JP2002272837A - 血液成分採取装置 - Google Patents

血液成分採取装置

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JP2002272837A
JP2002272837A JP2001074940A JP2001074940A JP2002272837A JP 2002272837 A JP2002272837 A JP 2002272837A JP 2001074940 A JP2001074940 A JP 2001074940A JP 2001074940 A JP2001074940 A JP 2001074940A JP 2002272837 A JP2002272837 A JP 2002272837A
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Atsushi Suzuki
篤 鈴木
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心分離により得られた血小板等の所望の血
液成分の収率または該血小板中の白血球の除去率が高い
血液成分採取装置を提供する。 【解決手段】 血液成分採取装置1は、内部に貯血空間
146を有するローター142と貯血空間146に連通
する流入口143および排出口144とを有し、ロータ
ー142の回転により流入口143より導入された血液
を貯血空間146内で複数の血液成分に遠心分離する遠
心分離器20を有している。この遠心分離器20の側方
および上方には、それぞれ、第1の光学式センサ15と
第2の光学式センサ15’とが設置されている。これら
の光学式センサ15、15’は、それぞれ、貯血空間1
46に向って投光するとともにその反射光を受光し、そ
の受光光量の変化に基づき血液成分の界面の位置(界面
B)を検出する。また、第1の光学式センサ15と前記
第2の光学式センサ15’とは、それぞれ、投光方向が
異なり、それらの投光光の光軸同士は、非平行である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液を複数の血液
成分に分離するとともに分離された血液成分を採取する
血液成分採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】採血を行う場合、現在では、血液の有効
利用および供血者の負担軽減などの理由から、採血血液
を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必
要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還す
る成分採血が行われている。
【0003】このような成分採血において、血小板製剤
を得る場合、供血者から採血した血液を血液成分採取回
路に導入し、該血液成分採取回路に設置された遠心ボウ
ルと呼ばれる遠心分離器により、血漿、白血球、血小板
および赤血球の4成分に分離し、その内の血小板を容器
に回収して血小板製剤とし、残りの血漿、白血球および
赤血球は、供血者に返血することが行われる。
【0004】このような血小板を採取する装置として
は、例えば、特許第2776988号公報に開示されて
いるアフェレーシス装置(血液成分採取装置)がある。
【0005】このアフェレーシス装置では、遠心分離器
(分流領域)内に全血を送り込み、遠心分離して低密度
成分(血漿)、中間密度成分(血小板、白血球)および
高密度成分(赤血球)に分離し、低密度成分を第1の容
器に取り出した後、回路を切り替えてその低密度成分を
一定流量で分流領域(貯血空間)へ循環させて、分流領
域内の中間密度成分領域を広げ、次いで、加速流量で分
流領域へ供給(循環)している間に血小板を採取するこ
とが行なわれている。
【0006】また、このアフェレーシス装置では、光学
センサー(光学式センサ)により分流領域内の中間密度
成分の位置を監視し、かかる光学センサーの検出に応じ
て、低密度成分の分流領域への一定流量での循環を開始
するようになっている。
【0007】しかしながら、このようなアフェレーシス
装置では、光学センサーが1つしか設けられていないた
め、分離領域内の中密度成分の最適位置を検出して、低
密度成分の分流領域への一定流量での循環を開始したと
しても、その後の工程において、中密度成分の位置が血
小板を採取するための最適位置に移動しているか否かを
確認することができない。このため、中密度成分の位置
が血小板を採取するための最適位置にない場合には、血
小板の採取量が減少したり、採取された血小板の中に白
血球が混入する割合が大きくなったりすることがある。
【0008】その結果、血小板製剤の品質低下を招くこ
ととなり、特に、白血球の混入の割合が高い血小板製剤
を使用した場合には、肝炎、エイズ、GVHD等の感染
の確率が高くなるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、遠心
分離により得られた血小板等の所望の血液成分の収率ま
たは該血小板中の白血球の除去率が高い血液成分採取装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(24)の本発明により達成される。
【0011】(1) 血液を複数の血液成分に分離する
とともに分離された血液成分を採取する血液成分採取装
置であって、内部に貯血空間を有するローターと、前記
貯血空間に連通する流入口および排出口とを有し、前記
ローターの回転により前記流入口より導入された血液を
前記貯血空間内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分
離器と、前記流入口と採血手段とを接続する第1のライ
ンと、前記排出口に接続された第2のラインと、前記第
1のラインと第2のラインとにそれぞれ接続された血漿
採取バッグと、前記第2のラインに接続された血小板採
取バッグと、前記貯血空間に向って投光するとともにそ
の反射光を受光し、その受光光量の変化に基づき前記血
液成分の界面の位置を検出する第1の光学式センサおよ
び第2の光学式センサとを備え、前記第1の光学式セン
サと前記第2の光学式センサとは、それぞれ、投光方向
が異なっていることを特徴とする血液成分採取装置。
【0012】(2) 前記第1の光学式センサと前記第
2の光学式センサとは、隣接して設置されている上記
(1)に記載の血液成分採取装置。
【0013】(3) 前記第1の光学式センサの前記貯
血空間への投光光の光軸S1と、前記第2の光学式セン
サの前記貯血空間への投光光の光軸S2とは、非平行で
ある上記(1)または(2)に記載の血液成分採取装
置。
【0014】(4) 前記光軸S1と前記光軸S2とのな
す角度が、15〜85°である上記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0015】(5) 前記ローターは、前記貯血空間よ
り内側に、前記第1の光学式センサおよび前記第2の光
学式センサからの投光光を反射する反射面を備え、該反
射面は、前記ローターの回転軸とのなす角度が互いに異
なる第1の面および第2の面と、これらの第1の面と第
2の面とを接続し、前記貯血空間に向って突出する湾曲
凸面とを有し、前記第1の光学式センサは、前記第1の
面に対してほぼ垂直に投光し、前記第2の光学式センサ
は、前記第2の面または前記湾曲凸面に対してほぼ垂直
に投光する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の
血液成分採取装置。
【0016】(6) 前記第1の光学式センサによる前
記血液成分の界面の位置の検出と、前記第2の光学式セ
ンサによる前記血液成分の界面の位置の検出とが時間差
をおいて行なわれる上記(1)ないし(5)のいずれか
に記載の血液成分採取装置。
【0017】(7) 前記第1の光学式センサによる前
記血液成分の界面の位置の検出と、前記第2の光学式セ
ンサによる前記血液成分の界面の位置の検出とが同時に
行なわれる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
血液成分採取装置。
【0018】(8) 前記第1の光学式センサは、投光
部と、受光部と、導光光学系とを有する上記(1)ない
し(7)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0019】(9) 前記導光光学系として、投光光お
よび/または反射光の光路を屈曲する光路変更手段を有
する上記(8)に記載の血液成分採取装置。
【0020】(10) 前記光路変更手段は、反射面ま
たはプリズムで構成される上記(9)に記載の血液成分
採取装置。
【0021】(11) 前記第2の光学式センサは、投
光部と、受光部と、導光光学系とを有する上記(1)な
いし(10)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0022】(12) 前記導光光学系として、投光光
および/または反射光の光路を屈曲する光路変更手段を
有する上記(11)に記載の血液成分採取装置。
【0023】(13) 前記光路変更手段は、反射面ま
たはプリズムで構成される上記(12)に記載の血液成
分採取装置。
【0024】(14) 前記第1の光学式センサおよび
前記第2の光学式センサの検出信号に基づき、前記血液
成分採取装置の作動を制御する制御手段を備える上記
(1)ないし(13)のいずれかに記載の血液成分採取
装置。
【0025】(15) 前記第1のラインの途中に設置
された送液ポンプを備え、前記制御手段は、前記送液ポ
ンプの作動を制御する上記(14)に記載の血液成分採
取装置。
【0026】(16) 前記第1のラインおよび前記第
2のラインの流路の途中を開閉し得る流路開閉手段を備
え、前記制御手段は、前記流路開閉手段の作動を制御す
る上記(14)または(15)に記載の血液成分採取装
置。
【0027】(17) 前記貯血空間内に血液を導入
し、血液を遠心分離することにより分離された血漿を前
記血漿採取バッグ内に採取する第1の血漿採取工程と、
前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に定速に
て循環させる定速血漿循環工程と、前記貯血空間内に血
液を導入し、血液を遠心分離することにより分離された
血漿を前記血漿採取バッグ内に採取する第2の血漿採取
工程と、前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内
に加速させながら循環させる加速血漿循環工程と、前記
貯血空間内に血液を導入し、血液を遠心分離することに
より分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に採取する
第3の血漿採取工程と、前記血漿採取バッグ内の血漿
を、前記貯血空間内に第1の加速度にて加速させながら
循環させ、次いで、前記第1の加速度より大きい第2の
加速度に変更して、該第2の加速度にて加速させながら
循環させて、前記貯血空間内より血小板を流出させ、前
記血小板採取バッグ内に採取する血小板採取工程と、前
記貯血空間内の血液成分を返血する返血工程とを有する
血小板採取操作を行なうよう作動する上記(1)ないし
(16)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0028】(18) 前記第1の光学式センサの検出
信号に基づき、前記第2の血漿採取工程を終了するよう
作動する上記(17)に記載の血液成分採取装置。
【0029】(19) 前記第2の光学式センサの検出
信号に基づき、前記加速血漿循環工程の終了、前記第3
の血漿採取工程の終了、および、前記血小板採取工程に
おける第1の加速度から第2の加速度への変更のうち
の、少なくとも1つを行なうよう作動する上記(17)
または(18)に記載の血液成分採取装置。
【0030】(20) 前記血小板採取操作を、少なく
とも2回行なうよう作動する上記(17)ないし(1
9)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0031】(21) 前記血小板採取工程の終了後で
あって、前記返血工程の開始前に、前記貯血空間内から
バフィーコートを流出させ、採取するバフィーコート採
取工程を行なうよう作動する上記(17)ないし(2
0)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0032】(22) 前記血小板採取操作を複数回行
なう場合、前記返血工程の終了後であって、次回の血小
板採取操作における第1の血漿採取工程の開始前に、採
取されたバフィーコートを前記貯血空間内に返還するバ
フィーコート返還工程を行なうよう作動する上記(2
1)に記載の血液成分採取装置。
【0033】(23) 前記第1のラインに接続され、
抗凝固剤を注入する第3のラインを備える上記(1)な
いし(22)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0034】(24) 前記第2のラインは、それぞれ
異なる血液成分を回収する複数の分岐ラインを備える上
記(1)ないし(23)のいずれかに記載の血液成分採
取装置。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の血液成分採取装置
を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明す
る。
【0036】図1は、本発明の血液成分採取装置が備え
る血液成分採取回路の構成を示す平面図であり、図2
は、図1の血液成分採取回路のカセットハウジングの平
面図であり、図3は、血液成分採取装置が備える遠心分
離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断
断面図であり、図4は、光学式センサの構成を示す概略
図であり、図5は、本発明の血液成分採取装置の全体構
成を示す概略図であり、図6〜図11は、それぞれ、本
発明の血液成分採取装置の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【0037】図1に示す血液成分採取装置1は、血液を
複数の血液成分に分離するとともに分離された血液成分
(特に、血小板)を採取するための装置であり、内部に
貯血空間146を有するローター142と、貯血空間1
46に連通する流入口143および排出口144とを有
し、ローター142の回転により流入口143より導入
された血液を貯血空間146内で遠心分離する遠心分離
器20と、採血針29と遠心分離器20の流入口143
とを接続する第1のライン21と、遠心分離器20の排
出口144に接続された第2のライン22と、第1のラ
イン21に接続された第3のライン23と、第1のライ
ン21に接続された第1チューブ25aおよび第2のラ
イン22と接続された第2チューブ25bを有する血漿
採取バッグ25と、第2のライン22に接続された第3
チューブ26aを有する血小板採取バッグ26と、第2
のライン22に接続された第4チューブ27aを有する
バフィーコート採取バッグ27とを有する血液成分採取
回路2を備えている。
【0038】さらに、血液成分採取装置1は、遠心分離
器20のローター142を回転させるための遠心分離器
駆動装置10と、第1のライン21のための第1の送液
ポンプ11と、第3のライン23のための第2の送液ポ
ンプ12と、血液成分採取回路2の流路の途中を開閉し
得る複数の流路開閉手段81、82、83、84、8
5、86と、遠心分離器駆動装置10、第1の送液ポン
プ11、第2の送液ポンプ12および複数の流路開閉手
段81〜86を制御するための制御部(制御手段)13
と、濁度センサ14と、光学式センサ15、15’と、
重量センサ16とを備えている。
【0039】そこで、最初に、血液成分採取回路2につ
いて説明する。この血液成分採取回路2は、採血針(採
血手段)29と遠心分離器20の流入口143とを接続
し、第1のポンプチューブ21gを備える第1のライン
(採血および返血ライン)21と、遠心分離器20の排
出口144と第1のライン21とを接続するための第2
のライン22と、第1のライン21の採血針29の近く
に接続され、第2のポンプチューブ23aを備える第3
のライン(抗凝固剤注入ライン)23と、第1のライン
21のポンプチューブ21gより採血針29側に接続さ
れた第1チューブ25aおよび第2のライン22と接続
された第2チューブ25bとを有する血漿採取バッグ2
5と、第2のライン22に接続された第3チューブ26
aを備える血小板採取バッグ26と、第2のライン22
に接続された第4チューブ27aを備えるバフィーコー
ト採取バッグ27とを備えている。
【0040】なお、採血手段としては、採血針29に限
られず、例えば、血液バッグなどの血液プールに接続す
るための接続部(例えば、金属もしくは合成樹脂針等)
でもよい。この採血針29としては、例えば、公知の金
属針が使用される。
【0041】第1のライン21は、採血針29が接続さ
れた採血針側第1ライン21aと、遠心分離器20の流
入口143とを接続された遠心分離器側第1ライン21
bとを有している。
【0042】採血針側第1ライン21aは、軟質樹脂製
チューブが複数接続されて形成されている。この採血針
側第1ライン21aは、採血針29側より、第3のライ
ン23との接続用分岐コネクター21cと、気泡および
マイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21d
と、第2のライン22との接続用分岐コネクター21e
と、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aとの接続
用分岐コネクター21fとを備えている。
【0043】また、チャンバー21dには、通気性かつ
菌不透過性のフィルター21iが接続されている。
【0044】一方、遠心分離器側第1ライン21bは、
第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21fに
接続されており、その付近に形成された第1のポンプチ
ューブ21gを有している。
【0045】遠心分離器20の排出口144と第1のラ
イン21とを接続する第2のライン22は、一端が遠心
分離器20の排出口144に接続され、他端が第1のラ
イン21の接続用分岐コネクター21eに接続されてい
る。
【0046】この第2のライン22は、遠心分離器20
側から、血漿採取バッグ25の第2チューブ25bなら
びに血小板採取バッグ26の第3チューブ26aとの接
続用分岐コネクター22aと、気泡除去用フィルター2
2fを備えるチューブとの接続用分岐コネクター22c
と、バフィーコート採取バッグ27の第4チューブ27
aとの接続用分岐コネクター22dとを備えている。
【0047】第3のライン23は、一端が第1のライン
21に設けられた接続用分岐コネクター21cに接続さ
れている。
【0048】この第3のライン23は、コネクター21
c側より、第2のポンプチューブ23aと、異物除去用
フィルター23bと、気泡除去用チャンバー23cと、
抗凝固剤容器接続用針23dとを備えている。
【0049】血漿採取バッグ25は、第1のライン21
のポンプチューブ21gより採血針29側に位置する分
岐コネクター21fに接続された第1チューブ25a
と、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続さ
れた第2チューブ25bとを有している。すなわち、血
漿採取バッグ25および第2チューブ25bにより、血
漿を採取する血漿採取用分岐ラインが構成されている。
【0050】血小板採取バッグ26は、第2のライン2
2の分岐コネクター22aに接続された第3チューブ2
6aを備えている。すなわち、血小板採取バッグ26お
よび第3チューブ26aにより、血小板を採取する血小
板採取用分岐ラインが構成されている。
【0051】バフィーコート採取バッグ27は、第2の
ライン22の分岐コネクター22dに接続された第4チ
ューブ27aを備えている。すなわち、バフィーコート
採取バッグ27および第4チューブ27aにより、バフ
ィーコートを採取するバフィーコート採取用分岐ライン
が構成されている。
【0052】上述した第1〜第3のライン21〜23の
形成に使用される各チューブ、各ポンプチューブ21
g、23a、さらに、各バッグ25〜27に接続されて
いる各チューブ25a、25b、26a、27aの構成
材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0053】これらのチューブがポリ塩化ビニル製であ
れば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いが
し易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからで
ある。
【0054】また、上述した各分岐コネクター21c、
21e、21f、22a、22c、22dの構成材料に
ついても、それぞれ、前記チューブで挙げた構成材料と
同様のものを用いることができる。
【0055】なお、各ポンプチューブ21g、23aと
しては、後述する各送液ポンプ(例えば、ローラーポン
プ等)11、12により押圧されても損傷を受けない程
度の強度を備えるものが使用されている。
【0056】血漿採取バッグ25、血小板採取バッグ2
6、バフィーコート採取バッグ27は、それぞれ、樹脂
製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着
(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着剤に
より接着等して袋状にしたものが使用される。
【0057】各バッグ25〜27に使用される材料とし
ては、それぞれ、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に
使用される。この軟質ポリ塩化ビニルにおける可塑剤と
しては、例えば、ジ(エチルヘキシル)フタレート(D
EHP)、ジ−(n−デシル)フタレート(DnDP)
等が使用される。なお、このような可塑剤の含有量は、
ポリ塩化ビニル100重量部に対し、30〜70重量部
程度とするのが好ましい。
【0058】なお、血小板採取バッグ26に使用される
シート材としては、血小板保存性を向上するためにガス
透過性に優れるものを用いることがより好ましい。
【0059】このようなシート材としては、例えば、上
述したポリオレフィンやDnDP可塑化ポリ塩化ビニル
等を用いること、また、このような素材を用いることな
く、上述したような材料のシート材を用い、厚さを比較
的薄く(例えば、0.1〜0.5mm程度、特に、0.
1〜0.3mm程度)したものが好適である。
【0060】また、血小板採取バッグ26の内部には、
例えば、生理食塩水、GAC、PAS、PSM−1のよ
うな血小板保存液が予め入れられていてもよい。
【0061】このような血液成分採取回路2の主要部分
は、図2に示すように、カセット式となっている。すな
わち、血液成分採取回路2は、各ライン(第1のライン
21、第2のライン22、第3のライン23)および各
チューブ(第1チューブ25a、第2チューブ25b、
第3チューブ26a、第4チューブ27a)を部分的に
収納し、かつ部分的にそれらを保持し、言い換えれば、
部分的にそれらが固定されたカセットハウジング28を
備えている。
【0062】カセットハウジング28には、第1のポン
プチューブ21gの両端および第2のポンプチューブ2
3aの両端が固定され、これらのポンプチューブ21
g、23aは、それぞれ、カセットハウジング28よ
り、各送液ポンプ(例えば、ローラーポンプ等)11、
12の形状に対応したループ状に突出している。このた
め、第1および第2のポンプチューブ21g、23a
は、それぞれ、各送液ポンプ11、12への装着が容易
である。
【0063】さらに、カセットハウジング28は、カセ
ットハウジング28内に位置する複数の開口部91〜9
6を備えている。
【0064】具体的には、採血針側第1ライン21aを
露出させ、かつ、血液成分採取装置1の第1の流路開閉
手段81の侵入が可能な第1の開口部91と、血漿採取
バッグ25の第1チューブ25aを露出させ、かつ、血
液成分採取装置1の第2の流路開閉手段82の侵入が可
能な第2の開口部92と、血漿採取バッグ25の第2チ
ューブ25bを露出させ、かつ、血液成分採取装置1の
第3の流路開閉手段83の侵入が可能な第3の開口部9
3と、血小板採取バッグ26の第3チューブ26aを露
出させ、かつ、血液成分採取装置1の第4の流路開閉手
段84の侵入が可能な第4の開口部94と、第2のライ
ン22とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ
27aとの接続部より遠心分離器20側(上流側)の位
置の第2のライン22を露出させ、かつ、血液成分採取
装置1の第5の流路開閉手段85の侵入が可能な第5の
開口部95と、第1のライン21との接続部とバフィー
コート採取バッグ27の第4チューブ27aとの接続部
との間(第2のライン22と第4チューブ27aとの接
続部より下流側)の第2のライン22を露出させ、か
つ、血液成分採取装置1の第6の流路開閉手段86の侵
入が可能な第6の開口部96とを備えている。
【0065】また、カセットハウジング28の内面(図
2中、紙面奥側)には、上述した分岐コネクター21
e、21f、22a、22c、22dが固定されてい
る。
【0066】さらに、カセットハウジング28の側面付
近には、カセットハウジング28の側面より突出する各
ライン21〜23および各チューブ25a、25b、2
6a、27a等を保持し、かつ、カセットハウジング2
8の縁部での折れ曲がりを防止するための補強チューブ
が設けられている。
【0067】このカセットハウジング28は、内部に図
2において破線で示す部分を収納可能な箱状体となって
いる。そして、カセットハウジング28は、ある程度の
剛性を有する合成樹脂により形成されている。
【0068】血液成分採取装置1は、このカセットハウ
ジング28を装着するためのカセットハウジング装着部
(図示せず)を備えている。このため、カセットハウジ
ング28を血液成分採取装置1のカセットハウジング装
着部に装着することにより、カセットハウジング28の
開口部91〜96より露出する部分の第1のライン2
1、第2のライン22、第1チューブ25a、第2チュ
ーブ25b、および、第3チューブ26aが、自動的に
対応する各流路開閉手段81〜86に装着される。これ
により、血液成分採取回路2のカセットハウジング装着
部への装着が容易であるとともに、血液成分の採取操作
の準備も迅速に行える。
【0069】また、血液成分採取装置1には、カセット
ハウジング装着部に近接して、第1の送液ポンプ11お
よび第2の送液ポンプ12が設けられている。このた
め、カセットハウジング28より露出する各ポンプチュ
ーブ21g、23aの各送液ポンプ11、12への装着
も容易である。
【0070】血液成分採取回路2に設けられている遠心
分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心
力により血液を複数の血液成分に分離する。
【0071】遠心分離器20は、図3に示すように、上
端に流入口143が形成された鉛直方向に伸びる管体1
41と、管体141の回りで回転し、上部145に対し
液密にシールされた中空のローター142とを有してい
る。
【0072】ローター142には、その周壁内面に沿っ
て環状の貯血空間146が形成されている。この貯血空
間146は、図3中下部から上部に向けてその内外径が
漸減するような形状(テーパ状)をなしており、その下
部は、ローター142の底部に沿って形成されたほぼ円
盤状の流路を介して管体141の下端開口に連通し、そ
の上部は、排出口144に連通している。また、ロータ
ー142において、貯血空間146の容積は、例えば、
100〜350mL程度とされ、ローター142の回転
軸からの最大内径(最大半径)は、例えば、55〜65
mm程度とされる。
【0073】このようなローター142は、血液成分採
取装置1が備える遠心分離器駆動装置10によりあらか
じめ設定された所定の遠心条件(回転速度および回転時
間)で回転する。この遠心条件により、ローター142
内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分
数)を設定することができる。
【0074】本実施形態では、図3に示すように、血液
がローター142の貯血空間146内で内層より血漿層
131、バフィーコート層132および赤血球層133
に分離されるように遠心条件が設定される。
【0075】また、ローター142は、図4に示すよう
に、貯血空間146より内側に、後述する第1の光学式
センサ15および第2の光学式センサ15’からの投射
光(投光光)を反射する反射面147を備えている。
【0076】この反射面147は、ローター142の回
転軸とのなす角度が互いに異なる第1の面(図4中、側
方の面)147bおよび第2の面(図4中、上方の面)
147cと、これらを接続し、貯血空間146に向って
突出する湾曲凸面147aとを有している。
【0077】第1の面147bには、第1の光学式セン
サ15からの光が照射され、湾曲凸面147aまたは第
2の面147cには、第2の光学式センサ15’からの
光が照射される。
【0078】次に、図5に示す血液成分採取装置1の全
体構成について説明する。血液成分採取装置1は、遠心
分離器20のローター142を回転させるための遠心分
離器駆動装置10と、第1のライン21の途中に設置さ
れた第1の送液ポンプ11と、第3のライン23の途中
に設置された第2の送液ポンプ12と、血液成分採取回
路2(第1のライン21、第2のライン22、第1チュ
ーブ25a、第2チューブ25b、および、第3チュー
ブ26a)の流路の途中を開閉し得る複数の流路開閉手
段81、82、83、84、85、86と、遠心分離器
駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液ポン
プ12および複数の流路開閉手段81〜86を制御する
ための制御部(制御手段)13とを備えている。
【0079】さらに、血液成分採取装置1は、第2チュ
ーブ25bとの接続部22aより遠心分離器20側(上
流側)の第2のライン22に装着(設置)された濁度セ
ンサ14と、遠心分離器20の近傍に設置された第1の
光学式センサ15および第2の光学式センサ15’と、
血漿採取バッグ25の重量を検知するための重量センサ
16とを備えている。
【0080】制御部13は、第1の送液ポンプ11およ
び第2の送液ポンプ12のための2つのポンプコントロ
ーラ(図示せず)を備え、制御部13と第1の送液ポン
プ11および第2の送液ポンプ12とはポンプコントロ
ーラを介して電気的に接続されている。
【0081】遠心分離器駆動装置10が備える駆動コン
トローラ(図示せず)は、制御部13と電気的に接続さ
れている。
【0082】各流路開閉手段81〜86は、それぞれ、
制御部13に電気的に接続されている。
【0083】また、濁度センサ14、各光学式センサ1
5、15’、および、重量センサ16は、それぞれ、制
御部13と電気的に接続されている。
【0084】制御部13は、例えばマイクロコンピュー
タで構成されており、制御部13には、上述した濁度セ
ンサ14、光学式センサ15、15’、および、重量セ
ンサ16からの検出信号が、それぞれ、随時入力され
る。
【0085】制御部13は、濁度センサ14、光学式セ
ンサ15、15’、および、重量センサ16からの検出
信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血
液成分採取装置1の各部の作動、すなわち、各送液ポン
プ11、12の回転、停止、回転方向(正転/逆転)を
制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段81〜
86の開閉および遠心分離器駆動装置10の作動を制御
する。
【0086】第1の流路開閉手段81は、第1のポンプ
チューブ21gより採血針29側において第1のライン
21を開閉するために設けられている。
【0087】第2の流路開閉手段82は、血漿採取バッ
グ25の第1チューブ25aを開閉するために設けられ
ている。
【0088】第3の流路開閉手段83は、血漿採取バッ
グ25の第2チューブ25bを開閉するために設けられ
ている。
【0089】第4の流路開閉手段84は、血小板採取バ
ッグ26の第3チューブ26aを開閉するために設けら
れている。
【0090】第5の流路開閉手段85は、第2のライン
22とバフィーコート採取バッグ27の第4チューブ2
7aとの接続部(分岐コネクター22d)より遠心分離
器20側(上流側)の位置にて、第2のライン22を開
閉するために設けられている。
【0091】また、第6の流路開閉手段86は、第1の
ライン21との接続部(分岐コネクター21e)と第4
チューブ27aとの接続部(分岐コネクター22d)と
の間(第2のライン22と第4チューブ27aとの接続
部より下流側)の位置にて、第2のライン22を開閉す
るために設けられている。
【0092】各流路開閉手段81〜86は、それぞれ、
第1のライン21、第2のライン22、第1チューブ2
5a、第2チューブ25b、および、第3チューブ26
aを挿入可能な挿入部を備え、該挿入部には、例えば、
ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気
圧)等の駆動源で作動するクランプを有している。具体
的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適であ
る。
【0093】これらの流路開閉手段(クランプ)81〜
86は、それぞれ、制御部13からの信号に基づいて作
動する。
【0094】遠心分離器駆動装置10は、図3に示すよ
うに、遠心分離器20を収納するハウジング201と、
脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離
器20を保持する円盤状の固定台205とを有してい
る。
【0095】ハウジング201は、脚部202の上部に
載置、固定されている。また、ハウジング201の下面
には、ポルト206によりスペーサー207を介してモ
ータ203が固定されている。
【0096】モータ203の回転軸204の先端部に
は、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に
回転するように嵌入されており、固定台205の上部に
は、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されて
いる。
【0097】また、遠心分離器20の上部145は、図
示しない固定部材によりハウジング201に固定されて
いる。
【0098】このような遠心分離器駆動装置10では、
モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに
固定されたローター142が、例えば、回転数3000
〜6000rpm程度で回転する。
【0099】ハウジング201には、その側部(図3
中、左側)に第1の光学式センサ15が、また、上部
(図3中、上側)に第2の光学式センサ15’が、隣接
して設置されている。すなわち、これらの光学式センサ
15、15’は、遠心分離器駆動装置10の片側に集約
して設置されている。
【0100】これにより、遠心分離器20をハウジング
201にセットする際やハウジング201から取り出す
際に、各光学式センサ15、15’に接触し難いという
利点がある。
【0101】これらの光学式センサ15、15’は、そ
れぞれ、貯血空間146に向って投光するとともにその
反射光を受光するように構成されている。
【0102】第1の光学式センサ15は、図4に示すよ
うに、LED(半導体レーザ等)のような発光素子で構
成される投光部151と、フォトダイオードまたはCC
Dのような受光素子で構成される受光部152と、導光
光学系として片面に反射面を有する反射板153とを有
している。
【0103】この反射板153は、投光部151からの
投光光およびローター142の反射面147での反射光
の光路を屈曲することができる。すなわち、反射板15
3は、光路変更手段を構成する。
【0104】また、第2の光学式センサ15’も、前記
第1の光学式センサ15と同様の構成であり、投光部1
51’と、受光部152’と、片面に反射面を有する反
射板(光路変更手段)153’とを有している。
【0105】各光学式センサ15、15’を、このよう
な構成とすることにより、投光部151、151’、受
光部152、152’および反射板153、153’の
配置を、それぞれ、適宜設定することができるので、各
光学式センサ15、15’の小型化を図ることができ、
延いては、血液成分採取装置1全体の小型化に寄与す
る。
【0106】なお、光路変更手段は、それぞれ、プリズ
ムで構成されていてもよい。また、投光光および/また
は反射光の光路の途中には、例えば、レンズ、光学フィ
ルター、偏光板等の各種光学素子が設置されていてもよ
い。
【0107】このような光学式センサ15、15’で
は、それぞれ、投光部151、151’から光(例えば
レーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射
面147で反射された反射光を受光部152、152’
で受光する。そして、受光部152、152’において
その受光光量に応じた電気信号に変換される。
【0108】このとき、投光光および反射光は、それぞ
れ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成
分の界面(本実施形態では、血漿層131とバフィーコ
ート層132との界面B)の位置に応じて、投光光およ
び反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が
異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、
受光部152、152’での受光光量が変動(変化)
し、この変動を受光部152、152’からの出力電圧
の変化として検出することができる。
【0109】すなわち、各光学式センサ15、15’
は、それぞれ、受光部152、152’での受光光量の
変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することが
できる。
【0110】なお、各光学式センサ15、15’が検出
する血液成分の界面としては、界面Bに限られず、例え
ば、バフィーコート層132と赤血球層133との界面
であってもよい。
【0111】ここで、貯血空間146内の各層131〜
133は、それぞれ、血液成分により液体の色が異なっ
ており、特に、赤血球層133は、赤血球の色に伴い赤
色を呈している。このため、各光学式センサ15、1
5’の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範
囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されない
が、例えば、600〜900nm程度であるのが好まし
く、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
【0112】なお、投光光は、連続光であってもよく、
パルス光であってもよい。パルス光を用いる場合、その
周波数としては、特に限定されないが、例えば、0.5
〜200Hz程度であるのが好ましく、10〜100H
z程度であるのがより好ましい。
【0113】また、これらの第1の光学式センサ15と
第2の光学式センサ15’とは、それぞれ、投光方向が
異なっており、第1の光学式センサ15の貯血空間14
6への投光光(反射板153で屈曲された後の投光光)
の光軸S1と、第2の光学式センサ15’の投光光(反
射板153’で屈曲された後の投光光)の光軸S2とは
非平行となっている。
【0114】具体的には、第1の光学式センサ15は、
ローター142が備える反射面147の第1の面147
bに対してほぼ垂直に投光し、第2の光学式センサ1
5’は、反射面147の湾曲凸面147aまたは第2の
面147cに対してほぼ垂直に投光するよう構成されて
いる。すなわち、光軸S1と第1の面147bとのなす
角度、および、光軸S2と湾曲凸面147aまたは第2
の面147cとのなす角度は、それぞれ、ほぼ90°で
ある。
【0115】このような構成とすることにより、貯血空
間146内の血液成分の界面(界面B)の位置を、離間
した箇所、すなわち、後述する血小板採取操作における
所定工程での血液成分の界面(界面B)を、それぞれ、
好適な位置で検出することができ、血小板の排出条件が
最適に調整される。
【0116】また、光軸S1と光軸S2とのなす角度とし
ては、特に限定されないが、例えば、15〜85°程度
とするのが好ましく、30〜60°程度とするのがより
好ましい。光軸S1と光軸S2とのなす角度を前記範囲内
とすることにより、前記の効果をより向上することがで
きる。
【0117】濁度センサ14は、第2のライン22中を
流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に
応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時に
は低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
【0118】この濁度センサ14により、例えば、第2
のライン22中を流れる流体の空気から血漿への置換、
血漿中の血小板濃度の変化、血漿中への赤血球の混入等
を検出することができる。
【0119】第1のポンプチューブ21gが装着される
第1の送液ポンプ11、および、第2のポンプチューブ
23aが装着される第2の送液ポンプ12としては、そ
れぞれ、例えば、ローラーポンプなどの非血液接触型ポ
ンプが好適に用いられる。
【0120】また、第1の送液ポンプ(血液ポンプ)1
1としては、いずれの方向にも血液を送ることができる
ものが使用される。具体的には、正回転と逆回転が可能
なローラーポンプが用いられている。
【0121】次に、血液成分採取装置1を用いた血液成
分採取操作について、血小板採取操作を行なう場合を一
例として、図5、図6ないし図11に示すフローチャー
トを参照しつつ説明する。
【0122】血液成分採取装置1は、制御部13の制御
により、第1の血漿採取工程と、定速血漿循環工程と、
第2の血漿採取工程と、加速血漿循環工程と、第3の血
漿採取工程と、血小板採取工程と、返血工程とを有する
血小板採取操作を行なうよう作動する。
【0123】また、本実施形態では、血小板採取操作を
繰り返して3回(第1サイクル〜第3サイクル)行い、
さらに、最終回(第3サイクル)以外の血小板採取工程
の終了後であって、返血工程の開始前に、バフィーコー
ト採取工程を行い、かつ、次回の血小板採取操作におけ
る第1の血漿採取工程の開始前にバフィーコート返還工
程を行うようになっている。
【0124】[0] まず、最初に、第3のライン23
と採血針29とを、抗凝固剤でプライミングし、その
後、ドナー(供血者)の血管に採血針29を穿刺する。
【0125】[1] 第1サイクルの血小板採取操作 [11] まず、血液成分採取装置1は、第1の血漿採
取(第1のPPP採取)工程を行なう。第1の血漿採取
工程では、ローター142の貯血空間146内に血液を
導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿
(PPP)を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0126】第1の血漿採取工程では、まず、制御部1
3は、血漿の採取を行なう(図6のステップS10
1)。
【0127】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81および第4の流路開閉手段84を
開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送
液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは250mL
/min以下程度、より好ましくは40〜150mL/min
程度、例えば60mL/min)で作動(正転)して、ド
ナーから採血を開始する。
【0128】また、この採血と同時に、制御部13の制
御により、第2の送液ポンプ12を作動して、第3のラ
イン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固
剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に混入させる。
【0129】このとき、第2の送液ポンプ12の回転速
度は、制御部13により、採血血液に対して抗凝固剤が
所定比率(好ましくは1/15〜1/6程度、例えば1
/10)で混合されるように制御される。
【0130】これにより、血液(抗凝固剤加血液)は、
第1のライン21を介して移送され、遠心分離器20の
流入口143より管体141を経てローター142の貯
血空間146内に導入される。
【0131】このとき、遠心分離器20内の空気(滅菌
空気)は、第2のライン22および第3チューブ26a
を介して血小板採取バッグ26内に送り込まれる。
【0132】また、前記採血と同時にまたはこれと前後
して、制御部13は、遠心分離器駆動装置10を作動
し、ローター142を所定の回転数で回転するよう制御
する。
【0133】このローター142の回転により、貯血空
間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PP
P層)131、バフィーコート層(BC層)132、赤
血球層(CRC層)133の3層に分離される。
【0134】なお、ローター142の回転数としては、
好ましくは3000〜6000rpm程度、より好まし
くは4700〜4800rpm程度とされる。また、以
下の工程において、特に記載しない限り、制御部13
は、ローター142の回転数を変更させない。
【0135】さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供
給を継続し、貯血空間146の容量を越える血液(約2
70mL)が貯血空間146内に導入されると、貯血空
間146内は完全に血液により満たされ、遠心分離器2
0の排出口144から血漿(PPP)がオーバーフロー
する。
【0136】このとき、第2のライン22に設置された
濁度センサ14は、第2のライン22中を流れる流体
が、空気から血漿に変わったことを検出し、制御部13
は、この濁度センサ14の検出信号に基づき、第4の流
路開閉手段84を閉塞し、かつ、第3の流路開閉手段8
3を開放するよう制御する。
【0137】これにより、第2のライン22および第2
チューブ25bを介して血漿を血漿採取バッグ25内に
導入、採取する。
【0138】なお、血漿採取バッグ25は、その重量が
重量センサ16により計測されており、計測された重量
信号は制御部13に入力される。
【0139】次いで、制御部13は、重量センサ16か
らの情報(重量信号)に基づき、血漿採取バッグ25内
に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(図6の
ステップS102)。
【0140】なお、この血漿の採取量(所定量)として
は、好ましくは10〜150g程度、より好ましくは2
0〜30g程度とされる。
【0141】ステップS102において、血漿採取バッ
グ25内に所定量の血漿が採取されていない場合には、
制御部13は、ステップS101に戻り、再度、ステッ
プS101以降を繰り返す。
【0142】また、ステップS102において、血漿採
取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、
制御部13は、本工程[11](第1の血漿採取工程)
を終了して、定速血漿循環工程に移行する。
【0143】[12] 次に、血液成分採取装置1は、
定速血漿循環(定速PPP循環)工程を行なう。定速血
漿循環工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空
間146内に定速にて循環させる。
【0144】定速血漿循環工程では、まず、制御部13
は、血漿の循環を行なう(図6のステップS103)。
【0145】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段8
2を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止
し、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましく
は60〜250mL/min程度、例えば200mL/mi
n)で作動(正転)する。
【0146】これにより、採血を一時中断するととも
に、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25a
および第1のライン21を介して貯血空間146内に一
定速度で導入し、遠心分離器20の排出口144から流
出してきた血漿を第2のライン22および第2チューブ
25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。すな
わち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内
に定速にて循環させる。
【0147】次いで、制御部13は、定速PPP循環を
開始してから所定時間(好ましくは10〜90秒程度、
例えば30秒)が経過したか否かを判断する(図6のス
テップS104)。
【0148】ステップS104において、定速PPP循
環を開始してから所定時間が経過していない場合には、
制御部13は、ステップS103に戻り、再度、ステッ
プS103以降を繰り返す。
【0149】また、ステップS104において、定速P
PP循環を開始してから所定時間が経過した場合には、
制御部13は、本工程[12](定速血漿循環工程)を
終了して、第2の血漿採取工程に移行する。
【0150】[13] 次に、血液成分採取装置1は、
第2の血漿採取(第2のPPP採取)工程を行なう。第
2の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間14
6内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分
離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0151】なお、この第2の血漿採取工程では、重量
センサ16により血漿の採取量を計測するのに代わり、
血漿層131とバフィーコート層132との界面Bの位
置を検出する以外、前記工程[11](第1の血漿採取
工程)と同様の工程を行なう。
【0152】第2の血漿採取工程では、まず、制御部1
3は、血漿の採取を行なう(図6のステップS10
5)。
【0153】なお、このとき、制御部13は、第2の流
路開閉手段82を閉塞し、第1の流路開閉手段81を開
放するよう制御する。
【0154】これにより、貯血空間146内の赤血球量
が増加、すなわち、赤血球層133の層厚が増大するの
に伴い、界面Bも徐々に上昇(ローター142の回転軸
方向へ移動)する。
【0155】次いで、制御部13は、第1の光学式セン
サ15からの検出信号(界面位置検出情報)に基づき、
界面Bが所定レベル(第1の位置)に到達したか否かを
判断する(図6のステップS106)。
【0156】なお、この界面Bの第1の位置としては、
第1の光学式センサ15からの検出信号(受光部152
からの出力電圧)が、好ましくは1〜2V程度となった
時点の位置とされ、好ましくはローター142の回転軸
から半径(平均)35〜45mm程度の位置とされる。
【0157】ステップS106において、界面Bが第1
の位置に到達していない場合には、制御部13は、ステ
ップS105に戻り、再度、ステップS105以降を繰
り返す。
【0158】また、ステップS105において、界面B
が第1の位置に到達した場合には、制御部13は、本工
程[13](第2の血漿採取工程)を終了して、加速血
漿循環工程に移行する。
【0159】[14] 次に、血液成分採取装置1は、
加速血漿循環(加速PPP循環)工程を行なう。加速血
漿循環工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空
間146内に加速させながら循環させる。
【0160】加速血漿循環工程では、まず、制御部13
は、血漿の循環を行なう(図6のステップS107)。
【0161】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段8
2を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止
し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度が一定の加
速度にて増加(増大)するように作動(正転)する。
【0162】これにより、採血を一時中断するととも
に、血漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25a
および第1のライン21を介して貯血空間146内に加
速させながら導入し、遠心分離器20の排出口144か
ら流出してきた血漿を第2のライン22および第2チュ
ーブ25bを介して血漿採取バッグ25内に回収する。
すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間14
6内に加速させながら循環させる。
【0163】なお、このとき、制御部13は、第1の送
液ポンプ11の回転速度を、前記定速PPP循環より遅
い速度(初速:例えば60mL/min)から、一定の加
速度にて増加(増大)するように制御する。
【0164】この加速条件(加速度)としては、好まし
くは1〜10mL/min/sec程度、より好ましくは3〜
6mL/min/sec程度とされる。また、加速度は、一定
でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連
続的に変化するものであってもよい。
【0165】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間1
46内への循環速度が最高速度に到達したか否か、すな
わち、第1の送液ポンプ11の回転速度が最高速度(好
ましくは150〜350mL/min程度、例えば250
mL/min)に到達したか否かを判断する(図6のステ
ップS108)。
【0166】ステップS108において、血漿の貯血空
間146内への循環速度が最高速度に到達していない場
合には、次いで、制御部13は、第2の光学式センサ1
5’からの検出信号(界面位置検出情報)に基づき、界
面Bが所定レベル(第2の位置)に到達したか否かを判
断する(図6のステップS109)。
【0167】なお、この界面Bの第2の位置としては、
第2の光学式センサ15’からの検出信号(受光部15
2’からの出力電圧)が、好ましくは2〜3V程度とな
った時点の位置とされ、好ましくはローター142の回
転軸から半径(平均)35〜40mm程度の位置とされ
る。
【0168】ステップS109において、界面Bが第2
の位置に到達していない場合には、制御部13は、ステ
ップS107に戻り、再度、ステップS107以降を繰
り返す。
【0169】また、前記ステップS108において、血
漿の貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達し
た場合、または、前記ステップS109において、界面
Bが第2の位置に到達した場合には、制御部13は、本
工程[14](加速血漿循環工程)を終了して、第3の
血漿採取工程に移行する。
【0170】[15] 次に、血液成分採取装置1は、
第3の血漿採取(第3のPPP採取)工程を行なう。第
3の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間14
6内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分
離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0171】この第3の血漿採取工程では、第1の光学
式センサ15に代わり、第2の光学式センサ15’によ
り血漿層131とバフィーコート層132との界面Bの
位置を検出する以外、前記工程[13](第2の血漿採
取工程)と同様の工程を行なう。
【0172】第3の血漿採取工程では、まず、制御部1
3は、血漿の採取を行なう(図6のステップS11
0)。
【0173】これにより、貯血空間146内の赤血球量
が増加、すなわち、赤血球層133の層厚が増大するの
に伴い、界面Bも徐々に上昇(ローター142の回転軸
方向へ移動)する。
【0174】次いで、制御部13は、第2の光学式セン
サ15’からの検出信号(界面位置検出情報)に基づ
き、界面Bが所定レベル(第3の位置)に到達したか否
かを判断する(図6のステップS111)。
【0175】なお、この界面Bの第3の位置としては、
第2の光学式センサ15’からの検出信号(受光部15
2’からの出力電圧)が、好ましくは2〜3V程度とな
った時点の位置とされ、好ましくはローター142の回
転軸から半径(平均)35〜40mm程度の位置とされ
る。
【0176】ステップS111において、界面Bが第3
の位置に到達していない場合には、制御部13は、ステ
ップS110に戻り、再度、ステップS110以降を繰
り返す。
【0177】また、ステップS111において、界面B
が第3の位置に到達した場合には、制御部13は、本工
程[15](第3の血漿採取工程)を終了して、血小板
採取工程に移行する(図7のに移行する)。
【0178】[16] 次に、血液成分採取装置1は、
血小板採取(PC採取)工程を行なう。血小板採取工程
では、血漿採取バッグ25内の血漿を、貯血空間146
内に第1の加速度にて加速させながら循環させ、次い
で、第1の加速度より大きい第2の加速度に変更して、
この第2の加速度にて加速させながら循環させて、貯血
空間146内より血小板を流出させ、血小板採取バッグ
26内に採取する。
【0179】血小板採取工程では、まず、制御部13
は、第1の加速度による血漿循環(PPP循環)を行な
う(図7のステップS112)。
【0180】具体的には、制御部13の制御により、第
1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段8
2を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止
し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度を第1の加
速度にて増加(増大)するよう作動(正転)する。
【0181】これにより、採血を中断するとともに、血
漿採取バッグ25内の血漿を第1チューブ25aおよび
第1のライン21を介して貯血空間146内に第1の加
速度にて加速させながら導入し、遠心分離器20の排出
口144から流出してきた血漿を第2のライン22およ
び第2チューブ25bを介して血漿採取バッグ25内に
回収する。すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯
血空間146内に第1の加速度にて加速させながら循環
させる。
【0182】このとき、貯血空間146内に血漿を第1
の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層13
3の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々に上昇
(ローター142の回転軸方向へ移動)する。
【0183】この第1の加速度としては、好ましくは
0.5〜10mL/min/sec程度、より好ましくは1.
5〜2.5mL/min/sec程度とされる。なお、第1の
加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で
段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0184】また、第1の加速度によるPPP循環での
第1の送液ポンプ11の初速としては、好ましくは40
〜150mL/min程度とされる。
【0185】次いで、制御部13は、第2の光学式セン
サ15’からの検出信号(界面位置検出情報)に基づ
き、界面Bが所定レベル(第4の位置)に到達したか否
かを判断する(図7のステップS113)。
【0186】なお、この界面Bの第4の位置としては、
第2の光学式センサ15’からの検出信号(受光部15
2’からの出力電圧)が、好ましくは1.5〜2.5V
程度となった時点の位置とされ、好ましくはローター1
42の回転軸から半径(平均)30〜35mm程度の位
置とされる。
【0187】ステップS113において、界面Bが第4
の位置に到達していない場合には、制御部13は、ステ
ップS112に戻り、再度、ステップS112以降を繰
り返す。
【0188】また、前記ステップS113において、界
面Bが第4の位置に到達した場合には、制御部13は、
第2の加速度による血漿循環(PPP循環)を行なう
(図7のステップS114)。
【0189】具体的には、制御部13の制御により、第
1の送液ポンプ11の加速度を、第1の加速度から第2
の加速度に変更して、第1の送液ポンプ11の回転速度
を第2の加速度にて増加(増大)するよう作動(正転)
する。これにより、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血
空間146内に第2の加速度にて加速させながら循環さ
せる。
【0190】このとき、貯血空間146内に血漿を第2
の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層13
3の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々に上昇
(ローター142の回転軸方向へ移動)するとともに、
バフィーコート層132中の血小板(PC)が遠心力に
抗して浮上し(舞い上がり)、ローター142の排出口
144へ向って移動する。
【0191】この第2の加速度としては、第1の加速度
より大きくなるよう設定され、好ましくは3〜20mL
/min/sec程度、より好ましくは5〜10mL/min/s
ec程度とされる。なお、第2の加速度は、一定でなくて
もよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変
化するものであってもよい。
【0192】次いで、制御部13は、血漿の貯血空間1
46内への循環速度が最高速度に到達したか否か、すな
わち、第1の送液ポンプ11の回転速度が最高速度(好
ましくは120〜300mL/min程度、例えば200
mL/min)に到達したか否かを判断する(図7のステ
ップS115)。
【0193】ステップS115において、血漿の貯血空
間146内への循環速度が最高速度に到達していない場
合には、制御部13は、ステップS114に戻り、再
度、ステップS114以降を繰り返す。
【0194】また、ステップS115において、血漿の
貯血空間146内への循環速度が最高速度に到達した場
合には、制御部13は、血漿循環継続(PPP循環継
続)を行なう(図7のステップS116)。
【0195】具体的には、制御部13は、第1の送液ポ
ンプ11の回転速度を、前記ステップS115における
最高速度で維持(保持)するよう制御する。これによ
り、血漿の貯血空間146内への循環速度を、好ましく
は120〜300mL/min程度、例えば200mL/m
inとする。
【0196】次いで、制御部13は、PPP循環継続を
開始してから所定時間(好ましくは5〜15秒程度、例
えば10秒)が経過したか否かを判断する(図7のステ
ップS117)。
【0197】ステップS117において、PPP循環継
続を開始してから所定時間が経過していない場合には、
次いで、制御部13は、濁度センサ14からの出力電圧
(PC濃度電圧)が所定値(好ましくは2.5〜3.5
V程度、例えば、3.0V)以下に低下したか否かを判
断する(図7のステップS118)。
【0198】ステップS118において、濁度センサ1
4からの出力電圧が所定値以下に低下していない場合に
は、制御部13は、ステップS116に戻り、再度、ス
テップS116以降を繰り返す。
【0199】ステップS116〜S118を繰り返して
いる間に、ステップS117において、PPP循環継続
を開始してから所定時間が経過した場合には、制御部1
3は、本工程[16](血小板採取工程)を終了して、
バフィーコート採取工程に移行する。
【0200】また、ステップS118において、濁度セ
ンサ14からの出力電圧が所定値以下に低下した場合に
は、すなわち、ローター142の排出口144から血小
板が流出するのに伴い、第2のライン22中を流れる血
漿中の血小板濃度が所定値以上に到達した場合には、制
御部13は、血小板(PC)の採取を行なう(図7のス
テップS119)。
【0201】具体的には、制御部13は、濁度センサ1
4の検出信号に基づき、第3の流路開閉手段83を閉塞
し、かつ、第4の流路開閉手段84を開放するよう制御
する。
【0202】これにより、第2のライン22および第3
チューブ26aを介して血小板を血小板採取バッグ26
内へ導入し、採取する。
【0203】また、制御部13は、濁度センサ14から
の出力電圧(検出信号)に基づき、血小板採取バッグ2
6内の血小板濃度(累積PC濃度)を算出する。なお、
この血小板濃度は、PC採取を開始してから上昇を続
け、一旦、最高濃度に到達した後、下降に転じる。
【0204】次いで、制御部13は、PC採取を開始し
てから所定時間(好ましくは10〜25秒程度、例えば
15秒)が経過したか否かを判断する(図7のステップ
S120)。
【0205】ステップS120において、PC採取を開
始してから所定時間が経過していない場合には、次い
で、制御部13は、濁度センサ14の出力電圧(PC濃
度電圧)が所定値以下に到達したか否かを判断する(図
7のステップS121)。
【0206】この濁度センサ14の出力電圧の所定値と
しては、第2のライン22中を流れる血漿中に赤血球
(CRC)の混入が生じる時点付近の値とされ、好まし
くは0.5V以下程度とされる。
【0207】ステップS121において、濁度センサ1
4の出力電圧が所定値以下に到達していない場合には、
次いで、制御部13は、血小板採取バッグ26内の血小
板濃度(累積PC濃度)が最高濃度(ピーク)に到達し
たか否かを判断する(図7のステップS122)。
【0208】ステップS122において、血小板採取バ
ッグ26内の血小板濃度が最高濃度に到達しない場合に
は、制御部13は、ステップS119に戻り、再度、ス
テップS119以降を繰り返す。
【0209】ステップS119〜S122を繰り返して
いる間に、ステップS120において、PC採取を開始
してから所定時間が経過した場合、または、ステップS
121において、濁度センサ14の出力電圧が所定値以
下に到達した場合には、制御部13は、本工程[16]
(血小板採取工程)を終了して、バフィーコート採取工
程に移行する。
【0210】また、ステップS122において、血小板
採取バッグ26内の血小板濃度が最高濃度に到達した場
合には、制御部13は、血小板採取バッグ26内の血小
板濃度が最高濃度に到達してから所定時間(好ましくは
1〜10秒程度、例えば5秒)が経過したか否かを判断
する(図7のステップS123)。
【0211】ステップS123において、血小板採取バ
ッグ26内の血小板濃度が最高濃度に到達してから所定
時間が経過していない場合には、次いで、制御部13
は、血小板採取バッグ26内の血小板濃度(累積PC濃
度)が所定濃度(好ましくは50×104〜200×1
4cells/μL程度、例えば120×104cells/μ
L)未満となったか否かを判断する(図7のステップS
124)。
【0212】ステップS124において、血小板採取バ
ッグ26内の血小板濃度が所定濃度未満となっていない
場合には、制御部13は、ステップS123に戻り、再
度、ステップS123以降を繰り返す。
【0213】また、ステップS123において、血小板
採取バッグ26内の血小板濃度が最高濃度に到達してか
ら所定時間が経過した場合、または、ステップS124
において、血小板採取バッグ26内の血小板濃度が所定
濃度未満となった場合には、制御部13は、本工程[1
6](血小板採取工程)を終了して、バフィーコート採
取工程に移行する。
【0214】[17] 次に、血液成分採取装置1は、
バフィーコート採取(BC採取)工程を行なう。バフィ
ーコート採取工程では、ローター142の貯血空間14
6内からバフィーコートを流出させ、採取する。
【0215】バフィーコート採取工程では、まず、制御
部13は、バフィーコートの採取を行なう(図7のステ
ップS125)。
【0216】具体的には、制御部13の制御により、第
4の流路開閉手段84を閉塞し、第5の流路開閉手段8
5を開放するとともに、第1の送液ポンプ11を所定の
回転速度(好ましくは、60〜300mL/min程度、
例えば205mL/min)で作動(正転)する。
【0217】これにより、血漿採取バッグ25内の血漿
を第1チューブ25aおよび第1のライン21を介して
貯血空間146内に所定速度で導入し、ローター142
の排出口144から流出してきたバフィーコートを第2
のライン22および第4チューブ27aを介してバフィ
ーコート採取バッグ27内に導入、採取する。
【0218】なお、このバフィーコート採取工程では、
制御部13は、ローター142の回転数を変更する。
【0219】このローター142の回転数としては、前
記工程[11]〜[16]におけるローター142の回
転数より、例えば100〜300rpm程度低く設定さ
れ、具体的には、4500〜4600rpm程度である
のが好ましい。
【0220】次いで、制御部13は、バフィーコート採
取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取された
か否かを判断する(図7のステップS126)。
【0221】具体的には、制御部13は、バフィーコー
トの採取量(所定量)を、採血量、ドナーのヘマトクリ
ット値および前記血小板採取工程において採取した血小
板の量から算出し、かかる算出した採取量から第1の送
液ポンプ11を回転する回数を決定して、第1の送液ポ
ンプ11が算出した採取量を採取するのに必要な回数、
回転したか否かを判断する。
【0222】ステップS126において、バフィーコー
ト採取バッグ27内に所定量のバフィーコートが採取さ
れていない場合、すなわち、第1の送液ポンプ11が必
要回数、回転していない場合には、制御部13は、ステ
ップS125に戻り、再度、ステップS125以降を繰
り返す。
【0223】また、前記ステップS126において、バ
フィーコート採取バッグ27内に所定量のバフィーコー
トが採取された場合、すなわち、第1の送液ポンプ11
が必要回数、回転した場合には、制御部13は、全ての
流路開閉手段81〜86を閉塞した状態とし、第1の送
液ポンプ11を停止して、本工程[17](バフィーコ
ート採取工程)を終了する。
【0224】[18] 次に、血液成分採取装置1は、
遠心分離器20を停止する工程を行なう。
【0225】この工程では、まず、制御部13は、遠心
分離器20の減速を行なう(図7ステップS127)。
【0226】具体的には、制御部13の制御により、遠
心分離器駆動装置10の回転数を減少して、ローター1
42を減速する。
【0227】さらに、制御部13は、遠心分離器20の
停止を行なう(図7ステップS128)。
【0228】具体的には、制御部13の制御により、遠
心分離器駆動装置10の回転を停止して、ローター14
2を停止する。
【0229】[19] 次に、血液成分採取装置1は、
返血工程を行なう。返血工程では、ローター142の貯
血空間146内の血液成分を返血する。
【0230】返血工程では、制御部13は、返血を行な
う(図7のステップS129)。具体的には、制御部1
3の制御により、第1の流路開閉手段81を開放すると
ともに、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ま
しくは20〜120mL/min程度、例えば90mL/m
in)で作動(逆転)する。
【0231】これにより、ローター142の貯血空間1
46内に残存する血液成分(主に、赤血球)は、遠心分
離器20の排出口144から排出され、第1のライン2
1を介してドナーに返血(返還)される。
【0232】なお、血液成分の総量(返血量)は、採血
量、血漿採取量および血小板採取量から算出される。
【0233】そして、制御部13の制御により、かかる
血液成分の総量(返血量)をドナーに返血するのに必要
とする回数、第1の送液ポンプ11を回転した後、第1
の流路開閉手段81を閉塞するとともに、第1の送液ポ
ンプ11を停止して、本工程[19](返血工程)を終
了する。これにより、第1サイクルの血小板採取操作を
終了する。
【0234】[2] 第2サイクルの血小板採取操作 続いて、第2サイクルの血小板採取操作を行なう。
【0235】第2サイクルの血小板採取操作では、第1
の血漿採取工程の開始前に、バフィーコート返還工程を
行なう以外は、前記第1サイクルの血小板採取操作と同
様の工程を行なう。
【0236】[20] まず、血液成分採取装置1は、
バフィーコート返還(BC返還)工程を行なう。バフィ
ーコート返還工程では、採取されたバフィーコートをロ
ーター142の貯血空間146内に返還する。
【0237】バフィーコート返還工程では、まず、制御
部13は、バフィーコートの返還を行なう(図8のステ
ップS20X)。
【0238】具体的には、制御部13の制御により、第
4の流路開閉手段84および第6の流路開閉手段86を
開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送
液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは60〜25
0mL/min程度、例えば100mL/min)で作動(正
転)し、かつ、遠心分離器駆動装置10を所定の回転数
(例えば、4800rpm)で作動する。
【0239】これにより、バフィーコート採取バッグ2
7内のバフィーコートが第4チューブ27aおよび第1
のライン21を介して遠心分離器20の流入口143よ
り管体141を経てローター142の貯血空間146内
に導入される。このとき、遠心分離器20内の空気は、
第2のライン22を介して血小板採取バッグ26内に送
り込まれる。
【0240】次いで、制御部13は、バフィーコート採
取バッグ27内に、返還するバフィーコートが無くなっ
たか否かを判断する(図8のステップS20Y)。
【0241】具体的には、制御部13は、バフィーコー
トの採取量から第1の送液ポンプ11を回転する回数を
決定して、第1の送液ポンプ11がバフィーコートを返
還するのに必要な回数、回転したか否かを判断する。
【0242】ステップS20Yにおいて、返還するバフ
ィーコートが残存する場合、すなわち、第1の送液ポン
プ11が必要回数、回転していない場合には、制御部1
3は、ステップS20Xに戻り、再度、ステップS20
X以降を繰り返す。
【0243】また、ステップS20Yにおいて、返還す
るバフィーコートが無くなった場合、すなわち、第1の
送液ポンプ11が必要回数、回転した場合には、制御部
13は、本工程[20](バフィーコート返還工程)を
終了して、第1の血漿採取工程に移行する。
【0244】[21]〜[29] 前記工程[11]〜
[19]と同様の工程をそれぞれ行なう。これにより、
第2サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0245】[3] 第3サイクル(最終サイクル)の
血小板採取操作 続いて、第3サイクルの血小板採取操作を行なう。
【0246】第3サイクルの血小板採取操作では、第1
の血漿採取工程において遠心分離器20内から排出され
る空気をバフィーコート採取バッグ27内に流入させ、
かつ、バフィーコート採取工程を行わない以外は、前記
第2サイクルの血小板採取操作と同様の工程を行なう。
【0247】[30] 前記工程[20]と同様の工程
を行なう。
【0248】[31] 制御部13の制御により、第4
の流路開閉手段84を開放するのに代わり、第5の流路
開閉手段85を開放する以外は、前記工程[21]と同
様の工程を行う。
【0249】これにより、本工程[31]では、血液
(抗凝固剤加血液)を、第1のライン21を介して移送
し、遠心分離器20の流入口143より管体141を経
てローター142の貯血空間146内に導入するに際し
て、遠心分離器20内の空気(滅菌空気)は、第2のラ
イン22を介してバフィーコート採取バッグ27内に送
り込まれる。
【0250】このため、血小板採取バッグ26内への空
気の流入をより減少することができる。
【0251】[32]〜[36] 前記工程[22]〜
[26]と同様の工程をそれぞれ行なう。なお、前記工
程[27]と同様の工程は省略されるため、工程[3
6](血小板採取工程)を終了する場合には、制御部1
3は、全ての流路開閉手段81〜86を閉塞した状態と
し、第1の送液ポンプ11を停止するよう制御する。
【0252】[38]〜[39] 前記工程[28]〜
[29]と同様の工程を行なう。これにより、第3サイ
クルの血小板採取操作を終了する。
【0253】なお、血小板採取操作は、3回行なう場合
に限定されず、1または2回、あるいは、4回以上行な
ってもよい。
【0254】このような血液成分採取装置1では、血漿
採取工程を区分しているため、一回の血漿採取工程に要
する時間を短くできる。また、血液成分採取装置1で
は、血漿採取工程終了後、貯血空間146内に血漿を循
環させる血漿循環工程を設けているため、各層131〜
133の過剰な圧縮を防止しつつ、赤血球層133に埋
もれた血小板を舞上げ、バフィーコート層132に取り
込むことができるとともに、バフィーコート層132内
の血小板と白血球との分離および整列を促すことができ
る。
【0255】また、血液成分採取装置1では、2つの光
学式センサ15、15’を設けることにより、貯血空間
146内の血液成分の界面の位置を、離間した箇所、す
なわち、血小板採取操作における所定工程において、好
適な位置で血液成分の界面を検出することができるの
で、血小板の排出条件が最適に調整される。しかも、こ
れらの光学式センサ15、15’による検出信号に基づ
き、装置の諸動作を制御するため、より高精度の制御が
可能となる。
【0256】このようなことから、血液成分採取装置1
では、血小板の収率または血小板中の白血球の除去率が
向上する。
【0257】なお、本実施形態では、第1の光学式セン
サ15による血液成分の界面の位置の検出と、第2の光
学式センサ15’による血液成分の界面の検出とが時間
差をおいて行なわれる場合について説明したが、これに
限らず、本発明では、第1の光学式センサ15による血
液成分の界面の位置の検出と、第2の光学式センサ1
5’による血液成分の界面の検出とが同時に行なわれる
ものであってもよい。
【0258】この場合、両光学式センサ15、15’の
検出信号に基づき、総合的に血液成分の界面の位置の検
出を行なうことができるので、血液成分採取装置1の各
部の作動をより好適に制御することができ、血小板の収
率または血小板中の白血球の除去率をより高いものとす
ることができる。
【0259】また、本実施形態では、第2の光学式セン
サ15’の検出信号に基づき、加速血漿循環工程の終
了、第3の血漿採取工程の終了、および、血小板採取工
程における第1の加速度から第2の加速度への変更の全
てを行なうよう作動するものであったが、これに限られ
ず、本発明では、これらのうちの、少なくとも1つを行
なうよう作動するものであればい。
【0260】例えば、前記加速血漿循環工程の終了は、
血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達
した時点、すなわち、第1の送液ポンプ11の回転速度
が所定の回転速度に到達した時点で行なわれるよう設定
することができる。
【0261】この場合、第1の送液ポンプ11の所定の
回転速度としては、好ましくは150〜250mL/mi
n程度とされ、例えば、170mL/minとされる。ま
た、この場合、ステップS108、S208、S308
は、省略される。
【0262】また、例えば、第3の血漿採取工程の終了
を、所定量の赤血球(必要とする赤血球量)を貯血空間
146内に導入した時点、すなわち、所定量の赤血球を
得るのに必要な血液量を採取した時点で行なわれるよう
設定することができる。
【0263】この場合、血液量(採血量)としては、必
要とする赤血球量をドナーのヘマトクリット値(Hct
%)で除した値で定義され、好ましくは2500/(H
ct%)mL以下程度、より好ましくは40/(Hct
%)〜1000/(Hct%)mL程度とされ、通常、
12mLとされる。
【0264】また、この場合、制御部13は、採血量か
ら第1の送液ポンプ11を回転させる回数を算出して、
第3の血漿採取工程終了のタイミングを決定する。
【0265】また、例えば、血小板採取工程における第
1の加速度から第2の加速度への変更は、第1の加速度
によるPPP循環における血漿の貯血空間146内への
循環速度が所定速度に到達した時点、すなわち、第1の
送液ポンプ11の回転速度が所定の回転速度に到達した
時点で行なわれるよう設定することができる。
【0266】この場合、第1の送液ポンプ11の所定の
回転速度としては、好ましくは100〜200mL/mi
n程度とされ、例えば、150mL/minとされる。
【0267】また、血液成分採取装置1では、血小板採
取操作の各工程における条件は、適宜変更することがで
きる。
【0268】例えば、バフィーコート採取(BC採取)
を行なうに際して、制御部13は、ローター142の
回転数を血小板採取工程での回転数に維持(保持)し、
かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度を血小板採取工
程における最終の回転速度より高くするよう、または、
ローター142の回転数を血小板採取工程での回転数
より低くし、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度を
血小板採取工程における最終の回転速度より高くするよ
う制御するようにしてもよい。また、本発明では、必要
に応じて、任意の工程を追加することもできる。
【0269】以上、本発明の血液成分採取装置を図示の
実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限
定されるものではない。血液成分採取装置を構成する各
部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換
することができる。
【0270】例えば、各光学式センサは、図示のものに
限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
【0271】また、例えば、第1の光学式センサと第2
の光学式センサとは、それらの投光部および/または受
光部の少なくとも一方が共通のものであってもよい。こ
の場合、第1の光学式センサおよび/または第2の光学
式センサは、投光光および/または反射光の光路を変更
する光路変更手段、または、光路を分割する光路分割手
段を備える。
【0272】また、本発明の血液成分採取装置は、血小
板の採取に用いられる場合に限らないことは、言うまで
もない。
【0273】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0274】(実施例)図1〜図5に示す構成の血液成
分採取装置を用いて、前述した工程に従って血小板採取
操作(4回)を行ない、血小板製剤を得た。
【0275】また、光学式センサの条件および血小板採
取操作における各工程での条件を以下に示す。検出する
血液成分の界面は、血漿層とバフィーコート層との界面
とした。なお、血小板採取操作は、2名のドナーを用い
て行なった。
【0276】1.光学式センサ 設置数 ; 2つ 波長 ; 780nm(連続光) 光軸S1と光軸S2とのなす角度; 50°
【0277】2.血小板採取操作 [第1の血漿採取工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 採取量が30gとなったとき [定速血漿循環工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :200mL/min 工程終了条件 ; 30秒経過したとき [第2の血漿採取工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 第1の光学式センサの出力電圧が
1.8Vとなったとき [加速血漿循環工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min(初
速)、5.0mL/min/sec(加速度) 工程終了条件 ; 第2の光学式センサの出力電圧が
2.5Vとなったとき [第3の血漿採取工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min 工程終了条件 ; 第2の光学式センサの出力電圧が
2.6Vとなったとき [血小板採取工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :60mL/min(初
速) 2mL/min/sec(第1の加速度) 第2の光学式センサの出力電圧が2.0Vとなった時点
で加速度の変更 10mL/min/sec(第2の加速度) 200mL/min(最高速度) 工程終了条件 ; 血小板濃度(累積PC濃度)が1
20×104cells/μL未満となったとき [バフィーコート採取工程] ローター ; 回転数 :4600rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :205mL/min 工程終了条件 ; 算出されたバフィーコート量が採
取されたとき [返血工程] 第1の送液ポンプ; 回転速度 :90mL/min 工程終了条件 ; 算出された返血量が返血されたと
き [バフィーコート返還工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度 :100mL/min 工程終了条件 ; 算出されたバフィーコート量が返
還されたとき
【0278】(比較例)第2の光学式センサを有さない
以外、前記実施例と同様の構成の血液成分採取装置を用
いて、前述した工程に従って血小板採取操作(4回)を
行ない、血小板製剤を得た。
【0279】また、光学式センサの条件および血小板採
取操作における各工程での条件を以下に示す。検出する
血液成分の界面は、血漿層とバフィーコート層との界面
とした。
【0280】なお、比較例の血小板採取操作は、実施例
と同一の2名のドナーを用い、実施例の血小板採取操作
を行なってから2週間後に行なった。
【0281】1.光学式センサ 設置数 ; 1つ 波長 ; 780nm(連続光)
【0282】2.血小板採取操作 [第1の血漿採取工程] 実施例と同様 [定速血漿循環工程] 実施例と同様 [第2の血漿採取工程] 実施例と同様 [加速血漿循環工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度:60mL/min(初
速)、5.0mL/min/sec(加速度) 工程終了条件 ; 血漿循環速度が170mL/min
となったとき [第3の血漿採取工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度:60mL/min 工程終了条件 ; 採血量が12mLとなったとき [血小板採取工程] ローター ; 回転数 :4800rpm 第1の送液ポンプ; 回転速度:60mL/min(初
速) 2mL/min/sec(第1の加速度) 血漿の循環速度が150mL/minとなった時点で加速
度の変更 10mL/min/sec(第2の加速度) 200mL/min(最高速度) 工程終了条件 ; 血小板濃度(累積PC濃度)が1
20×104cells/μL未満となったとき [バフィーコート採取工程] 実施例と同様 [返血工程] 実施例と同様 [バフィーコート返還工程] 実施例と同様
【0283】(評価)実施例および比較例で得られた血
小板製剤について、血小板数、白血球数を、血球計数装
置(Sysmex社製、Sysmex(R)NE−60
00)で測定した。但し、Sysmex(R)NE−6
000における白血球数の測定下限は、0.1×102c
ells/μLであるため、測定下限を下回ったサンプル
は、白血球数をNageotte[1:9]法により測
定した。その結果を、表1および表2に示す。
【0284】
【表1】
【0285】
【表2】
【0286】上記表1および表2に示すように、実施例
は、比較例に比べ、いずれも、血小板の収率および採取
された血小板中の白血球の除去率が高かった。
【0287】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の血液成分採
取装置によれば、複数の血液成分への分離および血液成
分の採取を行なうに際し、より高精度の分離、採取が可
能になり、特に、血小板等の成分採血に使用した場合、
血小板の収率が高く、採取された血小板中の白血球(特
に、リンパ球)の除去率が極めて高い高品質の血液製剤
が得られる。その結果、肝炎、エイズ、GVHD等の感
染をより高い確率で防止することができ、安全性が高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液成分採取装置が備える血液成分採
取回路の構成を示す平面図である。
【図2】図1の血液成分採取回路のカセットハウジング
の平面図である。
【図3】血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分
離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図であ
る。
【図4】光学式センサの構成を示す概略図である。
【図5】本発明の血液成分採取装置の全体構成を示す概
略図である。
【図6】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図7】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図8】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図9】本発明の血液成分採取装置の作用を説明するた
めのフローチャートである。
【図10】本発明の血液成分採取装置の作用を説明する
ためのフローチャートである。
【図11】本発明の血液成分採取装置の作用を説明する
ためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 血液成分採取装置 2 血液成分採取回路 10 遠心分離器駆動装置 11 第1の送液ポンプ 12 第2の送液ポンプ 13 制御部 14 濁度センサ 15 第1の光学式センサ 151 投光部 152 受光部 153 反射板 15’ 第2の光学式センサ 151’ 投光部 152’ 受光部 153’ 反射板 16 重量センサ 20 遠心分離器 21 第1のライン 21a 採血針側第1ライン 21b 遠心分離器側第1ライン 21c 分岐コネクター 21d チャンバー 21e 分岐コネクター 21f 分岐コネクター 21g ポンプチューブ 22 第2のライン 22a 分岐コネクター 22c 分岐コネクター 22d 分岐コネクター 23 第3のライン 23a ポンプチューブ 23b 異物除去用フィルター 23c 気泡除去用チャンバー 23d 抗凝固剤容器接続用針 25 血漿採取バッグ 25a 第1チューブ 25b 第2チューブ 26 血小板採取バッグ 26a 第3チューブ 27 バフィーコート採取バッグ 27a 第4チューブ 28 カセットハウジング 29 採血針 81〜86 第1〜第6の流路開閉手段 91〜96 第1〜第6の開口部 131 血漿層 132 バフィーコート層 133 赤血球層 141 管体 142 ローター 143 流入口 144 排出口 145 上部 146 貯血空間 147 反射面 147a 湾曲凸面 147b 第1の面 147c 第2の面 201 ハウジング 202 脚部 203 モータ 204 回転軸 205 固定台 206 ボルト 207 スペーサー S1、S2 光軸 S101〜S129 ステップ S20X、S20Y、S201〜S229 ステップ S30X、S30Y、S201〜S324、S327〜
S329 ステップ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液を複数の血液成分に分離するととも
    に分離された血液成分を採取する血液成分採取装置であ
    って、 内部に貯血空間を有するローターと、前記貯血空間に連
    通する流入口および排出口とを有し、前記ローターの回
    転により前記流入口より導入された血液を前記貯血空間
    内で複数の血液成分に遠心分離する遠心分離器と、 前記流入口と採血手段とを接続する第1のラインと、 前記排出口に接続された第2のラインと、 前記第1のラインと第2のラインとにそれぞれ接続され
    た血漿採取バッグと、 前記第2のラインに接続された血小板採取バッグと、 前記貯血空間に向って投光するとともにその反射光を受
    光し、その受光光量の変化に基づき前記血液成分の界面
    の位置を検出する第1の光学式センサおよび第2の光学
    式センサとを備え、 前記第1の光学式センサと前記第2の光学式センサと
    は、それぞれ、投光方向が異なっていることを特徴とす
    る血液成分採取装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の光学式センサと前記第2の光
    学式センサとは、隣接して設置されている請求項1に記
    載の血液成分採取装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の光学式センサの前記貯血空間
    への投光光の光軸S 1と、前記第2の光学式センサの前
    記貯血空間への投光光の光軸S2とは、非平行である請
    求項1または2に記載の血液成分採取装置。
  4. 【請求項4】 前記光軸S1と前記光軸S2とのなす角度
    が、15〜85°である請求項1ないし3のいずれかに
    記載の血液成分採取装置。
  5. 【請求項5】 前記ローターは、前記貯血空間より内側
    に、前記第1の光学式センサおよび前記第2の光学式セ
    ンサからの投光光を反射する反射面を備え、該反射面
    は、前記ローターの回転軸とのなす角度が互いに異なる
    第1の面および第2の面と、これらの第1の面と第2の
    面とを接続し、前記貯血空間に向って突出する湾曲凸面
    とを有し、 前記第1の光学式センサは、前記第1の面に対してほぼ
    垂直に投光し、前記第2の光学式センサは、前記第2の
    面または前記湾曲凸面に対してほぼ垂直に投光する請求
    項1ないし4のいずれかに記載の血液成分採取装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の光学式センサによる前記血液
    成分の界面の位置の検出と、前記第2の光学式センサに
    よる前記血液成分の界面の位置の検出とが時間差をおい
    て行なわれる請求項1ないし5のいずれかに記載の血液
    成分採取装置。
  7. 【請求項7】 前記貯血空間内に血液を導入し、血液を
    遠心分離することにより分離された血漿を前記血漿採取
    バッグ内に採取する第1の血漿採取工程と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に定速に
    て循環させる定速血漿循環工程と、 前記貯血空間内に血液を導入し、血液を遠心分離するこ
    とにより分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に採取
    する第2の血漿採取工程と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を前記貯血空間内に加速さ
    せながら循環させる加速血漿循環工程と、 前記貯血空間内に血液を導入し、血液を遠心分離するこ
    とにより分離された血漿を前記血漿採取バッグ内に採取
    する第3の血漿採取工程と、 前記血漿採取バッグ内の血漿を、前記貯血空間内に第1
    の加速度にて加速させながら循環させ、次いで、前記第
    1の加速度より大きい第2の加速度に変更して、該第2
    の加速度にて加速させながら循環させて、前記貯血空間
    内より血小板を流出させ、前記血小板採取バッグ内に採
    取する血小板採取工程と、 前記貯血空間内の血液成分を返血する返血工程とを有す
    る血小板採取操作を行なうよう作動する請求項1ないし
    6のいずれかに記載の血液成分採取装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の光学式センサの検出信号に基
    づき、前記第2の血漿採取工程を終了するよう作動する
    請求項7に記載の血液成分採取装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の光学式センサの検出信号に基
    づき、前記加速血漿循環工程の終了、前記第3の血漿採
    取工程の終了、および、前記血小板採取工程における第
    1の加速度から第2の加速度への変更のうちの、少なく
    とも1つを行なうよう作動する請求項7または8に記載
    の血液成分採取装置。
  10. 【請求項10】 前記血小板採取操作を、少なくとも2
    回行なうよう作動する請求項7ないし9のいずれかに記
    載の血液成分採取装置。
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