JP2002293068A - 印刷物、その製造方法、及びこれに用いられる熱転写シート - Google Patents

印刷物、その製造方法、及びこれに用いられる熱転写シート

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JP2002293068A
JP2002293068A JP2001103724A JP2001103724A JP2002293068A JP 2002293068 A JP2002293068 A JP 2002293068A JP 2001103724 A JP2001103724 A JP 2001103724A JP 2001103724 A JP2001103724 A JP 2001103724A JP 2002293068 A JP2002293068 A JP 2002293068A
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Noriaki Sato
典昭 佐藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐偽変造性の高い印刷物を低コストで容易に得
る 【解決手段】基材シート上に形成された被覆受像層に、
これと濡れ性の悪い塗布液を用いてパターン受像層を形
成することにより得られた、屈折率の違いにより視認し
得るパターンを有する多層受像層を含む熱転写シートを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高いセキュリティ
性が要求される例えばIDカード等の印刷物の作製技術
に係り、低コストで、容易に、個人情報の改ざん、及び
偽変造を防止し得る印刷物、その製造方法、及びこれに
用いられる熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばIDカード及び有価証
券等高いセキュリティ性を要求される印刷物に対して
は、改ざんや偽造防止のための種々の印刷技術が試みら
れており、透明ホログラム印刷、蛍光発光印刷、マイク
ロ文字印刷、透かし印刷、ゴースト画像印刷、及びコピ
ー防止隠し印刷等が実用化されている。これらの偽変造
防止を目的とした印刷方式は、IDカード等の媒体上に
直接または媒体とラミネート接着される基材等の上に直
接施されている。これらの印刷を施した耐偽変造性の高
い印刷物は、目視で、あるいは何らかの器具等を用いる
ことによってその印刷の有無を判別することが可能であ
り、高度な専門的知識や経験を必要とせず容易に偽変造
に対する真偽判定を行うことができる好ましいものであ
る。
【0003】しかしながら、上述したIDカード等の印
刷物は、所有者の個人情報を印刷する工程の他に、さら
に耐偽変造印刷を行う工程が必要であり、IDカード作
製に要する工程数の増加は避けられない。また、耐偽変
造印刷を行うために特殊なホログラム箔や蛍光顔料等の
高価な材料を用いる場合が多い。このようなことから、
これらのセキュリティ性を要求される印刷物は高コスト
であり、その普及を阻害する原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
鑑みてなされたもので、低コストで容易に得られる、耐
偽変造性の高い印刷物を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明の他の目的は、耐偽変造性の
高い印刷物を低コストで容易に得るための熱転写シート
を提供することにある。
【0006】さらにまた、本発明のさらに他の目的は、
耐偽変造性の高い印刷物を低コストで容易に得られる印
刷物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の印刷物は、基材
と、該基材上に設けられた画像層と、該画像層上に設け
られ、パターン受像層形成用塗布液を用いて形成され
た、屈折率の違いにより視認し得るパターンを有するパ
ターン受像層、及び該パターン受像層上に形成され、該
パターン受像層形成用塗布液と濡れ性の悪い被覆受像層
を含む多層受像層とを具備することを特徴とする。
【0008】本発明の熱転写シートは、シート状基材、
該シート状基材上に設けられた被覆受像層、及び該被覆
受像層上に設けられ該被覆受像層と濡れ性の悪いパター
ン受像層形成用塗布液を用いて形成されたパターン受像
層を含む多層受像層を具備することを特徴とする。
【0009】また、本発明の印刷物の製造方法は、基材
シート上に被覆受像層を形成する工程、該被覆受像層上
に、該被覆受像層と濡れ性の悪い透明パターン形成用塗
布液を用いて、屈折率の違いにより視認し得るパターン
を有するパターン受像層を形成し、該被覆受像層及び該
パターン受像層を含む多層受像層を得ることにより熱転
写シートを作成する工程、及び該多層画像層上に画像を
形成する工程、該熱転写シートを基材上に適用し、熱転
写を行うことより、該画像層を介して該多層受像層を該
基材上に設ける工程を具備することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の印刷物は、基材、基材上
に設けられた画像層、及び画像層上に設けられた少なく
とも二層の透明樹脂層からなる多層受像層を含み、この
多層受像層は、屈折率の違いにより視認し得るパターン
を有するパターン受像層、及びパターン受像層上に形成
され、パターン受像層形成用塗布液と濡れ性の悪い被覆
受像層を有する。
【0011】本発明の熱転写シートは、上記受像層の転
写に使用されるもので、シート状基材及びシート状基材
上に設けられた多層受像層を具備し、この多層受像層
は、被覆受像層と、被覆受像層上に設けられたパターン
受像層を含み、このパターン受像層は、被覆受像層と濡
れ性の悪いパターン受像層形成用塗布液を用いて形成さ
れている。
【0012】本発明の印刷物の製造方法は、上記熱転写
シートを用いて印刷物を製造する方法であって、基材シ
ート上に被覆受像層を形成する工程、被覆受像層上に、
被覆受像層と濡れ性の悪い透明パターン形成用塗布液を
用いて、屈折率の違いにより視認し得るパターンを有す
るパターン受像層を形成し、被覆受像層及びパターン受
像層からなる多層受像層を得ることにより熱転写シート
を作成する工程、及び多層画像層上に画像を形成する工
程、画像が形成された熱転写シートを基材上に適用し、
例えばヒートローラ等の加熱加圧手段を用いて熱転写を
行うことより、画像層を介して多層受像層を基材上に設
ける工程を有する。
【0013】本発明によれば、被覆受像層上に、被覆受
像層と濡れ性の悪い透明パターン形成用塗布液を適用す
ると、この塗布液が均一な薄膜状に拡がることが出来
ず、秩序のないパターンの凹凸を有する不均一な塗布膜
となり、得られる積層膜はその表面にこのパターンを有
する。被覆受像層と不均一な塗布膜とを含む多層受像層
を、画像層を介して基材上に加熱加圧により熱転写して
も、多層受像層中に、屈折率の違いによりこのパターン
が視認し得る。
【0014】本発明において、被覆受像層とは、実質的
に均一な被膜からなる受像層をいう。また、パターン受
像層とは、秩序のないパターンの凹凸をその表面に有す
る受像層をいう。
【0015】また、多層受像層は、少なくとも一層の被
覆受像層及び少なくとも一層のパターン受像層を含む
が、二層構造に限らず、一層のパターン受像層の代わり
に、異なるパターンの凹凸を有する受像層の積層体を用
いたり、被覆受像層とパターン受像層との間にパターン
受像層保護用樹脂層をさらに設けることが可能である。
【0016】本発明の熱転写シートにおいては、被覆受
像層とシート状基材との間に保護層形成用樹脂層を設け
ることができる。また、被覆受像層とシート状基材との
間、あるいは保護層形成用樹脂層とシート状基材との間
に、剥離層を設けることができる。
【0017】本発明においては、被覆受像層または該パ
ターン受像層のうち少なくとも一方は、常温で粘着性を
有する樹脂を主成分とすることが好ましい。これによ
り、被覆受像層と濡れ性の悪い透明パターン形成用塗布
液を適用した場合に、塗布液が凝集しようとする作用を
ある程度妨げ、秩序のないパターンがより細かくなる。
【0018】また、秩序のないパターンは、好ましくは
1mm以下、さらに好ましくは0.5mmないし0.3
mmの線幅を有する。
【0019】また、このような線幅の無秩序なパターン
を得るためには、常温で粘着性を有する樹脂は、50℃
ないし60℃のガラス転移点Tgを有することが好まし
い。
【0020】以下、図面を参照し、本発明をより詳細に
説明する。
【0021】図1は、本発明の熱転写シートの構成の一
例を模式的に表す断面図である。
【0022】図示するように、この熱転写シート10
は、例えばポリエチレンテレフタレート等からなる基材
1、剥離層2、常温で粘着性を有する樹脂組成の被覆受
像層3、及び表面に線幅が1mm以下の無秩序な模様を
有するパターン受像層4を順に積層した構成を有する。
この熱転写シート10は、多層受像層が被覆受像層3及
びパターン受像層4の二層からなる例である。
【0023】また、図2は本発明の熱転写シートを用い
て作製されたIDカードの一例の構成を模式的に表す断
面図を示す。
【0024】図示するように、このIDカード20は、
例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる
IDカード基材、画像層6、パターン受像層7、被覆受
像層8、及び保護層9を順に積層した構成を有する。
【0025】図3は、本発明のIDカード印刷物を作製
する際の工程の一部を示した模式図であり、14はシー
ト状基材、15は多層受像層、11は金属製ヒートロー
ラ、12はゴムローラ、13は1のポリエチレンテレフ
タレート等の基材を剥離させたIDカード印刷物を示
す。
【0026】熱転写シート10は以下のプロセスにより
作製することができる。
【0027】まず、ポリエチレンテレフタレート等のシ
ート状基材1上に、予め、ホットメルト方式あるいはグ
ラビア方式等の各種印刷方法により、転写時に多層受像
層を剥離させやすくするための剥離層2を形成する。
【0028】次に、トルエン、メチルエチルケトン等の
非水系の有機溶剤に常温で粘着性を有する樹脂を溶解、
分散させた塗布液を、例えばメイヤーバー等を用いて塗
布、乾燥し、剥離層の上に常温で粘着性を有する被覆受
像層3を形成する。
【0029】さらに、被覆受像層3上にメチルアルコー
ル、及びアセトン等の極性の水系有機溶剤に樹脂を溶
解、分散させた塗布液を同じくメイヤーバー等にて塗布
する。この塗布液は、被覆受像層3の塗布液とは濡れ性
が悪く、メイヤーバー等を用いても塗膜が薄膜状に広が
らず、その粘性のために球状に凝集しようとする。とこ
ろが、被覆受像層が常温で粘着性を有するため、塗布液
が凝集する作用を妨げる。このため、塗布液は球状に凝
集することができず、結果的に、細かい不連続な筋状の
パターンの入った塗膜が得られる。この塗膜を乾燥し、
有機溶剤を揮発、乾燥させることにより、表面に細かい
筋状の模様が入った形態のパターン受像層4が得られ
る。
【0030】このようにして、多層受像層を有する熱転
写シートが作製される。
【0031】また、本発明のIDカード印刷物は以下の
プロセスにより作製することができる。
【0032】上記熱転写シートの多層受像層と、溶融型
熱転写インクリボンのインク層とを対向させ、熱転写シ
ートの背面にプラテンローラ、溶融型熱転写インクリボ
ンの背面にサーマルヘッドが配置されるように、熱転写
印刷装置にセットした。サーマルヘッドとプラテンロー
ラより加熱、加圧しながら、多層受像層上に画像信号に
応じてインク層を転写し、所望の個人情報を表す画像層
を記録、定着する。
【0033】次に、図3に示すように、例えばポリエチ
レンテレフタレート等のIDカード基材13と、熱転写
シート10の画像層が設けられた多層受像層15を対向
させ、熱転写シート10の背面にヒートローラ11、基
材13背面にゴムローラ12を各々配置し、その状態で
ヒートローラ等の加熱、加圧手段により受像層表面とI
Dカード基材13表面を密着させる。
【0034】その後、熱転写シートから剥離層を有する
シート状基材14を剥離することにより、多層受像層1
5がIDカード基材13表面に転写、接着されIDカー
ドが形成される。この例では、粘着性を有する被覆受像
層がIDカード印刷物の表面に形成されているため、さ
らにポリエチレンテレフタレート等の保護膜9を設ける
ことができる。
【0035】上述の熱転写シート上に形成されている常
温で粘着性を有する樹脂組成の被覆受像層及び表面に線
幅が1mm以下の無秩序な模様を有しているパターン受
像層は、IDカード基材表面に転写、接着される際にヒ
ートローラから一定時間加熱、加圧を受けるが、各受像
層はその表面状態が均一にならず、受像層表面に形成さ
れている線幅が1mm以下の無秩序な模様もそのまま保
持される。
【0036】IDカード印刷物20において、パターン
受像層7とIDカード基材5とが画像層6を介して、あ
るいは直接接着される。このため、IDカード印刷物へ
の偽変造行為として記載されている画像層6を改ざんす
るため表面の保護層9及び透明パターン7を一度にある
いは1層ずつ順次剥離しようとすると、パターン受像層
7表面の無秩序な模様が破壊され、この透明パターン7
はIDカード基材5表面あるいは透明パターン7側に引
き裂かれて分かれるために、IDカード印刷物20が作
製された時の表面状態を再現することが不可能になる。
この結果、事実上IDカード印刷物に記載されている個
人情報を改ざんすることによる偽変造はできなくなる。
【0037】このように、本発明のIDカード印刷物は
耐偽変造性が高く、特に記載された個人情報の改ざんに
よる偽変造に対してはより効果的である。
【0038】本発明の熱転写シートに用いられるシート
状基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロー
ス、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチック
の延伸または未延伸フィルムが使用できる。
【0039】シート状基材上に剥離層を塗布する際にこ
の基材との濡れ性、密着性を向上させるため、その表面
にプライマー処理やコロナ放電処理を施したものを使用
することが好ましい。
【0040】また、シート状基材の厚さは、その強度及
び耐熱特性が適切になるように適宜選択することができ
るが、通常は3〜100μm程度のものが好ましく用い
られる。より好ましい厚さとしては3〜70μmであ
る。
【0041】剥離層としては、その上に形成される被覆
受像層及びパターン受像層に対して、印刷物基材へ転
写、接着させる際に離型性を付与し、より転写性を向上
させる材料例えば所定の温度で溶融するワックス等の有
機物を使用することができる。例えばパラフィンワック
ス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライス
ワックス、蜜ロウ、木ロウ、ラノリン、ポリエチレンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、アミドワック
ス、エステルワックス、酸化ポリエチレンワックス、ロ
ジン、ロジンメチロール化アマイド、エステルガム、高
級脂肪酸、高級アルコール等のワックス類や低分子量の
石油樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、エチレンアクリル酸エステル共重合
体樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、及びスチ
レン−マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体樹脂等
の樹脂類が挙げられる。上記の材料は単独もしくは2種
類以上組み合わせて用いることができる。剥離層は、公
知の印刷、塗布方式によりシート状基材上に塗布、形成
することができる。その厚さは、その上に形成される多
層受像層ヘヒートローラ等からの熱エネルギーが十分伝
わる厚さであることが好ましく、0.5μmないし2μ
mであることが好ましい。
【0042】被覆受像層またはパターン受像層として、
常温で粘着性を発現する樹脂材料が好ましく使用され
る。このような材料として、従来公知の接着剤を使用す
ることができる。樹脂材料を選択する際には、その性質
の特性をあらわす物性値として分子量、ガラス転移点
(Tg(℃))、軟化点(℃)、溶融粘度(Pa・s)
等が考慮されるが、常温での粘着性の評価及び被覆受像
層またはパターン受像層形成用塗布液との濡れ性、これ
らの多層受像層のIDカード基材上への転写・接着性の
評価を進めた結果、50ないし60℃のガラス転移点を
有する樹脂材料が好ましいことがわかった。このような
樹脂材料を用いて、被覆受像層を形成すると、常温で十
分な粘着性が得られ、その上に塗布した樹脂組成の塗液
は凝集せずに細かい不連続な筋状の模様を呈する塗膜と
なる。また、他の樹脂からなる被覆受像層上にこのよう
な樹脂材料を用いたパターン受像層形成用塗布液を適用
しても、同様に不連続な筋状の模様を有する塗膜が得ら
れる。また、このガラス転移点も同様に、50ないし6
0℃であることが好ましい。
【0043】ガラス転移点が50ないし60℃以下であ
り、かつ常温で粘着性を示す樹脂材料としては、例えば
ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、
ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エス
テル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートも
しくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレ
ンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリ
マーとの共重合体樹脂、アイオノマーもしくはセルロー
スジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネー
ト等が挙げられる。
【0044】これらの中でエチレン酢酸ビニル共重合体
樹脂(例えば三井デュポンポリケミカル(株)製、商品
名:EVA210)、アクリル系樹脂(例えば三菱レイ
ヨン(株)製、商品名:BR−106)、スチレン系樹
脂等のガラス転移点60℃以下の樹脂が特に好ましく用
いられる。これらの材料は単独で用いることが好ましい
が、積層される被覆受像層またはパターン受像層の特性
に応じて、その塗布液が凝集しないように複数の材料を
組み合わせて用いることができる。
【0045】被覆受像層を形成する際の塗布厚さは、薄
すぎると常温で十分な粘着性が発現しにくいため、少な
くとも1μm以上であることが好ましい。一方、被覆受
像層の厚さが厚すぎるとその上に形成されるパターン受
像層と共に、印刷物基材に転写、接着させることが困難
になるため、厚さが10μm以下であることが好まし
い。さらに好ましくはこの厚さは1μmないし6μmで
ある。
【0046】また、パターン受像層としては、被覆受像
層と同様に、従来公知の接着剤として用いられている樹
脂材料を使用することができる。パターン受像層は、例
えば常温で粘着性を有する被覆受像層を形成した後、樹
脂材料を有機溶剤に溶解、分散させた塗布液を塗布する
ことにより形成される。本発明においては、被覆受像層
と、パターン受像層形成用塗布液とは濡れ性が悪く、被
覆受像層が粘着性を有するため、容易に塗液が凝集せず
膜状に広がらない特性をもつ。
【0047】このためには、パターン受像層形成用塗布
液に使用される樹脂材料を溶解、分散する有機溶剤とし
ては、被覆受像層を形成する樹脂材料を溶解、分散した
非水系の有機溶剤とは異なる系例えば極性を持つ水系有
機溶剤が選択される。
【0048】極性を持つ水系有機溶剤としては、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、及びアセトン等
が挙げられる。この中でも、エチルアルコールを用いる
ことが好ましい。
【0049】本発明においては、樹脂材料を水系有機溶
剤に分散させるには、樹脂材料を微粒子状にして乳化さ
せるエマルジョン化が好ましく用いられる。エマルジョ
ン化された樹脂材料としては、ポリエステル樹脂、エチ
レン酢酸ビニル共重合体樹脂等が好ましく用いられる。
ポリエステル樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂
をエマルジョン化した塗布液を、常温で粘着性を有する
被覆受像層の上に塗布し、その後乾燥して水系有機溶剤
を揮発させることによりパターン受像層は、前述したよ
うにその表面に線幅が1mm以下の無秩序な模様を有す
ることができる。
【0050】これらの樹脂材料は、そのエマルジョン化
の製法、使用する水系有機溶剤の含有量、及び樹脂材料
の含有量等の違いにより各々性質が大きく異なり、異な
るメーカーのエマルジョン化された樹脂塗液を互いに混
合しようとしてもうまく混合せず、エマルジョンが壊れ
て樹脂材料が水系有機溶剤中に分散状態を保つことがで
きなくなり、沈降してしまう可能性がある。このため、
パターン受像層形成用塗布液としては、ポリエステル樹
脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂等を単独で用いる
ことが好ましい。
【0051】パターン受像層の塗布厚さは、1μm以下
であると線幅が1mm以下の無秩序な模様をその表面に
形成することが非常に困難になるため、少なくとも厚さ
が1μm以上であることが好ましい。
【0052】一方、パターン受像層の厚さが厚すぎる
と、被覆受像層と一体となってIDカード基材上へ転
写、接着させることが困難になるため、厚さが10μm
以下であることが好ましい。さらに好ましくは、パター
ン受像層の厚さは1μmないし6μmである。
【0053】本発明の印刷物に用いられる基材として
は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂シート、ポ
リスチレン樹脂シート、ポリオレフィン樹脂シート、ポ
リエチレン樹脂シート、ポリプロピレン樹脂シート及び
ポリ塩化ビニル樹脂シート等のプラスチックシート、合
成紙、天然紙、金属シート等を単独または2種類以上の
シートの積層シートを用いることができる。
【0054】IDカードの場合、その基材の厚さは、通
常IDカード印刷物として使用するのに十分な強度、剛
性を保持していることが好ましく、0.5〜1mm程度
が好ましい。
【0055】画像層は、例えば表面に線幅が1mm以下
の無秩序な模様を有しているパターン受像層の上に溶融
型熱転写インクリボンを適用し、サーマルヘッド及びプ
ラテンローラを用いて選択的に加熱、溶融することによ
りインクを転写、定着させて得ることができる。得られ
たパターン受像層は、好ましくは線幅が1mm以下の無
秩序な模様が形成されており、このため、その表面には
幅1mm以下の凹凸がある。
【0056】画像層を形成するための溶融型熱転写イン
クリボンは、バインダーと着色剤を含む。用いられるバ
インダーとしては、所定の温度で速やかに溶融するワッ
クスと、所定の温度で軟化する樹脂等が挙げられる。し
かしながら、バインダーとしてワックスを用いた場合
は、パターン受像層表面の凹凸箇所で転写、定着された
インクが途切れてしまうので、印刷物の画像層が印字欠
け、かすれ等の印字欠陥を有するようになる傾向があ
る。これに対し、バインダーとして樹脂を用いた場合に
は、樹脂材料が持つ溶融粘度のため、凹凸箇所でもイン
クが途切れることなく、いわゆる橋架け状にインクがパ
ターン受像層表面に転写、定着される。このため、バイ
ンダーとしてワックスを用いた場合のように、印刷物の
個人情報が印字欠け、かすれ等の印字欠陥を有すること
がなく、好ましい。
【0057】上述のバインダーとして例えば石油樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、スチレン
−マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体樹脂、アク
リル樹脂、エチレン及びプロピレン等のオレフィンと他
のビニルポリマーとの共重合体樹脂、アイオノマー及び
セルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂等が挙げ
られる。
【0058】着色剤としては、例えばカーボンブラッ
ク、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグ
メントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガジ
ンレッド、カーミンFB、パーマネントボルドーFR
R、ピグメントオレンジR、リソールレッド2G、レー
キレッドC、ローダミンFB、ローダミンB、フタロシ
アニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリー
ンB、フタロシアニングリーン、及びキナクリドン等の
顔料が挙げられる。
【0059】溶融型熱転写インクリボンの熱溶融性イン
ク層は、画像層が目視により認識されるのに十分な画像
濃度を有するために、その厚さは、少なくとも1μm以
上の厚さであることが好ましい。また5μm以上の厚さ
になるとインク層をサーマルヘッド及びプラテンローラ
を用いて転写、定着させることが困難になる傾向があ
る。また、溶融型熱転写インクリボンの基材と熱溶融性
インク層との間には、必要に応じて溶融型熱転写インク
リボンの転写特性を向上させるため、離型層を設けるこ
とができる。
【0060】また、本発明の熱転写シートは、その多層
受像層上に画像層を形成した後、印刷物の基材に適用さ
れ、多層受像層及び画像層とが基材上に熱転写され得
る。このとき、ヒートローラ等の加熱、加圧条件とし
て、多層受像層及び画像層が基材上に十分接着するよう
な条件が選択される。例えばポリエチレンテレフタレー
トフィルム等のIDカード基材と多層受像層表面が十分
接着するには、多層受像層を形成する樹脂材料例えばポ
リエステル樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂が
接着性を発現する程度まで軟化する温度が選択される。
軟化点は最も低いものでも80℃であり、ヒートローラ
の熱エネルギーの損失分を考慮すると、加熱温度は少な
くとも90℃以上とすることが好ましい。一方、ヒート
ローラ等の加熱温度を高くし過ぎると樹脂全体が完全に
軟化してしまい、十分な接着力が得られず、わずかな力
で簡単に剥離させることができる傾向がある。また、樹
脂材料によっては、ヒートローラ等からの熱エネルギー
により部分的に分解してしまう可能性がある。樹脂材料
が分解することは、その材料が持つ結晶構造が壊れるこ
とを意味し、その結果として接着性が発現しなくなり、
部分的に接着不良などの不具合が発生する。多層受像層
がIDカード基材と接着した後、剥離しないよう十分な
接着力を有するためには、ヒートローラ等の加熱温度は
前述したポリエステル樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重
合体樹脂が分解しない温度以下すなわち200℃以下が
好ましく、熱エネルギーの損失分やヒートローラ制御部
に余裕を持たせるためにも180℃以下とすることがさ
らに好ましい。
【0061】このように、ヒートローラ等の加熱温度と
しては80℃ないし180℃がより好ましい。また、加
圧条件としては、多層積層体とIDカード基材とが接着
できるように十分に密着させる必要があり、その圧力は
10kg/cm2以上であることが好ましい。
【0062】保護層としては、印刷物としての使用に耐
え得る強度及び耐久性を満たす材料が選択され、本発明
の熱転写シートにシート状基材として使用される透明フ
ィルムや、他の熱転写可能な樹脂フィルムを用いること
が好ましい。熱転写可能な樹脂フィルムとしては本発明
に係る被覆受像層で挙げた樹脂材料をそのまま用いるこ
とができる。保護層の厚さとしては、印刷物としての使
用に耐え得る強度及び耐久性を満たす厚さが選択され
る。このようなことから少なくとも5μmないし100
μm、より好ましくは10μmないし50μmであるこ
とが好ましい。
【0063】以上、本発明の熱転写シートで受像層が2
層構造である場合について、熱転写シート及びそれを用
いて作製されるIDカード印刷物について説明したが、
本発明の熱転写シートは受像層が2層以上の層構造を持
つことが可能であり、その構造はIDカード印刷の要求
仕様に応じて適宜変更されるべきものであり、本明細書
記載の構造のみに限定されるものではない。
【0064】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。
【0065】実施例1 まず、以下に示す組成を有する剥離層形成用塗布液を用
意した。
【0066】剥離層形成用塗布液組成 ポリエチレンワックス 30重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム((株)東レ製商品名:T−94)を準備し、ヘリ
オ型メッシュ:175線、深度:80のグラビア版を用
いたグラビア塗工機で、このポリエチレンテレフタレー
トフィルムの上に上記剥離層形成用塗布液を塗布、乾燥
することにより、厚さ1μmの塗工原反を得た。
【0067】次に、以下に示す組成を有する被覆受像層
形成用塗布液1を用意した。
【0068】 被覆受像層形成用塗布液1組成 エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(ガラス転移点約23℃)(三井デュポン ポリケミカル(株)製商品名:EVAFLEX210) 30重量部 トルエン 75重量部 メチルエチルケトン 25重量部 上記塗工原反に、ヘリオ型メッシュ:200線、深度:
90のグラビア版を用いたグラビア塗工機で、上記被覆
受像層形成用塗布液を塗布、乾燥し、溶剤を揮発させ、
厚さ5μmの被覆受像層を形成した。
【0069】この時点で、得られた被覆受像層の一部の
表面に複写機用のPPC用紙を置き、その後PPC用紙
端を手で持ち、受像層表面から剥離してPPC用紙の破
れ具合を目視により観察した。観察結果を下記表1に示
す。
【0070】次に、以下に示す組成を有するパターン受
像層形成用塗布液1を用意した。
【0071】 パターン受像層形成用塗布液1組成 ポリエステルエマルジョン(ユニチカ(株)製商品名:KZA-5034) 50重量部 エチルアルコール 20重量部 上記塗工原反に、ヘリオ型メッシュ:200線、深度:
70のグラビア版を用いたグラビア塗工機で、上記パタ
ーン受像層形成用塗布液を塗布し、乾燥して溶剤を揮発
させ、被覆受像層とその上に形成された厚さ3μmのパ
ターン受像層を有する多層受像層形成し、本発明の熱転
写シート1を得た。
【0072】得られた熱転写シート1に、熱溶融性イン
クリボンを適用し、サーマルヘッド及びプラテンローラ
により、多層受像層上に、所定の個人情報を記録した画
像層及び文字情報層を形成した。
【0073】次に、IDカード基材を用意し、本発明の
熱転写シートの画像及び文字情報を形成した面と対向さ
せ、図3と同様の構成を有する熱転写装置に適用した。
この熱転写装置において、ヒートローラによりIDカー
ド基材と熱転写シート上の多層受像層を接着し、熱転写
シート側のシート状基材及び剥離層を剥離させた。
【0074】さらに、保護層を予め基材上に形成した保
護膜形成用原反を用意した。この保護膜形成用原反を、
図3と同様の構成を有する熱転写装置に適用し、ヒート
ローラによりIDカード媒体に転写された多層受像層上
に保護膜を形成して、本発明のIDカード印刷物1を作
製した。
【0075】得られたIDカード印刷物1について、保
護膜側から目視によりIDカード印刷物表面を観察し、
印字欠け、かすれ等の印字欠陥の有無及び表面の模様の
有無を確認した。確認後、IDカード印刷物の180゜
曲げ試験を行なってIDカード印刷物表面の保護膜を剥
離させ、その剥離界面の状態を目視により観察した。I
Dカード印刷物に対するこれらの観察結果を表1に示
す。
【0076】実施例2 被覆受像層形成用塗布液1の代わりに下記に示す被覆受
像層形成用塗布液2、パターン受像層形成用塗布液1の
代わりに下記に示すパターン受像層形成用塗布液2を用
いる以外は、実施例1と同様にして本発明の熱転写シー
ト2を得た。
【0077】なお、被覆受像層形成用塗布液2を形成し
た時点で、実施例1と同様にPPC用紙の破れ具合を目
視により観察した。得られた観察結果を実施例1と同様
に下記表1に示す。
【0078】 被覆受像層形成用塗布液2組成 アクリル樹脂(ガラス転移点55℃) (三菱レイヨン(株)製商品名:BR−106) 30重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 パターン受像層形成用塗布液2組成 エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン (クライアントポリマー(株)製商品名:モビニール081F) 50重量部 エチルアルコール 20重量部 得られた熱転写シート2を用いて、実施例1と同様に画
像層を形成した後、IDカード基材と接着し、保護層を
設けた。
【0079】得られたIDカード印刷物について同様の
観察を行った。その結果を表1に示す。
【0080】比較例1 被覆受像層形成用塗布液1の代わりに下記に示す被覆受
像層形成用塗布液3、パターン受像層形成用塗布液1の
代わりに下記に示すパターン受像層形成用塗布液3を用
いる以外は、実施例1と同様にして本発明の熱転写シー
ト2を得た。
【0081】なお、被覆受像層形成用塗布液3を形成し
た時点で、実施例1と同様にPPC用紙の破れ具合を目
視により観察した。得られた観察結果を実施例1と同様
に下記表1に示す。
【0082】 被覆受像層形成用塗布液3組成 フェノキシ樹脂(ガラス転移点100℃)(ユニオンカーバイド(株)製商 品名:PKHC) 30重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 パターン受像層形成用塗布液3組成 ポリエステルエマルジョン(東洋紡(株)製商品名:MD−1330) 50重量部 エチルアルコール 20重量部 得られた熱転写シート2を用いて、実施例1と同様に画
像層を形成した後、IDカード基材と接着し、保護層を
設けた。
【0083】得られたIDカード印刷物について同様の
観察を行った。その結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】本発明のIDカード印刷物に設けられた被
覆受像層は常温で粘着性を発現するため、その上に重ね
たPPC用紙が貼りついて破れてしまうのに対し、比較
例のIDカード印刷物の被覆受像層は粘着性を発現せ
ず、PPC用紙の貼りつきは発生しなかった。
【0086】また、IDカード表面の模様についても、
本発明のIDカード印刷物は目視により確認できるのに
対し、比較例のIDカード印刷物は、その表面に模様を
確認することはできなかった。
【0087】さらに、本発明のIDカード印刷物に18
0゜曲げ試験を行い、表面の保護膜を剥離させたとこ
ろ、IDカード印刷物表面の模様が破損し、全体として
均一な模様を目視により確認することはできなかった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、高価な特殊材料、ある
いはコストの高い特殊技術を使用することなく、耐偽変
造性の高い印刷物を、低コストで容易に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱転写シートの構成の一例を模式的
に表す断面図
【図2】 本発明の熱転写シートを用いて作製されたI
Dカードの一例の構成を模式的に表す断面図
【図3】 本発明のIDカード印刷物を作製する際の工
程の一部を示した模式図
【符号の説明】
1…シート状基材、2…剥離層、3…被覆受像層、4…
パターン受像層、5,13…基材、6…画像層、7…パ
ターン受像層、8…被覆受像層、9…保護層、10…熱
転写シート、11…ヒートローラ、12…プラテンロー
ラ、15…多層受像層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA01 HB01 HB10 JB22 LA16 2H113 AA06 BA23 BB07 BB22 BB32 BB33 BC10 CA37 CA39 DA25 EA03 EA12 FA06 FA10 3B005 EA08 EA09 EB01 EB03 EC30 FA04 FA07 FA16 FB01 FB11 FB13 FB23 FC02Z FC04Z FC20Z FD05Z GA04 GB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に設けられた画像層
    と、該画像層上に設けられ、パターン受像層形成用塗布
    液を用いて形成された、屈折率の違いにより視認し得る
    パターンを有するパターン受像層、及び該パターン受像
    層上に形成され、該パターン受像層形成用塗布液と濡れ
    性の悪い被覆受像層を含む多層受像層とを具備すること
    を特徴とする印刷物。
  2. 【請求項2】 前記被覆受像層または該パターン受像層
    のうち少なくとも一方は、常温で粘着性を有する樹脂を
    主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の印刷
    物。
  3. 【請求項3】 前記常温で粘着性を有する樹脂は、50
    ℃ないし60℃のガラス転移点Tgを有することを特徴
    とする請求項2に記載の印刷物。
  4. 【請求項4】 前記被覆受像層は、被覆受像層形成用塗
    布液を用いて形成され、該被覆受像層形成用塗布液及び
    前記パターン受像層形成用塗布液のうち一方は極性の水
    系有機溶剤を含み、他方は、非水系の有機溶剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
  5. 【請求項5】 前記屈折率の違いにより視認し得るパタ
    ーンは、線幅が1mm以下の無秩序な模様を有する請求
    項1に記載の印刷物。
  6. 【請求項6】 シート状基材、該シート状基材上に設け
    られた被覆受像層、及び該被覆受像層上に設けられ該被
    覆受像層と濡れ性の悪いパターン受像層形成用塗布液を
    用いて形成されたパターン受像層を含む多層受像層を具
    備することを特徴とする熱転写シート。
  7. 【請求項7】 前記シート状基材と第被覆受像層との間
    にさらに剥離層を有することを特徴とする請求項4に記
    載の熱転写シート。
  8. 【請求項8】 基材シート上に被覆受像層を形成する工
    程、 該被覆受像層上に、該被覆受像層と濡れ性の悪い透明パ
    ターン形成用塗布液を用いて、屈折率の違いにより視認
    し得るパターンを有するパターン受像層を形成し、該被
    覆受像層及び該パターン受像層を含む多層受像層を得る
    ことにより熱転写シートを作成する工程、及び該多層画
    像層上に画像を形成する工程、 該熱転写シートを基材上に適用し、熱転写を行うことよ
    り、該画像層を介して該多層受像層を該基材上に設ける
    工程を具備することを特徴とする印刷物の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013161783A1 (ja) * 2012-04-25 2013-10-31 凸版印刷株式会社 ホログラム転写箔、画像表示体の作製方法、画像表示体及び個人認証媒体

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