JP2002302651A - 後架橋型ポリッシュ用組成物 - Google Patents

後架橋型ポリッシュ用組成物

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JP2002302651A
JP2002302651A JP2001104663A JP2001104663A JP2002302651A JP 2002302651 A JP2002302651 A JP 2002302651A JP 2001104663 A JP2001104663 A JP 2001104663A JP 2001104663 A JP2001104663 A JP 2001104663A JP 2002302651 A JP2002302651 A JP 2002302651A
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crosslinking
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polymer
particles
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Tomoko Matsumoto
知子 松本
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐擦傷性、防汚性、光沢性を有し、ま
た、容易に剥離でき、塗布後に特性が発現するまでの時
間が短い後架橋型ポリッシュ組成物を提供する。 【解決手段】平均粒子径が50μm以下、アスペクト比
が10〜300であるシリカの板状粒子、好ましくは、
層状ポリケイ酸からなる、シリカXまたはシリカYから
なる鱗片状シリカ、特に、複数の鱗片状の1次粒子がそ
れらの面間で互いに平行的に配向して重なって形成され
た積層構造を有する2次粒子を含む後架橋型ポリッシュ
用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の基材、特に
床(フロアー)などの表面に保護、防汚、光沢(ポリッ
シュ)などを付与するための後架橋型ポリッシュ用組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック、木材、コンクリー
トなどの各種の基材、例えば、床などの表面を保護、防
汚し、かつ美観上の光沢性(つや出し、ポリッシュ)を
付与する皮膜を形成するための種々のポリッシュ用組成
物が広く提案され、使用されている。
【0003】かかるポリッシュ用組成物としては、近
年、塗布後に架橋して皮膜を形成する後架橋型ポリッシ
ュ組成物が主流になっている。この種の後架橋型ポリッ
シュ組成物には、強靭な耐久性ある皮膜を形成するだけ
でなく、汚れが付きにくい防汚性を有し、かつ美しい光
沢を発現、維持し、また、靴によるブラックヒールマー
クやスカッフマークなどの傷が付きにくい硬度を有する
ことが要求されている。さらに、一方では、一定期間の
使用により皮膜が汚れた場合には、比較的容易に剥離で
き、再塗布に障害にならないなどの各種の特性が要求さ
れる。
【0004】加えて、塗布後に架橋して所定の特性が完
全に発現するまでは、従来のポリッシュ組成物では約1
週間程度を要するが、通常はその以前に使用を始めざる
を得ない。しかし、この間に傷や汚れがつきやすいとい
う、大きな問題があるため、塗布後に、なるべく速く架
橋、硬化し、所期の性能を発現することが実用上要求さ
れている。
【0005】従来、特開平8−291272号公報、特
開平8−92529号公報、特開平9−324248号
公報、特開平10−102006号公報及び特開平11
−349900号公報などには、塗布後に架橋させ、硬
化させる各種の後架橋型ポリッシュ組成物が開示されて
いる。しかしながら、これら従来のものは、ポリッシュ
組成物に要求される上記の各種の要求を充分に満たすも
のではなく、なお、改善の余地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みて、優れた耐擦傷性、防汚性、光沢性を有し、ま
た、靴などによるブラックヒールマークなどの傷が付き
にくい高硬度を有し、さらに、比較的容易に剥離でき、
加えて、塗布後に特性が発現するまでの時間が短く、短
時間に使用できる、後架橋型ポリッシュ組成物を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために、後架橋型ポリッシュ組成物について
種々検討を行ったところ、ポリマーの水性分散液を含有
する塗布後に架橋して皮膜を形成する後架橋型ポリッシ
ュ用組成物において、下記する特定範囲の平均粒子径と
アスペクト比を有するシリカの板状粒子、なかでも厚み
がナノサイズの極めて薄い鱗片状のシリカの1次粒子、
特には、かかる複数の鱗片状の1次粒子が平行的に重な
り合った積層構造を有する2次粒子からなるシリカの板
状粒子を含有させた場合には、ポリッシュ用組成物の特
性が著しく向上することが見出された。
【0008】即ち、上記の特定のシリカの板状粒子を含
む後架橋型ポリッシュ用組成物による皮膜は、防汚性、
光沢性を有するとともに、靴などによるブラックヒール
マークなどの傷が付きにくい高硬度性、耐擦傷性、強靭
性を有し、さらに、再塗布時などの場合には、比較的容
易に剥離でき、加えて、予想外のことに塗布後に所期の
特性が発現するまでの時間が短いという極めて優れた特
性を有する。
【0009】本発明で、特定の物性を有するシリカの板
状粒子を含むポリッシュ組成物から形成される皮膜が何
故に優れた特性を有するかについては必ずしも明らかで
はないが、ほぼ次のように推定される。シリカの板状粒
子は、ポリマーなどに比べて、硬度が大きく、化学的安
定性に優れているので、長期間の耐擦傷性が得られ、ま
た、その大きい透明性のために光沢ある美観を有する。
同時に、平均粒子径及びアスペクト比が所定範囲を有す
るとき、特に、上記シリカX、シリカYの鱗片状シリカ
で代表される扁平なシリカの板状粒子の場合、粒状物と
違い膜内で配向し、固く平坦な表面を形成するために、
皮膜の表面には、汚れがつきにくく、また、一方で付い
た汚れは落としやすいものと思われる。
【0010】また、本発明の後架橋型ポリッシュ組成物
は、上記の特性に加えて、予想外のことに、塗布後に所
期の特性が発現するまでの時間が短い。かかる特性は、
特に、上記シリカX、シリカYの鱗片状のシリカ粒子で
代表されるシリカの板状粒子が、その比表面積あたりの
シラノール基(−SiOH)濃度として通常のシリカゲ
ルの数倍〜数十倍もの大きな値を有することに基因する
ものと思われる。このような大きいシラノール濃度を有
するシリカ粒子は、ポリマーとの混合、攪拌過程で粒子
同士が極めて強く結着し、自己造膜性を示し、またその
乾燥、焼成では、シラノール基の縮合反応などが早期に
起こり、粒子結着が生じるためと思われる。なお、これ
らのメカニズムについての説明は必ずしも確認されたも
のではなく、推論に過ぎず、従って、本発明についての
解釈を拘束するものではない。
【0011】かくして、本発明は上記した目的を充分に
達成するものあり、以下の構成を有するものである。 (1)ポリマーの水性分散液を含有する塗布後に架橋し
て皮膜を形成する後架橋型ポリッシュ用組成物であっ
て、該組成物中に平均粒子径が50μm以下、アスペク
ト比が10〜300であるシリカの板状粒子が含まれる
ことを特徴とする後架橋型ポリッシュ用組成物。 (2)シリカの板状粒子が、層状ポリケイ酸からなる上
記(1)に記載の後架橋型ポリッシュ用組成物。 (3)層状ポリケイ酸が、シリカXまたはシリカYから
なる上記(2)請求項2に記載の後架橋型ポリッシュ用
組成物。 (4)シリカの板状粒子が、複数の鱗片状の1次粒子が
それらの面間で互いに平行的に配向して重なって形成さ
れた積層構造を有し、厚みが0.01〜0.5μm、面
径が0.5〜10μmの2次粒子である上記(1)、
(2)または(3)に記載の後架橋型ポリッシュ用組成
物。 (5)ポリマーの水性分散液のポリマーが、分子内にカ
ルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸系ポリ
マーである上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の
後架橋型ポリッシュ用組成物。 (6)ポリマーの水性分散液のポリマーが、分子内にカ
ルボキシル基を有する水性ポリウレタン系ポリマーであ
る上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の架橋型ポ
リッシュ用組成物。 (7)床用である上記(1)〜(6)のいずれか1項に
記載された後架橋型ポリッシュ用組成物。 (8)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載された
後架橋型ポリッシュ用組成物が塗布され架橋して形成さ
れたポリッシュ皮膜。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の後架橋型ポリッシュ用組
成物に含まれるポリマーの水性分散液を形成するポリマ
ーとしては、この種の用途に知られている種々のポリマ
ーが使用される。ポリマーは、水性分散液中にエマルジ
ョン又はディスパージョンとして含まれるが、その含有
量は、ポリッシュ組成物に対して、固形分として、好ま
しくは5〜50質量%、特には10〜40質量%である
のが好適である。
【0013】ポリマーとしては、分子内に酸型官能基を
有するポリマーが好ましい。酸型官能基としては、カル
ボキシル基、スルホニル基、リン酸基が挙げられる。ポ
リマー中の酸型官能基の含有量である、ポリマーの有す
る酸価としては、好ましくは、15〜200、特には3
5〜170が好適である。酸価が、15よりも小さい場
合、本発明のポリッシュ組成物を塗布し形成された皮膜
が剥離しやすくなる。一方、酸価が200を超えると得
られる皮膜の耐水性などが劣る。かかる酸価は、ポリマ
ー中の酸型官能基を中和するのに必要なKOHのmg数
をポリマー固形分1gに対して示したものであり、JI
S−K0070により求めることができる。ポリマーの
分子量は、重量平均値として、好ましくは5,000〜
1,000,000、特には10,000〜200,0
00が好適である。かかるポリマーとしては、なかで
も、カルボキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸
系ポリマー、又はカルボキシル基を有する水性ポリウレ
タン系ポリマーが好ましく使用される。
【0014】カルボキシル基を有するα,β−不飽和カ
ルボン酸系ポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸又はイタコン酸などの炭素数が3〜1
0、好ましくは3〜6のα,β−不飽和カルボン酸系モ
ノマー、そのエステル、又はその塩の1種又は2種以上
の混合物のポリマーが挙げられる。また、上記のモノマ
ーと、スチレン、スチレンスルホン酸塩などのスチレン
系モノマーとのコポリマーが挙げられる。これらのポリ
マーまたはコポリマーは、一般に既知の乳化重合法また
は懸濁重合法により製造される。
【0015】また、上記カルボキシル基を有する水性ポ
リウレタン系ポリマーとしては、ポリウレタン系樹脂の
鎖中に、カルボン酸またはカルボン酸塩が結合して存在
するポリマーが挙げられる。これらは、例えば、ポリウ
レタン樹脂の製造に際し、ジオールおよびジイソシアネ
ートにカルボン酸基を有するジオールなどを加えて、必
要により一部中和した後に重合することによって得られ
る。また、末端にイソシアネート基を有するポリウレタ
ンプレポリマーに過剰のポリアルキルポリアミンを反応
せしめてポリウレタン尿素ポリアミンを生成させ、環式
ジカルボン酸無水物などを反応させることによっても製
造される。
【0016】本発明のポリッシュ組成物には、上記のよ
うに、平均粒子径が50μm以下であり、アスペクト比
が10〜300であるシリカの板状粒子が含まれること
が特徴である。シリカは非結晶性であっても結晶性であ
ってもよいが、透明性が大きいものが好ましく、かつそ
の屈折率は1.30〜1.52であるものが好ましい。
本発明において、シリカの板状粒子の平均粒子径は、レ
ーザー散乱式測定装置(例えば、(株)堀場製作所製、H
ORIBA LA−920)で測定したメジアン径を意
味する。平均粒子径が50μmを超える場合には、通常
の塗面では、板状粒子が配向しにくくなり、充分な性能
がでない。平均粒子径は小さい方が好ましいが、過度に
小さい場合には、二次凝集しやすくなるので、0.00
1μm以上が好ましい。なかでも、平均粒子径は、0.
01〜3μmが好適である。
【0017】シリカ板状粒子のアスペクト比は、シリカ
の板状粒子についての厚みに対する長径の比率を表す。
本発明では、アスペクト比が充分に大きいことが一つの
特徴であり、本発明ではアスペクト比が5〜300であ
ることが必要である。アスペクト比が5に満たない場合
は、厚みが増大するので透明性が不充分であり、例え
ば、床用のポリッシュ組成物の場合、その重要な特性で
ある意匠性が低下する。アスペクト比が300を超える
場合には、厚みが過度に低下し、強度が低下し、ポリッ
シュ組成物に混入する過程で割れを起こし均一な特性を
有する皮膜が得られにくくなる。なかでも、アスペクト
比は、10〜200の場合、特には20〜100の場合
がさらに好ましい。
【0018】本発明で使用される、上記の平均粒子径お
よびアスペクト比を有するシリカの板状粒子は、例え
ば、粒子径が、10〜200nmのシリカの極小微粒子
をシート状に成形したシリカの板状粒子でもよいが、好
ましくは、層状ポリケイ酸からなるシリカの板状粒子が
好適である。層状ポリケイ酸は、その基本構成単位がS
iO4四面体からなるシリケート構造のポリケイ酸であ
り、本発明では、そのH型および/またはアルカリ金属
などの塩型が好ましい。これらの層状ポリケイ酸の例と
しては、シリカX、シリカYを始め、ケニアアイト、マ
カディアイト、マカタイト、アイラアイト、カネマイ
ト、オクトシリケートなどが挙げられる。
【0019】本発明のポリッシュ組成物では、層状ポリ
ケイ酸のなかでも、シリカXまたはシリカYからなる鱗
片状、または葉状のシリカ粒子の使用が好ましい。この
鱗片状のシリカ粒子で特徴的なことは、その比表面積あ
たりに有するシラノール基(−SiOH)が30〜10
0μmol/m2、特には50〜70μmol/m2と極
めて大きく、同じシリカ材料でもシリカゲルなどに比べ
て数倍〜数十倍と大きな値を有することである。かかる
シラノール基の含有量が大きいために、上記のように本
発明のポリッシュ組成物は、特に優れた特性が発揮され
るものと思われる。ここで、シラノール基の含有量は、
以下の式によって求められる、熱重量分析法により測定
された数値である。 (W×1111.1)/SA 上記式において、Wは、温度120℃から1200℃に
加熱した場合の、それぞれ平衡に達した状態における重
量(%)の減少差であり、SAは、BET法による比表
面積である。
【0020】本発明で使用されるシリカの板状粒子は、
シリカX、またはシリカYで代表される鱗片状シリカの
1次粒子でもよいが、実質上、複数の鱗片状シリカの1
次粒子がそれらの面間で互いに平行的に配向して重なっ
て形成された積層構造を有する2次粒子が好ましい。か
かる鱗片状シリカの2次粒子は、厚みが好ましくは0.
01〜0.5μm、特に好ましくは0.05〜0.5μ
mで、面径が好ましくは0.5〜10μm、特に好まし
くは、1〜5μmであるのが好ましい。上記範囲の厚み
や面径を有する場合は目的とする強度、透明性などの特
性がさらに向上するので好ましい。
【0021】また、上記鱗片状シリカの2次粒子は、積
層された極薄片の鱗片状シリカの1次粒子間の間隙など
に細孔を形成するが、この細孔容積が好ましくは、0.
01〜1.0ml/g、特には0.10〜0.15ml
/gが好ましい。また、その比表面積は、好ましくは2
0〜200m2/g、特には、50〜80m2/gが好ま
しい。
【0022】本発明で使用される特定の物性を有するシ
リカXまたはシリカYなどの層状ポリケイ酸からなる鱗
片状シリカは、好ましくは、次のような方法で製造され
る。即ち、シリカヒドロゲル、活性ケイ酸または含水ケ
イ酸をアルカリ金属塩の存在下に150〜220℃にて
水熱処理することにより、1次粒子と2次粒子が3次元
的に重なりあった鱗片状シリカの3次凝集粒子が製造で
きる。この3次凝集粒子を湿式粉砕装置などを使用して
粉砕、分散化することにより、上記した鱗片状シリカの
2次粒子が製造される。これらの鱗片状シリカは、旭硝
子(株)から、商品名「サンラブリー(登録商標)」で
販売されている。
【0023】本発明のポリッシュ用組成物におけるシリ
カの板状粒子の含有量は、全ポリッシュ組成物に対し、
好ましくは 0.1〜 20質量%である。該含有量が
0.1質量%より小さい場合には、目的とする特性が不
充分であり、一方、20質量%を超えるポリッシュ組成
物の粘度が上昇し、使用上好ましくない。なかでも、シ
リカの板状粒子の含有量は、0.5〜10質量%である
のが好適である。シリカの板状粒子は、好ましくは、そ
の水性分散液の形態にて入手し、使用されるが、この場
合、その板状粒子の濃度は好ましくは1〜30質量%、
特には、5〜20質量%が好適である。
【0024】また、本発明のポリッシュ用組成物は、上
記の成分に加えて、組成物を塗布後に上記のポリマーを
架橋して皮膜を形成するための架橋剤、及び、必要に応
じて、可塑剤、皮膜形成剤、融合剤、レベリング剤、滑
り調整剤、乳化剤、防腐剤、消泡剤などの既知の各種成
分を含有させることができる。
【0025】架橋剤としては、好ましくは多価金属化合
物が使用され、かかる多価金属化合物としては、好まし
くは、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜
鉛、ジルコニウム、若しくは銅の酸化物、水酸化物、塩
基性塩、酸性塩、中性塩またはそれらの錯体、キレート
物が選ばれる。これらの架橋剤の使用量は、ポリマーの
有する酸型官能基の1当量に対して、0.1〜1.0当
量が好ましく、特には0.3〜0.5当量が好適であ
る。架橋剤使用量が0.3より小さいと得られる皮膜の
耐擦傷性が得られず、一方、1.0より大きいと造膜性
が低下する。
【0026】上記した滑り調整剤としては、植物系、動
物系、鉱物系、石油系ワックスなどの天然ワックス、ま
たは合成炭化水素、ポリエチレンワックス、ポリプロピ
レンワックス、変性ワックスなどの合成ワックスなどが
使用される。これらのワックスは、ポリッシュ組成物に
含まれるポリマー(固形分)100質量部当り、好まし
くは5〜50質量部、特には10〜25質量部含まれる
のが好適である。
【0027】また、可塑剤としては、ジブチルフタレー
トなどのフタル酸エステル、トリブトキシエチルホスフ
ェートなどのリン酸エステル、ジメチルアジピン酸エス
テルなどのアジピン酸エステルなどが使用される。レベ
リング剤としては、フッ素系界面活性剤が使用される。
造膜助剤としては、アルコール類、グリコールエーテル
類が使用される。皮膜形成剤としては、スチレン−マレ
イン酸共重合体、水溶性アクリル樹脂などのアルカリ可
溶性樹脂が使用される。
【0028】本発明のポリッシュ組成物は、上記の各成
分を混合することによって製造される。例えば、水中に
可塑剤、皮膜形成剤、アルカリ可溶性樹脂、フッ素系界
面活性剤を添加した後、上記したポリマーの水性分散
液、シリカの板状粒子、可塑剤、ワックス類などを混
合、攪拌することにより製造される。
【0029】かくして製造される本発明のポリッシュ組
成物は、最終的にそのpHを6〜9の範囲になるように
調整するのが好ましい。pHが6より小さいと組成物の
製品安定性や、形成される皮膜のレベリング性が低下す
る傾向がる。また、pHが9より大きい場合には、ポリ
ッシュ組成物の塗布性が低下するので好ましくない。ポ
リッシュ組成物の最終的pHの調整は、金属酸化物など
の塩基の添加や炭酸ガスや酢酸などの酸を添加すること
によって行うことができる。
【0030】本発明のポリッシュ組成物は、既知のポリ
ッシュ組成物と同様に各種基材に対して塗布することに
より使用される。基材としては、プラスチック、木材、
コンクリート、ゴムなどの各種の材質からなる、床、天
井、壁などに対して、1回乃至複数回重ねて塗布し、室
温にて、1〜3時間乾燥することにより行われる。この
ようして、上記した物性の優れた、厚みが好ましくは5
〜100μmの皮膜が短時間にて得ることができる。一
方、かくして、形成された皮膜を除去するにあたって
は、アミン、アルカリ金属水酸化物、キレート剤、界面
活性剤などを水に溶解した除去剤を皮膜形成面に塗布し
てパットなどを装備したポリッシャーなどで摩擦し、洗
浄することにより容易に除去することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではないことはもちろんである。なお、下記の実施例
において、「部」及び「パーセント」は、特に断りのな
い限りいずれも質量基準である。
【0032】<アクリルエマルジョン1の作成>攪拌装
置、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を
備えた反応容器に窒素を封入後、脱イオン水59.4
g、乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)0.5gを加
え、その後水浴中で80℃まで加温した。そして、攪拌
しながら、メチルメタクリレート27.6g、ノルマル
ブチルアクリレート10.0g、メタクリル酸2.4g
からなるモノマー類、触媒(過硫酸アンモニウム4%水
溶液)4g、及び分子量調整剤(ラウリルメルカプタ
ン)0.10gを2時間かけて徐々に滴下して重合を完
了させ、アクリルポリマーのエマルジョン1を得た。
【0033】<アクリルエマルジョン2の作成>上記ア
クリルポリマー分散液1の作成において、モノマー類と
して、メチルメタクリレート4.0g、ノルマルブチル
アクリレート14.0g、スチレン16.0g及びメタ
クリル酸6.0gを使用した以外は同様に実施すること
により、アクリルポリマーのエマルジョン2を得た。
【0034】<ウレタンエマルジョン1の作成>ポリエ
ステルポリオール(分子量1000)158.2g、ジ
メチロールプロピオン酸20.7g、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート109.2g及びN-メチル-2
-ピロリドン171.1gを還流冷却器、温度計、攪拌
装置を備えた反応器にとり、80〜100℃に保ちなが
ら、ウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。
ついで該プレポリマーにトリエチルアミン15.6gを
加えて中和した後に、ヘキサメチレンジアミン11.9
gを加え、蒸留水を添加しつつ、反応器内の温度を35
℃以下に保持しながら、高分子化反応を行い、反応終了
までに合計490gの蒸留水を加えることにより、ポリ
ウレタンエマルジョン1を得た。
【0035】<フロアーポリッシュ組成物の製造>上記
で作成した3種のエマルジョンを、下記の表1及び表2
に示される処方にて調合することによりフロアーポリッ
シュ組成物を製造した。なお、シリカの板状粒子として
は、鱗片状シリカの2次粒子である、「サンラブリーL
FS」(旭硝子(株)社商品名)の固形分濃度が15質
量%のスラリーを使用した。かかるスラリー中のシリカ
粒子は、シリカXからなり、複数の鱗片状の一次粒子が
平行的に配向して重なって形成され積層構造を有するシ
リカの2次粒子であり、それには、厚みが0.1μm、
面径が4μmの鱗片状の粒子が最も多く含まれており、
その平均粒子径は、1.2μm、アスペクト比は40で
あった。また、その細孔容積は、0.13ml/g、比
表面積は55m2/gであり、その比表面積当りのシラ
ノール基の含有量は、65μmol/m2であった。
【0036】かくして得られたフロアーポリッシュ組成
物を、ポリ塩化ビニルを主体とするからなる床材に対し
て、アプリケーターを使用して塗布し、塗膜の光沢度、
耐ヒールマーク性、耐擦傷性及び硬化までの時間(乾燥
時間)を評価した。結果を下記の表1に示す。また、比
較のためにシリカの板状粒子を含まないポリッシュ組成
物を使用した場合を表2に示す。なお、塗膜の特性につ
いての各測定法は以下のとおりである。 1.光沢度:JIS K−3920に準拠し、ポリッシュ
組成物を3回塗布後測定した。 2.耐ヒールマーク性:JIS K−3920に準拠し、
10段階にて評価した。数値が小さい方が耐ヒールマー
ク性が大きい。 3.耐擦傷性:JIS K−3920に準拠した。ポリッ
シュ組成物を5回塗布後、常温にて168時間乾燥し、
放置し、テーバー試験機(磨耗輪CS-17、荷重50
0g、サイクル数300回)にて磨耗度を測定した。磨
耗減量をmgで表示した。 4.硬化までの時間:温度20℃、湿度60%の雰囲気下
にて、基材にポリッシュ組成物を155g/m2で塗
布、乾燥し、カーボンブラックが皮膜に付着しなくなる
までの時間を測定した。 また、表1及び表2における注1〜注4は、それぞれ以
下のものを表す。 注1:固形分として8質量%水溶液を使用した。 注2:ロームアンドハース社製、商品名「プライマルB
−644」。 注3:東邦化学工業株式会社製、商品名「ハイテックE
−4B」。 注4:セイミケミカル社製、商品名「サーフロンS−3
83」。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐擦傷性、防汚
性、光沢性を有し、また、靴によるブラックヒールマー
クなどの傷が付きにくい高硬度を有し、さらに、比較的
容易に剥離でき、加えて、塗布後に特性が発現するまで
の時間が短く、短時間に使用できる、後架橋型ポリッシ
ュ組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 C09G 1/04 C09G 1/04 1/16 1/16 Fターム(参考) 4J038 CC021 CC091 CG031 CG061 CG141 CG151 DG06 DG261 DG29 GA06 GA13 GA14 HA216 HA446 JC38 KA03 KA20 MA08 MA10 MA14 NA01 NA04 NA11 PB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマーの水性分散液を含有する塗布後に
    架橋して皮膜を形成する後架橋型ポリッシュ用組成物で
    あって、該組成物中に平均粒子径が50μm以下、アス
    ペクト比が10〜300であるシリカの板状粒子が含ま
    れることを特徴とする後架橋型ポリッシュ用組成物。
  2. 【請求項2】シリカの板状粒子が、層状ポリケイ酸から
    なる請求項1に記載の後架橋型ポリッシュ用組成物。
  3. 【請求項3】層状ポリケイ酸が、シリカX、またはシリ
    カYからなる請求項2に記載の後架橋型ポリッシュ用組
    成物。
  4. 【請求項4】シリカの板状粒子が、複数の鱗片状の1次
    粒子がそれらの面間で互いに平行的に配向して重なって
    形成された積層構造を有し、厚みが0.01〜0.5μ
    m、面径が0.5〜10μmの2次粒子である請求項
    1、2または3に記載の後架橋型ポリッシュ用組成物。
  5. 【請求項5】ポリマーの水性分散液が、分子内にカルボ
    キシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸系ポリマー
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載の後架橋型ポ
    リッシュ用組成物。
  6. 【請求項6】ポリマーの水性分散液のポリマーが、分子
    内にカルボキシル基を有する水性ポリウレタン系ポリマ
    ーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の後架橋型
    ポリッシュ用組成物。
  7. 【請求項7】床用である請求項1〜6のいずれか1項に
    記載された後架橋型ポリッシュ用組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項に記載された
    後架橋型ポリッシュ用組成物が塗布され架橋して形成さ
    れたポリッシュ皮膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004231918A (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Urethan Giken Kogyo Kk 水性被覆組成物
JP2005132912A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Naoyuki Kato 被覆組成物用原料体、及びそれを用いた被覆組成物
JP2008506831A (ja) * 2004-09-15 2008-03-06 エルジー・ケム・リミテッド 自己洗浄性を有するコーティング用組成物を用いたフィルムまたは建築外装材及びその製造方法

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