JP2002299118A - ソレノイド装置 - Google Patents
ソレノイド装置Info
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Abstract
線抑制効果を向上できるソレノイド装置を提供する。 【解決手段】 ボビンに巻回されたコイルの端末導線部
16aを、端子部15のU状折り曲げ部15aに挟み込
み、端末導線部16aを折り曲げ部15aにヒュージン
グにより接合し、更に、端末導線部16aと折り曲げ部
15aとの接合部を被覆する外周樹脂部を備えるソレノ
イド装置において、端子部15のうち、折り曲げ部15
aの手前側の部位に、端末導線部16aを係止する切り
欠き部15dを設けるとともに、折り曲げ部15aと係
止部15dとの間に、端末導線部16aを支持する支持
面15eを形成する。
Description
ソレノイド装置に関するものである。
によりボビンを成形するとともにボビンに導体金属から
なる端子部を固定し、そして、ボビンにコイルを巻回し
た後、このコイルの端末導線部を端子部にヒュージング
により電気結線し、その後に、ヒュージング部を覆う外
周樹脂部を2次成形している。
末導線部はヒュージング部にて加熱、加圧されることに
より偏平状の形状となって、他の円形断面部分に比較し
て強度が低下する。それに加えて、端末導線部に比して
ヒュージング部を覆う外周樹脂部の線膨張係数がはるか
に大きいので、ソレノイド装置の使用環境(例えば、車
両)における温度変化によって熱衝撃応力が端末導線部
に繰り返し加わる。
した偏平状部分にて端末導線部の断線が発生しやすいと
いう問題があった。
近傍における端末導線部の断線抑制効果を向上できるソ
レノイド装置を提供することを目的とする。
め、請求項1に記載の発明では、ボビン(10)に巻回
されたコイル(16)の端末導線部(16a)を、端子
部(15)のU状折り曲げ部(15a)に挟み込み、端
末導線部(16a)を折り曲げ部(15a)にヒュージ
ングにより接合し、更に、端末導線部(16a)と折り
曲げ部(15a)との接合部を被覆する外周樹脂部(1
8)を備えるソレノイド装置において、端子部(15)
のうち、折り曲げ部(15a)の手前側の部位に、端末
導線部(16a)を係止する係止部(15d)を設ける
とともに、折り曲げ部(15a)と係止部(15d)と
の間に、端末導線部(16a)を支持する支持面(15
e)を形成したことを特徴とする。
5d)にて端末導線部(16a)を係止した後に、端末
導線部(16a)を支持面(15e)上に支持させるか
ら、端末導線部(16a)と支持面(15e)との接触
部を形成して、この接触部には外周樹脂部(18)の樹
脂材が回り込むことがない。その結果、端末導線部(1
6a)と外周樹脂部(18)とが接する面積を減少で
き、端末導線部(16a)と外周樹脂部(18)との密
着力を低減して、端末導線部(16a)に加わる熱衝撃
応力を低減できる。
成形時)に樹脂成形圧が端末導線部(16a)のヒュー
ジング部手前側の部分に加わっても、端末導線部(16
a)のヒュージング部手前側の部分を支持面(15e)
上に支持しているので、樹脂成形圧を受け止める作用を
支持面(15)に分担させることができる。これによ
り、端末導線部(16a)が樹脂成形圧を直接、負担す
ることがない。
に起因する端末導線部(16a)の断線を効果的に抑制
できる。
e)の長さLを0.5mm〜1.5mmの範囲内に設定
することを特徴とする。
(15d)とU状折り曲げ部(15a)にて端子部(1
5)に対して両端支持されているので、係止部(15
d)とU状折り曲げ部(15a)との間隔、すなわち、
支持面(15e)の長さLが長いほど、この長さLの間
の熱膨張差が増大し、その結果、熱衝撃応力が増大する
関係にある。
5e)の長さLを1.5mm以内に制限することによ
り、端末導線部(16a)に加わる熱衝撃応力を効果的
に低減できることが分かった。
Lは短いほど良いが、長さLを0、5mm未満に減少す
ると、ヒュージング工程による加熱作用が係止部(15
d)による端末導線部(16a)の係止部にも及び、端
末導線部16aの係止部の強度低下を引き起こすので、
支持面(15e)の長さLは0.5mm以上とするのが
よい。
5)における折り曲げ部(15a)の手前側の部位に、
係止部として切り欠き部(15d)を形成し、端子部
(15)のうち、折り曲げ部(15a)を形成した面を
表面とし、折り曲げ部(15a)を形成していない面を
裏面としたとき、端末導線部(16a)を切り欠き部
(15d)の部位にて端子部(15)の裏面から表面側
へ取り回して係止することを特徴とする。
を端子部(15)の切り欠き部(15d)にて簡単確実
に行うことができる。
(16a)の径をDとし、端子部(15)の板厚をtと
したときに、切り欠き部(15d)の深さYを、t≦Y
≦(D+t)の範囲に設定することを特徴とする。
(16a)を後述のようにU状折り曲げ部(15a)の
円弧状曲げ部(15g)に密着させて、端末導線部(1
6a)のヒュージングを良好に行うことができる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
に基づいて説明する。図1は本実施形態によるソレノイ
ド装置の断面図であり、図2は外周樹脂部を2次成形す
る前の状態を示す正面図であり、ソレノイド装置はボビ
ン10を有し、ボビン10は円筒部11の軸方向両端に
鍔状部12、13を有する形状に樹脂(例えば、66ナ
イロン等)にて一体に成形してある。
す端子保持部14が一体に成形してあり、この端子保持
部14に2個の保持穴14aを形成し、この2個の保持
穴14aにそれぞれ端子部15、15が圧入固定されて
いる。なお、2個の端子部15、15を、ボビン10の
成形時にインサート成形の手法で端子保持部14に一体
成形してもよい。ここで、端子部15、15は黄銅等の
導体金属の薄板材を後述の所定形状にプレス成形したも
のである。
回した後に、コイル16の両端の端末導線部16a,1
6aをボビン10の端子保持部14の付け根部に設けら
れた係止爪部17、17(図2)に係止し、その後に、
端末導線部16a、16aを端子部15、15の表面側
から一旦、裏面側(図2の紙面奥側)に取り回しする。
図2の破線部16b、16bは端末導線部16a、16
aの裏面側への取り回し部分である。
度、端子部15、15の表面側へ戻した後に、端末導線
部16a、16aの先端部16c、16cを端子部1
5、15のU状折り曲げ部15a、15aの内側に挟み
込み、このU状折り曲げ部15a、15aをヒュージン
グにより加圧、加熱することにより、端末導線部16
a、16aの先端部16c、16cの絶縁被覆を剥離し
て、端末導線部16a、16aの先端部16c、16c
を端子部15、15のU状折り曲げ部15a、15aの
内側に機械的に固着すると同時に電気的に接続する。
子部15、15との接合部分、およびボビン10のコイ
ル16の外周面等を覆う外周樹脂部18を2次成形す
る。なお、外周樹脂部18の樹脂材料は、ボビン10と
同種のものでよく、例えば、66ナイロン等である。外
周樹脂部18には、コイル16の外周面を覆うコイル被
覆部18aと、端末導線接合部を覆う接合被覆部18b
と、端子部15、15の先端部15bの周囲に凹状空間
を形成する端子ケース部18cが備えられている。
a、16aと端子部15、15との接合構成および接合
工程を図3により具体的に説明する。なお、2つの端末
導線部16a、16aと2つの端子部15、15は図2
に示すように左右対称であるので,以下は、各要素に符
号を1つのみ付して説明する。
と反対側の縁部に円弧状の第1切り欠き部15cを滑ら
かに形成してある。この第1切り欠き部15cは、端子
部15の表面151(U状折り曲げ部15aの形成面)
から端子部15の裏面152側へ端末導線部16aを取
り回す際の導線係止部となる。
部15aと同じ側の縁部において、第1切り欠き部15
cよりもU状折り曲げ部15aに接近した部位に第2切
り欠き部15dを形成してある。この第2切り欠き部1
5dも円弧状の形状になっている。
5dに係止した後に再び端子部15の表面151側へ取
り回しするようにしている。この第2切り欠き部15d
とU状折り曲げ部15aとの間には、端末導線部16a
を支持する所定長さLの支持面15eを形成している。
端末導線部16aは支持面15eの表面上に接触するよ
うに配線された後にU状折り曲げ部15aにより挟み込
まれる。なお、図3(c)の2点鎖線部はU状折り曲げ
部15aの展開時の状態を示す。
の表面151から折り曲げ部15aと同一方向へ突き出
す壁部15fをU状折り曲げ部15aの側面に連続する
ように形成してある。この壁部15fは図3(d)、図
3(h)に示すようにヒュージング前の状態では、第2
切り欠き部15dとU状折り曲げ部15aとの間にて、
端末導線部16aの側面の一部を支持するようになって
いる。
端末導線部16aの径をDとし、端子部15の板厚をt
としたときに、t≦Y≦(D+t)の範囲に設定してい
る。本例では、D=0.37mm、t=0.64mmで
あるので、深さY=0.64mm〜1.01mmの範囲
となる。
0.5mm〜1.5mmの範囲に設定している。
り曲げ部15aの内側に端末導線部16aの先端部16
cをセットした状態を示す。図3(e)〜(h)はU状
折り曲げ部15aをかしめて端末導線部16aの先端部
16cをU状折り曲げ部15aの内側に仮固定した状態
を示す。
げ部15aに対して加圧、加熱によるヒュージング工程
を施して、U状折り曲げ部15aに端末導線部16aの
先端部16cを機械的に固着すると同時に、電気的に接
合した状態を示す。ヒュージング工程の実施によりU状
折り曲げ部15aの部位では、板厚が薄くなり、U状折
り曲げ部15aの円弧形状部(R部)15gも略平行な
展開状態に延ばされる。これに伴って、端末導線部16
aの側面の壁部15fは、図3(k)に示すように端子
部15の表面151と裏面152と直交する位置まで変
形する。
cは、U状折り曲げ部15aにおけるヒュージング工程
の加圧、加熱作用により断面偏平状(図3(k)、
(j)参照)に変形して強度低下を起こす。
膨張係数と樹脂の線膨張係数との間には大きな差があ
る。例えば、端末導線部16aの銅の線膨張係数は1.
7×10-5 であり、外周樹脂部18の樹脂材料(66
ナイロン)の線膨張係数は、成形時の樹脂流れ方向の線
膨張係数:2.3×10-5 、成形時の樹脂流れ方向と
垂直方向の線膨張係数:6.6×10-5 である。この
ため、使用環境の温度変化により熱膨張差に基づく熱衝
撃応力(引張力と圧縮力)が端末導線部16aに繰り返
し加わる。
時)には、樹脂流動の成形圧が端末導線部16aに加わ
る。
16aのヒュージング部直前の部位(図3(l)のA−
A線近傍)にて断線を発生しやすい。
から端末導線部16aの断線抑制効果を効果的に発揮で
きる。
止部にて端末導線部16aを係止した後に、端末導線部
16aを支持面15e上に接触させながら配線して、端
末導線部16aを支持面15e上に支持させている。
成形時)に樹脂成形圧が端末導線部16aのヒュージン
グ部手前側の部分に加わっても、樹脂成形圧を受け止め
る作用を支持面15eに分担させることができる。これ
により、端末導線部16aが樹脂成形圧を直接、負担す
ることがなくなり、樹脂成形圧に起因する端末導線部1
6aの断線を抑制できる。
曲げ部15aとの間にて、端末導線部16aを端子部1
5の支持面15e上に接触させているから、端末導線部
16aと外周樹脂部18が接する面積を減少できる。そ
の結果、端末導線部16aと外周樹脂部18との密着力
を低減して、端末導線部16aに加わる熱衝撃応力を低
減できる。
15dによる係止部と、U状折り曲げ部15aによるヒ
ュージング部にて端子部15に対して両端支持されてい
るので、第2切り欠き部15dとU状折り曲げ部15a
との間隔、すなわち、支持面15eの長さLが長いほ
ど、この長さLの間の熱膨張差が増大し、その結果、熱
衝撃応力が増大する関係にある。
長さLを1.5mm以内に制限することにより、端末導
線部16aに加わる熱衝撃応力を効果的に低減できる。
なお、熱衝撃応力の低減のためには、長さLは短いほど
良いが、長さLを0、5mm未満に減少すると、ヒュー
ジング工程による加熱作用が第2切り欠き部15dによ
る端末導線部16aの係止部にも及び、端末導線部16
aの係止部の強度低下を引き起こすので、支持面15e
の長さLの下限は0.5mm以上とした方がよい。
のヒュージング部直前の部位の断線を効果的に抑制でき
る。
子部15の板厚をtとしたときに、第2切り欠き部15
dの深さYを、t≦Y≦(D+t)の範囲に設定してい
るのはヒュージング工程を良好に実施するためである。
り曲げ部15aの内側に端末導線部16aの先端部16
cを挟み込み、U状折り曲げ部15aをかしめた後に、
ヒュージング装置の対向する一対の押圧電極間にU状折
り曲げ部15aを配置し、この押圧電極によりU状折り
曲げ部15aを加圧すると同時に、一対の押圧電極を通
してU状折り曲げ部15aに通電して、U状折り曲げ部
15aの電気抵抗により発熱させ、それにより、端末導
線部16aの表面絶縁被覆を剥離して、U状折り曲げ部
15aと端末導線部16aの先端部16cとを電気的に
接合するのであるが、端末導線部16aがU状折り曲げ
部15aの円弧状曲げ部15gに密着していないと、U
状折り曲げ部15aの発熱が端末導線部16aに十分伝
導されない。その結果、端末導線部16aの表面絶縁被
覆を十分剥離できず、U状折り曲げ部15aと端末導線
部16aとのヒュージングを良好に行うことができな
い。
15dの深さYを最大でもD+t以下とすることによ
り、図3(a)に示すように、第2切り欠き部15dの
最奥部で端末導線部16aを係止したまま、U状折り曲
げ部15a側に向けると、端末導線部16aをU状折り
曲げ部15aの円弧状曲げ部15gの壁面に密着させる
ことができる。
なくとも端子部15の板厚t以上にすることにより、端
末導線部16aを第2切り欠き部15dのうち、支持面
15e側の側面E(図3(a)参照)に確実に係止した
上で、U状折り曲げ部15aの円弧状曲げ部15gの壁
面に密着させることができる。
曲げ部15aの円弧状曲げ部15fに確実に密着させ、
U状折り曲げ部15aと端末導線部16aとのヒュージ
ングを良好に行うことができる。
折り曲げ部15aの形状は、図3のものに限定されず
に、種々変形可能であり、例えば、図4(a)、(b)
のように、端子部15の幅方向(図4の上下方向)に対
して傾斜する傾斜辺15hを有する形状にしてもよい。
また、図4(b)の変形例では、U状折り曲げ部15a
の円弧状曲げ部15gが端子部15の長手方向(図4の
左右方向)に対して傾斜する形状になっている。なお、
図4の2点鎖線部はU状折り曲げ部15aの展開形状を
示す。
16aの端子部15に対する係止部を第1、第2切り欠
き部15c、15dにより構成しているが、第1、第2
切り欠き部15c、15dの代わりに、端子部15に爪
片を形成し、この爪片により端末導線部16aの係止部
を構成してもよい。
面図である。
形前の正面図である。
の接合部の説明図である。
す要部平面図である。
部、15d…切り欠き部(係止部)、15e…支持面、
16…コイル、16a…端末導線部。
Claims (4)
- 【請求項1】 樹脂にて成形されたボビン(10)と、
前記ボビン(10)に巻回されたコイル(16)と、前
記ボビン(10)に固定され、前記コイル(16)の端
末導線部(16a)と電気接続される端子部(15)と
を備え、 前記端子部(15)は板材の一部にU状折り曲げ部(1
5a)を形成しており、前記折り曲げ部(15a)に前
記端末導線部(16a)を挟み込み、前記端末導線部
(16a)を前記折り曲げ部(15a)にヒュージング
により接合し、 更に、前記端末導線部(16a)と前記折り曲げ部(1
5a)との接合部を被覆する外周樹脂部(18)を備え
るソレノイド装置において、 前記端子部(15)のうち、前記折り曲げ部(15a)
の手前側の部位に、前記端末導線部(16a)を係止す
る係止部(15d)を設けるとともに、前記折り曲げ部
(15a)と前記係止部(15d)との間に、前記端末
導線部(16a)を支持する支持面(15e)を形成し
たことを特徴とするソレノイド装置。 - 【請求項2】 前記支持面(15e)の長さLを0.5
mm〜1.5mmの範囲内に設定することを特徴とする
請求項1に記載のソレノイド装置。 - 【請求項3】 前記端子部(15)における前記折り曲
げ部(15a)の手前側の部位に、前記係止部として切
り欠き部(15d)を形成し、 前記端子部(15)のうち、前記折り曲げ部(15a)
を形成した面を表面とし、前記折り曲げ部(15a)を
形成していない面を裏面としたとき、前記端末導線部
(16a)を前記切り欠き部(15d)の部位にて前記
端子部(15)の裏面から表面側へ取り回して係止する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のソレノイド
装置。 - 【請求項4】 前記端末導線部(16a)の径をDと
し、前記端子部(15)の板厚をtとしたときに、前記
切り欠き部(15d)の深さYを、 t≦Y≦(D+t)の範囲に設定することを特徴とする
請求項3に記載のソレノイド装置。
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