JP2002306575A - オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置 - Google Patents
オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置Info
- Publication number
- JP2002306575A JP2002306575A JP2001115868A JP2001115868A JP2002306575A JP 2002306575 A JP2002306575 A JP 2002306575A JP 2001115868 A JP2001115868 A JP 2001115868A JP 2001115868 A JP2001115868 A JP 2001115868A JP 2002306575 A JP2002306575 A JP 2002306575A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- heating
- sterilization
- gradient
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置に
おいて、処理物が殺菌温度より高くなることを防ぎ、か
つ、カムアップ時間を短くする。 【解決手段】 処理槽7内の雰囲気温度を検出する雰囲
気温度検出装置2、処理槽内への熱供給を制御する熱供
給制御装置8、処理槽内の処理物6温度を検出する処理
物温度検出装置11、熱供給制御装置の作動を制御する
運転制御装置1を持っている加熱殺菌装置において、運
転制御装置1は、加熱工程時に雰囲気温度をオーバーシ
ュート温度として処理物を加熱し、加熱工程時における
処理物温度変化こう配を算出しておき、処理物温度が殺
菌温度よりも低い切替温度になると、雰囲気温度が前記
処理物温度変化こう配のマイナスこう配で降下していく
ように熱供給制御装置8の制御を行う。
おいて、処理物が殺菌温度より高くなることを防ぎ、か
つ、カムアップ時間を短くする。 【解決手段】 処理槽7内の雰囲気温度を検出する雰囲
気温度検出装置2、処理槽内への熱供給を制御する熱供
給制御装置8、処理槽内の処理物6温度を検出する処理
物温度検出装置11、熱供給制御装置の作動を制御する
運転制御装置1を持っている加熱殺菌装置において、運
転制御装置1は、加熱工程時に雰囲気温度をオーバーシ
ュート温度として処理物を加熱し、加熱工程時における
処理物温度変化こう配を算出しておき、処理物温度が殺
菌温度よりも低い切替温度になると、雰囲気温度が前記
処理物温度変化こう配のマイナスこう配で降下していく
ように熱供給制御装置8の制御を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーバーシュート加熱
を行う加熱殺菌装置に関するものである。
を行う加熱殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品を密封包装した包装食品や医療用の
器具などの処理物を処理槽内に収容し、処理槽内で処理
物を加熱して殺菌(滅菌)する加熱殺菌装置がある。殺
菌処理は、多数の処理物を処理槽内に収容して処理槽を
密閉しておき、熱水を循環して処理物へ熱水を噴流する
ことにより行っている。処理槽内に収容した処理物を殺
菌処理する工程は、処理物が殺菌温度になるまで処理物
を加熱する加熱工程、処理物を殺菌温度で設定時間維持
する殺菌工程、殺菌工程終了後に処理槽内を冷却する冷
却工程からなる。
器具などの処理物を処理槽内に収容し、処理槽内で処理
物を加熱して殺菌(滅菌)する加熱殺菌装置がある。殺
菌処理は、多数の処理物を処理槽内に収容して処理槽を
密閉しておき、熱水を循環して処理物へ熱水を噴流する
ことにより行っている。処理槽内に収容した処理物を殺
菌処理する工程は、処理物が殺菌温度になるまで処理物
を加熱する加熱工程、処理物を殺菌温度で設定時間維持
する殺菌工程、殺菌工程終了後に処理槽内を冷却する冷
却工程からなる。
【0003】加熱工程の場合、雰囲気温度を殺菌温度に
維持して処理物の加熱を行ったのでは、処理物が殺菌温
度に上昇するまでの時間であるカムアップ時間が長くな
る。そのため、処理物温度が低い時期には雰囲気温度を
殺菌温度よりも高い値に設定したオーバーシュート温度
まで高めておき、処理物温度が上昇してくると雰囲気温
度を殺菌温度に変更するオーバーシュート加熱を行うこ
とで、カムアップ時間を短くする。
維持して処理物の加熱を行ったのでは、処理物が殺菌温
度に上昇するまでの時間であるカムアップ時間が長くな
る。そのため、処理物温度が低い時期には雰囲気温度を
殺菌温度よりも高い値に設定したオーバーシュート温度
まで高めておき、処理物温度が上昇してくると雰囲気温
度を殺菌温度に変更するオーバーシュート加熱を行うこ
とで、カムアップ時間を短くする。
【0004】オーバーシュート加熱を行う場合、雰囲気
温度は殺菌温度よりも高くしているため、処理物が殺菌
温度よりも高くなる可能性がある。処理物が殺菌温度よ
りも高くなると、処理物の劣化等をまねくことがあるた
め、処理物が殺菌温度より高くなることがないように早
めに雰囲気温度をオーバーシュート温度から殺菌温度へ
下げる必要がある。しかし、オーバーシュート温度から
殺菌温度へ低下するタイミングが早いと、カムアップ時
間の短縮効果が少なくなる。処理物が殺菌温度よりも高
くなるのを防ぐことと、カムアップ時間を短くすること
を両立できるタイミングで、雰囲気温度をオーバーシュ
ート温度から殺菌温度へ切り換えることができればよい
が、適切なタイミングを定めることは難いという問題が
あった。
温度は殺菌温度よりも高くしているため、処理物が殺菌
温度よりも高くなる可能性がある。処理物が殺菌温度よ
りも高くなると、処理物の劣化等をまねくことがあるた
め、処理物が殺菌温度より高くなることがないように早
めに雰囲気温度をオーバーシュート温度から殺菌温度へ
下げる必要がある。しかし、オーバーシュート温度から
殺菌温度へ低下するタイミングが早いと、カムアップ時
間の短縮効果が少なくなる。処理物が殺菌温度よりも高
くなるのを防ぐことと、カムアップ時間を短くすること
を両立できるタイミングで、雰囲気温度をオーバーシュ
ート温度から殺菌温度へ切り換えることができればよい
が、適切なタイミングを定めることは難いという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置
において、処理物が殺菌温度より高くなることを防ぎ、
かつ、カムアップ時間を短くすることを両立させること
にある。
する課題は、オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置
において、処理物が殺菌温度より高くなることを防ぎ、
かつ、カムアップ時間を短くすることを両立させること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、処理物を処理槽内に収容し、処理槽内で加熱するこ
とにより処理物の殺菌を行う加熱殺菌装置であって、処
理槽内の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出装置、処
理槽内への熱供給を制御する熱供給制御装置、処理槽内
の処理物温度を検出する処理物温度検出装置、雰囲気温
度検出装置及び処理物温度検出装置による検出温度に基
づいて熱供給制御装置の作動を制御する運転制御装置を
持ち、処理物を殺菌温度まで加熱する加熱工程、処理物
を殺菌温度で維持する殺菌工程、処理物を冷却する冷却
工程からなる制御を行っている加熱殺菌装置において、
運転制御装置は、加熱工程時に雰囲気温度が殺菌温度よ
りも高い値に設定しているオーバーシュート温度となる
ように、熱供給制御装置の作動を制御して処理物を加熱
し、また加熱工程時における処理物温度変化こう配を算
出しておき、処理物温度が殺菌温度よりも低い値に設定
している切替温度になると、雰囲気温度が前記処理物温
度変化こう配のマイナスこう配で降下していくように熱
供給制御装置の制御を行うものであることを特徴とす
る。
は、処理物を処理槽内に収容し、処理槽内で加熱するこ
とにより処理物の殺菌を行う加熱殺菌装置であって、処
理槽内の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出装置、処
理槽内への熱供給を制御する熱供給制御装置、処理槽内
の処理物温度を検出する処理物温度検出装置、雰囲気温
度検出装置及び処理物温度検出装置による検出温度に基
づいて熱供給制御装置の作動を制御する運転制御装置を
持ち、処理物を殺菌温度まで加熱する加熱工程、処理物
を殺菌温度で維持する殺菌工程、処理物を冷却する冷却
工程からなる制御を行っている加熱殺菌装置において、
運転制御装置は、加熱工程時に雰囲気温度が殺菌温度よ
りも高い値に設定しているオーバーシュート温度となる
ように、熱供給制御装置の作動を制御して処理物を加熱
し、また加熱工程時における処理物温度変化こう配を算
出しておき、処理物温度が殺菌温度よりも低い値に設定
している切替温度になると、雰囲気温度が前記処理物温
度変化こう配のマイナスこう配で降下していくように熱
供給制御装置の制御を行うものであることを特徴とす
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、前記のオーバー
シュート加熱を行う加熱殺菌装置において、処理物温度
変化こう配の算出は、処理物温度が切替温度に到達した
時を終点とし、終点から所定時間さかのぼった時点にお
ける処理物温度を始点として処理物温度変化こう配を算
出するものであることを特徴とする。
シュート加熱を行う加熱殺菌装置において、処理物温度
変化こう配の算出は、処理物温度が切替温度に到達した
時を終点とし、終点から所定時間さかのぼった時点にお
ける処理物温度を始点として処理物温度変化こう配を算
出するものであることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、前記のオーバー
シュート加熱を行う加熱殺菌装置において、処理物温度
変化こう配は、処理物温度が切替温度に到達した以降も
所定間隔で算出し、雰囲気温度を降下していくマイナス
こう配の値は、処理物温度変化こう配を算出するごとに
更新していくことを特徴とする。
シュート加熱を行う加熱殺菌装置において、処理物温度
変化こう配は、処理物温度が切替温度に到達した以降も
所定間隔で算出し、雰囲気温度を降下していくマイナス
こう配の値は、処理物温度変化こう配を算出するごとに
更新していくことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面を用いて
説明する。図1は本発明を実施する加熱殺菌装置のフロ
ー図である。加熱殺菌装置は円筒形の処理槽7内に処理
物6を収容し、処理槽7内を加熱加圧することで処理物
6を殺菌するものである。他端を処理槽内の熱水噴流口
に接続している循環配管9を処理槽7の底部に接続し、
循環配管9の途中に循環ポンプ10を設けておく。循環
配管9は処理槽下部の熱水を循環させて処理槽7内の処
理物6へ熱水を噴流するものであり、循環ポンプ10を
作動することで熱水の循環を行う。他端を蒸気供給装置
(図示せず)に接続しており、途中に熱供給制御装置8
を設けている蒸気配管3を、処理槽7の底部に接続し、
熱供給制御装置8を開くことで処理槽下部にためた熱水
を加熱するようにしておく。循環配管には途中に給水制
御弁5を設けた給水配管4を接続しておき、給水制御弁
5を開くことで処理槽7内に冷却水を供給し、冷却水を
循環することで処理物6の冷却を行うこともできるよう
にしている。
説明する。図1は本発明を実施する加熱殺菌装置のフロ
ー図である。加熱殺菌装置は円筒形の処理槽7内に処理
物6を収容し、処理槽7内を加熱加圧することで処理物
6を殺菌するものである。他端を処理槽内の熱水噴流口
に接続している循環配管9を処理槽7の底部に接続し、
循環配管9の途中に循環ポンプ10を設けておく。循環
配管9は処理槽下部の熱水を循環させて処理槽7内の処
理物6へ熱水を噴流するものであり、循環ポンプ10を
作動することで熱水の循環を行う。他端を蒸気供給装置
(図示せず)に接続しており、途中に熱供給制御装置8
を設けている蒸気配管3を、処理槽7の底部に接続し、
熱供給制御装置8を開くことで処理槽下部にためた熱水
を加熱するようにしておく。循環配管には途中に給水制
御弁5を設けた給水配管4を接続しておき、給水制御弁
5を開くことで処理槽7内に冷却水を供給し、冷却水を
循環することで処理物6の冷却を行うこともできるよう
にしている。
【0010】加熱殺菌装置の運転を制御する運転制御装
置1を設け、処理槽7内の雰囲気温度を検出する雰囲気
温度検出装置2と、処理槽7内の処理物6の温度を検出
する処理物温度検出装置11を運転制御装置1に接続す
る。運転制御装置1は、熱供給制御装置8、循環ポンプ
10、給水制御弁5とも接続しておき、雰囲気温度検出
装置2及び処理物温度検出装置11からの情報を受けて
装置各部の制御を行う。運転制御装置1には、処理物6
の温度を殺菌温度まで高める加熱工程、処理物6を殺菌
温度で設定時間維持する殺菌工程、処理物6を常温域ま
で冷却する冷却工程からなる運転工程を設定しておく。
置1を設け、処理槽7内の雰囲気温度を検出する雰囲気
温度検出装置2と、処理槽7内の処理物6の温度を検出
する処理物温度検出装置11を運転制御装置1に接続す
る。運転制御装置1は、熱供給制御装置8、循環ポンプ
10、給水制御弁5とも接続しておき、雰囲気温度検出
装置2及び処理物温度検出装置11からの情報を受けて
装置各部の制御を行う。運転制御装置1には、処理物6
の温度を殺菌温度まで高める加熱工程、処理物6を殺菌
温度で設定時間維持する殺菌工程、処理物6を常温域ま
で冷却する冷却工程からなる運転工程を設定しておく。
【0011】また、運転制御装置1には、加熱工程にお
けるオーバーシュート加熱の設定を行っておく。運転制
御装置1には、殺菌温度よりもt0℃高い温度であるオ
ーバーシュート温度と、殺菌温度よりt1℃低い温度で
ある切替温度を設定しておく。t0℃およびt1℃の値
はそれぞれ5℃〜10℃程度とし、t0=t1としてい
る。加熱工程では、雰囲気温度をオーバーシュート温度
まで加熱して処理物6を加熱し、処理物6の温度が切替
温度まで上昇すると、雰囲気温度を殺菌温度まで低下さ
せる。雰囲気温度の低下は、処理槽7へ供給する蒸気量
を少なくすることで行い、熱供給制御装置8の制御によ
って雰囲気温度の変化速度を制御する。雰囲気温度の変
化速度は、処理物温度検出装置11で検出している処理
物温度変化こう配(θ)とは負号が逆であるマイナスこ
う配(−θ)で降下していくように設定しておく。
けるオーバーシュート加熱の設定を行っておく。運転制
御装置1には、殺菌温度よりもt0℃高い温度であるオ
ーバーシュート温度と、殺菌温度よりt1℃低い温度で
ある切替温度を設定しておく。t0℃およびt1℃の値
はそれぞれ5℃〜10℃程度とし、t0=t1としてい
る。加熱工程では、雰囲気温度をオーバーシュート温度
まで加熱して処理物6を加熱し、処理物6の温度が切替
温度まで上昇すると、雰囲気温度を殺菌温度まで低下さ
せる。雰囲気温度の低下は、処理槽7へ供給する蒸気量
を少なくすることで行い、熱供給制御装置8の制御によ
って雰囲気温度の変化速度を制御する。雰囲気温度の変
化速度は、処理物温度検出装置11で検出している処理
物温度変化こう配(θ)とは負号が逆であるマイナスこ
う配(−θ)で降下していくように設定しておく。
【0012】処理物6の加熱殺菌を行う場合、処理物6
を入れたトレーを処理槽7内に積み重ね、扉を閉じて処
理槽7を密閉することで、多数の処理物6をバッチ式に
加熱殺菌する。加熱工程では、運転制御装置1は、雰囲
気温度検出装置2で検出している雰囲気温度と、処理物
温度検出装置11で検出している処理物温度に基づき、
熱供給制御装置8の作動を制御する。加熱工程を開始す
ると、運転制御装置1は、熱供給制御装置8を開き、循
環ポンプ10を作動する。熱供給制御装置8を開くと、
処理槽7内の底部にためておいた水中に蒸気が入り、水
が加熱される。循環ポンプ14の作動を行うことで、処
理槽7底部の熱水を循環させ、処理槽7内の処理物6へ
熱水を噴流することで処理物6を加熱する。熱水を循環
することで、処理槽7内の雰囲気温度と処理物6の温度
が上昇する。
を入れたトレーを処理槽7内に積み重ね、扉を閉じて処
理槽7を密閉することで、多数の処理物6をバッチ式に
加熱殺菌する。加熱工程では、運転制御装置1は、雰囲
気温度検出装置2で検出している雰囲気温度と、処理物
温度検出装置11で検出している処理物温度に基づき、
熱供給制御装置8の作動を制御する。加熱工程を開始す
ると、運転制御装置1は、熱供給制御装置8を開き、循
環ポンプ10を作動する。熱供給制御装置8を開くと、
処理槽7内の底部にためておいた水中に蒸気が入り、水
が加熱される。循環ポンプ14の作動を行うことで、処
理槽7底部の熱水を循環させ、処理槽7内の処理物6へ
熱水を噴流することで処理物6を加熱する。熱水を循環
することで、処理槽7内の雰囲気温度と処理物6の温度
が上昇する。
【0013】図2は加熱工程時における雰囲気温度と処
理物温度を表したものである。雰囲気温度検出装置2で
検出している雰囲気温度は2点鎖線で表し、処理物温度
検出装置11で検出している処理物温度は実線で表して
いる。運転制御装置1は、雰囲気温度検出装置2で検出
している雰囲気温度がオーバーシュート温度に達する時
間Aまでは、熱供給制御装置8からの蒸気供給を連続し
て行う。雰囲気温度がオーバーシュート温度に達する
と、熱供給制御装置8の制御を行うことによりオーバー
シュート温度を維持する程度に蒸気供給量を減少する。
オーバーシュート温度の熱水を処理物6に噴流すること
で、処理物6の温度は上昇する。この時、運転制御装置
1は、処理物温度検出装置11にて検出した処理物温度
を時間とともに記憶しておく。
理物温度を表したものである。雰囲気温度検出装置2で
検出している雰囲気温度は2点鎖線で表し、処理物温度
検出装置11で検出している処理物温度は実線で表して
いる。運転制御装置1は、雰囲気温度検出装置2で検出
している雰囲気温度がオーバーシュート温度に達する時
間Aまでは、熱供給制御装置8からの蒸気供給を連続し
て行う。雰囲気温度がオーバーシュート温度に達する
と、熱供給制御装置8の制御を行うことによりオーバー
シュート温度を維持する程度に蒸気供給量を減少する。
オーバーシュート温度の熱水を処理物6に噴流すること
で、処理物6の温度は上昇する。この時、運転制御装置
1は、処理物温度検出装置11にて検出した処理物温度
を時間とともに記憶しておく。
【0014】処理物温度が切替温度に達した時点である
時間Cとなると、運転制御装置1は雰囲気温度の低下を
開始する。雰囲気温度の低下は、熱供給制御装置8によ
る蒸気供給を遮断して急激に温度を低下させるのではな
く、蒸気供給量を少なくすること緩やかに低下させる。
雰囲気温度低下のこう配は、時間Cにおける処理物温度
と、時間Cより所定時間前の時点である時間Bにおける
処理物温度から、処理物温度変化こう配(θ)を求めて
おき、処理物温度変化の場合とは逆のマイナス方向であ
って同じこう配(−θ)で低下していくように定める。
時間Cとなると、運転制御装置1は雰囲気温度の低下を
開始する。雰囲気温度の低下は、熱供給制御装置8によ
る蒸気供給を遮断して急激に温度を低下させるのではな
く、蒸気供給量を少なくすること緩やかに低下させる。
雰囲気温度低下のこう配は、時間Cにおける処理物温度
と、時間Cより所定時間前の時点である時間Bにおける
処理物温度から、処理物温度変化こう配(θ)を求めて
おき、処理物温度変化の場合とは逆のマイナス方向であ
って同じこう配(−θ)で低下していくように定める。
【0015】処理物温度と雰囲気温度の差が小さくなる
と、処理物温度変化のこう配は小さくなるため、オーバ
ーシュート温度から殺菌温度までの温度差t0℃と、切
替温度から殺菌温度までの温度差t1℃を同じとする
か、t1℃の方を大きくしておき、雰囲気温度変化のこ
う配を、処理物温度変化のこう配と上下逆であって同じ
こう配としておけば、雰囲気温度が殺菌温度に達する時
点である時間Fの方が、処理物温度が殺菌温度に達する
時点である時間Gよりも早くなる。
と、処理物温度変化のこう配は小さくなるため、オーバ
ーシュート温度から殺菌温度までの温度差t0℃と、切
替温度から殺菌温度までの温度差t1℃を同じとする
か、t1℃の方を大きくしておき、雰囲気温度変化のこ
う配を、処理物温度変化のこう配と上下逆であって同じ
こう配としておけば、雰囲気温度が殺菌温度に達する時
点である時間Fの方が、処理物温度が殺菌温度に達する
時点である時間Gよりも早くなる。
【0016】処理物温度が殺菌温度まで上昇するよりも
雰囲気温度が殺菌温度まで低下する方が早ければ、処理
物温度が殺菌温度よりも高くなることはない。また、t
1=t0であった場合、雰囲気温度変化のこう配を処理
物温度変化のマイナスこう配とすれば、雰囲気温度が殺
菌温度に達する時間Fと処理物温度が殺菌温度に達する
時間Gの時間差は小さくなり、処理物温度が殺菌温度に
達する直前まで雰囲気温度は殺菌温度より高い温度とな
るため、カムアップ時間を短縮する効果を得ることがで
きる。
雰囲気温度が殺菌温度まで低下する方が早ければ、処理
物温度が殺菌温度よりも高くなることはない。また、t
1=t0であった場合、雰囲気温度変化のこう配を処理
物温度変化のマイナスこう配とすれば、雰囲気温度が殺
菌温度に達する時間Fと処理物温度が殺菌温度に達する
時間Gの時間差は小さくなり、処理物温度が殺菌温度に
達する直前まで雰囲気温度は殺菌温度より高い温度とな
るため、カムアップ時間を短縮する効果を得ることがで
きる。
【0017】処理物温度が殺菌温度に達すると、運転制
御装置1は運転工程を加熱工程から殺菌工程へ移行す
る。殺菌工程では運転制御装置1は、処理物温度が殺菌
温度を保つように熱供給制御装置8の制御を行い、また
殺菌工程を開始してからの経過時間をカウントする。殺
菌工程では設定温度を設定時間維持することで処理物6
の殺菌を行い、設定時間が経過すると殺菌工程を終了し
て冷却工程を行う。
御装置1は運転工程を加熱工程から殺菌工程へ移行す
る。殺菌工程では運転制御装置1は、処理物温度が殺菌
温度を保つように熱供給制御装置8の制御を行い、また
殺菌工程を開始してからの経過時間をカウントする。殺
菌工程では設定温度を設定時間維持することで処理物6
の殺菌を行い、設定時間が経過すると殺菌工程を終了し
て冷却工程を行う。
【0018】冷却工程では給水制御弁5を開き、給水配
管4から冷水を供給することで処理物6及び処理槽7内
温度を低下させる。冷却工程によって処理槽7内が常温
まで低下すると、運転制御装置1は加熱殺菌装置の運転
を停止し、処理槽7内から処理物6を取り出して処理を
終了する。
管4から冷水を供給することで処理物6及び処理槽7内
温度を低下させる。冷却工程によって処理槽7内が常温
まで低下すると、運転制御装置1は加熱殺菌装置の運転
を停止し、処理槽7内から処理物6を取り出して処理を
終了する。
【0019】図3は、雰囲気温度をオーバーシュート温
度から殺菌温度へ低下する際に、雰囲気温度低下のこう
配を変化させている場合の説明図である。図3では加熱
工程での時間Bから時間Gまでの雰囲気温度と処理物温
度を表しており、雰囲気温度は2点鎖線、処理物温度は
実線で表している。処理物温度が切替温度に達した時間
Cから、雰囲気温度の低下を開始しており、雰囲気温度
低下のこう配は処理物温度変化こう配から定める点は前
記の通りである。
度から殺菌温度へ低下する際に、雰囲気温度低下のこう
配を変化させている場合の説明図である。図3では加熱
工程での時間Bから時間Gまでの雰囲気温度と処理物温
度を表しており、雰囲気温度は2点鎖線、処理物温度は
実線で表している。処理物温度が切替温度に達した時間
Cから、雰囲気温度の低下を開始しており、雰囲気温度
低下のこう配は処理物温度変化こう配から定める点は前
記の通りである。
【0020】運転制御装置1は、時間Cでの処理物温度
と時間Cから所定時間さかのぼった時間Bでの処理物温
度から処理物温度変化こう配(θ1)を求めておき、時
間Cからの雰囲気温度変化こう配は、前記処理物温度変
化こう配(θ1)のマイナスこう配で低下していくよう
に定める。時間Cから一定時間経過後の時間Dとなる
と、運転制御装置1は雰囲気温度変化こう配を変更す
る。運転制御装置1は、前記と同様に時間Cから時間D
における処理物温度変化こう配(θ2)を求め、時間D
からの雰囲気温度変化こう配は、処理物温度変化こう配
(θ2)のマイナスこう配で低下していくように定め
る。さらに時間Dから一定時間経過後の時間Eとなる
と、運転制御装置1は、時間Dから時間Eにおける処理
物温度変化こう配(θ3)を求め、時間Eからの雰囲気
温度変化こう配は、処理物温度変化こう配(θ3)のマ
イナスこう配で低下していくように定める。時間Fにて
雰囲気温度が殺菌温度まで低下すると、運転制御装置1
はそれ以降には雰囲気温度が殺菌温度を保つように熱供
給制御装置8の制御を行う。
と時間Cから所定時間さかのぼった時間Bでの処理物温
度から処理物温度変化こう配(θ1)を求めておき、時
間Cからの雰囲気温度変化こう配は、前記処理物温度変
化こう配(θ1)のマイナスこう配で低下していくよう
に定める。時間Cから一定時間経過後の時間Dとなる
と、運転制御装置1は雰囲気温度変化こう配を変更す
る。運転制御装置1は、前記と同様に時間Cから時間D
における処理物温度変化こう配(θ2)を求め、時間D
からの雰囲気温度変化こう配は、処理物温度変化こう配
(θ2)のマイナスこう配で低下していくように定め
る。さらに時間Dから一定時間経過後の時間Eとなる
と、運転制御装置1は、時間Dから時間Eにおける処理
物温度変化こう配(θ3)を求め、時間Eからの雰囲気
温度変化こう配は、処理物温度変化こう配(θ3)のマ
イナスこう配で低下していくように定める。時間Fにて
雰囲気温度が殺菌温度まで低下すると、運転制御装置1
はそれ以降には雰囲気温度が殺菌温度を保つように熱供
給制御装置8の制御を行う。
【0021】雰囲気温度が殺菌温度へ向けて低下し、処
理物温度が殺菌温度へ向けて上昇しており、雰囲気温度
と処理物温度の差が小さくなってくると、処理物温度の
上昇速度は低下していく。そのため、当初の処理物温度
こう配(θ1)のままで雰囲気温度を低下させると、早
い段階で雰囲気温度が殺菌温度まで低下することにな
る。この場合、雰囲気温度の低下途中で雰囲気温度の低
下速度を小さくしていくように変更することで、雰囲気
温度が殺菌温度まで低下するのを遅らせることができ、
処理物温度が殺菌温度に達するまでの時間を短縮するこ
とができる。
理物温度が殺菌温度へ向けて上昇しており、雰囲気温度
と処理物温度の差が小さくなってくると、処理物温度の
上昇速度は低下していく。そのため、当初の処理物温度
こう配(θ1)のままで雰囲気温度を低下させると、早
い段階で雰囲気温度が殺菌温度まで低下することにな
る。この場合、雰囲気温度の低下途中で雰囲気温度の低
下速度を小さくしていくように変更することで、雰囲気
温度が殺菌温度まで低下するのを遅らせることができ、
処理物温度が殺菌温度に達するまでの時間を短縮するこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】本発明を実施することで、オーバーシュ
ート加熱を行う加熱殺菌装置において、処理物が殺菌温
度より高くなることを防ぎ、かつ、カムアップ時間を短
くすることを両立させることができるようになる。
ート加熱を行う加熱殺菌装置において、処理物が殺菌温
度より高くなることを防ぎ、かつ、カムアップ時間を短
くすることを両立させることができるようになる。
【図1】 本発明を実施する加熱殺菌装置のフロー図
【図2】 本発明における加熱工程時の雰囲気温度変化
説明図
説明図
【図3】 オーバーシュート加熱終了期における雰囲気
温度変化説明図
温度変化説明図
1 運転制御装置 2 雰囲気温度検出装置 3 蒸気配管 4 給水配管 5 給水制御弁 6 処理物 7 処理槽 8 熱供給制御装置 9 循環配管 10 循環ポンプ 11 処理物温度検出装置
Claims (3)
- 【請求項1】 処理物を処理槽内に収容し、処理槽内で
加熱することにより処理物の殺菌を行う加熱殺菌装置で
あって、処理槽内の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検
出装置、処理槽内への熱供給を制御する熱供給制御装
置、処理槽内の処理物温度を検出する処理物温度検出装
置、雰囲気温度検出装置及び処理物温度検出装置による
検出温度に基づいて熱供給制御装置の作動を制御する運
転制御装置を持ち、処理物を殺菌温度まで加熱する加熱
工程、処理物を殺菌温度で維持する殺菌工程、処理物を
冷却する冷却工程からなる制御を行っている加熱殺菌装
置において、運転制御装置は、加熱工程時に雰囲気温度
が殺菌温度よりも高い値に設定しているオーバーシュー
ト温度となるように、熱供給制御装置の作動を制御して
処理物を加熱し、また加熱工程時における処理物温度変
化こう配を算出しておき、処理物温度が殺菌温度よりも
低い値に設定している切替温度になると、雰囲気温度が
前記処理物温度変化こう配のマイナスこう配で降下して
いくように、熱供給制御装置の制御を行うものであるこ
とを特徴とするオーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のオーバーシュート加熱
を行う加熱殺菌装置において、処理物温度変化こう配の
算出は、処理物温度が切替温度に到達した時を終点と
し、終点から所定時間さかのぼった時点における処理物
温度を始点として処理物温度変化こう配を算出するもの
であることを特徴とするオーバーシュート加熱を行う加
熱殺菌装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載のオーバーシュート加熱
を行う加熱殺菌装置において、処理物温度変化こう配
は、処理物温度が切替温度に到達した以降も所定間隔で
算出し、雰囲気温度を降下していくマイナスこう配の値
は、処理物温度変化こう配を算出するごとに更新してい
くことを特徴とするオーバーシュート加熱を行う加熱殺
菌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001115868A JP2002306575A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001115868A JP2002306575A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002306575A true JP2002306575A (ja) | 2002-10-22 |
Family
ID=18966697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001115868A Pending JP2002306575A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002306575A (ja) |
-
2001
- 2001-04-13 JP JP2001115868A patent/JP2002306575A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR890003699B1 (ko) | 압력제어방법 | |
WO1995023526A1 (fr) | Systeme de cuisson d'aliments contenant de l'air | |
EP1287751A2 (en) | Pressure heating method and pressure heating apparatus | |
JPH11206354A (ja) | 熱水温度を制御する調理殺菌装置 | |
JP2011024455A (ja) | 加熱殺菌装置 | |
JP2002306575A (ja) | オーバーシュート加熱を行う加熱殺菌装置 | |
EP3637219B1 (en) | Industrial temperature control device having automatic soak time correction and self-diagnosing heating anomaly function, and method therefor | |
JP7049582B2 (ja) | 殺菌装置 | |
JP2002306574A (ja) | 雰囲気温度に基づいて運転を制御する加熱殺菌装置 | |
JP6229887B2 (ja) | 殺菌装置 | |
KR102439328B1 (ko) | 유리로 만든 제 1 콘테이너들의 오토클레이브 살균 프로세스 | |
JP2004218958A (ja) | 真空冷却方法 | |
CN108363434A (zh) | 一种脉动真空灭菌器升温控制方法 | |
JP4961474B2 (ja) | コンタクトレンズを殺菌する方法および装置 | |
JP3306263B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP2004218957A (ja) | 真空冷却方法 | |
JPH0195754A (ja) | 加熱加圧殺菌処理方法 | |
JPH07313125A (ja) | 含気食品の殺菌および加熱調理法 | |
JP2000084572A (ja) | 調理殺菌装置の洗浄および洗浄水中和装置 | |
JP2001224666A (ja) | 蒸気滅菌器の運転制御方法 | |
JP2002345446A (ja) | 予備加熱を行う含気容器用加熱殺菌装置 | |
JPH09154921A (ja) | 高圧蒸気滅菌装置 | |
JP2005191265A (ja) | 制御装置 | |
JP2010263834A (ja) | 加熱殺菌装置 | |
JP2000125829A (ja) | 調理殺菌装置 |