JP2002294202A - 建材用ガラスと建材用金具の接合方法 - Google Patents

建材用ガラスと建材用金具の接合方法

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JP2002294202A JP2001096950A JP2001096950A JP2002294202A JP 2002294202 A JP2002294202 A JP 2002294202A JP 2001096950 A JP2001096950 A JP 2001096950A JP 2001096950 A JP2001096950 A JP 2001096950A JP 2002294202 A JP2002294202 A JP 2002294202A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着耐久性に優れ、美麗である建材用ガラス
と建材用金具の接合体を得るための建材用ガラスと建材
用金具の接合方法を提供する。 【解決手段】 建材用ガラスと建材用金具の間に、ウイ
リアムス可塑度(JISK6249、25℃)が400
〜800であり、グリーン強度(25℃)が0.2〜
0.5Mpaであり、かつ、厚さ1mmの硬化シートの
可視光線透過率が50%以上である熱硬化性シリコーン
ゴム接着剤組成物を介在させ、圧着後、該熱硬化性シリ
コーンゴム接着剤組成物を加熱硬化せしめることを特徴
とする、建材用ガラスと建材用金具の接合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用ガラスと建
材用金具の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、ビルディングとか一
般家屋のガラス窓に用いられる建材用ガラスと建材用金
具の接合方法としては、建材用ガラスに穴を空け金属製
ボルトを使って建材用金具に接合したり、建材用ガラス
をその取付用金具内にシール材と共に入れ、その周りか
ら圧力を加えて固定する方法が知られている。しかし、
これらの方法では、建材用ガラスと建材用金具が耐久性
よく接合した構造体を得ることが難しいという問題点が
あった。そのため、建材用ガラスと建材用金具をシリコ
ーンゴムで接合する方法が提案されている。例えば、特
開平6−248739号公報では、建材用ガラスとその
取付用金具の間に液状の付加反応硬化型シリコーンゴム
組成物を注入して加熱硬化させて、建材用ガラスとその
取付用金具を接合する方法が提案されている。しかし、
この方法は建材用ガラスとその取付用金具の組立工程と
液状の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の注入工程
に多くの人手を要するという問題点があった。また、こ
の方法は、建材用ガラスとその取付用金具の間に注入さ
れた液状の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を加熱
して硬化させるのであるが、この加熱は局部加熱である
ため建材用ガラスとその取付用金具に歪みが生じること
がある等の問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は上記のような問題点がなく、
初期接着性、接着耐久性に優れ、その外観が美麗である
建材用ガラスと建材用金具の接合体を作業性よく製造し
得る建材用ガラスと建材用金具の接合方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、建材用ガラス
と建材用金具の間に、ウイリアムス可塑度(JISK6
249、25℃)が400〜800であり、グリーン強
度(25℃)が0.2〜0.5Mpaであり、かつ、厚
さ1mmの硬化シートの可視光線透過率が50%以上で
ある熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物を介在させ、
圧着後、該熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物を加熱
硬化せしめることを特徴とする、建材用ガラスと建材用
金具の接合方法に関する。
【0005】これを説明すると、本発明に使用される建
材用ガラスは、ビルディング、一般家屋等等の建築物に
組み込まれ使用されているガラスであればよく、その材
質、形状等は特に限定されない。また、本発明に使用さ
れる建材用金具は、ビルディング、一般家屋等等の建築
物に組み込まれ使用されているおり、建材用ガラスと接
合可能な金具であればよく、その材質、形状等は特に限
定されない。このような建材用ガラスと建材用金具とし
ては、例えば、建築物の窓のガラス板とその取付金具で
ある金属製サッシ、屋内通路の照光窓のガラス板とその
取付用金具、扉の覗き窓のガラス板とその金属製外枠、
大型壁鏡の鏡板とその取付金具、電話ボックスのガラス
板とその金属製フレーム等が例示される。
【0006】本発明に使用される熱硬化性シリコーンゴ
ム接着剤組成物は、ウイリアムス可塑度(JIS K6
249、25℃)が400〜800であることが必要で
ある。ウィリアムス可塑度が400未満であると、建材
用ガラスを建材用金具に圧着した場合、熱硬化性シリコ
ーンゴム接着剤組成物が建材用ガラスと建材用金具の接
合体からはみ出すという不都合が生じ、800を超える
と作業性が低下するからである。また、グリーン強度
(25℃)が0.2〜0.5Mpaであることが必要で
ある。グリーン強度が0.2未満であると、取扱中に変
形を起こしたり、ちぎれたりするという不都合がある。
一方、0.5MPaを超えると取扱性は良好であるが、
保存中に可塑化戻りを起こして可塑性を失って割れたり
することがあり、その加工性も低下するからである。ま
た、厚さ1mmの硬化シートの可視光線透過率が50%
以上であることが必要であり、85%以上が好ましく、
90%以上がより好ましい。これは可視光線透過率が5
0%以下であると熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物
の透明性が低下し、これを基材(建材用ガラスと建材用
金具)に接着させた場合、その接着界面が肉眼で見えな
くなり、その接着界面に発生した気泡(空気溜まり)と
か界面剥離現象を見つけることが難しくなり、接着不良
を起こすことがあるからである。
【0007】このような熱硬化性シリコーンゴム接着剤
組成物の中でも、次に示される組成物が好ましい。 (A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン生ゴム
(100重量部)、(B)R3SiO1/2単位、R2Si
2/2単位、RSiO3/2単位のオルガノポリシロキサン
単位(式中、各Rは前記と同じである。)およびSiO
4/2単位からなり(ただし、オルガノポリシロキサン単
位のSiO4/2単位に対するモル比が0.08〜2.0
である。)、BET法比表面積が200m2/g以上の湿式
法疎水化補強性シリカ(30〜150重量部)、(C)
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(0.1〜10
重量部)および(D)硬化剤(本組成物を硬化させるの
に十分な量)からなる組成物。
【0008】この組成物について説明すると、(A)成
分は、一般に、オルガノポリシロキサン生ゴムと呼称さ
れ、ミラブルタイプのシリコーンゴムの主剤として用い
られているものが使用可能である。このようなオルガノ
ポリシロキサン生ゴムの代表例としては、平均単位式:
aSiO4-a/2(式中、Rは一価炭化水素基もしくはハ
ロゲン化アルキル基である。一価炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニ
ル基、アリル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等
のシクロアルキル基;β−フェニルエチル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基が例示さ
れる。ハロゲン化アルキル基としては、3,3,3−ト
リフロロプロピル基、3−クロロプロピル基が例示され
る。aは1.9〜2.1である。)で示されるアルケニ
ル基含有オルガノポリシロキサン生ゴムが例示される。
このようなオルガノポリシロキサン生ゴムは、1分子中
に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有す
ることが必要である。本成分の分子構造は直鎖状、やや
分枝した直鎖状のいずれであってもよい。本成分の重合
度は、通常、3,000〜20,000であり、重量平
均分子量は20×104以上である。また、その25℃
における粘度は、106mPa・s以上であり、その2
5℃におけるウイリアムス可塑度は50以上であり、好
ましくは100以上であり、その性状は生ゴム状であ
る。本成分は単一重合体でも共重合体でもよく、あるい
はこれらの重合体の混合物でもよい。本成分を構成する
シロキサン単位の具体例としては、ジメチルシロキサン
単位、メチルビニルシロキサン単位、メチルフェニルシ
ロキサン単位、3,3,3―トリフロロプロピルメチル
シロキサン単位が挙げられる。また、本成分の分子鎖末
端はトリオルガノシロキシ基または水酸基で封鎖されて
いることが好ましく、分子鎖末端に存在する基として
は、トリメチルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ
基,メチルビニルヒドロキシシロキシ基、ジメチルヒド
ロキシシロキシ基が例示される。このようなオルガノポ
リシロキサン生ゴムとしては、両末端ジメチルビニルシ
ロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキ
サン共重合体生ゴム,両末端ジメチルビニルシロキシ基
封鎖ジメチルポリシロキサン生ゴム,両末端ジメチルヒ
ドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビ
ニルシロキサン共重合体生ゴム,両末端メチルビニルヒ
ドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビ
ニルシロキサン共重合体生ゴムが例示される。
【0009】(B)成分の湿式法疎水化補強性シリカ
は、未硬化時および硬化後の機械的強度を高める働きを
する。また、基材(建材用ガラスと建材用金具)への接
着性、特に接着耐久性を付与する働きをする。このよう
な(B)成分は、R3SiO1/2 単位、R2SiO2/2
位、RSiO3/2単位(式中、各Rは、メチル基、エチ
ル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基等のアリ
ール基で例示される一価炭化水素基である。)およびこ
れらの混合物からなる群から選ばれるオルガノポリシロ
キサン単位およびSiO4/2単位からなり(ただし、オ
ルガノポリシロキサン単位のSiO4/2単位に対するモ
ル比が0.08〜2.0である。)、BET法比表面積
が200m2/g以上の湿式法疎水化補強性シリカであ
る。ここで、オルガノシロキサン単位の量は、補強性シ
リカを疎水化するのに十分な量であり、オルガノポリシ
ロキサン単位のSiO4/2単位に対するモル比が、0.
08〜2.0の範囲にあるものが好ましい。これはモル
比が、0.08未満になると基材に対する接着性能が低
下し、一方、2.0を超えると補強性能が著しく低下す
るからである。また、未硬化時および硬化時の機械的強
度を高めるためには、そのBET法比表面積が200m
2/g以上であることが必要であり、300m2/g以上
であることが好ましい。このような(B)成分は、例え
ば、特公昭61−56255号公報あるいは米国特許第
4,418,165号公報に開示された方法によって製
造される。本成分の配合量は、(A)成分100重量部
に対して30〜150重量部であり、好ましくは50〜
100重量部である。
【0010】(C)オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンは(A)成分の架橋剤であり、両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,両
末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メ
チルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチ
ルフェニルシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状メチル
ハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェ
ンシロキサン単位とSiO4/2単位から成る共重合体が
例示される。本成分の配合量は、(A)成分100重量
部に対して0.1〜10重量部であり、好ましくは0.
3〜5重量部である。
【0011】(D)成分の硬化剤はこの組成物を硬化さ
せるための触媒であり、白金系触媒、有機過酸化物、白
金系触媒と有機過酸化物の混合物が例示される。白金系
触媒としては、塩化白金酸、アルコ−ル変性塩化白金
酸、白金のキレート化合物、塩化白金酸とオレフィン類
の配位化合物、塩化白金酸とジケトンとの錯体、塩化白
金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体化合物
等が例示される。有機過酸化物としては、ベンゾイルパ
−オキサイド、t−ブチルパ−ベンゾエイト、o−メチ
ルベンゾイルパ−オキサイド、p−メチルベンゾイルパ
−オキサイド、m−メチルベンゾイルパ−オキサイド、
ジクミルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサンが例示される。本
成分の配合量は、本発明組成物を硬化させるに充分な量
であり、白金系触媒を使用したときは、(A)成分10
0重量部に対して白金系触媒が白金金属量として1〜5
00ppmの範囲内となる量が好ましい。また、有機過
酸化物を使用したときは、(A)成分100重量部に対
して有機過酸化物の量が0.1〜10重量部となる量が
好ましい。
【0012】この熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物
は上記のような(A)成分〜(D)成分からなるもので
あるが、これらの成分に加えて、さらに、建材用ガラス
と建材用金属への接着性を向上させるために、(E)成
分として、メルカプト基、アミノ基、ビニル基、アリル
基、ヘキセニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ
基、グリシドキシ基等の有機官能基を有するオルガノア
ルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を主成分
とする接着促進剤を含有させることが好ましい。このよ
うな接着促進剤としては、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、ア
リルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランなどのオルガノアルコキシシランまた
はその部分加水分解縮合物;これらオルガノアルコキシ
シランとトリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テ
トラアリルとの反応生成物;アルコキシシランとシロキ
サンオリゴマーとの反応物;これらのアルコキシシランと
アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、
ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、アルケニルカーボネート基含有化合物、メル
カプトアセテート基含有化合物などの反応性有機化合物
との混合物が例示される。これらの中でも、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、これらの混合物、また
はこれらの反応混合物が好適に使用される。本成分の配
合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重
量部に対して0.1〜10重量部であり、好ましくは
0.3〜5重量部である。
【0013】なお、本発明に使用される熱硬化性シリコ
ーンゴム接着剤組成物には、通常のシリコーンゴム用組
成物に添加配合することが公知とされている各種の添加
剤、例えば、メチルトリス(メチルイソブチノキシ)シ
ラン、メチルブチノール、ベンゾトリアゾール等の白金
系触媒の硬化遅延剤、補強性シリカ微粉末、透明酸化チ
タン、透明弁柄等の無機質充填剤を添加配合することは
本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0014】本発明に使用される熱硬化性シリコーンゴ
ム接着剤組成物は、例えば、上記した(A)成分〜
(D)成分あるいは(A)成分〜(E)成分の各所定量
を二本ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどで混
練りすることによって製造される。
【0015】本発明に使用される熱硬化性シリコーンゴ
ム接着剤組成物は、シート状、テープ状、フィルム状、
丸棒状等使用に適した形状に成形して使用することが好
ましい。ここで、熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物
を成形するには、熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物
を押出機に導入し、所定の形状を有する口金を通して押
出すことにより、また、熱硬化性シリコーンゴム接着剤
組成物を2枚のフィルムの間に挟み、カレンダーロール
を通して、均一なフィルム状とすることもできる。ま
た、冷却したプレスにより金型形状に成形することも可
能である。
【0016】本発明の接合方法では、上記のような建材
用ガラスと建材用金具の間に、上記のような熱硬化性シ
リコーンゴム接着剤組成物を介在させ、圧着後、該熱硬
化性シリコーンゴム接着剤組成物を加熱硬化せしめるの
であるが、この加熱硬化は、プレスやオートクレーブ等
を用いて加圧下で行うことが好ましい。ここで、加熱温
度は、80〜200℃が好ましく、100〜180℃が
より好ましい。
【0017】本発明の接合方法によれば、建材用ガラス
と建材用金具を接合するための接着剤組成物として、前
記のような高い可塑度、高いグリーン強度を有する熱硬
化性シリコーンゴム接着剤組成物を使用しているため
に、低圧下では流動せず作業性が良好である。また、厚
さ1mmの硬化シートの可視光線の透過率が50%以下
であるという透明性に優れたものを使用しているため
に、接着界面を肉眼にて確認できるという利点を有す
る。そして、本発明の接合方法によって得られた建材用
ガラスと建材用金具の接合体は、初期接着性、接着耐久
性に優れ、その外観が美麗であるという特徴を有する。
したがって、かかる特性を要求される用途、例えば、建
築物の窓のガラス板とその取付金具である金属製サッシ
の接合、屋内通路の照光窓のガラス板とその取付用金具
の接合、扉の覗き窓のガラス板とその金属製外枠の接
合、大型壁鏡の鏡板とその取付金具の接合、電話ボック
スのガラス板とその金属製フレームの接合等が例示され
る。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。実施例中、部とあるのは重量部のことであり、粘度
は25℃における測定値である。また、熱硬化性シリコ
ーンゴム接着剤組成物のウィリアムス可塑度はJIS
K6249に準じて25℃において測定した値である。
グリーン強度(未硬化時の引張強さ)は25℃における
値である。また、可視光線透過率は、熱硬化性シリコー
ンゴム接着剤組成物を130℃で10分間加熱し硬化さ
せ、厚さ1mmのシリコーンゴムシートとし、このシリ
コーンゴムシートを分光光度計にセットし、可視光線域
(400〜700nm)の透過率を25℃で測定した。
また、シリコーンゴム定形ガスケットと建築用窓ガラス
との初期接着性、接着耐久性の測定は、次のようにして
行った。 ○初期接着性の測定 図1に示すように、窓ガラスパネル2とステンレススチ
ール製カーテンレール3が、熱硬化性シリコーンゴム接
着剤組成物の硬化物4を介して結合したカーテンレール
付き窓ガラス試験体1を作成した。この窓ガラスパネル
2とステンレススチール製カーテンレール3をクランプ
に挟み、引張り試験機にセットして、鉛直方向に引っ張
り、接着強さを測定した。なお、この試験体は次のよう
にして作成した。シート状熱硬化性シリコーンゴム接着
剤組成物をステンレススチール製カーテンレール(2×
2×95cm)の背面に貼付けた。続いて、このシート状
接着剤組成物の貼付け面を窓ガラスガラスパネル(1×
100×200cm)に、手で押しつけて密着させ、接着
界面に空気溜りがないように圧着した。得られた構造体
を乾熱オートクレーブに入れ、1.3MPaの圧力下、
130℃/30minの条件下で加熱して、窓ガラスパネ
ル2とステンレススチール製カーテンレール3とが熱硬
化性シリコーンゴム接着剤組成物の硬化物を介して接着
して一体化したカーテンレール付き窓ガラス試験体を作
成した。 ○接着耐久性の測定 上記初期接着性の測定の項で作成した試験体を、温度6
0℃、湿度95%に設定された恒温恒湿試験室に入れ2
週間静置した。2週間後取り出し、この窓ガラスパネル
2とステンレススチール製カーテンレール3をクランプ
に挟み、引張り試験機にセットして、鉛直方向に引っ張
り、接着強さを測定した。
【0019】
【参考例1】 湿式法疎水化補強性シリカの合成 まず、特公昭61−56255号公報に記載された方法
に従って次のようにして疎水化剤を製造した。オクタメ
チルシクロテトラシロキサン277g、1,3,5,7
−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロ
テトラシロキサン4.6g、メチルトリメトキシシラン
517gおよび触媒としての水酸化カリウム0.43g
を105℃の温度で約2時間反応させて、開環と再配列
化したオルガノポリシロキサンからなる疎水化剤を製造
した。尚、水酸化カリウムは炭酸ガスで中和した。得ら
れたオルガノポリシロキサンを分析したところ、このも
のはメチルビニルシロキキシ基を0.7モル%含有する
線状オルガノポリシロキサンであることが判明した。次
に、上記で得られた疎水化剤を使用して次のようにして
湿式法疎水化補強性シリカを合成した。ガラス製反応容
器にメタノール118g、濃アンモニア水32gおよび
上記で得られた疎水化剤39gを投入して、電磁攪拌に
より均一に混合した。次いでこの混合物を激しく攪拌し
ながら、その中に正ケイ酸メチル96gを一度に加え
た。反応生成物は15秒後ゲル状となったので攪拌を中
止した。そのまま密閉下で室温下に1週間放置し熟成し
て湿式法疎水化補強性シリカの分散液を得た。このシリ
カ分散液からメタノールとアンモニアガスを除去して、
湿式法疎水化補強性シリカを製造した。この湿式法疎水
化補強性シリカのBET法比表面積を測定したところ、
540m2/gであった。
【0020】
【実施例1】ニーダミキサーに、ジメチルシロキサン単
位99.63モル%とメチルビニルシロキサン単位0.
37モル%からなり、分子鎖両末端がジメチルビニルシ
ロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニ
ルシロキサン共重合体生ゴム(重合度4,000)10
0部と、参考例1で製造したBET法比表面積540m
2/gの湿式法疎水化補強性シリカ75部を投入して、
180℃で60分間混練した。冷却後、得られたシリコ
ーンゴムベースに25℃における粘度が7mPa・sの
分子鎖末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子含有量
1.5%)3.0部、塩化白金酸と1,3−ジビニルテ
トラメチルジシロキサンとの錯体を白金金属量として1
0ppmになる量を混合した。ついで、接着促進剤とし
て、テトラメトキシシランとγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランの反応混合物1.0部を配合して透
明な熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物を得た。この
組成物の厚さ1mmの硬化シートの可視光線透過率とウ
ィリアムス可塑度とグリーン強度を測定した。それらの
結果を表1に示した。この組成物をカレンダーロールに
通して厚さ1mmのシート状とした。このシート状熱硬
化性シリコーンゴム接着剤組成物をステンレススチール
製カーテンレール(2×2×95cm)の背面に貼付け、
続いて、このシート状熱硬化性シリコーンゴム接着剤組
成物の貼付け面を窓ガラスパネル(1×100×200
cm)に、手で押しつけて密着させ、接着界面に空気溜り
がないように圧着した。得られた構造体を乾熱オートク
レーブに入れ、1.3MPaの圧力下、130℃/30
minの条件下で加熱した。得られたカーテンレール付き
窓ガラス試験体は、窓ガラスパネルにステンレススチー
ル製カーテンレールが接着固定された構造体であった。
この試験体の初期接着力と、接着耐久性を測定し、それ
らの結果を表1に示した。
【0021】
【比較例1】実施例1おいて、湿式法疎水化補強性シリ
カ75部を湿式法疎水化補強性シリカ40部に替えた以
外は、実施例1と同様にして熱硬化性シリコーンゴム接
着剤組成物を製造した。この組成物の可視光線透過率と
ウィリアムス可塑度とグリーン強度を測定した。それら
の結果を表1に併記した。この組成物をカレンダーロー
ルに通して厚さ1mmのシート状とした。このシート状
熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物をステンレススチ
ール製カーテンレール(2×2×95cm)の背面に貼付
け、続いて、このシート状熱硬化性シリコーンゴム接着
剤組成物の貼付け面を窓ガラスパネル(1×100×2
00cm)に、手で押しつけて密着させ、接着界面に空気
溜りがないように圧着した。得られた構造体を乾熱オー
トクレーブに入れ、1.3MPaの圧力下、130℃/
30minの条件下で加熱した。得られたカーテンレール
付き窓ガラス試験体は、窓ガラスパネルにステンレスス
チール製カーテンレールが接着固定された構造体であっ
た。この試験体の初期接着力と、接着耐久性を測定し、
それらの結果を表1に示した。
【0022】
【比較例2】実施例2において、湿式法疎水化補強性シ
リカ75部を、BET法比表面積200m2/gの乾式
法シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名アエロジ
ル200)60部に替え、この乾式法シリカの分散剤と
しての分子鎖両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン
オリゴマー(粘度40mPa・s)12部を配合した以
外は、実施例1と同様にして熱硬化性シリコーンゴム接
着剤組成物を製造した。この組成物の可視光線透過率と
ウィリアムス可塑度とグリーン強度を測定した。それら
の結果を表1に併記した。この組成物をカレンダーロー
ルに通して厚さ1mmのシート状とした。このシート状
熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物をステンレススチ
ール製カーテンレール(2×2×95cm)の背面に貼付
け、続いて、このシート状熱硬化性シリコーンゴム接着
剤組成物の貼り付け面を窓ガラスパネル(1×100×
200cm)に、手で押しつけて密着させ、接着界面に空
気溜りがないように圧着した。得られた構造体を乾熱オ
ートクレーブに入れ、1.3MPaの圧力下、130℃
/30minの条件下で加熱した。得られたカーテンレー
ル付き窓ガラス試験体は、窓ガラスパネルにステンレス
スチール製カーテンレールが接着固定された構造体であ
った。この試験体の初期接着力と、接着耐久性を測定
し、それらの結果を表1に併記した。
【0023】
【比較例3】実施例1で製造した熱硬化性シリコーンゴ
ム接着剤組成物に、準補強性充填剤として平均粒子径5
μmの石英粉末15部を添加し白色の熱硬化性シリコー
ンゴム接着剤組成物を製造した。この組成物の可視光線
透過率とウィリアムス可塑度とグリーン強度を測定し
た。それらの結果を表1に示した。この組成物をカレン
ダーロールに通して厚さ1mmのシート状とした。この
シート状熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物をステン
レススチール製カーテンレール(2×2×95cm)の背
面に貼付け、続いて、このシート状熱硬化性シリコーン
ゴム接着剤組成物の貼付け面を窓ガラスパネル(1×1
00×200cm)に、手で押しつけて密着させ、接着界
面に空気溜りがないように圧着した。得られた構造体を
乾熱オートクレーブに入れ、1.3MPaの圧力下、1
30℃/30minの条件下で加熱した。得られたカーテ
ンレール付き窓ガラス試験体は、窓ガラスパネルにステ
ンレススチール製カーテンレールが接着固定された構造
体であった。この試験体の初期接着力と、接着耐久性を
測定し、それらの結果を表1に併記した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明では、高い可塑度、高いグリーン
強度を有する熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物を使
用しているために、低圧下では流動せず作業性が良好で
あり、また、透明性に優れた熱硬化性シリコーンゴム接
着剤組成物を使用しているために、接着界面状態を肉眼
にて確認できるという利点を有する。そして、初期接着
性、接着耐久性に優れ、その外観が美麗である建材用ガ
ラスと建材用金具の接合体を作業性よく製造し得るとい
う特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例において得られたステンレス
スチール製カーテンレール3が窓ガラスパネル2に接着
固定したカーテンレール付き窓ガラス試験体1の側面図
である。
【符号の説明】
1・・・・・・カーテンレール付き窓ガラス試験体 2・・・・・・窓ガラスパネル 3・・・・・・ステンレススチール製カーテンレール 4・・・・・・熱硬化性接着性シリコーンゴム組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E002 NA01 NA04 NB02 4J040 EK031 EK042 EK091 GA01 GA03 GA11 GA14 GA24 HA066 HA306 HB41 HD43 JA03 JA12 JB02 JB09 KA14 KA16 KA42 LA06 MA02 MA03 MA05 MB03 NA12 PA30 PA33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建材用ガラスと建材用金具の間に、ウイ
    リアムス可塑度(JIS K6249、25℃)が40
    0〜800であり、グリーン強度(25℃)が0.2〜
    0.5Mpaであり、かつ、厚さ1mmの硬化シートの
    可視光線透過率が50%以上である熱硬化性シリコーン
    ゴム接着剤組成物を介在させ、圧着後、該熱硬化性シリ
    コーンゴム接着剤組成物を加熱硬化せしめることを特徴
    とする、建材用ガラスと建材用金具の接合方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物
    が、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン生
    ゴム(100重量部)、(B)R3SiO1/2単位、R2
    SiO2/2単位、RSiO3/2単位(式中、各Rは一価炭
    化水素基である。)およびこれらの混合物からなる群か
    ら選ばれるオルガノポリシロキサン単位およびSiO
    4/2単位からなり(ただし、オルガノポリシロキサン単
    位のSiO4/2単位に対するモル比が0.08〜2.0
    である。)、BET法比表面積が200m2/g以上の
    湿式法疎水化補強性シリカ(30〜150重量部)、
    (C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン(0.1
    〜10重量部)および(D)硬化剤(本組成物を硬化さ
    せるのに十分な量)からなるものである請求項1記載の
    接合方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性接着性シリコーンゴム組成物を
    加圧下で加熱硬化させることを特徴とする請求項1記載
    の接合方法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性シリコーンゴム接着剤組成物の
    形状が、シート状もしくはテープ状であることを特徴と
    する請求項1記載の接合方法。
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