JP2002291873A - 血液成分採取装置 - Google Patents

血液成分採取装置

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JP2002291873A
JP2002291873A JP2001097557A JP2001097557A JP2002291873A JP 2002291873 A JP2002291873 A JP 2002291873A JP 2001097557 A JP2001097557 A JP 2001097557A JP 2001097557 A JP2001097557 A JP 2001097557A JP 2002291873 A JP2002291873 A JP 2002291873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遠心分離により得られた血小板等の所望の血液
成分の収率または該血小板中の白血球の除去率が高い血
液成分採取装置を提供する。 【解決手段】本発明の血液成分採取装置は、貯血空間に
連通する流入口および排出口を有するローターを有する
遠心分離器と、流入口と採血手段とを接続する第1のラ
インと、排出口に接続された第2のラインと、第1のラ
インと第2のラインとにそれぞれ接続された血漿採取バ
ッグと、第2のラインに接続された血小板採取バッグ
と、制御手段とを備えており、血小板採取操作におい
て、採血する血液のヘマトクリット値をHd[%]、採
血量をG[mL]、貯血空間の容積をV[mL]とした
とき、下記式(I)により定められる貯血空間内ヘマト
クリット値Hb[%]が目標値になるように採血量を調
節するよう作動する。 Hb=Hd・G/V ・・・(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液を複数の血液
成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する
血液成分採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】採血を行う場合、現在では、血液の有効
利用および供血者の負担軽減などの理由から、採血血液
を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必
要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還す
る成分採血が行われている。
【0003】このような成分採血において、血小板製剤
を得る場合、供血者から採血した血液を血液成分採取回
路に導入し、該血液成分採取回路に設置された遠心ボウ
ルと呼ばれる遠心分離器により、血漿、バフィーコート
および赤血球に分離し、その内のバフィーコートから血
小板を分離し、これを容器に回収して血小板製剤とし、
残りの血漿、白血球および赤血球は、供血者に返血する
ことが行われる。
【0004】このような血小板を採取する装置として
は、例えば、特許第2776988号公報に開示されて
いるアフェレーシス装置(血液成分採取装置)がある。
【0005】このアフェレーシス装置は、遠心分離器
(分流領域)内に全血を送り込み、遠心分離して低密度
成分(血漿)、中間密度成分(血小板、白血球)および
高密度成分(赤血球)に分離し、低密度成分を第1の容
器に取り出した後、回路を切り替えてその低密度成分を
一定流量で分流領域(貯血空間)へ循環させて、分流領
域内の中間密度成分領域を広げ、次いで、加速流量で分
流領域へ供給(循環)している間に血小板を採取する血
小板採取操作を行なう。
【0006】ここで、高い血小板採取性能を得るために
は、遠心分離器内における中間密度成分(バフィーコー
ト層)の位置が重要であることが知られている。よっ
て、前記アフェレーシス装置では、光学センサー(光学
式センサ)により分流領域内の中間密度成分の界面位置
を監視し、かかる光学センサーの検出信号に基づいて採
血を停止して、低密度成分の分流領域への一定流量での
循環を開始するようになっている。
【0007】しかしながら、このようなアフェレーシス
装置では、例えば、十分な採血速度が得られなかった場
合や、ドナーの平均赤血球容積(MCV)が小さかった
ような場合等に、中密度成分の位置が血小板を採取する
ための好適位置からズレることがあった。
【0008】すなわち、十分な採血速度が得られなかっ
た場合には、遠心分離器において遠心力が通常よりも長
時間作用することになって、赤血球層の濃縮が過度に進
行し、赤血球層の厚さが通常より薄くなる。よって、光
学センサーによる界面位置の検出信号に基づいて採血を
停止すると、遠心分離器内の赤血球量が過多の状態とな
り、この後に低密度成分を分流領域へ循環すると、濃縮
された赤血球層が拡散して層厚が増大し、中密度成分の
位置が前記好適位置に対し内側にズレる。
【0009】また、ドナーの平均赤血球容積(MCV)
が小さかった場合には、赤血球層の沈降速度が遅くなる
ことから、赤血球層の厚さが通常の状態より厚くなり、
赤血球層が十分に沈降しないうちに光学センサーによっ
て界面が検出される。よって、光学センサーによる界面
位置の検出信号に基づいて採血を停止すると、遠心分離
器内の赤血球量が過少の状態となり、この後の遠心分離
により赤血球層が遅れて沈降(層厚が縮小)し、中密度
成分の位置が前記好適位置に対し外側にズレる。
【0010】このようにして、中密度成分の位置が血小
板を採取するための好適位置からズレを生じると、血小
板の採取量が減少したり、採取された血小板の中に白血
球が混入する割合が大きくなったりする。
【0011】その結果、血小板製剤の品質低下を招くこ
ととなり、特に、白血球の混入の割合が高い血小板製剤
を使用した場合には、発熱、同種抗原感作、ウイルス感
染等の確率が高くなるという問題がある。
【0012】また、十分な採血速度が得られなかった場
合には、採血量が過大となるため、体外循環量が許容値
を超えてしまうことがあるという問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、遠心
分離により得られた血小板等の所望の血液成分の収率ま
たは該血小板中の白血球の除去率が高い血液成分採取装
置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(9)の本発明により達成される。
【0015】(1) 血液を複数の血液成分に分離する
とともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装
置であって、内部に貯血空間を有するローターと、前記
貯血空間に連通する流入口および排出口とを有し、前記
ローターの回転により前記流入口より導入された血液を
前記貯血空間内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分
離器と、前記流入口と採血手段とを接続する第1のライ
ンと、前記排出口に接続された第2のラインと、前記第
1のラインと第2のラインとにそれぞれ接続された血漿
採取バッグと、前記第2のラインに接続された血小板採
取バッグと、前記血液成分採取装置の作動を制御する制
御手段とを備え、前記採血手段により採血された血液を
前記貯血空間内に導入し、この血液を遠心分離すること
により分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に移送す
る血漿採取工程と、前記血漿採取バッグ内の血漿を前記
貯血空間内に循環させる血漿循環工程と、前記血漿採取
バッグ内の血漿を循環させて、前記貯血空間内より血小
板を流出させ、前記血小板採取バッグ内に移送する血小
板採取工程と、前記貯血空間内の血液成分を返血する返
血工程とを有する血小板採取操作を少なくとも1サイク
ル行なうよう作動し、採血する血液のヘマトクリット値
に基づいて、前記血小板採取操作における採血量を調節
することを特徴とする血液成分採取装置。
【0016】(2) 採血する血液のヘマトクリット値
をHd[%]、前記血小板採取操作における採血量をG
[mL]、前記貯血空間の容積をV[mL]としたと
き、下記式(I)により定められる貯血空間内ヘマトク
リット値Hb[%]が目標値になるように前記血小板採
取操作における採血量を調節する上記(1)に記載の血
液成分採取装置。 Hb=Hd・G/V ・・・(I)
【0017】(3) 前記貯血空間内ヘマトクリット値
Hb[%]の目標値を55〜80%とする上記(1)ま
たは(2)に記載の血液成分採取装置。
【0018】(4) 前記血小板採取操作を、少なくと
も2サイクル行なうよう作動する上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0019】(5) 前記血小板採取操作として、前記
採血手段により採血された血液を前記貯血空間内に導入
し、血液を遠心分離することにより分離された血漿を前
記血漿採取バッグ内に移送する第1の血漿採取工程と、
前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に定速に
て循環させる定速血漿循環工程と、前記採血手段により
採血された血液を前記貯血空間内に導入し、血液を遠心
分離することにより分離された血漿を前記血漿採取バッ
グ内に移送する第2の血漿採取工程と、前記血漿採取バ
ッグ内の血漿を前記貯血空間内に加速させながら循環さ
せる加速血漿循環工程と、前記採血手段により採血され
た血液を前記貯血空間内に導入し、血液を遠心分離する
ことにより分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に移
送する第3の血漿採取工程と、前記血漿採取バッグ内の
血漿を、前記貯血空間内に第1の加速度にて加速させな
がら循環させ、次いで、前記第1の加速度より大きい第
2の加速度に変更して、該第2の加速度にて加速させな
がら循環させて、前記貯血空間内より血小板を流出さ
せ、前記血小板採取バッグ内に移送する血小板採取工程
と、前記貯血空間内の血液成分を返血する返血工程とを
有する血小板採取操作を行なうよう作動する上記(1)
ないし(4)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0020】(6) 前記貯血空間に向って投光すると
ともにその反射光を受光し、その受光光量の変化に基づ
き前記血液成分の界面の位置を検出する光学式センサを
有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の血液
成分採取装置。
【0021】(7) 前記血小板採取操作において、採
血する血液のヘマトクリット値に基づいて決定された採
血量の全量または大半の量の採血が終了した時点で、前
記光学式センサにより前記界面が所定位置に到達したこ
とが未だ検出されていない場合には、前記光学式センサ
により前記界面が前記所定位置に到達したことが検出さ
れるまで、前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間
内に循環させる補助血漿循環工程を行なうよう作動する
上記(6)に記載の血液成分採取装置。
【0022】(8) 前記血小板採取操作において、採
血する血液のヘマトクリット値に基づいて決定された採
血量の全量または大半の量の採血が終了した時点で、前
記光学式センサにより前記界面が所定位置を通過したこ
とが検出されている場合には、前記光学式センサにより
前記界面が前記所定位置に戻るまで、遠心分離を続行す
るよう作動する上記(6)または(7)に記載の血液成
分採取装置。
【0023】(9) 前記血小板採取操作として、前記
採血手段により採血された血液を前記貯血空間内に導入
し、血液を遠心分離することにより分離された血漿を前
記血漿採取バッグ内に移送する第1の血漿採取工程と、
前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に定速に
て循環させる定速血漿循環工程と、前記採血手段により
採血された血液を前記貯血空間内に導入し、血液を遠心
分離することにより分離された血漿を前記血漿採取バッ
グ内に移送する第2の血漿採取工程と、前記血漿採取バ
ッグ内の血漿を前記貯血空間内に加速させながら循環さ
せる加速血漿循環工程と、前記採血手段により採血され
た血液を前記貯血空間内に導入し、血液を遠心分離する
ことにより分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に移
送する第3の血漿採取工程と、前記血漿採取バッグ内の
血漿を、前記貯血空間内に第1の加速度にて加速させな
がら循環させ、次いで、前記第1の加速度より大きい第
2の加速度に変更して、該第2の加速度にて加速させな
がら循環させて、前記貯血空間内より血小板を流出さ
せ、前記血小板採取バッグ内に移送する血小板採取工程
と、前記貯血空間内の血液成分を返血する返血工程とを
有する血小板採取操作を行なうよう作動し、前記加速血
漿循環工程の前に、前記光学式センサにより前記界面が
前記所定位置に到達したことを検出する上記(6)ない
し(8)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の血液成分採取装置
を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明す
る。
【0025】図1は、本発明の血液成分採取装置の実施
形態を示す平面図、図2は、図1に示す血液成分採取装
置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着され
た状態の部分破断断面図、図3〜図6は、それぞれ、本
発明の血液成分採取装置の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【0026】図1に示す血液成分採取装置1は、血液を
複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分
(特に、血小板)を採取するための装置であり、内部に
貯血空間146を有するローター142と、貯血空間1
46に連通する流入口143および排出口144とを有
し、ローター142の回転により流入口143より導入
された血液を貯血空間146内で遠心分離する遠心分離
器20と、採血針29と遠心分離器20の流入口143
とを接続する第1のライン21と、遠心分離器20の排
出口144に接続された第2のライン22と、第1のラ
イン21に接続された第3のライン23と、第1のライ
ン21に接続された第1チューブ25aおよび第2のラ
イン22と接続された第2チューブ25bを有する血漿
採取バッグ25と、第2のライン22に接続された第3
チューブ26aを有する血小板採取バッグ26と、第2
のライン22に接続された第4チューブ27aを有する
バフィーコート採取バッグ27とを有する血液成分採取
回路2を備えている。
【0027】さらに、血液成分採取装置1は、遠心分離
器20のローター142を回転させるための遠心分離器
駆動装置10と、第1のライン21のための第1の送液
ポンプ11と、第3のライン23のための第2の送液ポ
ンプ12と、血液成分採取回路2の流路の途中を開閉し
得る複数の流路開閉手段81、82、83、84、8
5、86と、遠心分離器駆動装置10、第1の送液ポン
プ11、第2の送液ポンプ12および複数の流路開閉手
段81〜86を制御するための制御部(制御手段)13
と、濁度センサ14と、光学式センサ15と、重量セン
サ16とを備えている。
【0028】そこで、最初に、血液成分採取回路2につ
いて説明する。この血液成分採取回路2は、採血針(採
血手段)29と遠心分離器20の流入口143とを接続
し、第1のポンプチューブ21gを備える第1のライン
(採血および返血ライン)21と、遠心分離器20の排
出口144と第1のライン21とを接続するための第2
のライン22と、第1のライン21の採血針29の近く
に接続され、第2のポンプチューブ23aを備える第3
のライン(抗凝固剤注入ライン)23と、第1のライン
21のポンプチューブ21gより採血針29側に接続さ
れた第1チューブ25aおよび第2のライン22と接続
された第2チューブ25bとを有する血漿採取バッグ2
5と、第2のライン22に接続された第3チューブ26
aを備える血小板採取バッグ26と、第2のライン22
に接続された第4チューブ27aを備えるバフィーコー
ト採取バッグ27とを備えている。
【0029】なお、採血手段としては、採血針29に限
られず、例えば、血液バッグなどの血液プールに接続す
るための接続部(例えば、金属もしくは合成樹脂針等)
でもよい。この採血針29としては、例えば、公知の金
属針が使用される。
【0030】第1のライン21は、採血針29が接続さ
れた採血針側第1ライン21aと、遠心分離器20の流
入口143とを接続された遠心分離器側第1ライン21
bとを有している。
【0031】採血針側第1ライン21aは、軟質樹脂製
チューブが複数接続されて形成されている。この採血針
側第1ライン21aは、採血針29側より、第3のライ
ン23との接続用分岐コネクター21cと、気泡および
マイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21d
と、第2のライン22との接続用分岐コネクター21e
と、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aとの接続
用分岐コネクター21fとを備えている。
【0032】また、チャンバー21dには、通気性かつ
菌不透過性のフィルター21iが接続されている。
【0033】一方、遠心分離器側第1ライン21bは、
第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21fに
接続されており、その付近に形成された第1のポンプチ
ューブ21gを有している。
【0034】遠心分離器20の排出口144と第1のラ
イン21とを接続する第2のライン22は、一端が遠心
分離器20の排出口144に接続され、他端が第1のラ
イン21の接続用分岐コネクター21eに接続されてい
る。
【0035】この第2のライン22は、遠心分離器20
側から、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bなら
びに血小板採取バッグ26の第3チューブ26aとの接
続用分岐コネクター22aと、気泡除去用フィルター2
2fを備えるチューブとの接続用分岐コネクター22c
と、バフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27
aとの接続用分岐コネクター22dとを備えている。
【0036】第3のライン23は、一端が第1のライン
21に設けられた接続用分岐コネクター21cに接続さ
れている。
【0037】この第3のライン23は、コネクター21
c側より、第2のポンプチューブ23aと、異物除去用
フィルター23bと、気泡除去用チャンバー23cと、
抗凝固剤容器接続用針23dとを備えている。
【0038】血漿採取バッグ25は、第1のライン21
のポンプチューブ21gより採血針29側に位置する分
岐コネクター21fに接続された第1チューブ25a
と、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続さ
れた第2チューブ25bとを有している。すなわち、血
漿採取バッグ25および第2チューブ25bにより、血
漿を採取する血漿採取用分岐ラインが構成されている。
【0039】血小板採取バッグ26は、第2のライン2
2の分岐コネクター22aに接続された第3チューブ2
6aを備えている。すなわち、血小板採取バッグ26お
よび第3チューブ26aにより、血小板を採取する血小
板採取用分岐ラインが構成されている。
【0040】バフィーコート採取バッグ27は、第2の
ライン22の分岐コネクター22dに接続された第4チ
ューブ27aを備えている。すなわち、バフィーコート
採取バッグ27および第4チューブ27aにより、バフ
ィーコートを採取するバフィーコート採取用分岐ライン
が構成されている。
【0041】上述した第1〜第3のライン21〜23の
形成に使用される各チューブ、各ポンプチューブ21
g、23a、さらに、各バッグ25〜27に接続されて
いる各チューブ25a、25b、26a、27aの構成
材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0042】これらのチューブがポリ塩化ビニル製であ
れば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いが
し易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからで
ある。
【0043】また、上述した各分岐コネクター21c、
21e、21f、22a、22c、22dの構成材料に
ついても、それぞれ、前記チューブで挙げた構成材料と
同様のものを用いることができる。
【0044】なお、各ポンプチューブ21g、23aと
しては、後述する各送液ポンプ(例えば、ローラーポン
プ等)11、12により押圧されても損傷を受けない程
度の強度を備えるものが使用されている。
【0045】血漿採取バッグ25、血小板採取バッグ2
6、バフィーコート採取バッグ27は、それぞれ、樹脂
製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着
(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着剤に
より接着等して袋状にしたものが使用される。
【0046】各バッグ25〜27に使用される材料とし
ては、それぞれ、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に
使用される。
【0047】なお、血小板採取バッグ26に使用される
シート材としては、血小板保存性を向上するためにガス
透過性に優れるものを用いることがより好ましい。
【0048】このようなシート材としては、例えば、上
述したポリオレフィンやDnDP可塑化ポリ塩化ビニル
等を用いること、また、このような素材を用いることな
く、上述したような材料のシート材を用い、厚さを比較
的薄く(例えば、0.1〜0.5mm程度、特に、0.
1〜0.3mm程度)したものが好適である。
【0049】また、血小板採取バッグ26の内部には、
例えば、生理食塩水、GAC、PAS、PSM−1のよ
うな血小板保存液が予め入れられていてもよい。
【0050】このような血液成分採取回路2の主要部分
は、カセット式となっている。すなわち、血液成分採取
回路2は、各ライン(第1のライン21、第2のライン
22、第3のライン23)および各チューブ(第1チュ
ーブ25a、第2チューブ25b、第3チューブ26
a、第4チューブ27a)を部分的に収納し、かつ部分
的にそれらを保持し、言い換えれば、部分的にそれらが
固定されたカセットハウジング28を備えている。
【0051】血液成分採取回路2に設けられている遠心
分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心
力により血液を複数の血液成分に分離する。
【0052】遠心分離器20は、図2に示すように、上
端に流入口143が形成された鉛直方向に伸びる管体1
41と、管体141の回りで回転し、上部145に対し
液密にシールされた中空のローター142とを有してい
る。
【0053】ローター142には、その周壁内面に沿っ
て環状の貯血空間146が形成されている。この貯血空
間146は、図2中下部から上部に向けてその内外径が
漸減するような形状(テーパ状)をなしており、その下
部は、ローター142の底部に沿って形成されたほぼ円
盤状の流路を介して管体141の下端開口に連通し、そ
の上部は、排出口144に連通している。また、ロータ
ー142において、貯血空間146の容積は、例えば、
100〜350mL程度とされる。
【0054】このようなローター142は、血液成分採
取装置1が備える遠心分離器駆動装置10によりあらか
じめ設定された所定の遠心条件(回転速度および回転時
間)で回転する。この遠心条件により、ローター142
内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分
数)を設定することができる。
【0055】本実施形態では、図2に示すように、血液
がローター142の貯血空間146内で内層より血漿層
131、バフィーコート層132および赤血球層133
に分離されるように遠心条件が設定される。
【0056】また、ローター142は、図2に示すよう
に、貯血空間146より内側に、後述する光学式センサ
15からの投射光(投光光)を反射する反射面147を
備えている。
【0057】次に、図1に示す血液成分採取装置1の全
体構成について説明する。血液成分採取装置1は、遠心
分離器20のローター142を回転させるための遠心分
離器駆動装置10と、第1のライン21の途中に設置さ
れた第1の送液ポンプ11と、第3のライン23の途中
に設置された第2の送液ポンプ12と、血液成分採取回
路2(第1のライン21、第2のライン22、第1チュ
ーブ25a、第2チューブ25b、および、第3チュー
ブ26a)の流路の途中を開閉し得る複数の流路開閉手
段81、82、83、84、85、86と、遠心分離器
駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液ポン
プ12および複数の流路開閉手段81〜86を制御する
ための制御部(制御手段)13とを備えている。
【0058】さらに、血液成分採取装置1は、第2チュ
ーブ25bとの接続部22aより遠心分離器20側(上
流側)の第2のライン22に装着(設置)された濁度セ
ンサ14と、遠心分離器20の近傍に設置された光学式
センサ15と、血漿採取バッグ25の重量を検知するた
めの重量センサ16とを備えている。
【0059】制御部13は、第1の送液ポンプ11およ
び第2の送液ポンプ12のための2つのポンプコントロ
ーラ(図示せず)を備え、制御部13と第1の送液ポン
プ11および第2の送液ポンプ12とはポンプコントロ
ーラを介して電気的に接続されている。
【0060】遠心分離器駆動装置10が備える駆動コン
トローラ(図示せず)は、制御部13と電気的に接続さ
れている。
【0061】各流路開閉手段81〜86は、それぞれ、
制御部13に電気的に接続されている。
【0062】また、濁度センサ14、光学式センサ15
および重量センサ16は、それぞれ、制御部13と電気
的に接続されている。
【0063】制御部13は、例えばマイクロコンピュー
タで構成されており、制御部13には、上述した濁度セ
ンサ14、光学式センサ15および重量センサ16から
の検出信号が、それぞれ、随時入力される。
【0064】制御部13は、濁度センサ14、光学式セ
ンサ15および重量センサ16からの検出信号に基づ
き、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取
装置1の各部の作動、すなわち、各送液ポンプ11、1
2の回転、停止、回転方向(正転/逆転)を制御すると
ともに、必要に応じ、各流路開閉手段81〜86の開閉
および遠心分離器駆動装置10の作動を制御する。
【0065】第1の流路開閉手段81は、第1のポンプ
チューブ21gより採血針29側において第1のライン
21を開閉するために設けられている。
【0066】第2の流路開閉手段82は、血漿採取バッ
グ25の第1チューブ25aを開閉するために設けられ
ている。
【0067】第3の流路開閉手段83は、血漿採取バッ
グ25の第2チューブ25bを開閉するために設けられ
ている。
【0068】第4の流路開閉手段84は、血小板採取バ
ッグ26の第3チューブ26aを開閉するために設けら
れている。
【0069】第5の流路開閉手段85は、第2のライン
22とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ2
7aとの接続部(分岐コネクター22d)より遠心分離
器20側(上流側)の位置にて、第2のライン22を開
閉するために設けられている。
【0070】また、第6の流路開閉手段86は、第1の
ライン21との接続部(分岐コネクター21e)と第4
チューブ27aとの接続部(分岐コネクター22d)と
の間(第2のライン22と第4チューブ27aとの接続
部より下流側)の位置にて、第2のライン22を開閉す
るために設けられている。
【0071】各流路開閉手段81〜86は、それぞれ、
第1のライン21、第2のライン22、第1チューブ2
5a、第2チューブ25b、および、第3チューブ26
aを挿入可能な挿入部を備え、該挿入部には、例えば、
ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気
圧)等の駆動源で作動するクランプを有している。具体
的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適であ
る。
【0072】これらの流路開閉手段(クランプ)81〜
86は、それぞれ、制御部13からの信号に基づいて作
動する。
【0073】遠心分離器駆動装置10は、図2に示すよ
うに、遠心分離器20を収納するハウジング201と、
脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離
器20を保持する円盤状の固定台205とを有してい
る。
【0074】ハウジング201は、脚部202の上部に
載置、固定されている。また、ハウジング201の下面
には、ボルト206によりスペーサー207を介してモ
ータ203が固定されている。
【0075】モータ203の回転軸204の先端部に
は、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に
回転するように嵌入されており、固定台205の上部に
は、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されて
いる。
【0076】また、遠心分離器20の上部145は、図
示しない固定部材によりハウジング201に固定されて
いる。
【0077】このような遠心分離器駆動装置10では、
モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに
固定されたローター142が、例えば、回転数3000
〜6000rpm程度で回転する。
【0078】ハウジング201には、その側部(図2
中、左側)に光学式センサ15が設置されている。この
光学式センサ15は、貯血空間146に向って投光する
とともにその反射光を受光するように構成されている。
【0079】光学式センサ15は、LED(半導体レー
ザ等)のような発光素子で構成される投光部151と、
フォトダイオードまたはCCDのような受光素子で構成
される受光部152と、導光光学系として片面に反射面
を有する反射板153とを有している。
【0080】この反射板153は、投光部151からの
投光光およびローター142の反射面147での反射光
の光路を屈曲することができる。すなわち、反射板15
3は、光路変更手段を構成する。
【0081】このような構成により、投光部151、受
光部152および反射板153の配置を、それぞれ、適
宜設定することができるので、光学式センサ15の小型
化を図ることができ、延いては、血液成分採取装置1全
体の小型化に寄与する。
【0082】なお、光路変更手段は、それぞれ、プリズ
ムで構成されていてもよい。また、投光光および/また
は反射光の光路の途中には、例えば、レンズ、光学フィ
ルター、偏光板等の各種光学素子が設置されていてもよ
い。
【0083】このような光学式センサ15では、それぞ
れ、投光部151から光(例えばレーザー光)を照射
(投光)し、ローター142の反射面147で反射され
た反射光を受光部152で受光する。そして、受光部1
52においてその受光光量に応じた電気信号に変換され
る。
【0084】このとき、投光光および反射光は、それぞ
れ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成
分の界面(本実施形態では、血漿層131とバフィーコ
ート層132との界面B)の位置に応じて、投光光およ
び反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が
異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、
受光部152での受光光量が変動(変化)し、この変動
を受光部152からの出力電圧の変化として検出するこ
とができる。
【0085】すなわち、光学式センサ15は、受光部1
52での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位
置を検出することができる。
【0086】なお、光学式センサ15が検出する血液成
分の界面としては、界面Bに限られず、例えば、バフィ
ーコート層132と赤血球層133との界面であっても
よい。
【0087】ここで、貯血空間146内の各層131〜
133は、それぞれ、血液成分により液体の色が異なっ
ており、特に、赤血球層133は、赤血球の色に伴い赤
色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向
上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、
この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、
600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜
800nm程度であるのがより好ましい。
【0088】なお、投光光は、連続光であってもよく、
パルス光であってもよい。パルス光を用いる場合、その
周波数としては、特に限定されないが、例えば、0.5
〜200Hz程度であるのが好ましく、10〜100H
z程度であるのがより好ましい。
【0089】濁度センサ14は、第2のライン22中を
流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に
応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時に
は低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
【0090】この濁度センサ14により、例えば、第2
のライン22中を流れる流体の空気から血漿への置換、
血漿中の血小板濃度の変化、血漿中への赤血球の混入等
を検出することができる。
【0091】第1のポンプチューブ21gが装着される
第1の送液ポンプ11、および、第2のポンプチューブ
23aが装着される第2の送液ポンプ12としては、そ
れぞれ、例えば、ローラーポンプなどの非血液接触型ポ
ンプが好適に用いられる。
【0092】また、第1の送液ポンプ(血液ポンプ)1
1としては、いずれの方向にも血液を送ることができる
ものが使用される。具体的には、正回転と逆回転が可能
なローラーポンプが用いられている。
【0093】このような血液成分採取装置1は、制御部
13の制御により、第1の血漿採取工程と、定速血漿循
環工程と、第2の血漿採取工程と、加速血漿循環工程
と、第3の血漿採取工程と、血小板採取工程と、返血工
程とを有する血小板採取操作を少なくとも1サイクル行
なうよう作動する。
【0094】本発明の血液成分採取装置1においては、
制御部13は、この血小板採取操作において、採血する
血液のヘマトクリット値(ドナーのヘマトクリット値)
をHd[%]、血小板採取操作における採血量(血液の
体外循環量)をG[mL]、貯血空間146の容積をV
[mL]としたとき、下記式(I)により定められる貯
血空間内ヘマトクリット値Hb[%]が目標値になるよ
うに、血小板採取操作における採血量(血液の体外循環
量)Gを調節する。 Hb=Hd・G/V ・・・(I)
【0095】貯血空間内ヘマトクリット値の目標値Hb
t[%]としては、特に限定されないが、通常、55〜
80%であるのが好ましく、60〜70%であるのがよ
り好ましく、例えば65%とすることができる。これに
より、後述する血小板採取工程において、バフィーコー
ト層132を、血小板採取により好ましい位置に位置さ
せることができる。
【0096】なお、貯血空間内ヘマトクリット値の目標
値Hbtは、ドナーのヘマトクリット値Hdの関数とし
て決定することとしてもよい。
【0097】また、上述したことを換言すれば、制御部
13は、採血する血液のヘマトクリット値Hbに基づい
て、血小板採取操作における採血量(血液の体外循環
量)Gを調節する。
【0098】すなわち、制御部13は、血小板採取操作
において、採血量(血液の体外循環量)Gが、下記式
(II)により定められる目標採血量Gt[mL]になっ
たところで採血を終了するように制御を行なう。 Gt=Hbt・V/Hd ・・・(II)
【0099】すなわち、この目標採血量Gtは、採血す
る血液のヘマトクリット値Hdにより決定される採血量
となる。
【0100】血液成分採取装置1においては、上述した
ような制御を行なうことにより、血小板採取操作におい
て、例えば、採血速度やドナー(供血者)の平均赤血球
容積(MCV)等に関わらず、貯血空間146内の赤血
球量を安定化することができる。その結果、採血速度や
ドナー(供血者)の平均赤血球容積(MCV)等に関わ
らず、後述する血小板採取工程において、バフィーコー
ト層132を、血小板採取により好ましい位置に位置さ
せることができ、よって、血小板回収率の向上や白血球
混入量の抑制を図ることができる。
【0101】以下、血液成分採取装置1における血小板
採取操作について、図1、図3ないし図6に示すフロー
チャートを参照しつつ説明する。
【0102】本実施形態では、血小板採取操作を繰り返
して3回(第1サイクル〜第3サイクル)行い、さら
に、最終回(第3サイクル)以外の血小板採取工程の終
了後であって、返血工程の開始前に、バフィーコート採
取工程を行い、かつ、次回の血小板採取操作における第
1の血漿採取工程の開始前にバフィーコート返還工程を
行うようになっている。
【0103】[0] 最初に、第3のライン23と採血
針29とを、抗凝固剤でプライミングし、その後、ドナ
ーの血管に採血針29を穿刺する。また、図示しない入
力手段によって、ドナーのヘマトクリット値Hdを制御
部13に入力する。制御部13は、入力されたドナーの
ヘマトクリット値Hdから、前記式(II)に基づいて、
目標採血量Gtを算出する。
【0104】[1] 第1サイクルの血小板採取操作 [11] まず、血液成分採取装置1は、第1の血漿採
取(第1のPPP採取)工程を行なう。第1の血漿採取
工程では、採血針29から採血された血液をローター1
42の貯血空間146内に導入し、この血液を遠心分離
することにより分離された血漿(PPP)を血漿採取バ
ッグ25内に採取(移送)する。
【0105】第1の血漿採取工程では、まず、制御部1
3は、血漿の採取を行なう(図3のステップS10
1)。
【0106】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81および第4の流路開閉手段84を
開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送
液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは、採血速度
が250mL/min以下程度、より好ましくは40〜1
50mL/min程度、例えば60mL/minとなるような
回転速度)で作動(正転)して、ドナーから採血を開始
する。
【0107】血液成分採取装置1には、このようにして
採血される血液の圧力を検出する圧力センサ(図示せ
ず)が設けられており、この圧力センサからの検出信号
は、随時、制御部13に入力される。制御部13は、前
記圧力センサからの検出信号に基づいて、例えば採血針
29の先端開口部が血管壁に密着するなどの原因によっ
て所定の採血速度が得られなくなったと判断した場合
(採血速度が所定値より遅くなったと判断した場合)に
は、第1の送液ポンプ11を減速または停止する。
【0108】また、この採血と同時に、制御部13の制
御により、第2の送液ポンプ12を作動して、第3のラ
イン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固
剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に混入させる。
【0109】このとき、第2の送液ポンプ12の回転速
度は、制御部13により、採血血液に対して抗凝固剤が
所定比率(好ましくは1/20〜1/6程度、例えば1
/10)で混合されるように制御される。
【0110】これにより、血液(抗凝固剤加血液)は、
第1のライン21を介して移送され、遠心分離器20の
流入口143より管体141を経てローター142の貯
血空間146内に導入される。
【0111】このとき、遠心分離器20内の空気(滅菌
空気)は、第2のライン22および第3チューブ26a
を介して血小板採取バッグ26内に送り込まれる。
【0112】また、前記採血と同時にまたはこれと前後
して、制御部13は、遠心分離器駆動装置10を作動
し、ローター142を所定の回転数で回転するよう制御
する。
【0113】このローター142の回転により、貯血空
間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PP
P層)131、バフィーコート層(BC層)132、赤
血球層(CRC層)133の3層に分離される。
【0114】なお、ローター142の回転数としては、
好ましくは3000〜6000rpm程度、より好まし
くは4200〜5000rpm程度とされる。また、以
下の工程において、特に記載しない限り、制御部13
は、ローター142の回転数を変更させない。
【0115】さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供
給を継続し、貯血空間146の容量を越える血液(約2
70mL)が貯血空間146内に導入されると、貯血空
間146内は完全に血液により満たされ、遠心分離器2
0の排出口144から血漿(PPP)がオーバーフロー
する。
【0116】このとき、第2のライン22に設置された
濁度センサ14は、第2のライン22中を流れる流体
が、空気から血漿に変わったことを検出し、制御部13
は、この濁度センサ14の検出信号に基づき、第4の流
路開閉手段84を閉塞し、かつ、第3の流路開閉手段8
3を開放するよう制御する。
【0117】これにより、第2のライン22および第2
チューブ25bを介して血漿を血漿採取バッグ25内に
導入、採取する。
【0118】なお、血漿採取バッグ25は、その重量が
重量センサ16により計測されており、計測された重量
信号は制御部13に入力される。
【0119】次いで、制御部13は、重量センサ16か
らの情報(重量信号)に基づき、血漿採取バッグ25内
に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(図3の
ステップS102)。
【0120】なお、この血漿の採取量(所定量)として
は、好ましくは10〜150g程度、より好ましくは2
0〜40g程度とされる。
【0121】ステップS102において、血漿採取バッ
グ25内に所定量の血漿が採取されていない場合には、
制御部13は、ステップS101に戻り、再度、ステッ
プS101以降を繰り返す。
【0122】また、ステップS102において、血漿採
取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、
制御部13は、本工程[11](第1の血漿採取工程)
を終了する。そして、制御部13は、第1の血漿採取工
程における第1の送液ポンプ11の回転数から、第1の
血漿採取工程における採血量(以下、「採血1量」と言
う。)を算出して記憶する。
【0123】血液成分採取装置1は、第1の血漿採取工
程)を終了したら、定速血漿循環工程に移行する。
【0124】[12] 次に、血液成分採取装置1は、
定速血漿循環(定速PPP循環)工程を行なう。定速血
漿循環工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空
間146内に定速にて循環させる。
【0125】定速血漿循環工程では、まず、制御部13
は、血漿の循環を行なう(図3のステップS103)。
【0126】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段8
2を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止
し、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましく
は、送液速度が60〜250mL/min程度、例えば2
00mL/minとなるような回転速度)で作動(正転)
する。
【0127】これにより、採血を一時中断するととも
に、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25a
および第1のライン21を介して貯血空間146内に一
定速度で導入し、遠心分離器20の排出口144から流
出してきた血漿を第2のライン22および第2チューブ
25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。すな
わち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内
に定速にて循環させる。
【0128】次いで、制御部13は、定速PPP循環を
開始してから所定時間(好ましくは10〜90秒程度、
例えば30秒)が経過したか否かを判断する(図3のス
テップS104)。
【0129】ステップS104において、定速PPP循
環を開始してから所定時間が経過していない場合には、
制御部13は、ステップS103に戻り、再度、ステッ
プS103以降を繰り返す。
【0130】また、ステップS104において、定速P
PP循環を開始してから所定時間が経過した場合には、
制御部13は、本工程[12](定速血漿循環工程)を
終了して、第2の血漿採取工程に移行する。
【0131】[13] 次に、血液成分採取装置1は、
第2の血漿採取(第2のPPP採取)工程を行なう。第
2の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間14
6内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分
離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0132】なお、この第2の血漿採取工程の説明で
は、前記工程[11](第1の血漿採取工程)との相違
点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省
略する。
【0133】第2の血漿採取工程では、まず、制御部1
3は、血漿の採取を行なう(図3のステップS10
5)。
【0134】なお、このとき、制御部13は、第2の流
路開閉手段82を閉塞し、第1の流路開閉手段81を開
放するよう制御する。
【0135】これにより、貯血空間146内の赤血球量
が増加、すなわち、赤血球層133の層厚が増大するの
に伴い、界面Bも徐々に内側に移動(ローター142の
回転軸に近づくように移動)する。
【0136】また、制御部13は、第2の血漿採取工程
における第1の送液ポンプ11の回転数から第2の血漿
採取工程における採血量(以下、「採血2量」と言
う。)を算出し、これに前記採血1量を加算して、第1
サイクルの血小板採取操作における現時点での採血量
(血液の体外循環量)Gを、随時、算出する。
【0137】次いで、制御部13は、光学式センサ15
からの検出信号(界面位置検出情報)に基づき、界面B
が所定レベルに到達したか否かを判断する(図3のステ
ップS106)。
【0138】なお、この界面Bの第1の位置としては、
光学式センサ15からの検出信号(受光部152からの
出力電圧)が、好ましくは1〜2V程度となった時点の
位置とされ、好ましくはローター142の回転軸から半
径(平均)30〜40mm程度の位置とされる。
【0139】ステップS106において、界面Bが所定
レベルに到達していない場合には、制御部13は、現時
点での採血量(血液の体外循環量)Gが前記目標採血量
Gtから採血3量を減算したもの以上であるか否かを判
断する(ステップS107)。すなわち、下記式(II
I)が満足されているか否かを判断する。 (採血量G)≧(目標採血量Gt)−(採血3量) ・・・(III)
【0140】ここで、前記採血3量とは、後述する第3
の血漿採取工程での採血量を言い、この採血3量は、後
述するように、ドナーのヘマトクリット値Hdに基づい
て予め決定されている。よって、前記式(III)が満足
されているということは、第3の血漿採取工程を終えた
ときには採血量Gが目標採血量Gtに達する(貯血空間
内ヘマトクリット値Hbが目標値Hbtになる)ことを
意味する。すなわち、このステップS107は、第1サ
イクルの血小板採取操作における採血量Gが目標採血量
Gtになるように調節するものとなっている。
【0141】ステップS107において、前記式(II
I)が満足されていない場合には、制御部13は、ステ
ップS105に戻り、再度、ステップS105以降を繰
り返す。すなわち、この場合は、前記採血2量がまだ十
分でないため、採血を続行する。
【0142】ステップS107において、前記式(II
I)が満足されている場合には、制御部13は、補助血
漿循環工程(補助PPP循環工程)を行なう(図3のス
テップS108)。この場合は、最終的に(第3の血漿
採取工程を終了したときに)採血量Gが目標採血量Gt
に達するように、採血量Gの調節が終了しており、通常
であれば界面Bが所定レベルに到達していることが予想
されるにも関わらず、例えば、所定の採血速度が得られ
なかった(採血速度が所定速度より遅くなった)等の原
因によって赤血球層133が過度に濃縮され、界面Bが
所定レベルに到達していないような場合である。
【0143】この補助血漿循環工程(図3のステップS
108)においては、制御部13は、前記定速血漿循環
工程(図3のステップS103)とほぼ同様の工程を行
なう。これにより、採血は、停止される。そして、血漿
が貯血空間146内に循環されることにより、過度に濃
縮された赤血球層133は、通常の状態にほぐされるよ
うにして拡散(層厚が増大)し、これに伴なって界面B
が徐々に内側(ローター142の回転軸に近づくように
移動)に移動する。
【0144】制御部13は、ステップS108に続い
て、ステップS106に戻り、再度、ステップS106
以降を繰り返す。すなわち、制御部13は、ステップS
106に戻って、界面Bが所定レベルに到達したか否か
の判断を行ない、界面Bが所定レベルに到達するまで、
補助血漿循環工程を続行する。
【0145】このように、本発明では、界面Bが所定レ
ベルに到達していなくても、第3の血漿採取工程を終了
したときの貯血空間内ヘマトクリット値Hbが目標値H
btになるような採血量Gが得られた時点で第2の血漿
採取工程における採血を停止(終了)する。これによ
り、例えば、所定の採血速度が得られなかった(採血速
度が所定速度より遅くなった)等の原因により赤血球層
133が過度に濃縮されたような場合であっても、後述
する血小板採取工程におけるバフィーコート層132の
位置を好適な位置にすることができる。
【0146】これに対し、本発明と異なり、採血速度が
遅くなった等の原因により赤血球層133が過度に濃縮
された場合にも、界面Bが所定レベルに到達するまで第
2の血漿採取工程における採血を続行すると、次のよう
な不都合を生じる。すなわち、赤血球層133が過度に
濃縮された状態で界面Bが所定レベルに到達したという
ことは、貯血空間146内の赤血球量が過多の状態にな
っていることを意味し、その後の血漿循環により赤血球
層133は、後述する血小板採取工程において、遠心分
離器20(貯血空間146)内に送られる血漿の速度
と、遠心分離器20(ローター142)の回転速度との
バランスが崩れ、バフィーコート層132が好適な位置
よりも内側または外側にズレる。その結果、血小板回収
率が低下したり、赤血球や白血球が混入したりするとい
う不都合を招来する。また、採血量Gが過大となるた
め、血液の体外循環量が許容値を超えてしまう場合があ
るという不都合もある。
【0147】ステップS106において、界面Bが所定
レベルに到達した場合には、制御部13は、次いで、現
時点での採血量(血液の体外循環量)Gが前記目標採血
量Gtから採血3量を減算したもの未満であるか否かを
判断する(図3のステップS109)。すなわち、下記
式(IV)が満足されているか否かを判断する。
【0148】 (採血量G)<(目標採血量Gt)−(採血3量) ・・・(IV) ステップS109において、前記式(IV)が満足されて
いない場合には、制御部13は、本工程[13](第2
の血漿採取工程)を終了して、加速血漿循環工程に移行
する(図4のに移行する)。すなわち、この場合は、
前記式(III)が満足されていることを意味しており、
前記補助血漿循環工程(図3のステップS108)を経
由してきた場合に該当する。
【0149】ステップS109において、前記式(IV)
が満足されている場合には、制御部13は、現時点での
採血量(血液の体外循環量)Gが前記目標採血量Gtか
ら採血3量を減算したものと等しくなるまで、採血を続
行する(図3のステップS110)。すなわち、下記式
(V)が満足されるまで採血を続行する。 (採血量G)=(目標採血量Gt)−(採血3量) ・・・(V)
【0150】すなわち、ステップS110は、第1サイ
クルの血小板採取操作における採血量Gが目標採血量G
tになる(貯血空間内ヘマトクリット値Hbが目標値H
btになる)ように調節するものとなっている。
【0151】ステップS110における採血続行によ
り、貯血空間146内の赤血球量が増加して赤血球層1
33の層厚が増大するのに伴ない、界面Bは、所定レベ
ルを通過して、さらに内側(ローター142の回転軸に
近づくように移動)に移動する。
【0152】ここで、ステップS109において前記式
(IV)が満足されている場合とは、例えば、ドナーの平
均赤血球容積(MCV)が比較的小さいために赤血球層
133の沈降速度が比較的遅いことから、界面Bが通常
よりも早く所定レベルに到達してしまったような場合で
ある。
【0153】このように、本発明では、界面Bが所定レ
ベルに到達しても、第3の血漿採取工程を終了した時点
で貯血空間内ヘマトクリット値Hbが目標値Hbtにな
るような採血量Gが得られるまで、第2の血漿採取工程
における採血を続行する。よって、例えば、ドナーの平
均赤血球容積(MCV)が比較的小さいために赤血球層
133の沈降速度が比較的遅いような場合であっても、
後述する血小板採取工程におけるバフィーコート層13
2の位置を好適な位置にすることができる。
【0154】これに対し、本発明と異なり、例えば赤血
球層133の沈降速度が比較的遅かったような場合に
も、界面Bが所定レベルに到達した時点で第2の血漿採
取工程における採血を停止(終了)すると、次のような
不都合を生じる。すなわち、赤血球層133が十分に沈
降していないということは、通常よりも赤血球層133
の層厚が厚く、通常よりも少ない採血量Gで界面Bが所
定レベルに到達したことを意味し、貯血空間146内の
赤血球量は、過少の状態になっている。よって、赤血球
層133は、後述する血小板採取工程において、遠心分
離器20(貯血空間146)内に送られる血漿の速度
と、遠心分離器20(ローター142)の回転速度との
バランスが崩れ、バフィーコート層132が好適な位置
よりも外側または内側にズレる。その結果、採取した血
小板への白血球の混入量が増大するという不都合を招来
する。
【0155】ステップS110において、前記式(V)
が満足されると、制御部13は、第1の送液ポンプ11
を停止し(図3のステップS111)、採血を停止す
る。
【0156】制御部13は、ステップS111に続い
て、光学式センサ15からの検出信号(界面位置検出情
報)に基づき、所定レベルを一旦通過した界面Bが所定
レベルに戻ったか否かを判断する(図3のステップS1
12)。
【0157】ステップS112において、界面Bが所定
レベルに戻った場合には、制御部13は、本工程[1
3](第2の血漿採取工程)を終了して、加速血漿循環
工程に移行する(図4のに移行する)。すなわち、ス
テップS110において前記式(V)が満足され、採血
を停止(図3のステップS111)した後は、界面Bが
所定レベルに戻る(外側に移動する)まで、貯血空間1
46内での遠心分離が続行される。
【0158】[14] 次に、血液成分採取装置1は、
加速血漿循環(加速PPP循環)工程を行なう。加速血
漿循環工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空
間146内に加速させながら循環させる。
【0159】加速血漿循環工程では、まず、制御部13
は、血漿の循環を行なう(図4のステップS113)。
【0160】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段8
2を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止
し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度が一定の加
速度にて増加(増大)するように作動(正転)する。
【0161】これにより、採血を一時中断するととも
に、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25a
および第1のライン21を介して貯血空間146内に加
速させながら導入し、遠心分離器20の排出口144か
ら流出してきた血漿を第2のライン22および第2チュ
ーブ25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。
すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間14
6内に加速させながら循環させる。
【0162】なお、このとき、制御部13は、血漿循環
速度(第1の送液ポンプ11の送液速度)が前記定速P
PP循環より遅い速度(初速:例えば60mL/min)
から、一定の加速度にて増加(増大)するように第1の
送液ポンプ11の回転速度を制御する。
【0163】この加速条件(加速度)としては、好まし
くは1〜10mL/min/sec程度、より好ましくは3〜
6mL/min/sec程度とされる。また、加速度は、一定
でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連
続的に変化するものであってもよい。
【0164】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間1
46内への循環速度が最高速度(好ましくは150〜2
50mL/min程度、例えば170mL/min)に到達し
たことを第1の送液ポンプ11の回転速度から検出した
ら、本工程[14](加速血漿循環工程)を終了して、
第3の血漿採取工程に移行する。
【0165】[15] 次に、血液成分採取装置1は、
第3の血漿採取(第3のPPP採取)工程を行なう。第
3の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間14
6内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分
離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0166】なお、この第3の血漿採取工程の説明で
は、前記工程[11](第1の血漿採取工程)との相違
点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省
略する。
【0167】第3の血漿採取工程では、まず、制御部1
3は、血漿の採取を行なう(図4のステップS11
4)。
【0168】第3の血漿採取工程では、制御部13は、
所定の採血3量の採血を行なう。採血3量としては、例
えば、ドナーのヘマトクリット値Hdに基づいて、好ま
しくは2500/(Hd)mL以下程度、より好ましく
は40/(Hd)〜1000/(Hd)mL程度とさ
れ、通常、12mLとされる。
【0169】すなわち、制御部13は、前記採血3量か
ら第1の送液ポンプ11を回転させる回数を算出し、そ
の回転数だけ第1の送液ポンプ11を回転した場合に
は、本工程[15](第3の血漿採取工程)を終了し
て、血小板採取工程に移行する。
【0170】このとき、第1サイクルの血小板採取操作
における採血量Gは、目標採血量Gtに達するととも
に、貯血空間内ヘマトクリット値Hbは、目標値Hbt
になる。
【0171】[16] 次に、血液成分採取装置1は、
血小板採取(PC採取)工程を行なう。血小板採取工程
では、血漿採取バッグ25内の血漿を、貯血空間146
内に第1の加速度にて加速させながら循環させ、次い
で、第1の加速度より大きい第2の加速度に変更して、
この第2の加速度にて加速させながら循環させて、貯血
空間146内より血小板を流出させ、血小板採取バッグ
26内に採取(移送)する。
【0172】血小板採取工程では、まず、制御部13
は、第1の加速度による血漿循環(PPP循環)を行な
う(図4のステップS115)。
【0173】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段8
2を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止
し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度を第1の加
速度にて増加(増大)するよう作動(正転)する。
【0174】これにより、採血を中断するとともに、血
漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25aおよび
第1のライン21を介して貯血空間146内に第1の加
速度にて加速させながら導入し、遠心分離器20の排出
口144から流出してきた血漿を第2のライン22およ
び第2チューブ25bを介して血漿採取バッグ25内に
回収する。すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯
血空間146内に第1の加速度にて加速させながら循環
させる。
【0175】このとき、貯血空間146内に血漿を第1
の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層13
3の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々に内側
に移動(ローター142の回転軸に近づくように移動)
する。
【0176】この第1の加速度としては、好ましくは
0.5〜10mL/min/sec程度、より好ましくは1.
5〜2.5mL/min/sec程度とされる。なお、第1の
加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で
段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0177】また、第1の加速度によるPPP循環での
血漿循環速度の初速としては、好ましくは40〜150
mL/min程度とされる。
【0178】制御部13は、第1の加速度によるPPP
循環における血漿の貯血空間146内への循環速度が所
定速度に到達した場合、すなわち、第1の送液ポンプ1
1の回転速度が所定の回転速度に到達した場合には、第
2の加速度による血漿循環(PPP循環)に移行する
(図4のステップS116)。
【0179】第1の加速度から第2の加速度へ移行する
際の所定の血漿循環速度としては、好ましくは100〜
200mL/min程度とされ、例えば、150mL/min
とされる。
【0180】ステップS116においては、制御部13
は、第1の送液ポンプ11の加速度を、第1の加速度か
ら第2の加速度に変更して、第1の送液ポンプ11の回
転速度を第2の加速度にて増加(増大)するよう作動
(正転)する。これにより、血漿採取バッグ25内の血
漿を貯血空間146内に第2の加速度にて加速させなが
ら循環させる。
【0181】このとき、貯血空間146内に血漿を第2
の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層13
3の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々に内側
に移動(ローター142の回転軸に近づくように移動)
するとともに、バフィーコート層132中の血小板(P
C)が遠心力に抗して浮上し(舞い上がり)、ローター
142の排出口144へ向って移動する。
【0182】この第2の加速度としては、第1の加速度
より大きくなるよう設定され、好ましくは3〜20mL
/min/sec程度、より好ましくは5〜10mL/min/s
ec程度とされる。なお、第2の加速度は、一定でなくて
もよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変
化するものであってもよい。
【0183】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間1
46内への循環速度が最高速度に到達したか否か、すな
わち、第1の送液ポンプ11の回転速度が最高速度(好
ましくは120〜300mL/min程度、例えば200
mL/min)に到達したか否かを判断する(図4のステ
ップS117)。
【0184】ステップS117において、血漿の貯血空
間146内への循環速度が最高速度に到達していない場
合には、制御部13は、ステップS116に戻り、再
度、ステップS116以降を繰り返す。
【0185】また、ステップS117において、血漿の
貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達した場
合には、制御部13は、血漿循環継続(PPP循環継
続)を行なう(図4のステップS118)。
【0186】具体的には、制御部13は、第1の送液ポ
ンプ11の回転速度を、前記ステップS117における
最高速度で維持(保持)するよう制御する。これによ
り、血漿の貯血空間146内への循環速度を、好ましく
は120〜300mL/min程度、例えば200mL/m
inとする。
【0187】次いで、制御部13は、PPP循環継続を
開始してから所定時間(好ましくは5〜15秒程度、例
えば10秒)が経過したか否かを判断する(図4のステ
ップS119)。
【0188】ステップS119において、PPP循環継
続を開始してから所定時間が経過していない場合には、
次いで、制御部13は、濁度センサ14からの出力電圧
(PC濃度電圧)が所定値(好ましくは2.5〜3.5
V程度、例えば、3.0V)以下に低下したか否かを判
断する(図4のステップS120)。
【0189】ステップS120において、濁度センサ1
4からの出力電圧が所定値以下に低下していない場合に
は、制御部13は、ステップS118に戻り、再度、ス
テップS118以降を繰り返す。
【0190】ステップS118〜S120を繰り返して
いる間に、ステップS119において、PPP循環継続
を開始してから所定時間が経過した場合には、制御部1
3は、本工程[16](血小板採取工程)を終了して、
バフィーコート採取工程に移行する。
【0191】また、ステップS120において、濁度セ
ンサ14からの出力電圧が所定値以下に低下した場合に
は、すなわち、ローター142の排出口144から血小
板が流出するのに伴い、第2のライン22中を流れる血
漿中の血小板濃度が所定値以上に到達した場合には、制
御部13は、血小板(PC)の採取を行なう(図4のス
テップS121)。
【0192】具体的には、制御部13は、濁度センサ1
4の検出信号に基づき、第3の流路開閉手段83を閉塞
し、かつ、第4の流路開閉手段84を開放するよう制御
する。
【0193】これにより、第2のライン22および第3
チューブ26aを介して血小板を血小板採取バッグ26
内へ導入し、採取する。
【0194】また、制御部13は、濁度センサ14から
の出力電圧(検出信号)に基づき、血小板採取バッグ2
6内の血小板濃度(累積PC濃度)を算出する。なお、
この血小板濃度は、PC採取を開始してから上昇を続
け、一旦、最高濃度に到達した後、下降に転じる。
【0195】次いで、制御部13は、PC採取を開始し
てから所定時間(好ましくは10〜25秒程度、例えば
15秒)が経過したか否かを判断する(図4のステップ
S122)。
【0196】ステップS122において、PC採取を開
始してから所定時間が経過していない場合には、次い
で、制御部13は、濁度センサ14の出力電圧(PC濃
度電圧)が所定値以下に到達したか否かを判断する(図
4のステップS123)。
【0197】この濁度センサ14の出力電圧の所定値と
しては、第2のライン22中を流れる血漿中に赤血球
(CRC)の混入が生じる時点付近の値とされ、好まし
くは0.5V以下程度とされる。
【0198】ステップS123において、濁度センサ1
4の出力電圧が所定値以下に到達していない場合には、
次いで、制御部13は、血小板採取バッグ26内の血小
板が所定量に到達したか否かを判断する(図4のステッ
プS124)。
【0199】ステップS124において、血小板採取バ
ッグ26内の血小板が所定量に到達しない場合には、制
御部13は、ステップS121に戻り、再度、ステップ
S121以降を繰り返す。
【0200】ステップS121〜S124を繰り返して
いる間に、ステップS122において、PC採取を開始
してから所定時間が経過した場合、または、ステップS
123において、濁度センサ14の出力電圧が所定値以
下に到達した場合には、制御部13は、本工程[16]
(血小板採取工程)を終了して、バフィーコート採取工
程に移行する。
【0201】また、ステップS124において、血小板
採取バッグ26内の血小板が所定量に到達した場合に
は、制御部13は、本工程[16](血小板採取工程)
を終了して、バフィーコート採取工程に移行する。
【0202】[17] 次に、血液成分採取装置1は、
バフィーコート採取(BC採取)工程を行なう。バフィ
ーコート採取工程では、ローター142の貯血空間14
6内からバフィーコートを流出させ、採取する。
【0203】バフィーコート採取工程では、まず、制御
部13は、バフィーコートの採取を行なう(図4のステ
ップS125)。
【0204】具体的には、制御部13の制御により、第
4の流路開閉手段84を閉塞し、第5の流路開閉手段8
5を開放するとともに、第1の送液ポンプ11を所定の
回転速度(好ましくは、送液速度が60〜300mL/
min程度、例えば205mL/min)で作動(正転)す
る。
【0205】これにより、血漿採取バッグ25内の血漿
を第1チューブ25aおよび第1のライン21を介して
貯血空間146内に所定速度で導入し、ローター142
の排出口144から流出してきたバフィーコートを第2
のライン22および第4チューブ27aを介してバフィ
ーコート採取バッグ27内に導入、採取する。
【0206】なお、このバフィーコート採取工程では、
制御部13は、ローター142の回転数を変更する。
【0207】このローター142の回転数としては、前
記工程[11]〜[16]におけるローター142の回
転数と同じでもよいが、例えば100〜300rpm程
度低く設定されるのが好ましく、具体的には、4500
〜4600rpm程度であるのが好ましい。
【0208】次いで、制御部13は、バフィーコート採
取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取された
か否かを判断する(図4のステップS126)。
【0209】具体的には、制御部13は、バフィーコー
トの採取量(所定量)を、採血量、ドナーのヘマトクリ
ット値および前記血小板採取工程において採取した血小
板の量から算出し、かかる算出した採取量から第1の送
液ポンプ11を回転する回数を決定して、第1の送液ポ
ンプ11が算出した採取量を採取するのに必要な回数、
回転したか否かを判断する。
【0210】ステップS126において、バフィーコー
ト採取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取さ
れていない場合、すなわち、第1の送液ポンプ11が必
要回数、回転していない場合には、制御部13は、ステ
ップS125に戻り、再度、ステップS125以降を繰
り返す。
【0211】また、前記ステップS126において、バ
フィーコート採取バッグ27内に所定量のバフィーコー
トが採取された場合、すなわち、第1の送液ポンプ11
が必要回数、回転した場合には、制御部13は、全ての
流路開閉手段81〜86を閉塞した状態とし、第1の送
液ポンプ11を停止して、本工程[17](バフィーコ
ート採取工程)を終了する。
【0212】[18] 次に、血液成分採取装置1は、
遠心分離器20を停止する工程を行なう。
【0213】この工程では、まず、制御部13は、遠心
分離器20の減速を行なう(図4のステップS12
7)。
【0214】具体的には、制御部13の制御により、遠
心分離器駆動装置10の回転数を減少して、ローター1
42を減速する。
【0215】さらに、制御部13は、遠心分離器20の
停止を行なう(図4のステップS128)。
【0216】具体的には、制御部13の制御により、遠
心分離器駆動装置10の回転を停止して、ローター14
2を停止する。
【0217】[19] 次に、血液成分採取装置1は、
返血工程を行なう。返血工程では、ローター142の貯
血空間146内の血液成分を返血する。返血工程では、
制御部13は、返血を行なう(図4のステップS12
9)。
【0218】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を開放するとともに、第1の送液
ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは送液速度が2
0〜120mL/min程度、例えば90mL/min)で作
動(逆転)する。
【0219】これにより、ローター142の貯血空間1
46内に残存する血液成分(主に、赤血球)は、遠心分
離器20の排出口144から排出され、第1のライン2
1を介してドナーに返血(返還)される。
【0220】なお、血液成分の総量(返血量)は、採血
量、血漿採取量および血小板採取量から算出される。
【0221】そして、制御部13の制御により、かかる
血液成分の総量(返血量)をドナーに返血するのに必要
とする回数、第1の送液ポンプ11の回数した後、第1
の流路開閉手段81を閉塞するとともに、第1の送液ポ
ンプ11を停止して、本工程[19](返血工程)を終
了する。これにより、第1サイクルの血小板採取操作を
終了する。
【0222】[2] 第2サイクルの血小板採取操作 続いて、第2サイクルの血小板採取操作を行なう。
【0223】第2サイクルの血小板採取操作では、第1
の血漿採取工程の開始前に、バフィーコート返還工程を
行なう以外は、前記第1サイクルの血小板採取操作と同
様の工程を行なう。
【0224】[20] まず、血液成分採取装置1は、
バフィーコート返還(BC返還)工程を行なう。バフィ
ーコート返還工程では、採取されたバフィーコートをロ
ーター142の貯血空間146内に返還する。
【0225】バフィーコート返還工程では、まず、制御
部13は、バフィーコートの返還を行なう(図5のステ
ップS20X)。
【0226】具体的には、制御部13の制御により、第
4の流路開閉手段84および第6の流路開閉手段86を
開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送
液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは送液速度が
60〜250mL/min程度、例えば100mL/min)
で作動(正転)し、かつ、遠心分離器駆動装置10を所
定の回転数(例えば、4800rpm)で作動する。
【0227】これにより、バフィーコート採取バッグ2
7内のバフィーコートが第4チューブ27aおよび第1
のライン21を介して遠心分離器20の流入口143よ
り管体141を経てローター142の貯血空間146内
に導入される。このとき、遠心分離器20内の空気は、
第2のライン22を介して血小板採取バッグ26内に送
り込まれる。
【0228】次いで、制御部13は、バフィーコート採
取バッグ27内に、返還するバフィーコートが無くなっ
たか否かを判断する(図5のステップS20Y)。
【0229】具体的には、制御部13は、バフィーコー
トの採取量から第1の送液ポンプ11を回転する回数を
決定して、第1の送液ポンプ11がバフィーコートを返
還するのに必要な回数、回転したか否かを判断する。
【0230】ステップS20Yにおいて、返還するバフ
ィーコートが残存する場合、すなわち、第1の送液ポン
プ11が必要回数、回転していない場合には、制御部1
3は、ステップS20Xに戻り、再度、ステップS20
X以降を繰り返す。
【0231】また、ステップS20Yにおいて、返還す
るバフィーコートが無くなった場合、すなわち、第1の
送液ポンプ11が必要回数、回転した場合には、制御部
13は、本工程[20](バフィーコート返還工程)を
終了して、第1の血漿採取工程に移行する。
【0232】[21]〜[29] 前記工程[11]〜
[19]と同様の工程をそれぞれ行なう。これにより、
第2サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0233】[3] 第3サイクル(最終サイクル)の
血小板採取操作 続いて、第3サイクルの血小板採取操作を行なう。
【0234】第3サイクルの血小板採取操作では、バフ
ィーコート採取工程を行わない以外は、前記第2サイク
ルの血小板採取操作と同様の工程を行なう。
【0235】[30]〜[36] 前記工程[20]〜
[26]と同様の工程をそれぞれ行なう。
【0236】なお、前記工程[27]と同様の工程は省
略されるため、前記工程[36](血小板採取工程)を
終了する場合には、制御部13は、流路開閉手段81〜
84および86を閉塞した状態とし、第1の送液ポンプ
11を停止するよう制御する。
【0237】[38]〜[39] 前記工程[28]〜
[29]と同様の工程を行なう。これにより、第3サイ
クルの血小板採取操作を終了する。
【0238】なお、血小板採取操作は、3回行なう場合
に限定されず、1または2回、あるいは、4回以上行な
ってもよい。
【0239】このような血液成分採取装置1では、血漿
採取工程終了後、貯血空間146内に血漿を循環させる
血漿循環工程を設けているため、各層131〜133の
過剰な圧縮を防止しつつ、赤血球層133に埋もれた血
小板を洗い出し(舞上げ)、バフィーコート層132に
取り込むことができるとともに、バフィーコート層13
2内の血小板と白血球との分離を促すことができる。
【0240】また、血液成分採取装置1では、前述した
ように貯血空間内ヘマトクリット値Hbが目標値Hbt
になるように(ドナーのヘマトクリット値Hdに基づい
て)採血量Gの制御を行なうことにより、血小板採取工
程において、貯血空間146内でのバフィーコート層1
32の位置を好適な位置にすることができる。よって、
血液成分採取装置1では、血小板収率の向上、または、
血小板中の混入白血球数の低減を図ることができる。
【0241】また、血液成分採取装置1では、血小板採
取操作の各工程における条件は、適宜変更することがで
きる。
【0242】例えば、バフィーコート採取(BC採取)
を行なうに際して、制御部13は、 ローター142の回転数を血小板採取工程での回転数
に維持(保持)し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転
速度を血小板採取工程における最終の回転速度より高く
するよう、または、ローター142の回転数を血小板
採取工程での回転数より低くし、かつ、第1の送液ポン
プ11の回転速度を血小板採取工程における最終の回転
速度より高くするよう制御するようにしてもよい。ま
た、本発明では、必要に応じて、任意の工程を追加する
こともできる。
【0243】以上、本発明の血液成分採取装置を図示の
実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限
定されるものではない。血液成分採取装置を構成する各
部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換
することができる。
【0244】例えば、光学式センサは、図示のものに限
定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
【0245】また、本発明の血液成分採取装置は、血小
板の採取に用いられる場合に限らないことは、言うまで
もない。
【0246】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0247】(実施例1)図1および図2に示す構成の
血液成分採取装置を用いて、前述した工程に従って血小
板採取操作を3サイクル行ない、血小板製剤を得た。な
お、光学式センサで検出する血液成分の界面は、血漿層
とバフィーコート層との界面とした。
【0248】貯血空間内ヘマトクリット値の目標値Hb
tおよび血小板採取操作における各工程での条件を以下
に示す。
【0249】1.貯血空間内ヘマトクリット値の目標値
Hbt ; 65% (貯血空間の容積V ; 270mL)
【0250】2.血小板採取操作 [第1の血漿採取工程] ローター回転数 ; 4800rpm 採血速度(第1の送液ポンプの送液速度) ; 40m
L/min 工程終了条件 ; 採取量が30gとなったとき
【0251】[定速血漿循環工程] ローター回転数 ; 4800rpm 第1の送液ポンプの送液速度 ; 200mL/min 工程終了条件 ; 30秒経過したとき
【0252】[第2の血漿採取工程] ローター回転数 ; 4800rpm 採血速度(第1の送液ポンプの送液速度) ; 40m
L/min
【0253】[補助血漿循環工程] ローター回転数 ; 4800rpm 第1の送液ポンプの送液速度 ;140mL/min
【0254】 [加速血漿循環工程] ローター回転数 ; 4800rpm 第1の送液ポンプの送液速度 ; 60mL/min(初速) 5.0mL/min/sec(加速度) 工程終了条件 ; 血漿循環速度(第1の送液ポンプの送液速度)が170m L/minとなったとき
【0255】 [第3の血漿採取工程] ローター回転数 ; 4800rpm 採血速度(第1の送液ポンプの送液速度) ; 40mL/min 工程終了条件 ; 採血3量が10mLとなったとき
【0256】 [血小板採取工程] ローター回転数 ; 4800rpm 第1の送液ポンプの送液速度 ; 60mL/min(初速) 2mL/min/sec(第1の加速度) 第1の送液ポンプの送液速度が150mL /minとなった時点で加速度の変更 10mL/min/sec(第2の加速度) 200mL/min(最高速度) 工程終了条件 ; 血小板(PC)採取量が70mLとなったとき
【0257】[バフィーコート採取工程] ローター回転数 ; 4600rpm 第1の送液ポンプの送液速度 ; 205mL/min 工程終了条件 ; 算出されたバフィーコート量が採取
されたとき
【0258】[返血工程] 第1の送液ポンプの送液速度 ; 90mL/min 工程終了条件 ; 算出された返血量が返血されたとき
【0259】[バフィーコート返還工程] ローター回転数 ; 4800rpm 第1の送液ポンプの送液速度 ; 200mL/min 工程終了条件 ; 算出されたバフィーコート量が返還
されたとき
【0260】(比較例1)第2の血漿採取工程におい
て、採血量Gに関わらず、界面Bが所定レベルに到達し
た時点で第2の血漿採取工程を終了し、加速血漿循環工
程に移行するよう制御を行なうこと以外は、前記実施例
1と同様の構成の血液成分採取装置を用いて、血小板採
取操作(3回)を行ない、血小板製剤を得た。
【0261】このような実施例1および比較例1の血液
成分採取装置は、それぞれ、第1〜第3の血漿採取工程
における採血速度を60mL/minとして使用したとき
に、最も優れた血小板採取性能を発揮するように設計し
た。
【0262】これに対し、前述したように、実施例1お
よび比較例1の血液成分採取装置においては、それぞ
れ、第1〜第3の血漿採取工程における採血速度を40
mL/minに設定してあるため、実施例1および比較例
1における血小板採取操作は、実際上は、例えば、採血
針の先端開口が血管壁に密着する等の原因で所定の採血
速度が得られなかったような場合に相当するものであ
る。
【0263】なお、比較例1の血小板採取操作は、実施
例1と同一のドナーを用い、実施例1の血小板採取操作
を行なってから2週間後に行なった。
【0264】実施例1および比較例1におけるドナーの
ヘマトクリット値HdおよびPLT(血小板濃度)を、
それぞれ、表1に示す。
【0265】
【表1】
【0266】実施例1における目標採血量Gtを前記貯
血空間内ヘマトクリット値の目標値Hbtおよびドナー
のヘマトクリット値Hdから算出すると416mLとな
るが、第1サイクルの血小板採取操作における実際の採
血量は、これと同じく416mLであった(装置表示
値)。また、実施例1における処理血液量は、1223
mLであった。
【0267】また、実施例1における血液成分採取装置
の作動を観察すると、補助血漿循環工程が行なわれてい
た。
【0268】また、参考として、比較例1における目標
採血量Gtを同様に算出すると、413mLとなるが、
第1サイクルの血小板採取操作における実際の採血量
は、これを上回る439mLであった(装置表示値)。
また、比較例1における処理血液量は、1290mLで
あった。
【0269】(評価)実施例1および比較例1で得られ
た血小板製剤について、血小板濃度および白血球濃度を
血球計数装置(Sysmex社製、Sysmex(R)
SE−9000)で測定するとともに、次式で定義され
る血小板回収率[%]を算出した。 血小板回収率=100×(採取量×血小板濃度)/(処
理血液量×PLT) その結果を、表2に示す。
【0270】
【表2】
【0271】表2に示すように、実施例1は、比較例1
に比べ、得られた血小板製剤の血小板濃度および血小板
回収率が高かった。すなわち、実施例1は、十分な採血
速度が得られなかった場合であっても、高い血小板濃度
および血小板回収率が得られることが明らかとなった。
【0272】(実施例2)第1〜第3の血漿採取工程に
おける採血速度が60mL/minとなるように制御を行
なうこと、および、第3の血漿採取工程を採血3量が9
mLとなったときに終了するように制御を行なうこと以
外は、前記実施例1と同様の構成の血液成分採取装置を
用いて、血小板採取操作(3回)を行ない、血小板製剤
を得た。
【0273】(比較例2)第2の血漿採取工程におい
て、採血量Gに関わらず、界面Bが所定レベルに到達し
た時点で第2の血漿採取工程を終了し、加速血漿循環工
程に移行するよう制御を行なうこと以外は、前記実施例
2と同様の構成の血液成分採取装置を用いて、血小板採
取操作(3回)を行ない、血小板製剤を得た。
【0274】なお、比較例2の血小板採取操作は、実施
例2と同一のドナーを用い、実施例2の血小板採取操作
を行なってから2週間後に行なった。
【0275】実施例2および比較例2におけるドナーの
ヘマトクリット値Hd、PLT(血小板濃度)および平
均赤血球容積(MCV)を、それぞれ、表3に示す。
【0276】
【表3】
【0277】表3に示すように、このドナーの平均赤血
球容積(MCV)は、比較的小さいものであった。
【0278】実施例2における目標採血量Gtを前記貯
血空間内ヘマトクリット値の目標値Hbtおよびドナー
のヘマトクリット値Hdから算出すると400mLとな
るが、第1サイクルの血小板採取操作における実際の採
血量は、これと同じく400mLであった(装置表示
値)。また、実施例2における処理血液量は、1176
mLであった。
【0279】また、実施例1における血液成分採取装置
の作動を観察すると、採血量Gが、400mL(目標採
血量)−9mL(採血3量)=391mLに達する前
に、界面Bが所定レベルに到達したことが検出されてい
た。
【0280】また、参考として、比較例1における目標
採血量Gtを同様に算出すると、397mLとなるが、
第1サイクルの血小板採取操作における実際の採血量
は、これを下回る384mLであった(装置表示値)。
また、比較例1における処理血液量は、1126mLで
あった。
【0281】(評価)実施例2および比較例2で得られ
た血小板製剤について、血小板濃度および白血球濃度を
前記血球計数装置で測定するとともに、白血球数および
前記血小板回収率を算出した。その結果を、表4に示
す。
【0282】
【表4】
【0283】表4に示すように、実施例2は、比較例2
に比べ、得られた血小板製剤の白血球濃度および白血球
数が低かった。すなわち、実施例2は、ドナーの平均赤
血球容積(MCV)が比較的小さく、赤血球層の沈降速
度が遅い(濃縮されにくい)場合であっても、白血球濃
度および白血球数を低く抑えることができることが明ら
かとなった。
【0284】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の血液成分採
取装置によれば、複数の血液成分への分離および血液成
分の採取を行なうに際し、例えば採血速度やドナーの平
均赤血球容積等のいかんに関わらず、より高精度の分
離、採取が可能になり、特に、血小板等の成分採血に使
用した場合、血小板の収率が高く、採取された血小板中
の白血球(特に、リンパ球)の除去率が極めて高い高品
質の血液製剤が得られる。その結果、発熱、同種抗原感
作、ウイルス感染等の確率を低下することができ、安全
性が高い。
【0285】また、例えば採血速度が遅くなったような
場合であっても、血液の体外循環量が許容値を超えてし
まうようなことを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液成分採取装置の実施形態を示す平
面図である。
【図2】図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離
器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断
面図である。
【図3】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図4】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図5】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図6】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【符号の説明】
1 血液成分採取装置 2 血液成分採取回路 10 遠心分離器駆動装置 11 第1の送液ポンプ 12 第2の送液ポンプ 13 制御部 14 濁度センサ 15 光学式センサ 151 投光部 152 受光部 153 反射板 16 重量センサ 20 遠心分離器 21 第1のライン 21a 採血針側第1ライン 21b 遠心分離器側第1ライン 21c 分岐コネクター 21d チャンバー 21e 分岐コネクター 21f 分岐コネクター 21g ポンプチューブ 22 第2のライン 22a 分岐コネクター 22c 分岐コネクター 22d 分岐コネクター 23 第3のライン 23a ポンプチューブ 23b 異物除去用フィルター 23c 気泡除去用チャンバー 23d 抗凝固剤容器接続用針 25 血漿採取バッグ 25a 第1チューブ 25b 第2チューブ 26 血小板採取バッグ 26a 第3チューブ 27 バフィーコート採取バッグ 27a 第4チューブ 28 カセットハウジング 29 採血針 81〜86 第1〜第6の流路開閉手段 131 血漿層 132 バフィーコート層 133 赤血球層 141 管体 142 ローター 143 流入口 144 排出口 145 上部 146 貯血空間 147 反射面 201 ハウジング 202 脚部 203 モータ 204 回転軸 205 固定台 206 ボルト 207 スペーサー S 光軸 S101〜S129 ステップ S20X、S20Y、S201〜S229 ステップ S30X、S30Y、S301〜S324、S327〜
S329 ステップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液を複数の血液成分に分離するととも
    に分離された血液成分を採取する血液成分採取装置であ
    って、 内部に貯血空間を有するローターと、前記貯血空間に連
    通する流入口および排出口とを有し、前記ローターの回
    転により前記流入口より導入された血液を前記貯血空間
    内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分離器と、 前記流入口と採血手段とを接続する第1のラインと、 前記排出口に接続された第2のラインと、 前記第1のラインと第2のラインとにそれぞれ接続され
    た血漿採取バッグと、 前記第2のラインに接続された血小板採取バッグと、 前記血液成分採取装置の作動を制御する制御手段とを備
    え、 前記採血手段により採血された血液を前記貯血空間内に
    導入し、この血液を遠心分離することにより分離された
    血漿を前記血漿採取バッグ内に移送する血漿採取工程
    と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に循環さ
    せる血漿循環工程と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を循環させて、前記貯血空
    間内より血小板を流出させ、前記血小板採取バッグ内に
    移送する血小板採取工程と、 前記貯血空間内の血液成分を返血する返血工程とを有す
    る血小板採取操作を少なくとも1サイクル行なうよう作
    動し、 採血する血液のヘマトクリット値に基づいて、前記血小
    板採取操作における採血量を調節することを特徴とする
    血液成分採取装置。
  2. 【請求項2】 採血する血液のヘマトクリット値をHd
    [%]、前記血小板採取操作における採血量をG[m
    L]、前記貯血空間の容積をV[mL]としたとき、下
    記式(I)により定められる貯血空間内ヘマトクリット
    値Hb[%]が目標値になるように前記血小板採取操作
    における採血量を調節する請求項1に記載の血液成分採
    取装置。 Hb=Hd・G/V ・・・(I)
  3. 【請求項3】 前記貯血空間内ヘマトクリット値Hb
    [%]の目標値を55〜80%とする請求項1または2
    に記載の血液成分採取装置。
  4. 【請求項4】 前記血小板採取操作を、少なくとも2サ
    イクル行なうよう作動する請求項1ないし3のいずれか
    に記載の血液成分採取装置。
  5. 【請求項5】 前記血小板採取操作として、 前記採血手段により採血された血液を前記貯血空間内に
    導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿
    を前記血漿採取バッグ内に移送する第1の血漿採取工程
    と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に定速に
    て循環させる定速血漿循環工程と、 前記採血手段により採血された血液を前記貯血空間内に
    導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿
    を前記血漿採取バッグ内に移送する第2の血漿採取工程
    と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に加速さ
    せながら循環させる加速血漿循環工程と、 前記採血手段により採血された血液を前記貯血空間内に
    導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿
    を前記血漿採取バッグ内に移送する第3の血漿採取工程
    と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を、前記貯血空間内に第1
    の加速度にて加速させながら循環させ、次いで、前記第
    1の加速度より大きい第2の加速度に変更して、該第2
    の加速度にて加速させながら循環させて、前記貯血空間
    内より血小板を流出させ、前記血小板採取バッグ内に移
    送する血小板採取工程と、 前記貯血空間内の血液成分を返血する返血工程とを有す
    る血小板採取操作を行なうよう作動する請求項1ないし
    4のいずれかに記載の血液成分採取装置。
  6. 【請求項6】 前記貯血空間に向って投光するとともに
    その反射光を受光し、その受光光量の変化に基づき前記
    血液成分の界面の位置を検出する光学式センサを有する
    請求項1ないし5のいずれかに記載の血液成分採取装
    置。
  7. 【請求項7】 前記血小板採取操作において、採血する
    血液のヘマトクリット値に基づいて決定された採血量の
    全量または大半の量の採血が終了した時点で、前記光学
    式センサにより前記界面が所定位置に到達したことが未
    だ検出されていない場合には、前記光学式センサにより
    前記界面が前記所定位置に到達したことが検出されるま
    で、前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に循
    環させる補助血漿循環工程を行なうよう作動する請求項
    6に記載の血液成分採取装置。
  8. 【請求項8】 前記血小板採取操作において、採血する
    血液のヘマトクリット値に基づいて決定された採血量の
    全量または大半の量の採血が終了した時点で、前記光学
    式センサにより前記界面が所定位置を通過したことが検
    出されている場合には、前記光学式センサにより前記界
    面が前記所定位置に戻るまで、遠心分離を続行するよう
    作動する請求項6または7に記載の血液成分採取装置。
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