JP2002307269A - コネクチングロッドの研削装置および研削方法 - Google Patents

コネクチングロッドの研削装置および研削方法

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JP2002307269A
JP2002307269A JP2001109511A JP2001109511A JP2002307269A JP 2002307269 A JP2002307269 A JP 2002307269A JP 2001109511 A JP2001109511 A JP 2001109511A JP 2001109511 A JP2001109511 A JP 2001109511A JP 2002307269 A JP2002307269 A JP 2002307269A
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grinding
connecting rod
connecting rods
holding
pair
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English (en)
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Yukio Ozaki
幸雄 尾▲崎▼
Kyoichi Yasuda
強一 安田
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度が良いとともに生産効率が良いコネクチ
ングロッドの研削装置および研削方法を提供する。 【解決手段】 それぞれ複数のコネクチングロッド12
を保持するワークポケットギア50および52が、回動
可能なインデックスキャリア40に設けられる。インデ
ックスキャリア40が回動すると1つのワークポケット
ギア50または52が待機位置から研削位置へ送り込ま
れるとともに研削位置にある他のワークポケットギア5
2または50が待機位置へ移動される。一対の砥石26
は、砥石軸28aおよび28bと平行方向に対称移動さ
れ、一対の砥石26の研削面26aと平行な面で回転駆
動されるコネクチングロッド12を両面から挟み付けて
研削する。さらに、研削後のコネクチングロッド12の
寸法を測定する寸法測定装置16を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コネクチングロ
ッドの研削装置および研削方法に関し、より特定的には
一対の砥石を回転させてコネクチングロッドの両面を研
削する、コネクチングロッドの研削装置および研削方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図14を参照して、自動車や二輪車のエ
ンジンのピストンとクランクシャフトとを連結するコネ
クチングロッド1は、ピストンに連結される小端部2と
クランクシャフトに連結される大端部3とを有する。小
端部2の表裏の加工面2aおよび大端部3の表裏の加工
面3aは、鍛造後に後工程の基準面を作るための粗研削
工程と、仕上げ研削工程との2工程を経て研削される。
【0003】従来よりコネクチングロッド1の研削は、
粗研削工程および仕上げ研削工程ともに、図15に示す
ような横型ロータリーキャリア式両頭平面研削盤4によ
って行われている。横型ロータリーキャリア式両頭平面
研削盤4は、特開昭61−95867号公報、および特
開昭51−127193号公報にも開示されているよう
に、一対の砥石5とロータリーキャリアプレート6とを
備える。ロータリーキャリアプレート6は周方向に所定
間隔をあけて多数のコネクチングロッド1を保持し、こ
のコネクチングロッド1をガイドプレート7でガイドし
ながら順次一対の砥石5間に送り込む。コネクチングロ
ッド1が一対の砥石5間に入るときは、図16(a)に
示すように、先に小端部2が研削されながら入り、その
後大端部3が入って研削される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが一対の砥石5
の特に周縁部付近は必ずしも同程度に磨耗していない。
このため、図16(b)に示すように、小端部2の加工
面2aは磨耗の少ない方の一方の砥石5aに先に接触
し、コネクチングロッド1は角度θで傾きながら砥石5
aおよび5b間に押し込まれ研削される。これによっ
て、コネクチングロッド1に曲がりが生じ、平面度が悪
くなってしまう。また、コネクチングロッド1が傾くこ
とによって、表裏の加工面2aの取代にアンバランスが
生じ、平行度が悪くなってしまう。また砥石5aおよび
5bの入口付近で一気に研削されるため、砥石5aおよ
び5bの研削抵抗は取代に比例して大きくなり、砥石5
aおよび5bの研削能力を超える取代であるとコネクチ
ングロッド1に焼けが発生する。焼けが発生するとさら
に平面度、平行度が悪化する。このため、取代の大きい
コネクチングロッド1は1回の砥石5間の通過で研削す
ることができず、砥石5間を2回以上通過させて研削す
る必要があり、生産効率が悪くなってしまう。
【0005】また、加工面2aおよび3aの面積が異な
るために、加工面2aおよび3aに対する砥石5の面圧
力も異なる。すなわち、面積の小さい小端部2の方が面
積の大きな大端部3よりも面圧力が大きく、仕上がり厚
みが薄くなってしまう。このこともコネクチングロッド
1の平行度が悪化する原因となっている。さらに、従来
の両頭平面研削盤4では、回転しているロータリーキャ
リヤプレート6に研削すべきコネクチングロッド1を挿
入しなければならないため、挿入ミスが多く、その度に
両頭平面研削盤4が停止して生産効率が悪い。それゆえ
にこの発明の主たる目的は、精度が良いとともに生産効
率が良いコネクチングロッドの研削装置および研削方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載のコネクチングロッドの研削装置
は、コネクチングロッドを研削するために間隔をあけて
配置されかつ回転する一対の砥石、前記コネクチングロ
ッドを保持する保持手段、前記保持手段に保持された前
記コネクチングロッドを前記一対の砥石間に送り込む送
り込み手段、前記保持手段に保持された前記コネクチン
グロッドを前記砥石の研削面と平行な面で回転させる駆
動手段、および前記一対の砥石間に送り込まれた前記コ
ネクチングロッドを両面から挟持して切り込むために前
記一対の砥石をその回転軸と平行方向に対称移動させる
砥石切込手段を備える。請求項2に記載のコネクチング
ロッドの研削装置は、請求項1に記載の研削装置におい
て、前記保持手段を少なくとも2つ備え、前記送り込み
手段は、前記保持手段の1つを待機位置から研削位置へ
移動させるとともに、前記研削位置の保持手段を前記待
機位置へ移動させることを特徴とする。
【0007】請求項3に記載のコネクチングロッドの研
削装置は、請求項1または2に記載の研削装置におい
て、前記保持手段は、前記コネクチングロッドを複数保
持することを特徴とする。請求項4に記載のコネクチン
グロッドの研削装置は、請求項3に記載の研削装置にお
いて、前記保持手段に保持される複数の前記コネクチン
グロッドは対称に配置されることを特徴とする。請求項
5に記載のコネクチングロッドの研削装置は、請求項3
に記載の研削装置において、前記保持手段に保持される
複数の前記コネクチングロッドは、複数の前記コネクチ
ングロッドの総重量の重心が前記保持手段の中心に位置
するように配置されることを特徴とする。
【0008】請求項6に記載のコネクチングロッドの研
削装置は、請求項1から5のいずれかに記載の研削装置
において、研削後の前記コネクチングロッドの寸法を測
定する測定手段、および前記測定手段で測定した寸法に
基づいて前記砥石切込手段による前記砥石の切込量を制
御する制御手段をさらに備えることを特徴とする。請求
項7に記載のコネクチングロッドの研削装置は、請求項
6に記載の研削装置において、前記測定手段は前記コネ
クチングロッドに接触する測定ヘッドを含み、前記測定
ヘッドは、前記コネクチングロッドの寸法測定のために
垂直方向および水平方向に移動可能であることを特徴と
する。
【0009】請求項8に記載のコネクチングロッドの研
削方法は、複数のコネクチングロッドを一組として保持
する保持工程、前記一組のコネクチングロッドを研削位
置に移動するとともに、前記研削位置の他の一組のコネ
クチングロッドを待機位置に移動する移動工程、前記研
削位置にある前記一組のコネクチングロッドを回転させ
る回転工程、および間隔をあけて配置されかつ回転する
一対の砥石によって、前記研削位置にある前記一組のコ
ネクチングロッドを同時に研削する研削工程を備える。
請求項9に記載のコネクチングロッドの研削方法は、請
求項8に記載の研削方法において、前記保持工程では、
前記一組のコネクチングロッドが対称に配置されること
を特徴とする。請求項10に記載のコネクチングロッド
の研削方法は、請求項8に記載の研削方法において、前
記保持工程では、前記一組のコネクチングロッドの総重
量の重心が前記一組のコネクチングロッドを保持する保
持手段の中心に位置するように、前記一組のコネクチン
グロッドが配置されることを特徴とする。
【0010】請求項1に記載のコネクチングロッドの研
削装置では、コネクチングロッドが一対の砥石間におい
て砥石の研削面と平行な面で回転されながら研削され
る。これによって、コネクチングロッドの特定部分が砥
石の研削面の特定部分によって研削されるということが
なく、すべての部分が平均的に研削され、平面度、平行
度の精度を向上させることができる。また、砥石の研削
面も均一に磨耗するため、これによっても平面度、平行
度の精度が向上される。さらに、回転するコネクチング
ロッドを一対の砥石によって両面から挟み付けて研削す
るため、コネクチングロッドの小端部と大端部とが同時
に砥石の研削面に接触する。このため、曲がりが抑制で
き、平行度も良い。その上、取代が大きい場合であって
も一気に研削されることがなく砥石の切り込み速度に応
じて徐々に研削され、焼けが生じることがない。このた
め、一回の工程で大きな取代を研削することができ、生
産効率が向上する。
【0011】請求項2に記載のように、保持手段を少な
くとも2つ備え、それぞれの保持手段を待機位置と研削
位置間で移動させることによって、研削位置においてコ
ネクチングロッドを研削するとともに、待機位置におい
て研削済みのコネクチングロッドと研削待ちのコネクチ
ングロッドとを交換することができる。このため、生産
効率を向上させることができる。その上、保持手段が停
止している状態でコネクチングロッドを挿入、排出する
ことができるため、挿入ミス、排出ミスがない。
【0012】請求項3に記載のように、保持手段が複数
のコネクチングロッドを保持することによって、1つの
保持手段内におけるコネクチングロッドに対する面圧力
が均等化され、大端部、小端部間に厚み寸法差が生じ
ず、コネクチングロッドの平行度を高精度に仕上げるこ
とができる。さらに、複数のコネクチングロッドを同時
に研削するため、生産効率が向上される。また、保持手
段に保持される複数のコネクチングロッドを、たとえば
請求項4に記載のように対称に配置すれば、1つの保持
手段内におけるコネクチングロッドに対する面圧力が対
称となって均等化され、コネクチングロッドの平面度、
平行度を高精度に仕上げることができる。請求項9に記
載のコネクチングロッドの研削方法についても同様であ
る。また、たとえば請求項5に記載のように、複数のコ
ネクチングロッドの総重量の重心が保持手段の中心に位
置するよう各コネクチングロッドを配置すれば、コネク
チングロッドが保持手段内でバランスよく配置されるた
め、1つの保持手段内におけるコネクチングロッドに対
する面圧力が均等化され、コネクチングロッドの平面
度、平行度を高精度に仕上げることができる。請求項1
0に記載のコネクチングロッドの研削方法についても同
様である。
【0013】請求項6に記載のように、測定手段で研削
後のコネクチングロッドの寸法を測定することによっ
て、たとえば砥石が磨耗してコネクチングロッドの厚み
寸法が所定寸法よりも大きくなっている場合、測定によ
って得られた寸法情報を砥石切込手段にフィードバック
して、コネクチングロッドの厚み寸法が大きくなってい
る寸法分、砥石の切込量を大きくすることができる。こ
のように、測定した研削後のコネクチングロッドの寸法
に基づいて研削条件を調整することが可能となり、これ
によって仕上がり厚み寸法を一定に保つことができる。
請求項7に記載のように、測定手段の測定ヘッドが垂直
方向および水平方向に移動可能であることによって、コ
ネクチングロッドの所望の位置の寸法を測定することが
できる。
【0014】請求項8に記載のコネクチングロッドの研
削方法では、コネクチングロッドが一対の砥石間で回転
されながら研削される。これによって、コネクチングロ
ッドの特定部分が砥石の研削面の特定部分によって研削
されるということがなく、すべての部分が平均的に研削
され、平面度、平行度の精度を向上させることができ
る。また、砥石の研削面も均一に磨耗するため、これに
よっても平面度、平行度の精度が向上する。さらに、研
削位置において研削するとともに、待機位置において研
削済みのコネクチングロッドと研削待ちのコネクチング
ロッドとを交換することができる。このため、生産効率
を向上させることができる。その上、保持手段が停止し
ている状態でコネクチングロッドを挿入、排出すること
ができるため、挿入ミス、排出ミスがない。また、複数
のコネクチングロッドを一組として保持することによっ
て、一組のコネクチングロッドに対する面圧力が均等化
され、大端部、小端部間に厚み寸法差が生じず、コネク
チングロッドの平行度を高精度に仕上げることができ
る。さらに、複数のコネクチングロッドを同時に研削す
るため、生産効率が向上される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。図1および図2を参照
して、この発明の一実施形態のコネクチングロッドの研
削装置10は、立型両頭平面研削盤であり、コネクチン
グロッド12を研削加工する本体部14と、本体部14
に隣接して設けられる寸法測定装置16と、本体部14
と研削待ちのコネクチングロッド12をストックするス
トッカ18との間に配置されるロボットハンド20とを
含む。
【0016】本体部14は、前面にテーブル部22を有
するコラム24を含む。コラム24内には、コネクチン
グロッド12を研削する一対の砥石26が、研削面26
a(図4参照)を水平にして間隔をあけて同軸上に対向
配置される。一対の砥石26は、それぞれ砥石軸28a
および28bによって回転可能に支持される。砥石軸2
8aおよび28bはそれぞれベルト30aおよび30b
を介して上砥石回転駆動装置32aおよび下砥石回転駆
動装置32bに連動する。したがって、上砥石回転駆動
装置32aおよび下砥石回転駆動装置32bの回転駆動
力がそれぞれベルト30aおよび30bを介して砥石軸
28aおよび28bに伝達され、これによって一対の砥
石26が回転駆動される。また、一対の砥石26は、そ
れぞれサーボモータ34aおよび34bで駆動される上
砥石切込装置35aおよび下砥石切込装置35b(図8
参照)によって、砥石軸28aおよび28bと平行方向
に対称移動され、一対の砥石26間に送り込まれたコネ
クチングロッド12に対して進出、後退する。
【0017】図3および図4を参照して、テーブル部2
2上には円板状のガイド板36が配置される。ガイド板
36は中心部にほぼ六角形の貫通孔38を有する。ガイ
ド板36の上には、ガイド板36と同心上に略長方形の
プレート状のインデックスキャリア40が配置される。
インデックスキャリア40は、ガイド板36の貫通孔3
8を貫通するキャリアインデックス軸42によって下方
から回動自在に支持される。キャリアインデックス軸4
2にはピニオンギア44が固定され、ピニオンギア44
はラック46と噛み合う。ラック46は図示しない油圧
シリンダによって水平方向に進退し、これによってイン
デックスキャリア40は間欠的に180度回動する。具
体的には、インデックスキャリア40はラック46の進
出によって180度回転し、ラック46の後退によって
180度反回転する。上述のインデックスキャリア4
0、キャリアインデックス軸42、ピニオンギア44、
ラック46および油圧シリンダを含んで送り込み手段4
7が構成される。
【0018】また、インデックスキャリア40は、その
中心部でガイド板36の貫通孔38と同心上に貫通孔3
8よりも小さい貫通孔48を有するとともに、貫通孔4
8を挟んだ両側に円形に貫通する孔が設けられ、そのそ
れぞれの円形の孔の中に円板状の第1ワークポケットギ
ア50および第2ワークポケットギア52が回転自在に
支持される。第1ワークポケットギア50および第2ワ
ークポケットギア52は、コネクチングロッド12を保
持する保持手段として機能する。
【0019】第1ワークポケットギア50および第2ワ
ークポケットギア52は、それぞれ外周面に後述するア
イドルギア54および56と噛み合うギア歯を備える。
第1ワークポケットギア50および第2ワークポケット
ギア52は、それぞれ内部に2本のコネクチングロッド
12を同じ向きに2列に並べて保持するワーク保持治具
58を備える。ワーク保持治具58の内方にはコネクチ
ングロッド12が配置されるワーク配置孔60が設けら
れる。ワーク配置孔60は、それぞれワークポケットギ
ア50および52のみならずインデックスキャリア40
をも貫通してガイド板36上面を臨む。これによってワ
ーク配置孔60内に配置されたコネクチングロッド12
は、水平方向の動きをワーク保持治具58によって規制
され、重力方向にはガイド板36によって支持される。
【0020】また、上述のキャリアインデックス軸42
の軸心を、第1ワークドライブ軸62が貫通する。第1
ワークドライブ軸62は、さらにガイド板36の貫通孔
38およびインデックスキャリア40の貫通孔48を貫
通し、上端部側面に設けられたギア歯がアイドルギア5
4と噛み合う。これによって、第1ワークドライブ軸6
2はアイドルギア54を介して第1ワークポケットギア
50と連動する。第1ワークドライブ軸62はサーボモ
ータ64によって回転駆動され、この回転駆動力が第1
ワークポケットギア50に伝達されて、第1ワークポケ
ットギア50が水平面すなわち砥石26の研削面26a
と平行な面で自転する。これを、いわゆるワークドライ
ブという。
【0021】また、第1ワークドライブ軸62と同軸上
の上方に、第2ワークドライブ軸66が配置される。第
2ワークドライブ軸66は下端部側面にギア歯を備え、
このギア歯は、第2ワークポケットギア52側に配置さ
れるアイドルギア56と噛み合う。なお、アイドルギア
56はアイドルギア54よりも背が高く、第2ワークド
ライブ軸66はアイドルギア56とのみ噛み合う高さに
配置される。第2ワークドライブ軸66はサーボモータ
68によって回転駆動され、この回転駆動力が第2ワー
クポケットギア52に伝達されて、第2ワークポケット
ギア52が自転する。上述のように、これをいわゆるワ
ークドライブという。上述のサーボモータ64および6
8、ならびにサーボモータ64および68の駆動力をそ
れぞれの保持手段に伝達する伝達手段である第1ワーク
ドライブ軸62、第2ワークドライブ軸66、アイドル
ギア54および56を含んで駆動手段69が構成され
る。
【0022】また、上述のように、インデックスキャリ
ア40が間欠的に180度回動するのに伴って、インデ
ックスキャリア40の中心部を基準としてワークポケッ
トギア50および52も180度回動すなわち公転す
る。これによって、一方のワークポケットギア50また
は52は、一対の砥石26間に臨む研削位置から一対の
砥石26間から脱出した待機位置(この実施形態では研
削位置から180度回動した位置)へ移動し、これとと
もに他方のワークポケットギア52または50は待機位
置から研削位置へ移動する。このように、インデックス
キャリア40が間欠的に180度回動する度に、2つの
ワークポケットギア50および52は、交互に研削位置
から待機位置へ、または待機位置から研削位置へ移動す
る。また、本体部14は、図1に示すように、一対の砥
石26間を揺動するドレス装置70を備える。ドレス装
置70は砥石26の研削面26aの修正を行う。
【0023】図1および図2に戻って、ロボットハンド
20は、基台部72、支持部74、アーム部76、チャ
ックバー78およびチャック80を含む。基台部72は
水平方向に回動可能であり、基台部72の上端部に支持
部74の下端部が回動自在に取り付けられ、支持部74
の上端部にアーム部76の基端部が回動自在に取り付け
られる。アーム部76の先端部には、水平配置されるチ
ャックバー78の中間部が固定される。チャックバー7
8は左右両側に、コネクチングロッド12をつかむチャ
ック80をそれぞれ2つずつ、合計4つ備える。これに
よって、それぞれのチャック80でコネクチングロッド
12をつかみ、つかんだコネクチングロッド12を所定
範囲内で水平方向、垂直方向に自由に移動させることが
できる。また、コネクチングロッド12のストッカ18
には、所定の供給装置によって順次コネクチングロッド
12が供給される。
【0024】図5〜図7を参照して、寸法測定装置16
は基台82を含む。基台82上には、ころがり軸受84
を介して摺動自在にテーブル86が設けられ、テーブル
86の側壁にはボールネジ88が螺入される。ボールネ
ジ88はサーボモータ90によって回転駆動される。以
下、この明細書において、ボールネジ88の回転軸方向
をX軸という。上述のテーブル86、ころがり軸受8
4、ボールネジ88およびサーボモータ90を含んで測
定ヘッドX軸駆動装置91が構成される。測定ヘッドX
軸駆動装置91が一対の測定ヘッド92および94をX
軸方向に移動させる。すなわち、サーボモータ90によ
ってボールネジ88が回転駆動されると、ボールネジ8
8の回転にしたがってテーブル86がX軸方向、すなわ
ち図5において上下に、図7において左右に移動する。
テーブル86がX軸方向に移動すると、後述するように
一対の測定ヘッド92および94はテーブル86上に設
けられるため、同様にX軸方向に移動する。
【0025】テーブル86上にはスタンド96が立設さ
れる。スタンド96上部には水平方向(X軸方向)に梁
部材98が突設され、梁部材98にサーボモータ100
が駆動軸を下方に向けて支持される。サーボモータ10
0の駆動軸にはボールネジ102の上端が固定され、ボ
ールネジ102の下端側は測定ヘッド92に螺入され
る。以下、この明細書において、ボールネジ102の回
転軸方向(垂直方向)をY軸という。測定ヘッド92
は、一方の側面がスタンド96にころがり軸受104を
介して摺動自在に取り付けられる。上述のサーボモータ
100、ボールネジ102およびころがり軸受104を
含んで測定ヘッドY軸駆動装置105が構成される。す
なわち、サーボモータ100によってボールネジ102
が回転されると、ボールネジ102に螺入される測定ヘ
ッド92がY軸方向に移動する。
【0026】また、測定ヘッド92と対向するテーブル
86上にもう一つの測定ヘッド94が固定される。それ
ぞれの測定ヘッド92および94は、測定対象であるコ
ネクチングロッド12に直接接触する測定子106およ
び108を備える。一対の測定子106および108が
臨む位置には寸法を測定するコネクチングロッド12を
載置するワーク置台110が配置される。
【0027】上述のように、一対の対向する測定ヘッド
92および94は、サーボモータ90によってX軸方向
に移動し、測定ヘッド92がサーボモータ100によっ
てY軸方向に移動して測定ヘッド94に対して進出、後
退する。そして、一対の測定ヘッド92および94は、
X軸方向に移動することによってコネクチングロッド1
2の測定位置を変更し、測定ヘッド92がY軸方向に移
動することによって、一対の測定子106および108
の間にコネクチングロッド12を挟み、コネクチングロ
ッド12の厚み寸法を測定する。
【0028】また、基台82上にはテーブル86に隣接
してワーク排出装置112が設けられる。ワーク排出装
置112は油圧シリンダ114を含む。油圧シリンダ1
14はX軸方向に伸縮するように配置され、油圧シリン
ダ114が伸びるとシリンダヘッド116がワーク置台
110上のコネクチングロッド12を後述する排出コン
ベア118に押し出す。排出コンベア118は、寸法測
定装置16のワーク置台110の本体部14側に隣接し
て配置される。排出コンベア118は、コネクチングロ
ッド12を所定の排出位置まで搬送する。
【0029】つぎに図8を参照して、コネクチングロッ
ドの研削装置10の主な電気的構成について説明する。
コネクチングロッドの研削装置10は、コントロールユ
ニット120によって制御される。コントロールユニッ
ト120は、処理動作を制御するためのCPU122を
含み、CPU122にはBUS124を介して、表示装
置としてのCRT126、ワークエリアとなるRAM1
28、制御プログラム等が格納されるROM130およ
びI/Oポート132が接続される。I/Oポート13
2には、図2において上側に位置する砥石26を回転駆
動させる上砥石回転駆動装置32aを制御する上砥石回
転制御器134、図2において下側に位置する砥石26
を回転駆動させる下砥石回転駆動装置32bを制御する
下砥石回転制御器136、上側の砥石26用の上砥石切
込装置35aを制御するサーボモータ制御器138、下
側の砥石26用の下砥石切込装置35bを制御するサー
ボモータ制御器140、第1ワークポケットギア50の
自転を制御するサーボモータ制御器142、第2ワーク
ポケットギア52の自転を制御するサーボモータ制御器
144、インデックスキャリア40を油圧シリンダで回
動させることによって第1ワークポケットギア50およ
び第2ワークポケットギア52を公転させる動作を制御
する油圧装置制御器146、測定ヘッドX軸駆動装置9
1を制御するサーボモータ制御器148、測定ヘッドY
軸駆動装置105を制御するサーボモータ制御器15
0、およびロボットハンド20を制御するロボットハン
ド制御器152が接続される。さらに、BUS124に
は研削すべきコネクチングロッド12の品番等を入力す
るための入力装置154が接続される。したがって、コ
ントロールユニット120によって、一連の研削動作が
制御される。
【0030】また、図9を参照して、寸法測定装置16
の電気的構成についてさらに詳しく説明する。寸法測定
装置16は、コントロールユニット120によって制御
される。コントロールユニット120にはサーボモータ
制御器148が接続され、サーボモータ制御器148に
はこれによって制御される測定ヘッドX軸駆動装置91
のサーボモータ90が接続される。サーボモータ90が
回転駆動されると、テーブル86とともに一対の測定ヘ
ッド92および94のX軸方向の位置が変更される。ま
た、コントロールユニット120にはサーボモータ制御
器150が接続され、サーボモータ制御器150にはこ
れによって制御される測定ヘッドY軸駆動装置105の
サーボモータ100が接続される。サーボモータ100
が回転駆動されると、測定ヘッド92が上下に移動し
て、測定ヘッド94に対して進出、後退する。
【0031】そして、それぞれの測定子106および1
08によってコネクチングロッド12を直接挟んでその
寸法が測定され、得られたコネクチングロッド12の寸
法情報が寸法測定装置制御器156を介してコントロー
ルユニット120に送られる。コントロールユニット1
20では、送られてきたコネクチングロッド12の寸法
情報が演算処理され、上砥石切込装置35aおよび下砥
石切込装置35bにフィードバックされて両砥石切込装
置35aおよび35bによるそれぞれの砥石26の切込
量が調整される。
【0032】具体的には、入力装置154によって、研
削すべきコネクチングロッド12の品番を入力すると、
予めコントロールユニット120に記憶されている情報
に基づいた所定の寸法測定位置において寸法測定がなさ
れる。測定された寸法と予め品番と関連付けて記憶され
ている寸法とが照合され、両砥石切込装置35aおよび
35bによるそれぞれの砥石26の切込量が自動的に調
整される。これによって、たとえば砥石26の研削面2
6aの磨耗等によってコネクチングロッド12の実際に
研削される幅が減り、研削済みのコネクチングロッド1
2の厚みが増してきても、すぐに両砥石切込装置35a
および35bにフィードバックされて砥石26の切込量
が調整され、コネクチングロッド12の仕上がり厚み寸
法を一定に保つことができる。したがって、研削精度を
高く維持することができる。
【0033】つぎに図10を参照して、コネクチングロ
ッドの研削装置10の主要動作について説明する。ま
ず、入力装置154によって研削すべきコネクチングロ
ッド12の品番を入力する(ステップS1)。コントロ
ールユニット120内には、砥石26の切込量や寸法測
定装置16による寸法測定位置が、それぞれの品番に関
連付けて予め記憶されており、品番を入力することによ
ってそれらが自動的に決定される。
【0034】品番を入力した後、図示しないスタートキ
ーを押すと(ステップS3)、以下のような自動研削が
開始される。まず、ロボットハンド20がストッカ18
にある2本の研削待ちのコネクチングロッド12を2つ
のチャック80でそれぞれ把持し、待機位置の第2ワー
クポケットギア52へ投入する(ステップS5)。第2
ワークポケットギア52へ投入された2本のコネクチン
グロッド12は一組として保持されて同時に研削される
ことになる。そして、インデックスキャリア40は、1
80度回動することによって2つのワークポケットギア
50および52を公転させ、待機位置の第2ワークポケ
ットギア52を研削位置へ移動させるとともに研削位置
の第1ワークポケットギア50を待機位置へ移動させ
る。これによって、第2ワークポケットギア52に保持
される研削待ちのコネクチングロッド12は研削位置へ
移動されるとともに第1ワークポケットギア50に保持
される研削済みのコネクチングロッド12は待機位置へ
移動される(ステップS7)。
【0035】その後、研削位置では以下のような研削動
作が行われる。研削位置に移動した第2ワークポケット
ギア52には、サーボモータ68の回転駆動力が第2ワ
ークドライブ軸66およびアイドルギア56を介して伝
達され、この第2ワークポケットギア52は水平面すな
わち砥石26の研削面26aと平行な面で自転する(ス
テップS9)。そして上下の一対の砥石26が所定位置
まで粗研インフィード(ステップS11)した後、粗研
インフィードよりも遅いスピードで所定切込量まで精研
インフィードする(ステップS13)。そしてスパーク
アウトすると(ステップS15)、一対の砥石26は急
速に元の所定位置まで戻り(ステップS17)、一組の
コネクチングロッド12の研削が終了する。
【0036】そして、ステップS7に戻り、インデック
スキャリア40が前回とは逆方向に180度回動するこ
とによって2つのワークポケットギア50および52を
公転させ、研削位置の第2ワークポケットギア52を待
機位置へ移動させるとともに、研削待ちのコネクチング
ロッド12を保持する待機位置の第1ワークポケットギ
ア50を研削位置へ移動させる(ステップS7)。この
とき、第1ワークポケットギア50には、サーボモータ
64の回転駆動力が第1ワークドライブ軸62およびア
イドルギア54を介して伝達され、この第1ワークポケ
ットギア50は自転し、上述と同様の研削が行われる。
【0037】このような研削位置における研削動作と同
時に待機位置や寸法測定装置16等では以下のような動
作が行われる。ロボットハンド20は、一方の2つのチ
ャック80で待機位置の第1ワークポケットギア50か
ら研削済みの2本のコネクチングロッド12をそれぞれ
把持して取り出し、所定角度だけ回転する。そして、他
方の2つのチャック80でそれぞれ把持している、スト
ッカ18から運んできた研削待ちの2本のコネクチング
ロッド12を、空になった第1ワークポケットギア50
へ投入する(ステップS19)。その後さらに所定角度
回転し、第1ワークポケットギア50から取り出した研
削済みのコネクチングロッド12の一つを寸法測定装置
16のワーク置台110上に配置する(ステップS2
1)とともに、残りの一つを排出コンベア118上に配
置する。
【0038】一対の測定ヘッド92および94が、コネ
クチングロッド12の品番に応じて予め決められた寸法
測定位置に移動するとともに、コネクチングロッド12
の厚み寸法を測定する(ステップS23)。そして、上
述のように、測定した寸法を予め品番と関連付けて記憶
されている寸法と照合し、測定した寸法が所定の範囲を
超えていれば(ステップS25がNO)、自動研削を停
止する(ステップ27)。一方、測定した寸法が所定の
範囲内であれば(ステップS25がYES)、測定によ
って得られた寸法情報が両砥石切込装置35aおよび3
5bにフィードバックされ(ステップS29)、その寸
法情報に基づいてそれぞれの砥石26の切込量が調整さ
れ、ステップ11に進む。一方、寸法測定が終了したコ
ネクチングロッド12は、ワーク排出装置112によっ
て排出コンベア118上へ排出され(ステップ31)、
ステップS7に戻る。そして、研削するすべてのコネク
チングロッド12の研削が終了するまで上述のような動
作を繰り返す。なお、上述のように寸法測定装置16が
寸法測定をし、一対の砥石26がコネクチングロッド1
2を研削する間に、ロボットハンド20はストッカ18
にストックされている研削待ちのコネクチングロッド1
2をつかんできて待機する。
【0039】このように構成されるコネクチングロッド
の研削装置10および研削方法によれば、一対の砥石2
6間に配置されたコネクチングロッド12を一対の砥石
26が両面から挟み付けて研削を開始するため、コネク
チングロッド12の小端部12aの加工面と大端部12
bの加工面とが砥石26の研削面26a(図4参照)に
同時に接触する。同様に、砥石26の研削面26aが小
端部12aと大端部12bから離れるときには、両者か
ら同時に離れる。このため、どちらか一方が先に砥石2
6の研削面26aに接触した場合(図16(b)参照)
のようにコネクチングロッド12に曲がりが生じたり、
平行度が悪くなったりすることがない。また、取代が大
きい場合であっても一気に研削することがなく、砥石2
6の切り込み速度に応じて徐々に研削していくため、焼
けが生じることがない。このため、一回の工程で大きな
取代を研削することができ、生産効率が向上する。
【0040】また、コネクチングロッド12を保持する
ワークポケットギア50および52が砥石26の研削面
26aと平行な面で自転し、コネクチングロッド12が
一対の砥石26間で回転されながら研削されるため、コ
ネクチングロッド12の特定部分が砥石26の研削面2
6aの特定部分によって研削されるということがなく、
すべての部分が平均的に研削され、平面度、平行度の精
度が向上される。また、砥石26の研削面26aも均一
に磨耗するため、これによってもコネクチングロッド1
2の平面度、平行度の精度が向上される。
【0041】また、コネクチングロッド12を保持する
2つのワークポケットギア50および52を備えて待機
位置と研削位置間を交互に移動させることによって、研
削位置において研削するとともに、待機位置において研
削済みのコネクチングロッド12と研削待ちのコネクチ
ングロッド12を交換することができる。このため、生
産効率を向上させることができる。その上、ワークポケ
ットギア50および52が停止している、すなわちワー
ク配置孔60が停止している状態でコネクチングロッド
12を挿入、排出することができるため、挿入ミス、排
出ミスがない。その上、従来のような複雑なワーク挿入
装置を必要しないため、生産コストを抑えることができ
る。
【0042】さらに、1つのワークポケットギア50ま
たは52が2本のコネクチングロッド12を線対称に配
置して保持することによって、1つのワークポケットギ
ア50または52内におけるコネクチングロッド12に
対する面圧力が左右対称となって均等化され、小端部1
2a、大端部12b間に厚み寸法差が生じず、コネクチ
ングロッド12の平行度を高精度に仕上げることができ
る。また、2本のコネクチングロッド12を同時に研削
するため、生産効率が向上される。また、寸法測定装置
16で研削後のコネクチングロッド12の寸法を測定す
ることによって、たとえば砥石26が磨耗してコネクチ
ングロッド12の厚み寸法が所定寸法よりも大きくなっ
ている場合、測定によって得られた寸法情報を上砥石切
込装置35aおよび砥石切込装置35bにフィードバッ
クして、大きくなっている寸法分、砥石26の切込量を
大きくすることができる。このように、測定した研削後
のコネクチングロッド12の寸法に基づいて研削条件を
調整することが可能となり、これによって仕上がり厚み
寸法を一定に保つことができる。
【0043】さらに、寸法測定装置16の測定ヘッドが
X軸方向およびY軸方向に移動可能であることによっ
て、コネクチングロッド12の所望の位置の寸法を測定
することができる。また、上述のように、この実施形態
にかかる研削装置10では、ロボットハンド20や寸法
測定装置16が種々の品種にそのまま対応することがで
きるため、研削するコネクチングロッド12の品種を変
更する場合にもこれらを品種に応じて交換する必要がな
く、ワーク保持治具58の交換のみで対応できる。この
ため、品種変更に要する時間が短縮され、段取性が向上
する。
【0044】なお、コネクチングロッド12は、上述の
実施形態においては、ワークポケットギア50および5
2内で2本を同じ向きに2列に並べて配置されたが、こ
れに限定されるものではなく、たとえば図11に示すよ
うに配置されてもよい。すなわち、図11(a)に示す
ように、2本のコネクチングロッド12を逆向きに2列
に並べて配置してもよい。または、図11(b)に示す
ように、3本のコネクチングロッド12を同一円上にか
つ周方向に同じ向きに、すなわち、3本のコネクチング
ロッド12を、それぞれの小端部12a同士が同一円上
で等間隔をあけて配置されるとともに、それぞれの大端
部12b同士が同一円上で等間隔をあけて配置される状
態に配置してもよい。
【0045】このように配置すれば、複数のコネクチン
グロッド12の総重量の重心が、ワークポケットギア5
0または52のうち砥石26の研削面26aに対向する
面の中心に位置する。コネクチングロッド12がワーク
ポケットギア50または52の上述の面内で均一的に配
置されるため、1つのワークポケットギア50または5
2内におけるコネクチングロッド12に対する面圧力が
均等化され、コネクチングロッド12の平面度、平行度
を精度良く仕上げることができる。
【0046】上述のような効果を裏付ける、従来の横型
ロータリーキャリア式両頭平面研削盤4(図15参照)
によって研削した場合と上述の実施形態の研削装置10
において図11(b)に示す配置で研削した場合とを比
較した実験例の結果を図12に示す。この実験例では、
連続的に研削加工されているコネクチングロッド12の
中から無作為に100本を抜き取って検査した。
【0047】図12を見て分かるように、この発明の研
削装置10では従来の研削装置4と比較してドレスイン
ターバルが長く、砥石26の目立てを行う回数が少なく
て済む上に、コネクチングロッド12の平行度、および
平面度(曲がり)の精度が約3倍良く、1本あたりの研
削時間を示すサイクルタイムも短いことが分かる。さら
に、砥石26の交換に要する時間も大幅に短縮されてい
ることが分かる。ここで注目すべきはワークとなるコネ
クチングロッド12の品種を変更する場合に要する時間
である。この発明の研削装置10では、上述のように、
ロボットハンド20や寸法測定装置16が種々の品種に
そのまま対応することができるため、研削するコネクチ
ングロッド12の品種を変更する場合にもこれらを品種
に応じて交換する必要がなく、ワーク保持治具58の交
換のみで対応できる。このため、従来の両頭平面研削盤
4と比較して、品種変更に要する時間が約1/10に短
縮されたことが分かる。このように、加工精度が向上す
るのみならず段取性も向上することが分かる。
【0048】この実験および以下の実験において平行度
は、つぎのようにして求めている。すなわち、小端部1
2aの研削面の厚み寸法を等間隔をあけた所定の4点で
測定し、大端部12bの研削面の厚み寸法を小端部12
aで測定した4点に対応する4点で測定し、それぞれ対
応する点の厚み寸法差を求める。そして、求めた4点の
厚み寸法差の最大値から最小値を減じたものを平行度と
している。したがって、平行度の値が小さいほど平行度
の精度が高いことを意味している。また、平面度は、基
準となる平板上に大端部12bの加工面が接するように
研削中のコネクチングロッド12を置いたとき、そのコ
ネクチングロッド12の小端部12aが平板上から浮か
び上がる距離であらわされる。したがって、平面度の値
が小さいほど平面度の精度が高いことを意味している。
【0049】つぎに、従来の研削装置4によって研削し
た場合と、この発明の研削装置10において上述のよう
な3種類の配置の仕方で研削した場合とを、研削後のコ
ネクチングロッド12の平行度で比較した実験例の結果
を図13に示す。この実験例では、連続的に研削加工さ
れているコネクチングロッド12の中から無作為に20
本を抜き取って検査した。なお、図13において、図3
に示すように2本を2列に同じ向きに配置した場合(以
下、「2列同向き」という。)を菱形(◆)印で示し、
図11(a)に示すように2本を2列に逆向きに配置し
た場合(以下、「2列逆向き」という。)を四角(■)
印で示し、図11(b)に示すように3本を周方向に同
じ向きに配置した場合(以下、「3本周方向」とい
う。)を三角(▲)印で示し、従来の両頭平面研削盤4
によって研削した場合をバツ(×)印で示す。
【0050】図13を見て分かるように、3本周方向に
配置した場合が最も平行度の精度が高く、次いで平行度
の精度が高いのが2列逆向きに配置した場合、次いで2
列同向きに配置した場合である。これら3種類の場合
は、従来の場合より平行度の精度をかなり向上できるこ
とが分かる。
【0051】なお、上述のように3種類のコネクチング
ロッド12の配置の仕方を示したが、これに限定される
ものではない。図13に示す実験例の結果からも分かる
ように、コネクチングロッド12の配置の仕方は、コネ
クチングロッド12を保持するワークポケットギア50
および52のうち砥石26の研削面26aに対向する面
内において、コネクチングロッド12の加工面がなるべ
く均一化するような配置であることが好ましい。さら
に、配置されるコネクチングロッド12の数量が多いほ
ど、いいかえれば配置されるすべてのコネクチングロッ
ド12の加工面の総面積が大きいほど好ましい。したが
って、配置するコネクチングロッド12の数量は上述の
ように2本や3本に限定されるものではなく、4本や5
本、さらには6本以上の所望の数量であっても構わな
い。
【0052】なお、ロボットハンド20のチャック80
は、上述の実施形態では4つ設けたが、これに限定され
ず、一つのワークポケットギア50または52に一度に
保持されるコネクチングロッド12の数がたとえば3本
である場合には、ロボットハンド20のチャック80の
数をその2倍の6つにするとよい。このように、チャッ
ク80の数は、一つのワークポケットギア50または5
2に一度に保持されるコネクチングロッド12の数の2
倍の数にすると効果的である。
【0053】また、コネクチングロッド12の保持手段
であるワークポケットギア50および52は、上述の実
施形態では2つ設けたが、これに限定されず、たとえば
3つや4つ等、所望の数だけ設けるとよい。この際に
は、インデックスキャリア40が間欠的に回動する角度
を120度、90度という具合に対応させ、各ワークポ
ケットギアがそれぞれ順次研削位置に配置されるように
するとよい。
【0054】なお、インデックスキャリア40は、上述
の実施形態では油圧シリンダによって正逆方向の180
度の回転を反復するように構成されているが、たとえば
サーボモータ等によって間欠的に一方向に回転するよう
に構成されてもよい。また、本発明は、粗研削工程およ
び仕上げ研削工程のいずれにも適用することができる。
また、この発明は、コネクチングロッド12の研削装置
10に関するものであるが、コネクチングロッド12の
他にも、コネクチングロッド12のように研削面が複数
箇所に離間している形状のワークの研削に有効である。
【0055】
【発明の効果】この発明によれば、コネクチングロッド
の特定部分が砥石の研削面の特定部分によって研削され
るということがなく、すべての部分が平均的に研削さ
れ、平面度、平行度の精度を向上させることができる。
また、砥石の研削面も均一に磨耗するため、これによっ
ても平面度、平行度の精度が向上される。さらに、コネ
クチングロッドの小端部と大端部が同時に砥石の研削面
に接触するので、曲がりを抑制でき、平行度も良い。そ
の上、一回の工程で大きな取代を研削することができ、
生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す研削装置の側面図である。
【図3】図1に示す研削装置の要部拡大平面図である。
【図4】図1に示す研削装置の要部拡大側面図である。
【図5】図1に示す研削装置のうちの寸法測定装置を示
す部分拡大平面図である。
【図6】図1に示す研削装置のうちの寸法測定装置を示
す部分拡大背面図である。
【図7】図1に示す研削装置のうちの寸法測定装置を示
す部分拡大左側面図である。
【図8】図1に示す研削装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】寸法測定装置の電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図10】加工の工程を示すフローチャートである。
【図11】コネクチングロッドの他の配置例を示す平面
図である。
【図12】従来の横型機と比較した実験例の実験データ
である。
【図13】従来の横型機およびそれぞれの配置例による
研削後のコネクチングロッドの平行度を示す実験データ
である。
【図14】コネクチングロッドの一例を示す平面図であ
る。
【図15】従来の横型ロータリーキャリア式両頭平面研
削盤の要部を示す斜視図である。
【図16】図15に示す従来の両頭平面研削盤でコネク
チングロッドを研削する場合において、(a)は一対の
砥石のそれぞれの磨耗が同じである正常な状態での研削
状態を示す平面図であり、(b)は一対の砥石のそれぞ
れの磨耗がアンバランスであるためにコネクチングロッ
ドが曲がってしまった状態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 研削装置 12 コネクチングロッド 16 寸法測定装置 20 ロボットハンド 26 砥石 47 送り込み手段 50 第1ワークポケットギア 52 第2ワークポケットギア 69 駆動手段 92,94 測定ヘッド
フロントページの続き Fターム(参考) 3C029 BB02 3C034 AA08 AA13 BB75 BB76 CA04 3C043 BC07 CC04 CC11 DD14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクチングロッドを研削するために間
    隔をあけて配置されかつ回転する一対の砥石、 前記コネクチングロッドを保持する保持手段、 前記保持手段に保持された前記コネクチングロッドを前
    記一対の砥石間に送り込む送り込み手段、 前記保持手段に保持された前記コネクチングロッドを前
    記砥石の研削面と平行な面で回転させる駆動手段、およ
    び前記一対の砥石間に送り込まれた前記コネクチングロ
    ッドを両面から挟持して切り込むために前記一対の砥石
    をその回転軸と平行方向に対称移動させる砥石切込手段
    を備える、コネクチングロッドの研削装置。
  2. 【請求項2】 前記保持手段を少なくとも2つ備え、前
    記送り込み手段は、前記保持手段の1つを待機位置から
    研削位置へ移動させるとともに、前記研削位置の保持手
    段を前記待機位置へ移動させる、請求項1に記載のコネ
    クチングロッドの研削装置。
  3. 【請求項3】 前記保持手段は、前記コネクチングロッ
    ドを複数保持する、請求項1または2に記載のコネクチ
    ングロッドの研削装置。
  4. 【請求項4】 前記保持手段に保持される複数の前記コ
    ネクチングロッドは対称に配置される、請求項3に記載
    のコネクチングロッドの研削装置。
  5. 【請求項5】 前記保持手段に保持される複数の前記コ
    ネクチングロッドは、複数の前記コネクチングロッドの
    総重量の重心が前記保持手段の中心に位置するように配
    置される、請求項3に記載のコネクチングロッドの研削
    装置。
  6. 【請求項6】 研削後の前記コネクチングロッドの寸法
    を測定する測定手段、および前記測定手段で測定した寸
    法に基づいて前記砥石切込手段による前記砥石の切込量
    を制御する制御手段をさらに備える、請求項1から5の
    いずれかに記載のコネクチングロッドの研削装置。
  7. 【請求項7】 前記測定手段は前記コネクチングロッド
    に接触する測定ヘッドを含み、前記測定ヘッドは、前記
    コネクチングロッドの寸法測定のために垂直方向および
    水平方向に移動可能である、請求項6に記載のコネクチ
    ングロッドの研削装置。
  8. 【請求項8】 複数のコネクチングロッドを一組として
    保持する保持工程、 前記一組のコネクチングロッドを研削位置に移動すると
    ともに、前記研削位置の他の一組のコネクチングロッド
    を待機位置に移動する移動工程、 前記研削位置にある前記一組のコネクチングロッドを回
    転させる回転工程、および間隔をあけて配置されかつ回
    転する一対の砥石によって、前記研削位置にある前記一
    組のコネクチングロッドを同時に研削する研削工程を備
    える、コネクチングロッドの研削方法。
  9. 【請求項9】 前記保持工程では、前記一組のコネクチ
    ングロッドが対称に配置される、請求項8に記載のコネ
    クチングロッドの研削方法。
  10. 【請求項10】 前記保持工程では、前記一組のコネク
    チングロッドの総重量の重心が前記一組のコネクチング
    ロッドを保持する保持手段の中心に位置するように、前
    記一組のコネクチングロッドが配置される、請求項8に
    記載のコネクチングロッドの研削方法。
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