れているので発色はしない。さらに360±20nmの
光を照射して感熱記録層B−1に含まれているジアゾニ
ウム塩化合物を分解し、最後に感熱記録層Aが発色する
十分な熱を加えて発色させる。このとき感熱記録層B−
2及び感熱記録層B−1も同時に強く加熱されるが、す
でにジアゾニウム塩化合物は分解しており発色能力が失
われているので発色しない。
【0077】また、本発明においては、感光波長の異な
る3種のジアゾニウム塩化合物と、それぞれのジアゾニ
ウム塩化合物と熱時反応して異なった色相に発色するカ
プラーとを組み合わせた感熱記録層3層を積層した多色
の感熱記録層とするのも好ましい。即ち、前記支持体上
に、最大吸収波長が350nm以下、好ましくは、34
0nm以下であるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウ
ム塩化合物と熱時反応して呈色するカプラーとを含有す
る感熱記録層A−1、最大吸収波長が360±20nm
であるジアゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物
と熱時反応して呈色するカプラーとを含有する感熱記録
層A−2、最大吸収波長が400±20nmであるジア
ゾニウム塩化合物と該ジアゾニウム塩化合物と熱時反応
して呈色するカプラーとを含有する感熱記録層A−3
を、この順に積層した多色の感熱記録材料が好ましい。
以上の多色の感熱記録層の場合において、各感熱記録層
の発色色相を減色混合における3原色、イエロー、マゼ
ンタ、シアンとなるように選んでおけば、フルカラーの
画像記録が可能となる。
【0078】(支持体)前記支持体としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィ
ルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム
等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフ
ィルム等のプラスチックフィルムの外、紙、合成紙、プ
ラスチック樹脂層を有する紙、などが挙げられ、前記プ
ラスチックフィルムの層を有する支持体が好ましい。こ
れらは、透明であってもよいし、不透明であってもよ
く、また、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0079】前記プラスチックの層を有する支持体とし
ては、原紙の両面に又は少なくとも記録層が形成される
面に、熱可塑性樹脂による層が形成されたものが好適に
挙げられ、例えば、(1)原紙に熱可塑性樹脂が溶融押
出塗工されたもの、(2)原紙上に溶融押出塗工された
熱可塑性樹脂の上にガスバリアー層を塗布したもの、
(3)原紙の酸素透過性の低いプラスチックフィルムを
接着させたもの、(4)原紙にプラスチックフィルムを
接着させた面上に溶融押出により熱可塑性樹脂を設けた
もの、(5)原紙に熱可塑性樹脂を溶融押出塗工された
後、プラスチックフィルムを接着させたもの、等が挙げ
られる。
【0080】前記原紙に溶融押出塗工される熱可塑性樹
脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの各種の重合
体の混合物などのオレフィン系重合体、エチレンとビニ
ルアルコールとのランダム共重合体、などが好適に挙げ
られる。前記ポリエチレンとしては、例えば、LDPE
(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレ
ン)、L−LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が
挙げられる。
【0081】前記原紙に前記プラスチックフィルムを接
着する方法としては、特に制限はなく、加工技術研究会
編「新ラミネート加工便覧」に記載されているような公
知のラミネーション法の中から適宜選択して採用するこ
とができ、所謂ドライラミネーション、無溶媒型ドライ
ラミネーション、電子線若しくは紫外線硬化型樹脂を用
いたドライラミネーション、又は、ホットドライラミネ
ーションが好適に挙げられる。本発明においては、前記
支持体の中でも、天然パルプを主成分とする原紙の両面
にオレフィン系重合体をコーティングしたものが特に好
ましい。
【0082】(下塗り層)本発明においては、前記支持
体と前記感熱記録層との間に、下塗り層を有するのが好
ましい。前記下塗り層としては、特に制限はなく、目的
に応じて公知のものの中から適宜選択することができる
が、PAGI法の粘度が10〜30mP、PAGI法の
ゼリー強度が15〜70gであるゼラチン(以下単に
「ゼラチン」と称する)と、層状の無機化合物とを含有
するのが特に好ましい。なお、本発明においては、この
ような層を後記中間層等として有しているのも好まし
い。
【0083】前記PAGI法の粘度と、前記PAGI法
のゼリー強度とは、写真用ゼラチン試験法合同審査会発
行のパギイ法:写真用ゼラチン試験法、第7版(199
2年版)による試験に基づいて測定したものである。前
記ゼラチンは、通常の方法で製造された公知のゼラチン
(以下「通常のゼラチン」と称する)を低分子化するこ
とによって得られる。ただし、ここで言う「通常のゼラ
チン」とは、例えば「にかわとゼラチン(我孫子義弘編
集、日本にかわ、ゼラチン工業組合刊(1987)に記
載されているような牛骨、牛皮、豚皮などの原料を石
灰、酸などで処理して製造されるもので、前記ゼラチン
と比べるとはるかに大きな粘度とゼリー強度とを有して
いる。
【0084】前記通常のゼラチンは、原料、処理方法
(例えば、石灰処理、酸処理)や抽出条件(温度、抽出
回数)などの条件によって特徴づけられる。前記ゼラチ
ンは、どのようなゼラチンを元にして低分子化して得て
もよいが、抽出回数が少なく、低温で抽出されたもの
が、低粘度とゼリー強度とを前記数値範囲内に両立でき
る点で好ましい。前記低分子化の方法としては、酵素を
用いる方法、熱を用いる方法などが挙げられ、これらの
中でも酵素を用いる方法が好ましい。前記熱を用いる方
法の場合、粘度を好ましい値に下げたときに前記ゼリー
強度が低くなってしまうことがある。なお、前記酵素と
しては、例えば、パパインが好適に挙げられる。
【0085】前記ゼラチンにおける、前記PAGI法の
粘度は10〜30mPであり、前記PAGI法のゼリー
強度は15〜70gであるが、前記PAGI法の粘度が
10mP未満であると、塗液の粘度低下が大きくなり、
塗液中の顔料(雲母)の分散状態が悪くなることがあ
り、30mPを超えると、塗工液の粘度が上昇し、塗布
故障が生じ易くなることがある。また、前記PAGI法
のゼリー強度が15g未満であると、塗膜強度が低下
し、前記支持体との接着強度が低下することがあり、前
記PAGI法のゼリー強度が70gよりも大きいと、塗
膜のカールが環境変化により大きくなることがある。
【0086】前記ゼラチンは、必要に応じて硬膜剤を用
いて架橋してもよく、その場合、該硬膜剤としては、ゼ
ラチンの硬膜剤として用いられている公知のものが挙げ
られ、例えば、ビニルスルホン化合物、活性ハロゲン化
合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、などが
挙げられる。これらの中でも、エポキシ化合物が特に好
ましく、該エポキシ化合物としては、例えば、以下に示
す化合物が好適に挙げられる。
【0087】
【化8】
【0088】前記ゼラチンの前記下塗り層における塗布
量としては、プリスター(印画記録時のプリンターサー
マルヘッドの熱による細かな膨れ現象)を抑える観点か
らは、0.5g/m2以上が好ましい。
【0089】前記層状の無機化合物としては、膨潤性無
機層状化合物が好適に挙げられる。前記膨潤性無機層状
化合物の具体例としては、ベントナイト、ヘクトライ
ト、サポナイト、ビーデライト、ノントロナイト、スチ
ブンサイト、バイデライト、モンモリナイト等の膨潤性
粘度鉱物類、膨潤性合成雲母、膨潤性合成スメクタイ
ト、などが挙げられる。
【0090】これらの膨潤性無機層状化合物は、厚みが
10〜15オングストローム程度の単位結晶格子層から
なる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘土鉱
物よりも著しく大きい。その結果、格子層は、正荷電不
足を生じ、それを補償するために層間にNa+、C
2+、Mg2+等の陽イオンを吸着している。これらの層
間に介在している陽イオンは、「交換性陽イオン」と呼
ばれ、いろいろな陽イオンと交換する。特に層間の陽イ
オンがLi+、Na+等の場合、イオン半径が小さいた
め、層状結晶格子間の結合が弱く、水により大きく膨潤
する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水
中で安定したゾルを形成する。前記膨潤性無機層状化合
物の具体例の中でも、ベントナイト、膨潤性合成雲母
は、その傾向が強い点で好ましく、膨潤性合成雲母が特
に好ましい。
【0091】前記膨潤性合成雲母としては、例えば、以
下の化合物が好適に挙げられる。Naテトラシックマイ
カNaMg2.5(Si410)F2、Na又はLiテニオ
ライト(NaLi)Mg2(Si410)F2、Na又は
Liヘクトライト(NaLi)/3Mg2/3Li1/3(Si
4O10)F2、などが挙げられる。
【0092】前記膨潤性合成雲母のサイズとしては、厚
みが1〜50nmであり、平面サイズが1〜20μmで
ある。前記厚みは、拡散制御の点では、薄ければ薄いほ
ど好ましく、前記平面サイズは、塗布面の平滑性及び透
明性を悪化しない範囲で大きいほど好ましい。前記膨潤
性合成雲母のアスペクト比としては、通常100以上で
あり、200以上が好ましく、500以上がより好まし
い。
【0093】前記通常のゼラチンを使用した場合、雲母
の比率(対ゼラチン1.5〜10以上)が増えると、一
定固形分濃度(例えば、5〜10%)で増粘、ゲル化が
進むため、粘度を下げることが必要になる。該粘度を下
げるには、濃度を下げる方法があるが、濃度を下げるこ
とは塗膜の乾燥負荷を増大させ、厚塗りによる塗布面状
が悪化してしまう。また、塗布液に尿素、塩等を添加す
る方法もあるが、十分に粘度低下が得られず、塗布後の
面状も悪い。これに対し、前記ゼラチンは、このような
弊害を生じることなく、増粘、ゲル化を著しく低減で
き、雲母と混合して使用しても増粘、ゲル化を著しく低
減することができる点で、有利である。
【0094】前記水膨潤性合成雲母の前記下塗り層にお
ける含有量としては、雲母/ゼラチンの質量比率で1/
20〜1/2が好ましい。前記水膨潤性合成雲母の含有
量が、1/20未満であると、下塗層が酸素遮断層とし
て十分に機能しなくなることがあり、1/2を超える
と、塗布性等の製造適性が悪化することがある。
【0095】また、前記下塗層における雲母の塗布量と
しては、通常0.01g/m2以上であり、0.02g
/m2以上が好ましい。前記雲母の塗布量が、0.01
g/m2未満であると、下塗り層における酸素遮断能が
低下し、地肌部の着色等を防止するという特性を発揮す
ることができないことがある。
【0096】(中間層)本発明においては、前記感熱記
録層を色相の異なる感熱発色層による積層構造とする場
合には、各感熱記録層の間に混色等を防止するための中
間層を設けるのが好ましい。前記中間層としては、特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
が、水溶性高分子化合物などを用いて形成することがで
きる。
【0097】前記水溶性高分子化合物としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム、スチレン−マレイン酸共重合体、ゼラチン及び/
又はゼチラン誘導体、ポリエチレングリコール及び/又
はポリエチレングリコール誘導体からなるものが好適に
挙げられる。
【0098】また、前記中間層には、前記無機の層状化
合物を好適に添加することができる。前記中間層が、前
記無機の層状化合物を含有すると、層間の物質移動を抑
制・防止することにより混色を防止でき、かつ、酸素の
供給を抑制することにより生保存性及び色像保存性を向
上させることができる。
【0099】(光透過率調整層)本発明においては、光
透過率調整層を好適に設けることができる。前記光透過
率調整層は、前記感熱記録材料中に少なくとも1層設け
ることのが好ましく、前記感熱記録層と前記保護層との
間に形成するのがより好ましい。なお、前記光透過率調
整層を前記保護層と兼用するように設計してもよい。前
記光透過率調整層は、紫外線吸収剤の前駆体として機能
する成分を含有し、定着に必要な領域の波長の光照射前
は紫外線吸収剤として機能しないので、光透過率が高
く、前記感熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の
波長を十分に透過させ、また、可視光線の透過率も高
く、前記感熱記録層の定着に支障は生じない。
【0100】前記紫外線吸収剤の前駆体として機能する
成分は、前記感熱記録層の光照射による定着に必要な領
域の波長の光照射が終了した後、光又は熱などで反応す
ることにより紫外線吸収剤として機能するようになり、
紫外線領域の定着に必要な領域の波長の光は、紫外線吸
収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低くなり、
感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の吸収効
果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わらな
い。
【0101】前記紫外線吸収剤の前駆体として機能する
成分の例としては、下記一般式(1)〜(4)のいずれ
かで表される化合物が好適に挙げられる。
【0102】
【化9】
【0103】一般式(1)〜(4)において、mは、1
又は2を表す。Aは、m=1のときの一般式(1)、及
び一般式(2)〜(4)において、−SO2−R、−C
O−R、−CO2−R、−CONH−R、−POR
12、−CH 23又は−SiR456を表す。また、
Aは、m=2のときの一般式(1)において、−SO2
7SO2−、−CO−、−COCO−、−COR7CO
−、−SO2−又は−SO−を表す。
【0104】Xは、一般式(1)、(3)及び(4)に
おいて、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基又はハロゲン原子を表す。また、Xは、一般式
(2)において、アルキレン基、−OR7O−又は−O
COR7CO2−を表す。Wは、一般式(1)、(2)及
び(4)において、水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基又はハロゲン原子を表す。また、Wは、
一般式(3)において、−OR7O−又は−OCOR7
2−を表す。
【0105】Yは、一般式(1)、(2)、(3)にお
いて、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール
基又はハロゲン原子を表す。また、Yは、一般式(4)
において、−OR7O−、−OCOR7CO2−、−CH2
CH2CO27OCOCH2CH2−、−CH2CH2OC
OR7CO2CH2CH2−、又は−CH2CH2CON(R
8)R7N(R8)COCH2CH2−を表す。
【0106】Zは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基又はアルコキシ基を表す。ここで、Rは、アルキル基
又はアリール基を表す。R1及びR2は、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキル基又はアリール基を表す。
3は、ニトロ基又はメトキシ基で少なくとも1つ置換
したフェニル基を表す。R4、R5及びR6は、アルキル
基又はアリール基を表す。R7は、アルキレン基又はア
リーレン基を表す。R8は、水素原子又はアルキル基を
表す。
【0107】前記アルキル基は、直鎖状であってもよい
し、分岐状であってもよく、また、不飽和結合を有して
いてもよく、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリ
ール基、ヒドロキシ基などで置換されていてもよい。ま
た前記アリール基は、さらにアルキル基、アルコキシ
基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0108】前記アルキレン基は、直鎖状であってもよ
いし、分岐状であってもよく、不飽和結合、酸素原子、
硫黄原子、窒素原子を含んでいてもよい。また、前記ア
ルキレン基は、さらにアルコキシ基、ヒドロキシ基、ア
リールオキシ基、又はアリール基で置換されていてもよ
い。
【0109】前記アリーレン基は、さらにアルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されていてもよ
い。
【0110】X、Y、及びWで表される置換基として
は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のア
ルコキシ基、炭素数6〜18のアリール基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子又は水素原子が好ましく、これ
らの中でも、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜
12のアルコキシ基、フェニル基、又は水素原子、塩素
原子が特に好ましい。
【0111】Zで表される置換基としては、水素原子、
塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、これらの中
でも、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアル
コキシ基又は水素原子、塩素原子が特に好ましい。
【0112】Rで表される置換基としては、炭素数1〜
18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基が好ま
しく、これらの中でも、炭素数1〜12のアルキル基、
炭素数6〜12のアリール基が特に好ましい。
【0113】R1及びR2で表される置換基としては、炭
素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリー
ルオキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜
12のアリール基が好ましい。
【0114】R3で表される置換基としては、2−ニト
ロフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,
4,5−トリメトキシフェニル基が好ましい。
【0115】R4、R5及びR6で表される置換基として
は、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の
アリール基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基又は
フェニル基が特に好ましい。
【0116】1分子内にベンゾトリアゾール環を2個有
するいわゆるビス体において、R7で表される置換基と
しては、炭素数1〜12のアルキレン基又は炭素数6〜
12のアリーレン基が好ましく、R8で表される置換基
としては、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好
ましい。
【0117】Aで表される置換基としては、−SO2
が特に好ましい。
【0118】以下、前記置換基の具体例を挙げるが、本
発明はこれに限定されるものではない。X、Y、及びW
で表される置換基のうち1価のものとしては、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、アリル基、2−ブテニル
基、ベンジル基、α−ジメチルベンジル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、
オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、メトキシエトキ
シ基、フェノキシエトキシ基、メトキシカルボニルエチ
ル基、エトキシカルボニルエチル基、プロピルオキシカ
ルボニルエチル基、ブチルオキシカルボニルエチル基、
オクチルオキシカルボニルエチル基、フェノキシカルボ
ニルエチル基、フェニル基、トリル基、塩素原子、フッ
素原子、臭素原子などが挙げられ、2価のものとして
は、下記のものが挙げられる。
【0119】
【化10】
【0120】Zで表される置換基としては、水素原子、
塩素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル
基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、オク
チルオキシ基などが挙げられる。
【0121】Aで表される置換基として1価のものとし
ては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ブタ
ンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、4−メチルベ
ンゼンスルホニル基、2−メシチレンスルホニル基、4
−メトキシベンゼンスルホニル基、4−オクチルオキシ
ベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリイソプロピル
ベンゼンスルホニル基、β−スチレンスルホニル基、ビ
ニルベンゼンスルホニル基、4−クロロベンゼンスルホ
ニル基、2,5−ジクロロベンゼンスルホニル基、2,
4,5−トリクロロベンゼンスルホニル基、1−ナフタ
レンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基、キノ
リンスルホニル基、チオフェンスルホニル基、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、ラウ
ロイル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、シンナモイ
ル基、フロイル基、ニコチノイル基、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基、ヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカル
ボニル基、ジフェニルホスホリル基、ジエチルホスホリ
ル基、2−ニトロベンジル基、3,5−ジメトキシベン
ジル基、3,4,5−トリメトキシベンジル基、トリメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチ
ルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル
フェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基などが挙げられ、2価のものとしては下
記のものが挙げられる。
【0122】
【化11】
【0123】Aが−SiR456の場合は、光反応性
の向上を目的として、アンモニウム塩、ジアゾニウム
塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム
塩、オニウム塩などの光酸発生剤を併用してもよい。こ
れら光酸発生剤の具体例としては、「イメージング用有
機材料」(有機エレクトロニクス材料研究会編、199
3年)に記載のものが挙げられる。
【0124】前記一般式(1)〜(4)で表される化合
物は、従来公知の方法で簡易に合成することができ、こ
れらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0125】前記光透過率調整層における前記一般式
(1)〜(4)で表される化合物の含有の態様について
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
でき、例えば、これらを、(1)固体分散による含有さ
せる方法、(2)乳化分散により含有させる方法、
(3)ポリマー分散により含有させる方法、(4)ラテ
ックス分散により含有させる方法、(5)マイクロカプ
セル化して含有させる方法、などが挙げられる。これら
の中でも、乳化分散により含有させる方法、マイクロカ
プセル化して含有させる方法が好ましい。
【0126】前記乳化分散の方法としては、まず前記一
般式(1)〜(4)で表される化合物をオイルに溶解す
る。このオイルは、常温で固体であってもよいし、液体
であってもよく、ポリマーであってもよく、酢酸エステ
ル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等の低沸点
補助溶剤及び/又はりん酸エステル、フタル酸エステ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、その
他のカルボン酸エテスル、脂肪酸アミド、アルキル化ビ
フェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタ
レン、ジアリールエタン、塩素化パラフィン、アルコー
ル系、フェノール系、エーテル系、モノオレフィン系、
エポキシ系、などが挙げられる。
【0127】具体例としては、りん酸トリクレジル、り
ん酸トリオクチル、りん酸オクチルジフェニル、りん酸
トリシクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジラウレート、フタル酸ジシクロヘキ
シル、オレフィン酸ブチル、ジエチレングリコールベン
ゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチ
ル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチ
ル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチ
ル、マレイン酸ジブチル、イソアミルビフェニル、塩素
化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1´−
ジトリルエタン、2,4−ジタ−シャリアミルフェノー
ル、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリ
オクチルアニリン、ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキ
シルエステル、ポリエチレングリコール等の高沸点オイ
ル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよく、これらの中で
も、アルコール系、りん酸エステル系、カルボン酸系エ
ステル系、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェ
ニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタンが好ま
しい。
【0128】本発明においては、前記オイルに、ヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミン等の炭化防止剤を添
加してもよい。前記一般式(1)〜(4)で表される化
合物を含む前記オイルを、水溶性高分子の水溶液中に添
加し、コロイドミル、ホモジナイザー又は超音波により
乳化分散させる。
【0129】前記水溶性高分子としては、ポリビニルア
ルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール、アミノ変性ポリビニ
ルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、
スチレンー無水マレイン酸共重合体、ブタジエン無水マ
レイン酸共重合体、エチレン無水マレイン酸共重合体、
イソブチレン無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルア
ミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピロリド
ン、エチレン−アクリル酸共重合体、ゼラチンなどが挙
げられる。本発明においては、前記水溶性高分子に、必
要に応じて界面活性剤等を添加してもよいし、また、疎
水性高分子のエマルジョン又はラテックスなどを併用し
てもよい。
【0130】前記ジアゾニウム塩化合物、あるいは前記
一般式(1)〜(4)で表される化合物をマイクロカプ
セル化する場合、そのマイクロカプセル化の方法として
は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、前
記ジアゾニウム塩化合物、又は前記一般式(1)〜
(4)で表される化合物と、マイクロカプセル壁前駆体
とを水に難溶又は不溶の有機溶剤に溶解し、水溶性高分
子の水溶液中に添加しホモジナイザーなどを用いて乳化
分散し、昇温してマイクロカプセル壁となる高分子物質
を油/水界面に壁膜を形成することにより、該ジアゾニ
ウム塩化合物、又は該一般式(1)〜(4)で表される
化合物のマイクロカプセルを調製することができる。
【0131】前記マイクロカプセル壁膜の具体例として
は、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、スチレンーアクリレート共重合体樹脂、スチレ
ンーメタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、などからなる壁膜が挙げられる。これら
の中でも、ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁膜
が好ましい。
【0132】該ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる
壁膜を有するマイクロカプセルは、例えば、多価イソシ
アネート等のマイクロカプセル壁前駆体を、マイクロカ
プセル化すべき芯物質中に混合し、ポリビニルアルコー
ル等の水溶性高分子の水溶液に乳化分散し、液温を上昇
させて油滴界面で高分子形成反応を起こすことによって
製造される。
【0133】前記多価イソシアネート化合物の具体例と
しては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン
−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、3,3′−ジフェニルメタン
−4,4′−ジイソシアネート、キシレン−1,4−ジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソ
シアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソ
シアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シ
クロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘ
キシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネ
ート類、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソ
シアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネー
ト等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフ
ェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネ
ート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、
2,4ートリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンとの付加物、トリレンジイソシアネ
ートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシアネー
トプレポリマー、などが挙げられる。これらは、1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、こ
れらの中でも、分子内にイソシアネート基を三個以上有
するものが特に好ましい。
【0134】前記マイクロカプセル化の方法において、
前記ジアゾニウム塩化合物、又は前記一般式(1)〜
(4)で表される化合物を溶解させる有機溶剤として
は、前記乳化分散の方法において示したオイルを用いる
ことができる。また、水溶性高分子についても同様であ
る。
【0135】前記マイクロカプセルの平均粒径として
は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μ
mがより好ましい。
【0136】本発明においては、耐光性を更に向上させ
るため、以下に示す公知の酸化防止剤を前記感熱記録材
料中に添加することができる。このような酸化防止剤と
しては、例えば、ヨーロッパ公開特許第310551号
公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、ヨーロ
ッパ公開特許第310552号公報、特開平3−121
449号公報、ヨーロッパ公開特許第459416号公
報、特開平2−262654号公報、特開平2−712
62号公報、特開昭63−163351号公報、アメリ
カ特許第4814262号、特開昭54−48535号
公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119
449号公報、アメリカ特許第4980275号、特開
昭63−113536号公報、特開昭62−26204
7号公報、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、
ヨーロッパ公開特許第309402号公報、ヨーロッパ
公開特許第309401号公報等に記載の酸化防止剤な
どが挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0137】
【化12】
【0138】
【化13】
【0139】
【化14】
【0140】
【化15】
【0141】
【化16】
【0142】
【化17】
【0143】
【化18】
【0144】
【化19】
【0145】また、特開昭60−125470号公報、
特開昭60−125471号公報、特開昭60−125
472号公報、特開昭60−287485号公報、特開
昭60−287486号公報、特開昭60−28748
7号公報、特開昭62−146680号公報、特開昭6
0−287488号公報、特開昭62−282885号
公報、特開昭63−89877号公報、特開昭63−8
8380号公報、特開昭63−088381号公報、特
開平01−239282号公報、特開平04−2916
85号公報、特開平04−291684号公報、特開平
05−188687号公報、特開平05−188686
号公報、特開平05−110490号公報、特開平05
−1108437号公報、特開平05−170361号
公報、特開昭63−203372号公報、特開昭63−
224989号公報、特開昭63−267594号公
報、特開昭63−182484号公報、特開昭60−1
07384号公報、特開昭60−107383号公報、
特開昭61−160287号公報、特開昭61−185
483号公報、特開昭61−211079号公報、特開
昭63−251282号公報、特開昭63−05117
4号公報、特公昭48−043294号公報、特公昭4
8−033212号公報、などに記載の酸化防止剤が挙
げられる。
【0146】具体例には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
−4−ヒドロキシフェニルプロパン、1,1−ビス−4
−ヒドロキシフェニル−2−エチルヘキサン、2−メチ
ル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2
−フェニルインドールがなどが挙げられる。これらの酸
化防止剤は、前記感熱記録層、前記中間層、前記光透過
率調整層、前記保護層に添加することができる。
【0147】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。な
お、以下において「部」は、特に断りのない限り総て
「質量部」を意味する。
【0148】(実施例1) <下塗り層> ―ゼラチン溶液の調製― 酵素分解ゼラチン(平均分子量:10000、PAGI
法粘度:15mP、PAGI法ゼリー強度:20g)4
0部を水60部に加えて40℃で攪拌溶解してゼラチン
溶液を調製した。 ―雲母分散液の調製― 水膨潤性の合成雲母(アスペクト比:1000、商品名
ソマシフME100、コープケミカル社製)8部と水9
2部とを混合した後、ビスコミルで湿式分散し、平均粒
径が2.0μmの雲母分散液を得た。この雲母分散液に
雲母濃度が5質量%となるように水を加え、均一に混合
し、所望の雲母分散液を調製した。
【0149】―下塗り層の形成― 40℃の40質量%前記ゼラチン溶液100部に、水1
20部及びメタノール556部を加え、十分攪拌混合し
た後、5質量%前記雲母分散液208部を加えて、十分
攪拌混合し、1.66質量%エチレンオキサイド系界面
活性剤9.8部を加えた。そして、液温を35℃から4
0℃に保ち、前記E−1で表されるゼラチン硬膜剤7.
3部を加えて、下塗り層用塗布液(5.7質量%)を調
製した。
【0150】この下塗り層用塗布液を、雲母の塗布量が
0.2g/m2となるように、上質紙の両面にポリエス
テルフィルムをラミネートしてなる支持体上に塗布し、
下塗り層を形成した。
【0151】<感熱記録層A用塗布液の調製> ―電子供与性無色染料前駆体マイクロカプセル液の調製
― 電子供与性無色染料前駆体としてクリスタルバイオレッ
トラクトン3.0部を、酢酸エチル20部に溶解し、さ
らに高沸点溶媒であるアルキルナフタレンを20部添加
し、加熱して均一に混合した。マイクロカプセル壁剤と
して、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプ
ロパン付加物20部をこの溶液に更に添加し、均一に攪
拌し、これを電子供与性無色染料前駆体溶液とした。別
途、ゼラチンの6質量%水溶液54部を用意し、前記電
子供与性無色染料前駆体溶液を添加し、ホモジナイザー
にて乳化分散した。得られた乳化液に、水68部を加え
均一化した後、攪拌しながら50℃に昇温し、3時間マ
イクロカプセル化反応を行わせ、電子供与性無色染料前
駆体マイクロカプセル液を調製した。マイクロカプセル
の平均粒径は1.6μmであった。
【0152】―電子受容性化合物分散液の調製― 電子受容性化合物としてビスフェノールA30部をゼラ
チン4質量%水溶液150部中に加えてボールミルにて
24時間分散して、電子受容性化合物分散液を得た。こ
の電子受容性化合物分散液中の前記電子受容性化合物の
平均粒径は1.2μmであった。
【0153】―感熱記録層A用塗布液の調製― 次に、前記電子供与性染料前駆体マイクロカプセル液
と、前記電子受容性化合物分散液とを、電子供与性染料
前駆体/電子受容性化合物の比率がl/2となるように
混合し、更に、前記構造式(1)で表されるドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムを、該感熱記録層A用塗布
液を塗布して形成した感熱記録層Aにおける塗布量が
0.1g/m2となるように添加して、目的の感熱記録
層A用塗布液を調製した。
【0154】<感熱記録層B用塗布液の調製> ―ジアゾニウム塩化合物マイクロカプセル液の調製― ジアゾニウム塩化合物として4−(N−(2−(2,4
−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラ
ジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェー
ト2.0部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに高佛点
溶媒であるアルキルナフタレンを20部添加し、加熱し
て均一に混合した。マイクロカプセル壁剤として、キシ
リレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加
物15部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌した。別
途、ゼラチンの6質量%水溶液54部を用意し、先のジ
アゾニウム塩化合物溶液を添加し、ホモジナイザーにて
乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加え均一化
した後、攪拌しながら40℃に昇温し、3時間マイクロ
カプセル化反応を行わせ、目的のジアゾニウム塩化合物
マイクロカプセル液を調製した。マイクロカプセルの平
均粒径は1.1μmであった。
【0155】―カプラー乳化液の調製― カプラーとして1−(2’−オクチルフェニル)−3−
メチル−5−ピラゾロン2部、1,2,3−トリフェニ
ルグアニジン2部、l,1−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチルヘキサン2部、4,4’−(p−フェ
ニレンジイソプロピリデン)ジフェノール4部、2−エ
チルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート4部、トリ
クレジルホスフェート0.3部、マレイン酸ジエチル
0.1部、及び、70%ドデシルベンゼンスルホン酸カ
ルシウムメタノール溶液1部を、酢酸エチル10部中に
溶解し、この溶液を8%ゼラチン水溶液80部に添加
し、ホモジナイザーで10分間乳化した後、酢酸エチル
を除去して目的のカプラー乳化液を調製した。
【0156】―感熱記録層B用塗布液の調製― 次に、前記ジアゾニウム塩化合物マイクロカプセル液
と、前記カプラー分散液とを、ジアゾニウム塩化合物/
カプラーの比率が2/3となるように混合し、目的の感
熱記録層B用塗布液を調製した。
【0157】<感熱記録層C用塗布液> ―ジアゾニウム塩化合物マイクロカプセル液の調製― ジアゾニウム塩化合物として2,5−ジブトキシ−4−
トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォス
フェート3.0部を酢酸エチル20部に溶解し、さらに
高沸点溶媒であるアルキルナフタレンを20部添加し、
加熱して均一に混合した。マイクロカプセル壁剤とし
て、キシリレンジイソシアナート/トリメチロールプロ
パン付加物15部をこの溶液に更に添加し、均一に攪拌
した。別途、ゼラチンの6質量%水溶液54部を用意
し、先のジアゾニウム塩化合物溶液を添加し、ホモジナ
イザーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を
加え均一化した後、攪拌しながら40℃に昇温し、3時
間マイクロカプセル化反応を行わせ目的のジアゾニウム
塩化合物マイクロカプセル液を得た。マイクロカプセル
の平均粒径は1.0μmであった。
【0158】―カプラー分散液の調製― カプラーとして2−クロロ−5−(3−(2,4−ジ−
tert−ペンチル)フェノキシプロピルアミノ)アセ
トアセトアニリド2部、1,2,3−トリフェニルグア
ニジン2部、1,l−(p−ヒドロキシフェニル)−2
−エチルヘキサン2部、4,4’−(p−フェニレンジ
イソプロピリデン)ジフェノール4部、2−エチルヘキ
シル−4−ヒドロキシベンゾエート4部、トリクレジル
ホスフェート0.3部、マレイン酸ジエチル0.1部、
及び、70%ドテシルベンゼンスルホン酸カルシウムメ
タノール溶液1部を、酢酸エチル10部中に溶解し、こ
の溶液を8%ゼラチン水溶液80部に添加し、ホモジナ
イザーで10分間乳化した後、酢酸エチルを除去して目
的のカプラー分散液を調製した。
【0159】―感熱記録層C用塗布液の調製― 次に、前記ジアゾニウム塩化合物マイクロカプセル液
と、前記カプラー分散液とを、ジアゾニウム塩化合物/
カプラーの比率が4/5となるように混合し、目的の感
熱記録層C用塗布液を調製した。
【0160】<光透過率調整層> ―紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液の調製― 酢酸エチル30部に、紫外線吸収剤前駆体として〔2−
アリル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)
−4−t−オクチルフェニル〕ベンゼンスルホナート1
0部、2,5−ジ−t−オクチル−ハイドロキノン3
部、トリクレジルフォスフェート2部、及びα−メチル
スチレンダイマー4部を溶解した。マイクロカプセル壁
剤として、キシリレンジイソシアナート/トリメチロー
ルプロパン付加物20部をこの溶液に更に添加し、均一
に攪拌した。別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコー
ル8%水溶液200部を用意し、先の紫外線吸収剤前駆
体溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得
られた乳化液に水120部を加え均一化した後、攪拌し
ながら、40℃に昇温し、3時間カプセル化反応を行わ
せ目的の紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液を調製
した。マイクロカプセルの平均粒径は0.3μmであっ
た。
【0161】―光透過率調整層用塗布液の調製― 前記紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液100部
に、2%〔4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン〕
ブチルスルホン酸ナトリウム水溶液10部を添加し光透
過率調整層用塗布液を調製した。
【0162】<中間層用塗布液の調製>10%ゼラチン
水溶液100部に、2%(4−ノニルフェノキシトリオ
キシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム2部を添加
し中間層用塗布液を調製した。
【0163】<保護層用塗布液の調製> −保護層用顔料分散物の作製− 硫酸バリウム(商品名:BF−21F、堺化学工業
(株)製)4部に陰イオン性特殊ポリカルボン酸型高分
子活性剤(商品名:ポイズ532A(40質量%水溶
液)、花王(株)製)0.1部、イオン交換水15.9
部を混合し、ダイノミルにて分散して硫酸バリウム分散
液を作製した。この分散液は、粒径測定(LA−91
0、堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で
0.15μm以下であった。上記硫酸バリウム分散液4
6部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテック
スO(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)4部
を添加して目的の保護層用顔料分散物を得た。
【0164】−保護層マット剤分散液の調製− 小麦澱粉(商品名:小麦澱粉S、新進食料工業(株)
製)220部に1−2ベンズイソチアゾリン3オンの水
分散物(商品名:PROXEL B.D,I.C.I
(株)製)3.5部、イオン交換水1950部を混合
し、均一に分散して保護層用マット剤分散液を得た。
【0165】−保護層用塗布ブレンド液の調製− 4質量%のビニルアルコール−アルキルビニルエーテル
共重合物(商品名:EP−130、電気化学工業(株)
製)水溶液1000部に(4−ノニルフェノキシトリオ
キシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学
(株)製(2.0質量%水溶液))30部、N−(パー
フルオロ−1−オクタンスルホニル)−N−プロピルア
ミノ酢酸カリウム塩(商品名:メガファックF−120
(2質量%水溶液)大日本インキ化学工業(株))30
部、前記保護層用顔料分散液90部、前記保護層用マッ
ト剤分散液16部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:
L111(21質量%水溶液)中京油脂(株)製)45
部を均一に混合して保護層用塗布ブレンド液を得た。
【0166】<各感熱記録層用塗布液の塗布>前記下塗
り層上に、前記感熱記録層A用塗布液、前記中間層用塗
布液、前記感熱記録層B用塗布液、前記中間層用塗布
液、前記感熱記録層C用塗布液、前記光透過率調整層用
塗布液、前記保護層用塗布液の順に、60m/minの
塗布速度で、7層連続で塗布し、30℃、湿度30%、
及び40℃、湿度30%の条件で、それぞれ乾燥して、
多色の感熱記録材料を得た。
【0167】固形分塗布量は、感熱記録層Aが6.0g
/m2、中間層が3.0g/m2、感熱記録層Bが6.0
g/m2、中間層が3.0g/m2、感熱記録層Cが5.
0g/m2、光透過率調整層が3.0g/m2、保護層が
1.5g/m2、となるように調整して塗布した。
【0168】(実施例2)硫酸バリウム分散液46部に
対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO
(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)4部を添
加して保護層用顔料分散液を作製したのに代えて、硫酸
バリウム分散液42部に対し、コロイダルシリカ(商品
名:スノーテックスO(20質量%水分散液)、日産化
学(株)製)8部を添加して保護層用顔料分散液を作製
したこと以外は、実施例1と同様にした。
【0169】(比較例1)コロイダルシリカ(商品名:
スノーテックスO(20質量%水分散液)、日産化学
(株)製)を添加せずに保護層用顔料分散液を作製した
以外は実施例1と同様にした。 (比較例2)硫酸バリウム分散液46部に対し、コロイ
ダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20質量%水
分散液)、日産化学(株)製)4部を添加して保護層用
顔料分散液を作製したのに代えて、硫酸バリウム分散液
48部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテッ
クスO(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)2
部を添加して保護層用顔料分散液を作製したこと以外
は、実施例1と同様にした。
【0170】(比較例3)硫酸バリウム分散液46部に
対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO
(20質量%水分散液)、日産化学(株)製)4部を添
加して保護層用顔料分散液を作製したのに代えて、硫酸
バリウム分散液30部に対し、コロイダルシリカ(商品
名:スノーテックスO(20質量%水分散液)、日産化
学(株)製)20部を添加して保護層用顔料分散液を作
製したこと以外は、実施例1と同様にした。(比較例
4)上記硫酸バリウム分散液を添加せずにコロイダルシ
リカ(商品名:スノーテックスO(20質量%水分散
液)、日産化学(株)製)を保護層用顔料分散液とした
以外は実施例1と同様にした。
【0171】(比較例5)4質量%のビニルアルコール
−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名:EP−1
30、電気化学工業(株)製)水溶液を4質量%のポリ
ビニルアルコール(商品名:PVA217C、クラレ
(株)製)水溶液に変更する以外は実施例1と同様にし
た。 (比較例6)硫酸バリウム分散液46部に対し、コロイ
ダルシリカ(商品名:スノーテックスO(20質量%水
分散液)、日産化学(株)製)4部を添加して保護層用
顔料分散液を作製したのに代えて、硫酸バリウム分散液
46部に対し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテッ
クスYL(40質量%水分散液)、日産化学(株)製)
2部とイオン交換水2部を添加して保護層用顔料分散液
を作製したこと以外は、実施例1と同様にした。 (比較例7)ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:L11
1(21質量%水溶液)中京油脂(株)製)45部をス
テアリン酸亜鉛分散液(商品名:L111(21質量%
水溶液)中京油脂(株)製)90部に変更して保護層用
塗布ブレンド液を作製する以外は実施例1と同様にし
た。
【0172】以下に示す測定を行った。 (光沢性)富士写真フイルム(株)製デジタルプリンタ
ー「NC−300」にて印字し、その印画した黒ベタ部
の鏡面光沢度をスガ試験機(株)製デジタル変角光沢度
計「UGV−5D」にて20°の入射角で測定した。数
字が大きいほど光沢度が良好である。 (接触角)富士写真フイルム(株)製デジタルプリンタ
ー「NC−300」にて印字した黒ベタ部分の水の接触
角を協和界面科学(株)製の接触角計(FACE 接触
角計 CA−D型)により測定した。
【0173】(ヘッド汚れ)富士写真フイルム(株)製
デジタルプリンター「NC−300」にて、印画エネル
ギー(9〜105mJ/mm2)をランダムにかけA5
サイズの黒ベタ画像を連続10000枚印画し、印画後
のサーマルヘッドの汚れ具合を触針式表面形状測定機
(KALテンコール(株)製、P−11)で印画前後で
のサーマルヘッド抵抗体素子表面の形状変化を測定し、
その差から汚れ量を算出して規格化した。値が小さい方
がヘッドの汚れも少ない。以上の結果を表1に示す。
【0174】
【表1】
【0175】表1から明らかなように、比較例1〜4の
感熱記録材料においては、いずれの場合もヘッド汚れが
大きく、10000枚以下の印画で濃度むらによる画質
の低下や印画障害が発生した。それに対し実施例1及び
2の感熱記録材料においては、ヘッド汚れが少なく、1
0000枚印画でも画質の低下はあらわれなかった。ま
た、実施例1及び2の感熱記録材料は、光沢性にも優れ
ていた。
【0176】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料によれば、高い光
沢性を有する画像を形成することができると共に、ヘッ
ド汚れを防止して高画質の画像を安定して出力すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 DD01 DD09 DD32 DD48 DD55 FF11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、感熱記録層と、長鎖アルキ
    ルエーテル変性ポリビニルアルコール、及び粒径の異な
    る2種以上の無機超微粒子を含有する保護層とを順次有
    する感熱記録材料であって、 前記無機超微粒子の2種が、平均粒径0.05〜0.2
    0μmの硫酸バリウム、及び平均粒径10〜50nmの
    コロイダルシリカであり、かつ前記コロイダルシリカ
    が、硫酸バリウムに対して8〜24質量%含有されてい
    ることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 印画後の印画面の水に対する接触角が8
    5°以上である請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルア
    ルコールが、炭素数8〜20のアルキル基を有するアル
    キルエーテル変性ポリビニルアルコールである請求項1
    又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 長鎖アルキルエーテル変性ポリビニルア
    ルコールが、下記の一般式(Z)からなるポリマーであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。 【化1】 一般式(Z)中、R1は水素原子、メチル基、または−
    CH2CO2Mを表し、R2は水素原子、または−CO2
    を表し、R3は水素原子、−CO2M、アミノ基、アミド
    基、置換アミド基、ヒドロキシ基、グリシジル基、スル
    ホン酸基、ポリエチレンオキサイド基、ポリプロピレン
    オキサイド基、またはこれらの官能基を有する基を表
    し、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5は炭素原
    子数8〜20のアルキル基を表す。Mは水素原子、アル
    キル基、アリール基、アラルキル基、Na、K、または
    Liを表す。n、x、y、zはそれぞれ重合度を表す。
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