JP2002290112A - 非放射性誘電体線路用のモードサプレッサおよびそれを用いたミリ波送受信器 - Google Patents

非放射性誘電体線路用のモードサプレッサおよびそれを用いたミリ波送受信器

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JP2002290112A
JP2002290112A JP2001088138A JP2001088138A JP2002290112A JP 2002290112 A JP2002290112 A JP 2002290112A JP 2001088138 A JP2001088138 A JP 2001088138A JP 2001088138 A JP2001088138 A JP 2001088138A JP 2002290112 A JP2002290112 A JP 2002290112A
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wave signal
millimeter
millimeter wave
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JP2001088138A
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Nobuki Hiramatsu
信樹 平松
Kazuki Hayata
和樹 早田
Atsumi Fukuura
篤臣 福浦
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モードサプレッサの内部にあるLSEモード
抑制用の導体パターンの位置ズレを未然に検知すること
によって、不要モードであるLSEモードを安定して減
衰し、特性バラツキが小さなものを提供すること。 【解決手段】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔
で配置した平行平板導体1、2間に配設された高周波信
号伝送用の誘電体線路3の内部に、平行平板導体1、2
の主面に垂直でありかつ高周波信号の伝送方向に平行な
面で誘電体線路3の幅方向の略中心に位置する一面内に
LSEモード抑制用の導体パターン7aを設けて成り、
LSEモード抑制用の導体パターン7aが設けられた一
面内の隅部に誘電体線路3の上面または下面との間隔b
が0.01〜0.5mmの導体マーカ7bが形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非放射性誘電体線
路型のマイクロ波集積回路、ミリ波集積回路、ミリ波レ
ーダーモジュール等に組み込まれ、誘電体線路の端部に
設けられてLSEモードおよびTEMモードの電磁波を
遮断するモードサプレッサ、およびそれを用いた非放射
性誘電体線路構造のミリ波送受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波やミリ波の高周波信号
を伝送させる非放射性誘電体線路(NonRadiative Diel
ectric Waveguideで、以下、NRDガイドという)の
基本構成を図10に示す。同図に示すように、所定の間
隔Aでもって平行配置された平行平板導体71、72と
の間に、断面が長方形等の矩形状の誘電体線路73を配
置した構成であり、この間隔Aが高周波信号の波長λに
対してA≦λ/2であれば、外部から誘電体線路73へ
のノイズの侵入をなくしかつ外部への高周波信号の放射
をなくして、誘電体線路73中で高周波信号を伝搬させ
ることができる。なお、高周波信号の波長λは使用周波
数における空気中(自由空間)での波長である。
【0003】このようなNRDガイドの誘電体線路73
中を伝搬する高周波信号(電磁波)の動作モードはLS
M(Longitudinal Section Magnetic)モードである
が、曲がりの部分やNRDガイドに組み込まれるサーキ
ュレータおよび高周波発振部等では、不要モードのLS
E(Longitudinal Section Electric)モードが発生
する。このLSEモードを効果的に減衰させ抑制するた
めに、誘電体線路73の端部にモードサプレッサが設け
られる。
【0004】そして、従来のモードサプレッサを図3、
図4に示す。これらの図において、1、2は高周波信号
の波長の2分の1の間隔で平行配置された平行平板導
体、3はテフロン(登録商標)、ポリスチレン等から成
る誘電体線路、7はCu箔等からなるLSEモード抑制
用の導体パターン、6は平行平板導体1、2の主面に垂
直でありかつ高周波信号の伝送方向に平行な面で誘電体
線路3の幅方向の略中心に位置する一面内に導体パター
ン7を設けて成るモードサプレッサである。
【0005】モードサプレッサ6は誘電体線路3の先端
部に配置され、電界成分が誘電体線路3の高周波信号の
伝送方向に平行で平行平板導体1、2の主面に垂直な面
に平行であるLSEモードの電磁波を遮断する。そし
て、導体パターン7部分でLSEモードから変換される
TEMモードを除去するために、幅の広い部分(幅W
1)と幅の狭い部分(幅W2)とが、TEMモードの電
磁波の波長λtに対しλt/4の幅Lで交互に繰り返し
形成された、所謂λt/4チョークパターンが施されて
いる(従来例1:特開昭63−185101号公報参
照)。
【0006】また、他の従来例として、NRDガイドに
おいて、誘電体ストリップ内の上下導体板に対して垂直
でかつ幅方向の中央位置に、信号伝送方向に沿った長さ
が伝送モードの誘電体線路間の波長の1/4以下の導体
ピンを、伝送モードの誘電体線路間の波長の1/4以下
のピッチで配置したことにより、製造特性のばらつきを
均一化させた精度の高いものを低コストに製造可能なも
のが提案されている(従来例2:特開平9−21960
8号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1のモードサプレッサ6では、LSEモード抑制用
の導体パターン7が位置ずれを起こして平行平板導体
1、2に近づいたときに、高周波信号の伝搬モードの形
が変わるために、LSEモードの減衰が不十分になると
いう問題点があった。
【0008】また、従来例2のNRDガイド素子用のモ
ードサプレッサでは、導体ピンが上下方向に露出してい
るが、導体ピンが接触するときと、製造上不可避のすき
まにより接触しないときのLSEモードの減衰特性が大
きく異なるため、製品毎のLSEモードの減衰特性のバ
ラツキが非常に大きくなるという問題点があった。
【0009】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、LSEモード抑制用の導
体パターンの位置ズレを未然に検知することによって、
安定した特性を有し、特性バラツキの小さなモードサプ
レッサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の非放射性誘電体
線路用のモードサプレッサは、高周波信号の波長の2分
の1以下の間隔で配置した平行平板導体間に配設された
高周波信号伝送用の誘電体線路の内部に、前記平行平板
導体の主面に垂直でありかつ前記高周波信号の伝送方向
に平行な面で前記誘電体線路の幅方向の略中心に位置す
る一面内にLSEモード抑制用の導体パターンを設けて
成る非放射性誘電体線路用のモードサプレッサにおい
て、前記LSEモード抑制用の導体パターンが設けられ
た一面内の隅部に前記誘電体線路の上面または下面との
間隔が0.01〜0.5mmの導体マーカが形成されて
いることを特徴とする。
【0011】本発明は、上記の構成により、目視検査に
よってLSEモード抑制用の導体パターンの位置ズレを
容易に検知することができ、その結果モードサプレッサ
が安定した特性を有するものとなり、その特性バラツキ
を小さくすることができる。また、LSEモード抑制用
の導体パターンが、その形成位置がずれて平行平板導体
に近づいて、モードサプレッサの減衰特性が劣化する程
度の位置ズレが生じたときに導体マーカが露出するよう
に設定することができる。従って、導体マーカの目視検
査によってLSEモード抑制用の導体パターンの位置ズ
レを検知することができ、より安定した特性を有し、特
性バラツキの小さいモードサプレッサとすることができ
る。
【0012】本発明において、好ましくは、前記高周波
信号の伝送方向における前記導体マーカと前記LSEモ
ード抑制用の導体パターンとの距離が10μm以上であ
ることを特徴とする。
【0013】本発明は、このような構成により、導体マ
ーカの存在によってLSEモード抑制用の導体パターン
のLSEモードの減衰効果を損なうことなく、導体マー
カの目視検査によってLSEモード抑制用の導体パター
ンの位置ズレを検知することができ、さらに安定した特
性を有し、特性バラツキの小さいモードサプレッサとす
ることができる。
【0014】また、本発明のミリ波送受信器は、送信用
のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平
行平板導体間に、高周波発生素子から出力され周波数変
調されるかまたはパルス化されたミリ波信号をミキサー
側へ伝搬させる第1の誘電体線路と、該第1の誘電体線
路に付設され、前記高周波発生素子から出力された高周
波信号を周期的に周波数変調するかまたはパルス化して
送信用のミリ波信号として出力し前記第1の誘電体線路
中を伝搬させるミリ波信号発振部と、前記第1の誘電体
線路に一端側が電磁結合するように近接配置されるかま
たは前記第1の誘電体線路に一端側が接合されて、前記
ミリ波信号の一部をサーキュレータ側へ伝搬させる第2
の誘電体線路と、前記平行平板導体に平行に配設された
フェライト板の周縁部に所定間隔で配置されかつそれぞ
れ前記ミリ波信号の入出力端とされた第1の接続部,第
2の接続部および第3の接続部を有し、一つの前記接続
部から入力された前記ミリ波信号を前記フェライト板の
面内で時計回りまたは反時計回りに隣接する他の接続部
より出力させるサーキュレータであって、前記第2の誘
電体線路の前記ミリ波信号の出力端に前記第1の接続部
が接合されるサーキュレータと、該サーキュレータの前
記第2の接続部に接続され、前記ミリ波信号を伝搬させ
るとともに先端部に送受信アンテナを有する第3の誘電
体線路と、前記送受信アンテナで受信され前記第3の誘
電体線路を伝搬して前記サーキュレータの前記第3の接
続部より出力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第4
の誘電体線路と、前記第1の誘電体線路の中途と前記第
4の誘電体線路の中途とを近接させて電磁結合させるか
または接合させて成り、前記ミリ波信号の一部と受信波
とを混合させて中間周波信号を発生させるミキサー部
と、を設けたミリ波送受信器において、前記第1の誘電
体線路の前記ミリ波信号発振部との接続部、および前記
第2の誘電体線路・前記第3の誘電体線路・前記第4の
誘電体線路の前記サーキュレータとの接続部側の端部
に、それぞれ本発明のモードサプレッサを設けたことを
特徴とする。
【0015】本発明のミリ波送受信器は、上記構成によ
り、不要モードであるLSEモードの電磁波を安定に減
衰することができ、また送信波の一部がサーキュレータ
を介してミキサーへ混入する量が減少し、その結果ミリ
波レーダー等に適用した場合にミリ波信号の伝送特性に
優れ、受信波のノイズを低減してその探知距離を増大し
得るものとなる。
【0016】また、本発明のミリ波送受信器は、送信用
のミリ波信号の波長の2分の1以下の間隔で配置した平
行平板導体間に、高周波発生素子から出力され周波数変
調されるかまたはパルス化されたミリ波信号を伝搬させ
る第1の誘電体線路と、該第1の誘電体線路に付設さ
れ、前記高周波発生素子から出力された高周波信号を周
期的に周波数変調するかまたはパルス化して送信用のミ
リ波信号として出力し前記第1の誘電体線路中を伝搬さ
せるミリ波信号発振部と、前記第1の誘電体線路に一端
側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前記第
1の誘電体線路に一端側が接合されて、前記ミリ波信号
の一部をミキサー側へ伝搬させる第2の誘電体線路と、
前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および
第3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された
前記ミリ波信号を前記フェライト板の面内で時計回りま
たは反時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサ
ーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミ
リ波信号の出力端に前記第1の接続部が接合されるサー
キュレータと、該サーキュレータの第2の接続部に接続
され、前記ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送
信アンテナを有する第3の誘電体線路と、先端部に受信
アンテナ、他端部にミキサーが各々設けられた第4の誘
電体線路と、前記サーキュレータの前記第3の接続部に
接続され、前記送信アンテナで受信したミリ波信号を伝
搬させるとともに、先端部に設けられた無反射終端部で
受信したミリ波信号を減衰させる第5の誘電体線路と、
前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて
成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周
波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ波送受
信器において、前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号
発振部との接続部、および前記第1の誘電体線路・前記
第3の誘電体線路・前記第5の誘電体線路の前記サーキ
ュレータとの接続部側の端部に、それぞれ本発明のモー
ドサプレッサを設けたことを特徴とする。
【0017】本発明のミリ波送受信器は、このような構
成により、不要モードであるLSEモードの電磁波を効
果的に減衰することができ、また送信アンテナで受信し
たミリ波信号がミリ波信号発振部へ混入することがな
く、従ってミリ波レーダーモジュールに適用した場合ミ
リ波信号の伝送特性に優れ、ノイズが低減してその探知
距離が増大したものとなる。
【0018】また、上記構成のミリ波送受信器におい
て、前記第2の誘電体線路は、前記第3の誘電体線路に
一端側が電磁結合するように近接配置されるかまたは前
記第3の誘電体線路に一端側が接合されて、前記ミリ波
信号の一部をミキサー側へ伝搬させるように配置される
ように構成することもできる。この場合にも、上記と同
様の作用効果を奏する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のNRDガイド用のモード
サプレッサ、およびそれを用いたミリ波送受信器として
のミリ波レーダーモジュールについて以下に説明する。
図1、図2は本発明のモードサプレッサを示すものであ
り、これらの図において、1、2は高周波信号の波長の
2分の1の間隔で平行配置された平行平板導体、3はテ
フロン、ポリスチレン、セラミックス等から成る誘電体
線路、7aはLSEモード抑制用の導体パターン、7b
は導体マーカ、8は導体パターン7aと導体マーカ7b
を内部に設けたモードサプレッサある。なお、ここでい
う波長は使用周波数における空気中(自由空間)での波
長である。
【0020】本発明の導体パターン7aおよび導体マー
カ7bは、Cu,Au,Ag等から成り、平行平板導体
1、2の主面に垂直でありかつ高周波信号の伝送方向に
平行な面で誘電体線路3の幅方向の略中心に位置する一
面内に配設されたものである。そして、モードサプレッ
サ8は、電界成分が誘電体線路3の伝送方向に平行であ
りかつ平行平板導体1、2の主面に垂直な面に平行な方
向であるLSEモードの電磁波を遮断する。
【0021】これら導体パターン7aおよび導体マーカ
7bは、導体パターン7aのパターン形成用のマスクに
導体マーカ7bのパターンを形成しておき、導体パター
ン7aのパターン形成時に同時に導体マーカ7bのパタ
ーンを形成すればよい。あるいは、導体パターン7aの
パターン形成後に、そのパターンに位置合わせして導体
マーカ7bのパターンを形成してもよい。このようにし
て、導体マーカ7bは導体パターン7aに対して正確に
位置合わせされた状態で形成される。
【0022】本発明では、導体マーカ7bとそれに近い
平行平板導体1、2との間隔bが、導体パターン7aと
それに近い平行平板導体1、2との間隔aよりも小さく
されている。これにより、導体パターン7aが上下方向
にずれた場合に、導体マーカ7bがモードサプレッサ8
部の誘電体線路の上面または下面に先に露出することに
なり、導体パターン7aの正確な位置ズレを検知でき
る。
【0023】本発明においては、導体マーカ7bと誘電
体線路の上面または下面との間隔bが0.01〜0.5
mmである。0.01mm未満では、導体マーカ7bに
にじみが生じて露出の判別が難しくなり、0.5mmを
超えると、導体パターン7aの位置ズレ量が大きくな
り、平行平板導体1、2に近づいて、高周波信号の伝搬
モードの形が変わるため、LSEモードの減衰が不十分
になる。より好ましくは、間隔bは0.1〜0.3mm
である。
【0024】また、高周波信号の伝送方向における導体
マーカと導体パターン7aとの距離dが10μm以上で
あることが好ましい。距離dが10μm未満では、導体
パターン7aでの電界分布等の伝搬モードの形に影響を
及ぼし、導体パターン7aの減衰効果を損なうこととな
る。より好ましくは、距離dは20μm以上がよい。
【0025】導体パターン7aおよび導体マーカ7bの
材質は、高い電気伝導度を有する点で、Cu,Al,F
e,SUS(ステンレススチール),Ag,Au,Pt
等が好ましい。導体パターン7aのパターンとしては、
図2のような、高周波信号の伝送方向に延びるように形
成された、λt/4(λtはTEMモードの電磁波の波
長)チョークパターンの他に、高周波信号の伝送方向に
沿って所定の繰り返し間隔をおいて複数設けられたパタ
ーン等でもよい。
【0026】導体マーカ7bの形状は、図2に示すよう
な長方形、正方形が好ましいが、円形、楕円形等種々の
形状とし得る。導体マーカ7bの個数は、1個以上であ
れば何個でもよいが、図2のように導体パターン7aの
形成面の4つの隅部に形成するのがよく、導体パターン
7aの位置ずれを検知するのが容易であるうえ、必要以
上に設ける手間が省ける。導体マーカ7bは、目視検査
の時にこれが露出しているかどうかを判別できるために
は、平行平板導体1、2に平行な方向の長さcは0.0
1mm以上であるのが良い。より好ましくは肉眼で検査
が容易にできる0.05mm以上が良い。
【0027】導体パターン7aおよび導体マーカ7bの
厚さは0.1mm以下であることが好ましい。導体パタ
ーン7aの厚さが0.1mmを超えると、LSMモード
の電磁波が反射され易くなり、その透過損失が増大す
る。より好ましくは、導体パターン7aの厚さは5μm
以上が良く、5μm未満では、導体パターン7aのパタ
ーンが所定通りに形成できなくなったり、導体マーカ7
bが露出しても検出できないことがある。
【0028】このようなモードサプレッサ8用の導体パ
ターン7aは、Cu等の金属粒子を含有する金属ペース
トを印刷塗布し焼成する方法、または蒸着法,スパッタ
リング法,CVD法等の薄膜形成法により被着させるこ
とで形成される。また、導体パターン7aを薄い導体板
として、誘電体線路3の端部を半割りしてその内面に接
着させる、または誘電体線路3の端部に形成された溝内
に嵌め込むか配置することによって設けてもよい。ま
た、モードサプレッサ8の作製および組み込みについて
は、誘電体線路3とモードサプレッサ8とを別個に作製
し、平行平板導体2上に位置合わせして設置するか、誘
電体線路3とモードサプレッサ8とを接着した後平行平
板導体2上に設置してもよい。
【0029】本発明において、誘電体線路3の材料は、
テフロン、ポリスチレン等の樹脂系誘電体材料、または
低比誘電率のコーディエライト(2MgO・2Al23
・5SiO2)セラミックス、アルミナ(Al23)セ
ラミックス、ガラスセラミックス、フォルステライト
(2MgO・SiO2)セラミックス等のセラミックス
が好ましく、これらは高周波帯域において低損失であ
る。特に、誘電特性、加工性、強度、小型化、信頼性等
の点で、コーディエライトセラミックスから成るのが好
ましい。さらに、コーディエライトセラミックスに対
し、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Dy,
Ho,Er,Tm,Yb,Luから選ばれる少なくとも
1種の元素を含有させることにより、Q値等の誘電特性
を向上させ、低損失で高周波信号を伝送し得る。
【0030】また本発明のモードサプレッサ8は、誘電
体線路3においてLSEモード等の不要モードが発生し
易い、サーキュレータや発振部等との接続部に設けられ
る。
【0031】本発明でいう高周波帯域は、数〜数100
GHz帯域のマイクロ波帯域およびミリ波帯域に相当
し、例えば10GHz以上、特に30GHz以上、更に
は70GHz以上の高周波帯域が好適である。
【0032】本発明のNRDガイド用の平行平板導体
1、2は、高い電気伝導度および加工性等の点で、C
u,Al,Fe,Ag,Au,Pt,SUS(ステンレ
ススチール),真鍮(Cu−Zn合金)等の導体板、あ
るいはセラミックス,樹脂等から成る絶縁板の表面にこ
れらの導体層を形成したものでもよい。
【0033】また、本発明のNRDガイドは、高周波発
生素子としてガンダイオード等の高周波ダイオードを組
み込むことによって、無線LAN、自動車のミリ波レー
ダ等に使用されるものであり、例えば自動車の周囲の障
害物および他の自動車に対しミリ波を照射し、反射波を
元のミリ波と合成して中間周波信号を得、この中間周波
信号を分析することにより障害物および他の自動車まで
の距離、それらの移動速度等が測定できる。
【0034】かくして、本発明のNRDガイド用のモー
ドサプレッサは、LSEモード抑制用の導体パターンの
位置ずれがあってもそれを未然に検知することによっ
て、安定した特性が得られ、特性バラツキが小さくなる
という作用効果を有する。
【0035】次に、本発明のミリ波送受信器としてのミ
リ波レーダーモジュールについて以下に説明する。図6
〜図9は本発明のミリ波レーダーモジュールについて示
すものであり、図6は送信アンテナと受信アンテナが一
体化されたものの平面図、図7は送信アンテナと受信ア
ンテナが独立したものの平面図、図8はミリ波信号発振
部の斜視図、図9はミリ波信号発振部用の可変容量ダイ
オード(バラクタダイオード)を設けた配線基板の斜視
図である。
【0036】図6において、11は本発明の一方の平行
平板導体(他方は省略する)、12は第1の誘電体線路
20の一端に設けられた電圧制御型のミリ波信号発振部
であり、バイアス電圧印加方向が高周波信号の電界方向
に合致するように、第1の誘電体線路20の高周波ダイ
オード(高周波発生素子)近傍に配置された可変容量ダ
イオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波,
正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用のミ
リ波信号として出力する。
【0037】20は、高周波発生素子としてのガンダイ
オード等の高周波ダイオードから出力された高周波信号
が変調されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線路
であり、その他端側はミキサー部16に接続される。1
4は、第2,第3,第4の誘電体線路21,22,23
にそれぞれ接続される第1,第2,第3接続部(図示せ
ず)を有する、2枚のフェライト円板から成るサーキュ
レータ、22は、サーキュレータ14の第2の接続部に
接続され、ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送
受信アンテナ15を有する第3の誘電体線路、15は、
第3の誘電体線路22の先端をテーパー状とすることに
より設けられた送受信アンテナである。
【0038】なお、送受信アンテナ15は、平行平板導
体11に形成された貫通孔を通して高周波信号を入力ま
たは出力させ、平行平板導体11の外面に貫通孔に接続
された金属導波管を介して設置されたホーンアンテナ等
であってもよい。
【0039】また23は、送受信アンテナ15で受信さ
れ第3の誘電体線路22を伝搬してサーキュレータ14
の第3の接続部より出力した受信波をミキサー部16側
へ伝搬させる第4の誘電体線路である。
【0040】そして、第1の誘電体線路20のミリ波信
号発振部12側の一端側と第2の誘電体線路21の一端
側とが電磁結合するように近接配置されるか、または第
1の誘電体線路20の一端側が第2の誘電体線路21の
一端側に接合されることにより、ミリ波信号の一部をサ
ーキュレータ14側へ伝搬させる。
【0041】また、17は、第2の誘電体線路21のサ
ーキュレータ14と反対側の一端部に設けられた無反射
終端部(ターミネータ)である。また、16は、第1の
誘電体線路20の中途と第4の誘電体線路23の中途を
近接させて電磁結合させるか、または接合させることに
より、ミリ波信号の一部と受信波を混合させて中間周波
信号を発生させるミキサー部である。
【0042】このような構成において、第1の誘電体線
路20のミリ波信号発振部12との接続部側の端部、お
よび第2の誘電体線路21・第3の誘電体線路22・第
4の誘電体線路23のサーキュレータ14との接続部側
の端部に、上記本発明のモードサプレッサ18を設けて
いる。
【0043】そして、これらの各種部品は、ミリ波信号
の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体1
1、11間に設けられている。
【0044】図6のものにおいて、第1の誘電体線路2
0の中途に、図9に示したものと同様に構成したスイッ
チを設けることで、パルス化されたミリ波信号を発振す
ることもできる。例えば、図9のように、配線基板58
の一主面に第2のチョーク型バイアス供給線路60を形
成し、その中途に半田実装されたビームリードタイプの
PINダイオードやショットキーバリアダイオードを設
けたスイッチである。
【0045】また、本発明のミリ波レーダーモジュール
の他の実施の形態として、送信アンテナと受信アンテナ
を独立させた図7のタイプがある。同図において、31
は本発明の一方の平行平板導体(他方は省略する)、3
2は第1の誘電体線路33の一端に設けられた電圧制御
型のミリ波信号発振部であり、バイアス電圧印加方向が
高周波信号の電界方向に合致するように第1の誘電体線
路33の高周波ダイオード近傍に配置された可変容量ダ
イオードのバイアス電圧を周期的に制御して、三角波,
正弦波等とすることにより、周波数変調した送信用のミ
リ波信号として出力する。
【0046】33は、高周波ダイオードから出力された
高周波信号が周波数変調されたミリ波信号を伝搬させる
第1の誘電体線路、34は、第1,第3,第5の誘電体
線路33,35,37にそれぞれ接続される第1,第
2,第3の接続部(図示せず)を有する、2枚のフェラ
イト円板34aから成るサーキュレータである。35
は、サーキュレータ34の第2の接続部に接続され、ミ
リ波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナ3
6を有する第3の誘電体線路、36は、第3の誘電体線
路35の先端をテーパー状等にすることにより設けられ
た送信アンテナ、37は、サーキュレータ34の第3の
接続部に接続され、送信アンテナ36で受信したミリ波
信号を減衰させる無反射終端部37aが先端に設けられ
た第5の誘電体線路である。
【0047】また38は、第1の誘電体線路33に一端
側が電磁結合するように近接配置されるか、または第1
の誘電体線路33に一端側が接合されて、ミリ波信号の
一部をミキサー部41側へ伝搬させる第2の誘電体線
路、38aは、第2の誘電体線路38のミキサー部41
と反対側の一端部に設けられた無反射終端部、39は、
受信アンテナ40で受信された受信波をミキサー部41
側へ伝搬させる第4の誘電体線路である。また、42
は、第2の誘電体線路38の中途と第4の誘電体線路3
9の中途を近接させて電磁結合させるか、または接合さ
せることにより、ミリ波信号の一部と受信波とを混合さ
せて中間周波信号を発生させるミキサー部である。
【0048】なお、送信アンテナ36および受信アンテ
ナ40は、平行平板導体31に形成された貫通孔を通し
て高周波信号を入力または出力させ、平行平板導体31
の外面に貫通孔に接続された金属導波管を介して設置さ
れたホーンアンテナ等であってもよい。
【0049】上記構成において、第1の誘電体線路33
のミリ波信号発振部32との接続部側の端部、および第
1の誘電体線路33・第3の誘電体線路35・第5の誘
電体線路37のサーキュレータ34との接続部側の端部
に、本発明のモードサプレッサ43を設けている。
【0050】そして、これらの各種部品は、ミリ波信号
の波長の2分の1以下の間隔で配置した平行平板導体間
に設けられる。
【0051】この図7のものにおいて、第1の誘電体線
路33または第3の誘電体線路35の中途に、図9に示
したものと同様に構成したスイッチを設けることで、パ
ルス化されたミリ波信号を発振することもできる。例え
ば、図9のように、配線基板58の一主面に第2のチョ
ーク型バイアス供給線路60を形成し、その中途に半田
実装されたビームリードタイプのPINダイオードやシ
ョットキーバリアダイオードを設けたスイッチである。
【0052】なお、図7の構成において、第2の誘電体
線路38は、第3の誘電体線路35に一端側が電磁結合
するように近接配置されるか、または第3の誘電体線路
35に一端側が接合されて、ミリ波信号の一部をミキサ
ー部41側へ伝搬させるように、配置されていてもよ
い。
【0053】また、これらのミリ波レーダーモジュール
において、平行平板導体間の間隔は、ミリ波信号の空気
中での波長であって、使用周波数での波長の2分の1以
下となる。
【0054】図6,図7のミリ波レーダーモジュール用
のミリ波信号発振部12,32を図8,図9に示す。こ
れらの図において、52は、ガンダイオード素子53を
設置(マウント)するための略直方体の金属ブロック等
の金属部材、53は、ミリ波を発振する高周波ダイオー
ドの1種であるガンダイオード素子、54は、金属部材
52の一側面に設置され、ガンダイオード素子53にバ
イアス電圧を供給するとともに高周波信号の漏れを防ぐ
ローパスフィルタとして機能するチョーク型バイアス供
給線路54aを形成した配線基板、55は、チョーク型
バイアス供給線路54aとガンダイオード素子53の上
部導体とを接続する金属箔リボン等の帯状導体、56
は、誘電体の基体に共振用の金属ストリップ線路56a
を設けた金属ストリップ共振器、57は、金属ストリッ
プ共振器56により共振した高周波信号をミリ波信号発
振部外へ導く誘電体線路である。
【0055】さらに、誘電体線路57の中途には、周波
数変調用ダイオードであって可変容量ダイオードの1種
であるバラクタダイオード50を装荷した配線基板58
を設置している。このバラクタダイオード50のバイア
ス電圧印加方向は、誘電体線路57での高周波信号の伝
搬方向に垂直かつ平行平板導体の主面に平行な方向(電
界方向)とされている。また、バラクタダイオード50
のバイアス電圧印加方向は、誘電体線路57中を伝搬す
るLSM01モードの高周波信号の電界方向と合致してお
り、これにより高周波信号とバラクタダイオード50と
を電磁結合させ、バイアス電圧を制御することによりバ
ラクタダイオード50の静電容量を変化させることで、
高周波信号の周波数を制御できる。また、59は、バラ
クタダイオード50と誘電体線路57とのインピーダン
ス整合をとるための高比誘電率の誘電体板である。
【0056】また図9に示すように、配線基板58の一
主面には第2のチョーク型バイアス供給線路60が形成
され、第2のチョーク型バイアス供給線路60の中途に
ビームリードタイプのバラクタダイオード50が配置さ
れる。第2のチョーク型バイアス供給線路60のバラク
タダイオード50との接続部には、接続用の電極51が
形成されている。
【0057】そして、ガンダイオード素子53から発振
された高周波信号は、金属ストリップ共振器56を通し
て誘電体線路57に導出される。次いで、高周波信号の
一部はバラクタダイオード50部で反射されてガンダイ
オード素子53側へ戻る。この反射信号がバラクタダイ
オード50の静電容量の変化に伴って変化し、発振周波
数が変化する。
【0058】また、図6,図7のミリ波レーダーモジュ
ールはFMCW(Frequency Modulation Cotinuous
Waves)方式、パルス方式等であり、FMCW方式の場
合その動作原理は以下のようなものである。ミリ波信号
発振部の変調信号入力用のMODIN端子に、電圧振幅
の時間変化が三角波,正弦波等となる入力信号を入力
し、その出力信号を周波数変調し、ミリ波信号発振部の
出力周波数偏移を三角波,正弦波等になるように偏移さ
せる。そして、送受信アンテナ15,送信アンテナ36
より出力信号(送信波)を放射した場合、送受信アンテ
ナ15,送信アンテナ36の前方にターゲットが存在す
ると、電波の伝搬速度の往復分の時間差をともなって、
反射波(受信波)が戻ってくる。この時、ミキサー部1
6,41の出力側のIFOUT端子には、送信波と受信
波の周波数差が出力される。
【0059】このIFOUT端子の出力周波数等の周波
数成分を解析することで、Fif=4R・fm・Δf/c
(Fif:IF出力周波数,R:距離,fm:変調周波
数,Δf:周波数偏移幅,c:光速)という関係式から
距離を求めることができる。
【0060】本発明のミリ波信号発振部において、チョ
ーク型バイアス供給線路54aおよび帯状導体55の材
料は、Cu,Al,Au,Ag,W,Ti,Ni,C
r,Pd,Pt等から成り、特にCu,Agが、電気伝
導度が良好であり、損失が小さく、発振出力が大きくな
るといった点で好ましい。
【0061】また、帯状導体55は金属部材52の表面
から所定間隔をあけて金属部材52と電磁結合してお
り、チョーク型バイアス供給線路54aとガンダイオー
ド素子53間に架け渡されている。即ち、帯状導体55
の一端はチョーク型バイアス供給線路54aの一端に半
田付け等により接続され、帯状導体55の他端はガンダ
イオード素子53の上部導体に半田付け等により接続さ
れており、帯状導体55の接続部を除く中途部分は宙に
浮いた状態となっている。
【0062】そして、金属部材52は、ガンダイオード
素子53の電気的な接地(アース)を兼ねているため金
属導体であれば良く、その材料は金属(合金を含む)導
体であれば特に限定するものではなく、真鍮(黄銅:C
u−Zn合金),Al,Cu,SUS(ステンレススチ
ール),Ag,Au,Pt等から成る。また金属部材5
2は、全体が金属から成る金属ブロック、セラミックス
やプラスチック等の絶縁基体の表面全体または部分的に
金属メッキしたもの、絶縁基体の表面全体または部分的
に導電性樹脂材料等をコートしたものであっても良い。
【0063】かくして、本発明のミリ波送受信器として
の図6のミリ波レーダーモジュールは、LSEモードお
よびTEMモード等の不要モードの電磁波を安定に減衰
し得、その結果探知距離を増大し得る。また、図7のも
のでは、LSEモードおよびTEMモード等の不要モー
ドの電磁波を安定に減衰し得、また送信用のミリ波信号
がサーキュレータを介してミキサーへ混入することがな
く、従ってミリ波信号の伝送特性に優れ、受信信号のノ
イズが低減しさらに探知距離が増大し得る。
【0064】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々の変更を行うことは何等差し支えない。
【0065】
【実施例】本発明のNRDガイド用のモードサプレッサ
の実施例について以下に説明する。
【0066】(実施例1)図1および図2のモードサプ
レッサ8を以下のようにして構成した。SiO2を44
重量%、Al23を29重量%、MgOを11重量%、
ZnOを7重量%、B23を9重量%含有し、かつ平均
粒径1.5〜2.5μmのガラスに対して、SiO2
15重量部、ZnOを10重量部添加するために、平均
粒径1.5〜2.5μmのセラミックフィラーを加えた
混合粉末を作製した。この混合粉末に有機樹脂バインダ
および溶剤を添加混合してスラリーを作製した後、ドク
ターブレード法によってシート状に成形した。
【0067】そのシートの表面に、図2に示すようなパ
ターン(a=0.4mm、b=0.2mm、c=0.3
mm、d=1mm)となるように、Cuペーストをスク
リーン印刷法により印刷塗布してLSEモード抑制用の
導体パターン7aと導体マーカ7bを被着させた。さら
にその表面に、上記と同様にして作製したシートを積層
させた。得られた積層体を、非酸化性雰囲気中で850
〜1000℃で焼成した後、高さ(w)1.8mm,長
さ(l)5.5mmにカットしてモードサプレッサ8を
作製した。
【0068】そして、平行平板導体1、2として、厚さ
6mmの2枚のAl板を1.8mmの間隔で配置し、そ
れらの間に、断面形状が1.8mm(高さ)×0.8m
m(幅)の矩形状であり比誘電率4.8のコーディエラ
イトセラミックスから成る誘電体線路3と、この誘電体
線路3の端部に接続されたモードサプレッサ8とを設置
した。
【0069】このモードサプレッサ8についてLSEモ
ードの減衰特性を評価した。このとき、LSMモードで
励振された電磁波をLSEモードに変換し、またLSM
モードに変換するNRDガイド、例えば、LSMモード
が伝搬する誘電体線路の端部にその伝送方向と直角に他
の誘電体線路を接続してLSEモードに変換し、他の誘
電体線路の他方の端部にその伝送方向と直角にさらに他
の誘電体線路を接続してLSMモードに変換する、とい
った構成のものを作製した。LSEモードが伝送する部
分にモードサプレッサ8を挿入して、ネットワークアナ
ライザを用いて75〜85GHzでの透過特性(S21
を測定した結果を図5に示す。図5より、76〜77G
Hzにおいて、15dB以上(38dB程度)の優れた
減衰特性が得られた。 (実施例2)LSEモード抑制用の導体パターン7aお
よび導体マーカ7bを、それらの形成面の中心から上方
向に0.15mmずらして形成した以外は上記実施例1
と同様に作製した。このとき、導体マーカ7bはモード
サプレッサ8の上面に露出していなかった。上記実施例
1と同様に測定した結果を図5に示す。図5より、76
〜77GHzにおいて15dB以上(35dB程度)の
減衰特性が得られた。 (比較例)LSEモード抑制用の導体パターン7aおよ
び導体マーカ7bを、それらの形成面の中心から上方向
に0.2mmずらして形成した以外は上記実施例1と同
様に作製した。このとき、導体マーカ7bはモードサプ
レッサ8の上面に露出していた。上記実施例1と同様に
測定した結果を図5に示す。図5より、76〜77GH
zにおいて減衰特性が9〜16dBと劣化している。
【0070】このように、本実施例1,2のものは比較
例に比べ、減衰特性が良好であった。従って、導体マー
カ7bが露出しているかどうかを検査することにより、
LSEモード抑制用の導体パターン7aの位置ズレを未
然に検知し、安定した特性を有し、特性バラツキが小さ
いものを作製できることが判った。
【0071】
【発明の効果】本発明は、高周波信号の波長の2分の1
以下の間隔で配置した平行平板導体間に配設された高周
波信号伝送用の誘電体線路の内部に、平行平板導体の主
面に垂直でありかつ高周波信号の伝送方向に平行な面で
誘電体線路の幅方向の略中心に位置する一面内にLSE
モード抑制用の導体パターンを設けて成り、LSEモー
ド抑制用の導体パターンが設けられた一面内の隅部に誘
電体線路の上面または下面との間隔が0.01〜0.5
mmの導体マーカが形成されていることにより、導体マ
ーカをLSEモード抑制用の導体パターンの位置ズレ検
知用のマーカーとして用いることができるため、LSE
モード抑制用の導体パターンの位置ズレを未然に検知す
ることができる。その結果、LSEモードを安定に減衰
することができ、特性バラツキが小さいモードサプレッ
サとすることができる。
【0072】また、LSEモード抑制用の導体パターン
が平行平板導体に近づいて伝送特性が劣化する程度の位
置ズレが生じたときに、導体マーカが誘電体線路の上下
面に露出するように設定することで、LSEモード抑制
用の導体パターンの位置ズレを検知することができ、よ
り安定した特性を有し、特性バラツキの小さいものとす
ることができる。
【0073】また本発明は、好ましくは、高周波信号の
伝送方向における導体マーカとLSEモード抑制用の導
体パターンとの距離が10μm以上であることによっ
て、導体マーカの存在によってLSEモード抑制用の導
体パターンの減衰効果を損なうことなく、LSEモード
抑制用の導体パターンの位置ズレを検知することがで
き、さらに安定した特性を有し、特性バラツキが小さい
ものとなる。
【0074】また、本発明の送受信アンテナを有するミ
リ波送受信器は、本発明のモードサプレッサを用いるこ
とにより、不要モードであるLSEモードの電磁波を安
定に減衰することができ、送信用のミリ波信号がサーキ
ュレータを介してミキサーへ混入する量が減少し、その
結果ミリ波レーダーモジュール等に適用した場合、ミリ
波信号の伝送特性に優れ、受信信号のノイズが減少して
その探知距離を増大するものとなる。
【0075】また、本発明の送信アンテナと受信アンテ
ナが独立したミリ波送受信器は、本発明のモードサプレ
ッサを用いることにより、不要モードであるLSEモー
ドの電磁波を安定に減衰することができ、また送信アン
テナで受信したミリ波信号がミリ波信号発振部へ混入す
ることがなく、従ってミリ波レーダーモジュール等に適
用した場合、ミリ波信号の伝送特性に優れ、発振ノイズ
が低減してその探知距離が増大するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモードサプレッサを有するNRDガイ
ドの内部を一部透視したものの斜視図である。
【図2】図1のモードサプレッサ用のLSEモード抑制
用の導体パターンおよび導体マーカのパターンを示す側
面図である。
【図3】従来のモードサプレッサを有するNRDガイド
の内部を一部透視したものの斜視図である。
【図4】図3のモードサプレッサ用のLSEモード抑制
用の導体パターンのパターンを示す側面図である。
【図5】本発明のモードサプレッサについて、LSEモ
ードの透過特性を測定した結果のグラフである。
【図6】本発明のミリ波レーダーモジュールについて実
施の形態の例を示す平面図である。
【図7】本発明のミリ波レーダーモジュールについて実
施の形態の他の例を示す平面図である。
【図8】本発明のミリ波レーダーモジュールにおける電
圧制御型のミリ波信号発振部の斜視図である。
【図9】図9のミリ波信号発振部用のバラクタダイオー
ドを設けた配線基板の斜視図である。
【図10】従来のNRDガイドの基本構成を示す部分透
視斜視図である。
【符号の説明】
1:平行平板導体 2:平行平板導体 3:誘電体線路 7a:LSEモード抑制用の導体パターン 7b:導体マーカ 8:モードサプレッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J012 CA01 5J014 HA06 5K011 AA16 BA03 BA04 BA09 BA10 DA02 DA03 DA24 JA00 KA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波信号の波長の2分の1以下の間隔
    で配置した平行平板導体間に配設された高周波信号伝送
    用の誘電体線路の内部に、前記平行平板導体の主面に垂
    直でありかつ前記高周波信号の伝送方向に平行な面で前
    記誘電体線路の幅方向の略中心に位置する一面内にLS
    Eモード抑制用の導体パターンを設けて成る非放射性誘
    電体線路用のモードサプレッサにおいて、前記LSEモ
    ード抑制用の導体パターンが設けられた一面内の隅部に
    前記誘電体線路の上面または下面との間隔が0.01〜
    0.5mmの導体マーカが形成されていることを特徴と
    する非放射性誘電体線路用のモードサプレッサ。
  2. 【請求項2】 前記高周波信号の伝送方向における前記
    導体マーカと前記LSEモード抑制用の導体パターンと
    の距離が10μm以上であることを特徴とする請求項1
    記載の非放射性誘電体線路用のモードサプレッサ。
  3. 【請求項3】 送信用のミリ波信号の波長の2分の1以
    下の間隔で配置した平行平板導体間に、 高周波発生素子から出力され周波数変調されるかまたは
    パルス化されたミリ波信号をミキサー側へ伝搬させる第
    1の誘電体線路と、 該第1の誘電体線路に付設され、前記高周波発生素子か
    ら出力された高周波信号を周期的に周波数変調するかま
    たはパルス化して送信用のミリ波信号として出力し前記
    第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、 前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近
    接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端側が
    接合されて、前記ミリ波信号の一部をサーキュレータ側
    へ伝搬させる第2の誘電体線路と、 前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
    縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
    の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および
    第3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された
    前記ミリ波信号を前記フェライト板の面内で時計回りま
    たは反時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサ
    ーキュレータであって、前記第2の誘電体線路の前記ミ
    リ波信号の出力端に前記第1の接続部が接合されるサー
    キュレータと、 該サーキュレータの前記第2の接続部に接続され、前記
    ミリ波信号を伝搬させるとともに先端部に送受信アンテ
    ナを有する第3の誘電体線路と、 前記送受信アンテナで受信され前記第3の誘電体線路を
    伝搬して前記サーキュレータの前記第3の接続部より出
    力した受信波をミキサー側へ伝搬させる第4の誘電体線
    路と、 前記第1の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
    中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて
    成り、前記ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中
    間周波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ波
    送受信器において、 前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号発振部との接続
    部、および前記第2の誘電体線路・前記第3の誘電体線
    路・前記第4の誘電体線路の前記サーキュレータとの接
    続部側の端部に、それぞれ請求項1または請求項2記載
    のモードサプレッサを設けたことを特徴とするミリ波送
    受信器。
  4. 【請求項4】 送信用のミリ波信号の波長の2分の1以
    下の間隔で配置した平行平板導体間に、 高周波発生素子から出力され周波数変調されるかまたは
    パルス化されたミリ波信号を伝搬させる第1の誘電体線
    路と、 該第1の誘電体線路に付設され、前記高周波発生素子か
    ら出力された高周波信号を周期的に周波数変調するかま
    たはパルス化して送信用のミリ波信号として出力し前記
    第1の誘電体線路中を伝搬させるミリ波信号発振部と、 前記第1の誘電体線路に一端側が電磁結合するように近
    接配置されるかまたは前記第1の誘電体線路に一端側が
    接合されて、前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬
    させる第2の誘電体線路と、 前記平行平板導体に平行に配設されたフェライト板の周
    縁部に所定間隔で配置されかつそれぞれ前記ミリ波信号
    の入出力端とされた第1の接続部,第2の接続部および
    第3の接続部を有し、一つの前記接続部から入力された
    前記ミリ波信号を前記フェライト板の面内で時計回りま
    たは反時計回りに隣接する他の接続部より出力させるサ
    ーキュレータであって、前記第1の誘電体線路の前記ミ
    リ波信号の出力端に前記第1の接続部が接合されるサー
    キュレータと、 該サーキュレータの第2の接続部に接続され、前記ミリ
    波信号を伝搬させるとともに先端部に送信アンテナを有
    する第3の誘電体線路と、 先端部に受信アンテナ、他端部にミキサーが各々設けら
    れた第4の誘電体線路と、 前記サーキュレータの前記第3の接続部に接続され、前
    記送信アンテナで受信したミリ波信号を伝搬させるとと
    もに、先端部に設けられた無反射終端部で受信したミリ
    波信号を減衰させる第5の誘電体線路と、 前記第2の誘電体線路の中途と前記第4の誘電体線路の
    中途とを近接させて電磁結合させるかまたは接合させて
    成り、ミリ波信号の一部と受信波とを混合させて中間周
    波信号を発生させるミキサー部と、を設けたミリ波送受
    信器において、 前記第1の誘電体線路の前記ミリ波信号発振部との接続
    部、および前記第1の誘電体線路・前記第3の誘電体線
    路・前記第5の誘電体線路の前記サーキュレータとの接
    続部側の端部に、それぞれ請求項1または請求項2記載
    のモードサプレッサを設けたことを特徴とするミリ波送
    受信器。
  5. 【請求項5】 前記第2の誘電体線路は、前記第3の誘
    電体線路に一端側が電磁結合するように近接配置される
    かまたは前記第3の誘電体線路に一端側が接合されて、
    前記ミリ波信号の一部をミキサー側へ伝搬させるように
    配置されていることを特徴とする請求項4記載のミリ波
    送受信器。
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