JPH0538363A - 血漿採取装置 - Google Patents

血漿採取装置

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JPH0538363A
JPH0538363A JP3221069A JP22106991A JPH0538363A JP H0538363 A JPH0538363 A JP H0538363A JP 3221069 A JP3221069 A JP 3221069A JP 22106991 A JP22106991 A JP 22106991A JP H0538363 A JPH0538363 A JP H0538363A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正確な量の血漿を採取することができ、目的
とする量の血漿を無駄な採血を行う事なく、採取するこ
とができる血漿採取装置を提供する。 【構成】 採血回路と、抗凝固剤添加回路と、血漿分離
手段と、血漿採取容器と、血球成分返還回路とを少なく
とも有する血漿採取回路を制御するための血漿採取装置
であって、該血漿採取装置は、採取された血漿量を検知
する第1の計量手段と、採取された採血量を検知する第
2の計量手段と、血漿採取作業を、総血漿採取量が設定
血漿採取総量に到達するまで、繰り返して行われるよう
に制御する制御部とを有し、制御部は、第1の計量手段
により計量される各回の採取血漿積算量と、第2の計量
手段により計量される各回の採血積算量に基づき、次回
の血漿採取作業における適正採血量を算出し、その算出
値に基づき全血の採取を制御する採血量制御機構を有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己の血液中の成分が
病因となっている患者より、その有害物質を含む血漿を
採取し、有害物質を除去して、再び患者に返還する血漿
浄化療法などに使用される血漿採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体の結晶中には、アルブミン、免疫グ
ロブリン類(IgG、IgA、IgM)、フィブリノー
ゲン等のタンパク質、その他核酸、脂質等が含有されて
いる。これらの成分は、生体内における様々なメカニズ
ムにより、その系統の均衡を保っているが、ある種の外
因的、または内因的要因により、その均衡性を失うこと
がある。これにより、血漿中にある特定の成分が異常に
発生、または増加し、それに起因して種々の疾患が生ず
ることが知られている。
【0003】これらの疾患としては、免疫が関与する腎
疾患(腎移植の際の急性拒絶反応、GOODPASTURE症候群
など)、膠原病(慢性関節リウマチ、全身性エリトマト
ーデス、重症筋無力症、Graves病、自己免疫性溶血性貧
血、Sj■gren症候群など)、血漿蛋白異常疾患(多発性
骨髄腫、原発性マクログロブリン血症など)、コレステ
ロール(中でも低密度リポプロテイン)の代謝異常疾患
(家族性高コレステロール血症)、肝疾患(ビリルビン
血症など)、薬物中毒などが知られている。これらの治
療法として、近年、有害物質を含む血漿を分離除去し、
新鮮凍結血漿や、アルブミン製剤等を置換液として補充
する、いわゆる血漿交換療法が行われ、その臨床的効果
が確認されている。しかし、この血漿交換療法では、患
者の血漿を置換液と交換するものであるため、多量の置
換液が必要となるという問題を有している。また、アル
ブミン製剤を置換液として用いる場合は必要とされる血
漿成分をすべて補えるものではなく、一方、新鮮凍結血
漿を置換液として用いる場合には他人の血漿原料として
いるので、肝炎や後天性免疫不全症候群(AIDS)へ
の感染、アレルギー等の発症の問題もある。
【0004】そこで、患者より病因性物質を含む血漿を
分離し病因性物質を除去し、再び患者に返還する血漿浄
化法が提案されている。この血漿浄化療法は、患者より
ポンプ等により血液を100ml/min程度の流量で
体外に取り出し、この血液を遠心分離法、または膜分離
法により血球成分と血漿とに分離し、血漿中より有害物
質を除去し、浄化された血漿を血球成分と混合して、再
び患者に返還するものである。血漿中からの有害物質の
除去方法としては、例えば、血漿に塩析剤等を添加し
て、溶解度の差から病因性物質を析出分離除去する溶解
度分別法を応用した方法(USP4321192)、病
因性物質に対し特異的な吸着性能を示す吸着剤を用いて
吸着させる方法(USP4814077)、血漿を冷却
し、有害物質を析出し除去する方法(USP43501
56)、除去対象の有害物質の分子量以上のものを通さ
ない孔径を有するフィルターによる濾過により除去する
方法(USP4350156)が挙げられる。
【0005】これらの方法は、上記のように血液を一定
流量にて体外循環し、各工程が流体的に連通して行う、
いわゆるon−line方式により行われる。しかし、
これらの血漿浄化法には、種々の問題点がある。具体的
には、多量の体外循環血液量を必要とするため、患者に
対し、血圧低下、徐脈、不均衡症候群等を発症させるこ
とがあること、血液の分離と、分離された血漿の浄化を
同時に行うので、施行時における異常が、患者に体外血
液循環回路が接続された状態にて、血漿分離手段、血漿
浄化手段の両方に発生する可能性があるり、異常が発生
した場合、患者は待たされることになること、100m
l/min程度の血液流量で血液を循環して20ml/
minの血漿流量で浄化を行うものとしても、患者の全
血漿量の100%程度を浄化するためには、ほぼ2時間
程度の時間が必要となり、治療のために患者を拘束する
時間が長いということなどの問題点を有している。
【0006】そこで、本件発明者は、上述の体外血液循
環方式による血漿浄化療法の有する問題点のない、患者
本人の血漿を使用して行う血漿浄化療法を検討し、その
ような血漿浄化療法に使用される血漿採取装置を検討し
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本件出願人は、簡単な
回路構成で、装置全体を小型化でき、狭い献血車内にお
いても使用でき、さらに血漿分離器への血液を灌流する
ための落差を確保する必要がなく、操作部位を集中させ
ることが可能で、容易に血漿を採取することができる単
針式血漿分離装置および単針式血漿分離回路を用いて血
漿を採取するための血漿採取装置を提供している(特開
平2−98365号公報)。
【0008】上記の装置も十分な効果を有するが、血漿
浄化療法のために使用することを目的にしていないた
め、血漿採取量の管理を採血量にて行っており、正確な
血漿採取量の管理ができなかった。つまり、1回の採血
から採取できる血漿量は、人により異なるため、血漿採
取量も人により相違し、正確な、また目的とする量の血
漿を採取できないという問題点を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、上記の問題点を解決し、正確な量の血漿を採取する
ことができ、かつ、目的とする量の血漿を無駄な採血を
行う事なく、効率よく採取することができ、血漿浄化療
法に有効に利用できる血漿採取装置を提供するものであ
る。
【0010】上記目的を達成するものは、採血者から全
血を採取するための採血回路と、採取される全血に血液
抗凝固剤を添加するための抗凝固剤添加回路と、抗凝固
剤が添加された全血を血漿成分と血球成分に分離する血
漿分離手段と、分離された血漿成分を採取する血漿採取
容器と、分離された血球成分を採血者に返還するために
血球成分返還回路とを少なくとも有する血漿採取回路を
制御するための血漿採取装置であって、該血漿採取装置
は、前記血漿採取容器に採取された血漿量を検知する第
1の計量手段と、前記採血回路に設けられた採血容器に
採取された全血量を検知する第2の計量手段と、前記採
血回路により全血を採取し、採取した全血を血漿成分と
血球成分に分離し、血漿成分を前記血漿採取容器に採取
し、かつ血球成分を採血者に返還する血漿採取作業を、
総血漿採取量が設定血漿採取総量に到達するまで、繰り
返して行われるように制御する制御部とを有し、該制御
部は、前記第1の計量手段により計量される前回までの
各回の採取血漿積算量(X)と、前記第2の計量手段に
より計量される前回までの各回の採血積算量(Y)に基
づき、次回の血漿採取作業における適正採血量を算出
し、その算出値に基づき全血の採取を制御する採血量制
御機構を有している血漿採取装置である。
【0011】そして、前記制御部は、前記第1の計量手
段により計量される前回(N回)までの各回の採取血漿
積算量(X1,X2,X3,・・・・・・XN-1,XN)と、前記
第2の計量手段により計量される前回(N回)までの各
回の採血積算量(Y1,Y2,Y3,・・・・・・YN-1,YN
に基づき、以下の式(1)〜(5)に従って、 次回の予測血漿採取積算量(XN+1)=[(2YN
N-1)−b]/a・・・・・(1) ただし、a=[ΣXNN−N・(Xの平均値)・(Yの平
均値)/[ΣXN 2−N(Xの平均値)2] ・・・・・・(2) b=(Yの平均値)−a(Xの平均値) ・・・・・・(3) 設定血漿採取総量(Z)が、Z≧XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=YN−YN-1 ・・・・・・(4) Z<XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=(aZ+b)−YN ・・・・・・(5) 次回の血漿採取作業における適正採血量を算出し、その
算出値に基づき全血の採取を制御するものであることが
好ましい。
【0012】また、前記制御部は、前記第1の計量手段
により計量される前回(N回)までの各回の採取血漿積
算量(X1,X2,X3,・・・・・・XN-1,XN)と、前記第
2の計量手段により計量される前回(N回)までの各回
の採血積算量(Y1,Y2,Y3,・・・・・・YN-1,YN)に
基づき、以下の式(1)〜(5)に従って、 次回の予測血漿採取積算量(XN+1)=[(2YN
N-1)−b]/a・・・・・(1) ただし、 a=[ΣXNN−N・(Xの平均値)・(Yの平均値)/
[ΣXN 2−N(Xの平均値)2] ・・・・・・(2) b=(Yの平均値)−a(Xの平均値) ・・・・・・(3) 設定血漿採取総量(Z)が、Z+β≧XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=YN−YN-1 ・・・・・・(4) Z+β<XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=(aZ+b)−YN+α ・・・・・・(5) (ただし、α,βは、採血者のヘマトクリット値の上昇
および血漿分離手段の性能低下により血漿採取効率の低
下を見込んで設定される補正値であり、αは、10〜3
0g、βは、5〜21g) 次回の血漿採取作業における適正採血量を算出し、その
算出値に基づき全血の採取を制御するものであることが
好ましい。
【0013】そして、前記血漿採取回路は、浄化血漿を
添加するための浄化血漿添加回路を有していることが好
ましい。
【0014】本発明の血漿採取装置を図面に示した実施
例を用いて説明する。この実施例の血漿採取装置1の基
本構成の概略図を図1に示す。なお、図1は、血漿採取
離回路を取り付けた状態の血漿採取装置1を示してい
る。
【0015】この血漿採取装置1は、血漿採取回路を制
御するための血漿採取装置である。この血漿採取装置1
に取り付けられる血漿採取回路は、採血者から全血を採
取するための採血回路と、採取される全血に血液抗凝固
剤を添加するための抗凝固剤添加回路と、抗凝固剤が添
加された全血を血漿成分と血球成分に分離する血漿分離
手段と、分離された血漿成分を採取する血漿採取容器
と、分離された血球成分を採血者に返還するために血球
成分返還回路とを少なくとも有しており、さらに、浄化
血漿を添加するための浄化血漿添加回路を有しているこ
とが好ましい。
【0016】そして、図1に示す血漿採取回路では、採
血回路は、採血針21と、採血用容器5と、採血針21
と採血用容器5とを連通する第1送血管2とにより構成
されている。また、血漿分離手段としては、血漿分離器
7が用いられており、採血用容器5と血漿分離器7の血
液流入口とは、第2送血管6により連通している。そし
て、血漿分離器7の血球成分流出口と第1送血管2と
は、第3送血管8により連通しており、血球成分返還回
路を構成している。そして、血漿分離器7の血漿流出口
と血漿採取用容器10とは、血漿輸送管9により連通し
ている。さらに、浄化血漿収納容器75は、浄化血漿輸
送管76により、第3送血管8と連通しており、浄化血
漿添加回路を構成している。また、抗凝固剤収納容器4
5は、抗凝固剤輸送管48により採血用容器5と連通し
ており、抗凝固剤添加回路を構成している。
【0017】そして、血漿採取装置1は、血漿採取容器
10に採取された血漿量を検知する第1の計量手段99
と、採血回路に設けられた採血容器5に採取された全血
量を検知する第2の計量手段57と、採血回路により全
血を採取し、採取した全血を血漿成分と血球成分に分離
し、血漿成分を血漿採取容器に採取し、かつ血球成分を
採血者に返還する血漿採取作業を、総血漿採取量が設定
血漿採取総量に到達するまで、繰り返して行われるよう
に制御する制御部59とを有し、制御部59は、第1の
計量手段99により計量される前回までの各回の採取血
漿積算量(X)と、第2の計量手段57により計量され
る前回までの各回の採血積算量(Y)に基づき、次回の
血漿採取作業における適正採血量を算出し、その算出値
に基づき全血の採取を制御する採血量制御機構を有して
いる。
【0018】この血漿採取装置によれば、制御部によ
り、次回の血漿採取作業における適正採血量を算出し、
その算出値に基づき全血が採取されるので、正確な量の
血漿を採取することができ、かつ、目的とする血漿量を
無駄な採血を行う事なく、効率よく採取することができ
る。
【0019】特に、自己の血漿中に病因性物質を含む患
者より血漿を採取し、血漿中の病因物質を除去し、処理
した血漿を患者に返還する血漿浄化療法において、前記
患者の全循環血液量の12%以内に相当する量の血漿を
第1回目に採取し、2回目以降は、前回より段階的に血
漿採取量を増加して採取するとともに、目標とする血漿
浄化置換量(患者の体重、年齢、疾患の状態、除去すべ
き病因物質の種類、およびその目標とする病因物質の除
去量等を考慮して設定される)に到達したのち、継続的
にその血漿浄化置換量の血漿を採取するとともに、前回
に採取した血漿中より病因性物質を除去した浄化血漿を
前記患者に返還しする血漿浄化療法を行う場合、通常の
血漿献血の場合に比べ、大量かつ正確な量の血漿採取が
必要となるため、この血漿採取装置は有効である。
【0020】そして、この血漿採取装置1は、採血用容
器収納部41と、採血用容器収納部41の内部を加圧お
よび減圧するための減圧・加圧手段58と、血漿分離器
7を着脱自在に取り付ける血漿分離器取付部と、血漿採
取回路の第1送血管2を開閉するための第1の回路開閉
手段12と、第2送血管6または第3送血管8を開閉す
るための第2の回路開閉手段13と、血漿輸送管9を開
閉するための第3の回路開閉手段14と、抗凝固剤輸送
管48を開閉するための第4の回路開閉手段46と、第
1の計量手段である血漿採取容器10の重量を検知する
重量検知部99と、第2の計量手段である採血用容器収
納部に収納される採血用容器5の重量を検知するための
重量検知部57とを有している。
【0021】さらに、この血漿採取装置1は、採血用容
器収納部41内部に収納された採血用容器を振盪させる
ための揺動手段42と、採血用容器収納部41内部の圧
力を検知するための圧力検知部55と、採血者の腕に被
着されるカフ49を加圧するための加圧手段44と、こ
のカフ49の圧力を検知するための圧力検知部56を有
している。
【0022】また、血漿採取回路としては、図1に示す
ように、第1送血管2、第2送血管6、抗凝固剤輸送管
48が、採血容器5に接続されたチューブ93および分
岐管95を介して、採血用容器5と連通している。ま
た、図1に示すように、第1送血管2、第2送血管6、
抗凝固剤輸送管48は、直接採血容器5に接続してもよ
い。
【0023】血漿採取装置1について、具体的に説明す
ると、減圧・加圧手段58は、送排気回路53と、加圧
・減圧切替バルブ51,52と、真空ポンプ43と、リ
ークバルブ50により構成されている。また、揺動手段
42は、採血用容器収納部41内に設けられた採血用容
器収納台98を揺動させるための揺動クランクおよび揺
動モータにより構成されている。また、減圧・加圧手段
58、揺動手段42、圧力検知部55、採血用容器の重
量検知部57、血漿採取用容器の重量検知部99、カフ
49の加圧手段44、カフ49の圧力検知部56、リー
クバルブ54、回路開閉手段12,13,14,46は
すべて制御部59に電気的に接続されている。この制御
部59は、後述する図3ないし図12のフローチャート
に示すように各構成を制御する。そして、このような構
成の血漿採取装置を具体的に作成した実施例を図2に示
す。図2は、血漿採取回路を取り付ない状態の本発明の
血漿採取装置の実施例の斜視図である。
【0024】そこで、本発明の血漿採取装置1を、図1
ないし図12を参照してより具体的に説明する。この血
漿採取装置1は、上面に斜傾して設けられた蓋83を有
しており、さらに、この蓋83には、蓋開閉検出部が設
けられている。この蓋開閉検出部は、例えば、蓋83に
磁石と、ホールICを設置し、両者を用いて開閉を検出
するように構成される。蓋83の内部には、図2に示す
ように、蓋83を閉じた状態において閉鎖空間となる採
血用容器収納部41が形成されており、この採血用容器
収納部41内部には、採血用容器収納台98が斜傾して
設けられている。
【0025】採血用容器5は、この収納台98にチュー
ブ側が低くなるように(手前側となるように)設置され
る。また、採血用容器収納台98には、チューブ側にて
回動自在に軸支されるとともに、揺動クランクおよび揺
動クランクを上下に駆動させる揺動モータにより構成さ
れた揺動手段が設けられている。採血用容器収納台98
は、初期状態および停止位置の傾斜角は水平状態に対し
て、+20゜に設定されており、揺動手段は、収納台9
8を上記の水平状態に対して±20゜の振幅にて揺動す
るように構成されている。
【0026】また、採血用容器収納部41には、減圧・
加圧手段が接続されており、この収納部41内部を加圧
および減圧可能となっている。この減圧・加圧手段は、
図1に示すように、送排気回路53、真空ポンプ43、
2つの3ポートバルブ51,52により構成されてい
る。この減圧・加圧手段58は、減圧状態として、−1
00〜−200mmHgを10mmHgごとに設定で
き、さらに加圧状態として、+50〜+200mmHg
を10mmHgごとに設定できるように構成されてい
る。この設定圧力は、図2に示す血漿採取装置1のフロ
ントパネル80より入力できるようになっている。そし
て、減圧および加圧状態は、真空ポンプ43のON/O
FFによりほぼ一定圧力を維持し、3ポートバルブ5
1,52の切替により減圧・加圧状態の切替を行うよう
に構成されている。
【0027】そこで、この減圧・加圧手段の作用を、3
ポートバルブ51,52の動作状態を説明する。3ポー
トバルブ51,52は、オン状態では、通気状態とな
り、オフ状態では、大気開放状態となる。よって、3ポ
ートバルブ51のみをオン(3ポートバルブ52をオ
フ)にすれば、真空ポンプ43の作動により、排気が行
われ、図1に示す採血用容器収納部41内部が減圧状態
となる。逆に、3ポートバルブ52のみをオン(3ポー
トバルブ51をオフ)にすれば、真空ポンプ43の作動
により、吸気が行われ、採血用容器収納部41内部が加
圧状態となる。
【0028】また、採血用容器収納部41には、図1に
示すように、内部の圧力を検知するための圧力検知手段
55、例えば、圧力センサが取り付けられている。具体
的には、圧力検知手段55は、採血用容器収納部41と
チューブで連通するように取り付けられている。圧力検
知手段としては、拡散型半導体圧力検知手段が好適に使
用される。さらに、採血用容器収納部41には、図1に
示すように、採血用容器の重量検知手段57、例えば重
量センサが設けられている。具体的には、採血用容器の
重量検知手段57は、採血用容器収納台98に取り付け
られている。重量検知手段57は、採血用容器内部の血
液重量を検知するものであり、重量検知手段57として
は、ロードセルが好適に使用される。また、採血用容器
収納部41には、漏血センサ(図示せず)が取り付けら
れている。この漏血センサも、採血用容器収納台98の
上面にそのセンサ部が露出するように、収納台98に取
り付けられている。漏血センサは、例えば、重量センサ
を構成するロードセルの上にスペーサを固定し、その上
に漏血センサを構成するプリント基板を固定することに
より構成される。
【0029】そして、回路開閉手段12,13,14,
46は、通常状態において閉塞しているソレノイド・ピ
ンチバルブが好適に使用される。さらに、図2に示すよ
うに、この血漿採取装置1の左側面には、ACDバッグ
用ハンガ85が設けられている。また、血漿採取装置1
の右側面には、浄化血漿収納容器用ハンガを設けてもよ
い。そして、血漿採取装置1の前面には、血漿分離器取
付部を形成する血漿分離器ホルダー84が設けられてい
る。この血漿分離器ホルダー84は、中央より約30m
m下を支点として前面に約20゜傾斜して、血漿分離器
を装着できるようになっており、装着状態は、ラッチ型
マグネットキャッチにより保持および解除できるように
構成されている。
【0030】さらに、この血漿採取装置1の全面には、
カフ加圧用ポート93が設けられており、図1に示すよ
うに、カフ49に接続されたチューブが取り付け可能と
なっている。そして、このカフ加圧用ポート93は、血
漿採取装置1内に設けられたカフ圧力用ポンプ44と接
続され、さらに、ポート93内部の圧力を検知する圧力
センサ56およびリークバルブ54が取り付けられてい
る。カフ加圧用ポンプ44としては、血圧計用小型ポン
プが好適に使用でき、圧力センサ56としては、拡散型
半導体圧力センサが好適に使用できる。そして、カフ加
圧用ポート93よりカフ49に与えられる圧力は、+1
0〜+100mmHgを10mmHgごとに設定できる
ように構成されている。この設定圧力は、図2および図
3に示すフロントパネル80より入力できるようになっ
ている。さらに、血漿採取装置は、図1に示すように第
3送血管内の気泡を検知するための、気泡検知手段97
を備えている。気泡検知手段としては、超音波気泡セン
サが好適に使用できる。
【0031】そして、図1および図2に示すように、血
漿採取装置1には、血漿採取用容器10の重量を検出す
るための重量検知部99が設けられており、この重量検
知部99としては、外部出力付電子天秤が好適に使用さ
れ、この重量検知部99より、血漿採取用容器10の重
量が一定の周期で測定され、その測定データは、制御部
59に入力される。
【0032】次に、本発明の血漿採取装置1の作用を、
図1、図3ないし図12を参照して説明する。特に、血
漿採取装置1として、採血針21と、採血用容器5と、
採血針21と採血用容器5とを連通する第1送血管2
と、血漿分離器7と、採血用容器5と血漿分離器7の血
液流入口とを連通する第2送血管6と、血漿分離器7の
血液流出口と第1送血管2とを連通する第3送血管8
と、血漿採取用容器10と、血漿分離器7の血漿流出口
と血漿採取用容器10とを連通する血漿輸送管9と、抗
凝固剤収納容器45と、抗凝固剤収納容器45と採血用
容器5とを連通する抗凝固剤輸送管48とを有する血漿
採取回路を用い、血漿採取装置1が、採血用容器収納部
41と、採血用容器収納部41内部を加圧および減圧す
るための減圧・加圧手段58と、血漿分離器7を着脱自
在に取り付ける血漿分離器取付部と、単針式血漿採取回
路の第1送血管2を開閉するための第1の回路開閉手段
12と、第2送血管6または第3送血管8を開閉するた
めの第2の回路開閉手段13と、血漿輸送管9を開閉す
るための第3の回路開閉手段14と、抗凝固剤輸送管4
8を開閉するための第4の回路開閉手段46と、血漿採
取容器10の重量を検知する重量検知部99とを有して
おり、さらに、血漿採取装置1は、減圧・加圧手段58
を作動させて採血用容器収納部41内部を減圧状態と
し、採血用容器5内部に、抗凝固剤収納容器45より所
定量の抗凝固剤を注入させる抗凝固剤注入ステップと、
抗凝固剤注入ステップが終了した後、減圧・加圧手段5
8を作動させて採血用容器収納部41内部を減圧状態と
し、採血用容器5内部に、採血者より所定量の血液を採
血する採血ステップと、採血ステップが終了した後、減
圧・加圧手段58を作動させて採血用容器収納部41内
部を加圧状態とし、第1送血管2中の血液を採血者に返
血するとともに、第1送血管2中に、採血用容器5内部
に採血された血液を流入させる少量返血ステップと、少
量返血ステップが終了した後、減圧・加圧手段58を作
動させて採血用容器収納部41内部を加圧状態とし、採
血用容器5内部に採血された血液を血漿分離器7に流入
させ、血漿分離器7の血漿流出口より流出する血漿成分
を血漿採取用容器10に採取するとともに、血漿分離器
7の血球流出口より流出する血球成分を採血者に返血す
る分離・返血ステップを行うものである。
【0033】そして、血漿採取装置は、前記抗凝固剤注
入ステップ、前記採血ステップ、前記少量返血ステッ
プ、前記分離・返血ステップをこの順序で、設定回数繰
り返して行うものであり、さらに、それらのステップお
よびステップの進行は、ほぼ自動化されている。
【0034】特に、ここでは図3ないし図12を参照し
て、400ml用の採血用容器を用いて、1000ml
の血漿採取を行う場合を例に取り説明する。最初に、図
3に示すように、血漿採取装置1の電源スイッチをオン
にすると、イニシャライズとしてCPUの初期設定を行
った後、自動的に各部の電気的異常がチェックされる。
続いて、採血量(200mlまたは400ml、今回の
説明では、400ml)の設定、設定血漿採取量(今回
の説明では、1000ml)の設定および各設定パラメ
ータのデフォルトデータがRAMに転送される。さら
に、必要な場合は、血漿採取装置1の前面に設けられて
いるパラメーター設定スイッチを用いて、採血圧力、返
血圧力などのパラメーターの変更を行う。そして、蓋8
3を開くと、回路開閉手段12(CL12),13(C
L13),14(CL14),46(CL46)は開放
状態となる。また、減圧・加圧手段58のリークバルブ
50(LV50)は開放状態であり、減圧・加圧手段5
8の減圧・加圧切替バルブ51(V51),52(V5
2)ともに大気開放状態となっている。
【0035】そして、採血用容器収納台98の重量が検
知され、TWOとして記憶される。続いて、採血用容器
5のセットにエラーがない場合は、デフォルトデーター
セットととして、採血重量400ml、設定血漿採取量
=1000が入力される。そして、カフ加圧用ポート9
3にカフ49に接続されたチューブを取り付け、さら
に、カフ49を採血者に被着する。以上のセットが完了
した後、フロントパネルの開始スイッチをオンにする
と、図4のフローチャートの[3]に移行する。そして、
採血用容器の重量を検知(TW5)し、採血用容器の重
量が異常(TW0≧TW5)であると、採血用容器が採血
用容器収納部に収納されていないことを検知し、アラー
ムが作動し装着処理ルーチンに移行する。また、漏血、
フタが開いているとアラームが作動する。上記のアラー
ムの作動がない場合は、開始ランプが点灯し、抗凝固剤
注入モードに移行し、採血用容器収納部の圧力(BP)
の検知が開始される。
【0036】続いて、図5に示すフローチャートの[6]
に移行し、フロントパネルに設けられている抗凝固剤ラ
ンプ(ACDランプ)が点灯し、リークバルブ50が閉
塞状態となり、減圧・加圧切替バルブ51が通気状態と
なり、回路開閉手段46が開放状態となり、さらに真空
ポンプ43が作動し、採血用容器収納部41内部が減圧
状態となり、抗凝固剤収納容器45より採血用容器内5
に抗凝固剤(例えば、ACD液)が注入される。この抗
凝固剤の注入は、重量検知部57により、採血用容器5
の重量(NWN)より、抗凝固剤充填前の重量(NWO
を引いた重量が、抗凝固剤設定重量(W0)以上(NWN
−NWO≧W0)に達することが検知されるまで行われ、
上記の状態に達すると、真空ポンプ43(VP43)の
作動が停止するとともに、回路開閉手段46が閉塞状態
となり、リークバルブ50が開放状態となり、抗凝固剤
の注入作業が終了する。
【0037】また、所定時間内に、NWn−NWO≧W0
に達しないうちは、常に異常が発生しているか判断し、
異常が発生した場合は、異常処理を行う。続いて、カフ
圧力(CPR)が検知され、リークバルブ54が閉塞、
カフ加圧ポンプ44(CP44)が作動する。そして、
カフ圧力が設定値(P2)より高くなると(CPR≧
2)、スタンバイアラームが作動し、ACDランプが
消灯し、開始ランプが点滅する。また、所定時間内に、
CPR≧P2に達しないうちは、常にカフ圧異常である
か判断し、異常が発生した場合は、異常処理を行い、フ
ローチャートの[7]に移行する。
【0038】そして、穿刺針21を採血者の静脈に穿刺
し、採血者の静脈圧によって血液が穿刺針より送血管に
流入したことを確認した後、フロントパネル80に設け
られている開始スイッチをオンにする。これにより、図
6に示すフローチャート[8]に移行し、カフ加圧用ポン
プ44は、作動状態を維持し、後述するように、真空ポ
ンプと同様にポンプのON/OFF動作によって圧力
は、所定圧力範囲内に維持される。上記の真空ポンプの
作動により、採血用容器5内には、血液が流入する。そ
して、採血用容器5は、重量検知部57によりその重量
が逐次検知されており、採血用容器5の重量(NWN
が、設定重量[W1=採血設定重量+抗凝固剤重量
(W0)]以上(NWN≧W1)に達すると、回路開閉手
段12を閉塞し、リークバルブ50が開放状態となり、
真空ポンプ43、揺動モータ42、カフ加圧用ポンプ4
4の作動が停止し、バルブ51も大気開放状態となり、
採血作業が終了する。続いて、分離・返血ランプが点灯
し、少量返血モードに移行する。
【0039】また、所定時間内に、NWN≧W1に達しな
いうちは、常に異常が発生しているか判断し、異常が発
生した場合は、異常処理を行う。揺動追加データーがセ
ットされている場合は、さらに揺動を行い、採血ランプ
が消灯する。そして、図7に示すフローチャートの[9]
に移行する。
【0040】ここから少量返血モードに移行し、分離返
血ランプが点灯する。この少量返血モードは、採血終了
後、第1送血管2内の血液は、抗凝固剤が添加されてい
ない状態となっており、このまま放置すると、第1送血
管2の血液が凝固するので、少量返血を行うことによ
り、この第1送血管2内の血液を採血者に返血し、第1
送血管2内に採血用容器5中の抗凝固剤が添加された血
液流入させ、送血管2内での血液の凝固を防止するため
に行うものである。この少量返血モードでは、リークバ
ルブ50が閉塞状態、バルブ51が大気開放状態、バル
ブ52が通気状態となり、真空ポンプ43が作動し、採
血用容器収納部41内部を加圧状態とし、このときの採
血用容器5の重量をTW3として記憶し、回路開閉手段
12を開放状態とする。この少量返血は、返血前の採血
用容器の重量(TW3)より採血用容器の重量(TWN
を引いた重量が、[抗凝固剤加血液の設定返血重量(W
2)]以上(TW3−TWN≧W2)となるまで行われ、上
記の設定重量に達すると、少量返血作業が終了し、分離
・返血モードに移行し、回路開閉手段12が閉塞状態と
なり、回路開閉手段13が開放状態となる。
【0041】また、所定時間内に、TW3−TWN≧W2
に達しないうちは、常に異常が発生しているか判断し、
異常が発生した場合は、異常処理を行う。そして、採血
作業が1回目であること(N=1)を判断した場合は、
回路開閉手段14を少し遅らせて開放状態とする。これ
は、1回目のみ血漿分離器7内に充填されているプライ
ミング液(生理食塩水)により、血漿が希釈されないよ
うにするため、回路開閉手段14の開放タイミングを1
0〜20秒遅らせてプライミング液(生理食塩水)だけ
を流出させるためである。分離・返血モードでは、回路
開閉手段13,14が開放状態であり、真空ポンプ43
の作動が維持されている。このため、採血用容器5内部
の血液が血漿分離器7に流入し、血漿分離器7により分
離された血漿成分は、血漿輸送管9を通り血漿採取容器
10に流入する。また、血漿分離器7より流出する血球
成分は、第3送血管8および第1送血管2を通り採血者
に返血される。
【0042】そして、この作業中、血漿採取用容器10
の重量は、一定の周期で第1の計量手段である重量検知
部99により計量されており、同様に、採血容器5の重
量も、一定の周期で第2の計量手段である重量検知部5
7により計量されている。そして、次回の採血量が制御
部により演算され、その採血量に基づいて次回の採血が
行われる。次回の採血量の算出内容としては、第1の計
量手段である重量検知部99により計量される前回まで
の各回の採取血漿積算量(X)と、第2の計量手段であ
る重量検知部57により計量される前回までの各回の採
血積算量(Y)に基づき、次回の血漿採取作業における
適正採血量を算出し、その値に基づき全血の採取行う。
【0043】具体的には、制御部は、第1の計量手段9
9り計量される前回(N回)までの各回の採取血漿積算
量(X1,X2,X3,・・・・・・XN-1,XN)と、第2の計
量手段57り計量される前回(N回)までの各回の採血
積算量(Y1,Y2,Y3,・・・・・YN-1,YN:YN-1−YN
は一定)に基づき、以下の式(1)〜(5)に従って、 次回の予測血漿採取積算量(XN+1)=[(2YN
N-1)−b]/a・・・・(1) ただし、 a=[ΣXNN−N・(Xの平均値)・(Yの平均値)/
[ΣXN 2−N(Xの平均値)2] ・・・・・・(2) b=(Yの平均値)−a(Xの平均値) ・・・・・・(3) 設定血漿採取総量(Z)が、Z≧XN+1の場合は、 次回の適正採血量(yN+1)=YN−YN-1 ・・・・・・(4) Z<XN+1の場合は、 次回の適正採血量(yN+1)=(aZ+b)−YN ・・・・・・(5) 次回の血漿採取作業における適正採血量を算出し、その
算出値に基づき全血の採取を制御するものであることが
好ましい。
【0044】つまり、この実施例では、各回の採取血漿
積算量と、各回の採血積算量との値が、制御部59に入
力され、各回の採取血漿積算量と、各回の採血積算量と
の値より、最小二乗法に基づいて、採取血漿積算量と採
血積算量との関係の回帰直線がめられ、記憶される。そ
して、この作業は、新たな採取血漿積算量、採血積算量
が入力されるごとに行われ、制御部59の中には、新た
な採取血漿積算量と採血積算量との関係の回帰直線が記
憶される。そして、回帰直線における傾きであるa項
と、b項を用いて、設定血漿採取総量(Z)が、次回の
予測血漿採取積算量(XN+1)未満の場合は、上記の式
(5)を用いて次回の適正採血量(y)を演算するもの
である。
【0045】さらに、採血者のヘマトクリット値の上昇
および血漿分離手段の性能低下により血漿採取効率の低
下を見込んで設定される補正値であるα,β(αは、1
0〜30g、βは、5〜21g)を用いて、次回の適正
採血量(y)の補正を行ってもよい。具体的には、以下
の式を用いて、設定血漿採取総量(Z)が、Z+β≧X
N+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=YN−YN-1 ・・・・・・(4) Z+β<XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=(aZ+b)−YN+α ・・・・・・(5) このように、採血者のヘマトクリット値の上昇および血
漿分離手段の性能低下により血漿採取効率の低下を見込
んで設定される補正値を用いて補正することにより、よ
り適確な次回の適正採血量(y)を算出することができ
る。
【0046】そして、血漿採取用容器10の重量が、設
定血漿採取量に達すると、回路開閉手段13,14は開
放状態、バルブ51,52も大気開放状態となり、真空
ポンプ43の作動も停止し、分離・返血作業が終了し、
図8のフローチャート[11]に移行する。また、所定時間
内に、血漿採取用容器10の重量が、設定血漿採取量に
達しないうちは、異常が発生しているか判断し、異常が
発生した場合は、異常処理を行う。そして、予測血漿採
取積算量(XN+1)が設定血漿採取総量(Z)よりおお
きいか否か(Z<XN+1であるか)を判断し、Z<XN+1
でなければ、言い換えれば、Z≧XN+1であれば、図4
のフローチャート[14]に移行し、Z<XN +1であれば、
図9のフローチャートの[12]に移行し、採血用容器の重
量をTW1として記憶する。また、採血者のヘマトクリ
ット値の上昇および血漿分離手段の性能低下により血漿
採取効率の低下を見込んで設定される補正値であるα,
βを用いる場合は、そして、予測血漿採取積算量(X
N+1)が設定血漿採取総量(Z)よりおおきいか否か
(Z+β<XN+1であるか)を判断し、Z+β<XN+1
なければ、言い換えれば、Z+β≧XN+1であれば、図
4のフローチャート[14]に移行し、Z+β<XN+1であ
れば、図9のフローチャートの[12]に移行し、採血用容
器の重量をTW1として記憶する。
【0047】フローチャートの[12]に移行すると、再
び、ACDランプが点灯し、リークバルブ50が閉塞状
態、バルブ51が通気状態、バルブ52が大気開放状態
となり、真空ポンプ43が作動し、また、回路開閉手段
46が開放状態、リークバルブ54が閉塞状態となり、
カフ加圧ポンプ44が作動し、抗凝固剤収納容器45よ
り採血用容器内に、次回採血量に対応した量の抗凝固剤
(例えば、ACD液:W1)が、採血用容器5の重量
(NWN)よりTW1を引いた重量が、抗凝固剤設定重量
(W1)以上(NWN−TW1≧W1)となるまで注入さ
れ、上記の設定重量に達すると、回路開閉手段46が閉
塞状態となり、真空ポンプ43の作動が停止し、ACD
ランプが消灯する。また、所定時間内に、NWN−TW1
≧W1に達しないうちは、常に異常が発生しているか判
断し、異常が発生した場合は、異常処理を行う。そし
て、カフ圧力が設定値より高くなったとき(CPRN
2)、図6に示すフローチャートの[13]に移行し、再
び、採血が開始される。また、所定時間内に、CPRN
≧P2に達しないうちは、常に異常が発生しているか判
断し、異常が発生した場合は、異常処理を行う。
【0048】また、採取血漿量が、設定血漿採取量であ
ることを判断したとき、終了アラームが鳴り、開始ラン
プおよび分離返血ランプが消灯し、続いて終了ランプが
点灯し、採血者より穿刺針21を抜去する。そして、血
漿採取装置1の蓋を開けることにより、回路開閉手段1
2,13,14,46のすべてが開放状態となり、終了
ランプが消灯し、採血用容器収納部より採血用容器を取
り出し、また血漿分離器取付部より血漿分離器を取り外
し、血漿採取作業を完了する。
【0049】また、このフローチャートでは、採血用容
器の重量およびカフ圧力の検知において、異常が発生し
た場合、それを検知し、異常処理を行うようになってい
る。次に、図10、図11および図12を用いて、本発
明の血漿採取装置1の警告フローについて説明する。こ
の警告フローでは、常時、図10の左側のルートに示す
ように、血漿採取装置1の作動中、停止スイッチが押さ
れたか否か、採血流量が低下しているか否か、蓋が開放
しているか否か、漏血があるか否か、血漿分離および返
血モード中において気泡が検知されるか否かを順次判断
し、それぞれYESと判断したときに、警告フローに移
行するように構成されている。まず、採血流量の低下が
検知された場合は、採血時であるか判断し、そうであれ
ば、A=1であるか(A=1であれば、再度の採血流量
低下を意味する)を判断し、A=1でなければ、図12
に示すサブルーチンAに移行する。尚、この血漿採取装
置1では、採血用容器収納部41内部の圧力が設定圧力
を上限とし、設定圧力の0.8〜0.9を下限とするよ
うに真空ポンプのON/OFFを繰り返すことにより、
上記範囲内に圧力が維持されるように制御されている。
【0050】また、採血用容器収納部41に設けられて
いる重量検知部による重量の検知は、採血用容器収納部
41の揺動手段42の揺動周期ごとに検知し、そして、
前に検知した重量と比較することにより、採血流量の低
下を検知するように構成されている。そして、この採血
流量低下が検知されると、上記のように、図12に示す
サブルーチンAに移行する。そして、真空ポンプ43お
よび揺動手段42を停止させ、リークバルブ50を開放
状態とし、この状態を1秒間(T4)維持する。そし
て、採血圧力を設定圧力(P1)の1/2、すなわちP1
/2に自動設定し、真空ポンプ43および揺動ポンプ4
2を作動させ、リークバルブ50を閉塞状態とし、A=
1を自動入力し、再度採血を開始する。
【0051】そして、再度採血流量が低下すると、図1
0のフローチャートに示すように、A=1を判断し、さ
らに、採血用容器5の重量(NWN)より、所定の重量
(TW5)を引いた値が、設定重量(Wth)より多いか
否か(NWN−TW5>Wth)を判断し、YESであれば
(NOの場合は、図9の条件に該当する)、流量低下警
報ランプが点滅し、A=0を自動入力し、アラーム82
が作動し、図11のフローチャートの[20]に移行し、そ
して、図11に示すように、真空ポンプ43および揺動
手段42を停止させ、リークバルブ50およびリークバ
ルブ54を開放状態とし、続いて、回路開閉手段のすべ
てを閉塞状態とし、開始スイッチが点滅し、中断スイッ
チが点滅する。
【0052】続いて、開始スイッチのON/OFF、中
断スイッチのON/OFFを判断する。そして、開始ス
イッチON、蓋の閉が検知された場合は、中止ランプが
消灯し、開始ランプが点灯し、警報ランプが消灯し、図
12のフローチャートの[21]に移行する。また中断スイ
ッチのONを確認することにより、警報ランプ、開始ス
イッチ、中止スイッチが消灯し、図4のフローチャート
の[2]に移行して、血漿採取作業を中止する。
【0053】
【発明の効果】本発明の血漿採取装置は、採血者から全
血を採取するための採血回路と、採取される全血に血液
抗凝固剤を添加するための抗凝固剤添加回路と、抗凝固
剤が添加された全血を血漿成分と血球成分に分離する血
漿分離手段と、分離された血漿成分を採取する血漿採取
容器と、分離された血球成分を採血者に返還するために
血球成分返還回路とを少なくとも有する血漿採取回路を
制御するための血漿採取装置であって、該血漿採取装置
は、前記血漿採取容器に採取された血漿量を検知する第
1の計量手段と、前記採血回路に設けられた採血容器に
採取された全血量を検知する第2の計量手段と、前記採
血回路により全血を採取し、採取した全血を血漿成分と
血球成分に分離し、血漿成分を前記血漿採取容器に採取
し、かつ血球成分を採血者に返還する血漿採取作業を、
総血漿採取量が設定血漿採取総量に到達するまで、繰り
返して行われるように制御する制御部とを有し、該制御
部は、前記第1の計量手段により計量される前回までの
各回の採取血漿積算量(X)と、前記第2の計量手段に
より計量される前回までの各回の採血積算量(Y)に基
づき、次回の血漿採取作業における適正採血量を算出
し、その算出値に基づき全血の採取を制御する採血量制
御機構を有しているので、次回の血漿採取作業における
適正な量の採血が行われ、正確な量の血漿を採取するこ
とができ、かつ、目的とする血漿量を無駄な採血を行う
事なく、効率よく採取することができる。特に、血漿中
より病因性物質を除去した浄化血漿を患者に返還しする
血漿浄化療法を行う場合、通常の血漿献血の場合に比
べ、大量かつ正確な量の血漿採取が必要となるため、こ
の血漿採取装置は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、血漿採血回路を取り付けた状態の本
発明の血漿採取装置の実施例の該略図である。
【図2】図2は、血漿採血回路を取り付けない状態の本
発明の血漿採取装置の実施例の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施例の血漿採取装置の作用
を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施例の血漿採取装置の
作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施例の血漿採取装置の
作用を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施例の血漿採取装置の
作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 血漿採取装置 2 第1送血管 5 採血用容器 6 第2送血管 7 血漿分離器 8 第3送血管 9 血漿輸送管 10 血漿採取用容器 12 回路開閉手段12 13 回路開閉手段13 14 回路開閉手段14 41 採血用容器収納部 57 採血用容器の重量検知部 58 減圧・加圧手段 59 制御部 99 血漿採取容器の重量検知部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採血者から全血を採取するための採血回
    路と、採取される全血に血液抗凝固剤を添加するための
    抗凝固剤添加回路と、抗凝固剤が添加された全血を血漿
    成分と血球成分に分離する血漿分離手段と、分離された
    血漿成分を採取する血漿採取容器と、分離された血球成
    分を採血者に返還するために血球成分返還回路とを少な
    くとも有する血漿採取回路を制御するための血漿採取装
    置であって、該血漿採取装置は、前記血漿採取容器に採
    取された血漿量を検知する第1の計量手段と、前記採血
    回路に設けられた採血容器に採取された全血量を検知す
    る第2の計量手段と、前記採血回路により全血を採取
    し、採取した全血を血漿成分と血球成分に分離し、血漿
    成分を前記血漿採取容器に採取し、かつ血球成分を採血
    者に返還する血漿採取作業を、総血漿採取量が設定血漿
    採取総量に到達するまで、繰り返して行われるように制
    御する制御部とを有し、該制御部は、前記第1の計量手
    段により計量される前回までの各回の採取血漿積算量
    (X)と、前記第2の計量手段により計量される前回ま
    での各回の採血積算量(Y)に基づき、次回の血漿採取
    作業における適正採血量を算出し、その算出値に基づき
    全血の採取を制御する採血量制御機構を有していること
    を特徴とする血漿採取装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記第1の計量手段によ
    り計量される前回(N回)までの各回の採取血漿積算量
    (X1,X2,X3,・・・・・・XN-1,XN)と、前記第2の
    計量手段により計量される前回(N回)までの各回の採
    血積算量(Y1,Y2,Y3,・・・・・・YN-1,YN)に基づ
    き、以下の式(1)〜(5)に従って、 次回の予測血漿採取積算量(XN+1)=[(2YN−YN-1)
    −b]/a・・・・・(1) ただし、 a=[ΣXNN−N・(Xの平均値)・(Yの平均値)/
    [ΣXN 2−N(Xの平均値)2] ・・・・・・(2) b=(Yの平均値)−a(Xの平均値) ・・・・・・(3) 設定血漿採取総量(Z)が、 Z≧XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=YN−YN-1 ・・・・・・(4) Z<XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=(aZ+b)−YN ・・・・・・(5) 次回の血漿採取作業における適正採血量を算出し、その
    算出値に基づき全血の採取を制御するものである請求項
    1に記載の血漿採取装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、前記第1の計量手段によ
    り計量される前回(N回)までの各回の採取血漿積算量
    (X1,X2,X3,・・・・・・XN-1,XN)と、前記第2の
    計量手段により計量される前回(N回)までの各回の採
    血積算量(Y1,Y2,Y3,・・・・・・YN-1,YN)に基づ
    き、以下の式(1)〜(5)に従って、 次回の予測血漿採取積算量(YN+1)=[(2YN
    N-1)−b]/a・・・(1) ただし、 a=[ΣXNN−N・(Xの平均値)・(Yの平均値)/
    [ΣXN 2−N(Xの平均値)2] ・・・・・・(2) b=(Yの平均値)−a(Xの平均値) ・・・・・・(3) 設定血漿採取総量(Z)が、 Z+β≧XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=YN−YN-1 ・・・・・・(4) Z+β<XN+1の場合は、 次回の適正採血量(y)=(aZ+b)−YN+α ・・・・・・(5) (ただし、α,βは、採血者のヘマトクリット値の上昇
    および血漿分離手段の性能低下により血漿採取効率の低
    下を見込んで設定される補正値であり、αは、10〜3
    0g、βは、5〜21g) 次回の血漿採取作業における適正採血量を算出し、その
    算出値に基づき全血の採取を制御するものである請求項
    1に記載の血漿採取装置。
  4. 【請求項4】 前記血漿採取回路は、浄化血漿を添加す
    るための浄化血漿添加回路を有している請求項1ないし
    3のいずれかに記載の血漿採取装置。
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