JP2002302869A - ポリオレフィン系繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系繊維及びその製造方法

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洋 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系繊維の直接紡糸延伸方式に
おいて均一付着性が高く、延伸に追随して十分に拡展し
うる油剤を使用することにより、飛躍的にポリオレフィ
ン系繊維の製造工程を安定させ糸斑や毛羽等の少ない高
品質なポリオレフィン系繊維及びその製造法を提供す
る。 【解決手段】 ポリオレフィンに対する接触角が0〜1
0°であるストレート系油剤が、0.1〜5.0質量%
付着しているポリオレフィン系繊維及びポリオレフィン
樹脂を溶融紡糸し、紡出された糸条を冷却した後、ポリ
オレフィンに対する接触角が0〜10°であるストレー
ト系油剤を付与し、一旦巻き取ることなく、引き続いて
加熱ローラーにて延伸する直接紡糸延伸法により製造す
るポリオレフィン系繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンか
ら直接紡糸延伸法で製造する毛羽や糸斑等の欠点がない
高品質のポリオレフィン繊維、とりわけポリプロピレン
繊維とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より合成繊維の製造に当たり、製造
工程の合理化を図ることを目的として、高速化或いは直
接紡糸延伸方式等の導入が行われてきた。汎用繊維の一
つであるポリプロピレン繊維においても、製造工程の合
理化のために鋭意努力を重ねてきたが、直接紡糸延伸方
式の導入の際には、最終巻取速度が高速化するのに伴い
著しく製糸安定性が低下し、その結果として得られる繊
維の強度が低下することを余儀なくされていた。
【0003】合成繊維の製造において直接紡糸延伸方式
による場合、製糸工程を安定化させるため、従来からい
くつかの提案がなされている。特開昭61−70063
号公報には特殊な糸道で糸を屈曲走行させ紡糸用油剤を
均一に付着させて、延伸工程の製糸安定性を向上させる
方法が開示されている。しかし、この方法においても直
接紡糸延伸方式に対して十分な効果が得られるわけでは
なく、延伸速度が1000m/分以上となると、単糸切
れが発生し安定に製糸することが困難となる。
【0004】元来、ポリプロピレン繊維の製造に関する
従来の発明は、付着性の悪いエマルジョン系油剤を用い
て高倍率延伸を行うポリプロピレン繊維特有の製糸条件
を改良するために行われて来たものであった。しかしな
がら、根本的にはポリプロピレン繊維を始めとするポリ
オレフィン系繊維では、その未延伸糸の結晶性から油剤
の選択に大きな制約があり抜本的な解決には至っていな
かったのが現状である。従来のポリオレフィン系繊維の
製造方法は、ポリオレフィンを溶融吐出後固化した糸条
に、油剤を付与して巻き取った未延伸糸をエージングし
た後、延伸する2ステップ方式が一般的な製造法として
採用されてきた。
【0005】しかしながら、ポリオレフィンのような結
晶性の高いポリマーからの未延伸糸は、エージングされ
ると結晶化が進み球晶を形成する。繊維の製造工程では
パーン上で張力が掛ったまま結晶化が進むため、球晶間
に親油性の成分が浸透可能な構造ができ、未延伸糸は親
油性の油剤、すなわち、ストレート系油剤により膨潤し
てしまいその後の延撚工程で、パーンの形状不良、糸切
れなどの問題を惹起するだけでなく原糸の物性低下にも
繋がるため、ポリオレフィン系繊維の製造ではエマルジ
ョン系油剤を使用することが慣例となっていた。
【0006】従って、これまでポリオレフィン系繊維の
製造に使用されてきた油剤は、ポリオレフィン系繊維の
未延伸糸が膨潤しないことを条件として調整されている
ため、結果的にポリオレフィン系繊維表面との親和性が
低く、繊維表面に対する濡れ性も悪かった。このため延
伸工程において飛散する油剤成分が多く、作業環境を悪
化させているだけでなく、油剤が未延伸糸表面で油滴と
なっているため、高倍率で延伸を行った際に油剤成分が
繊維の伸長に追随して拡展せず、繊維軸方向に著しい付
着斑を発生し、フィラメント間で延伸斑が生じたり、走
行中の糸の収束性を欠くために、単糸切れを起こすなど
製糸安定性を損なう原因ともなっていた。
【0007】特開平6−57541号公報には直接紡糸
延伸方式においてニートオイルの使用が開示されている
が、ポリオレフィン系繊維では、上記のように油剤組成
に制約があるため該特許公開公報に記載されている繊維
は、ポリアミド繊維やポリエステル繊維を対象としてお
り、その目的は、油剤コストの低減、油煙の減少などと
されている。また、ポリエステル繊維等の約2倍の倍率
で延伸を行うポリオレフィン系繊維特有の製糸条件を考
慮したものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン系繊維の直接紡糸延伸方式において均一付着性が高
く、延伸に追随して十分に拡展しうる油剤を使用するこ
とにより、飛躍的にポリオレフィン系繊維の製造工程を
安定させ糸斑や毛羽等の少ない高品質なポリオレフィン
系繊維を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ンに対する接触角が0〜10°であるストレート系油剤
が、繊維糸条に対し0.1〜5.0質量%付着している
ことを特徴とするポリオレフィン系繊維にある。さらに
本発明は、ポリオレフィン樹脂を溶融紡糸し、紡出され
た糸条を冷却した後、ポリオレフィンに対する接触角が
0〜10°であるストレート系油剤を付与し、一旦巻き
取ることなく、引き続いて加熱ローラーにて延伸する直
接紡糸延伸法により製造されることを特徴とする上記ポ
リオレフィン系繊維の製造方法にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について具体的に説明する。本発明で使用されるストレ
ート系油剤とは、広義に低粘度希釈剤併用タイプや原油
付与タイプを含むものであり、紡糸工程における給油時
の油剤の主要成分が有機溶剤であるものを指し、ニート
系油剤も含まれる。このストレート系油剤は、ポリオレ
フィン系繊維の製造工程においてノズルより溶融吐出
後、固化した段階で付与される。
【0011】ストレート系油剤を少量でかつ均一に繊維
表面に付与するためには、製造するポリオレフィン系繊
維を構成するポリマー表面との親和性が高いことが必要
であり、ポリオレフィンポリマーより製造されるフィル
ムとの接触角が0〜10°の範囲にある必要がある。さ
らに、延伸工程における油剤の拡展性を十分確保するた
めには該接触角は0〜3°の範囲にあるものが好まし
い。ここに接触角0°とは接触角の測定において測定不
可となる値のことであり、測定不可とはフィルム表面に
油剤が均一に拡展している状態であることを示してい
る。接触角を測定する際に用いられるフィルムは、表面
が平滑であればよく、無延伸のフィルムであってもよ
く、1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムであって
もよいが、平滑性の点から2軸延伸フィルムが好適であ
る。油剤のフィルムとの接触角が10°を超える場合に
は、繊維製造工程で飛散する油剤成分が多いために、紡
糸装置近辺の作業環境を悪化させるだけでなく、油剤が
均一に付着していないフィラメントが生じたり、付着し
た油剤が延伸工程で十分拡展せずに延伸斑が起こり、断
面斑や単糸切れによる毛羽の発生、或いはランニング中
での糸切れを発生する原因となるため好ましくない。
【0012】本発明において使用するストレート系油剤
中の油剤成分の粘度は特に限定されるものではなく、ポ
リオレフィン系繊維の製造工程において油剤を付与する
際に、少なくとも油剤に流動性があればよい。熱可塑性
繊維の表面に油剤成分をより均一に付与する場合、30
℃における油剤成分の粘度が70mm2 /sec以下の
範囲にあることがより好ましい。30℃における油剤成
分の粘度がこの範囲になくとも、30〜150℃の範囲
で油剤を加熱し、粘度を下げることにより均一付着性を
確保することも可能である。また、希釈溶媒を使用し給
油する油剤粘度を該範囲に調整して使用しても何ら問題
はない。
【0013】油剤付与装置は、油剤計量用ポンプにより
計量された油剤を固定式ガイドの吐出口から定量的に供
給し、ガイド上を接触しながら走行する糸条に付着させ
る給油装置を用いてもよく、回転するローラー表面に油
剤の皮膜を形成させ、ローラー上を接触しながら走行す
る糸条に油剤を付着させるオイリングローラー給油方
式、或いは延伸工程で油剤を追加付与する多段付与方式
等が採用できるが、いずれかに類似する方式であっても
よい。
【0014】ポリオレフィン系繊維の製造工程において
付与される油剤量は安定に製糸される範囲であればよ
く、走行する繊維糸条に対して0.1〜10質量%の範
囲で、好ましくは0.5〜5.0質量%の範囲である。
付与された油剤は製造工程の中で飛散或いは蒸発してそ
の付着量は減少する。最終的に繊維に付着している油剤
の量は、0.1〜5.0質量%の範囲であればよく、後
工程の製織、製編の安定性を確保するためには、0.5
〜2.0質量%の範囲にあることがより好ましい。付着
量が5.0質量%を超えると油剤の飛散が多く機台汚れ
の原因ともなる。また、0.1未満では油剤付着の効果
か発揮されない。
【0015】本発明で使用されるストレート系油剤は、
平滑剤、乳化剤、帯電防止剤その他添加剤などにより構
成される。平滑剤としては、鉱物油、例えばヤシ油、ナ
タネ油等の天然油脂、例えばブチルステアレート、トリ
デシルステアレート、ラウリルオレエート等の一価アル
コールと一価カルボン酸とのエステル、例えばトリメチ
ロールプロパントリラウレート、グリセリントリオレエ
ート等の多価アルコールと一価カルボン酸とのエステ
ル、例えばジオレイルアジペート、ジオクチルセバケー
ト等の一価アルコールと多価カルボン酸とのエステルが
ある。
【0016】乳化剤としてはポリオキシエチレン(PO
E)アルキルエーテルやポリエチレングリコール(PE
G)エステル、ポリエーテル等がありPOEラウリルエ
ーテル、PEGモノラウレート等がある。帯電防止剤と
してはアルキルホスフェート、脂肪酸石鹸、アルキルス
ルホネート等が挙げられ、アルキルスルホネートナトリ
ウム、ラウリルホスフェートカリウム、ホスフェートア
ミン、オレイルイミダゾリン等が一般的である。これら
は単独で用いてもよいし、複数の成分を併用しても問題
はない。
【0017】また、ストレート系油剤には必要に応じ
て、酸化防止剤、防腐剤等を添加しても何ら問題はな
い。さらに特定の機能を付与するために、撥水成分であ
るシリコン系化合物、フッ素系化合物等を含んでいても
よく、集束性向上剤として高粘度の高分子化合物を含ん
でいてもよい。
【0018】本発明のポリオレフィン系繊維に使用され
るポリオレフィン系ポリマーは、プロピレンホモポリマ
ーであってもランダムコポリマーであってもよい。コポ
リマーの場合コモノマーは特に限定されるものではな
く、エチレンやブテン−1などが一般的である。ランダ
ムコポリマーを使用する場合には、プロピレン成分が9
5モル%以上あることが溶融紡糸工程における製糸安定
性、糸条の耐熱性の点からも好ましい。
【0019】ポリオレフィン系ポリマーを製造するにあ
たり使用される触媒は、チグラーナッタ系触媒とメタロ
セン系触媒等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。また、Q値(質量平均分子量/数平均分子量の
比)は溶融紡糸工程の製糸安定性の点から5未満である
ことが望ましいが、特に限定されるものではない。ポリ
オレフィン系ポリマーのメルトフローレート値(以下、
MFR略称する。)は、JIS K 7210に準拠
し、測定温度230℃、測定荷重2.16Kgにより測
定される。ポリオレフィン系ポリマーのMFRは3以上
であることが好ましく、さらに製糸安定性の点から10
以上60以下の範囲であることがより好ましい。
【0020】本発明で使用されるポリオレフィン系ポリ
マーには、目的とするポリオレフィン系繊維の用途に応
じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、中和剤、可塑剤、抗菌剤、難燃剤等の添加剤を製糸
性を損なわない範囲で添加させることができる。特に安
定剤としてはヒンダードアミン系光安定剤を使用するこ
とが好ましい。使用されるこれら添加剤は、前記ストレ
ート系油剤や有機溶剤によるドライクリーニング等の処
理により溶出されることが無い成分が好ましい。
【0021】ポリオレフィン系ポリマーから繊維を製造
するに当っては、顔料を配合することができる。配合さ
れる顔料は特に限定されず、一般の無機顔料や有機顔料
を使用することができる。有機顔料としてはβナフトー
ル系化合物等のアゾレーキ顔料、フタロシアニン系顔
料、塩基性染料レーキ及び酸性染料レーキ等の染付レー
キ顔料、または蛍光顔料、金属塩系の顔料等が挙げら
れ、無機顔料としてはクロム酸塩、硫化物、酸化物、珪
酸塩、リン酸塩、シアン化物、金属酸化物、水酸化物、
及びカーボンブラック等が挙げられる。また、繊維の風
合いや後工程を改善するために、酸化チタン、シリカま
たはカオリン等の粒子を製糸性が阻害されない範囲で配
合していてもよい。
【0022】本発明は前記ストレート系油剤を使用し
て、ポリオレフィン系繊維を製造するに当たり、直接紡
糸延伸方法を採用する。紡糸延伸後、一旦、未延伸糸を
巻取った後、エージングを行うと油剤成分により未延伸
糸が膨潤し、ボビンチューブから巻糸が抜け落ちる等の
問題が生じる。延伸工程は1段或いは2段以上の多段で
あってもよく、多段延伸における延伸倍率比の設定も特
に限定されるものではない。また、延伸工程では接触型
或いは非接触型の熱源を用いても何ら問題はない。延伸
倍率についても溶融紡糸されたフィラメントの破断伸度
の範囲で任意に設定することが可能である。延伸工程に
おける延伸斑も改善されるために、総延伸倍率を高く設
定することが可能となり、結果として4cN/dtex
以上の強度を有するポリオレフィン系繊維を安定に得る
ことが可能となる。
【0023】上記紡糸工程により得られる繊維を構成す
るフィラメントの繊度及びフィラメント数に関しては用
途に応じて任意に設定されても何ら問題は無い。また、
フィラメントの断面形状は円形または楕円、三角或いは
四角等の多角形であってもよく、トリローバル等の多葉
形状であってもよい。フィラメントは中実であっても中
空形状であってもよい。さらに、ポリオレフィンコポリ
マーの共重合範囲において、共重合組成比またはコモノ
マーの異なるポリマー或いはMFRが異なるポリマーを
使用して、芯鞘またはサイドバイサイドまたは海島型の
複合紡糸により得られた繊維であっても、前記ストレー
ト系油剤を用いることが可能である。
【0024】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、本明細書で用いた測定法、評価方法を次に示
す。 (1)「油剤接触角測定方法」 ポリプロピレン2軸延伸フィルム上に、測定試料をマイ
クロシリンジを用いて約5〜10mg滴下し1分経過し
た後、エルマ光学(株)製接触角測定器を使用し接触角
を測定した。 (2)「油剤粘度測定方法」 キャノンフェンスケ粘度計を使用し、30℃における試
料液の流出秒数を測定し、これに粘度計定数を乗じて動
粘度を求めた。 (3)「油分付着量」 試料に付着している油分量をソックスレー抽出器を用い
て、エチルエーテル/メタノール混合溶剤(1容量:1
容量)を用いて、還元抽出を行い、溶剤留去後のフラス
コ質量差から求めた。 (4)「毛羽カウント」 東レ(株)製「フライカウンター モデルDT−10
4」の毛羽検出部に、試料とする繊維糸条を500m/
分の速度で10000m走行させ検出される毛羽数をカ
ウントした。走行する繊維糸条に発生している毛羽数を
カウントした。
【0025】[実施例1]MFRが30であるポリプロ
ピレンホモポリマーを溶融紡糸装置の押出機に投入し溶
融混練した後、紡糸温度230℃にて、孔径が0.8m
mφ、孔数60の紡糸口金より定量的に117g/分の
速度で吐出した。吐出した糸条は冷却風により冷却固化
させ、表1に示した組成の油剤を定量供給装置を用いて
ジェットオイリングノズルより4cc/分の速度で吐出
して供給付着させた後プリテンションロールにより速度
250m/分により引き取り、一旦巻き取ることなく、
引き続き、2段延伸ユニットを用いて、総延伸倍率7倍
に設定して延伸し、760dtex,60フィラメント
の延伸糸を得た。使用した油剤の成分、動粘度、ポリプ
ロピレンホモポリマーのフィルムに対する接触角、付着
量、毛羽カウント及び得られた繊維の強度を表1に示
す。
【0026】[実施例2〜8]溶融紡糸した糸条に付着
させる油剤を表1に示した組成としたほかは、実施例1
と同様の方法により製糸した。使用した油剤の成分、動
粘度、ポリプロピレンホモポリマーのフィルムに対する
接触角、付着量、毛羽カウント及び得られた繊維の強度
を表1に示す。
【0027】[実施例9〜10]溶融紡糸した糸条に付
着させる油剤を表1に示した組成とし、油剤は三菱石油
(株)製ダイヤモンドソルベント(商品名)により60
%の濃度に希釈して、定量供給装置を用いてジェットオ
イリングノズルより6cc/分の速度で吐出供給して糸
条に付着させたほかは、実施例1と同様の方法で製糸を
行った。使用した油剤の成分、動粘度、ポリプロピレン
ホモポリマーのフィルムに対する接触角、付着量、毛羽
カウント及び得られた繊維の強度を表1に示す。
【0028】[比較例1]溶融紡糸した糸条に付着させ
る油剤を表1に示した組成とし、この油剤をイオン交換
水を用いて20%の濃度に希釈し、実施例1と同様の条
件で紡糸を行い、定量供給装置を用いてジェットオイリ
ングノズルより10cc/分の速度で吐出供給して糸条
に付着させた。油剤を付着した糸条を一旦巻き取ること
なく、引き続き総延伸倍率6.2倍により延伸を行った
が、単繊維切れまたは糸切れが頻発し製糸安定性が不良
となった。そこで総延伸倍率を5.0倍に変更して製糸
を行ったが、実施例と比較して低強度の糸となった。こ
の例で使用した油剤のポリプロピレンホモポリマーに対
する接触角は29°であった。使用した油剤の成分、動
粘度、ポリプロピレンホモポリマーのフィルムに対する
接触角、付着量、毛羽カウント及び得られた繊維の強度
を表1に示す。
【0029】[比較例2]溶融紡糸した糸条に付着させ
る油剤を表1に示した組成としたほかは、比較例1と同
様の方法で製糸を行った。総延伸倍率6.2以上では、
単繊維切れまたは糸切れが頻発し製糸安定性が不良とな
った。そこで比較例1と同様に総延伸倍率を5.0倍に
変更して製糸を行ったが、結果的に実施例と比較して低
強度の糸となった。この例で用いた油剤のポリプロピレ
ンホモポリマーに対する接触角は40°であった。使用
した油剤の成分、動粘度、ポリプロピレンホモポリマー
のフィルムに対する接触角、付着量、毛羽カウント及び
得られた繊維の強度を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ポリオレフィンより直
接紡糸延伸方式で、ポリオレフィンに対する接触角が0
〜10°であるストレート系油剤を使用することによっ
て、延伸工程における製糸安定性が向上し、毛羽や糸斑
等の発生のない高品質のポリオレフィン系繊維とりわけ
ポリプロピレン繊維を得ることが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA05 AB01 AC15 BA01 BA16 BA21 BA39 CA48 4L038 AA10 AB07 BA12 BB07 CA01 CA04 DA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンに対する接触角が0〜1
    0°であるストレート系油剤が、繊維糸条に対し0.1
    〜5.0質量%付着していることを特徴とするポリオレ
    フィン系繊維。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンがポリプロピレンである
    請求項1記載のポリオレフィン系繊維。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンを溶融紡糸し、紡出され
    た糸条を冷却した後、ポリオレフィンに対する接触角が
    0〜10°であるストレート系油剤を付与した後、一旦
    巻き取ることなく、引き続いて加熱ローラーにて延伸す
    る直接紡糸延伸法により製造されることを特徴とする請
    求項1又は2に記載されたポリオレフィン系繊維の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007517096A (ja) * 2003-12-24 2007-06-28 ゲイル・パシフィック・リミテッド 高分子プラスチック材料とその製造
KR20200029604A (ko) * 2018-03-13 2020-03-18 다케모토 유시 가부시키 가이샤 합성 섬유용 처리제의 희석액 및 합성 섬유의 제조 방법

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