JP2002294435A - GeN薄膜の形成方法とGeN薄膜および光学薄膜 - Google Patents
GeN薄膜の形成方法とGeN薄膜および光学薄膜Info
- Publication number
- JP2002294435A JP2002294435A JP2001101498A JP2001101498A JP2002294435A JP 2002294435 A JP2002294435 A JP 2002294435A JP 2001101498 A JP2001101498 A JP 2001101498A JP 2001101498 A JP2001101498 A JP 2001101498A JP 2002294435 A JP2002294435 A JP 2002294435A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- gen
- refractive index
- forming
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 化学的安定性および熱遮断性を有し透明なG
eN薄膜を、屈折率を制御して形成することができる方
法と、それにより得られるGeN薄膜およびそのGeN
薄膜からなる新規な光学薄膜を提供する。 【解決手段】 窒素ガスを導入した雰囲気で蒸発源とし
てGeを用いる反応性高周波イオンプレーティングであ
って、窒素ガス圧、基板温度および高周波出力を制御す
ることで、屈折率を制御してGeN薄膜を形成する。
eN薄膜を、屈折率を制御して形成することができる方
法と、それにより得られるGeN薄膜およびそのGeN
薄膜からなる新規な光学薄膜を提供する。 【解決手段】 窒素ガスを導入した雰囲気で蒸発源とし
てGeを用いる反応性高周波イオンプレーティングであ
って、窒素ガス圧、基板温度および高周波出力を制御す
ることで、屈折率を制御してGeN薄膜を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、GeN薄
膜の形成方法とそれにより形成されるGeN薄膜および
光学薄膜に関するものである。さらに詳しくは、この出
願の発明は、化学的安定性および熱遮断性を有し透明な
GeN薄膜を、屈折率を制御して形成することができる
方法と、それにより得られるGeN薄膜およびそのGe
N薄膜からなる新規な光学薄膜に関するものである。
膜の形成方法とそれにより形成されるGeN薄膜および
光学薄膜に関するものである。さらに詳しくは、この出
願の発明は、化学的安定性および熱遮断性を有し透明な
GeN薄膜を、屈折率を制御して形成することができる
方法と、それにより得られるGeN薄膜およびそのGe
N薄膜からなる新規な光学薄膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年になって各種の通信需要
が大幅に増加しているが、特に光通信の分野では一般家
庭にまで光ファイバを接続するFTTH計画が進めら
れ、光ファイバ等の各種光学物品の需要が増えてきてい
る。光ファイバ用の屈折率制御材料としては、従来よ
り、GeO2,P2O5,TiO2,Al2O3,B2O3等の
酸化物材料が多層膜等として用いられているのが一般的
である。
が大幅に増加しているが、特に光通信の分野では一般家
庭にまで光ファイバを接続するFTTH計画が進めら
れ、光ファイバ等の各種光学物品の需要が増えてきてい
る。光ファイバ用の屈折率制御材料としては、従来よ
り、GeO2,P2O5,TiO2,Al2O3,B2O3等の
酸化物材料が多層膜等として用いられているのが一般的
である。
【0003】一方、酸化物以外の光学薄膜としては、化
学的安定性および熱遮断性を有し、透明なGeN薄膜が
公知であり、反射防止膜や誘電体層等として実用されて
いる。このGeN薄膜は、ゲルマニウムをターゲットと
して用い、窒素(N2)ガス、あるいはアルゴン(A
r)ガスや窒素ガスとを混合した雰囲気でRFスパッタ
リング法を用いて形成することや、化学気相蒸着法(C
VD)、プラズマ処理された化学気相蒸着法(PECV
D)またはゾル−ゲル法により形成する方法が知られて
いる。しかしながら、これらの方法では、屈折率を任意
に制御してGeN薄膜を形成することはなされていなか
った。そのため、GeN薄膜は屈折率制御材料としては
利用されていなかった。
学的安定性および熱遮断性を有し、透明なGeN薄膜が
公知であり、反射防止膜や誘電体層等として実用されて
いる。このGeN薄膜は、ゲルマニウムをターゲットと
して用い、窒素(N2)ガス、あるいはアルゴン(A
r)ガスや窒素ガスとを混合した雰囲気でRFスパッタ
リング法を用いて形成することや、化学気相蒸着法(C
VD)、プラズマ処理された化学気相蒸着法(PECV
D)またはゾル−ゲル法により形成する方法が知られて
いる。しかしながら、これらの方法では、屈折率を任意
に制御してGeN薄膜を形成することはなされていなか
った。そのため、GeN薄膜は屈折率制御材料としては
利用されていなかった。
【0004】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、化学的安定性および
熱遮断性を有し透明なGeN薄膜を、屈折率を制御して
形成することができる方法と、それにより得られるGe
N薄膜およびそのGeN薄膜からなる新規な光学薄膜を
提供することを課題としている。
事情に鑑みてなされたものであり、化学的安定性および
熱遮断性を有し透明なGeN薄膜を、屈折率を制御して
形成することができる方法と、それにより得られるGe
N薄膜およびそのGeN薄膜からなる新規な光学薄膜を
提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0006】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、窒素ガスを導入した雰囲気で蒸発源としてGeを用
いる反応性高周波イオンプレーティングであって、窒素
ガス圧を制御することで、屈折率を制御してGeN薄膜
を形成することを特徴とするGeN薄膜の形成方法を提
供する。
は、窒素ガスを導入した雰囲気で蒸発源としてGeを用
いる反応性高周波イオンプレーティングであって、窒素
ガス圧を制御することで、屈折率を制御してGeN薄膜
を形成することを特徴とするGeN薄膜の形成方法を提
供する。
【0007】そして、この出願の発明は、第2には、上
記第1の発明において、窒素ガス圧を1×10-4〜1×
10-3Torrの範囲で制御することを特徴とする請求
項1記載のGeN薄膜の形成方法を提供する。
記第1の発明において、窒素ガス圧を1×10-4〜1×
10-3Torrの範囲で制御することを特徴とする請求
項1記載のGeN薄膜の形成方法を提供する。
【0008】また、この出願の発明は、第3には、上記
の発明の方法で形成されたことを特徴とするGeN薄膜
を、第4には、屈折率が1.5〜2.0の範囲で制御さ
れていることを特徴とするGeN薄膜を提供する。
の発明の方法で形成されたことを特徴とするGeN薄膜
を、第4には、屈折率が1.5〜2.0の範囲で制御さ
れていることを特徴とするGeN薄膜を提供する。
【0009】さらにこの出願の発明は、上記発明のGe
N薄膜からなることを特徴とする光学薄膜をも提供す
る。
N薄膜からなることを特徴とする光学薄膜をも提供す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通りの
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0011】まず、この出願の発明が提供するGeN薄
膜の形成方法は、窒素ガスを導入した雰囲気で、蒸発源
としてGeを用いる反応性高周波イオンプレーティング
であって、窒素ガス圧、基板温度および高周波出力を制
御することで、屈折率を制御してGeN薄膜を形成する
ことを特徴としている。
膜の形成方法は、窒素ガスを導入した雰囲気で、蒸発源
としてGeを用いる反応性高周波イオンプレーティング
であって、窒素ガス圧、基板温度および高周波出力を制
御することで、屈折率を制御してGeN薄膜を形成する
ことを特徴としている。
【0012】GeN薄膜は、従来より反射防止膜や誘電
体層等として、ゲルマニウムをターゲットとして用い窒
素(N2)ガス、あるいはアルゴン(Ar)ガスと窒素
ガスとを混合した雰囲気でRFスパッタリング法を用い
て形成することや、化学気相蒸着法(CVD)、プラズ
マ処理された化学気相蒸着法(PECVD)またはゾル
−ゲル方法により形成する方法が知られている。しかし
ながら、反応性高周波イオンプレーティングにより、各
種形成条件を制御することで、屈折率を制御してGeN
薄膜を形成すること、および、それにより得られたGe
N薄膜が屈折率制御材料として有用であることは今まで
に知られていなかったことであり、この出願の発明者ら
により初めて明らかにされるものである。
体層等として、ゲルマニウムをターゲットとして用い窒
素(N2)ガス、あるいはアルゴン(Ar)ガスと窒素
ガスとを混合した雰囲気でRFスパッタリング法を用い
て形成することや、化学気相蒸着法(CVD)、プラズ
マ処理された化学気相蒸着法(PECVD)またはゾル
−ゲル方法により形成する方法が知られている。しかし
ながら、反応性高周波イオンプレーティングにより、各
種形成条件を制御することで、屈折率を制御してGeN
薄膜を形成すること、および、それにより得られたGe
N薄膜が屈折率制御材料として有用であることは今まで
に知られていなかったことであり、この出願の発明者ら
により初めて明らかにされるものである。
【0013】この出願の発明のGeN薄膜の形成には、
公知の反応性高周波イオンプレーティング装置を用いる
ことができる。そこで、例えば、図1に例示した構成の
反応性高周波イオンプレーティング装置を用いてこの出
願の発明の方法について説明する。
公知の反応性高周波イオンプレーティング装置を用いる
ことができる。そこで、例えば、図1に例示した構成の
反応性高周波イオンプレーティング装置を用いてこの出
願の発明の方法について説明する。
【0014】反応性高周波イオンプレーティング装置の
真空槽(a)内には、基板ホルダー(b)に取り付けた
基板(c)と蒸発源(d)とがシャッター(e)を介し
て対向して設置されている。基板(c)については、透
明であれば、その材質や形状等に制限はなく、用途によ
って任意のものを使用することができる。また、後で説
明するように基板温度を上げる場合には、その温度に対
する耐熱性を有するものであることが考慮される。
真空槽(a)内には、基板ホルダー(b)に取り付けた
基板(c)と蒸発源(d)とがシャッター(e)を介し
て対向して設置されている。基板(c)については、透
明であれば、その材質や形状等に制限はなく、用途によ
って任意のものを使用することができる。また、後で説
明するように基板温度を上げる場合には、その温度に対
する耐熱性を有するものであることが考慮される。
【0015】まず真空槽(a)内を真空ポンプ(k)等
により10-4〜10-7Torr程度の高真空に排気した
後、ガス導入管(h)からN2ガス、あるいはN2ガスお
よびArガス、Heガス等の不活性ガスの混合ガスを導
入して槽内を10-3〜10-4Torr程度に保つ。真空
槽(a)内の圧力は、他の形成条件および所望の屈折率
によって、1×10-4〜10×10-4Torr程度の範
囲で調節することができる。
により10-4〜10-7Torr程度の高真空に排気した
後、ガス導入管(h)からN2ガス、あるいはN2ガスお
よびArガス、Heガス等の不活性ガスの混合ガスを導
入して槽内を10-3〜10-4Torr程度に保つ。真空
槽(a)内の圧力は、他の形成条件および所望の屈折率
によって、1×10-4〜10×10-4Torr程度の範
囲で調節することができる。
【0016】次いで、フィラメント電源(l)からGe
蒸発源(d)に電力を供給してGeを蒸発させ、高周波
電源(f)から高周波コイル(g)に電力を供給してN
2ガスをプラズマ化する。蒸発したGeはN2ガスプラズ
マにより励起され、反応性化合物GeNとなって基板
(c)に堆積する。ここで基板(c)はバイアス電源
(l)によって加熱することもできる。
蒸発源(d)に電力を供給してGeを蒸発させ、高周波
電源(f)から高周波コイル(g)に電力を供給してN
2ガスをプラズマ化する。蒸発したGeはN2ガスプラズ
マにより励起され、反応性化合物GeNとなって基板
(c)に堆積する。ここで基板(c)はバイアス電源
(l)によって加熱することもできる。
【0017】この出願の発明において、基板温度および
高周波出力は、所望の屈折率に応じて、基板温度は室温
〜300℃程度の範囲で、高周波出力は50〜400W
程度の範囲で制御することができる。これらの条件は、
製膜装置の大きさによって多少変化する場合が考えられ
る。これによって、GeN膜の屈折率を1.5〜4.0
の範囲の任意の値に制御することができ、さらには1.
5〜2.0の範囲で精密に制御することができる。な
お、上記の形成条件を調節することにより、膜の透明性
(透過率特性)等の光学特性をも制御することが可能で
ある。
高周波出力は、所望の屈折率に応じて、基板温度は室温
〜300℃程度の範囲で、高周波出力は50〜400W
程度の範囲で制御することができる。これらの条件は、
製膜装置の大きさによって多少変化する場合が考えられ
る。これによって、GeN膜の屈折率を1.5〜4.0
の範囲の任意の値に制御することができ、さらには1.
5〜2.0の範囲で精密に制御することができる。な
お、上記の形成条件を調節することにより、膜の透明性
(透過率特性)等の光学特性をも制御することが可能で
ある。
【0018】そしてこの出願の発明は、以上詳しく述べ
た方法により、屈折率が1.5〜4.0の範囲で任意の
値に制御されたGeN膜を、とくに屈折率が1.5〜
2.0の範囲で微細に制御されたGeN膜を得ることが
できる。さらにこの出願の発明のGeN膜は反応性イオ
ンプレーティングにより形成されるため、膜質および膜
厚が均一である。そして、可視から近赤外領域にかけて
の透過率が90%以上と透明性にも優れたものとなる。
た方法により、屈折率が1.5〜4.0の範囲で任意の
値に制御されたGeN膜を、とくに屈折率が1.5〜
2.0の範囲で微細に制御されたGeN膜を得ることが
できる。さらにこの出願の発明のGeN膜は反応性イオ
ンプレーティングにより形成されるため、膜質および膜
厚が均一である。そして、可視から近赤外領域にかけて
の透過率が90%以上と透明性にも優れたものとなる。
【0019】以上の特性を利用することで、この出願の
発明のGeN膜は、光学薄膜、さらには屈折率制御材料
としても使用することができる。このGeN膜からなる
光学薄膜は、例えば、単層膜としてもよいし、各々が異
なる屈折率に制御された複数のGeN膜からなる多層膜
や、SiO2等の他の物質の薄膜とこの発明のGeN膜
とが積層された多層膜とすること等も考慮される。この
ような光学多層膜は、たとえば、光ファイバー、レン
ズ、プリズム等の光学物品の製造に有用である。この出
願の発明によって、新規な光学機能材料が提供されるこ
とも期待される。
発明のGeN膜は、光学薄膜、さらには屈折率制御材料
としても使用することができる。このGeN膜からなる
光学薄膜は、例えば、単層膜としてもよいし、各々が異
なる屈折率に制御された複数のGeN膜からなる多層膜
や、SiO2等の他の物質の薄膜とこの発明のGeN膜
とが積層された多層膜とすること等も考慮される。この
ような光学多層膜は、たとえば、光ファイバー、レン
ズ、プリズム等の光学物品の製造に有用である。この出
願の発明によって、新規な光学機能材料が提供されるこ
とも期待される。
【0020】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0021】
【実施例】基板としてSiO2基板を用い、図1の装置
によってGeN薄膜を形成した。なお膜形成条件は、表
1に示したように、N2ガス圧を1×10-4〜10×1
0- 4Torr、基板温度を室温または300℃、高周波
出力を100〜300Wで変化させた。
によってGeN薄膜を形成した。なお膜形成条件は、表
1に示したように、N2ガス圧を1×10-4〜10×1
0- 4Torr、基板温度を室温または300℃、高周波
出力を100〜300Wで変化させた。
【0022】
【表1】
【0023】(I) 得られたGeN薄膜の波長550
nmの光における屈折率を測定し、その結果を図2に示
した。なお、GeN薄膜は、基板温度および高周波出力
により系列A〜Dに分類(表1参照)して示した。その
結果、GeN薄膜の屈折率は、窒素ガス圧、基板温度、
高周波出力の形成条件を調節することで、制御可能であ
ることが示された。また、GeN薄膜の屈折率は、1.
5〜2.0の間で微細に制御できることもわかった。G
eN薄膜の屈折率の制御には、基板を加熱することが有
効であるが、基板を加熱しなくても高周波出力と窒素ガ
ス圧を調節することも可能であることが示された。
nmの光における屈折率を測定し、その結果を図2に示
した。なお、GeN薄膜は、基板温度および高周波出力
により系列A〜Dに分類(表1参照)して示した。その
結果、GeN薄膜の屈折率は、窒素ガス圧、基板温度、
高周波出力の形成条件を調節することで、制御可能であ
ることが示された。また、GeN薄膜の屈折率は、1.
5〜2.0の間で微細に制御できることもわかった。G
eN薄膜の屈折率の制御には、基板を加熱することが有
効であるが、基板を加熱しなくても高周波出力と窒素ガ
ス圧を調節することも可能であることが示された。
【0024】さらに可視領域から近赤外領域の波長に対
しても同様にGeN薄膜の屈折率を測定したところ、屈
折率は1.5〜2.0の間で任意に制御できることが確
認された。 (II) 得られたGeN薄膜の波長550nmの光に対
する透過率を測定し、その評価を表1に示した。なお、
表中の記号は、×:透過率60%未満,□:透過率60
%以上75%未満,△:透過率75%以上85%未満,
○:透過率85%以上を示している。GeN薄膜の透明
性については、窒素ガス圧、基板温度、高周波出力が高
いほうが、より光透過率が高くなることが分かった。
しても同様にGeN薄膜の屈折率を測定したところ、屈
折率は1.5〜2.0の間で任意に制御できることが確
認された。 (II) 得られたGeN薄膜の波長550nmの光に対
する透過率を測定し、その評価を表1に示した。なお、
表中の記号は、×:透過率60%未満,□:透過率60
%以上75%未満,△:透過率75%以上85%未満,
○:透過率85%以上を示している。GeN薄膜の透明
性については、窒素ガス圧、基板温度、高周波出力が高
いほうが、より光透過率が高くなることが分かった。
【0025】また、窒素ガス圧を4×10-4Torrと
して得られたGeN薄膜(表1中、太破線で囲んだ薄
膜)に対し、波長200〜1800nmの光に対する透
過率を測定し、その結果を図3に示した。窒素ガス圧を
4×10-4Torrとし、基板を加熱した場合(D)に
は、可視領域で透過率80%以上、赤外領域では透過率
90%以上と、透明性にも優れたGeN薄膜が得られる
ことが分かった。また、基板を加熱しない場合でも、高
周波出力を200Wより高くした場合(B),(C)に
は、可視領域から近赤外領域で透過率60%以上のGe
N薄膜を得ることができた。
して得られたGeN薄膜(表1中、太破線で囲んだ薄
膜)に対し、波長200〜1800nmの光に対する透
過率を測定し、その結果を図3に示した。窒素ガス圧を
4×10-4Torrとし、基板を加熱した場合(D)に
は、可視領域で透過率80%以上、赤外領域では透過率
90%以上と、透明性にも優れたGeN薄膜が得られる
ことが分かった。また、基板を加熱しない場合でも、高
周波出力を200Wより高くした場合(B),(C)に
は、可視領域から近赤外領域で透過率60%以上のGe
N薄膜を得ることができた。
【0026】以上のことから、窒素ガス圧、基板温度、
高周波出力の形成条件を調節することで、任意の屈折率
および透過率等の光学特性を有するGeN薄膜を得るこ
とができる。もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
高周波出力の形成条件を調節することで、任意の屈折率
および透過率等の光学特性を有するGeN薄膜を得るこ
とができる。もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、化学的安定性および熱遮断性を有し透明なGeN
薄膜を、屈折率を制御して形成できる方法と、それによ
り得られる、新規な光学薄膜等として有用なGeN薄膜
が提供される。
って、化学的安定性および熱遮断性を有し透明なGeN
薄膜を、屈折率を制御して形成できる方法と、それによ
り得られる、新規な光学薄膜等として有用なGeN薄膜
が提供される。
【図1】反応性高周波イオンプレーティング装置を例示
した図である。
した図である。
【図2】実施例において得られたGeN薄膜の屈折率
(波長550nm)の測定結果を膜形成時のN2圧力に
ついて例示した図である。記号A〜Dは、膜形成時の高
周波波出力および基板温度により分類した系列A〜Dを
示している。
(波長550nm)の測定結果を膜形成時のN2圧力に
ついて例示した図である。記号A〜Dは、膜形成時の高
周波波出力および基板温度により分類した系列A〜Dを
示している。
【図3】実施例において窒素ガス圧を4×10-4Tor
rとして得られたGeN薄膜の透過率を測定した結果を
例示した図である。記号A〜Dは、GeN薄膜形成時の
高周波波出力および基板温度による分類を示している。
rとして得られたGeN薄膜の透過率を測定した結果を
例示した図である。記号A〜Dは、GeN薄膜形成時の
高周波波出力および基板温度による分類を示している。
フロントページの続き (72)発明者 柏木 邦宏 埼玉県志木市本町2−11−47 Fターム(参考) 2K009 BB01 CC02 DD07 4K029 AA08 BA58 BC07 BD09 CA04 EA03
Claims (5)
- 【請求項1】 窒素ガスを導入した雰囲気で蒸発源とし
てGeを用いる反応性高周波イオンプレーティングであ
って、窒素ガス圧を制御することで、屈折率を制御して
GeN薄膜を形成することを特徴とするGeN薄膜の形
成方法。 - 【請求項2】 窒素ガス圧を1×10-4〜1×10-3T
orrの範囲で制御することを特徴とする請求項1記載
のGeN薄膜の形成方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の方法で形成され
たことを特徴とするGeN薄膜。 - 【請求項4】 屈折率が1.5〜2.0の範囲で制御さ
れていることを特徴とする請求項3記載のGeN薄膜。 - 【請求項5】 請求項3または4記載のGeN薄膜から
なることを特徴とする光学薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001101498A JP2002294435A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | GeN薄膜の形成方法とGeN薄膜および光学薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001101498A JP2002294435A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | GeN薄膜の形成方法とGeN薄膜および光学薄膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002294435A true JP2002294435A (ja) | 2002-10-09 |
Family
ID=18954799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001101498A Pending JP2002294435A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | GeN薄膜の形成方法とGeN薄膜および光学薄膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002294435A (ja) |
-
2001
- 2001-03-30 JP JP2001101498A patent/JP2002294435A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3808917B2 (ja) | 薄膜の製造方法及び薄膜 | |
TWI397949B (zh) | 製造光滑密實光學薄膜之方法 | |
US11402559B2 (en) | Optical filter with layers having refractive index greater than 3 | |
JP2020512478A (ja) | 高屈折率の水素化シリコン薄膜の製造方法、高屈折率の水素化シリコン薄膜、フィルター積層体及びフィルター | |
JP4822786B2 (ja) | 反射防止膜及びこれを有する光学部品 | |
US20060061867A1 (en) | ND filter of optical film laminate type with carbon film coating | |
JP4713461B2 (ja) | アルミニウム及びアルミニウム酸化物の少なくとも一方を有し、ルチル構造を具えるチタン酸化物透明被膜 | |
KR20050062535A (ko) | 안정화된 플루오르 도핑 실리카 박막층 형성 방법, 동 형성방법에 의해 형성된 박막층, 및 그의 안경 광학에 대한 용도 | |
CN111235527B (zh) | 制作光学薄膜的方法、膜系结构、镀膜方法、激光反射镜 | |
JP4713462B2 (ja) | ルチル構造を有する透明チタン酸化物被膜の製造方法 | |
Bulkin et al. | Properties and applications of electron cyclotron plasma deposited SiOxNy films with graded refractive index profiles | |
JP2003098340A (ja) | 光学多層干渉膜とその製造方法および光学多層干渉膜を用いたフィルター | |
JP2021026163A (ja) | 反射防止膜付き光学部材及びその製造方法 | |
JP2002294435A (ja) | GeN薄膜の形成方法とGeN薄膜および光学薄膜 | |
TW202330961A (zh) | 非晶透明導電氧化物膜及其製造方法 | |
JP4793011B2 (ja) | 反射防止膜形成方法 | |
TW201802277A (zh) | 鍍製光學硬膜之封閉式高能磁控濺鍍裝置及其製造方法 | |
CN115181953B (zh) | 表面等离激元薄膜的制备方法和制备多层膜超材料的方法 | |
JP3933218B2 (ja) | 光学薄膜の製造方法及び光学薄膜 | |
JPH09263936A (ja) | 薄膜の製造方法および薄膜 | |
JP2902729B2 (ja) | 誘電体多層膜の製造法 | |
JP4022849B2 (ja) | 金属酸化膜被覆部材の製造方法 | |
CN117660890A (zh) | 氧化锆光学镀膜及制备方法与应用和减反射膜 | |
CN118497674A (zh) | 一种新型高折射率的镀膜材料、制备方法及其应用 | |
KR100232147B1 (ko) | 편광소자 및 그의 제조방법 |