JP2002298873A - 固体電解質型燃料電池モジュール - Google Patents

固体電解質型燃料電池モジュール

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JP2002298873A
JP2002298873A JP2001103865A JP2001103865A JP2002298873A JP 2002298873 A JP2002298873 A JP 2002298873A JP 2001103865 A JP2001103865 A JP 2001103865A JP 2001103865 A JP2001103865 A JP 2001103865A JP 2002298873 A JP2002298873 A JP 2002298873A
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長生 久留
Katsumi Nagata
勝巳 永田
Kenichiro Kosaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高圧に設定された気体収容室から発電室
側へ気体が流れるおそれのない固体電解質型燃料電池モ
ジュールを提供する。 【解決手段】 モジュール本体1と、前記モジュール本
体の内部に設けられ、燃料電池セル12aが形成された
セルチューブ12と、前記モジュール本体の内部に設け
られ、前記燃料電池セルが配置される発電室11と、前
記モジュール本体の内部に前記セルチューブの開口部と
連通するように設けられ、前記発電室よりも高い圧力に
設定され、気体22が収容される気体収容室14と、前
記セルチューブが破損したときに前記気体収容室の前記
気体が前記セルチューブの内部および該破損部を介して
前記発電室に流れることを抑制する流れ抑制部61とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池モジュールに関し、特に、燃料排出室から発電室側
へ燃料が逆流するおそれのない円筒型固体電解質型燃料
電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒型固体電解質型燃料電池モジ
ュールについては、特開平7−272741号公報、特
開平9−129256号公報および特開平10−122
58号公報に開示された技術が知られている。
【0003】図11を参照して、従来の円筒型固体電解
質型燃料電池モジュールの概略構造を説明する。
【0004】図11に示すように、断熱材で包囲された
モジュール本体1内には、天板2、金属製の上部管板2
0および金属製の下部管板21が配設され、下部管板2
1の下方には、発電室11が形成されている。発電室1
1の断熱用に断熱ボード34が設けられている。
【0005】モジュール本体1内の天板2と上部管板2
0との間には、燃料供給室13が形成され、上部管板2
0と下部管板21の間には、燃料排出室14が形成され
ている。
【0006】天板2には、燃料供給室13とモジュール
本体1の外部とを連通する燃料供給管7がモジュール本
体1を貫通して連結されている。燃料供給管7から燃料
供給室13には、燃料ガス23が導入される。燃料供給
管7の内側には、燃料排出室14とモジュール本体1の
外部とを連通するように上部管板20を貫通する残燃料
排出管8が配設されている。残燃料排出管8からモジュ
ール本体1の外部には、残燃料ガス22が排出される。
【0007】燃料ガスが水素(H)ガス以外の場合に
は、モジュール本体1内部の熱を利用できる位置に、例
えばNi系等の触媒を配設して、燃料ガスの改質をする
ようにしている。すなわち、燃料としての天然ガスと水
蒸気は、図示せぬプレリフォーマに供給されて、水素
(H)と一酸化炭素(CO)とに改質(内部改質)さ
れ、ここで改質された改質ガスが燃料ガスとして燃料供
給室13に供給される。
【0008】下部管板21には、複数のセルチューブ1
2が、それらの上端を燃料排出室14内に位置させると
共に下方寄りを発電室11内に位置させるようにして貫
通支持されている。セルチューブ12の外周部には、単
電池膜(図示せず)が成膜されている。セルチューブ1
2の内側には、当該セルチューブ12の内部下方側と燃
料供給室13内とを連通させるように下部管板21を貫
通する燃料注入管16が配設されている。後述するよう
に、燃料注入管16は、金属製の上部管板20に支持さ
れ、セルチューブ12は、金属製の下部管板21に支持
されている。
【0009】セルチューブ12の単電池膜は、多孔質の
基体管の上に燃料極、電解質、空気極の順に形成され、
円筒管である基体管の中を燃料ガス23が流れ、基体管
の外側を空気24が流れる。この円筒型固体電解質燃料
電池では、発生した電流をインターコネクタを介してセ
ルチューブ12上の隣接する単電池に流し、最終的には
集電部材5または集電キャップ(後述する)を介して集
電される。
【0010】燃料注入管16の内側には、その上端を燃
料供給室13に位置させると共にその下端をセルチュー
ブ12の下端近傍に位置させた集電棒10が配設されて
いる。集電棒10の下端は、上記単電池膜と電気的に接
続すると共にセルチューブ12の下端に取付けられた集
電部材5に連結している。集電棒10の上端は、ニッケ
ル製の集電部材5および導電棒4を介してモジュール本
体1の外部と電気的に接続されている。
【0011】セルチューブ12の上端には、上記単電池
膜と電気的に接続する集電コネクタ57が取り付けられ
ており、当該セルチューブ12は、他のセルチューブ1
2と集電コネクタ57を介して並列に接続されている。
また、セルチューブ12の上端および下端の装着向きが
適宜設定されることにより複数のセルチューブ12は、
互いに直列接続されている。
【0012】モジュール本体1の発電室11の下部に
は、多孔質のセラミックス製の仕切板3が設けられてい
る。仕切板3の下方には、仕切板3を介して発電室11
と連通する空気予熱(用熱交換)器17が設けられてい
る。
【0013】空気予熱(用熱交換)器17には、モジュ
ール本体1の外部と連通する空気供給管18が接続され
ている。また、モジュール本体1の発電室11の内部に
は、空気排出管19の一端側が位置している。この空気
排出管19は、他端側がモジュール本体1の外側に位置
し、中間部分が空気予熱室17の内部を通過するように
配設され、熱交換に供されている。
【0014】次に、上記構造の円筒型固体電解質燃料電
池モジュールの作用を説明する。
【0015】発電室11内を作動温度(約900〜10
00℃)に加熱し、燃料供給管7から水素などの燃料ガ
ス23を供給すると共に、空気供給管18から酸化剤で
ある空気24を供給する。燃料供給管7を介して供給さ
れた燃料ガス23は、燃料供給室13から燃料注入管1
6を介してセルチューブ12の下端側まで流入する。一
方、空気予熱室17を介して仕切板3を通過した空気2
4が発電室11内に流入する。
【0016】燃料ガス23がセルチューブ12の多孔質
性の基体管を透過して単電池膜に供給され、空気(酸
素)24が単電池膜に接触すると、該単電池膜では水素
(燃料ガス23)と空気(酸素)24とが電気化学的に
反応して電力が発生する。その電力は、集電部材5、集
電コネクタ57、導電棒4を介してモジュール本体1の
外部に取り出される。
【0017】燃料ガス23がセルチューブ12に供給さ
れて発電に使用された後の残燃料ガス22は、燃料排出
室14に集められて、残燃料排出管8を介して外部に排
出される。一方、発電に供された後の残空気25は、空
気排出管19を介して外部に排出される。
【0018】図12に示されるように、複数のセルチュ
ーブ12に均一に燃料ガス23が供給されるように、燃
料ガス23が整流された後に複数のセルチューブ12に
分配される。符号32は整流ヘッダ、33は分配ヘッダ
をそれぞれ示している。燃料ガス23は、燃料供給管7
から導入され、整流ヘッダ32によって整流された後
に、分配ヘッダ33によって分配されて、燃料供給室1
3に供給される。なお、図12において、図11と同じ
構成要素については同じ符号を付しその説明を省略す
る。
【0019】上記の円筒型固体電解質型燃料電池モジュ
ールでは、燃料供給室13および燃料排出室14が、発
電室11よりも差圧Δp≒+50〜+100mmAq
(水柱)だけ高くなるようにコントロールされて運転さ
れている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】このとき、組み込まれ
た多数のセルチューブ12のうち、何らかの理由により
1本でも損傷(破損)すると、図12中A部に示される
ように、燃料排出室14内の残燃料ガス22が上記差圧
の分だけ、発電室11に逆流してリークしてしまう。そ
のリーク量が過大となることから、運転困難な状況とな
る。
【0021】また、固体電解質型燃料電池の発電システ
ムでは、燃料電池の作動温度が約900〜1000℃と
高いことから、熱膨張が問題となる。
【0022】上部管板20と下部管板21とで同一の材
料が用いられた場合であっても、発電室11内が約90
0℃であるのに対し、燃料供給室13内は約700℃で
あることから、上部管板20と下部管板21とに熱伸び
差が生じ、その結果、上部管板20が支持する燃料注入
管16と下部管板21が支持するセルチューブ12の軸
がずれることが考えられる。
【0023】このように、燃料注入管16とセルチュー
ブ12とが偏芯していると、そのセルチューブ12の内
部の燃料注入管16の外側に形成される燃料ガス23の
流路(隙間)が均一ではなくなる。その結果、隙間の狭
い箇所では圧力損失が高くなり、そのセルチューブ12
に形成された複数の単電池膜に対して均一に燃料ガス2
3を供給することができず、発電効率が低下する。
【0024】また、上部管板20、下部管板21は、そ
れぞれ、燃料注入管16、セルチューブ12という重量
物を支持していることから、熱膨張したときに撓むこと
が考えられる。
【0025】ここで、セルチューブ12、燃料注入管1
6が下部管板21、上部管板20に機械的に拘束された
状態で支持されているとすると、上記のように熱伸び
(差)や撓みが生じたときに、セルチューブ12または
燃料注入管16が損傷するおそれがある。その結果、ガ
スが逆流することが考えられる。
【0026】本発明の目的は、気体収容室から発電室側
へ気体が流れるおそれのない固体電解質型燃料電池モジ
ュールを提供することである。本発明の他の目的は、燃
料排出室から発電室側へ燃料ガスが逆流するおそれのな
い固体電解質型燃料電池モジュールを提供することであ
る。本発明の更に他の目的は、セルチューブ、燃料注入
管を機械的に拘束された状態で支持することなく、セル
チューブ、燃料注入管の損傷を未然に防いで、燃料排出
室から発電室側へ燃料ガスが逆流するおそれのない固体
電解質型燃料電池モジュールを提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中の請求
項対応の技術的事項には、括弧()つき、番号、記号等
が添記されている。その番号、記号等は、請求項対応の
技術的事項と実施の複数・形態のうちの少なくとも一つ
の形態の技術的事項との一致・対応関係を明白にしてい
るが、その請求項対応の技術的事項が実施の形態の技術
的事項に限定されることを示されるためのものではな
い。
【0028】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
は、モジュール本体(1)と、前記モジュール本体
(1)の内部に設けられ、燃料電池セル(12a)が形
成されたセルチューブ(12)と、前記モジュール本体
(1)の内部に設けられ、前記燃料電池セル(12a)
が配置される発電室(11)と、前記モジュール本体
(1)の内部に前記セルチューブ(12)の開口部と連
通するように設けられ、前記発電室(11)よりも高い
圧力に設定され、気体(22)が収容される気体収容室
(14)と、前記セルチューブ(12)が破損したとき
に前記気体収容室(14)の前記気体(22)が前記セ
ルチューブ(12)の内部および該破損部を介して前記
発電室(11)に流れることを抑制する流れ抑制部(6
1)とを備えている。ここで、前記気体排出室は、図6
に示される第1の燃料供給室213a、第2の燃料供給
室213b、および燃料排出室214のいずれかである
ことができる。また、前記気体排出室は、図9または図
10に示される燃料供給室13および燃料排出室14の
いずれかであることができる。
【0029】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
は、モジュール本体(1)と、前記モジュール本体
(1)の内部に設けられ、燃料電池セル(12a)が形
成されたセルチューブ(12)と、前記モジュール本体
(1)の内部に設けられ、前記燃料電池セル(12a)
による燃料電池反応の後に残った気体(22)が前記セ
ルチューブ(12)の内部から前記モジュール本体
(1)の外部に排出される前に前記気体(22)が導入
される気体収容室(14)と、前記気体収容室(14)
の前記気体(22)が前記セルチューブ(12)の内部
に逆流することを抑制する流れ抑制部(61)とを備え
ている。
【0030】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
において、前記流れ抑制部(61)は、前記気体収容室
(14)の前記気体(22)が前記セルチューブ(1
2)の内部に流れようとするときの圧力損失が大きくな
るように構成されている。
【0031】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
において、前記流れ抑制部(61)は、燃料注入管(1
6)との間に確保されたクリアランスを維持するように
設けられている。このクリアランスは、圧損を確保する
ためのものである。
【0032】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
において、前記流れ抑制部(61)は、前記セルチュー
ブ(12)の開口部の近傍から前記気体収容室(14)
の内部の上壁部の近傍まで延在するように設けられ、そ
の内部が前記気体(22)の流路となる薄肉管(61)
である。
【0033】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
において、前記薄肉管(61)の材質および厚さは、前
記燃料電池セル(12a)による燃料電池反応時の上部
管板(20)、下部管板(21)の熱変形に対して前記
薄肉管(61)が追従した変形が可能なように構成され
ている。
【0034】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
において、前記流れ抑制部(61)は、前記セルチュー
ブ(12)の開口部の近傍から前記気体収容室(14)
の内部の上壁部の近傍まで延在するように設けられ、そ
の内部が前記気体(22)の流路となる絶縁繊維(7
5)である。絶縁繊維(75)は、フィルタの機能を有
する。
【0035】本発明の固体電解質型燃料電池モジュール
において、前記流れ抑制部(61)は、前記モジュール
本体(1)および前記セルチューブ(12)に対して移
動可能に設けられ、その内部が前記気体(22)の流路
となる管(83)である。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池モ
ジュールの一実施形態として、円筒型固体電解質燃料電
池モジュールについて説明する。
【0037】図1を参照して、第1実施形態の円筒型固
体電解質燃料電池モジュールについて説明する。
【0038】まず、本実施形態を説明する前に、図13
を参照して、図12に示した従来の円筒型固体電解質燃
料電池モジュールの符号Dで示される範囲の構成につい
て説明する。図13において、図11および図12と同
じ構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明
を省略する。
【0039】図13に示されるように、上部管板20に
は、燃料注入管16を挿通させるための孔40が形成さ
れている。孔40は、大径部41と小径部42とを有し
ている。燃料注入管16の上部外周部にはフランジ部1
6fが設けられている。フランジ部16fの直径は、大
径部41よりも小さく小径部42よりも大きい。フラン
ジ部16fは、孔40の内面において大径部41と小径
部42の間に形成された支持台部43に引掛けられて支
持される。
【0040】フランジ部16fの外周部と大径部41と
の間および燃料注入管16の外周部と小径部42の間の
それぞれには、クリアランスd1、d2が設けられ、燃
料注入管16が孔40内で機械的に拘束されない構造と
されている。フランジ部16fの上部であって、大径部
41の内部には、上部押えリング44が配設される。上
部押えリング44の外径部は、大径部41と互いに螺合
している。フランジ部16fは、上部押えリング44に
よって支持台部43に押し付けられて支持される。上部
押えリング44の内径と燃料注入管16の外周部との間
には、クリアランスd3が設けられ、燃料注入管16が
孔40内で機械的に拘束されない構造とされている。
【0041】下部管板21において、孔40の真下に相
当する位置には、孔50が形成されている。孔50に
は、セルチューブ12が挿通される。そのセルチューブ
12の内部には、燃料注入管16が収容され、二重管構
造とされている。
【0042】孔50は、大径部51と小径部52とを有
している。小径部52は、セルチューブ12の外周部よ
りも大径に形成されている。孔50の内面において大径
部51と小径部52の間には、支持台部53が形成され
ている。支持台部53には、孔50とセルチューブ12
の外周部との間をシールするためのシールリング54が
設けられている。
【0043】小径部52とシールリング54との間に
は、クリアランスd4が設けられ、セルチューブ12が
孔50内で機械的に拘束されない構造とされている。シ
ールリング54の上部であって、大径部51の内部に
は、下部押えリング55が配設される。下部押えリング
55の外径部は、大径部51と互いに螺合している。シ
ールリング54は、下部押えリング55によって支持台
部53に押し付けられて支持される。下部押えリング5
5の内径部とセルチューブ12の外周部との間には、ク
リアランスd5が設けられ、セルチューブ12が孔50
内で機械的に拘束されない構造とされている。
【0044】セルチューブ12の上端部には、導電性の
集電キャップ56が載せられている。集電キャップ56
の上には、複数のセルチューブ12を互いに並列接続す
るための集電コネクタ57が電気的に接続されている。
集電キャップ56の上方外周部には、ねじ部が刻設され
ている。集電コネクタ押えリング58は、集電キャップ
56との間に集電コネクタ57を挟んだ状態で、集電キ
ャップ56のねじ部にねじ止めされている。
【0045】本発明者は、図12および図13に示され
るように、セルチューブ12が破損した場合に、燃料排
出室14からのガスの逆流が起きるのは、集電キャップ
56の部分における圧力損失が少ないからであるという
知見を得るに至った。そこで、本発明者は、燃料排出室
14とセルチューブ12の内部との間に、逆止弁と同様
の作用を有する構造にして逆流を防止することを考え
た。ここでは上記のように、反応温度が約900℃程度
の高温であることから、上部管板20、下部管板21の
熱伸び差、撓みを考慮してセルチューブ12および燃料
注入管16を機械的に拘束することなく、上記逆止弁の
作用を得ることが求められる。
【0046】次に、図1を参照して、第1実施形態の円
筒型固体電解質型燃料電池モジュールについて説明す
る。図13と同じ構成要素については、同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0047】第1実施形態では、セルチューブ12の上
方に燃料注入管16に沿う逆止スリーブ61が設けられ
ている。逆止スリーブ61は、燃料注入管16の外周部
との間の隙間(燃料排出室14内のガスがセルチューブ
12内に逆流するときの流路)が狭くなるように形成さ
れる。
【0048】ガス逆流時に入口となる逆止スリーブ61
の上端部に比べて、逆止スリーブ61の出口側(上端部
位置よりも下側)は、逆止スリーブ61の内径が小さく
形成されている。逆止スリーブ61内をガスが逆流し難
くするためである。同様の理由から、逆止スリーブ61
は、長尺に形成されている。上部管板20の下面と集電
コネクタ57の上面との間が例えば35mmであるとす
ると、逆止スリーブ61は、集電コネクタ57の上面か
ら30mmの高さまで延在している。逆止スリーブ61
の下端部は、ラッパ状に拡径され、その先端部は概ね水
平方向に向いている。
【0049】図13に示した集電キャップ56に代え
て、集電キャップ62が用いられる。集電キャップ62
は、セルチューブ12の上端部と電気的に接触してい
る。集電キャップ62は、セルチューブ12の外周部よ
りも若干大径に形成されている。
【0050】集電キャップ62は、セルチューブ12の
内径と概ね同じに形成された最小径部65と、最小径部
65よりも大径に形成された小径部66と、小径部66
よりも大径に形成された大径部67とを有している。最
小径部65と小径部66との間の段部には、支持リング
71が配設されている。支持リング71は、上記段部に
固定されていることができる。または、支持リング71
は、上記段部に非固定状態(載置されているだけ)であ
ることができる。
【0051】支持リング71の上面には、逆止スリーブ
61の拡径された最下端部が支持されている(図1中符
号B参照)。逆止スリーブ61の拡径された最下端部
は、支持リング71の上面にスポット溶接されて固定さ
れていることができる。または、逆止スリーブ61の拡
径された最下端部は、支持リング71の上面にスポット
溶接されることなく、非固定状態(載置されているだ
け)であることができる。
【0052】支持リング71の上面に支持された逆止ス
リーブ61の拡径された最下端部の上には、押えリング
72が配設されることができる。押えリング72が自重
により逆止スリーブ61を支持リング71の上面に対し
て押すことで逆止スリーブ61を固定する。または、逆
止スリーブ61の拡径された最下端部は、押えリング7
2の下面にスポット溶接されることができる。これに代
えて、押えリング72が設けられることなく、逆止スリ
ーブ61が支持リング71のみで支持されることができ
る。押えリング72と大径部67との間にはクリアラン
スが設けられている。
【0053】集電キャップ62の上には、集電コネクタ
57が電気的に接続されている。集電キャップ62の上
部外周部には、ねじ部が刻設されている。集電コネクタ
押えリング58は、集電キャップ62との間に集電コネ
クタ57を挟んだ状態で、集電キャップ62のねじ部に
ねじ止めされている。
【0054】逆止スリーブ61は、ニッケルまたはイン
コネルのような耐熱、高温強度に優れた材料で薄肉管と
して形成される。薄肉に形成するのは、運転時の高温下
(650〜800℃、上部管板20が650〜750
℃、下部管板21が700〜800℃)で逆止スリーブ
61が軟らかくなり変形し易くさせることで、セルチュ
ーブ12を機械的に拘束しないようにするためである。
支持リング71および押えリング72もまた、ニッケル
またはインコネルのような耐熱、高温強度に優れた材料
で形成される。
【0055】次に、図2を参照して、第1実施形態の効
果を説明する。
【0056】図11から図13に示される従来の構造で
は、1本のセルチューブ12が損傷(折損)した場合、
損傷が無いときに本来燃料排出室14を介して残燃料排
出管8から排出されるべき残燃料ガス22の40〜45
%がリークし、2本のセルチューブ12が損傷した場合
には、その本来の残燃料ガス22の80〜90%がリー
クする。これに対し、第1実施形態によれば、1本のセ
ルチューブ12が損傷した場合のリーク量は本来の残燃
料ガス22の1/(組み込まれたセルチューブ12の総
数)に抑えられ、2本のセルチューブ12が損傷した場
合のリーク量は、本来の残燃料ガス22の2/(組み込
まれたセルチューブ12の総数)に抑えられる。この第
1実施形態において、組み込まれたセルチューブ12の
総数が100本であるとすると、1本のセルチューブ1
2が損傷した場合のリーク量は本来の残燃料ガス22の
1%に抑えられ、2本のセルチューブ12が損傷した場
合のリーク量は本来の残燃料ガス22の2%に抑えられ
る。
【0057】次に、図3を参照して、第2実施形態の円
筒型固体電解質型燃料電池モジュールについて説明す
る。図13、図1と同じ構成要素については、同じ符号
を付してその説明を省略する。
【0058】第2実施形態では、セルチューブ12の上
方に燃料注入管16の周囲を覆うように、わた状繊維7
5が設けられている。わた状繊維75は、高密度繊維で
あり、その内部に形成される、燃料排出室14内のガス
がセルチューブ12内に逆流するときの流路に障害を設
け、流路が狭くなるように形成される。
【0059】フィルタ状に設けられるわた状繊維75
は、わた状繊維75内を残燃料ガス22がセルチューブ
12内に向けて逆流しようとしたときの圧力損失が大き
く逆流が抑制されるように構成される。わた状繊維75
は、燃料排出室14内において所定の高さまで延在する
ように設けられる。上部管板20の下面と集電コネクタ
57の上面との間が例えば35mmであるとすると、わ
た状繊維75は、集電コネクタ57の上面から30mm
の高さまで延在している。
【0060】図13に示した集電キャップ56に代え
て、集電キャップ76が用いられる。集電キャップ76
は、セルチューブ12の上端部と電気的に接触してい
る。集電キャップ76は、セルチューブ12の外周部よ
りも若干大径に形成されている。
【0061】集電キャップ76は、セルチューブ12の
内径と概ね同じに形成された小径部78と、小径部78
よりも大径に形成された大径部79とを有している。小
径部78と大径部79との間の段部には、逆止スリーブ
80が配設されている。逆止スリーブ80は、アルミ
ナ、ニッケルまたはSUS等により製造されている。逆
止スリーブ80は概ね円筒状に形成され、その下端部に
は、内側に張り出したフランジ部81が形成されてい
る。そのフランジ部81が、上記段部に載せられてい
る。逆止スリーブ80は、上記段部に固定されているこ
とができる。または、逆止スリーブ80は、上記段部に
非固定状態(載置されているだけ)であることができ
る。
【0062】逆止スリーブ80の内部にわた状繊維75
が充填されている。燃料注入管16の周囲に設けられた
わた状繊維75は、逆止スリーブ80により支持されて
いる。ここで、わた状繊維75は、燃料注入管16の表
面に接着され、逆止スリーブ80には接着されていない
状態であることができる。または、わた状繊維75は、
逆止スリーブ80の内面に接着され、燃料注入管16の
表面には接着されていない状態であることができる。い
ずれの場合であっても、燃料注入管16は、わた状繊維
75を介して装着されているため、燃料注入管16は、
機械的に拘束された状態で支持されているわけではな
い。逆止スリーブ80の大径部79と集電キャップ76
との間には、クリアランスが設けられている。
【0063】第2実施形態においても、図2に示す上記
第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】次に、図4を参照して、第3実施形態の円
筒型固体電解質型燃料電池モジュールについて説明す
る。図1、図3、図13と同じ構成要素については、同
じ符号を付してその説明を省略する。
【0065】第3実施形態では、セルチューブ12の上
方に燃料注入管16の周囲を覆うように、逆止スリーブ
83が設けられている。逆止スリーブ83は、燃料注入
管16の外周部との間の隙間(燃料排出室14内のガス
がセルチューブ12内に逆流するときの流路)が狭くな
るように形成される。逆止スリーブ83は、アルミナ、
ニッケルまたはSUS等により製造されている。
【0066】ガス逆流時に入口となる逆止スリーブ83
の上部は、その上端部から下方に向けて漸次その内径が
狭くなるようにすり鉢状に形成されている。逆止スリー
ブ83の内径は、その高さ方向途中位置から下端部まで
均一に形成されている。その内径が均一に形成された部
分の上部には、逆止スリーブ83の内部と外部とを連通
させ水平方向に延びる細孔84が逆止スリーブ83の周
方向等間隔に形成されている。
【0067】逆止スリーブ83の下端部には、外側に張
り出したフランジ部85が形成されている。フランジ部
85は、集電コネクタ押えリング58の上面に直接載せ
られている。図4中に符号Cで示される部分において、
フランジ部85の下面と、集電コネクタ押えリング58
の上面および集電キャップ86の上面とは、面接触して
おり、これによりセルチューブ12の内部と外部とがシ
ールされている(面タッチシール)。フランジ部85
は、集電コネクタ押えリング58に固定されておらず、
集電コネクタ押えリング58に対して移動自在である。
したがって、燃料注入管16が逆止スリーブ83によっ
て機械的に拘束された状態で支持されていることはな
い。
【0068】図3に示した集電キャップ76に代えて、
集電キャップ86が用いられる。集電キャップ86は、
セルチューブ12の上端部と電気的に接触している。集
電キャップ86は、セルチューブ12の外周部よりも若
干大径に形成されている。
【0069】集電キャップ86において集電コネクタ5
7よりも上に位置する上部は、図3に示した集電キャッ
プ76に比べて、短く形成されている。集電キャップ8
6の上部外周部に刻設されたねじ部に集電コネクタ押え
リング58がねじ止めされている。互いにねじ止めされ
たときに、集電コネクタ押えリング58の上面と集電キ
ャップ86の上面は概ね同一平面上に位置する。その平
面(集電コネクタ押えリング58の上面および集電キャ
ップ86の上面)の上に、逆止スリーブ83のフランジ
部85が載せられている。フランジ部85は、逆止スリ
ーブ83の内部と燃料注入管16の外周部の間の僅かな
上記隙間を除いて、セルチューブ12の内部を概ね栓す
るように形成されている。
【0070】第3実施形態においても、図2に示した上
記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0071】次に、図5から図10を参照して、上記第
1から第3実施形態の円筒型固体電解質型燃料電池モジ
ュールの適用形態について説明する。
【0072】図5は、図1、図3および図4を参照して
説明した第1から第3実施形態の設置形態を模式的に示
したものである。
【0073】既に説明したように、発電室11に設置さ
れたセルチューブ12は下部管板21に支持され、セル
チューブ12の上端は燃料排出室14に開口している。
燃料排出室14には、残燃料ガス22を外部に排出する
ための残燃料排出管8が設けられている。セルチューブ
12内に収容される燃料注入管16は、上部管板20に
支持され、燃料注入管16の上端は燃料供給室13に開
口し、燃料供給管7からの燃料ガス23が供給される。
図5において、符号12aは、セルチューブ12の外周
部に設けられた上記単電池膜である。
【0074】また、符号100は、図1に示した逆止ス
リーブ61、支持リング71および押えリング72など
を含む逆流防止構造、図3に示したわた状繊維75およ
び逆止スリーブ80などを含む逆流防止構造、図4に示
した逆止スリーブ83などを含む逆流防止構造の総称
(いずれの逆流防止構造であってもよい)である。図5
は、図1、図3および図4の構造と同じく、燃料供給室
13の下に燃料排出室14が設けられている。また、そ
の上部に開口部を有するセルチューブ12が下部管板2
1に吊り下げられている。
【0075】図6は、図5と異なる設置形態を示したも
のである。図6において、図5または図1と同じ構成要
素については、同じ符号が付されてその説明が省略され
ている。
【0076】図6に示されるように、セルチューブ12
0は、2本のセルチューブ構成体121a、121bか
ら構成されている。1本のセルチューブ構成体121
a、121bは、U字管である。モジュール本体200
において、天板201の上には、燃料供給管7に連通さ
れる燃料供給路205と、残燃料排出管8に連通される
残燃料排出路206とが設けられている。
【0077】天板201と下部管板202との間には、
第1の燃料供給室213a、第2の燃料供給室213
b、および燃料排出室214が設けられている。セルチ
ューブ120を構成する第1および第2のセルチューブ
構成体121a、121bのうち、第1のセルチューブ
構成体121aの入口側と出口側との間に設けられた第
1仕切板221により第1の燃料供給室213aが形成
される。第2のセルチューブ構成体121bの入口側と
出口側との間に設けられた第2仕切板222により燃料
排出室214が形成される。第1仕切板221と第2仕
切板222の間に、第2の燃料供給室213bが形成さ
れる。
【0078】第1および第2のセルチューブ構成体12
1a、121bは、下部管板202に支持されている。
図6の構造では、図5と異なり、燃料注入管16および
上部管板20は用いられていない。
【0079】燃料供給管7から供給された燃料ガス23
は、燃料供給路205を介して第1の燃料供給室213
aに導入され、第1のセルチューブ構成体121aの入
口側から第1のセルチューブ構成体121aの内部に供
給され、第1のセルチューブ構成体121aに設けられ
た単電池膜による発電に供される。その発電に供された
燃料ガス23は、第1のセルチューブ構成体121aの
出口側から第2の燃料供給室213bを介して第2のセ
ルチューブ構成体121bの入口側から第2のセルチュ
ーブ構成体121bの内部に供給される。第2のセルチ
ューブ構成体121bの内部で発電に供された後の残燃
料ガス22は、燃料排出室214を介して残燃料排出路
206を経て残燃料排出管8から排出される。
【0080】下部管板202に対して第1および第2の
セルチューブ構成体121a、121bが支持されてい
る支持部には、逆流防止構造100が設けられている。
第1の燃料供給室213a、第2の燃料供給室213
b、および燃料排出室214は、発電室11よりも差圧
Δp≒+50〜+100mmAqだけ高くなっているた
め、セルチューブ121a、121bが損傷したときに
は、第1の燃料供給室213a、第2の燃料供給室21
3b、および燃料排出室214のそれぞれから燃料ガス
23または残燃料ガス22が発電室11に流れるおそれ
があるからである。
【0081】図7は、図5および図6と異なり、倒立型
の設置形態を示したものである。図7において、図5お
よび図6と同じ構成要素については、同じ符号が付され
てその説明が省略されている。
【0082】第1管板102の上方に設けられた発電室
11にセルチューブ12が設置され、セルチューブ12
は、第1管板102に支持されている。セルチューブ1
2の下部に位置するセルチューブ12の開口部は、第1
管板102と第2管板103との間に設けられた燃料排
出室14に臨み、その燃料排出室14とセルチューブ1
2の内部との間に、逆流防止構造100が設けられてい
る。燃料排出室14には、残燃料ガス22を外部に排出
するための残燃料排出管8が下方に延在している。
【0083】第2管板103と第3管板104との間に
は、燃料供給室13が設けられている。燃料供給室13
の下部には、燃料供給室13に燃料ガス23を導入する
ための燃料供給管7が設けられている。セルチューブ1
2の内部に収容される燃料注入管16は、第2管板10
3に支持されている。燃料注入管16の下部に設けられ
た燃料注入管16の開口部は、燃料供給室13に臨んで
おり、燃料供給管7から燃料供給室13に供給された燃
料ガス23が燃料注入管16内に導入される。
【0084】図8は、図5および図6と異なり、ボトム
サポート型の設置形態を示したものである。図8におい
て、図5および図6と同じ構成要素については、同じ符
号が付されてその説明が省略されている。
【0085】図8の構造において、図5および図6の構
造との違いは、セルチューブ12の下部が管板または上
記仕切板3に直接的に支持(ボトムサポート)されてい
る点である。セルチューブ12は、下部管板21に対し
て機械的に拘束されないようにルーズにシールされてい
る。図8に示されるように、逆流防止構造100は、燃
料排出室14とセルチューブ12の内部との間に設けら
れている。
【0086】図9は、図5および図6と異なり、吊下げ
分割ヘッダ型の設置形態を示したものである。図9にお
いて、図5および図6と同じ構成要素については、同じ
符号が付されてその説明が省略されている。
【0087】第1管板105の上方に燃料供給室13が
設けられ、燃料供給室13の上部に燃料供給管7が設け
られている。第2管板106の下方に燃料排出室14が
設けられ、燃料排出室14の下部に残燃料排出管8が設
けられている。第1管板105と第2管板106との間
には、発電室11が設けられている。
【0088】セルチューブ12の上部は第1管板105
に支持され、その上部開口部から燃料供給室13内の燃
料ガス23を導入する。セルチューブ12の下部は第2
管板106に支持される。発電室11に位置する単電池
膜12aで発電に供された後の残燃料ガス22は、セル
チューブ12の下部開口部から燃料排出室14を介して
残燃料排出管8から外部に排出される。
【0089】図5および図6の構造と異なり、セルチュ
ーブ12は、無底の円筒状に形成され、その上部開口部
側に燃料供給室13が設けられ、その下部開口部側に燃
料排出室14が設けられている。燃料ガス23がセルチ
ューブ12の上部開口部から導入され、発電に供された
後の残燃料ガス22がセルチューブ12の下部開口部か
ら導出されるため、単一方向にのみガスが移動する。燃
料注入管16は用いられていない。したがって、燃料注
入管16とセルチューブ12との間の機械的拘束の問題
がない。
【0090】逆流防止構造100は、セルチューブ12
の上部開口部側と下部開口部側の双方に設けられてい
る。前述したように、燃料供給室13および燃料排出室
14が、発電室11よりも差圧Δp≒+50〜+100
mmAqだけ高くなっているため、セルチューブ12が
損傷したときには、燃料供給室13および燃料排出室1
4のそれぞれから発電室11に燃料ガス23または残燃
料ガス22が流れるおそれがあるからである。
【0091】セルチューブ12の両端部が第1管板10
5と第2管板106とにより支持されているため、第1
管板105と第2管板106の熱延び差または撓みなど
の影響により、セルチューブ12が損傷するおそれがあ
る。そのために、機械的に拘束しない支持形態である逆
流防止構造100が採用されている。
【0092】図10は、図5および図6と異なり、横置
き分割ヘッダ型の設置形態を示している。図10におい
て、図5および図6と同じ構成要素については、同じ符
号が付されてその説明が省略されている。
【0093】図10の構造において、図9の構造との違
いは、セルチューブ12が水平方向に設けられ、その両
端部側に燃料供給室13および燃料排出室14が設けら
れている点である。図9の構造と同様に、セルチューブ
12の両端側に逆流防止構造100が設けられる。燃料
供給室13を形成する第1管板107とセルチューブ1
2との間は、ルーズにシールされている。同様に、燃料
排出室14を形成する第2管板108とセルチューブ1
2との間は、ルーズにシールされている。
【0094】上記の実施形態におけるそれぞれの円筒型
固体電解質型燃料電池モジュールは、例えば発電レベル
が数10kW級のものである。
【0095】また、上記の実施形態におけるそれぞれの
円筒型固体電解質燃料電池モジュールのセルチューブ1
2の単電池膜は、基体管の上に燃料極、電解質、空気極
の順に形成され、基体管の中を燃料ガス23が流れ、基
体管の外側を空気24が流れる構成として説明したが、
この構成に代えて、基体管の上に空気極、電解質、燃料
極の順に形成され、基体管の中を空気24が流れ、基体
管の外側を燃料ガス23が流れる構成とすることができ
る。その場合には、燃料注入管16には燃料ガス23に
代えて空気24が供給され、燃料排出室14には燃料電
池反応後に残った(未反応の)空気が導入され、発電室
11には空気24に代えて燃料ガス23が供給される。
【0096】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池モジュー
ルによれば、より高圧の気体収容室から発電室側へ気体
が流れるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の円筒型固体電
解質燃料電池モジュールを示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態の円筒型固体電
解質燃料電池モジュールの効果を説明するための図であ
る。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態の円筒型固体電
解質燃料電池モジュールを示す側面図である。
【図4】図4は、本発明の第3実施形態の円筒型固体電
解質燃料電池モジュールを示す側面図である。
【図5】図5は、本発明の第1から第3の実施形態の円
筒型固体電解質燃料電池モジュールの設置形態を示す側
面図である。
【図6】図6は、本発明の第1から第3の実施形態の円
筒型固体電解質燃料電池モジュールの他の設置形態を示
す側面図である。
【図7】図7は、本発明の第1から第3の実施形態の円
筒型固体電解質燃料電池モジュールのさらに他の設置形
態を示す側面図である。
【図8】図8は、本発明の第1から第3の実施形態の円
筒型固体電解質燃料電池モジュールのさらに他の設置形
態を示す側面図である。
【図9】図9は、本発明の第1から第3の実施形態の円
筒型固体電解質燃料電池モジュールのさらに他の設置形
態を示す側面図である。
【図10】図10は、本発明の第1から第3の実施形態
の円筒型固体電解質燃料電池モジュールのさらに他の設
置形態を示す側面図である。
【図11】図11は、従来の円筒型固体電解質燃料電池
モジュールを示す側面図である。
【図12】図12は、従来の他の円筒型固体電解質燃料
電池モジュールを示し、従来の問題点を示す側面図であ
る。
【図13】図13は、従来の円筒型固体電解質燃料電池
モジュールにおいて集電キャップおよびその近傍の構造
を示す側面図である。
【符号の説明】
8 残燃料排出管 12 セルチューブ 12a 単電池膜 14 燃料排出室 16 燃料注入管 16f フランジ部 20 上部管板 21 下部管板 22 残燃料ガス 40 孔 41 大径部 42 小径部 43 支持台部 44 上部押えリング 50 孔 51 大径部 52 小径部 53 支持台部 54 シールリング 55 下部押えリング 56 集電キャップ 57 集電コネクタ 58 集電コネクタ押えリング 61 逆止スリーブ 62 集電キャップ 63 大径壁部 64 シール部材 65 最小径部 66 小径部 67 大径部 71 支持リング 72 押えリング 75 わた状繊維 76 集電キャップ 77 大径壁部 78 小径部 79 大径部 80 逆止スリーブ 81 フランジ部 83 逆止スリーブ 84 細孔 85 フランジ部 86 集電キャップ 87 大径壁部 100 逆流防止構造 d1 クリアランス d2 クリアランス d3 クリアランス d4 クリアランス d5 クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 勝巳 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 小阪 健一郎 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC06 CX02 CX06 HH09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モジュール本体と、 前記モジュール本体の内部に設けられ、燃料電池セルが
    形成されたセルチューブと、 前記モジュール本体の内部に設けられ、前記燃料電池セ
    ルが配置される発電室と、 前記モジュール本体の内部に前記セルチューブの開口部
    と連通するように設けられ、前記発電室よりも高い圧力
    に設定され、気体が収容される気体収容室と、 前記セルチューブが破損したときに前記気体収容室の前
    記気体が前記セルチューブの内部および該破損部を介し
    て前記発電室に流れることを抑制する流れ抑制部とを備
    えた固体電解質型燃料電池モジュール。
  2. 【請求項2】 モジュール本体と、 前記モジュール本体の内部に設けられ、燃料電池セルが
    形成されたセルチューブと、 前記モジュール本体の内部に設けられ、前記燃料電池セ
    ルによる燃料電池反応の後に残った気体が前記セルチュ
    ーブの内部から前記モジュール本体の外部に排出される
    前に前記気体が導入される気体収容室と、 前記気体収容室の前記気体が前記セルチューブの内部に
    逆流することを抑制する流れ抑制部とを備えた固体電解
    質型燃料電池モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の固体電解質型
    燃料電池モジュールにおいて、 前記流れ抑制部は、前記気体収容室の前記気体が前記セ
    ルチューブの内部に流れようとするときの圧力損失が大
    きくなるように構成されている固体電解質型燃料電池モ
    ジュール。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    固体電解質型燃料電池モジュールにおいて、 前記流れ抑制部は、燃料注入管との間に確保されたクリ
    アランスを維持するように設けられている固体電解質型
    燃料電池モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    固体電解質型燃料電池モジュールにおいて、 前記流れ抑制部は、前記セルチューブの開口部の近傍か
    ら前記気体収容室の内部の上壁部の近傍まで延在するよ
    うに設けられ、その内部が前記気体の流路となる薄肉管
    である固体電解質型燃料電池モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の固体電解質型燃料電池モ
    ジュールにおいて、 前記薄肉管の材質および厚さは、前記燃料電池セルによ
    る燃料電池反応時の上部管板、下部管板の熱変形に対し
    て前記薄肉管が追従した変形が可能なように構成されて
    いる固体電解質型燃料電池モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    固体電解質型燃料電池モジュールにおいて、 前記流れ抑制部は、前記セルチューブの開口部の近傍か
    ら前記気体収容室の内部の上壁部の近傍まで延在するよ
    うに設けられ、その内部が前記気体の流路となる絶縁繊
    維である固体電解質型燃料電池モジュール。
  8. 【請求項8】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    固体電解質型燃料電池モジュールにおいて、 前記流れ抑制部は、前記燃料注入管および前記セルチュ
    ーブに対して移動可能に設けられ、その内部が前記気体
    の流路となる管である固体電解質型燃料電池モジュー
    ル。
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