JPS6399321A - ポリパラフエニレンテレフタルアミド系繊維の製造法 - Google Patents

ポリパラフエニレンテレフタルアミド系繊維の製造法

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JPS6399321A
JPS6399321A JP24405986A JP24405986A JPS6399321A JP S6399321 A JPS6399321 A JP S6399321A JP 24405986 A JP24405986 A JP 24405986A JP 24405986 A JP24405986 A JP 24405986A JP S6399321 A JPS6399321 A JP S6399321A
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liquid
coagulation bath
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Atsushi Ishida
石田 篤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下
、r PPTA Jと略称する)系繊維の製造法に関す
る。更に詳しくは、改良された機械的性質を持つPPT
A系繊維を、工業的に有利な速度で効率的に製造する高
速紡糸法に関する。
〔従来の技術〕
芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸、及び/又は芳香
族アミノカルボン酸から全芳香族ポリアミドが誘導され
ることは公知であり、またこれら芳香族ポリアミドから
繊維が得られることも既に公知である。さらに、かかる
芳香族ポリアミドのうち特に、PPTA系ポリマーから
、′その謝直な分子構造から期待される通り、高い融点
、優れた結晶性、高い強度、高いヤング率等の好ましい
物性を有する繊維が得られることも既に知られている。
例えば、特開昭47−39458号公報によれば、少く
とも98%以上の濃度の濃硫酸に溶解したPPTA系ポ
リマーの光学的異方性を示す溶液を、紡糸口金を通して
、不活性な非凝固性流体中に押し出し、次いで凝固浴中
を通すことによって、好ましい機械的性質を存する繊維
が得られることが開示されている。しかしながら、かか
る方法においては、凝固浴中の凝固液と走行する糸条と
の摩擦抵抗により、糸条に大きな引き取り張力即ち紡糸
張力がかかる。この紡糸張力は、紡速の増大と共に増大
するため、紡糸張力の低い、即ち低い紡糸速度において
は優れた機械的性質を有する繊維を与えるが、紡速の増
大に伴って、得られる繊維の強度、伸度が共に著しく低
下する。従って、工業上有意義な紡糸速度においては、
機械的性質に優れたPPTA系繊維を得ることは困難で
あった。
かかる方法に対し、紡速の増大に伴って著しく増加する
傾向のある紡糸張力を低減する方法として、凝固浴下部
に特定のスピンチューブ(細孔)を設け、糸条と凝固液
を同時に落下させつつ紡糸する方法(特開昭53−78
320号公報)がa案されたが、高紡速、特に300m
/分以上の紡糸速度においては、張力を充分に低減しう
るには至らず、高い繊維性能を得るに至っていない。
更に、高紡速域′での凝固液と糸条の速度差によって生
じる摩擦抵抗を低減するために、凝固浴液を加圧し、ス
ピンチューブからの凝固液速を加速する方法(特開昭5
3−78321号公報)、あるいはスピンチューブを通
して落下する糸条と凝固液流に、複数の小径ノズルある
いはスリットから噴出させた別の凝固液を、糸条の引き
取り方向に当てて加速する方法(特開昭56−1283
12号公報)が提案された。しかしながら、凝固液速を
加速することによって、見掛は上紡糸張力を低減するこ
とは可能であるが、特に後者の方法においては、噴出に
よりジェット化された凝固液が、局所的に過大な張力と
して糸条に加わり、凝固不完全な糸条の高次構造の破壊
を引き起こす結果、強度及び伸度の低下を招き、充分に
高い性能を有する繊維は得られない。
一方、紡糸張力を低減する方法として、スピンチューブ
を凝固浴の掻めて浅い位置に設置し、糸条と共に落下す
る凝固液量を減じ、必要に応じてスピンチューブを通し
て落下する糸条及び凝固液に、特定量の別の凝固液を噴
出流として糸条引き取り方向に当てて加速する方法(特
開昭57−121612号公報)が提案された。しかし
ながら、かかる方法においては、凝固浴が浅く、また落
下する凝固液量も減少するため、凝固がより不完全とな
り、張力を低減しても、より小さい張力で糸条中の結晶
配向及び糸条の高次構造の破壊が並行的に進行する結果
、強度、伸度共に低い繊維、あるいはまた張力の低減効
果により強度低下を小さく抑えることが出来た場合にお
いても、伸度の低い繊維を与えるに過ぎないものである
。この傾向は、当然のことながら、高紡速域においては
紡速の増大にともなって慣性力が増大するため著しくな
る。その上、凝固液として、工業上極めて有利な条件で
ある硫酸水溶液を用いた場合には、凝固の進行が遅れる
結果、上記の傾向は更に顕著になり、結局実用に供し得
る高性能PPTA系繊維を得ることは困難となる。
PPTA系繊維の実用性能としては、高い強度は勿論の
ことながら、高い伸度を併わせ持つことが重要であるこ
とは周知の通りであり、特にタイヤコードとして使用さ
れる繊維では、耐疲労特性上極めて重要である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者は、かかる点に鑑み、高い強度は勿論のこと高
い伸度を有する優れた繊維性能を有するPPTA系繊維
を、“工業的に有利な速度で効率的に製造する方法につ
き、PPTA系ポリマーの濃硫酸溶液(以下、単に「ド
ープ」と略称する)から゛の凝固過程における糸条の形
成と、得られるPPTA系繊維の物性及び構造を対応さ
せつつ長期間の研究を続けて来た。その結果、ドープを
非凝固性の流体層を通して凝固浴に導く湿式紡糸法にお
いて、凝固液として流動性を有する微細な液体泡沫を用
いることにより、高強度かつ高伸度の機械的性質に優れ
たPPTA系繊維が得られることを見い出した。この知
見に基づき、更に鋭意検討を重ねた結果、ついに300
m/分以上の高い紡糸速度に於いても、高強度かつ高伸
度のPPTA系繊維が得られることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
本発明の目的は、強度および伸度の改良された高性能の
PPTA系繊維を工業的に有利な高い紡糸速度で効率よ
く製造する方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、PPTA系ポリマーの光学的異方性溶液を紡
糸口金より吐出し、非凝固性の流体層を通して凝固浴に
導き、次いで凝固浴から糸条を引き取るPPTA系マル
チフィラメント繊維の湿式紡糸を実施するに当り、凝固
液が、流動性を有する微細な液体泡沫であることを特徴
とするPPTA系繊維の製造法である。
本発明法において、PPTA系ポリマーとは、ポリパラ
フェニレンテレフタルアミドならびにその−N H+N
 H一単位又は/及び−c。
←〈二〉−C〇一単位の10モル%以下が、それぞれ他
の芳香族ジアミノ残基又は/及び他の芳香族ジカルボキ
シル残基により置換されたコポリアミド、又は−N H
+N H−及び−CO単位より成るコポリアミドを総称
する。これらPPTA系ポリマーは単独、または混合物
のいずれであっても本発明法に用いることができる。
本発明法のPPTA系繊維の製造法においては、少くと
も強度が18g/d以上、伸度が3%以上、かつ初期モ
ジュラスが250 g / d以上を示す如き高性能繊
維が対象とされるべきであり、そのためには、使用され
るPPTA系ポリマーの重合度が一定の値以上のもので
なければならず゛、少くとも固有粘度(η1nh)で表
わして3.5以上、特に4.5以上であることが望まし
い。
本発明法に用いられる紡糸用ドープは、かかるPPTA
系ポリマーから、既に公知の方法によって調製される。
その際、溶剤としては、工業的には濃硫酸がを利に用い
られる。濃硫酸の濃度は、95重量%以上が好ましく、
特に高い固有粘度を有するPPTA系ポリマーを高濃度
に溶解する場合には97.5重量%以上、さらに好まし
くは99重量%以上のものが用いられる。
紡糸用ドープのポリマー濃度は、一般に高いほうがより
高性能の繊維が得られ易いことから、濃厚であることが
必要であり、好ましくは少くとも13重量%以上、より
好ましくは15重景%以上とすべきである。しかしなが
ら、高すぎる濃度、゛例えば22重量%以上では、ドー
プの粘度が高(なりすぎるため、ドープ温度を高く設定
する必要があり、紡糸操作上困難を伴いやすい、従って
、高過ぎないよう選ばれるのがよい。ドープの調製およ
び使用に当っては、上記ポリマー濃度範囲においては、
ドープは室温付近では固化する場合があるため、室温か
ら80℃程度の温度で取扱えばよい、しかしながら、ポ
リマーの分解を可及的に回避する観点から、固化しない
限りなるべく低い温度を選ぶほうが好ましい。
このようにして調製された紡糸用ドープは、上記のポリ
マー濃度、ドープ温度範囲で光学的異方性を有すること
が認められる。かかるドープが本発明法において使用さ
れ、紡糸口金を通して一旦非凝固性の流体層、通常空気
中に押し出され、ついで凝固浴中に導びかれる。その際
、凝固浴中の凝固しつつある、または凝固した糸条はほ
とんど引き伸ばしが行なわれないため、吐出されたドー
プは非凝固性の流体層において、引き取りのドラフト(
引き伸ばし)がかかり、引き伸ばされる。
この引き伸ばしにおいて、引き伸ばし率が低いと充分に
繊維の物性を高めることが出来ず、また高すぎるとこの
間でドープ流が切断されるため、通常は、引き伸ばし率
は4〜15倍、好ましくは5〜12倍の間に設定される
ドープの引き伸ばしが行なわれる非凝固性の流体層、通
常空気中の長さ、即ちドープの吐出される紡糸用口金の
面から凝固浴液表面までの距離は、通常約1〜501會
、好適には3〜20mの範囲に設定されるが、これに限
定されるものではない。
具体的には、紡糸用口金からのドープの吐出速度、上記
のドラフト率、フィラメントの融合機会を少くすること
等を考慮して決定される。また、ドープの吐出に際して
用いられる紡糸用口金の孔径は、製造しようとする繊維
の太さ、及び上記のドラフト率の設定により選定される
。通常は0.05〜0.10mmの範囲のものが選択さ
れるが、これに限られるものではない。更に紡糸用口金
に設けられる孔数は、製造しようとする繊維の構成によ
って決定されるべきものであり、本発明法を実施するに
当って格別限定されるものではない。
本発明の実施に当って、凝固液としては、通常水又は濃
度70%までの硫酸水溶液に、下記の群より選ばれる1
種又は2種以上の界面活性剤を、10ppm〜10パー
セント含存せしめたものが有利に用いられる。また、例
えば、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の如き塩、又
はそれらの混合物の水溶液、アンモニア水溶液、水酸化
ナトリウム水溶液、又はメタノール、エタノール、エチ
レングリコールの如き有機溶媒又はこれらの水溶液等に
下記の群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を
、10ppm〜10パーセント含有せしめたものであっ
てもよく、特に限定されるものではない。
本発明に用いられる界面活性剤は、陰イオン界面活性剤
(例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル
塩、リン酸エステル塩)、陽イオン界面活性剤(例えば
、脂肪族アミン塩、アミノカルボン酸塩、イ°ミダゾリ
ニウムベタイン)及び非イオン界面活性剤(例えば、ア
ルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸エステル)並びにフッ素系界面活性剤等が挙げ
られる。これらの界面活性剤は、起泡力及び泡沫安定性
を高める目的で使用されるものであり、凝固液の性質に
適した界面活性剤を選択することが重要である。
本発明において、界面活性剤を含有する凝固液の凝固浴
への供給は、流動性を有する微細な液体泡沫化された状
態で連続供給されなければならず、その為に液体泡沫発
生装置(例えば、凝固液を直接高速撹拌し、泡沫を発生
させるかあるいは多孔筒を凝固液中に浸漬せしめ、多孔
筒内側より通気して泡沫を生じさせる装置)を経て、更
に泡沫部のみを送液することが出来る位置に据えたポン
プを介して凝固浴へ供給される。泡沫の大きさは、最大
IQms+以下、好ましくは5酊〜0.1 m程度であ
るのがよい。泡沫の大きさは、液体泡沫発生装置に於い
て、例えば、攪拌スピード、攪拌翼の形状を変えたり、
又は多孔筒の孔径の大小と通気流量の組み合せを変える
等の手段で任意にコントロール出来る。
凝固液の温度は、一般には30℃以下、より好ましくは
15℃以下に保たれるのがよい。
PPTA系繊維の形成過程においては、凝固によって形
成される高次構造の破壊、配向の進行等の変化を伴いな
がら繊維が形成されるが、これらは単に張力のみの関数
として表わされるものではなく、その張力が付与された
糸条の凝固状態によっても大きく変化するものであるこ
とを理解されるべきである。
PPTA系繊維を高い紡糸速度で製造する場合にあって
は、紡糸速度の増大と共に紡糸張力の増大、及び凝固液
との接触時間の減少による凝固の遅れとが同時に起こる
ことによって、凝固の不完全な未凝固糸条に高い張力が
付与されるため、単に凝固浴下部に細管又は細孔を設け
、糸条と共に凝固液を重力の加速度によって加速する方
法、あるいは強制的に、例えば、下向きのジェット流な
どにより凝固液の速度を加速する方法においては、見掛
は上引取時に計測される紡糸張力は低減されるものの、
加速された凝固液流により、未だ凝固の不完全な糸条に
は、構造破壊を生じ得るに充分な張力、あるいは配向を
促進するに充分な張力が付与されるために、充分に高い
強度及び伸度を合わせ持つPPTA系繊維を得るには至
らない。
従って、高い紡糸速度で、強度及び伸度共に優れた高性
能のPPTA系繊維を製造するためには、凝固の完成度
の低い未凝固糸条においても繊維構造の破壊を引き起こ
さない様に、さらに伸度の低下を招く配向の進行を抑制
するように、凝固状態に応じて張力を低減することが必
要である。
工業的に有利な高い紡糸速度で、高性能のPPTA系繊
維を製造する為の本発明法においては、凝固浴が、静止
水面を全く持たないこと、凝固糸条への凝固液の随伴が
泡沫であり、極めて軽いこと等のために、繊維形成の過
程、特に凝固不充分な段階で過度な張力が糸条に付与さ
れない為、紡糸速度による張力依存性が極めて小さく、
それ故高い紡糸速度で高性能のPPTA繊維が得られる
凝固塔長は、300鶴〜1500mmであるのが工業的
に好ましいが、本発明の目的を阻害しない限り特に限定
されるものではない。
凝固浴の設置方法としては、糸条の引き取り方法を考慮
し、横型あるいは縦型を任意で選定しても本発明の目的
を阻害するものではない。また糸条の引き取りに際し、
2次的に凝固液を糸条に接触させ、引き取り後の張力負
荷に充分耐えうる凝固完成度を付与することも有効な方
法である。
本発明の方法によって凝固形成された糸条は、例えば、
ネルソンロール等の引き取り手段によって300m/分
以上の極めて高い速度で引き取られ、付着する凝固液あ
るいは残存する溶剤硫酸の中和、洗浄、乾燥等の仕上工
程に供される。その際、形成された糸条繊維中に含有さ
れる酸の中和、洗浄、または中和によって生じた塩の洗
浄は、最終的に得られるPPT^系繊維の品質上特に徹
底して行われるべきであり、これらの処理に長時間を必
要とする。このような徹底した中和又は洗浄を長時間に
わたり実施する方法として、多数のロールを組み合わせ
て滞留時間を長くとる方法であっても差支えないが、特
に特公昭55−9088号公報による、ネットコンベヤ
ー上にPPTA系繊維を堆積して水洗、中和、乾燥する
方法が、工業的にもかつ高品質の繊維を得る上からも好
ましく用いられる。更には、本発明方法の実施に当って
、例えば、特公昭54−36698号公報にて提案され
たネットコンベヤー上での乾燥後さらに熱処理を行うこ
と等の処理を行なうことも許される。
本発明方法は、すべてのPPTA系繊維の製造に対して
有効であるが、PPTAPPA系繊維高い結晶性の故か
、繊維がフィブリル化しやすかったり、割れやすいこと
もあって、単繊維の太さは、大すぎないことが望ましい
。通常は大略10デニール以下、好ましくは3デニール
以下に設定される。総繊維の線密度は20〜4 、50
0デニール、通常は50〜3.000デニールであるこ
とが好ましい。
〔発明の効果〕
本発明方法によるPPTA系繊維の製造においては、従
来のPPT^系繊維の高速紡糸法における繊維の物性に
対し、特に300 m /分収上の高い紡糸速度におい
て、強度の5〜20%以上の向上に加えて、特に伸度の
約15〜30%以上の向上を達成することがすべてのP
PTA系繊維の製造に対して達成出来る。
なお、かかる本発明方法の優れた効果は、凝固液として
70%以下の硫酸水溶液、好ましくは20〜40%の硫
酸水溶液を用いた時において更に顕著であって、工業的
に極めて有利である。
このようにして本発明方法の実施によって得られたPP
TA系繊維は、強度及び伸度の両方に優れた繊維であっ
て、これらの優れた特性は、該繊維の実使用に当って消
費性能上非常に有利である。
本発明法によって得られたPPTA系繊維は、その優れ
た特性によって、衣料用、産業資材用を問わず使用され
るが、特にブレードホース、コンベアベルト、タイヤ、
エアバックなどのゴムの補強材、プラスチックの強化繊
維素材など、特に高強度かつ高伸度の特徴が十分に活用
される分野で有用である。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、これら
の実施例は何ら本発明を限定するものではない。
実施例中、特にことわりのない限り、「%」および「部
」はそれぞれ重量パーセントおよび重量部を表わす。ま
た、本発明法において用いられる種々のパラメーターの
主なものは以下の様にして測定されたものである。
〈固有粘度の測定法〉 固有粘度(η1nh)は、98.5重量%の濃硫酸に濃
度(C)=0.2g/d1でポリマーまたは繊維を溶か
した溶液を30℃にて常法により測定する。
l n  1ltelt 1nh− 式中ηrelはポリマー溶液(96重量%硫酸100m
1中0.5 g PPTA)と純溶媒との25℃におい
て毛細管粘度計にて測定した流出時間の比である。
〈繊維の強伸度特性の測定法〉 繊維糸条の強度、伸度およびヤング率の測定はJIS規
格に準じ、測定に先立って10cm−当り8回の撚りを
加えた糸条について、定速伸長型強伸度試験機により、
把握長20cm、引張り速度50%/分にて、荷重−伸
長率曲線を描き、それより読み取り、または算出したも
ので、測定数20個の平均値で表わす。
く紡糸張力(引き取り張力)の測定法〉第2の細管又は
細孔から引き出した凝固糸条を変向ガイドにより変向さ
せてロール上に引きとり、その際変向ガイドと引き取り
ロールとの間で常法によりテンションメーターで張力値
(g)を測定し、該糸条の水洗、乾燥後のデニールで除
した、乾燥繊維デニール当りの張力(g/d)として算
出したもので、測定数5個の平均値として表わす。
実施例1 固有粘度(η1nh)が7.05のポリバラフェニレン
テレフタルアミドを、ポリマー濃度が18.7%となる
ように、温度を80℃に保ちながら99.7%の濃硫酸
に加えて攪拌溶解し、紡糸用のドープを調製した。この
ドープは光学的異方性を示すことが、直交ニコル下の偏
光顕微鏡観察で確認された。また80℃におけるドープ
の粘度は5750ボイズであった。
このドープを真空下(0,5Torr) 、2時間の静
置を行って脱泡後、紡糸に用いた。ドープをギアポンプ
を通して300メツシユのステンレス製金網を8重に巻
いたキャンドルフィルターに導き、第1図に示される紡
糸用装置に設置された、0.07mφ、孔数500の紡
糸口金から10℃長の空気中を通して凝固浴中に押し出
した。
凝固液は、水にフッ素系界面活性剤(メガファク・・・
商品名)を0.01%含有せしめた液を、第2図に示す
液体泡沫発生装置に入れ、泡沫化したものを、凝固浴面
より泡沫が常に一部オーバーフローする様に連続的に供
給した。この時の凝固液の温度は、5℃であった。
凝固浴から引き出された糸条は、第3図に示す装置によ
り、変向ロールにて変向後、ネルソンロールにて引きと
り、ついでこの糸条を一対のギヤーニップロール(歯車
状のロールが浅く噛み合い、その間で糸条を送り出す)
により反転ネット上に振り込み、次いで処理コンベアー
上に反転させて乗せた。処理コンベアー上に乗せられた
糸山は、シャワ一方式による水洗水により洗浄されたの
ち、乳化剤により水中に分散させた鉱物油を1%含有す
る油剤液を給付され、ついで200℃の熱風乾燥を行っ
たのち、コンベアー上から取り上げられ、ワインダーに
よりボビン上に捲きとられた。
以上の手段で、ドラフト率(ドープの吐出線速/糸条の
引き取り速度)を一定(7,25)とし、各紡速で紡糸
した際の紡糸張力及び得られた繊維の物性を表1に示し
た。
実施例2 凝固液として、30%硫酸水溶液に0.1%のフッ素系
界面活性剤(メガファクス・・・商品名)を含有せしめ
た液を用いた以外は、実施例1と全く同様にして紡糸を
行ない、ボビンに巻取った時の紡糸張力及び得られた繊
維の物性を表1に示した。
比較例1 凝固液に、水を用いた以外は、実施例1と全く同様に紡
糸を行ない、ボビンに巻取った時の紡糸張力及び得られ
た繊維の物性を表1に並記した。
比較例2 凝固液に、30%硫酸水溶液を用いた以外は、実施例1
と全く同様に紡糸を行ない、ボビンに巻取った時の紡糸
張力及び得られた繊維の物性を表1に併記した。
表1の結果より明らかな様に、300 m /分以上の
高速下での紡糸に於いて、紡糸速度に対する紡糸張力の
依存性が極めて小さく、かつ、得られる繊維の機械的性
質も優れていることが立証された。
以下余白
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法を行なうのに用いた凝固浴を示す
ものであって、各部は以下の通りである。 1・・・紡糸口金、   20・・・凝固浴、21・・
・液体泡沫で満たされた部屋、22・・・液体泡沫供給
口、 23・・・液体泡沫排出ノズル、 24・・・凝固液出口ノズル、 2′5・・・凝固液、 26・・・糸条変内用ロールガイド、 60・・・糸条。 第2図は、本発明法を実施するのに好適な液体泡沫発生
装置を示すものであり、各部は以下の通りである。 30・・・液体泡沫発生装置、 31・・・凝固液、   32・・・多孔筒、33・・
・空気供給ノズル、 34・・・液体泡沫、  35・・・凝固液入口、36
・・・液体泡沫供給ポンプ、 37・・・液体泡沫出口ノズル。 第3図は、紡糸して得られた糸条を洗浄、乾燥等の精練
、仕上げ部の好適な処理装置を示すものであり各部は、 74・・・引き取り用ネルソンロール、75・・・ギヤ
ーニップロール、 76・・・反転ネット、 77・・・糸山を送る為のコンベアーネット、78・・
・水洗用シャワートレイ、 79・・・熱風乾燥機、 80・・・捲きとり用ワイングー、 81・・・糸山おさえ用カバーネットである。 34・・・液体泡沫 第3図 74・・ ネルソンロール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ポリパラフェニレンテレフタルアミド系ポリマーの
    光学的異方性溶液を紡糸口金より吐出し、非凝固性の流
    体層を通して凝固浴に導き、次いで凝固浴から糸条を引
    き取るポリパラフェニレンテレフタルアミド系マルチフ
    ィラメント繊維の湿式紡糸を実施するに当り、凝固液が
    、流動性を有する微細な液体泡沫であることを特徴とす
    るポリパラフェニレンテレフタルアミド系繊維の製造法
    。 2、凝固液が、1種又は2種以上の界面活性剤を、10
    ppm〜10パーセントの量で含有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の製造法。 3、紡糸速度が少くとも300m/分以上である特許請
    求の範囲第1項記載の製造法。
JP24405986A 1986-10-16 1986-10-16 ポリパラフエニレンテレフタルアミド系繊維の製造法 Pending JPS6399321A (ja)

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JP24405986A Pending JPS6399321A (ja) 1986-10-16 1986-10-16 ポリパラフエニレンテレフタルアミド系繊維の製造法

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JP (1) JPS6399321A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7466635B2 (en) 2004-01-13 2008-12-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Recording and/or reproducing apparatus with optical pickup actuator, and methods for same
JP2011026726A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Teijin Techno Products Ltd パラ型全芳香族コポリアミド繊維およびその製造方法
JP2011047088A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Teijin Techno Products Ltd パラ型全芳香族コポリアミド繊維およびその製造方法
JP2011202308A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Teijin Techno Products Ltd パラ型全芳香族コポリアミド繊維およびその製造方法

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