JP2002294940A

JP2002294940A - メンブレン屋根防水構造

Info

Publication number: JP2002294940A
Application number: JP2001094356A
Authority: JP
Inventors: Takashi Orime; 貴司折目; Masashi Toyoda; 雅士豊田
Original assignee: Daiwa House Industry Co Ltd
Current assignee: Daiwa House Industry Co Ltd
Priority date: 2001-03-28
Filing date: 2001-03-28
Publication date: 2002-10-09

Abstract

(57)【要約】【目的】特に金属葺きの防水シートとする構造での不
具合やパネル化した場合の施工現場での積み上げによる
断熱材変形といった不具合を解消する他、通気性を良好
にすることが可能であるメンブレン屋根防水構造を提供
する。【構成】パネル化された屋根下地材１は、Ｃ型鋼から
成る枠２上に木製の野地板３を固定し、この野地板３上
に防湿シート４を貼付し、この防湿シート４上に断熱材
層５を設け、この断熱材層５上に中空板材６を設け、こ
の中空板材６上に防水シート７を設けた構造を有する。
中空板材６は、プラスチック段ボールから成る。また、
この中空板材６は、断熱材層５よりも高い剛性及び高い
耐熱性を有すると共に、その一方の端面から他方の端面
に繋がる連続中空部を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、陸屋根に利用される
メンブレン屋根防水構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来のメンブレン屋根防水構造の
一例を示した斜視図である。鉄筋コンクリート（ＲＣ）
造りの屋根下地５１上には屋根階下に対する断熱性を向
上させるために、断熱材層５２が設けられる。断熱材層
５２上には、例えば、不織布マットなどから成る絶縁用
シート（緩衝材）５３が設けられ、この絶縁用シート５
３上に塩ビ鋼板（防水シート）５４が設けられる。絶縁
用シート５３は、塩ビ鋼板５４における塩化ビニール被
覆膜部分の可塑剤が断熱材層５２へと移行してその劣化
を生じさせるのを防止しているものである。塩ビ鋼板５
４の縁側はパラペット５５の笠置箇所へと立ち上げられ
ており、屋根下地５１とパラペット５５との境目部分の
防水が図られている。塩ビ鋼板５４等の固定は、中央部
に貫通穴を有する円盤状板材を塩ビ鋼板５４上に置き、
上記貫通穴にビスを通して前記屋根下地５１に固定する
ことにより行われる。いわゆる、機械式固定屋根防水工
法と言われるものである。この図に示した例では、屋根
下地５１が鉄筋コンクリートからなる構造を例示した
が、軽量発泡コンクリート（ＡＬＣ）の床版を並べて構
成される屋根下地、或いは、断熱材層や防水シートを鋼
材枠に設けてパネル化した屋根下地を用いる工法なども
知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】防水シートとして塩ビ
鋼板５４を用いるごとく金属葺きとする構造では、その
表面温度が高くなるため、断熱材層５２として例えばポ
リスチレン系のものを用いると、その熱収縮が問題とな
るおそれがある。また、断熱材層や防水シートを鋼材枠
に固定してパネル化した屋根下地とする場合、施工時に
おいて、上記パネル化した屋根下地を積み上げて仮置き
しておくことがあるが、上記断熱材層がやわらかいた
め、積み上げによる圧縮で変形を生じるおそれがある。

【０００４】この発明は、上記の事情に鑑み、特に金属
葺きの防水シートとする構造での不具合やパネル化した
場合の施工現場での積み上げによる断熱材層変形といっ
た不具合を解消する他、通気性を良好にすることが可能
であるメンブレン屋根防水構造を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明のメンブレン屋
根防水構造は、上記の課題を解決するために、平坦に配
置される屋根下地材上に少なくとも断熱材層及び防水層
を下から順に配置して成るメンブレン屋根防水構造にお
いて、前記防水層と断熱材層との間に中空板材を設けた
ことを特徴とする。

【０００６】上記の構成であれば、前記防水層と断熱材
層との間に中空板材を設けたので、たとえ、防水層とし
て金属葺き構造を採用したとしても、その表面での熱は
上記中空板材の中空構造ゆえの遮熱によって断熱材層に
は伝わりにくくなり、断熱材層の熱収縮といった不具合
を防止することが可能となる。また、中空板材が防水層
と断熱材層との間に介在していることにより、防水層と
して塩ビ鋼板を用いたとしても、塩ビ中の可塑剤が断熱
材層へと移行するのが阻止される。

【０００７】前記中空板材は前記断熱層よりも高い耐熱
性を有するのがよい。かかる構成であれば、断熱材層の
熱収縮といった不具合をより確実に防止できる。

【０００８】前記中空板材は前記断熱層よりも高い剛性
を有するのがよい。かかる構成であれば、断熱材層や防
水層を鋼材枠に固定してパネル化した屋根下地とする場
合において、施工時に上記パネル化した屋根下地を積み
上げたとしても、上記断熱材層上には高い剛性を有する
中空板材が存在するため、断熱材層の変形を防止するこ
とができる。

【０００９】前記中空板材は、その一方の端面から他方
の端面に繋がる連続中空部を有するのがよい。このよう
な連続中空部を有することで、前記一方の端面から湿気
を導入して他方の端面から排出する構造を実現すること
が可能になる。

【００１０】また、この発明のメンブレン屋根防水構造
は、平坦に配置される屋根下地材上に構成されるメンブ
レン屋根防水構造において、一方の端面から他方の端面
に繋がる連続中空部を有する中空板材を屋根下地材上に
直接に又は他の部材を介して配置したことを特徴とす
る。

【００１１】上記構成であれば、中空板材が連続中空部
を有することで、前記一方の端面から湿気を導入して他
方の端面から排出する構造を実現することが可能にな
る。なお、かかる構成では、断熱材層や防水層は必須で
はない。

【００１２】前記中空板材はプラスチック段ボールから
成るのがよい。このプラスチック段ボールは、本来的に
中空構造を有し、軽量でありながら比較的剛性を高くで
き、また、加工も容易であるから、以上述べた構成に用
いて好適である。

【００１３】

【発明の実施の形態】（実施形態１）以下、この発明の
第１の実施形態のメンブレン屋根防水構造を図１及び図
２に基づいて説明する。

【００１４】図１（ａ）は、この実施形態のメンブレン
屋根防水構造におけるパラペット回りを示した断面図で
あり、同図（ｂ）はパネルの合わせ箇所（目地部）を示
した断面図である。この実施形態では、屋根下地材１と
してパネル化したものを用いている。このパネル化され
た屋根下地材１は、Ｃ型鋼から成る枠２上に木製の野地
板３を固定し、この野地板３上に防湿シート４を貼付
し、この防湿シート４上に断熱材層５を配置し、この断
熱材層５上に中空板材６を設け、この中空板材６上に防
水シート７を敷いた構造を有する。そして、防水シート
７の上からは、ねじ８が挿通され、これが枠２に螺着さ
れることで、防水シート７などの各層が相互に固定され
る。

【００１５】また、この実施形態では、断熱材層５とし
てポリスチレン系の材料から成るものを用い、防水シー
ト７として鋼板を塩化ビニールで被覆して成る塩ビ鋼板
を用いている。勿論、これら具体的素材に限定されるも
のではない。また、中空板材６としてポリプロピレン等
から成るプラスチック段ボールを用いた。この中空板材
６は、前記断熱材層５よりも高い剛性（高い耐圧縮性：
荷重を受けても窪んだり変形したりしない）及び高い耐
熱性（例えば、断熱材層５の耐熱１００℃以上）を有し
ている。この中空の具体的構造としては、図２（ａ）乃
至（ｇ）に示す断面構造を有するものが挙げられる。同
図（ｂ）（ｄ）（ｆ）は波板状のものであり、同図
（ｃ）（ｅ）（ｇ）は、波板状のものに平板を接合した
形状を有する。この図２に示した断面構造は、いずれも
水平方向に中空となるものであるが、図３（ａ）に示す
ように、垂直方向に中空となる、例えば、格子枠形状の
もの（後での説明のため、これには符号６Ａを付記して
おく）や、同図（ｂ）に示すように、更に平板を接合し
たものを用いることもできる。

【００１６】屋根下地材１とパラペット１１との取り合
いのコーナー箇所においては、Ｌ文字状を成すＬ型防水
鋼板１０が設けられており、このＬ型防水鋼板１０はね
じ９によって屋根下地材１に固定される。そして、上記
コーナー箇所を覆うように、コーナー防水シート１２が
設けられる。このコーナー防水シート１２の一端側は防
水シート７上に位置してこれに溶着され、他端側はパラ
ペット１１の頂部に設けた鋼板１３上に位置してこれに
溶着される。屋根下地材１同士の合わせ箇所（目地部）
においては、目地テープ１４が貼着され、その上に防水
シート１５が施されている。

【００１７】以上説明したように、防水シート７と断熱
材層５との間に中空板材６を設けたことにより、たと
え、防水シート７として金属葺き構造を採用したとして
も、その表面での熱は上記中空板材６の中空構造ゆえの
遮熱によって断熱材層５には伝わりにくくなり、断熱材
層５の熱収縮といった不具合を防止できる。また、防水
シートとして塩ビ鋼板を用いたとしても、中空板材６が
防水シートと断熱材層５との間に介在していることによ
り、中空板材６は絶縁シート（緩衝材）として機能する
ことになる。すなわち、中空板材６によって塩ビ中の可
塑剤が断熱材層５へと移行するのを阻止することができ
る。なお、中空板材６Ａを用いた場合、防水シート７と
断熱材層５とは空気層を介して対面することになるが、
かかる場合も、防水シート７と断熱材層５との直接接触
は避けられ、絶縁シート（緩衝材）として機能すること
になる。

【００１８】また、中空板材６は断熱材層５よりも高い
耐熱性を有するので、断熱材層の熱収縮といった不具合
をより確実に防止できる。更に、中空板材６は断熱材層
５よりも高い剛性を有するので、施工時にパネル化した
屋根下地材１を積み上げて仮置きしたとしても、上記断
熱材層５上には高い剛性を有する中空板材６が存在する
ため、断熱材層５の変形を防止できる。また、この実施
形態では、中空板材６はプラスチック段ボールから成る
こととしているが、このプラスチック段ボールは、本来
的に中空構造を有し、軽量でありながら比較的剛性を高
くでき、また、加工も容易であるから、かかるメンブレ
ン屋根防水構造に用いて好適である。

【００１９】（実施形態２）以下、この発明の第２の実
施形態を図４に基づいて説明する。この実施形態のメン
ブレン屋根防水構造では、デッキプレート２１上に例え
ば軽量コンクリート打ち２２を施すことで屋根下地材を
構成している。屋根下地材をパネル化せず、また、断熱
材層も有しないような従来からの一般的な屋根下地材に
対しても、中空板材６を配置するのがよい。この中空板
材６は、実施形態１で説明した図２に示したものを用い
ている。かかる中空部材６は、水平方向に中空であり、
その一方の端面から他方の端面に繋がる連続中空部を有
する構造であるから、前記一方の端面（例えば、他の中
空板材６との接合部）から湿気を導入して他方の端面
（例えば、パラペット２３との近接箇所）から湿気を排
出する構造を実現することが可能になる。なお、図２
（ａ）に示した中空板材６を用いる場合、軽量コンクリ
ート打ち２２に対面する側の面に貫通穴を数カ所形成し
ておき、これら貫通穴から湿気（屋根下地材が発する湿
気）を導入する構成とすることができる。また、湿気の
排出箇所は上記のパラペット立ち上げ部に限られるのも
ではなく、平坦部にいわゆる脱気盤を設けて湿気の排出
を行うようにしてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、防水層と断熱材層との間に中空板材を設けたので、
たとえ、防水層として金属葺き構造を採用したとして
も、断熱材層の熱収縮といった不具合を防止することが
可能となる。また、防水層として塩ビ鋼板を用いたとし
ても、中空板材が絶縁シート（緩衝材）として機能し、
断熱材層へ塩ビ中の可塑剤が移行するのを阻止すること
ができる。また、中空板材が断熱層よりも高い耐熱性を
有する構成においては、断熱材層の熱収縮といった不具
合をより確実に防止できる。また、中空板材が断熱層よ
りも高い剛性を有する構成においては、断熱材層の変形
を防止することができる。また、中空板材が連続中空部
を有する構成であれば、上記断熱材層を有する構成であ
るか否かに関わらず、通気性を確保することが容易とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施形態におけるメンブレン屋
根防水構造を示す図であって、同図（ａ）はパラペット
回りを示した断面図であり、同図（ｂ）はパネルの合わ
せ箇所（目地部）を示した断面図である。

【図２】同図（ａ）乃至同図（ｇ）は、それぞれ中空板
材の断面形状例を示した断面図である。

【図３】同図（ａ）及び同図（ｂ）は、それぞれ中空板
材を示した斜視図である。

【図４】この発明の第２実施形態におけるメンブレン屋
根防水構造を示した斜視図である。

【図５】従来のメンブレン屋根防水構造を示した斜視図
である。

【符号の説明】

１屋根下地材２Ｃ型鋼３野地板４防湿シート５断熱材層６中空板材７防水シート１１パラペット２３パラペット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2E108 AA01 CC02 CV06 FG04 GG02 GG06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】平坦に配置される屋根下地材上に少なく
とも断熱材層及び防水層を下から順に配置して成るメン
ブレン屋根防水構造において、前記防水層と断熱材層と
の間に中空板材を設けたことを特徴とするメンブレン屋
根防水構造。
【請求項２】請求項１に記載のメンブレン屋根防水構
造において、前記中空板材は前記断熱層よりも高い耐熱
性を有することを特徴とするメンブレン屋根防水構造。
【請求項３】請求項１又は請求項２に記載のメンブレ
ン屋根防水構造において、前記中空板材は前記断熱層よ
りも高い剛性を有することを特徴とするメンブレン屋根
防水構造。
【請求項４】請求項１乃至請求項３のいずれかに記載
のメンブレン屋根防水構造において、前記中空板材は、
その一方の端面から他方の端面に繋がる連続中空部を有
することを特徴とするメンブレン屋根防水構造。
【請求項５】平坦に配置される屋根下地材上に構成さ
れるメンブレン屋根防水構造において、一方の端面から
他方の端面に繋がる連続中空部を有する中空板材を屋根
下地材上に直接に又は他の部材を介して配置したことを
特徴とするメンブレン屋根防水構造。
【請求項６】請求項１乃至請求項５のいずれかに記載
のメンブレン屋根防水構造において、前記中空板材はプ
ラスチック段ボールから成ることを特徴とするメンブレ
ン屋根防水構造。