JP2002302942A - スライム排出方法及び場所打ち杭工法並びにそれらに用いられる袋体 - Google Patents

スライム排出方法及び場所打ち杭工法並びにそれらに用いられる袋体

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JP2002302942A JP2001108300A JP2001108300A JP2002302942A JP 2002302942 A JP2002302942 A JP 2002302942A JP 2001108300 A JP2001108300 A JP 2001108300A JP 2001108300 A JP2001108300 A JP 2001108300A JP 2002302942 A JP2002302942 A JP 2002302942A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 削孔内に発生するスライム排出方法、前記ス
ライム排出方法を用いることで基礎の耐力を向上させた
場所打ち杭工法、及びそれらに用いられる袋体を提供す
る。 【解決手段】 削孔した孔にスライム排出管、袋体を挿
入し、袋体を反転させながら膨張させ、スライムをスラ
イム排出用の管から排出させる。また、前記のスライム
排出方法において、注入する流体を自硬性流体とし、さ
らにその後袋体上部から自硬性流体を注入し、場所打ち
杭とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、削孔内に発生する
スライムの排出方法、及び基礎の耐力を向上させる場所
打ち杭工法、並びにそれに用いられる袋体に関する。
【0002】
【従来の技術】場所打ち杭は、施工時の地盤の応力開放
や乱れ、杭先端に堆積するスライムの影響により打ち込
み杭にくらべて杭先端部での沈下量が大きく生じる傾向
がある。工法としては、鋼管を埋め込み、先端部に根固
球根造成のため予め掘削を行い、先端に袋状物を取付け
た注入管を掘削した部分まで挿入し、袋体の下部からの
注入により袋状物を膨張させ根固球根を造成し、鋼管を
通してスライムを除去することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法においては、
スライムは杭鋼管を通して除去するので、鋼管にスライ
ムが残り、鋼管にモルタルを注入しても、杭に欠陥が残
る可能性がある。さらに杭のスライムの除去を確実にす
るために袋体にかける圧力を増すと杭の浮き上がりが起
こるという問題がある。
【0004】本発明は、前記課題に鑑みなされたもので
あり、袋体の膨張力によるスライム排出方法、前記スラ
イム排出方法を用いることで基礎の耐力を向上させた場
所打ち杭工法、及びそれらに用いられる袋体を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1に記載のスライム排出方法は、削孔
された孔の底部に堆積するスライムを排出するスライム
排出方法であって、前記削孔された孔の底部に堆積した
スライムを排出するスライム排出管を設置するととも
に、前記削孔された孔に袋体を挿入して該袋体に流体を
注入し、該流体の注入による前記袋体の膨張力によっ
て、前記孔の底部に堆積したスライムを前記スライム排
出管の底部に形成された排出口から前記スライム排出管
内に押し入れてスライムを排出するスライム排出方法で
ある。袋体の本体部分が膨張し、孔に密着するので、ス
ライムには十分な圧力がかかり、スライムはスライム排
出用の管から排出される。スライム排出のための管を挿
入しているため、削孔内の底円以外にスライムが付着す
る心配がない。また、このように袋体の膨張力によって
スライムを排出するため、大型設備を別途準備する必要
がなく、簡易な設備でスライムの排出が可能になる。
【0006】請求項2に記載のスライム排出方法は、底
部が前記袋体の内側に反転されると共に反転制御手段を
備えており、該反転制御手段により折り返し位置を調整
することにより前記流体注入時に袋体の膨張速度が調節
される請求項1に記載のスライム排出方法である。袋体
の膨張速度を調節することによってスライムへの負荷圧
力を調整できスライムの排出が可能となり、削孔内に袋
体を密着させることができるので、袋体が削孔内をずり
落ちることがない。また、袋体は反転しながら膨張する
ため、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスラ
イムを押し出すよう圧力が働く。
【0007】請求項3に記載のスライム排出方法は、前
記反転制御手段が前記底部に取付けられたワイヤーであ
り、前記ワイヤーの送り出し長さを調整することによっ
て、前記流体注入時における前記袋体の膨張速度が調節
される請求項2に記載のスライム排出方法である。袋体
の膨張速度を調節することによってスライムへの負荷圧
力を調整できスライムの排出が可能となり、削孔内に袋
体を密着させることができるので、袋体が削孔内をずり
落ちることがない。また、袋体は反転しながら膨張する
ため、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスラ
イムを押し出すよう圧力が働く。
【0008】請求項4に記載のスライム排出方法は、前
記反転制御手段が縫製であり、縫製密度が前記袋体の底
部から開口側に向かって疎になるように縫製されている
請求項2に記載のスライム排出方法である。流体の注入
量が増えていくと、袋体の縫製の糸が切れていくことで
袋体の反転が進む。袋体の縫製密度を疎密にし袋体の膨
張速度を調節することによってスライムへの負荷圧力を
調整できスライムの排出が可能となり、削孔内に袋体を
密着させることができるので、袋体が削孔内をずり落ち
ることがない。また、袋体は反転しながら膨張するた
め、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスライ
ムを押し出すよう圧力が働く。
【0009】請求項5に記載の場所打ち杭工法は、削孔
された孔に、スライム排出管と、底部が内側に向かって
反転されて反転制御された袋体とを挿入し、前記袋体に
自硬性流体を注入し、該自硬性流体の注入による前記袋
体の膨張力によって、前記孔の底部に堆積するスライム
を前記スライム排出管内に押し入れることによって排出
し、前記袋体内の自硬性流体が完全に硬化する前に前記
スライム排出管を抜き取り、前記スライム排出管を抜き
取った後に、前記袋体の上部の前記孔に自硬性流体を注
入するものである。袋体に自硬性流体を注入し、袋体の
膨張速度を調節することによってスライムへの負荷圧力
を調整でき、スライムの排出を行なうとともに、自硬性
流体が硬化後には、場所打ち杭とできる。また、削孔内
に袋体を密着させることができるので、強固な場所打ち
杭となる。さらに、袋体内より自硬性流体の余分な水分
が脱水し、自硬性流体が固化後、十分な強度を発揮す
る。脱水された水分はスライムとともにスライム排出管
から排出される。さらに、袋体は反転しながら膨張する
ため、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスラ
イムを押し出すよう圧力が働くため、圧力を増しても杭
の持ち上がりがない。ここで、自硬性流体として、セメ
ントミルク、モルタル等を使用することができる。
【0010】請求項6に記載の場所打ち杭工法は、前記
削孔された孔に、前記孔と略同等の径の鋼管を挿入し前
記スライム排出管と、前記袋体を挿入する請求項5に記
載の場所打ち杭工法である。鋼管を挿入した後袋体を挿
入し、場所打ち杭とするため、強固な場所打ち杭とでき
る。また、削孔された孔に鋼管を挿入し、スライムの発
生量が少ない場合、スライム排出管を挿入しスライムを
排出せずともスライムを排出でき、強固な杭とできる。
【0011】請求項7に記載の袋体は、底部が縫製され
ると共に、該縫製密度が前記底部から開口側に向かって
縫製密度が疎になるように縫製され、前記縫製された部
分が内側になるように前記開口側が反転されて中空の杭
に固着され、削孔された孔底部に堆積したスライムを排
出するスライム排出及び場所打ち杭工法に用いられるも
のである。流体の注入量が増加し袋体内の圧力が高まる
と、縫製の糸が切れていき、袋体は反転する。膨張力の
増加に伴い縫製は密になっていくので、反転終わり近く
でも反転速度は同じであり、スライムに対して十分な押
し出し圧力を負荷できる。
【0012】請求項8に記載の袋体は、底部内側にワイ
ヤーが反転制御され、該ワイヤーが開口部から引き出さ
れ、前記底部が反転させられた袋体が、前記ワイヤーが
上下に可動自在となるように前記開口部とともに中空の
杭に固着され、削孔された孔底部に堆積したスライムを
排出するスライム排出及び場所打ち杭工法に用いられる
ものである。反転速度をワイヤーと流体注入量により調
節することができるので、スライムに対して十分な押し
出し圧力を負荷できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施形態の一例を説明する。図1は、本実施形態例に係
るワイヤーにより袋体の反転速度を調節する場合の袋体
取付構造Aを示す。
【0014】袋体取付構造Aは、注入管1と、袋体2
と、ワイヤー3と、取付部4と、固定具5と、挿入管6
とを備えてなり、袋体2の反転され内側となる一端は、
ワイヤー3に取付部4で強く固定されており、ワイヤー
3は挿入管6を通され、挿入管6と注入管1は袋体2の
他端で覆い被さるように包まれ固定具5で固定されてい
る。注入される流体の種類によっては袋体2に注入され
た後、挿入管6から出てくる可能性があるが、その場合
には挿入管6の内側にスポンジや柔らかい布材をはさん
でおいたらよい。注入管1は、両端に開口1a、1bを有
し、袋体に収納される軸部分に注入口1cが複数個設け
てある。流体は、注入管1の一端の開口1aより注入さ
れ、他端の開口1b、注入口1cから袋体2に流し込ま
れ、袋体2を反転しながら膨張させる。この時、ワイヤ
ー3の送り出し長さを調整することにより反転速度が調
節される。ここで、袋体2はナイロン・ビニロン等の汎
用繊維、アラミド等の高張力繊維等によって織成された
ものを使用することができる。
【0015】次に、以上のようにして構成された袋体取
付構造Aを用いたスライム排出方法について図2を参照
しながら説明する。
【0016】まず、図2(a)に示すように、所定の大
きさ、深さの孔7を削孔する。この時、孔7内の底部
に、水分と汚泥とからなるスライム8が堆積する。次
に、図2(b)に示すように、孔7の中にスライム排出
管9を挿入し、次いで、図2(c)に示すように、図1
に示す袋体取付構造Aを挿入する。そして、図2(d)に
示すように、注入管1の開口1aより流体10を注入す
ると、開口1b、注入口1cから袋体2に流し込まれ、袋
体2は反転しながら膨張する。この時、スライム8は地
盤に密着しながら下方に押し出されていくため、スライ
ム排出管9の開口9bに押し込まれ、排出口9cから排出
される。なお、スライム排出管9の開口9bは、複数個
設けられていても良い。また、スライム排出管9の内部
には、逆流防止用の弁等が設けられ、スライムの逆流が
防止されている。逆止弁以外にも、二重管にしておいて
片方の管をひねることで穴を塞ぐような手段を用いても
よい。また、スライム排出管9は、孔7内に複数本挿入
されて良い。
【0017】上記のスライム排出方法によりスライム8
が排出された後、袋体2は気密であるので、袋体2を引
っ張ることで流体10を除去し、袋体2を撤去すること
ができる。
【0018】次に、上記のスライム排出方法を用いた場
所打ち杭工法の、削孔内に鋼管を入れた場合を、図3を
参照しながら説明する。
【0019】まず、図3(a)に示すように、所定の大
きさ、深さの孔7を削孔し、鋼管11を挿入する。この
時、孔7内の底部に、水分と汚泥とからなるスライム8
が堆積する。次に、図3(b)に示すように、孔7の中
にスライム排出管9を挿入し、次いで、図3(c)に示
すように、図1に示す袋体取付構造Aを挿入する。そし
て、図3(d)に示すように、注入管1の開口1aより自
硬性流体12を注入すると、開口1b、注入口1cから袋
体2に流し込まれ、袋体2は反転しながら膨張する。こ
の時、スライム8は地盤に密着しながら下方に押し出さ
れていくため、スライム排出管9の開口9bに押し込ま
れ、排出口9cから排出される。袋体2内の圧力が所定
の圧力まで昇圧したら、自硬性流体12aの注入を止
め、自硬性流体12aが完全に硬化する前に、スライム
排出管9を抜き取る。その後、図1で示す袋体取付構造
Aは挿入したまま、図3(e)に示すように、袋体2の上
部に自硬性流体12bを孔7に注入し、場所打ち杭とす
る。なお、自硬性流体12bを注入する前に、袋体2内
に、自硬性流体12aを注入し、袋体2内の圧力をさら
に高め、袋体2を孔7内に密着させることで、より強固
な基礎とすることが可能となる。
【0020】次に、上記のスライム排出方法を用いた場
所打ち杭工法の、削孔内に鋼管を入れた場合で、スライ
ムの発生量が少ない場合を、図4を参照しながら説明す
る。
【0021】まず、図4(a)に示すように、所定の大
きさ、深さの孔7を削孔し、鋼管11を挿入する。この
時、孔7内の底部に、水分と汚泥とからなるスライム8
が堆積するが、鋼管11を挿入すると、孔7内における
孔壁からのスライム8の発生が制限され、スライム8の
発生量が少ない場合がある。この場合、スライム排出管
9によりスライム8を排出しなくても、孔7内の底部か
ら周辺部に押し出すのみで、袋体2内に、自硬性流体1
2aを注入し、袋体2の圧力を高めた場合であっても、
袋体2の浮き上がり等を防止することができる。削孔
後、図4(b)に示すように、図1による袋体取付構造A
を挿入する。次に、図4(c)に示すように、注入管1
の開口1aより自硬性流体12を注入すると開口1b、注
入口1cから袋体2に流し込まれ、袋体2は反転しなが
ら膨張し、スライム8は地盤に密着しながら下方に押し
出されてゆき、孔7の周辺部に押し出される。そして、
袋体2内の圧力が所定の圧力まで昇圧したら、自硬性流
体12aの注入を止め、図1で示す袋体取付構造Aは挿入
したまま、図4(d)に示すように、袋体2の上部に自
硬性流体12bを孔7に注入し、場所打ち杭とする。
【0022】図1に示す袋体取付構造Aは、図5に示す
ような、袋体2の縫製密度により反転速度を調節する袋
体取付構造Aとすることもできる。図5(a)は、本発明
に係る袋体2の縫製密度により袋体2の反転速度を調節
する場合の袋体取付構造、図5(b)は、図5(a)にお
ける袋体2の縫製状態、図5(c)は、図5(a)におけ
る袋体2の取付け状態を示す。
【0023】図5(a)で示す袋体取付構造Aは、注入管
1と、袋体2と、取付部4と、固定具5とを備えてな
り、袋体2の反転された内側の一端は、取付部4で軽く
固定されており、注入管1は袋体2の他端で覆い被さる
ように包まれ固定具5で固定されている。注入管1の袋
体2に収納される部分には注入口1cが複数個設けてあ
り、注入管1の開口1aより流体を注入すると開口1b、
注入口1cから袋体2に流し込まれ、袋体2は反転しな
がら膨張する。袋体2の縫製密度の疎密により、反転速
度を調節する。縫製部分は、接着剤等を用いて固着して
も良い。図5(b)において、袋体2の縫製状態を示
す。袋体2の一方2a側は縫製により閉じられており、
袋体の中心付近まで縫製されている。袋体2の一方2a
側の縫製は密であり、袋体2の他方2b側に近づくにつ
れ縫製は疎となる。反転の初期と比べて、反転の終わり
では、縫製部分に加わるモルタル重量が大きくなるた
め、この重量の差を考慮して、袋体2の一方2a側を密
にする。図5(c)において、袋体2の他方2b側は反転
され、袋体2の一方2a側を包み込んでいる。ここで、
袋体2はナイロン・ビニロン等の汎用繊維、アラミド等
の高張力繊維等によって織成されたものを使用すること
ができる。
【0024】なお、図5に示す縫製により反転速度を調
節する袋体取付構造Aは、図1に示すワイヤーの長さで
反転速度を調節する袋体取付構造Aと、同じ機能を果た
すので、図2から図4に示すスライム排出方法と場所打
ち杭工法で適用可能である。
【0025】次に、上記のスライム排出方法を用いた場
所打ち杭工法の、削孔内に鋼管を入れた場合で、図5に
示す袋体取付構造Aを用いる場合を、図6を参照しなが
ら説明する。
【0026】まず、図6(a)に示すように、所定の大
きさ、深さの孔7を削孔し、鋼管11を挿入する。この
時、孔7内の底部に、水分と汚泥とからなるスライム8
が堆積する。次に、図6(b)に示すように、孔7の中
にスライム排出管9を挿入する。次いで、図6(c)に
示すように、図5に示す袋体取付構造Aを挿入する。そ
して、図6(d)に示すように、注入管1の開口1aより
自硬性流体12を注入すると開口1b、注入口1cから袋
体2に流し込まれ、袋体2は反転しながら膨張する。こ
の時、スライム8は地盤に密着しながら下方に押し出さ
れていくため、スライム排出管9の開口9bに押し込ま
れ、排出口9cから排出される。袋体2内の圧力が所定
の圧力まで昇圧したら、自硬性流体12aの注入を止
め、完全に硬化する前に、スライム排出管9を抜き取
る。その後、袋体取付構造は挿入したまま、図6(e)
に示すように、袋体2の上部に自硬性流体12bを孔7
に注入し、場所打ち杭とする。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0028】(実施例1)袋体として、ポリエステル製
のφ350・全長6000mmの筒状織物を使用した。
注入管として、φ40mm鋼管を用い、注入管の袋体内
に収納される部分には注入がスムーズにいくように穴を
あけた。袋体は片端を縫製してふさぎ、縫製部付近に、
ワイヤー外径と一致する内径を有するワイヤー挿入用管
を取付けた、反転速度調整用ワイヤーの一端を取付け
た。次に、袋体の縫製側に注入管を取付け開放側を反転
させ、袋体の開放側とワイヤー挿入用管とを注入管に金
属バンドで固定した。さらに、袋体の外周にビニールテ
ープを巻き回し、80mm程度の太さにした。スライム
排出管としては、φ40mm鋼管を使用し、鋼管先付近
にはスライム排出用の穴を開け、逆流防止の弁を付け
た。オーガでφ350の縦穴を削孔し、φ300の鋼管
を挿入した。次に、スライム排出管を孔の底にほぼ届く
ように設置し、袋体を孔内の所定の位置に設置した。次
いで、注入管を介して袋体内にモルタルを注入し、袋体
を膨張させ、さらにモルタルを注入していき袋体を反転
させ、袋体内の圧力が所定の圧力まで昇圧したら注入を
やめた。そして、スライム排出管を抜き取り、杭の上部
からモルタルを流し込んだ。
【0029】(実施例2)実施例1の袋体構造を変更し
た。縫製糸としては、1500d(1670T)のテトロ
ンミシン糸を使用した。袋体は片端を縫製して塞ぎ、さ
らに袋体の縫製側から袋体の中心付近にまで縦方向に2
cm間隔で縫製を入れた。縫製は3mmピッチとした。
さらに、縫製側から袋体長さの1/3程度の位置まで縫
製を1cm間隔にし、袋体の縫製側から1/6程度の位
置まで縫製を横方向に5cm間隔で入れた。そして、袋
体の縫製側を内側に折り込み、注入管を挿入し、袋体の
縫製部分を注入管にひもで軽く縛りつけ、袋体の開放側
を注入管に金属バンドで固定した。
【0030】(実施例3)実施例1の袋体構造を、内面
にウレタンをコーティングして気密性を持たせるように
変更した。また、実施例1の施工工程について、削孔に
鋼管を挿入せず、袋体構造にモルタルではなく水を注入
し、スライム排出後に袋体内中の水を抜いた後、袋体を
孔内から抜き取る、というように変更した。
【0031】(実施例4)実施例1の施工方法におい
て、スライムが発生しにくいケーシング削孔を行い、袋
体を挿入し、それ以降は実施例1と同じ工程を行った。
念のため通常よりも高目の圧力にした。スライムの粘度
にもよるが、通常は0.4MPa以下の圧力でスライム排
出されるところを今回は0.7MPaかけた。
【0032】実施例1で、袋体を膨張させる時、スライ
ム排出管からスライムの排出が確認された。施工後掘り
起し確認を行うと、袋体は孔先端まで到達しており、ス
ライムは袋体および孔壁に多少へばりついていたものの
殆どなく、スライム排出管の中はスライムで満たされて
いた。
【0033】実施例4の確認作業として、袋体を孔内の
所定の位置に設置したとき、杭は殆ど持ち上がらなかっ
た。掘り起こし確認を行うと、スライム量は実施例1よ
りも若干多いものの殆ど残っておらず、残っていたスラ
イムも押し込められていた。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によると、袋体の本体部
分が膨張し、孔に密着するので、スライムには十分な圧
力がかかり、スライムはスライム排出用の管から排出さ
れる。スライム排出のための管を挿入しているため、削
孔内の底円以外にスライムが付着する心配がない。ま
た、このように袋体の膨張力によってスライムを排出す
るため、大型設備を別途準備する必要がなく、簡易な設
備でスライムの排出が可能になる。
【0035】また、請求項2の発明によると、袋体の膨
張速度を調節することによってスライムへの負荷圧力を
調整できスライムの排出が可能となり、削孔内に袋体を
密着させることができるので、袋体が削孔内をずり落ち
ることがない。また、袋体は反転しながら膨張するた
め、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスライ
ムを押し出すよう圧力が働く。
【0036】また、請求項3の発明によると、袋体の膨
張速度を調節することによってスライムへの負荷圧力を
調整できスライムの排出が可能となり、削孔内に袋体を
密着させることができるので、袋体が削孔内をずり落ち
ることがない。また、袋体は反転しながら膨張するた
め、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスライ
ムを押し出すよう圧力が働く。
【0037】また、請求項4の発明によると、流体の注
入量が増えていくと、袋体の縫製の糸が切れていくこと
で袋体の反転が進む。袋体の縫製密度を疎密にし袋体の
膨張速度を調節することによってスライムへの負荷圧力
を調整できスライムの排出が可能となり、削孔内に袋体
を密着させることができるので、袋体が削孔内をずり落
ちることがない。また、袋体は反転しながら膨張するた
め、削孔内の底円では中心から周辺部に向かってスライ
ムを押し出すよう圧力が働く。
【0038】また、請求項5の発明によると、袋体に自
硬性流体を注入し、袋体の膨張速度を調節することによ
ってスライムへの負荷圧力を調整でき、スライムの排出
を行なうとともに、自硬性流体が硬化後には、場所打ち
杭とできる。また、削孔内に袋体を密着させることがで
きるので、強固な場所打ち杭となる。さらに、袋体内よ
り自硬性流体の余分な水分が脱水し、自硬性流体が固化
後、十分な強度を発揮する。脱水された水分はスライム
とともにスライム排出管から排出される。さらに、袋体
は反転しながら膨張するため、削孔内の底円では中心か
ら周辺部に向かってスライムを押し出すよう圧力が働く
ため、圧力を増しても杭の持ち上がりがない。ここで、
自硬性流体として、セメントミルク、モルタル等を使用
することができる。
【0039】また、請求項6の発明によると、鋼管を挿
入した後袋体を挿入し、場所打ち杭とするため、強固な
場所打ち杭とできる。また、削孔された孔に鋼管を挿入
し、スライムの発生量が少ない場合、スライム排出管を
挿入しスライムを排出せずともスライムを排出でき、強
固な杭とできる。
【0040】また、請求項7の発明によると、流体の注
入量が増加し袋体内の圧力が高まると、縫製の糸が切れ
ていき、袋体は反転する。膨張力の増加に伴い縫製は密
になっていくので、反転終わり近くでも反転速度は同じ
であり、スライムに対して十分な押し出し圧力を負荷で
きる。
【0041】また、請求項8の発明によると、反転速度
をワイヤーと流体注入量により調節することができるの
で、スライムに対して十分な押し出し圧力を負荷でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る、袋体の反転速度をワ
イヤーにより調節する袋体取付構造の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスライム排出方法の工
程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る場所打ち杭工法の、削
孔内に鋼管を入れた場合の工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る場所打ち杭工法の、削
孔内に鋼管を入れた場合でスライムの発生量が少ない場
合の工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る、袋体の反転速度を縫
製密度により調節する袋体取付構造の断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る、袋体の反転速度を縫
製密度により調節する袋体取付構造を用いた場合の、場
所打ち杭工法の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 注入管 2 袋体 3 ワイヤー 4 取付部 5 固定部 6 挿入管 7 孔 8 スライム 9 スライム排出管 10 流体 11 鋼管 12 自硬性流体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 削孔された孔の底部に堆積するスライム
    を排出するスライム排出方法であって、前記削孔された
    孔の底部に堆積したスライムを排出するスライム排出管
    を設置するとともに、前記削孔された孔に袋体を挿入し
    て該袋体に流体を注入し、該流体の注入による前記袋体
    の膨張力によって、前記孔の底部に堆積したスライムを
    前記スライム排出管の底部に形成された排出口から前記
    スライム排出管内に押し入れてスライムを排出するスラ
    イム排出方法。
  2. 【請求項2】 前記袋体は、底部が前記袋体の内側に反
    転されると共に反転制御手段を備えており、該反転制御
    手段により折り返し位置を調整することにより前記流体
    注入時に袋体の膨張速度が調節される請求項1に記載の
    スライム排出方法。
  3. 【請求項3】 前記反転制御手段が、前記底部に取付け
    られたワイヤーであり、前記ワイヤーの送り出し長さを
    調整することによって、前記流体注入時における前記袋
    体の膨張速度が調節される請求項2に記載のスライム排
    出方法。
  4. 【請求項4】 前記反転制御手段が、縫製であり、縫製
    密度が前記袋体の底部から開口側に向かって疎になるよ
    うに縫製されている請求項2に記載のスライム排出方
    法。
  5. 【請求項5】 削孔された孔に、スライム排出管と、底
    部が内側に向かって反転されて反転制御された袋体とを
    挿入し、前記袋体に自硬性流体を注入し、該自硬性流体
    の注入による前記袋体の膨張力によって、前記孔の底部
    に堆積するスライムを前記スライム排出管内に押し入れ
    ることによって排出し、前記袋体内の自硬性流体が完全
    に硬化する前に前記スライム排出管を抜き取り、前記ス
    ライム排出管を抜き取った後に、前記袋体の上部の前記
    孔に自硬性流体を注入する場所打ち杭工法。
  6. 【請求項6】 前記削孔された孔に、前記孔と略同等の
    径の鋼管を挿入し、前記鋼管内に前記スライム排出管
    と、前記袋体を挿入する請求項5に記載の場所打ち杭工
    法。
  7. 【請求項7】 底部が縫製されると共に、該縫製密度が
    前記底部から開口側に向かって縫製密度が疎になるよう
    に縫製され、前記縫製された部分が内側になるように前
    記開口側が反転されて中空の杭に固着され、削孔された
    孔底部に堆積したスライムを排出するスライム排出及び
    場所打ち杭工法に用いられる袋体。
  8. 【請求項8】 底部内側にワイヤーが反転制御され、該
    ワイヤーが開口部から引き出され、前記底部が反転させ
    られた袋体が、前記ワイヤーが上下に可動自在となるよ
    うに前記開口部とともに中空の杭に固着され、削孔され
    た孔底部に堆積したスライムを排出するスライム排出及
    び場所打ち杭工法に用いられる袋体。
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