JP2002295294A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

Info

Publication number
JP2002295294A
JP2002295294A JP2001100111A JP2001100111A JP2002295294A JP 2002295294 A JP2002295294 A JP 2002295294A JP 2001100111 A JP2001100111 A JP 2001100111A JP 2001100111 A JP2001100111 A JP 2001100111A JP 2002295294 A JP2002295294 A JP 2002295294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
fuel
valve
current
injector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001100111A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3890914B2 (ja
Inventor
Katsuyoshi Shiraki
克佳 白木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001100111A priority Critical patent/JP3890914B2/ja
Publication of JP2002295294A publication Critical patent/JP2002295294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3890914B2 publication Critical patent/JP3890914B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開弁のためにコモンレールからの燃料圧力を
利用する圧力アシスト型のインジェクタを用いた燃料噴
射制御装置において、ピーク電流の供給が行われない場
合にも、インジェクタを確実に開弁させて内燃機関の運
転を可能にする。 【解決手段】 コモンレールを有したディーゼルエンジ
ン用燃料噴射制御装置において、圧力アシスト型のイン
ジェクタの電磁ソレノイドへピーク電流を供給するため
のコンデンサCp,Cmの充電完了時に、その両端電圧
VCp,VCmが基準電圧Vcf以下であれば(S120:N
O)、上記電磁ソレノイドへピーク電流を供給できない
と判断して、コモンレール圧を通常時よりも大きくする
と共に(S175)、電磁ソレノイドに通常時より大き
なホールド電流が供給されるようにする(S180)。
このため、ピーク電流が流れなくても、インジェクタを
確実に開弁させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ディーゼル
エンジン等に使用される蓄圧配管(コモンレール)を有
した燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車載ディーゼルエンジ
ンの燃料噴射制御装置では、高圧ポンプによりコモンレ
ールへ高圧燃料を加圧圧送すると共に、そのコモンレー
ルに蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に設け
られたインジェクタへ供給するようにしている。そし
て、各インジェクタは、そのインジェクタに設けられた
電磁弁を構成する電磁ソレノイドへ、エンジン制御用の
電子制御装置から駆動電流が供給されて、該インジェク
タの噴射ノズルが開弁することにより、コモンレールか
ら供給される高圧燃料を、対応する気筒へと噴射供給す
る。尚、以下、インジェクタの噴射ノズルの開弁,閉弁
のことを、単に、インジェクタの開弁,閉弁ともいう。
【0003】また、エンジン制御用の電子制御装置にて
インジェクタを駆動するために設けられる駆動回路は、
例えば図9に示す如く、各気筒#a,#b…に設けられ
たインジェクタの電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流
経路に夫々設けられたスイッチング用のトランジスタT
Ra,…及び電流制限用の接地抵抗器Reと、トランジ
スタTRa,…のオン直後に、対応する電磁ソレノイド
La,Lb,…にダイオードDaを介して所定のピーク
電流を供給することにより、インジェクタを速やかに開
弁させるピーク電流回路52と、トランジスタTRa,
…のオン時に、対応する電磁ソレノイドLa,Lb,…
にダイオードDbを介して、ピーク電流より小さいホー
ルド電流を供給することにより、インジェクタの開弁状
態を保持させるホールド電流回路54とから構成されて
いる。
【0004】即ち、この駆動回路では、ピーク電流回路
52により電源電圧を昇圧して、高速開弁用の高電圧を
予め生成しておき、トランジスタTRa,…がオンされ
ると、その生成した高電圧により電磁ソレノイドLa,
Lb…に大電流(ピーク電流)を流して、対応する気筒
のインジェクタを速やかに開弁させ、その後は、ホール
ド電流回路54から開弁保持用の一定電流(ホールド電
流)を流して、トランジスタTRa,…のオン期間中、
対応する気筒のインジェクタの開弁状態を保持するよう
にしている。
【0005】ここで、このような駆動回路を用いる場合
には、ピーク電流回路52が故障する等して、電磁ソレ
ノイドLa,Lb,…にピーク電流を供給することがで
きなくなったとしても、燃料噴射はできるようにする必
要がある。これは、車両を動かせるだけのエンジンの動
力を確保して、安全な場所への退避ができるようにす
る、いわゆるリンプホーム(退避走行)を可能とするこ
とが要求されるからである。
【0006】そのため、ピーク電流を流すことのできな
い異常時に、例えば、特許第2606306号に開示さ
れているように、コモンレール内の燃料圧力を下げるこ
とで、開弁駆動する電磁力が弱くてもインジェクタが確
実に開弁するようにしたり、特開平7−269404号
に開示されているように、ホールド電流の供給開始タイ
ミングや供給時間を補正することで、ピーク電流が供給
されないことによる開弁時期の遅れと開弁期間の減少と
を防止して、エンジンストールを防ぐこと等が行われて
いる。
【0007】また更に、従来、インジェクタとしては、
上記特許第2606306号に記載されているように、
コモンレールから燃料が供給される高圧燃料通路と、当
該インジェクタの噴射ノズルの背圧側(噴孔とは反対
側)と、コモンレール内よりも圧力が低い低圧燃料通路
との各々に接続された燃料空間内に弁体が配置され、そ
の弁体が、電磁ソレノイドへの非通電時には、スプリン
グの付勢力とコモンレールからの燃料圧力とにより、上
記高圧燃料通路と噴射ノズルの背圧側とを連通すると共
に、その噴射ノズルの背圧側と上記低圧燃料通路とを遮
断して、噴射ノズルを閉弁させる第1の動作位置に保持
され、電磁ソレノイドへの通電時には、上記弁体が、ス
プリングの付勢力とコモンレールからの燃料圧力との両
方に抗して、上記高圧燃料通路と噴射ノズルの背圧側と
を遮断すると共に、その噴射ノズルの背圧側と上記低圧
燃料通路とを連通して、噴射ノズルを開弁させる第2の
動作位置へ移動する、といった三方電磁弁を用いたもの
が多用されていた。
【0008】そして、このような三方電磁弁を用いたイ
ンジェクタであれば、コモンレール内の燃料圧力を下げ
ることで開弁し易くなるため、電磁ソレノイドにピーク
電流を流すことができない場合に、上記特許第2606
306号の技術により、リンプホームを可能とすること
ができる。
【0009】また、三方電磁弁を用いたインジェクタで
は、その三方電磁弁の弁体を上記第1の動作位置に保持
させるのにコモンレールからの燃料圧力を利用している
分、スプリングの付勢力が小さ目に設定されるため、電
磁ソレノイドにピーク電流を供給することができなくな
った場合でも、本来のホールド電流だけで開弁駆動し易
く、上記特開平7−269404号の技術が適用し易
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
は、電磁ソレノイドへの通電時に、コモンレールに蓄圧
された燃料の圧力を積極的に利用して噴射ノズルを開弁
させることにより、燃料を噴射する、といった圧力アシ
スト型のインジェクタ(例えば特開平10−15315
5号公報)が使用されるようになってきた。これは、主
に、上述の三方電磁弁を用いたインジェクタよりも、圧
力アシスト型のインジェクタの方が小型化し易いからで
ある。
【0011】ここで、この種の圧力アシスト型インジェ
クタの構成例を図10に示す。図10に例示するインジ
ェクタ60は、二方電磁弁を用いたインジェクタ(二方
電磁弁式インジェクタ)であり、このインジェクタ60
では、当該インジェクタ60の噴射ノズル62の部分の
外壁を成すボディ64に、噴孔64aを開閉するニード
ル弁66が往復移動可能に収容されている。更に、ボデ
ィ64内において、ニードル弁66の反噴孔側にはプレ
ッシャピン68が配設されており、そのプレッシャピン
68の反噴孔側には該プレッシャピン68に接触あるい
は連結する制御ピストン70が配設されている。
【0012】また、ボディ64には、コモンレールから
の高圧燃料が供給される2つの高圧燃料通路72,74
が形成されている。そして、ボディ64においては、一
方の高圧燃料通路72から、当該ボディ64内にて制御
ピストン70の反噴孔側に形成された圧力制御室(噴射
ノズル62の背圧側に相当)78へ、第1のオリフィス
(絞り孔)80を経由して、コモンレールからの高圧燃
料が導入される。また、他方の高圧燃料通路74から、
ニードル弁66の周囲に環状に形成された燃料溜まり8
2へ、コモンレールからの高圧燃料が導入される。
【0013】更に、このインジェクタ60では、ボディ
64の反噴孔側に、二方電磁弁が84が取り付けられて
おり、その二方電磁弁84の本体には、噴射ノズル62
の圧力制御室78と第2のオリフィス90を介して連通
する燃料空間92と、その燃料空間92に連通する低圧
燃料通路94とが形成されている。そして、二方電磁弁
84のインナバルブ86とアウタバルブ88とが、上記
燃料空間92内に配置されており、その両バルブ86,
88のうち、可動の弁体としてのアウタバルブ88によ
り、上記圧力制御室78とコモンレール内よりも圧力が
低い上記低圧燃料通路94とが、連通/遮断される。
尚、第2のオリフィス90の通路抵抗は、第1のオリフ
ィス80の通路抵抗よりも小さく設定されている。
【0014】このようなインジェクタ60では、二方電
磁弁84の電磁ソレノイドLに駆動電流が流されていな
い非通電時には、図10(a)のように、その電磁弁8
4の弁体としてのアウタバルブ88が、当該電磁弁84
のスプリングSPの弾性力(付勢力)により、上記燃料
空間92及び圧力制御室78と上記低圧燃料通路94と
を遮断する閉弁位置に保持される。このため、電磁ソレ
ノイドLへの非通電時には、噴射ノズル62における圧
力制御室78の圧力が高くなり、制御ピストン70が噴
孔側へ押されて、ニードル弁66が噴孔64aを塞ぐ
(即ち、噴射ノズル62が閉弁状態になる)こととな
る。
【0015】また、電磁ソレノイドLに駆動電流が流さ
れると、図10(b)のように、電磁弁84のアウタバ
ルブ88が、スプリングSPの弾性力に抗し且つ圧力制
御室78の燃料圧力にアシスト(補助)されて、上記燃
料空間92及び圧力制御室78と上記低圧燃料通路94
とを連通する開弁位置(図10において、アウタバルブ
88のシート88aの上端部がインナバルブ86の下端
部に当接する位置)に移動する。すると、噴射ノズル6
2における圧力制御室78の燃料が、第2のオリフィス
90を経由して上記低圧燃料通路94へと逃がされて、
その圧力制御室78の圧力及び容積が減少するため、制
御ピストン70,プレッシャピン68,及びニードル弁
66が反噴孔方向(図10における上方)に移動し、噴
孔64aが開く(即ち、噴射ノズル62が開弁状態にな
る)こととなる。その結果、コモンレールから高圧燃料
通路74を介して燃料溜まり82に供給される高圧燃料
が、噴孔64aから噴射される。
【0016】そして、電磁ソレノイドLへの通電が停止
されると、インジェクタ60は、再び図10(a)と同
じ閉弁状態(即ち、燃料を噴射しない無噴射の状態)に
戻ることとなる。このようなインジェクタ60では、二
方電磁弁84の弁体(アウタバルブ)88が、電磁ソレ
ノイドLへの通電時に、コモンレールからの燃料圧力を
利用して開弁位置に移動することにより、噴射ノズル6
2を開弁させる。つまり、コモンレールからの燃料圧力
を積極的に利用して開弁することとなる。
【0017】このため、こうした圧力アシスト型のイン
ジェクタでは、電磁ソレノイドへピーク電流を流すこと
ができない異常時に、上記特許第2606306号の如
くコモンレール内の燃料圧力を下げてしまうと、かえっ
て開弁状態になり難く、リンプホームを行うことができ
なくなってしまう。
【0018】また、この種の圧力アシスト型のインジェ
クタでは、電磁弁の弁体が、スプリングの弾性力によっ
てのみ、閉弁位置に保持されるため、燃料の圧力を利用
しない分、スプリングの弾性力が大き目に設定される。
このため、電磁ソレノイドへピーク電流を流すことがで
きない異常時に、上記特開平7−269404号の如く
ホールド電流の供給開始タイミングや供給時間を制御す
るだけでは、そのインジェクタを十分に開弁駆動するこ
とができなかったり、また開弁したとしても、安定した
開弁状態を保持することができず、その結果、エンジン
停止に至ってしまい、リンプホームを行うことができな
くなってしまう。
【0019】そこで本発明は、開弁のためにコモンレー
ルからの燃料圧力を利用する圧力アシスト型のインジェ
クタを用いた燃料噴射制御装置において、ピーク電流の
供給が行われない場合にも、そのインジェクタを確実に
開弁させて内燃機関の運転を可能にすることを目的とし
ている。
【0020】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するための発明である請求項1記載の燃料噴射制
御装置は、高い所定圧の燃料を蓄圧する蓄圧配管と、そ
の蓄圧配管に蓄圧された燃料を内燃機関に噴射供給する
インジェクタとを備えている。そして、インジェクタ
は、圧力アシスト型のものであり、当該インジェクタに
備えられた電磁ソレノイドへの通電時に、上記蓄圧配管
に蓄圧された燃料の圧力を利用して噴射ノズルを開弁さ
せることにより、内燃機関へ燃料を噴射する。
【0021】更に、請求項1の燃料噴射制御装置では、
上記電磁ソレノイドの電流供給経路に、スイッチング素
子が直列に設けられており、このスイッチング素子のオ
ン時に、ピーク電流供給手段が、電磁ソレノイドにピー
ク電流を流してインジェクタの噴射ノズルを速やかに開
弁させ、その後、ホールド電流供給手段が、電磁ソレノ
イドにピーク電流より小さいホールド電流を流してイン
ジェクタの噴射ノズルの開弁状態を保持する。
【0022】そして特に、請求項1の燃料噴射制御装置
では、異常判定手段により、ピーク電流供給手段が電磁
ソレノイドにピーク電流を供給できないと判定された場
合には、上記ホールド電流でインジェクタの噴射ノズル
を開弁できるように、圧力補正手段が蓄圧配管内の燃料
圧力を増大させる。
【0023】つまり、本発明の燃料噴射制御装置では、
開弁のために蓄圧配管からの燃料圧力を利用する圧力ア
シスト型のインジェクタを用いているため、ピーク電流
供給手段が故障する等して、電磁ソレノイドにピーク電
流を供給することができなくなった場合には、蓄圧配管
内の燃料圧力を正常時よりも大きくして、インジェクタ
の噴射ノズルがホールド電流のみによる駆動であっても
確実に開弁するようにしている。
【0024】このため、本発明の燃料噴射制御装置によ
れば、圧力アシスト型のインジェクタを用いているにも
拘わらず、ピーク電流の供給が行われない異常時にも、
そのインジェクタを確実に開弁させて燃料噴射を継続さ
せることができ、内燃機関の運転が可能となるため、当
該装置を搭載した車両のリンプホームを確実に実現で
き、車両走行時の安全性を向上させることができる。
【0025】次に、請求項2記載の燃料噴射制御装置
は、請求項1の燃料噴射制御装置において、更にホール
ド電流補正手段を備えている。そして、このホールド電
流補正手段は、異常判定手段にてピーク電流供給手段が
ピーク電流を供給できないと判定されると、ホールド電
流供給手段が供給するホールド電流の電流値を増加させ
るこのような請求項2の燃料噴射制御装置によれば、電
磁ソレノイドにピーク電流を供給することができない場
合に、ホールド電流も増大させるようにしているため、
インジェクタの噴射ノズルを一層確実に開弁させること
ができるようになる。
【0026】また、一般に、蓄圧配管の燃料圧力を大き
くすると、インジェクタから内燃機関へ噴射される燃料
の圧力も大きくなり、エンジンでの騒音(所謂カリカリ
音)が発生し易くなるが、請求項2の燃料噴射制御装置
によれば、電磁ソレノイドにピーク電流を供給すること
ができない場合に、蓄圧配管の燃料圧力を極端に大きく
することなく、インジェクタを確実に開弁させることが
できるため、騒音の発生を回避することができる。
【0027】尚、圧力補正手段が増大させる燃料圧力の
値と、ホールド電流補正手段が増加させるホールド電流
の値は、インジェクタの特性,内燃機関の騒音防止の面
などから考えられる燃料圧力の上限値,及び増加可能な
ホールド電流の上限値等から、総合的に最適値を決定す
れば良い。
【0028】一方、請求項1,2の燃料噴射制御装置に
おいて、インジェクタとしては、具体的には、請求項3
に記載の二方電磁弁式インジェクタを用いることができ
る。即ち、このインジェクタは、蓄圧配管に蓄圧された
燃料が導入される当該インジェクタの噴射ノズルの背圧
側と上記蓄圧配管内よりも圧力が低い低圧燃料通路とに
連通する空間内に設けられた弁体が、電磁ソレノイドへ
の非通電時には、スプリングの付勢力により、前記背圧
側と前記低圧燃料通路とを遮断する閉弁位置に保持さ
れ、電磁ソレノイドへの通電時には、前記弁体が、前記
スプリングの付勢力に抗し且つ前記背圧側の燃料圧力に
補助されて、前記背圧側と前記低圧燃料通路とを連通す
る開弁位置に移動する二方電磁弁を有すると共に、その
二方電磁弁の前記弁体が前記開弁位置に移動して前記背
圧側の燃料を前記低圧燃料通路へ逃がすことにより噴射
ノズルが開弁するものである。そして、この二方電磁弁
式インジェクタでは、電磁ソレノイドへの通電時に、蓄
圧配管に蓄圧された燃料の圧力(詳しくは、蓄圧配管に
蓄圧された燃料が導入される噴射ノズルの背圧側の燃料
圧力)を利用して、噴射ノズルが開弁されるため、上記
請求項1,2の燃料噴射制御装置による効果が確実に得
られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施形
態の燃料噴射制御装置について、図面を用いて説明す
る。まず図1は、車両用ディーゼルエンジンの各気筒#
1,#2,#3,#4に燃料を噴射供給する4個(但
し、図1では1個のみ図示している)のインジェクタ6
0の電磁ソレノイドLへの通電時間及び通電タイミング
を制御することにより、ディーゼルエンジン各気筒#1
〜#4への燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する、実
施形態の燃料噴射制御装置の全体構成を表わすシステム
構成図である。
【0030】尚、本実施形態の燃料噴射制御装置で用い
られているインジェクタ60は、図10に示したインジ
ェクタ(即ち、二方電磁弁を有した圧力アシスト型のイ
ンジェクタ)60と同じものである。そして、図1にお
いて、図10と同じ部材については、同一の符号を付し
ているため、詳しい説明は省略する。また、以下の説明
において、インジェクタ60の電磁ソレノイドLを、各
気筒#1,#2,#3,#4の各々に対応するもの毎に
区別する場合には、その符号として、L1,L2,L
3,L4を用いる。また更に、本実施形態の燃料噴射制
御装置は、ディーゼルエンジンの運転に必要な燃料を供
給するメイン噴射に先立って、微少量の燃料を噴射供給
するパイロット噴射を実行するものである。
【0031】図1に示すように、本実施形態の燃料噴射
制御装置は、高圧(本実施形態では約20〜130MP
a)の燃料を貯留すると共に、その高圧燃料を各気筒#
1,#2,#3,#4のインジェクタ60に供給する蓄
圧配管としてのコモンレール2と、車両の燃料タンク3
に貯留された燃料を加圧してコモンレール2に圧送する
高圧ポンプ4と、その高圧ポンプ4及び各気筒#1〜#
4のインジェクタ60を、ディーゼルエンジン(以下、
単にエンジンという)の運転状態に応じて制御するエン
ジン制御用の電子制御装置(以下、ECUという)10
とを備えている。
【0032】そして、コモンレール2と、各インジェク
タ60のボディ64に形成された高圧燃料通路72,7
4とは、高圧燃料配管5を介して接続されており、ま
た、各インジェクタ60の低圧燃料通路94は、低圧燃
料配管6を介して燃料タンク3に接続されている。
【0033】一方、高圧ポンプ4は、エンジンのクラン
ク軸に同期して、該クランク軸が例えば1回転する毎
(360°CA毎)に1回転するカム4aと、コモンレ
ール2に燃料を圧送するためのシリンダ4bと、そのシ
リンダ4bに摺動可能に設けられ、上記カム4aによっ
て往復動されることによりシリンダ4bの容積を変化さ
せるピストン4cと、シリンダ4bからコモンレール2
へ燃料を出力するための出力経路4dと燃料タンク3と
を結ぶ燃料吸排通路4eを、ECU10からの指令に応
じて連通/遮断する電磁弁4fと、コモンレール2側か
ら上記出力経路4dへ燃料が逆流するのを防止する逆止
弁4gと、ピストン4cを下死点(即ち、シリンダ4b
の容積を最大にする位置)側の方向に付勢するスプリン
グ4hとを備えている。
【0034】この高圧ポンプ4では、ピストン4cが、
360°CA毎にシリンダ4b内を一往復する。そし
て、図8に示す如く、ピストン4cが上死点(即ち、シ
リンダ4bの容積を最小にする位置)から下死点へ至る
までの期間が、燃料タンク3から燃料吸排通路4eを介
してシリンダ4b内へ燃料を吸引することが可能な吸引
可能期間となり、また、ピストン4cが下死点から上死
点へ至るまでの期間が、シリンダ4bからコモンレール
2へ燃料を圧送することが可能な圧送可能期間となる。
【0035】このため、上記吸引可能期間では、電磁弁
4fを開弁させて燃料吸排通路4eを連通させることに
より、燃料タンク3からシリンダ4b内へ燃料を吸引さ
せ、上記圧送可能期間の所望のタイミングで、電磁弁4
fを閉弁させて燃料吸排通路4eを遮断することによ
り、燃料タンク3からシリンダ4b内に導入された燃料
を加圧してコモンレール2へ圧送することができる。
【0036】また、コモンレール2へ圧送する燃料の圧
力は、圧送可能期間において電磁弁4fを閉弁させるタ
イミングを早めるほど、高くなる。例えば、電磁弁4f
を、図8にて「閉弁」と記したタイミングで閉弁させ
た場合と、図8にて「開弁」と記したタイミングで閉
弁させた場合とでは、後者の方が、コモンレール2への
燃料圧力が高くなる。これは、圧送可能期間における電
磁弁4fの閉弁時間が長くなり、それに応じて、コモン
レール2に圧送される燃料の量が多くなるからである。
【0037】一方、図1に示すように、コモンレール2
には、当該コモンレール2内の燃料圧力(以下、コモン
レール圧という)Pcを検出するための圧力センサ2a
が取り付けられている。そして、その圧力センサ2aか
らの検出信号は、ECU10に入力されている。
【0038】そして更に、ECU10には、エンジンの
クランク軸が所定角度回転する毎にパルス状にレベル変
化するエンジン回転信号,アクセルの開度(アクセル開
度)を示すアクセル開度信号,エンジンの冷却水の温度
(冷却水温)を示す冷却水温信号,及びエンジンの吸入
空気の温度(吸気温)を示す吸気温信号など、エンジン
の運転状態を表す各種センサやスイッチからの検出信号
が入力されている。
【0039】次に、図2に示す如く、ECU10は、予
め設定された制御プログラムに従い燃料噴射制御のため
の各種制御処理を実行するCPU,ROM,RAM等か
らなる周知のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」
という)20と、マイコン20からの指令を受けて動作
し、電磁ソレノイドL1〜L4を各々通電して各気筒#
1〜#4のインジェクタ60を駆動する駆動回路30
と、マイコン20からの指令に応じて、高圧ポンプ4に
設けられた上記電磁弁4fの電磁ソレノイドへ駆動電流
(ポンプ電磁弁駆動電流)を供給することにより、その
電磁弁4fを閉弁させる駆動回路40と、バッテリBT
からの電源供給を受け、バッテリ電圧+B(本実施形態
では24V)を所定の電源電圧Vc(本実施形態では5
V)に変換してマイコン20及び上記各駆動回路30,
40に供給する電源回路42とを備えている。
【0040】尚、本実施形態において、駆動回路30に
より通電が行われる電磁ソレノイドL1〜L4は、奇数
番目の気筒#1,#3に対応する第1グループの電磁ソ
レノイドL1,L3と、偶数番目の気筒#2,#4に対
応する第2グループの電磁ソレノイドL2,L4とにグ
ループ分けされている。そして、第1グループの電磁ソ
レノイドL1,L3には、第1共通線CM1と、その第
1共通線CM1から分岐した個別配線W1,W3とを介
して駆動電流が供給され、また、第2グループの電磁ソ
レノイドL2,L4には、第2共通線CM2と、その第
2共通線CM2から分岐した個別配線W2,W4とを介
して駆動電流が供給されるよう配線されている。
【0041】次に、駆動回路30は、各電磁ソレノイド
L1〜L4の電流経路である個別配線W1〜W4を夫々
導通・遮断するスイッチング素子としてのトランジスタ
(ここではNチャネル電界効果トランジスタ)T1〜T
4と、トランジスタT1〜T4を共通に接地する電流経
路に設けられ、電磁ソレノイドL1〜L4を流れるソレ
ノイド電流Idに比例した電圧値を有する検出信号VId
を生成する電流検出手段としての電流検出用抵抗器Ro
と、ダイオードD11を介して第1共通線CM1(即ち電
磁ソレノイドL1,L3)に、また、ダイオードD21を
介して第2共通線CM2(即ち電磁ソレノイドL2,L
4)に所定のホールド電流(定電流)を個別に供給する
ホールド電流回路32とを備えている。尚、図2におけ
るダイオードD12は、第1共通線CM1に接続された電
磁ソレノイドL1,L3に発生したフライバック電流を
吸収するためのものであり、同じくダイオードD22は、
第2共通線CM2に接続された電磁ソレノイドL2,L
4に発生したフライバック電流を吸収するためのもので
ある。
【0042】また、駆動回路30は、バッテリ電圧+B
を昇圧し、ピーク電流供給用の一対のコンデンサCp,
CmをダイオードDp0,Dm0を介して充電する昇圧回路
34と、コンデンサCp,Cmの両端電圧VCp,VCm
が、予め設定された基準電圧Vcf(本実施形態では60
V)以上か否かを個別に判定し、その判定結果Jp,J
mをマイコン20に出力する充電電圧監視回路36と、
コンデンサCpの放電電流(パイロット噴射用のピーク
電流)を、ダイオードDp1を介して第1共通線CM1,
或いはダイオードDp2を介して第2共通線CM2に供給
するための第1ピーク電流供給配線Wpを導通・遮断す
るトランジスタTpと、コンデンサCmの放電電流(メ
イン噴射用のピーク電流)を、ダイオードDm1を介して
第1共通線CM1,或いはダイオードDm2を介して第2
共通線CM2に供給するための第2ピーク電流供給配線
Wmを導通・遮断するトランジスタTmと、マイコン2
0から入力される噴射指令S1〜S4に従って、個別配
線W1〜W4に設けられたトランジスタT1〜T4を駆
動するための通電パルスP1〜P4、及びピーク電流供
給配線Wp,Wmに設けられたトランジスタ(ここでは
Nチャネル電界効果トランジスタ)Tp,Tmを駆動す
るための放電パルスPp,Pmを生成するスイッチング
制御回路38とを備えている。
【0043】ここで、ホールド電流回路32は、図2及
び図3に示すように、バッテリBTからの電源供給を受
け、トランジスタTi(i=1〜4)がオンされた電磁
ソレノイドLi(i=1〜4)に、インジェクタ開弁保
持用のホールド電流を供給する定電流回路であり、ダイ
オードD11を介して第1共通線CM1に接続される電流
経路とバッテリ電圧+Bの電源ラインとを導通・遮断す
るトランジスタ(Pチャネル電界効果トランジスタ)T
5、及びダイオードD21を介して第2共通線CM2に接
続される電流経路とバッテリ電圧+Bの電源ラインとを
導通・遮断するトランジスタ(Pチャネル電界効果トラ
ンジスタ)T6からなる出力部32gを備えている。
【0044】また、ホールド電流回路32は、電流検出
用抵抗器Roにて検出された検出信号VIdを増幅する増
幅部32aと、増幅部32aの出力を予め設定されたし
きい値VTと大小比較する比較部32bと、マイコン2
0からの切替信号Sxに従って、しきい値VTの大きさ
を切り替えるしきい値切替部32fとを備えており、こ
れらは、電源電圧Vcの供給を受けて動作するように構
成されている。
【0045】更に、ホールド電流回路32は、比較部3
2bの出力を、バッテリ電圧+Bレベルに変換するレベ
ル変換部32cと、レベル変換部32cの出力を反転す
る反転部32dと、反転部32dの出力から、トランジ
スタT5,T6をオン・オフ制御するための駆動信号を
生成する駆動信号生成部32eとを備えている。尚、反
転部32d及び駆動信号生成部32eは、トランジスタ
T5,T6にそれぞれ対応して、全く同じ構成のものが
二つずつ設けられている。そして、これらレベル変換部
32c,反転部32d,及び駆動信号生成部32eは、
バッテリ電圧+Bの供給を受けて動作するように構成さ
れている。
【0046】このうち、増幅部32aは、オペアンプO
P1及び抵抗R11〜R13からなる周知の非反転増幅器に
より検出信号VIdを増幅するように構成されている。
尚、オペアンプOP1の非反転入力には、抵抗R14,R
15により生成された電源電圧Vcの分圧値が抵抗R16を
介して印加されている。これは、オペアンプOP1を、
その動作範囲の中心付近で動作させるため、検出信号V
Idに直流バイアスを印加するものである。
【0047】また、比較部32bは、コンパレータOP
2及び抵抗R21〜R26にて構成された周知の比較器によ
り、増幅部32aにて増幅された信号を、予め設定され
たしきい値VTと比較して、このしきい値VTより小さ
ければハイレベル(以下、Highレベルと記す)、しきい
値VTより大きければローレベル(以下、Low レベルと
記す)となる信号を出力するように構成されている。
【0048】尚、しきい値VTは、ヒステリシスを有し
ており、コンパレータOP2の出力がHighレベルの時の
しきい値VTHは下記の式(1)〜(3),(7)にて
求められる値となり、コンパレータOP2の出力がLow
レベルの時のしきい値VTLは下記の式(4)〜(7)
にて求められる値となる。
【0049】 VTH=V×(RHb/(RHa+RHb))…(1) RHa=(R21+R22)//(R24+R25)…(2) RHb=R23…(3) VTL=V×(RLb/(RLa+RLb))…(4) RLa=R21+R22…(5) RLb=R23//R24…(6) V=Vc…(7) 但し、X//Y=1/{(1/X)+(1/Y)}を表
す。また、Vは、抵抗R21〜R23と抵抗R25への印加電
圧である。
【0050】つまり、コンパレータOP2の出力は、検
出信号VIdが上限しきい値VTHより大きくなるとHigh
レベルからLow レベルに変化し、下限しきい値VTLよ
り小さくなるとLow レベルからHighレベルに変化する。
一方、しきい値切替部32fは、トランジスタQ1,Q
2及び抵抗R31〜R34からなり、コレクタ及びエミッタ
が抵抗R21の両端に接続されたトランジスタQ2を、マ
イコン20からの切替信号Sxに従ってオン・オフ制御
することにより、抵抗R21の両端を短絡,開放するよう
に構成されている。
【0051】つまり、切替信号SxがHighレベルの時に
は、トランジスタQ2がオンして、比較部32bを構成
する抵抗R21が、回路から切り離された状態(R21=
0)となり、しきい値VTH,VTLは、上記式
(2),(5)の代わりに、次の式(2a),(5a)
を用いて求めた大きさとなる。但し、ここでは、トラン
ジスタQ2のオン時におけるエミッタ・コレクタ間電圧
が0Vであるものとしている。
【0052】RHa=R22//(R24+R25)…(2a) RLa=R22…(5a) この場合、抵抗値RHa,RLaは、いずれも式
(2),(5)の場合より小さくなり、従って、しきい
値VTH,VTLの値は大きくなる。そして、本実施形
態では、しきい値VTH,VTLの差(VTH−VT
L)が0.16V以下となり、且つ平均値((VTH+
VTL)/2)が、切替信号SxがLow レベルの時に、
検出信号VIdの2Aに相当する大きさとなり、切替信号
SxがHighレベルの時に、検出信号VIdの4Aに相当す
る大きさとなるように、抵抗R21〜R25が設定されてい
る。
【0053】次に、レベル変換部32cは、バッテリ電
圧+Bが抵抗R43を介してコレクタに印加され、比較部
32bの出力が抵抗R41,R42からなるバイアス回路を
介してベースに印加されたトランジスタQ3からなり、
また、反転部32dは、レベル変換部32cの出力が抵
抗R51,R52からなるバイアス回路を介してベースに印
加されたトランジスタQ4からなる。つまり、反転部3
2dからは、比較部32bの出力と同極性であり、且つ
バッテリ電圧+Bにレベル変換された信号が出力され
る。
【0054】そして、駆動信号生成部32eは、トラン
ジスタQ5,抵抗R61〜R64,及びツェナーダイオード
Dzからなり、反転部32dの出力がLow レベルの時
に、バッテリ電圧+Bレベル(トランジスタT5,T6
を確実にオフする信号レベル)となり、反転部32dの
出力がHighレベルの時に、バッテリ電圧+Bよりツェナ
ーダイオードDzのツェナー電圧Vz(本実施形態では
12V)だけ低いレベル(トランジスタQ6,Q7を確
実にオンする信号レベル)となる駆動信号を生成するよ
うに構成されている。
【0055】即ち、ホールド電流回路32は、検出電圧
VIdが上限しきい値VTHより小さい間は、トランジス
タT5,T6をオンして共通線CM1,CM2への電流
供給を行い、検出電圧VIdが上限しきい値VTHより大
きくなると、トランジスタT5,T6をオフして、以
後、検出電圧VIdが下限しきい値VTLより大きい間
は、共通線CM1,CM2への電流供給を停止し、検出
電圧VIdが下限しきい値VTLより小さくなると、再び
トランジスタT5,T6をオンする動作を繰り返すこと
になる。
【0056】その結果、上限しきい値VTHと下限しき
い値VTLとの平均の大きさとなるホールド電流が流れ
ることになり、従って、ホールド電流回路32が供給す
るホールド電流の大きさは、切替信号SxがLow レベル
の時には約2A、切替信号SxがHighレベルの時には約
4Aとなる。
【0057】次に、図2に戻り、昇圧回路34は、バッ
テリ電圧+Bが印加された昇圧用のコイル(図示省略)
の電流経路を断続することにより、そのコイルにバッテ
リ電圧+Bより大きな電圧を発生させる周知のものであ
り、マイコン20からの作動指令Spに従って、コンデ
ンサCp,Cmを所定の上限電圧(本実施形態では12
0V)にまで充電する。
【0058】また、マイコン20からスイッチング制御
回路38に入力される噴射指令Si(i=1〜4)は、
図4に示すように、パイロット噴射の時期及び期間を示
した指令(以下「パイロット噴射指令」という)と、メ
イン噴射の時期及び期間を示した指令(以下「メイン噴
射指令」という)とが連続したものとなっている。
【0059】そして、スイッチング制御回路38では、
噴射指令Siが入力されると、噴射指令Siをそのまま
電磁ソレノイドLiの通電を制御するトランジスタTi
への通電パルスPiとして出力する。これと同時に、パ
イロット噴射指令のタイミングで、トランジスタTpへ
の放電パルスPpを出力すると共に、メイン噴射指令の
タイミングで、トランジスタTmへの放電パルスPmを
出力するように構成されている。
【0060】次に、マイコン20は、エンジンの運転状
態を表わす前述の各種検出信号に基づき、電磁ソレノイ
ドL1〜L4の通電時間及び通電開始タイミングを求
め、噴射指令S1〜S4を生成する燃料噴射制御処理
や、噴射指令の送出を完了後、次の噴射指令の送出を開
始するまでの間に、エンジンの運転状態に応じた一定期
間だけ昇圧回路34を動作させる作動指令Spを送出し
て、コンデンサCp,Cmの充電を行う充電処理の他、
コモンレール圧Pc(延いては、インジェクタ60から
の燃料噴射圧力)がエンジンの運転状態に合った適切値
となるように高圧ポンプ4の電磁弁4fを制御するコモ
ンレール圧制御処理や、充電電圧監視回路36での判定
結果Jp,Jmを監視して、ピーク電流の供給が不能で
あると判断すると、インジェクタ60を確実に開弁させ
るための処置を行うフェイルセーフ処理等を実行する。
【0061】このように構成されたECU10では、マ
イコン20が実行する燃料噴射制御処理及び充電処理に
よって、駆動回路30が次のように動作する。即ち、図
4に示すように、マイコン20が噴射指令Siを送出す
ると、まず、パイロット噴射指令のタイミング(時刻t
1〜t2)で、対応する気筒#iのトランジスタTi及
び第1ピーク電流供給配線Wpに設けられたトランジス
タTpがオンする。すると、コンデンサCpに充電され
た電圧が電磁ソレノイドLiを介して放電され、電磁ソ
レノイドLiにピーク電流が流れた後、ホールド電流回
路32の動作によって、電磁ソレノイドLiにホールド
電流が流れる。このパイロット噴射指令が終了した時点
(時刻t2)で、トランジスタTiがオフし、続けて予
め設定された一定時間経過後にトランジスタTpがオフ
して、電磁ソレノイドLiへの通電が一旦遮断される。
【0062】続けてメイン噴射指令のタイミング(時刻
t3〜t4)で、対応する気筒#iのトランジスタTi
及び第2ピーク電流供給配線Wmに設けられたトランジ
スタTmがオンする。すると、コンデンサCmに充電さ
れた電圧が電磁ソレノイドLiを介して放電され、電磁
ソレノイドLiにピーク電流が流れた後、ホールド電流
回路32の動作によって、電磁ソレノイドLiにホール
ド電流が流れる。このメイン噴射指令が終了した時点
(時刻t4)で、トランジスタTiがオフし、続けて予
め設定された一定時間経過後にトランジスタTmがオフ
して、電磁ソレノイドLiへの通電が遮断される。
【0063】このようにして、噴射指令Si(パイロッ
ト噴射指令及びメイン噴射指令)の送出が完了すると、
マイコン20から送出される作動指令Spにより昇圧回
路34が起動され、次に噴射指令Siが入力された際に
ピーク電流を供給可能な状態となるように、コンデンサ
Cp,Cmを充電する(時刻t4〜t5)。
【0064】以後、各気筒#1〜#4に対して順番に同
様の処理が繰り返し実行されることになる。尚、図4に
おいて、電流検出用抵抗器Roを流れるソレノイド電流
の波形は、切替信号SxがLow レベルに設定された通常
時のものを示している。ここで、これら燃料噴射制御処
理や充電処理と共に、マイコン20にて繰り返し実行さ
れるフェイルセーフ処理を、図5に示すフローチャート
に沿って説明する。但し、切替信号Sxは、電源投入後
の初期化処理では、Low レベル、即ち、ホールド電流回
路32が通常レベル(2A)のホールド電流を供給する
ように設定されるものとする。
【0065】本処理が起動されると、まずS110で
は、ピーク電流供給用のコンデンサCp,Cmへの充電
が完了するまで待機し、充電が完了すると、S120に
移行する。尚、充電完了は、作動指令Spを出力後に所
定の充電時間TCHG (図4参照)が経過したか否かによ
り判断する。
【0066】S120では、コンデンサCp,Cmの充
電電圧VCp,VCmが、いずれも基準電圧Vcfより大きい
か否かを、充電電圧監視回路36からの判定結果Jp,
JmがいずれもHighレベルであるか否かにより判断す
る。そして、肯定判定された場合には、いずれのコンデ
ンサCp,Cmも電磁ソレノイドLへのピーク電流の供
給が可能であるものとして、S130に移行する。
【0067】S130では、パイロット噴射が実行され
るまで待機し、パイロット噴射が実行されると、S14
0に移行する。これは、燃料噴射制御処理により、パイ
ロット噴射指令が出力されたか否かを監視することによ
り判断できる。S140では、コンデンサCpの両端電
圧VCpが、基準電圧Vcfより小さいか否かを、充電電圧
監視回路36からの判定結果JpがLow レベルであるか
否かにより判断し、判定結果JpがLow レベルであれ
ば、コンデンサCpの放電、即ちパイロット噴射時にお
けるピーク電流の供給が正常に行われたものとして、S
150に移行する。
【0068】S150では、メイン噴射が実行されるま
で待機し、メイン噴射が実行されると、S160に移行
する。これはS130のパイロット噴射の場合と同様
に、燃料噴射制御処理によりメイン噴射指令が出力され
たか否かを監視することにより判断できる。
【0069】S160では、コンデンサCmの両端電圧
VCmが、基準電圧Vcfより小さいか否かを、充電電圧監
視回路36からの判定結果JmがLow レベルであるか否
かにより判断し、判定結果JmがLow レベルであれば、
コンデンサCmの放電、即ちメイン噴射時におけるピー
ク電流の供給が正常に行われたものとして、S170に
移行する。
【0070】S170では、コンデンサCp,Cmのい
ずれもが、ピーク電流の供給を正常に行っているものと
して、切替信号SxをLow レベル、即ち、ホールド電流
回路32が通常レベル(2A)のホールド電流を供給す
るように設定して本処理を終了する。
【0071】一方、上記S120,S140,及びS1
60の何れかで否定判定された場合、即ち、充電が完了
されたはずのコンデンサCp,Cmの両端電圧VCp,V
Cmのうち、いずれか一方でも基準電圧Vcf以下である場
合(S120:NO)、或いは、パイロット噴射実行後
のコンデンサCpの両端電圧VCpが、基準電圧Vcf以上
である場合(S140:NO)、或いは、メイン噴射実
行後のコンデンサCmの両端電圧VCmが、基準電圧Vcf
以上である場合(S160:NO)には、コンデンサC
p,Cmのうちの少なくとも一方が、ピーク電流の供給
を正常に行っていないと判断して、S175に移行す
る。
【0072】S175では、ピーク電流の供給が正常に
行われている通常時よりもコモンレール圧Pcを増大さ
せるために、後述するコモンレール圧制御処理で参照さ
れる異常検出フラグCHGFAILを“1”に設定す
る。尚、この異常検出フラグCHGFAILの初期値は
“0”である。
【0073】そして、続くS180にて、切替信号Sx
をHighレベル、即ち、ホールド電流回路32が高レベル
(4A)のホールド電流を供給するように設定して本処
理を終了する。このフェイルセーフ処理により、ホール
ド電流回路32は、図6に示す如く、ピーク電流の供給
が正常に行われている通常時(切替信号SxがLow レベ
ル)には、通常レベル(2A)のホールド電流を供給
し、一方、ピーク電流の供給が正常に行われていない異
常時(切替信号SxがHighレベル)には、通常時より高
い高レベル(4A)のホールド電流を供給することにな
る。
【0074】次に、このようなフェイルセーフ処理や上
記燃料噴射制御処理及び充電処理と共に、マイコン20
にて繰り返し実行されるコモンレール圧制御処理につい
て、図7を用い説明する。図7(A)のフローチャート
に示すように、本コモンレール圧制御処理が起動される
と、まずS210にて、エンジン回転信号から検出され
るエンジン回転数やアクセル開度信号から検出されるア
クセル開度などの運転状態に基づいて、周知の演算手法
により、コモンレール圧Pcの目標値を算出すると共
に、その算出値を、高圧ポンプ4の電磁弁4fを駆動制
御するために用いる制御目標圧力として設定する。
【0075】次に、S220にて、異常検出フラグCH
GFAILが“1”であるか否かを判定し、“1”でな
ければ(即ち“0”であれば)、そのままS250に移
行する。S250では、圧力センサ2aからの検出信号
に基づき検出される実際のコモンレール圧Pcを現在設
定されている制御目標圧力にするための、電磁弁4fの
閉弁開始タイミング及び閉弁期間を算出し、その算出結
果に従って電磁弁4fを閉弁駆動する(具体的には、駆
動回路40により電磁弁4fの電磁コイルに駆動電流を
流す)。そして、その後、本処理を一旦終了する。
【0076】一方、上記S220にて、異常検出フラグ
CHGFAILが“1”であると肯定判定した場合に
は、S230に進む。S230では、上記S210で設
定された制御目標圧力を増大補正する処理を行う。具体
的に説明すると、この補正処理では、図7(B)に示す
ように、S210で設定された制御目標圧力(即ち、S
210での制御目標圧力の算出値)が100MPa未満
であれば、制御目標圧力を強制的に100MPaへと設
定し直し、上記算出値が100MPa以上であれば、そ
の算出値をそのまま制御目標圧力とする。
【0077】そして、このような補正処理を行った後、
S240で、燃料噴射量を制限するための処理(燃料噴
射量の制限用処理)を行い、上記S250へと進む。そ
して、その後、本処理を一旦終了する。このため、S2
20にて異常検出フラグCHGFAILが“1”である
と肯定判定された場合、S250では、コモンレール圧
Pcが上記S230で補正された制御目標圧力となるよ
うに、高圧ポンプ4の電磁弁4fを閉弁駆動することと
なる。
【0078】尚、S220で肯定判定された場合に、S
210での制御目標圧力の算出値が100MPa未満で
あったならば、制御目標圧力は、ピーク電流の供給が正
常に行われている通常時よりも増大補正されることとな
り、その結果、実際のコモンレール圧Pcが通常時より
も増大(上昇)されることとなるが、その際、高圧ポン
プ4の電磁弁4fの閉弁タイミングは、図8を用いて説
明したように、前述の圧送可能期間において通常時より
も早められることとなる。
【0079】また、上記S240で燃料噴射量を制限す
るための処理を行うのは、S220で肯定判定された場
合、コモンレール圧Pcが通常時よりも増大されるた
め、インジェクタ60からの燃料噴射圧力が高くなっ
て、通常時よりも多量の燃料が噴射される可能性がある
からであり、そのような噴射量過多を防止するためであ
る。そして、この燃料噴射量の制限用処理としては、上
記燃料噴射制御処理で求められる電磁ソレノイドL1〜
L4の通電時間を短く補正したり、その通電時間に上限
値を設けるなどの処理が考えられる。
【0080】一方、本実施形態においては、駆動回路3
0の昇圧回路34及びコンデンサCp,Cmがピーク電
流供給手段に相当し、駆動回路30のホールド電流回路
32がホールド電流供給手段に相当している。そして、
図5におけるS110〜S160の処理が異常判定手段
に相当し、図5におけるS175の処理及び図7(A)
におけるS220,S230の処理が圧力補正手段に相
当している。また、図5におけるS180の処理がホー
ルド電流補正手段に相当している。
【0081】以上説明したように、本実施形態の燃料噴
射制御装置では、ピーク電流供給用のコンデンサCp,
Cmの両端電圧VCp,VCmからピーク電流の供給が正常
に行われているか否かを判定し、正常に行われていない
異常時には、コモンレール圧Pcを、図7(B)にて一
点鎖線で示す通常値から所定値(本実施形態では100
MP)にまで増大させて、インジェクタ60がホールド
電流のみによる駆動でも開弁できるようにしている。
【0082】このため、比較的小型な圧力アシスト型の
インジェクタ60を用いているにも拘わらず、そのイン
ジェクタ60の電磁ソレノイドLにピーク電流を供給で
きない異常時にも、そのインジェクタ60を確実に開弁
させてエンジンへの燃料噴射を継続させることができ、
エンジンの運転が可能となる。その結果、このような異
常時にも、エンジンストールしてしまうことがなく、リ
ンプホームを確実に実行することができるため、車両走
行時の安全性を向上させることができる。
【0083】そして更に、本実施形態の燃料噴射制御装
置では、インジェクタ60の電磁ソレノイドLにピーク
電流を正常に供給できていないと判定した場合に、コモ
ンレール圧Pcを増大させるだけでなく、電磁ソレノイ
ドLに供給するホールド電流も通常時より大きくする
(本実施形態では2A→4Aにする)ようにしている。
【0084】このため、ピーク電流を供給不能な異常時
にも、インジェクタ60を一層確実に開弁させることが
できる。また、一般に、コモンレール圧Pcを大きくす
ると、インジェクタ60からの燃料噴射圧力が大きくな
って、カリカリ音と呼ばれるエンジンでの騒音が発生し
易くなるが、本実施形態では、電磁ソレノイドLにピー
ク電流を供給できない異常時に、ホールド電流も大きく
しているため、コモンレール圧Pcを極端に大きくする
ことなく、インジェクタ60を確実に開弁させることが
でき、騒音の発生を回避することができる。
【0085】尚、図7(A)におけるS230の増大補
正処理で設定し直すコモンレール圧Pcの制御目標圧力
(上記実施形態では100MPa)と、図5におけるS
180で切替信号SxがHighレベルに設定された際にホ
ールド電流回路32が流すホールド電流の値(上記実施
形態では4A)は、インジェクタ60の特性,エンジン
の騒音防止の面などから考えられるコモンレール圧Pc
の上限値,及び増加可能なホールド電流の上限値等か
ら、総合的に最適値を決定すれば良い。つまり、上記実
施形態では、ピーク電流を供給不能な異常時に、コモン
レール圧Pcが100MPa以上となるようにし、ま
た、一定のホールド電流を4Aにまで増加させるように
したが、これらの値は、インジェクタ60の特性に応じ
て、確実に開弁させることのできる最低限の大きさに設
定すればよい。
【0086】また更に、本実施形態の燃料噴射制御装置
では、インジェクタ60の電磁ソレノイドLにピーク電
流を正常に供給できていないと判定した場合に、エンジ
ンの運転状態から算出されたコモンレール圧Pcの目標
値が100MPa以上であれば、その算出値をそのまま
コモンレール圧Pcの制御目標圧力として用いるように
している。これは、エンジンの運転状態から算出された
コモンレール圧Pcの目標値が100MPa以上である
場合には、より大きいエンジントルクが要求されている
状況であると考えられ、そのような場合にも、コモンレ
ール圧Pcを100MPaにしてしまうと、インジェク
タ60は開弁できるものの、燃料噴射圧力が運転状態か
らの要求値よりも不足して、車両運転者にエンジンのパ
ワー不足を感じさせてしまうからである。これに対し
て、本実施形態の燃料噴射制御装置では、換言するなら
ば、ピーク電流を供給不能と判定した場合に、コモンレ
ール圧Pcの最低値を、インジェクタ60を確実に開弁
させることが可能な所定値(100MPa)に制限する
手法を採っているため、ピーク電流を供給不能な異常時
においても、運転者の意志に応じたエンジンパワーを発
生させることができるようになる。
【0087】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまで
もない。例えば、 上記実施形態において、図5のS1
40とS160との何れかで否定判定した場合(S14
0:NO、又はS160:NO)には、電磁ソレノイド
Lの電流供給経路(例えばCM1,CM2,W1〜W4
の何れか)が断線して、コンデンサCp,Cmが正常に
放電されなかったと見なすことができるため、その場合
には、断線が発生したと判断して、その断線異常に対処
するための処理を実施するようにしても良い。また、S
175及びS180の処理は、S120で否定判定した
場合(S120:NO)にだけ実行するようにしても良
い。
【0088】また、上記実施形態において、インジェク
タ60が、「ホールド電流=2A」のままでも、「コモ
ンレール圧Pc≧100MPa」であれば、確実に開弁
するものであれば、ホールド電流を増加させることな
く、コモンレール圧Pcだけを増大させるように構成す
れば良い。
【0089】また更に、電磁ソレノイドLへピーク電流
を正常に供給できていないと判定した場合に、マイコン
20から駆動回路30への噴射指令Siの出力タイミン
グを早めるようにして、インジェクタ60の開弁タイミ
ングの遅延による燃料噴射量の低下を、補償するように
構成してもよい。
【0090】一方、上記実施形態では、ピーク電流供給
用のコンデンサCp,Cmの両端電圧VCp,VCmを調べ
ることにより、ピーク電流の供給が正常に行われている
か否かを判定したが、トランジスタTp,Tmをオンし
た時の第1共通線CM1及び第2共通線CM2の状態を
モニタすることにより判断してもよい。
【0091】また、上記実施形態のホールド電流回路3
2では、検出信号VIdと比較するしきい値VT(即ち、
ホールド電流の目標値)の設定を、切替信号Sxに従っ
て動作するスイッチ(トランジスタQ2)により切り替
えているが、マイコン20が持つD/A変換器の出力に
よって、切り替えるようにしてもよい。
【0092】また更に、上記実施形態では、第1共通線
CM1及び第2共通線CM2に対し、延いては全ての電
磁ソレノイドL1〜L4に対してホールド電流のレベル
切替を一括して制御しているが、各気筒#1〜#4毎に
異常の有無を検出し、これに応じて、供給するホールド
電流の大きさを気筒毎に適宜切り替えるように構成して
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の燃料噴射制御装置の全体構成を表
すシステム構成図である。
【図2】 エンジン制御用の電子制御装置(ECU)の
構成を表す説明図である。
【図3】 ホールド電流回路の構成を表す回路図であ
る。
【図4】 ECUの動作を表すタイミング図である。
【図5】 マイクロコンピュータが実行するフェイルセ
ーフ処理の内容を表すフローチャートである。
【図6】 正常時と異常時とにおけるソレノイド電流の
波形を表す説明図である。
【図7】 マイクロコンピュータが実行するコモンレー
ル圧制御処理の内容を表す説明図である。
【図8】 高圧ポンプの電磁弁の制御を説明するための
説明図である。
【図9】 従来のインジェクタ駆動回路の概略構成を表
す説明図である。
【図10】 二方電磁弁を用いた圧力アシスト型のイン
ジェクタを説明する説明図である。
【符号の説明】
2…コモンレール、2a…圧力センサ、3…燃料タン
ク、4…高圧ポンプ、4f…高圧ポンプの電磁弁、5…
高圧燃料配管、6…低圧燃料配管、10…ECU(電子
制御装置)、20…マイクロコンピュータ、30,40
…駆動回路、32…ホールド電流回路、32a…増幅
部、32b…比較部、32c…レベル変換部、32d…
反転部、32e…駆動信号生成部、32f…しきい値切
替部、32g…出力部、34…昇圧回路、36…充電電
圧監視回路、38…スイッチング制御回路、42…電源
回路、60…インジェクタ、62…噴射ノズル、64…
ボディ、64a…噴孔、66…ニードル弁、68…プレ
ッシャピン、70…制御ピストン、72,74…高圧燃
料通路、78…圧力制御室、80,90…オリフィス、
84…二方電磁弁、SP…スプリング、L,L1〜L4
…電磁ソレノイド、86…インナバルブ、88…アウタ
バルブ、88a…シート、92…燃料空間、94…低圧
燃料通路、BT…バッテリ、CM1,CM2…共通線、
Cm,Cp…コンデンサ、T1〜T4…トランジスタ
(スイッチング素子)、W1〜W4…個別配線、Wp,
Wm…ピーク電流供給配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 AD07 CC06T CC08T CE13 CE23 DA01 DC04 DC09 DC13 DC14 DC18 3G301 HA02 JB08 LB06 LC01 MA11 NA08 ND02 NE01 PA10Z PB08Z PE01Z PE08Z PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高い所定圧の燃料を蓄圧する蓄圧配管
    と、 電磁ソレノイドを有し、該電磁ソレノイドへの通電時
    に、前記蓄圧配管に蓄圧された燃料の圧力を利用して噴
    射ノズルを開弁させることにより、内燃機関へ燃料を噴
    射するインジェクタと、 前記電磁ソレノイドの電流供給経路に直列に設けられた
    スイッチング素子と、 該スイッチング素子のオン時に前記電磁ソレノイドにピ
    ーク電流を流して前記インジェクタの噴射ノズルを速や
    かに開弁させるピーク電流供給手段と、 該ピーク電流供給手段がピーク電流を供給後、前記電磁
    ソレノイドに前記ピーク電流より小さいホールド電流を
    流して前記噴射ノズルの開弁状態を保持するホールド電
    流供給手段と、 を備えた燃料噴射制御装置において、 前記ピーク電流供給手段が前記電磁ソレノイドにピーク
    電流を供給可能か否かを判定する異常判定手段と、 該異常判定手段にて前記ピーク電流供給手段がピーク電
    流を供給できないと判定されると、前記ホールド電流で
    前記インジェクタの噴射ノズルを開弁できるように、前
    記蓄圧配管内の燃料圧力を増大させる圧力補正手段と、 を設けたことを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料噴射制御装置にお
    いて、 前記異常判定手段にて前記ピーク電流供給手段がピーク
    電流を供給できないと判定されると、前記ホールド電流
    供給手段が供給するホールド電流の電流値を増加させる
    ホールド電流補正手段を設けたこと、 を特徴とする燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射
    制御装置において、 前記インジェクタは、 前記蓄圧配管に蓄圧された燃料が導入される前記噴射ノ
    ズルの背圧側と前記蓄圧配管内よりも圧力が低い低圧燃
    料通路とに連通する空間内に設けられた弁体が、前記電
    磁ソレノイドへの非通電時には、スプリングの付勢力に
    より、前記背圧側と前記低圧燃料通路とを遮断する閉弁
    位置に保持され、前記電磁ソレノイドへの通電時には、
    前記弁体が、前記スプリングの付勢力に抗し且つ前記背
    圧側の燃料圧力に補助されて、前記背圧側と前記低圧燃
    料通路とを連通する開弁位置に移動する二方電磁弁を有
    すると共に、該二方電磁弁の前記弁体が前記開弁位置に
    移動して前記背圧側の燃料を前記低圧燃料通路へ逃がす
    ことにより、前記噴射ノズルが開弁するように構成され
    ていること、を特徴とする燃料噴射制御装置。
JP2001100111A 2001-03-30 2001-03-30 燃料噴射制御装置 Expired - Fee Related JP3890914B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001100111A JP3890914B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001100111A JP3890914B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 燃料噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002295294A true JP2002295294A (ja) 2002-10-09
JP3890914B2 JP3890914B2 (ja) 2007-03-07

Family

ID=18953581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001100111A Expired - Fee Related JP3890914B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3890914B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085043A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hitachi Ltd 燃料噴射弁の駆動装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085043A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hitachi Ltd 燃料噴射弁の駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3890914B2 (ja) 2007-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10859047B2 (en) Fuel injection device
JP5198496B2 (ja) 内燃機関のエンジンコントロールユニット
US6892708B2 (en) Fuel injection system and control method
JP7316030B2 (ja) 噴射制御装置
JP2006200478A (ja) 燃料噴射装置
EP1528243B1 (en) Method for controlling an injector with verification of plunger movement
US6748924B2 (en) Method and system for controlling fuel injection
JP4539573B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4032356B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2006077627A (ja) 燃料噴射装置
WO2007115439A1 (fr) Procédé et dispositif de contrôle d'entraînement pour buse de pompe d'injection électromagnétique
JP3890914B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4168567B2 (ja) 電磁弁駆動装置
JP3265812B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2002295293A (ja) 燃料噴射装置
JP3245719B2 (ja) 燃料噴射装置
JP3245718B2 (ja) 燃料噴射装置
JP3521524B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP5737233B2 (ja) 燃料噴射装置
JP3116769B2 (ja) ディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射装置
JP2012184686A (ja) エンジンコントロールユニット
JPH05321732A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2002115591A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JP4468912B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2019094875A (ja) 電子制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3890914

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees