JPH07265416A - 血液ポンプの制御装置 - Google Patents

血液ポンプの制御装置

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JPH07265416A
JPH07265416A JP6099053A JP9905394A JPH07265416A JP H07265416 A JPH07265416 A JP H07265416A JP 6099053 A JP6099053 A JP 6099053A JP 9905394 A JP9905394 A JP 9905394A JP H07265416 A JPH07265416 A JP H07265416A
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blood
molecular weight
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pump
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JP6099053A
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Tomoyoshi Zenki
智義 善木
Kazuo Oraku
和夫 大楽
Hiroshi Tachibana
博 立花
Kohei Noma
耕平 野間
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 患者の特性に応じて生じる濾過器の目詰まり
を未然に防止するように自動制御することができる二重
濾過型の血液処理装置を提供する。 【構成】 二重濾過型の血漿処理装置において、二次濾
過器7の導入側に設けた血漿ポンプM2の血漿流量を検
知する回転数検出器19と、検知された血漿処理量を積
算する血漿処理量積算手段Aと、二次濾過器7の上流側
と下流側で検出した圧力間の所定の引き算式により二次
濾過器7の濾過圧ΔPを算出する濾過圧算出手段Dと、
算出した濾過圧ΔPと積算した血漿処理量Vが予め患者
毎の特性に合わせて記憶手段Cに記憶した設定濾過圧特
性に追従するべく血漿ポンプM3,M4を駆動制御する
ためのポンプ駆動信号作成手段Cを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液を体外循環回路に
取り出して病気の原因物質の除去処理をして返血する医
療機器の一つである二重濾過型の血液処理装置におけ
る、血液ポンプの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血液より病気の原因物質を含む血
漿成分を除去して返血する血漿処理装置として、血漿交
換装置、血漿吸着装置、二重濾過型の血液処理装置があ
る。血漿交換装置は、血液から分離した血漿成分を全て
除去するために、補充すべき血漿等の血液製剤が大量に
必要となるのに対して、血漿吸着装置では血漿中の特定
の病因関連物質を吸着して除去する吸着材を備えてお
り、かかる病因関連物質以外の血漿成分を返血するの
で、血漿等の必要な血液製剤量を減少させることができ
る。一方、本願発明が対象とする二重濾過型の血液処理
装置も同様にして必要な血漿等の血液製剤量の減少を図
ることができるもので、一次濾過器に加えて、血漿成分
からグロブリン等の病因関連物質が含まれる高分子量成
分とアルブミン等の人体に有益な低分子量成分とにさら
に分離する二次濾過器とを備え、前記血球成分と血漿の
低分子量成分とをアルブミン溶液等の補液とともに返血
する装置である。
【0003】そして、かかる特徴を有する二重濾過型の
血液処理装置は、上記血漿吸着装置と同様に必要な血液
製剤量を減少させることができるとともに、特に腎不
全、肝不全、自己免疫疾患等の治療として用いられてい
る。しかし、この種の二重濾過型の血液処理装置におい
て、濾過膜の目詰まりが生じた場合には二次濾過器を洗
浄又は交換する必要がありその間治療を中断する必要が
あった。従来この種の目詰まりの原因が、二次濾過器の
上流側である流入血漿圧が上昇することにある点に鑑み
て、流入血漿圧力を所定範囲に制御するようにした装置
が提案されている(例えば、特公平2−13585号公
報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二次濾
過器の目詰まりについては、とりわけ患者自体の病因に
よりその血液状態が異なること等が大きく左右している
にもかかわらず、上記した従来の装置では、患者自体の
特性に応じて二次濾過器の目詰まりを防止するものでな
かった。このため、同じ患者に対しては、同様な目詰ま
りが起こりやすくその度に治療を中断しなくてはならな
いという問題があった。本発明は、二次濾過器の目詰ま
りの起こり易さが個人差にある点に鑑み、その個性に合
わせて制御手順を変更できるように構成して、目詰まり
を起こさないで安定した治療を継続することができる装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の血液ポンプの制御装置は、血液を血球成分と血漿成
分に分離する一次濾過器と、該一次濾過器よりも小さい
膜孔径を有し、前記血漿成分を高分子量成分と低分子量
成分とにさらに分離する二次濾過器とを備え、前記分離
した血球成分と血漿の低分子量成分とを補液とともに返
血するべく体外循環回路を構成した二重濾過型の血液処
理装置において、前記濾過器の導入部に設けたポンプの
流量を検知する検知手段と、検知された処理量を積算す
る処理量積算手段と、該濾過器の上流側と下流側との圧
力を検知する圧力検知部と、これら圧力検知部の出力か
ら濾過器の濾過圧を算出する濾過圧算出手段と、該算出
した濾過圧と積算した処理量が設定濾過圧特性に追従す
るべくポンプを駆動制御するためのポンプ駆動信号作成
手段を備えた装置である。
【0006】本発明に係る請求項2記載の血液ポンプの
制御装置は、請求項1記載における前記二次濾過器の血
漿成分導入回路に血漿導入圧力P4を検知する第1の圧
力検知部と、二次濾過器の高分子量成分導出回路に高分
子量成分導出圧力P5を検知する第2の圧力検知部と、
二次濾過器の低分子量成分導出回路に低分子量成分導出
圧力P6を検知する第3の圧力検知部を備え、前記濾過
圧算出手段で算出される濾過圧は、これら第1乃至第3
の圧力検知部で検出される圧力値からαP4+βP5−
γP6(α,β,γ≧0)で規定されるΔPである装置
である。
【0007】本発明に係る請求項3記載の血液ポンプの
制御装置は、請求項2におけるαが1/2、βが1/
2、γが1である装置である。
【0008】本発明に係る請求項4記載の血液ポンプの
制御装置は、請求項1における前記ポンプが、二次濾過
器の高分子量成分の導出側に設けた高分子量成分排出ポ
ンプである装置である。
【0009】本発明に係る請求項5記載の血液ポンプの
制御装置は、請求項4における前記高分子量成分排出ポ
ンプに連動して制御される補液導入用ポンプを備えた装
置である。
【0010】本発明に係る請求項6記載の血液ポンプの
制御装置は、請求項1における前記設定濾過圧特性が外
部記憶手段に記憶されている装置である。
【0011】本発明に係る請求項7記載の血液ポンプの
制御装置は、請求項1記載の前記圧力検知部の少なくと
も一つがピロー型圧力計である装置である。
【0012】
【作用】二重濾過型の血液処理装置において、濾過器の
上流側と下流側との圧力差である濾過圧を算出する一方
で、導入部に設けたポンプの流量を積算して積算処理量
を求め、これらの値の関係を示す特性として予め決めた
設定濾過圧特性に追従するべくポンプを回転制御するの
で、濾過器の目詰まりを防止するべく血液処理を行うこ
とができるので、目詰まりによる治療中断を防止でき
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る血液ポンプの制御装置の
実施例について図面を参照して説明する。図1は本例の
二重濾過型の血液処理装置を示す全体回路図である。本
例の血液処理装置は、二次濾過器の目詰まりを防止する
ための構成を示しているが、勿論一次濾過器に対しても
適用できる。ここで言う全体回路図とは、患者から採取
した血液を体外循環させ、所定の処理を行ったあとに患
者に返血するに至る経路を意味しており、さらに該全体
回路は該経路の途中に設けた流量制御器であるポンプM
1〜M4の導入側(一次側)及び導出側(二次側)によ
ってその流量が変化されるので、これらポンプM1〜M
4の前後の回路では別回路を構成する。また、上流、下
流というのは、以下では一次濾過器及び二次濾過器を中
心にそれぞれの採血側を上流といい、それぞれの返血側
を下流としている。
【0014】図1において、採血端1から採血ポンプM
1の導入側に至る回路は、患者から血液を適正な採血圧
により採取するための採血回路2である。そして、採血
回路2により取り出された患者の血液は、血液導入回路
3を介して一次濾過器4に導入される。一次濾過器4
は、ホロファイバー等からなる濾過膜5の細孔による篩
作用により血球成分と血漿成分とを分離するものであ
る。
【0015】一次濾過器4からの血漿導出回路である血
漿成分導出回路6には血漿ポンプM2が配され、この血
漿ポンプM2の導出側から二次濾過器7に至る回路は血
漿を導入させる血漿成分導入回路8である。二次濾過器
7は、一次濾過器4の濾過膜5よりも小さな孔径の濾過
膜9によって仕切られており、二次濾過器7に導入され
た血漿成分は、血漿ポンプM2と高分子量成分排出ポン
プM3との回転差によって生じる圧力によりグロブリン
等の病因関連物質を含んでいる高分子量成分と、人体に
有益なアルブミン等の成分を含んでいる低分子量成分に
分離される。
【0016】分離された低分子量成分は、低分子量成分
導出回路10を介して、前記一次濾過器4の血球成分導
出回路11から導出された血球成分と混合された後、返
血回路12から患者の血管内(返血端13)に返還さ
れ、高分子量成分は高分子量成分導出回路14を介して
高分子量成分排出ポンプM3の駆動により貯留容器15
に貯留されたのち廃棄される。
【0017】一方、二次濾過器7で除去された血漿分を
補うために補液容器16に貯留されているアルブミン等
の補液は、補液ポンプM4の導出側から形成される補液
導入回路17を通って、前記低分子量成分導出回路10
へ導入されている。ここで、補液ポンプM4は、高分子
量成分排出ポンプM3との連動制御により、排出される
血漿成分と補液の導入量が等量となるように流量調整を
行うものである。
【0018】ところで、図1に示す回路において、採血
回路2、血液導入回路3、血漿成分導出回路6、血漿成
分導入回路8、高分子量成分導出回路14、低分子量成
分導出回路10、返血回路12には、血液中の気泡を除
去するためのドリップチャンバーと、そのドリップチャ
ンバー内の空気室の圧力を検出する圧力計が設けられ、
これら圧力計によってP1〜P7の圧力値が検出され
る。
【0019】ポンプM1〜M4にはそれぞれ回転数検出
器18〜21が設けられている。回転数検出器19によ
り検知された血漿ポンプM2の回転数は、血漿処理量積
算手段Aに入力され、ここで処理血漿の積算量Vを算出
して、ポンプ駆動信号作成手段Bへ送られる。ポンプ駆
動信号作成手段Bは、予め設定されているた設定濾過圧
カーブ記憶手段Cの内容を参照し、前記算出した積算量
Vに見合った設定濾過圧力Pを読み出す。一方、濾過圧
算出手段Dは、前記圧力計によって検知された圧力値P
4〜P6から、 ΔP=(P4+P5)/2−P6 で表される濾過圧ΔPを算出し、この濾過圧ΔPが前記
設定濾過圧力Pと等しくなるようにポンプM3を制御
し、さらに排出される高分子量成分と等量の補液を導入
するためにポンプM4を駆動制御する。ここで算出する
濾過圧ΔPは、P4−P6で算出してもよいが、上式の
ようにして求める方が、二次濾過器8の導入側圧力と高
分子量成分排出側の圧力が異なる場合でもその平均的な
値をとり、目詰まりが平均的な濾過圧差によって決まる
のでより好ましい。
【0020】上記した各ポンプM1〜M4は、圧力計で
の検出値P1〜P7をもとにして予め決めた手順にした
がってその回転数がマイクロコンピュータによって制御
されている。図2はこのポンプ制御部22のハードウェ
ア構成を示すブロック図である。図2において、上記圧
力計P1〜P7で検出されるアナログ信号は、マルチプ
レクサ23に並列入力され、CPU24の指令に従って
選択した信号をA/D変換器25に入力してデジタル信
号に変換して、CPU24に入力されている。一方CP
U24は、一定の手順に従って各ポンプM1〜M4の回
転数の制御信号を出力し、その信号はD/A変換器26
でポンプ制御用のアナログ信号に変換して出力される。
なお、図面では、以下の説明の便宜上、本例においては
二次濾過器7の導出側の圧力を制御対象としているの
で、ポンプM3及びM4についての出力回路のみを示し
ている。
【0021】27は、血漿処理量の積算処理を行うのに
必要な時計(タイマー回路)である。前記設定濾過圧カ
ーブは、血漿処理量Vと濾過圧力Pの関係を2次元のマ
ップ状に記憶したもの、あるいはP=f(V)で表され
る関数で記憶したものであり、半導体メモリ等の内部メ
モリ28として予め記憶しておいてもよいし、ICカー
ドメモリあるいは磁気ディスク等の外部記憶手段29に
患者毎に記憶したものを準備して患者個人ごとに治療デ
ータを記憶するようにしておくと、治療時の各種パラメ
ータを自動的に設定できて便利である。
【0022】具体的な制御方法は、採血ポンプM1は採
血圧力P1が設定範囲内になるようにして、採血圧力が
陰圧になって採血回路2の送液パイプが押しつぶされな
いようにするとともに、血漿ポンプM2との回転差によ
って一次濾過器4の濾過膜5に目詰まりが発生しないよ
うに制御している。さらに、二次濾過器7の上流側と下
流側に設けられている血漿ポンプM2及び高分子量成分
排出ポンプM3は、返血端13側の患者の姿勢変化等に
よって二次濾過器7の下流側の圧力が変化しても、この
二次濾過器7における濾過流量を一定にして、目詰まり
が起こらないように制御している。補液ポンプM4は、
廃棄された高分子量成分の血漿量を補液で補えるように
例えば高分子量成分排出ポンプM3の回転数に同期して
回転制御されている。
【0023】そして、本発明において特徴があるのは、
二次濾過器7の下流側にあるポンプM3のポンプ制御で
あり、ポンプM3の制御手順については図3の流れ図に
示している。まず、ステップ1乃至ステップ3の予備ス
テップをおこなう。すなわち、ステップS1おいて内部
メモリ28又は外部記憶手段29に予め記憶している患
者の病状に応じた設定濾過圧特性(カーブ)を入力す
る。そして、ステップS2において時間制御変数t
時計27で計時されている現在時刻tをセットし、ステ
ップS3では血漿処理量Vの初期値として「0」をセッ
トする。
【0024】次いで、ステップS4において、血液処理
を開始するにつれて回転数検出器18〜21で検出され
た回転数R1〜R4、圧力計で検出される圧力値P1〜
P7、時計27で計時される現在時刻tの各データを入
力し、これら各データを基にして、ステップS5におい
て血液処理を開始したときから現在時刻における血漿処
理量の変分量〔回転数R2に対応する時間当たりの流量
VR2×(t−t)〕を加えて、現在時刻における積
算血漿処理量Vを計算する。そして、ステップS6では
積算した血漿処理量に対応する設定濾過圧特性における
設定濾過圧Pを計算又はマップ参照により求める。さら
に、ステップS7では上記式に基づいて濾過圧ΔPを求
める。
【0025】ステップS8においては、現在時刻におけ
る高分子量成分排出ポンプM3の回転数R3を回転数制
御変数R3′にセットし、ステップ9及び10において
濾過圧ΔPと設定濾過圧Pとを比較する。ΔP>Pであ
れば、濾過圧を減らすようにポンプM3の回転数を増加
制御するステップ11〜13に移行する。すなわち、ス
テップ11では、現在時刻のポンプM3の回転数R3に
増加変分定数R0の値だけ加えた値を新たな回転数制御
変数R3′となし、ステップ12及び13においてこの
R3′の値が、安定して運転できる最大回転数Rmax
を超えないように、その上限値をRmaxとする。
【0026】一方、上記とは逆にΔP<Pであれば、濾
過圧を増やすようにポンプM3の回転数を減少制御する
ステップ14〜16に移行する。すなわち、ステップ1
4では、現在時刻のポンプM3の回転数R3に減少変分
定数R0′の値だけ差し引いた値を新たな回転数制御変
数R3′となし、ステップ15及び16においてポンプ
M3が逆転しないように「0」より小さくならないよう
に、その下限値を「0」とするようにしている。
【0027】しかして、ΔPがPに一致しない場合は、
上記のようにして回転数制御変数R3′が「0」からR
maxの値の範囲内で決められ、ΔPがPに等しい場合
には、ポンプM3の回転数はその時刻の状態のまま維持
される。そして、このようにして決定された回転数制御
変数R3′にもとづいてステップ17において回転数の
制御信号をポンプM3に送り、ステップ18において時
刻の初期化を行ってステップ4に戻る。
【0028】しかして、二次濾過器7の目詰まりの起こ
り易さは、患者の病状ごとに異なるため、設定濾過圧力
Pの値は、二次濾過器7の処理能力を最も有効に活用で
きるように、患者の病状により濾過器の許容圧力範囲内
で任意に設定される。例えば、許容圧力が200mmH
g以下の濾過器を用いる場合には、0〜200mmH
g、好ましくは20〜100mmHgの範囲で選ぶこと
ができる。例えば、2000mlの血漿を処理する場合
には図4(a)のように積算処理血漿量Vと濾過圧Pと
の関係を線型の関係とした濾過圧特性を設定することが
できる。
【0029】また、二次濾過器7の目詰まりが起きやす
い場合には、図4(b)のように積算処理血漿量が小さ
いときから早く濾過圧を立ち上げるようて濾過圧特性を
設定しておけば、治療初期より排出する血漿が多くな
り,目詰まりを抑止することができる。さらに、図4
(a)と(b)との中間状態の特性としては、図4
(c)に示すように、積算処理血漿量に対する初期の濾
過圧特性の立ち上がりがやや緩やかでありかつ徐々に所
定の濾過圧に漸近するような特性としたり、図4(c)
とは逆に血液処理の初期には濾過圧を徐々にあげるよう
にして、所定量以上の血漿量を処理した後に一気に濾過
圧を上昇させる特性とすることもできる〔図4
(d)〕。
【0030】要は、患者の血液に含まれる病因関連物質
が血液処理を開始してから、その血液成分がどの様に変
化するのかが、その患者の病因によって異なるので、そ
れに応じた特性とすればよく、図4(a)〜(d)で示
した特性は例示に過ぎないものである。
【0031】図5は、本発明に係る他の実施例を示す全
体回路図である。本例では、圧力計の一部に、特開平3
−254754号公報に記載された如く、送液パイプの
途中に間挿した塩化ビニール等の弾性材料からなる袋状
の圧力反応治具の変形量をロードセル型の荷重センサの
電気出力で検出する圧力センサである、いわゆるピロー
型圧力計30を用いて圧力値P1′〜P7′を検知し、
さらに高分子量成分排出ポンプM3と補液ポンプM4の
代わりに同一駆動ローラーポンプM3′を用いた例であ
る。このようにピロー型圧力計30を圧力計の一部ある
いは全部に用いることにより、回路の構造は簡単になり
回路着脱時の取扱いが容易になる。また、図5の返血回
路12には加温器31を挿入して、返血温度を採血時の
温度になるようにしているが、この装置は勿論図1にお
いても設けることができるものである。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、患
者の特性に応じて生じる濾過器の目詰まりを未然に防止
するように自動制御することができるので安定した治療
を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る血液ポンプ制御装置のクレーム対
応図を含んだ二重濾過型の血液処理装置を示す全体回路
図である。
【図2】ポンプ制御部のハードウェア構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】ポンプ制御手順を例示する流れ図である。
【図4】設定濾過圧特性の例を示すグラフである。
【図5】他の実施例を示す全体回路図である。
【符号の説明】
1…採血端 2…採血回路 3…血液導入回路 4…一次濾過器 5…濾過膜 6…血漿成分導出回路 7…二次濾過器 8…血漿成分導入回路 9…濾過膜 10…低分子量成分導出回路 12…返血回路 13…返血端 14…高分子量成分導出回路 M1…採血ポンプ M2…血漿ポンプ M3…高分子量成分排出ポンプ M4…補液ポンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液を血球成分と血漿成分に分離する一
    次濾過器と、該一次濾過器よりも小さい膜孔径を有し、
    前記血漿成分を高分子量成分と低分子量成分とにさらに
    分離する二次濾過器とを備え、前記分離した血球成分と
    血漿の低分子量成分とを補液とともに返血するべく体外
    循環回路を構成した二重濾過型の血液処理装置におい
    て、前記濾過器の導入部に設けたポンプの流量を検知す
    る検知手段と、検知された処理量を積算する処理量積算
    手段と、該濾過器の上流側と下流側との圧力を検知する
    圧力検知部と、これら圧力検知部の出力から濾過器の濾
    過圧を算出する濾過圧算出手段と、該算出した濾過圧と
    積算した処理量が設定濾過圧特性に追従するべくポンプ
    を駆動制御するためのポンプ駆動信号作成手段を備えた
    ことを特徴とする血液ポンプの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記二次濾過器の血漿成分導入回路に血
    漿導入圧力P4を検知する第1の圧力検知部と、二次濾
    過器の高分子量成分導出回路に高分子量成分導出圧力P
    5を検知する第2の圧力検知部と、二次濾過器の低分子
    量成分導出回路に低分子量成分導出圧力P6を検知する
    第3の圧力検知部を備え、前記濾過圧算出手段で算出さ
    れる濾過圧は、これら第1乃至第3の圧力検知部で検出
    される圧力値からαP4+βP5−γP6(α,β,γ
    ≧0)で規定されるΔPであることを特徴とする請求項
    1記載の血液ポンプの制御装置。
  3. 【請求項3】 αが1/2、βが1/2、γが1である
    ことを特徴とする請求項2記載の血液ポンプの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ポンプは、二次濾過器の高分子量成
    分の導出側に設けた高分子量成分排出ポンプであること
    を特徴とする請求項1記載の血液ポンプの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記高分子量成分排出ポンプに連動して
    制御される補液導入用ポンプを備えたことを特徴とする
    請求項4記載の血液ポンプの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記設定濾過圧特性が外部記憶手段に記
    憶されていることを特徴とする請求項1記載の血液ポン
    プの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記圧力検知部の少なくとも一つがピロ
    ー型圧力計であることを特徴とする請求項1記載の血液
    ポンプの制御装置。
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