JPH11319699A - 光輝性積層塗膜の形成方法 - Google Patents

光輝性積層塗膜の形成方法

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JPH11319699A
JPH11319699A JP14844498A JP14844498A JPH11319699A JP H11319699 A JPH11319699 A JP H11319699A JP 14844498 A JP14844498 A JP 14844498A JP 14844498 A JP14844498 A JP 14844498A JP H11319699 A JPH11319699 A JP H11319699A
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JP
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coating film
forming
resin
group
monomer
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JP14844498A
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Masaaki Koyama
正昭 小山
Susumu Kasawa
進 笠輪
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエザストリップとの接触面が変色しない光
輝性積層塗膜を形成する方法を提供する。 【解決手段】 メタリックベース塗膜とクリヤー塗膜と
を有する光輝性積層塗膜を形成する方法において、
(A)下記一般式(I) (式中、Xは水素原子若しくはメチル基、Yは炭素数2
〜4のアルキレン基、nは3〜30の整数を示す。)で
表されるモノマー(1)と、その他のエチレン性モノマ
ー(2)とを共重合して得られるリン酸基含有アクリル
樹脂と、(B)光輝性顔料と、(C)熱硬化性被膜形成
性樹脂と、(D)硬化剤と(E)粘性制御剤とを含有す
る塗料組成物を用いてメタリックベース塗膜を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体等に施
される光輝性積層塗膜の形成方法に関する。特にウエザ
ストリップ当たり面の塗膜の変色の防止に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体等に施される塗膜は、電着
塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜の積層塗膜からなり、
上塗り塗膜としては、アルミニウム等の金属製光輝剤を
含有する光輝性(メタリック)塗膜などが用いられる。
光輝性塗膜は、金属製光輝剤を含むメタリックベース塗
膜と透明なクリヤー塗膜とからなる積層塗膜であり、こ
れらの塗膜を例えばいわゆるウェットオンウェットで塗
装した後、両方の塗膜を一度にベークして硬化させるこ
とにより形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車のドアーあるい
はトランク周り等には、一般に、自動車の室内のシール
性を高めるために、ゴム製のウエザストリップが装着さ
れており、このウエザストリップが車体に押し当てられ
ることにより、室内のシール性が確保される。しかし、
長期間経過するとウエザストリップと接触する面の上塗
り塗膜が黒く変色するという問題が起こっていた。光輝
性塗膜においては、このウエザストリップに接触する箇
所及びその周辺の光輝性積層塗膜中の金属製光輝剤自身
が、クリヤー塗膜を透過してきたウエザストリップから
溶出/飛散する成分によって腐食(変色)を起こし、直
接接触する箇所及びその周辺塗膜が黒く変色して見える
ものと考えられる。特に、金属成分の多い明度の高い淡
彩色のメタリック塗色の場合に顕著に現れ、塗膜を局部
的にだいなしにしていた。
【0004】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ウエザストリップとの接触面が変色し
ない光輝性積層塗膜を形成する方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1記載の発
明は、メタリックベース塗膜とクリヤー塗膜とを有する
光輝性積層塗膜を形成する方法において、(A)下記一
般式(I)
【化2】 (式中、Xは水素原子若しくはメチル基、Yは炭素数2
〜4のアルキレン基、nは3〜30の整数を示す。)で
表されるモノマー(1)と、その他のエチレン性モノマ
ー(2)とを共重合して得られるリン酸基含有アクリル
樹脂と、(B)金属製光輝剤と、(C)熱硬化性被膜形
成性樹脂と、(D)硬化剤と(E)粘性制御剤とを含有
する塗料組成物を用いてメタリックベース塗膜を形成す
ることを特徴とする光輝性積層塗膜の形成方法を提供す
る。
【0006】本願の請求項2記載の発明は、請求項1に
おいて、前記エチレン性モノマー(2)が、酸基と水酸
基を同一分子中に有するモノマー又はそれぞれの基を有
する別々のモノマー種の混合物であることを特徴とする
光輝性積層塗膜の形成方法を提供する。
【0007】本願の請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2において、前記リン酸基含有アクリル樹脂
が、数平均分子量1000〜50000、酸価15〜2
00で且つリン酸基からの酸価が10〜150であり、
水酸基価20〜200であることを特徴とする光輝性積
層塗膜の形成方法を提供する。
【0008】本願の請求項4記載の発明は、請求項1な
いし請求項3のいずれかにおいて、前記リン酸基含有ア
クリル樹脂が、塗料組成物中において前記金属製光輝剤
の固形分100重量部に対して0.1〜15重量部含有
することを特徴とする光輝性積層塗膜の形成方法を提供
する。
【0009】本願の請求項5記載の発明は、請求項1な
いし請求項4のいずれかにおいて、前記メタリックベー
ス塗膜は、金属製光輝剤の濃度(PWC)が0.1〜2
0.0の範囲であり、且つ乾燥時の膜厚が3〜25μm
であることを特徴とする光輝性積層塗膜の形成方法を提
供する。
【0010】本願の請求項6記載の発明は、請求項1な
いし請求項5のずれかにおいて、メタリックベース塗膜
とクリヤー塗膜とをウェットオンウェットで仕上げるこ
とを特徴とする光輝性積層塗膜の形成方法を提供する。
【0011】本願の請求項7記載の発明は、請求項1な
いし請求項6のいずれか記載の光輝性積層塗膜の形成方
法により形成された光輝性積層塗膜を提供する。
【0012】本願の請求項8記載の発明は、請求項8記
載の光輝性積層塗膜を有する物品を提供する。
【0013】本発明においては、金属製光輝剤を、金属
に選択的に吸着するリン酸基を含有するアクリル樹脂で
被覆し、ゴム製のウエザストリップから揮発/溶出する
成分によって金属製光輝剤表面が変色しないような樹脂
被覆金属製光輝剤(表面の不動態化)にすることで、変
色を抑えた。
【0014】但し、リン酸基を含有するアクリル樹脂の
添加量が過剰になると、積層塗膜にした時の光輝感が本
来のイメージから変化し(アルミニウムの場合はアルミ
自身の白さが無くなり、黒っぽくなる。)、意匠性が低
下し、更に、塗料状態での貯蔵時の安定性が低下するの
で、後述のように好ましい添加量がある。
【0015】
【発明の実施の形態】(A)リン酸基含有アクリル樹脂 本発明で用いるリン酸基含有アクリル樹脂(A)は、特
開平4−25578号に開示されたもので、一般式
(I)
【化3】 (式中、Xは水素原子若しくはメチル基、Yは炭素数2
〜4のアルキレン基、nは3〜30の整数を示す。)で
表されるで表されるモノマー(1)と、その他のエチレ
ン性モノマー(2)とを共重合して得られる。
【0016】モノマー(1)は、既知の用法で容易に合
成することができる。例えば、(メタ)アクリル酸にア
ルキレンオキサイドを付加させポリアルキレングリコー
ルモノエステルとし、次いでオキシ塩化リンと反応させ
リン酸をモノエステル化し、その後、生成物を加水分解
することにより合成することができる。なお、オキシ塩
化リンの替わりに、正リン酸、メタリン酸、無水リン
酸、3塩化リン、5塩化リン等を用いた場合でも、常法
により合成することができる。上記付加反応において、
アルキレンオキサイドの使用量は、本質的には一般式
(1)中のnに応じて化学量論量のnモルでよいが、例
えば(メタ)アクリル酸1モルに対し、3〜60モルで
ある。アルキレンオキサイドは、炭素数2〜4のもので
ある。具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、およびブチレンオキサイド等が挙げられる。
触媒は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられ
る。また、溶媒としてはn−メチルピロリドン等が挙げ
られる。反応温度は40〜200℃、反応時間は0.5
〜5時間で行うことができる。上記付加反応の後、オキ
シ塩化リンのモノエステル化を行う。エステル化は常法
でよく、例えば0〜100℃、0.5〜5時間で行うこ
とができる。オキシ塩化リンの使用量は化学量論量でよ
いが、例えば上記の付加生成物1モルに対し1〜3モル
である。その後、常法により加水分化してモノマー
(1)を得る。
【0017】モノマー(1)の具体例としては、例えば
アシッドホスホオキシヘキサ(若しくはドデカ)(オキ
シプロピレン)モノメタクリレート等が挙げられる。
【0018】モノマー(2)は、上記モノマー(1)以
外のモノマーで、モノマー(1)と共重合し得るエチレ
ン性モノマーであり、また得られた共重合体、即ちリン
酸基含有アクリル性樹脂(A)が後述の硬化剤(D)に
より硬化し得るものである。そのようなモノマー(2)
としては、酸基及び水酸基が同一分子中に存在するモノ
マーから構成されものや、別々のモノマー種にそれぞれ
の基を含むモノマー混合物から構成されたものが挙げら
れる。
【0019】酸基を有するエチレン性モノマーの酸基と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられ
る。カルボキシル基を有するエチレン性モノマーの例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタ
アクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリ
ル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸等が挙
げられる。スルホン酸基を有するエチレン性モノマーの
例としてはt−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙
げられる。酸基を有するエチレン性モノマーの酸基の一
部はカルボキシル基であるのが好ましい。
【0020】水酸基を有するエチレン性モノマーの例と
しては、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタク
リル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシブチル、アリルアルコール等が挙げられる。
【0021】上記以外のエチレン性モノマーの例とし
て、アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−プロピルアクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ラウリルなど)、メタクリル酸
アルキルエステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデ
シルなど)、スチレン、α−メチルスチレン、ο−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、アクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸ベンジル、イタコン酸エステル(イタ
コン酸ジメチルなど)、マレイン酸エステル(マレイン
酸ジメチルなど)、フマール酸エステル(フマール酸ジ
メチルなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0022】上記モノマー(1)と(2)を通常の方法
で共重合することによりリン酸基含有アクリル樹脂
(A)が得られる。例えば、各モノマー混合物を公知の
重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル等)と
混合し、重合可能な温度に加熱した溶剤(例えばエトキ
シプロパノール等)を含む反応容器中へ滴下、熟成する
ことにより共重合体を得ることができる。
【0023】上記重合反応組成において、モノマー
(2)の添加量は、65〜98重量%であるのが好まし
い。65重量%未満だと耐水性が悪く、また98重量%
を越えるとリン酸基の効果が現れない。
【0024】重合条件は適宜選択されるが、例えば重合
温度は80〜150℃、重合時間は1〜8時間である。
【0025】上記のようにして得られるリン酸基含有ア
クリル樹脂(A)は、その数平均分子量が1000〜5
0000であるのが好ましく、より好ましくは2000
〜20000である。分子量が1000未満では得られ
た樹脂被膜が顔料から経時貯蔵時に剥がれ落ちる傾向が
ある。また、50000を越えると粘度が高くなり、取
り扱いが困難となる。また、酸価は15〜200である
のが好ましく、より好ましくは30〜180である。特
に、酸価15〜200のうち、リン酸基からのものが1
0〜150であるのが好ましく、より好ましくは15〜
100であり、残りはカルボン酸基からのものが好まし
い。酸価15未満ではヌレが悪く、剥離の恐れがあり、
また200を越えると耐水性が低下することがある。ま
た、リン酸基の酸価が150を越えると耐水性が悪く、
10未満ではリン酸基効果が十分には認められない。一
方、水酸基価は20〜200であるのが好ましく、より
好ましくは30〜150である。水酸基価20未満で
は、硬化が不十分で耐水性の点で問題を生じ、また20
0を越えてもやはり親水基が過多となり、耐水性の点で
問題を生じ好ましくない。
【0026】本発明におけるリン酸基含有アクリル樹脂
(A)の添加量は、本発明の塗料組成物の金属製光輝剤
(B)の有効成分100重量部に対して0.1〜15重
量部であるのが好ましく、より好ましくは1.0〜10
重量部、さらに好ましくは2.0〜8.0重量部の量で
添加される。リン酸基含有アクリル樹脂の添加量が15
重量部を越えると貯蔵安定性が低下し、0.1重量部を
下回ると効果が得られず、ウエザストリップゴムの接触
による黒変を起こすことがある。
【0027】(B)金属製光輝剤 金属製光輝剤(B)としては、メタリック塗料に通常用
いられるもので良く、例えばアルミニウム、銅、亜鉛、
鉄、ニッケル、スズ等の金属又は合金が挙げられる。形
状は特に限定されないが、例えば鱗片状のものが好まし
く、平均粒径が2〜50μmであり、且つ厚さが0.1
〜3μmであるものが適している。
【0028】例えばアルミニウム粉を用いる場合、その
代表的な平均粒径は10〜32μmである。また、平均
厚みは0.2〜2.7μm程度であり、代表的には1.
0〜2.0μm程度である。形状としては、端部が破断
状のギザギザのあるもの又は平滑であるもの、表面に凹
凸があるもの又は平滑であるもの、端部及び表面が共に
平滑で円板状のもの等が挙げられる。平均粒径と厚みの
関係はほぼ比例し、例えば平均粒径が約10μmで厚み
は0.1〜0.5μm程度、平均粒径が約20μmで厚
みは0.5〜1.5μm程度、平均粒径が約30μmで
厚みは0.7〜2.7μm程度である。隠蔽力は、代表
的には1000〜20000cm2/g程度である。こ
こで隠蔽力とはアルミニウム粉1g当たり最大限被覆す
る面積を示す。端部にギザギザを有する破断を伴ったも
のは厚みが薄く、隠蔽力が大きい。一方、端部が平滑で
ある破断のないものは厚く、隠蔽力は小さい。平均粒径
と厚みの関係はほぼ反比例し、例えば平均粒径が約10
μmで隠蔽力は14000cm2/g以上、平均粒径が
約20μmで隠蔽力は5000〜10000cm2/g
程度、平均粒径が約30μmで隠蔽力は1000〜50
00cm2/g程度である。輝度(L15)については、
粒径が大きいほど輝度も高くなり、粒径が約10μmで
輝度は150以下、粒径が約20μmで輝度は130〜
160程度、粒径が約30μmで輝度は140〜155
程度である。同じ粒径では表面の平滑性が良いものほど
輝度が高くなる。特に表面が平滑で円板状のものは高い
輝度を示す。方向性(F−index)については、輝
度と同様に粒径が大きいほど方向性も高くなる。また、
表面の平滑性とも比例関係にある。例えば表面の平滑性
の指標となる表面処理剤の量との関係を見ると、表面処
理剤量が約10%で方向性は15以下、表面処理剤量が
約20%で方向性は10〜25程度、表面処理剤量が約
30%で方向性は12以上となる。なお、輝度(L15
及び方向性(F−index)については、D.H.Alman
"Directional color measurement of metallic flake f
inisher", Willamsburg conference (1987) によって定
義される。金属製光輝剤(B)の機械的強度の一指標で
ある輝度(L15)保持率は、一般に粒径が大きくなるに
従って低下するが、適宜の形状を選択すれば、輝度(L
15)保持率の低下は小さくなる。本発明で好ましく用い
られる金属製光輝剤は、例えば粒径15〜30μm、厚
み1.0〜2.7μmであり、輝度(L15)145〜1
55、輝度(L15)保持率90%以上のものである。
【0029】金属製光輝剤(B)、例えばアルミニウム
粉のメタリック塗料への含有量(PWC%)は、0.1
%〜20.0%であり、上限を越えると塗膜外観が低下
し、下限を下回ると光輝感が低下することがある。好ま
しくは0.5%〜18.0%であり、より好ましくは
1.0%〜15.0%である。
【0030】(C)熱硬化性被膜形成性樹脂 本発明で用いる熱硬化性被膜形成性樹脂(C)は、金属
製光輝剤(B)、着色顔料及び粘性制御剤(E)を分散
し、硬化塗料を形成するものであれば特に限定されるも
のではない。一般には、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等からなる群から選ば
れた少なくとも一つの水酸基を有する熱硬化性被膜形成
性樹脂が使用できる。耐候性、光輝剤・顔料分散性ある
いは塗装作業性の点から、水酸基を有するアクリル樹脂
とアミノ樹脂とを組み合わせることが好ましい。
【0031】(D)硬化剤 本発明で用いる硬化剤(D)は、アミノ樹脂及び/又は
ブロックイソシアネート樹脂等が挙げられ、熱硬化性被
膜形成性樹脂(C)と組み合わせて用いる。
【0032】本発明の塗料組成物中の熱硬化性被膜形成
性樹脂(C)と硬化剤(D)との重量組成比は90/1
0〜10/90であるのが好ましく、より好ましくは8
0/20〜50/50である。上限を越えると硬化性が
低下し、下限を下回ると固く脆い塗膜となる恐れがあ
る。
【0033】(E)粘性制御剤 本発明で用いる粘性制御剤(E)としては、極性基の相
互作用を利用する非架橋あるいは架橋型の樹脂あるいは
粒子を挙げることができる。
【0034】架橋性樹脂粒子としては、本発明の塗料組
成物に用いられる有機溶剤に不溶で、平均粒子径が0.
02〜0.5μmの架橋性樹脂粒子がよい。平均粒子径
が上限を越えると安定性が低下する。上記の架橋性樹脂
粒子は、両イオン性基を分子内に有する単量体を多価ア
ルコール成分の一つとして合成したアルキド樹脂あるい
はポリエステル樹脂等の乳化能を有する樹脂と、重合開
始剤との存在下に、水性媒体中でエチレン性不飽和モノ
マーを乳化重合させることにより得られるものが好まし
い。
【0035】上記の両イオン性基を分子内に有する単量
体としては、−N+−R−COO-又は−N+−R−SO 3
-として表され、二つ以上のヒドロキシル基を有するも
のを用いることができる。このような単量体としては、
ヒドロキシル基含有アミノスルホン酸型両性イオン化合
物が樹脂合成上好ましい。具体的には、ビスヒドロキシ
エチルタウリン等が挙げられる。
【0036】上記の単量体を用いて合成された乳化能を
有する両イオン性基を分子内に有する樹脂としては、酸
価が30〜150mgKOH/g、好ましくは40〜1
50mgKOH/g、数平均分子量が500〜500
0、好ましくは700〜3000のポリエステル樹脂を
使用するのが良い。上限を越えると、樹脂のハンドリン
グ性が低下し、下限を下回ると塗膜にした場合に乳化能
を有する樹脂が脱離したり、耐溶剤性が低下したりす
る。
【0037】また、架橋性樹脂粒子の合成で、乳化重合
されるエチレン性不飽和モノマーとして、分子内に2個
以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する
モノマーを含有させても良い。このような分子内に2個
以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する
モノマーは、全単量体中の0.1〜10重量%の範囲で
含有させることが好ましい。この量は、微粒子重合体が
溶剤に溶解しないだけの十分な架橋が与えられる程度に
選択される。
【0038】本発明で用いる架橋性樹脂粒子は、一般に
エマルジョン樹脂に含有され、塗膜化したときに性能を
低下させるような低分子乳化剤あるいは保護コロイドを
含まず、しかも分子内に2個以上のラジカル重合可能な
エチレン性不飽和基を有するモノマーを共重合すること
により架橋されているので、塗膜の耐水性、耐溶剤性及
び光沢等が優れている。
【0039】本発明における粘性制御剤(E)の添加量
は、本発明の塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対
して0.01〜15重量部であるのが好ましく、より好
ましくは0.1〜12重量部、さらに好ましくは0.2
〜9重量部の量で添加される。粘性制御剤(E)の添加
量が15重量部を越えると、外観が低下し、0.01重
量部を下回ると粘性制御効果が得られず、ベース/クリ
ヤーの層間でなじみや反転を起こす原因となる。
【0040】また、その他の粘性制御剤として、ムラ及
びたれのない塗膜を良好に形成するために用いられるの
であり、一般にチクソトロピー性を示すものを併用でき
る。このようなものとしては例えば、脂肪酸アマイドの
膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイ
ドのリン酸塩等のポリアマイド系のものおよび、酸化ポ
リエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系
等のものがある。
【0041】また、有機酸スメタイト粘土、モンモリナ
イト等の有機ベントナイト系のものがあり、ケイ酸アル
ミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性
が発現する扁平顔料等を粘性制御剤として挙げることが
できる。但し、塗膜化した場合に光沢、発色性に影響を
及ぼさないものが特に好ましい。
【0042】(その他の成分)また更に、本発明の塗料
組成物中には、必要によりその他の非金属製光輝剤、例
えば、マイカ粉、アルミナフレーク、グラファイト、鱗
片状着色顔料等の光輝性顔料、着色顔料としては、例え
ば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮
合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、
ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、
キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯
体顔料など無機系の黄塩、黄色酸化鉄、ベンガラ、カー
ボンブラック、二酸化チタンなどを挙げることができ
る。その他に、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
表面調整剤等を用いることができる。
【0043】本発明の塗料組成物の全固形分含有量は、
20〜70重量%であるのが好ましく、より好ましくは
30〜50重量%である。上限及び下限を越えると塗料
安定性が低下する。塗布時には、10〜60重量%であ
るのが好ましく、より好ましくは20〜50重量%であ
る。上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下
し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外
観不良が発生することがある。
【0044】本発明の塗料組成物の製造方法は特に限定
されず、顔料等の配合物をニーダー又はロール等を用い
て混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い
得る。
【0045】本発明の塗料組成物は、いかなる基材、例
えば木、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等、
特に金属表面、及び鋳造物に有利に用い得るが、カチオ
ン電着塗装可能な金属製品に特に好適に使用できる。
【0046】上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛等及びこれらの金属を含む合
金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オー
トバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。
これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理
されたものが特に好ましい。
【0047】一般に、本発明の塗料組成物による塗装時
の塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多くの場
合5〜35μmが有用であり、より好ましくは7〜25
μm程度である。上限を越えると、鮮映性が低下した
り、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こること
があり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず、膜切れが
発生することがある。
【0048】基材への塗装後、塗膜を硬化させるが、硬
化は100〜180℃、好ましくは120〜160℃で
高い架橋度の硬化塗膜を得られる。上限を越えると塗膜
が固く脆くなり、下限以下では硬化が十分でない。硬化
時間は硬化温度により変化するが、120℃〜160℃
で10〜30分の硬化が適当である。
【0049】本発明における塗料組成物は、一般には溶
液型のものが好ましく用いられ、溶液型であれば有機溶
剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非
水分散型のいずれでもよい。
【0050】上記塗料組成物を水性型塗料組成物として
用いる場合には、塗料組成物のバインダーとして、米国
特許第5,151,125号および同第5,183,5
04号等に具体的に説明されている熱硬化性被膜形成性
樹脂が用い得る。特に米国特許第5,183,504号
記載のアクリルアミド基、水酸基および酸基を有するア
クリル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせた熱硬化性被
膜形成性樹脂は仕上り、外観性能の点で良好である。
【0051】本発明の塗料組成物を自動車車体に塗装す
る場合には、化成処理された鋼板に、下塗りとして電着
塗膜、および硬化又は未硬化の中塗り塗膜を形成した基
材上に、静電塗装、エアースプレー等の塗装方法で行わ
れることが好ましい。光輝感のムラを抑制するために
は、1ステージよりも2ステージで塗装することがより
好ましい。
【0052】更に、未硬化の本発明のメタリックベース
塗膜の上にウェットオンウェット塗装でクリヤー塗料を
塗布し、その後に両方の塗膜を硬化させる2コート1ベ
ークの複合塗膜形成方法が意匠性の点から好ましい。
【0053】上記塗料組成物を水性型塗料組成物として
用いる場合には、良好な仕上り塗膜を得るために、クリ
ヤー塗料を塗装する前に予めメタリックベース塗膜を6
0〜100℃で2〜10分間加熱しておくことが望まし
い。
【0054】本発明の積層塗膜形成方法に用いられる基
材上に塗布され下塗り層を形成する電着塗料としては、
カチオン型およびアニオン型を使用できるが、カチオン
型電着塗料組成物が防食性において優れた積層塗膜を与
える。
【0055】本発明の積層塗膜形成方法において下塗り
層を形成する中塗り塗料組成物は、下地欠陥を隠蔽し、
上塗り塗装後の表面平滑性の確保と耐ピッチング性を付
与するためのもので、有機系、無機系の各種着色顔料お
よび体質顔料を含む。
【0056】中塗り塗料の着色顔料としては、例えば有
機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリ
ノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナ
クリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔
料など、無機系の黄塩、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボ
ンブラック、二酸化チタンなどが用いられる。また、体
質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等が用いられる。標準的には、カーボンブラ
ックと二酸化チタンを主要顔料としたグレー系中塗り塗
料が多用されるが、上塗りの隠蔽性に応じて各種の着色
顔料を組み合わせた、いわゆるカラー中塗り塗料を用い
ることもできる。
【0057】中塗り塗料の熱硬化性被膜形成性樹脂とし
ては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂等の塗膜形成性樹脂が利用でき、これらはアミノ
樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂等の硬
化剤と組み合わせて用いられる。顔料分散性あるいは作
業性の点から、アルキド樹脂および/又はポリエステル
樹脂とアミノ樹脂との組み合わせが好ましい。
【0058】クリヤー塗料の熱硬化性被膜形成性樹脂と
しては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の塗
膜形成性樹脂を利用することができ、これらはアミノ樹
脂および/またはブロックイソシアネート樹脂等の硬化
剤と組み合わせて用いられる。透明性あるいは耐酸エッ
チング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリ
エステル樹脂との組み合わせ、あるいはカルボン酸・エ
ポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリ
エステル樹脂等が好ましい。
【0059】クリヤー塗料中の固形分含有量は、10〜
50重量%であり、好ましくは20〜50重量%であ
る。上記クリヤー塗料は、未硬化のメタリックベース塗
膜上に、静電塗装、エアースプレー等の方法で塗装する
ことが好ましく、形成される塗膜の乾燥膜厚は、一般に
10〜60μm程度が好ましく、より好ましくは20〜
50μm程度である。上限を越えると、塗装時にワキあ
るいはタレ等の不具合が起こることもあり、下限を下回
ると、下地の凹凸が十分に隠蔽できない。
【0060】クリヤー塗膜自身は約100〜180℃の
温度で加熱硬化させることができるが、本発明では、ク
リヤー塗膜と、メタリックベース塗膜とを組み合わせ積
層塗膜を形成し、同時に加熱硬化することで、優れた外
観および塗膜性能を示すことができる。
【0061】なお、クリヤー塗料は、本発明の塗料組成
物とウェットオンウェットで塗装するためには、粘性制
御剤を含有することが好ましい。クリヤー塗料への粘性
制御剤の添加量は、塗料組成物の樹脂固形分100重量
部に対して0.01〜10重量部であるのが好ましく、
より好ましくは0.02〜8重量部、さらに好ましくは
0.03〜6重量部の量で添加される。粘性制御剤の量
が10重量部を越えると、外観が低下し、0.1重量部
を下回ると粘性制御効果が得られず、層間でなじみや反
転を起こす原因となる。
【0062】本発明で用いるクリヤー塗料の塗料形態と
しては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマ
ルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、ま
た、必要に応じて効果触媒、表面調整剤等を用いること
ができる。
【0063】メタリックベース塗膜を少なくとも一つの
層として含有する積層塗膜としては、多くの場合30〜
300μmである。好ましくは50〜250μmであ
る。上限を越えると、冷熱サイクル等の膜物性が低下
し、下限を下回ると膜自体の強度が低下することがあ
る。
【0064】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0065】(リン酸基含有アクリル樹脂(A)の合成
例)撹拌機、温度調整器、冷却管を備えた1リットルの
反応容器にエトキシプロパノール40重量部を仕込み、
これにスチレン4重量部、n−ブチルアクリレート3
5.96重量部、エチルヘキシルメタアクリレート1
8.45重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
13.92重量部、メタクリル酸7.67重量部、エト
キシプロパノール20重量部にアシッドホスホオキシヘ
キサ(オキシプロピレン)モノメタクリレート(ユニケ
ミカル社製ホスマーPP)20重量部を溶解して溶液4
0重量部、およびアゾビスイソブチロニトリル1.7重
量部からなるモノマー溶液121.7重量部を120℃
で3時間で滴下した後、1時間更に撹拌を継続した。
【0066】得られたものは酸価105、水酸基価6
0、数平均分子量6000のリン酸基含有アクリル樹脂
で、不揮発分が63%であった。
【0067】(金属製光輝剤(B))金属製光輝剤は市
販のものを用いた。
【0068】(熱硬化性被膜形成性樹脂(C))熱硬化
性被膜形成性樹脂は市販のものを用いた。
【0069】(硬化剤(D))硬化剤は市販のものを用
いた。
【0070】(粘性制御剤(E)の調製)粘性制御剤と
して架橋性樹脂粒子のキシレン溶液を以下のようにして
調製した。撹拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管
およびデカンターを備えた反応容器にビスヒドロキシエ
チルタウリン213部、ネオペンチルグリコール208
部、無水フタル酸296部、アゼライン酸376部、お
よびキシレン30部を仕込み、昇温した。反応により生
成した水はキシレンと共沸させて除去した。還流開始よ
り約3時間かけて反応液温を210℃とし、カルボン酸
相当の酸価が135mgKOH/g(固形分)になるま
で撹拌と脱水とを継続して反応させた。
【0071】液温を140℃まで冷却した後、「カージ
ュラーE10(商品名;シェル社製のバーサティック酸
グリシジルエステル)」500部を30分で滴下し、そ
の後、約2時間撹拌を継続して反応を終了した。固形分
の酸価55mgKOH/g、ヒドロキシル価91mgK
OH/g、および数平均分子量1250の両性イオン基
含有ポリエステル樹脂を得た。
【0072】この両性イオン含有ポリエステル樹脂10
部、脱イオン水140部、ジメチルエタノールアミン1
部、スチレン50部およびエチレングリコールジメタク
リレート50部をステンレス製ビーカー中で激しく撹拌
することによりモノマー縣濁液を調製した。また、アゾ
ビスシアノ吉草酸0.5部、脱イオン水40部およびジ
メチルエタノールアミン0.32部を混合することによ
り開始剤水溶液を調製した。
【0073】撹拌加熱装置、温度計、窒素導入管および
冷却管を備えた反応容器に上記両性イオン基含有ポリエ
ステル樹脂5部、脱イオン水280部およびジメチルエ
タノールアミン0.5部を仕込み、80℃に昇温した。
ここに、モノマー縣濁液251部と開始剤水溶液40.
82部とを同時に60分かけて滴下し、更に、60分反
応を継続した後、反応を終了させた。
【0074】動的光散乱法で測定した粒子径55nmを
有する架橋性樹脂粒子エマルジョンを得た。この架橋性
樹脂粒子エマルジョンにキシレンを加え、減圧下共沸蒸
留により水を除去し、媒体をキシレンに置換して、固形
分含有量20重量%の架橋性樹脂粒子のキシレン溶液を
得た。
【0075】 (評価用塗料(実施例2の配合)の調製) 塗料配合(ライトブラウン色メタリックベース、R/MF比=7/3、ALのP WC=13%)(かっこ内の数字は固形分) アルペースト93−0647(東洋アルミニウム社製アルミニウム粉、有効成 分65%) 4.4 ヒルトンデービス30−1005(大日精化社製茶色顔料) 0.2 デグサカーボンFW200P(デグサ社製黒色顔料) 0.1 リン酸基含有アクリル樹脂(酸価105、水酸基価60、数平均分子量600 0、不揮発分63%) 0.18 (0.11) 熱硬化性アクリル樹脂(日本ペイント社製、水酸基価45、酸価15、数平均 分子量21000、固形分50%) 40.6 (20.3) ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂、固形分60%) 14.5 (8.7) アクリル系表面調整剤 0.2 架橋性樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤(粘性制御剤)、固形分 20%) 7.5 (1.5) nブタノール 4.0 酢酸ブチル 2.0 キシレン 19.5 トルエン 6.8 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 合計 100.0
【0076】(評価用メタリックベース塗料の製造例
(実施例2の場合))アルペースト93−0647(東
洋アルミニウム社製アルミニウム粉)4.4gとキシレ
ン10gを卓上ディスパーで撹拌し、ペースト状のアル
ミニウム粉を均一になるまで溶剤中に分散し、次に前記
合成例で得たリン酸基含有アクリル樹脂0.18gを徐
々に添加し、15分間撹拌し、アルミニウム粉溶液をリ
ン酸基含有アクリル樹脂で均一に分散した。
【0077】そこへ、架橋性樹脂粒子溶液、予め着色顔
料を分散した熱硬化性アクリル樹脂(日本ペイント社
製、水酸基価45、酸価15、数平均分子量2100
0、固形分50%)の顔料ペーストおよびその他の成分
を順次添加し、実施例2の塗料(ライトブラウン色メタ
リックベース塗料)を調製した。
【0078】(クリヤー塗料A)クリヤー塗料Aとし
て、スーパーラック O−150クリヤー(日本ペイン
ト社製、アクリル・メラミン樹脂硬化系塗料)を用い
た。
【0079】 (クリヤー塗料B) クリヤー塗料Bの配合(クリヤー;酸基/エポキシ基の当量比=1/1) 酸基含有熱硬化性アクリル樹脂 50.0 (日本ペイント社製、スチレン300部、メタクリル酸シクロヘキシル230部 、アクリル酸イソブチル230部、無水マレイン酸240部、数平均分子量30 00のアクリルポリ酸無水物を含む不揮発分50%のワニスを得た。得られたワ ニス2020部に対し、メタノール125部を加え、70℃で23時間反応させ 、酸価137mgKOH/g(固形分)のアクリルポリカルボン酸ワニスを得た 。) エポキシ基および水酸基含有熱硬化性アクリル樹脂 50.0 (日本ペイント社製、メタクリル酸グリシジル350部、スチレン200部、ア クリル酸2−エチルヘキシル200部、メタクリル酸2−エチルヘキシル125 部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル125部、数平均分子量3400、エポキ シ当量406、水酸基価49mgKOH/g(固形分)、不揮発分61%のワニ ス) テトラブチルアンモニウムブロミド(硬化触媒) 0.5 チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 2.0 サノールLS−292(三共有機合成社製光安定剤) 1.0 アクリル系表面調整剤 0.1 架橋性樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤(粘性制御剤)、固形分 20%) 10.0 (2.0) n−ブタノール 3.0 ソルベッソ100 5.0 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 合計 121.6
【0080】(評価用塗膜を作成するための塗装方法)
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mm、10cm×30c
mのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU−
50(日本ペイント社製、カチオン型電着塗料)」を、
乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃
で30分間焼き付けた。次に、得られた電着塗膜上に、
グレー色の中塗り塗料「オルガP−2グレー(日本ペイ
ント社製、ポリエステル・メラミン樹脂系塗料)」を、
乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、14
0℃で20分間焼き付け下地塗膜を完成した。
【0081】得られたグレー中塗り部の塗膜表面に、表
1に示す実施例1〜3又は比較例1〜2の配合により前
記製造例に従って得たメタリックベース塗料を、乾燥膜
厚が15μmとなるように、2ステージで「オートRE
A(ランズバーグ社製エアー静電塗装機)」により塗装
した。5分間のインターバルの後、ウェットオンウェッ
トで、クリヤー塗料A又はBを、乾燥膜厚が30μmと
なるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼き付
け、評価用塗膜を作成した。
【0082】(評価方法)予め、10cmにカットした
ゴム製のウエザストリップを、評価用塗膜に押し当て、
クリップで密着するように固定、80℃で3日間保持
し、その後50℃のオン水に1日浸漬した。塗板を引き
上げた後、水洗し、塗膜外観を目視により評価した。
【0083】(評価基準) 目視外観:水洗乾燥後の評価用塗膜を目視により判定
し、以下の5段階により評価した。 ウエザストリップによる黒変評価(変色感) 5:全く変色を認めない。 4:かすかに変色が認められる。 3:部位により変色が認められる。 2:部位により黒ずみができる。 1:かなり黒ずみができ、変色している。 塗膜の意匠性 5:全く変化を認めない。 4:かすかに変化が認められる。 3:部位によりかすかに変化が認められる。 2:部位により黒く変化ができる。 1:かなり黒ずんで、変色している。 貯蔵安定性:15秒(/20℃・#4FC)に希釈した
後、40℃7日間貯蔵後に評価用塗膜を目視により判定
し、以下の3段階により評価した。 3:かすかに増粘しているが、問題なし。 2:増粘しているが希釈できる。 1:ゲル化している。
【0084】(結果)実施例1〜3及び比較例1〜2の
配合及び評価結果を表1に示す。
【表1】 (注)アルミペースト配合量及びリン酸基含有アクリル
樹脂配合量のカッコ内の数値は固形分の値を示す。
【0085】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、金属
製光輝剤を、金属に選択的に吸着するリン酸基を含有す
るアクリル樹脂で被覆し、ゴム製のウエザストリップか
ら揮発/溶出する成分によって金属製光輝剤表面が変色
しないような樹脂被覆金属製光輝剤(表面の不動態化)
にすることで、変色を抑えることができる。従って、本
発明により得られた光輝性積層塗膜はウエザストリップ
との接触面が変色せず、長期にわたって優れた意匠性を
発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/38 C09D 5/38 143/02 143/02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタリックベース塗膜とクリヤー塗膜と
    を有する光輝性積層塗膜を形成する方法において、 (A)下記一般式(I) 【化1】 (式中、Xは水素原子若しくはメチル基、Yは炭素数2
    〜4のアルキレン基、nは3〜30の整数を示す。)で
    表されるモノマー(1)と、その他のエチレン性モノマ
    ー(2)とを共重合して得られるリン酸基含有アクリル
    樹脂と、 (B)金属製光輝剤と、 (C)熱硬化性被膜形成性樹脂と、 (D)硬化剤と (E)粘性制御剤とを含有する塗料組成物を用いてメタ
    リックベース塗膜を形成することを特徴とする光輝性積
    層塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記エチレン性モノマー(2)が、酸基
    と水酸基を同一分子中に有するモノマー又はそれぞれの
    基を有する別々のモノマー種の混合物であることを特徴
    とする請求項1記載の光輝性積層塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記リン酸基含有アクリル樹脂が、数平
    均分子量1000〜50000、酸価15〜200で且
    つリン酸基からの酸価が10〜150であり、水酸基価
    20〜200であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の光輝性積層塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記リン酸基含有アクリル樹脂が、塗料
    組成物中において前記金属製光輝剤の固形分100重量
    部に対して0.1〜15重量部含有することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれか記載の光輝性積層
    塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記メタリックベース塗膜は、前記金属
    製光輝剤の濃度(PWC)が0.1〜20.0の範囲で
    あり、且つ乾燥時の膜厚が3〜25μmであることを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の光輝
    性積層塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 メタリックベース塗膜とクリヤー塗膜と
    をウェットオンウェットで仕上げることを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のいずれか記載の光輝性積層塗膜
    の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか記載
    の光輝性積層塗膜の形成方法により形成された光輝性積
    層塗膜。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光輝性積層塗膜を有する
    物品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002177870A (ja) * 2000-12-15 2002-06-25 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗膜の形成方法
JP2002180000A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Nippon Paint Co Ltd チッピングプライマー、複層塗膜形成方法および塗装物
JP2002273322A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Nippon Paint Co Ltd 塗膜形成方法
JP2012514097A (ja) * 2008-12-29 2012-06-21 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アクリル電着組成物及びリン酸塩前処理の代替法

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