JP2002289316A - ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法 - Google Patents

ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法

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JP2002289316A
JP2002289316A JP2001067590A JP2001067590A JP2002289316A JP 2002289316 A JP2002289316 A JP 2002289316A JP 2001067590 A JP2001067590 A JP 2001067590A JP 2001067590 A JP2001067590 A JP 2001067590A JP 2002289316 A JP2002289316 A JP 2002289316A
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pin
diameter
rod
resin
resin substrate
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JP2001067590A
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English (en)
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Hajime Saiki
一 斉木
Norimine Miyamoto
憲峰 宮本
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Multi-Conductor Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピンに応力が掛かっても破壊しにくいピン立
設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、ピ
ン立設基板に用いるピン、及び、このピンの製造方法を
提供すること。 【解決手段】 ピン立設樹脂製基板311は、樹脂等か
ら構成され主面313Aに露出した径0.9〜1.1m
mのピンパッド317APを有する樹脂製基板313
と、ピンパッド317APにハンダHDで接合された多
数のピン301とを備える。コバールからなるピン30
1は、予め700℃に加熱する熱処理によりビッカース
硬度がHv=150程度にされ、径0.3mmの棒状部
301Aと、この棒状部301Aの一方の端部に形成さ
れ、径0.60〜0.70mm、厚さ0.15〜0.2
0mmの円板形状の径大部301Bとを有している。こ
の径大部301Bが、ピンパッド317APにハンダ付
けされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入出力端子として
コバールあるいは42合金からなるピンを立設したピン
立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、
ピン立設基板に用いる入出力端子としてのピン、及び、
このピンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、入出力端子としてのピンを、
樹脂または樹脂を含む複合材料から構成された樹脂製基
板に立設したピン立設樹脂製基板が知られている。例え
ば、図10に部分拡大断面図を示すピン立設樹脂製基板
201が挙げられる。このピン立設樹脂製基板201
は、略矩形の略板形状の樹脂製基板203と、これに立
設された多数のピン221とからなる。
【0003】このうち樹脂製基板203は、内部や表面
に配線層(図示しない)が形成された樹脂絶縁層205
を有し、主面203A側(図中上方)には、ソルダーレ
ジスト層207から露出するピンパッド209が多数形
成されている。一方、ピン221は、コバールからな
り、略円柱形状の棒状部221Aと、このピンパッド2
09側の端部に形成された略円板状の径大部221Bと
から構成されている。そして、このピン221は、径大
部221B全体と棒状部221Aのうち径大部221B
側の一部とがピンパッド209にハンダHDで接合され
ることにより、樹脂製基板203に固着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなピン立設樹脂製基板201は、ピン221に応力が
掛かったとき、例えば、ピン221を引っ張ったとき
に、ピン221(棒状部221A)が破断することな
く、それ以前に樹脂製基板203(ピンパッド209及
びその下部)が破壊したり、ピン221とピンパッド2
09とのハンダ接合部分で破壊することがある。
【0005】特に近時では、多数の入出力端子を樹脂製
基板203に形成すべく、ピンを小型化・低背化するこ
とが求められており、例えば、ピンパッド209の径を
0.9〜1.1mmとしたものにおいて、ピン221の
棒状部と径大部を合わせた全長が2mm程度で、棒状部
221Aの径が0.3mm程度、径大部221Bの径が
0.7mm以下で厚さが0.2mm以下のものが求めら
れている。一方、このような小型のピンを用いながら
も、接続強度は高く維持したものが求められており、例
えば、30度斜め引張強度が平均値で25.5N(=
2.60kgf)以上あることが求められているものが
ある。さらには、最低値で22.2N(=2.27kg
f)以上あることがもとめられることもある。ところ
が、このような小型のピン及びピンパッドを用いピン立
設樹脂製基板については、上記したピンに許容される寸
法範囲内で寸法を変化させても、要求される接続強度
(30度斜め引張強度が平均値で25.5N以上、さら
には最低値で22.2N以上)を満たすものを得ること
ができなかった。
【0006】本発明はかかる現状に鑑みてなされたもの
であって、ピンに応力が掛かっても破壊されにくいピン
立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、
ピン立設基板に用いるピン、及び、このピンの製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】その解決
手段は、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂
を含む複合材料から構成され、上記主面に露出する露出
部の径が0.9〜1.1mmのピンパッドを有する樹脂
製基板と、上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、
を備え、上記ピンは、コバール又は42合金からなる棒
状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より
径大で、この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.
60〜0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの
径大部と、を有し、ビッカース硬度Hv≦200の硬度
を有し、少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハン
ダ付けされているピン立設樹脂製基板である。
【0008】コバール(Fe−Ni−Co合金)や42
合金(Fe−42wt%Ni合金)からなるピンは、一般
にコバールや42合金の線材を所定形状に成形して得る
が、素材を所定径の線材とするにあたって、引き抜き等
の加工をするため、線材は加工歪みにより硬くなる。ま
た、径大部を形成するための加工等によっても硬くな
る。このため、ピンは、素材そのものより硬く(具体的
にはHv=250程度)なっている。このような硬いピ
ンは変形しにくいので、ハンダによって樹脂製基板に固
着すると、樹脂製基板との間に生じる応力をピンの変形
によって吸収することが難しい。また、ピンに応力が掛
かったときにもピンが変形して応力を吸収しにくく、樹
脂製基板内や樹脂製基板とピンとの間で破壊しやすくな
ると考えられる。
【0009】これに対し、本発明によれば、コバールや
42合金からなるピンでありながら、軟らかいピン、具
体的にはビッカース硬度Hv≦200のピンを用いる。
このため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変
形して応力を吸収するので、ピンを樹脂製基板のハンダ
付けした際に生じる応力や、引張などによりピンと樹脂
製基板との接合部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛
かる応力を軽減することができる。
【0010】しかも、樹脂製基板におけるピンパッドの
径が0.9〜1.1mmであり、ピンの径大部はその径
が0.60〜0.70mm、厚さが0.15〜0.20
mmの範囲とされている。この種のピンパッド及びピン
としては、上記したように、ピンパッド径0.9〜1.
1mmのものにおいて、ピンの径大部の径が0.70m
m以下、径大部の厚さが0.20mm以下の範囲とする
ものが求められている。この範囲のうち、上記の範囲で
特に接続強度が高くなり、30度斜め引張強度について
平均値で25.5N以上の強度を確保することができる
ことが判った。上記ピンパッドの範囲において、ピンの
寸法が上記範囲とされることにより、径大部の径と厚さ
が適当な大きさとなったために、ピンパッドとの間にな
だらかなハンダフィレットが形成されることに加え、ピ
ンが軟らかくされているために、基板に掛かる応力を緩
和することができたために、接続強度(例えば引張強
度)が向上したと考えられる。
【0011】従って、このピン立設樹脂製基板は、ピン
に応力が掛かっても、破壊しにくく信頼性が高い。な
お、ピンをビッカース硬度Hv≦200の硬度を有する
ものとするには、いずれの手法によっても良いが、ピン
を鋳造するなど硬化しない手法で製造するほか、プレス
等を用いるなど一旦通常の手法で形成した後に加熱する
手法、例えば、高周波電磁場にピンをおいて加熱する手
法や、レーザ光を照射してピンを加熱する手法、ヒータ
を有する炉内にピンを投入して輻射熱で加熱する手法な
どが挙げられる。また、本明細書において、ピンパッド
の露出部とは、ピンパッドの周縁にソルダーレジスト層
などの樹脂絶縁層が形成されている場合には、ピンパッ
ドのうちこの樹脂絶縁層に形成された開口から露出する
部分を指し、ピンパッドの周縁が露出している場合に
は、ピンパッド全体を指す。ピンパッドの露出部の形状
は通常は円形であるが、楕円形、矩形など他の形状とす
ることもできる。従って、ピンパッドの露出部の径と
は、露出部の形状が円形の場合はその径(直径)を指す
が、露出部の形状が楕円形には短径、矩形などの場合に
は短辺の長さなど、径方向最小寸法をさす。
【0012】さらに、他の解決手段は、主面を有する略
板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成
され、上記主面に露出する露出部の径が0.9〜1.1
mmのピンパッドを有する樹脂製基板と、上記ピンパッ
ドにハンダ接合されたピンと、を備え、上記ピンは、ピ
ン成形後に700℃以上に加熱する熱処理が施されてお
り、コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒状
部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状
部の一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70m
mで厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有
し、少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付
けされているピン立設樹脂製基板である。
【0013】上記したように、コバールや42合金から
なるピンは、素材を線材に加工する際、あるいは径大部
を形成するための加工等によって加工硬化して硬くなる
ため、ピンは素材そのものより硬く、具体的には、ビッ
カース硬度Hv=250程度になっていると考えられ
る。このように硬いピンをハンダによって樹脂製基板の
固着すると、ハンダ付けによる樹脂製基板との応力や、
外部からピンへ掛かる応力に対し、ピンが硬いために変
形して応力を吸収しにくく、樹脂製基板内やピンと樹脂
製基板との間で破壊しやすくなると考えられる。
【0014】これに対し、本発明によれば、コバール等
からなるピンは700℃以上に加熱する熱処理が施され
ている。コバールや42合金からなるピンが700℃以
上に加熱されると、加工硬化が解消されて軟化する。こ
のため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形
して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板との接合部
分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減す
ることができる。
【0015】しかも、樹脂製基板におけるピンパッドの
径が0.9〜1.1mmであり、ピンの径大部はその径
が0.60〜0.70mm、厚さが0.15〜0.20
mmの範囲とされている。この種のピンパッド及びピン
としては、前記したように、ピンパッド径0.9〜1.
1mmのものにおいて、ピンの径大部の径が0.70m
m以下径大部の厚さが0.20mm以下の範囲とするも
のが求められているが、この範囲のうち、上記の範囲で
特に接続強度が高くなり、30度斜め引張強度について
平均値で25.5N以上の強度を確保することができる
ことが判った。上記ピンパッドの範囲において、ピンの
寸法が上記範囲とされることにより、径大部の径と厚さ
が適当な大きさとなったために、ピンパッドとの間にな
だらかなハンダフィレットが形成されることに加え、ピ
ンが軟らかくされているために、基板に掛かる応力を緩
和することができたために、接続強度(例えば引張強
度)が向上したと考えられる。従って、このピン立設樹
脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、破壊されにく
く、信頼性が高い。
【0016】ところで、セラミック製基板にピンが立設
されたピン立設セラミック製基板においては、ピンが高
温で熱処理されているものが、従来から存在している。
これは、通常、ピンはセラミック製基板にロウ付け接合
されるので、その接合の際、自ずと例えば800℃程度
の高温にさらされるからである。これに対し、ピン立設
樹脂製基板では、樹脂製基板の耐熱性を考慮して、ピン
は、200〜300℃程度の低温でハンダ接合されるの
で、ピン自身が特に高温にさらされることがなく、従っ
て、ピンが硬く、それほど応力を吸収することができな
かった。
【0017】しかし、本発明では、予めピンに熱処理が
施されているので、ピンで応力を吸収しやすく、ピン立
設樹脂製基板が破壊されにくい。なお、ピンの熱処理の
温度は、700℃以上とすればよいが、特に、900℃
以上に加熱すると、引張強度が十分高くなるなど、特に
高い接続信頼性を得ることができる。また、コバールや
42合金の熱処理は、これらの融点よりも低い範囲で適
宜選択すればよいが、あまり高温で処理すると、加熱に
費用が掛かることなどを考慮し、例えば、1100℃以
下とするのが好ましい。
【0018】また、上記いずれかに記載のピン立設樹脂
製基板であって、前記ピンは、30度斜め引張強度の平
均値が25.5N以上であるピン立設樹脂製基板とする
のが好ましい。このようなピン立設樹脂製基板では、ピ
ンの接続強度が高く、ピンに応力が掛かっても、破壊さ
れにくく、信頼性が高い。
【0019】ここで、上記ピン立設樹脂製基板であっ
て、前記ピンは、前記ピン成形後に、前記熱処理に先立
って、機械的研磨を施されてなるピン立設樹脂製基板と
するのが好ましい。ピンはプレス等によって成形された
時点では、バリ等が各所に生じていたり、鋭い角部が形
成されていたりする場合がある。このようなバリや鋭い
角部は、容易に剥がれ落ちて金属微粉となって基板各所
あるいは他の電子部品に付着し、短絡や絶縁不良を引き
起こす危険性があるため、例えばバレル研磨等の機械的
研磨によってバリを除去したり鋭い角部を面取りするこ
とが行われる。かかる機械的研磨は、ピンを成形した後
ならば、ピンの熱処理の前または後のいずれに行っても
良い。しかしながら、かかる機械的研磨を行うと、メデ
ィア、砥粒などがピン表面に衝突することによりピン表
面が硬くなる。従って、熱処理によってピンを軟らかく
した後に機械的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピ
ンを再び硬くすることとなる点で好ましくない。
【0020】これに対し、上記のように熱処理に先立っ
て機械的研磨を施されてなるピンでは、一旦機械的研磨
によってピンが硬化しても、その後の熱処理でピンが十
分軟化しているので、機械的研磨の影響も無く、十分に
軟らかいピンがハンダ付けされ、信頼性の高いピン立設
樹脂製基板とすることができる。なお、機械的研磨とし
ては、例えば、バレル研磨、サンドブラスト、ショット
ブラスト、研磨粒子入りウォータジェット、液体ホーニ
ング、研磨剤を含有したブラシ体による研磨などが挙げ
られる。また、研磨剤を含有したブラシ体で研磨する手
法も挙げられる。中でも機械的研磨として、バレル研磨
を用いるのが好ましい。バレル研磨によれば大量のピン
を同時にかつ安価に処理することができ、しかも各ピン
に対しバリ除去や面取りを均一に行うことができるから
である。
【0021】また、ピンのハンダ付けに用いるハンダ
は、ピン立設樹脂製基板の耐熱性、このピン立設樹脂製
基板にICチップ等の電子部品を搭載する際のハンダ付
け温度等を考慮して適宜選択すれば良い。例えば、Sn
/Sb系ハンダ、Pb/Sn系ハンダ、Sn/Ag系ハ
ンダなどが挙げられる。なおこれらのハンダには、C
u,Ag,Bi,Au,Pb,In,Al,As等を添
加したものも含まれる。従って、上記いずれかに記載の
ピン立設樹脂製基板であって、前記ハンダは、Sn/S
b系ハンダ、Pb/Sn系ハンダ、及びSn/Ag系ハ
ンダのいずれかであるピン立設樹脂製基板とするのが好
ましい。中でも、Sn/Sb系ハンダは、Pb/Sn系
ハンダなどに比して濡れ性がやや低く、相対的に濡れ拡
がりにくい性質を有するので、ピンの棒状部への這い上
がり高さを低く抑えることができる点で好ましい。
【0022】さらに、上記いずれかに記載のピン立設樹
脂製基板であって、前記ピンの径大部の径が0.65〜
0.70mmであるピン立設樹脂製基板とすると良い。
【0023】ピンの径大部の径を0.65〜0.70m
mとすると、さらに接続強度が高くなり、30度斜め引
張強度において、平均値で25.5N以上で、かつ最低
値で22.2N以上を確保することができる。従って、
上記ピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、30度
斜め引張強度の最低値が、22.2N以上であるピン立
設樹脂製基板とするのが好ましい。このようなピン立設
樹脂製基板では、ピンの接続強度が高く、しかも接続強
度のバラツキによって極端に接続強度の低いものが無い
から、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、特に
信頼性が高い。
【0024】また他の解決手段は、コバール又は42合
金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、こ
の棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成さ
れ、径が0.60〜0.70mmで厚さが0.15〜
0.20mmの径大部と、を有するピンの硬度をビッカ
ース硬度Hv≦200に引き下げるピン硬度引き下げ工
程と、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を
含む複合材料から構成され、上記主面に露出する露出部
の径が0.9〜1.1mmのピンパッドを有する樹脂製
基板のうち、上記ピンパッドに、上記ピンの径大部を当
接させて、上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも
上記径大部とをハンダ付けするピン固着工程と、を備え
るピン立設樹脂製基板の製造方法である。
【0025】本発明によれば、コバールや42合金のピ
ンを用いながらも、ピン硬度引き下げ工程において、ピ
ンのビッカース硬度をHv≦200に引き下げる。そし
て、ピン固着工程において、硬度が引き下げられてやわ
らなくなったピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ
接合する。従って、製造されたピン立設配線基板では、
ピンと樹脂製基板(ピンパッド)との間にハンダ付けに
よって生じる応力や、外部からピンに掛かった応力を、
ピン自体の変形によって吸収することができるので、ピ
ンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる
応力を軽減することができる。
【0026】しかも、ビッカース硬度を引き下げたピン
は、径大部の径が0.60〜0.70mm、厚さが0.
15〜0.20mmの範囲であり、このピンをハンダ付
けする樹脂製基板のピンパッド径が0.9〜1.1mm
である。この種のピンパッド及びピンとしては、前記し
たように、ピンパッド径0.9〜1.1mmのものにお
いて、ピンの径大部の径が0.70mm以下、径大部の
厚さが0.20mm以下の範囲とするものが求められて
いるが、この範囲のうち、上記の範囲で特に接続強度が
高くなり、30度斜め引張強度について平均値で25.
5N以上を確保することができることが判った。上記ピ
ンパッドの範囲において、ピンの寸法が上記範囲とされ
ることにより、径大部の径と厚さが適当な大きさとなっ
たために、ピンパッドとの間になだらかなハンダフィレ
ットが形成されることに加え、ピンが軟らかくされてい
るために、基板に掛かる応力を緩和することができたた
めに、接続強度(例えば引張強度)が向上したと考えら
れる。
【0027】従って、この製造方法で製造されたピン立
設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、破壊しにく
く信頼性が高い。なお、ピンをビッカース硬度Hv≦2
00に引き下げるピン硬度引き下げ工程の手法として
は、いずれの手法によっても良いが、プレス等を用いる
など一旦通常の手法で形成したピンを、高周波電磁場に
ピンをおいて加熱する手法や、レーザ光を照射してピン
を加熱する手法、ヒータを有する炉内にピンを投入して
輻射熱で加熱する手法など、ピンを加熱して軟化させる
手法が挙げられる。
【0028】さらに、上記ピン立設樹脂製基板の製造方
法であって、前記ピン硬度引き下げ工程はピンをベルト
炉内を通過させる熱処理によってビッカース硬度を引き
下げるピン立設樹脂製基板の製造方法とするのが好まし
い。ベルト炉での熱処理を行えば、ピン全体を均一にか
つ確実に加熱して熱処理でき、しかも、安価に処理でき
るので、安価なピン立設樹脂製基板とすることができ
る。
【0029】さらに他の解決手段は、主面を有する略板
形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成さ
れ、上記主面に露出する露出部の径が0.9〜1.1m
mのピンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパ
ッドに、コバール又は42合金からなる棒状部と、この
棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この
棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜0.7
0mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を
有するピンであって、ビッカース硬度Hv≦200の硬
度を有するピンの上記径大部を当接させて、上記ピンパ
ッドと上記ピンのうち少なくとも上記径大部をハンダ付
けするピン固着工程を備えるピン立設樹脂製基板の製造
方法である。
【0030】本発明によれば、コバールや42合金のピ
ンでありながら、ピンのビッカース硬度がHv≦200
のピンを用いる。そして、ピン固着工程において、硬度
が低く軟らかいピンを、樹脂製基板のピンパッドにハン
ダ接合する。従って、製造されたピン立設配線基板で
は、ピンと樹脂製基板(ピンパッド)との間にハンダ付
けによって生じる応力や、外部からピンに掛かった応力
を、ピン自体の変形によって吸収することができるの
で、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に
掛かる応力を軽減することができる。
【0031】しかも、コバール等からなるビッカース硬
度Hv≦200のピンは、径大部の径が0.60〜0.
70mm、厚さが0.15〜0.20mmの範囲であ
り、このピンをハンダ付けする樹脂製基板のピンパッド
径が0.9〜1.1mmである。この種のピンパッド及
びピンとしては、前記したように、ピンパッド径0.9
〜1.1mmのものにおいて、ピンの径大部の径が0.
70mm以下、径大部の厚さが0.20mm以下の範囲
とするものが求められている。この範囲のうち、上記の
範囲で特に接続強度が高くなり、30度斜め引張強度に
ついて平均値で25.5N以上の強度を確保することが
できることが判った。上記ピンパッドの範囲において、
ピンの寸法が上記範囲とされることにより、径大部の径
と厚さが適当な大きさとなったために、ピンパッドとの
間になだらかなハンダフィレットが形成されることに加
え、ピンが軟らかくされているために、基板に掛かる応
力を緩和することができたために、接続強度(例えば引
張強度)が向上したと考えられる。従って、この製造方
法で製造されたピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛
かっても、破壊しにくく信頼性が高い。
【0032】また、他の解決手段は、コバール又は42
合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、
この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成
され、径が0.60〜0.70mmで厚さが0.15〜
0.20mmの径大部と、を有するピンを700℃以上
に加熱するピン熱処理工程と、主面を有する略板形状を
なし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上
記主面に露出する露出部の径が0.9〜1.1mmのピ
ンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパッド
に、上記ピンの径大部を当接させて、上記ピンパッドと
上記ピンのうち少なくとも上記径大部とをハンダ付けす
るピン固着工程と、を備えるピン立設樹脂製基板の製造
方法である。
【0033】本発明によれば、ピン熱処理工程におい
て、コバールまたは42合金からなるピンを700℃以
上に加熱する熱処理を施すので、これによって、ピンは
確実かつ十分にやわらかくなる。そして、ピン固着工程
において、やわらなくなったピンを、樹脂製基板のピン
パッドにハンダ接合する。従って、ピンと樹脂製基板
(ピンパッド)との間にハンダ付けによって生じる応力
や、外部からピンに掛かった応力を、ピン自体の変形に
よって吸収することができるので、ピンと樹脂製基板と
の接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減するこ
とができる。
【0034】しかも、コバール等からなるビッカース硬
度Hv≦200のピンは、径大部の径が0.60〜0.
70mm、厚さが0.15〜0.20mmの範囲であ
り、このピンをハンダ付けする樹脂製基板のピンパッド
径が0.9〜1.1mmである。この種のピンパッド及
びピンとしては、上記したように、ピンパッド径0.9
〜1.1mmのものにおいて、ピンの径大部の径が0.
70mm以下、径大部の厚さが0.20mm以下の範囲
とするものが求められている。この範囲のうち、上記の
範囲で特に接続強度が高くなり、30度斜め引張強度に
ついて平均値で25.5N以上の強度を確保することが
できることが判った。上記ピンパッドの範囲において、
ピンの寸法が上記範囲とされることにより、径大部の径
と厚さが適当な大きさとなったために、ピンパッドとの
間になだらかなハンダフィレットが形成されることに加
え、ピンが軟らかくされているために、基板に掛かる応
力を緩和することができたために、接続強度(例えば引
張強度)が向上したと考えられる。従って、この製造方
法で製造されたピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛
かっても、破壊されにくく、信頼性が高い。なお、コバ
ールや42合金の熱処理は、これらの融点よりも低い範
囲で適宜選択すればよいが、あまり高温で処理すると、
加熱に費用が掛かることなどを考慮し、例えば、110
0℃以下とするのが好ましい。
【0035】さらに、上記ピン立設樹脂製基板の製造方
法であって、前記ピン熱処理工程に先立って、前記ピン
に機械的研磨を施す機械的研磨工程を備えるピン立設樹
脂製基板の製造方法とすると良い。
【0036】ピンはプレス等によって成形された時点で
は、バリ等が各所に生じていたり、鋭い角部が形成され
ていたりする場合がある。このようなバリや鋭い角部
は、容易に剥がれ落ちて金属微粉となって基板各所ある
いは他の電子部品に付着し、短絡や絶縁不良を引き起こ
す危険性があるため、例えばバレル研磨等の機械的研磨
によってバリを除去したり鋭い角部を面取りすることが
行われる。かかる機械的研磨は、ピンの熱処理の前と後
のいずれに行うこともできる。しかしながら、かかる機
械的研磨を行うと、メディア、砥粒などがピン表面に衝
突することによりピン表面が硬くなる。従って、熱処理
によってピンを軟らかくした後に機械的研磨を行うと、
せっかく軟らかくしたピンを再び硬くすることとなる点
で好ましくない。
【0037】これに対し、本発明では、ピン熱処理工程
に先立って機械的研磨工程を備えるので、たとえ機械的
研磨によってピンが硬化しても熱処理でピンを軟化させ
ることができるので、機械的研磨の影響をも無くし、十
分軟らかいピンをピンパッドに固着することができる。
このため、破壊されにくく、さらに信頼性が高いピン立
設樹脂製基板を製造することができる。なお前記したよ
うに、機械的研磨工程としては、例えば、バレル研磨、
サンドブラスト、ショットブラスト、研磨粒子入りのウ
ォータージェット、液体ホーニング、あるいは、研磨剤
を含有したブラシ体による研磨など各種の工程が挙げら
れる。
【0038】特に、上記ピン立設樹脂製基板の製造方法
であって、前記機械的研磨工程は、前記ピンにバレル研
磨を施すバレル研磨工程であるピン立設樹脂製基板の製
造方法とするのが好ましい。
【0039】本発明では、機械的研磨工程として、バレ
ル研磨を施すバレル研磨工程を採用している。このバレ
ル研磨によれば大量のピンを同時にかつ安価に処理する
ことができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面取りを均
一に行うことができる点で好ましいからである。
【0040】さらに他の解決手段は、主面を有する略板
形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成さ
れ、上記主面に露出する露出部の径が0.9〜1.1m
mのピンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパ
ッドに、コバール又は42合金からなる棒状部と、この
棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この
棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜0.7
0mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を
有するピンであって、700℃以上に加熱するピン熱処
理されたピンの上記径大部を当接させて、上記ピンパッ
ドと上記ピンのうち少なくとも上記径大部をハンダ付け
するピン固着工程を備えるピン立設樹脂製基板の製造方
法である。
【0041】本発明によれば、ピン固着工程において、
700℃以上に加熱する熱処理を施されたコバールまた
は42合金からなるピンを、樹脂製基板のピンパッドに
ハンダ接合する。このように700℃以上の温度で熱処
理されたピンは、確実かつ十分にやわらかくなってい
る。従って、ピンと樹脂製基板(ピンパッド)との間に
ハンダ付けによって生じる応力や、外部からピンに掛か
った応力を、ピン自体の変形によって吸収することがで
きるので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板
本体に掛かる応力を軽減することができる。
【0042】しかも、コバール等からなるピンは、径大
部の径が0.60〜0.70mm、厚さが0.15〜
0.20mmの範囲であり、このピンをハンダ付けする
樹脂製基板のピンパッド径が0.9〜1.1mmであ
る。この種のピンパッド及びピンとしては、上記したよ
うに、ピンパッド径0.9〜1.1mmのものにおい
て、ピンの径大部の径が0.70mm以下、径大部の厚
さが0.20mm以下の範囲とするものが求められてい
る。この範囲のうち、上記の範囲で特に接続強度が高く
なり、30度斜め引張強度について平均値で25.5N
以上の強度を確保することができることが判った。
【0043】上記ピンパッドの範囲において、ピンの寸
法が上記範囲とされることにより、径大部の径と厚さが
適当な大きさとなったために、ピンパッドとの間になだ
らかなハンダフィレットが形成されることに加え、ピン
が軟らかくされているために、基板に掛かる応力を緩和
することができたために、接続強度(例えば引張強度)
が向上したと考えられる。従って、この製造方法で製造
されたピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かって
も、破壊されにくく、信頼性が高い。なお、コバールや
42合金の熱処理は、これらの融点よりも低い範囲で適
宜選択すればよいが、あまり高温で処理すると、加熱に
費用が掛かることなどを考慮し、例えば、1100℃以
下とするのが好ましい。
【0044】ここで、上記ピン立設樹脂製基板の製造方
法であって、前記ピンは、前記ピン熱処理に先立って、
機械的研磨を施されてなるピンであるピン立設樹脂製基
板とするのが好ましい。ピンには成形時点では、バリや
鋭い角部がある場合がある。このようなバリや鋭い角部
は、剥がれ落ちて金属微粉となり、基板や他の電子部品
の短絡や絶縁不良発生の原因となる危険性があるため、
例えばバレル研磨等の機械的研磨によるバリ除去や角部
の面取りが行われる。かかる機械的研磨は、ピンの熱処
理の前または後のいずれに行っても良い。しかしなが
ら、かかる機械的研磨を行うと、メディア、砥粒などが
ピン表面に衝突することによりピン表面が硬くなる。従
って、ピン熱処理によってピンを軟らかくした後に機械
的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピンを再び硬く
することとなる点で好ましくない。
【0045】これに対し、上記のように熱処理に先立っ
て機械的研磨を施されてなるピンは、一旦機械的研磨に
よってピンが硬くなっても、その後の熱処理により十分
軟化している。このため、このピンを用いることで、さ
らに信頼性の高いピン立設樹脂製基板を製造することが
できる。なお、機械的研磨のうちでは、バレル研磨を用
いるのが好ましい。バレル研磨によれば大量のピンを同
時にかつ安価に処理することができ、しかも各ピンに対
しバリ除去や面取りを均一に行うことができるからであ
る。
【0046】さらに、上記いずれかに記載のピン立設樹
脂製基板の製造方法であって、前記ピンの径大部の径が
0.65〜0.70mmであるピン立設樹脂製基板の製
造方法とするのが好ましい。
【0047】ピンの径大部の径を0.65〜0.70m
mとしてピン立設樹脂製基板を製造すると、さらにピン
の接続強度が高くなり、30度斜め引張強度において、
平均値で25.5N以上で、かつ最低値で22.2N以
上を確保することができる。
【0048】さらに他の解決手段は、入出力端子として
のピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンであ
って、コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒
状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒
状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70
mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有
し、ビッカース硬度Hv≦200の硬度を有するピンで
ある。
【0049】本発明のピンは、コバールや42合金から
なるピンでありながらも、ビッカース硬度Hv≦200
の軟らかいピンである。このため、このピンを用いてピ
ン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製基板で
は、ピンと樹脂製基板(ピンパッド)との間にハンダ付
けによって生じる応力や、外部からピンに掛かった応力
を、ピン自体の変形によって吸収することができるの
で、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に
掛かる応力を軽減することができる。
【0050】しかも、コバール等からなるビッカース硬
度Hv≦200のピンは、径大部の径が0.60〜0.
70mm、厚さが0.15〜0.20mmの範囲であ
る。この種のピンとしては、前記したように、径が0.
9〜1.1mmのピンパッドに用いるピンとして、ピン
の径大部の径が0.70mm以下、径大部の厚さが0.
20mm以下の範囲とするものが求められている。とこ
ろが、この範囲のうち、上記の範囲のピンを径0.9〜
1.1mmのピンパッドを有する樹脂製基板にハンダ付
けすると、特に接続強度が高くなり、30度斜め引張強
度について平均値で25.5N以上を確保することがで
きることが判った。上記ピンパッドの範囲において、ピ
ンの寸法が上記範囲とされることにより、径大部の径と
厚さが適当な大きさとなったために、ピンパッドとの間
になだらかなハンダフィレットが形成されることに加
え、ピンが軟らかくされているために、基板に掛かる応
力を緩和することができたために、接続強度(例えば引
張強度)が向上したと考えられる。従って、本発明のピ
ンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応
力が掛かっても、破壊しにくく信頼性が高いピン立設樹
脂製基板とすることができる。
【0051】また、上記ピンであって、ピンを加熱する
熱処理によってビッカース硬度を引き下げてなるピンと
すると良い。
【0052】本発明のピンは、熱処理によってビッカー
ス硬度を引き下げてなる。従って、当初から硬度の低い
ピンを用いる必要が無く、通常の製法でピンを製作し、
その後の熱処理でビッカース硬度を引き下げるから、入
手容易なピンを用いることができ、安価なピンとするこ
とができる。
【0053】さらに他の解決手段は、入出力端子として
のピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンであ
って、コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒
状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒
状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70
mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有
し、700℃以上に加熱するピン熱処理が施されてなる
ピンである。
【0054】本発明のピンは、コバール等からなるピン
でありながらも、700℃以上に加熱する熱処理が施さ
れているので、このような熱処理がされていないピンに
比してやわらかくなっている。このため、このピンを用
いてピン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製
基板では、ピンと樹脂製基板(ピンパッド)との間にハ
ンダ付けによって生じる応力や、外部からピンに掛かっ
た応力を、ピン自体の変形によって吸収することができ
るので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本
体に掛かる応力を軽減することができる。
【0055】しかも、コバール等からなり、700℃以
上の温度で熱処理されたピンは、径大部の径が0.60
〜0.70mm、厚さが0.15〜0.20mmの範囲
である。この種のピンとしては、前記したように、径が
0.9〜1.1mmのピンパッドに用いるピンとして、
ピンの径大部の径が0.70mm以下、径大部の厚さが
0.20mm以下の範囲とするものが求められている。
ところが、この範囲のうち、上記の範囲のピンを径0.
9〜1.1mmのピンパッドを有する樹脂製基板にハン
ダ付けすると、特に接続強度が高くなり、30度斜め引
張強度について平均値で25.5N以上を確保すること
ができることが判った。上記ピンパッドの範囲におい
て、ピンの寸法が上記範囲とされることにより、径大部
の径と厚さが適当な大きさとなったために、ピンパッド
との間になだらかなハンダフィレットが形成されること
に加え、ピンが軟らかくされているために、基板に掛か
る応力を緩和することができたために、接続強度(例え
ば引張強度)が向上したと考えられる。従って、本発明
のピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピン
に応力が掛かっても、破壊しにくく信頼性が高いピン立
設樹脂製基板とすることができる。
【0056】また、上記ピンであって、前記熱処理に先
立って、機械的研磨を施されてなるピンとするのが好ま
しい。ピンは成形時点では、バリ等や鋭い角部があるた
め、予めバレル研磨等の機械的研磨によってバリ除去や
角部の面取りを行う。かかる機械的研磨は、ピンの熱処
理の前後いずれに行っても良い。しかしながら、かかる
機械的研磨を行うと、メディア、砥粒などの衝突よりピ
ン表面が硬くなるので、熱処理の後に機械的研磨を行う
と、せっかく軟らかくしたピンを再び硬くすることとな
る点で好ましくない。
【0057】これに対し、上記のように熱処理に先立っ
て機械的研磨を施されたピンにおいては、たとえ機械的
研磨によってピンが硬化しても、熱処理により機械的研
磨の影響を無くして、十分に軟化したピンとすることが
できる。従って、このピンを用いてピン立設樹脂製基板
を製造すれば、さらに信頼性を高くすることができる。
なお、機械的研磨のうちではバレル研磨を用いるのが
好ましい。バレル研磨は大量のピンを同時にかつ安価に
処理することができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面
取りを均一に行うことができるからである。
【0058】さらに、上記いずれかに記載のピンであっ
て、前記径大部の径が0.65〜0.70mmであるピ
ンとするのが好ましい。
【0059】ピンの径大部の径を0.65〜0.70m
mとすると、このピンを用いてピン立設樹脂製基板を製
造したときに、さらにピンの接続強度が高くなり、30
度斜め引張強度において、平均値で25.5N以上で、
かつ最低値で22.2N以上を確保することができる。
【0060】また他の解決手段は、入出力端子としての
ピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンの製造
方法であって、コバール又は42合金からなる棒状部
と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大
で、この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60
〜0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大
部と、を有するピンの硬度を、ビッカース硬度Hv≦2
00に引き下げるピン硬度引き下げ工程を備えるピンの
製造方法である。
【0061】本発明のピンの製造方法では、ピンのビッ
カース硬度を引き下げるピン硬度引き下げ工程を有して
いるので、当初から硬度の低いピンを用いる必要が無
く、通常の製法で硬いピンを製作しあるいは入手し、そ
の後のビッカース硬度を引き下げるから、入手あるいは
製作容易なピンを用いることができ、軟らかいピンを安
価に製造することができる。
【0062】しかも、コバール等からなるビッカース硬
度Hv≦200のピンは、径大部の径が0.60〜0.
70mm、厚さが0.15〜0.20mmの範囲であ
る。この種のピンとしては、前記したように、径が0.
9〜1.1mmのピンパッドに用いるピンとして、ピン
の径大部の径が0.70mm以下、径大部の厚さが0.
20mm以下の範囲とするものが求められている。とこ
ろが、この範囲のうち、上記の範囲のピンを径0.9〜
1.1mmのピンパッドを有する樹脂製基板にハンダ付
けすると、特に接続強度が高くなり、30度斜め引張強
度について平均値で25.5N以上を確保することがで
きることが判った。上記ピンパッドの範囲において、ピ
ンの寸法が上記範囲とされることにより、径大部の径と
厚さが適当な大きさとなったために、ピンパッドとの間
になだらかなハンダフィレットが形成されることに加
え、ピンが軟らかくされているために、基板に掛かる応
力を緩和することができたために、接続強度(例えば引
張強度)が向上したと考えられる。従って、軟らかいピ
ンを安価に製造することができ、しかも、樹脂製基板に
ハンダ付けすると接続強度を向上させ、信頼性を高くす
ることができる。
【0063】さらに、上記ピンの製造方法であって、前
記ピン硬度引き下げ工程は、ピンを加熱する熱処理によ
ってビッカース硬度を引き下げるピン熱処理工程である
ピンの製造方法とすると良い。
【0064】さらに、上記ピンの製造方法であって、前
記ピン硬度引き下げ工程はベルト炉内を通過させる熱処
理であるピンの製造方法とするのが好ましい。ベルト炉
での熱処理を行えば、ピン全体を均一にかつ確実に加熱
して熱処理でき、しかも、連続して多数のピンを処理で
きるので、ピンをさらに安価に製造することができる。
【0065】さらに他の解決手段は、入出力端子として
のピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンの製
造方法であって、コバール又は42合金からなる棒状部
と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大
で、この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60
〜0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大
部と、を有するピンを、700℃以上に加熱するピン熱
処理工程を備えるピンの製造方法である。
【0066】本発明によれば、熱処理工程で、コバール
または42合金からなるピンを700℃以上に加熱する
熱処理をしているので、熱処理前に比して、コバール等
からなるピンは確実にかつ十分にやわらかくなる。この
ため、当初から硬度の低いピンを用いる必要が無く、通
常の製法で硬いピンを製作しあるいは入手し、その後、
熱処理すれば良くピンを安価に製造することができる。
また、このようなピンを用いてピン立設基板を製造すれ
ば、ピンに掛かる応力をピン自体が吸収し、ピンと樹脂
製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽
減することができる。
【0067】しかも、コバール等からなるピンは、径大
部の径が0.60〜0.70mm、厚さが0.15〜
0.20mmの範囲である。この種のピンとしては、前
記したように、径が0.9〜1.1mmのピンパッドに
用いるピンとして、ピンの径大部の径が0.70mm以
下、径大部の厚さが0.20mm以下の範囲とするもの
が求められている。ところが、この範囲のうち、上記の
範囲のピンを径0.9〜1.1mmのピンパッドを有す
る樹脂製基板にハンダ付けすると、特に接続強度が高く
なり、30度斜め引張強度について平均値で25.5N
以上を確保することができることが判った。上記ピンパ
ッドの範囲において、ピンの寸法が上記範囲とされるこ
とにより、径大部の径と厚さが適当な大きさとなったた
めに、ピンパッドとの間になだらかなハンダフィレット
が形成されることに加え、ピンが軟らかくされているた
めに、基板に掛かる応力を緩和することができたため
に、接続強度(例えば引張強度)が向上したと考えられ
る。よって、この製造方法により製造されたピンを用い
て、ピン立設基板を製造すれば、ピンに応力が掛かって
も、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設基板とする
ことができる。
【0068】さらに、上記ピンの製造方法であって、前
記ピン熱処理工程に先立って、前記ピンに機械的研磨を
施す機械的研磨工程を備えるピンの製造方法とすると良
い。
【0069】ピンは成形時点では、バリ等が各所に生じ
ていたり、鋭い角部が形成されていたりする場合があ
る。このようなバリや鋭い角部は、容易に剥がれ落ちて
金属微粉となって基板各所あるいは他の電子部品に付着
し、短絡や絶縁不良を引き起こす危険性があるため、例
えばバレル研磨等の機械的研磨によってバリを除去した
り鋭い角部を面取りすることが行われる。かかる機械的
研磨は、ピンの熱処理の前後いずれに行うこともでき
る。しかしながら、かかる機械的研磨を行うと、メディ
ア、砥粒などがピン表面に衝突することによりピン表面
が硬くなる。従って、熱処理によってピンを軟らかくし
た後に機械的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピン
を再び硬くすることとなる点で好ましくない。
【0070】これに対し、本発明では、ピン熱処理工程
に先立って機械的研磨工程を備えるので、一旦機械的研
磨によってピンが硬化しても、その後の熱処理でピンを
軟化させることができる。従って、機械的研磨の影響を
も無くした軟らかいピンを製造することができる。
【0071】特に上記ピンの製造方法であって、前記機
械的研磨工程は、前記ピンにバレル研磨を施すバレル研
磨工程であるピンの製造方法とするのが好ましい。
【0072】本発明では、機械的研磨工程として、バレ
ル研磨を施すバレル研磨工程を採用している。このバレ
ル研磨によれば大量のピンを同時にかつ安価に処理する
ことができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面取りを均
一に行うことができる点で好ましいからである。
【0073】さらに、上記いずれかに記載のピンの製造
方法であって、前記ピンは、径大部の径が0.65〜
0.70mmであるピンの製造方法とするのが好まし
い。
【0074】ピンの径大部の径を0.65〜0.70m
mとすると、このピンを用いてピン立設樹脂製基板を製
造したときに、さらにピンの接続強度が高くなり、30
度斜め引張強度において、平均値で25.5N以上で、
かつ最低値で22.2N以上を確保することができる。
【0075】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明の実
施の形態を、図を参照しつつ説明する。図1に本実施形
態のピン301を示す。このピン301は、コバール
(鉄−ニッケル−コバルト合金、29Ni−16Co−
Fe)からなる小型のピンであり、その表面には、厚さ
約3μmのNiメッキ層が形成され、さらにその上に
は、厚さ約0.35μmのAuメッキ層が形成されてい
る(図示しない)。ピン301はいわゆるネイルヘッド
形状のピンであり、棒状部301Aと、この一方の端部
に形成された径大部301Bとから構成されている。こ
のうち棒状部301Aは、直径約0.30mm、高さ
(軸線方向の長さ)1.80mmの略円柱形状をなす。
一方、径大部301Bは、略円板状をしており、直径
0.65mmであり、その厚さ(軸線方向の長さ)は、
0.20mmであり、ピン301の軸方向全長は2.0
0mmである。
【0076】また、このピン301は、後述する熱処理
が施されたものであり、この熱処理によって、軟らかく
なって、そのビッカース硬度Hvが引き下げられたもの
である。このため、このピン301を用いてピン立設樹
脂製基板を製造すると、ピン301に掛かる応力をピン
301自体の変形で吸収することができるので、ピン3
01と樹脂製基板との接合部近傍や樹脂製基板本体に掛
かる応力を軽減することができる。従って、このピン3
01を用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピン3
01に応力が掛かっても、破壊しにくく信頼性が高いピ
ン立設樹脂製基板とすることができる。
【0077】次いで、上記ピン301の製造方法につい
て、図2、図3、及び図4を参照しつつ説明する。ま
ず、断面が略円形(直径0.3mm)のコバールからな
る線材MTを用意する(図2(a)参照)。そして、把
持工程で、図2(a)に示すように、プレス型P1,P
2で、線材MTの一部が突出するように線材MTを把持
する。続いて、プレス工程で、図2(b)に示すよう
に、プレス型P1,P2とプレス型P3とでプレスを行
い、線材MTよりも径が大きく、略円板形状の径大部3
01Bを形成する。なお、必要に応じて、数回プレスを
行い、上記径大部301Bの形状を整えるようにしても
良い。さらに、切断工程で、線材MTを所定の位置で切
断し、線材MTと略同径な棒状部301Aを形成する。
【0078】切断後、バリの除去や鋭い角部の面取りの
ため、ピン301に対し、公知の手法によりバレル研磨
及び化学エッチングによる表面平滑化処理をする。具体
的には、バレル研磨工程において、図3に示すように公
知の回転式バレル研磨装置BFを用い、直径3.0〜
5.0mmのアルミナ系ボールからなるメディアBMと
共に、回転容器BC内にピン301を多数投入し、数時
間矢印BTで示すように回転させてバレル研磨を行う。
これにより、ピン301のバリが除去され鋭い角部が面
取りされる。次いで、バレル研磨を施されたピン301
を化学エッチングによる表面平滑化処理工程において、
酸性溶液に浸漬し、表面の一部を溶解除去することによ
り表面を平滑化する。なお、この表面平滑化処理に行う
と、ピン301にくい込むようにして付着したメディア
BM等を除去することができる点でも好ましい。
【0079】このようにして成形されたピン301は、
線材MT自身が、引き抜き成形によって所定の径に成形
されるため、加工硬化によって硬度が高くなっている。
さらに、径大部301Bの形成の際のプレスによっても
加工硬化を生じる。さらに、バレル研磨に際してメディ
アBMがピン301に衝突するため、ピン301の表面
はバレル研磨によっても硬くされている。従って、ピン
301のビッカース硬度Hvは、Hv=250程度の硬
さに上昇している。
【0080】次に、熱処理工程で、ピン301を加熱す
る熱処理を施す。具体的には、図4に示すように、トレ
イTR内に収容したピン301を、ローラRO1,RO
2の間に架け渡され所定のスピードで移動するベルトB
L上に載せ、ヒータHTの加熱により所定の温度プロフ
ァイルとされたベルト炉FP内を通過させて加熱し徐冷
する熱処理を施す。具体的には、ピン301を、ベルト
スピード150mm/min、最高温度792℃まで加
熱し、780℃以上の加熱状態を4.5分以上保持し、
その後徐冷した。なお、本明細書において、徐冷とは、
徐々に冷ます、即ち、ゆっくりと冷ますことをいう。
【0081】これにより、ピン301は、熱処理前に比
してやわらかくなる。つまり硬度が引き下げられる。具
体的には、後述するように、ビッカース硬度Hv=15
0程度にまで引き下げられる。線材成形あるいは径大部
成形の際の加工硬化、さらにはバレル研磨によって硬く
なったピン301の内部組織が、熱処理によって変化す
ることでピンが軟らかくなったためと考えられる。ピン
301が軟らかくなれば、以下で説明するように、この
ピン301を用いたピン立設樹脂製基板では、ピン30
1に掛かる応力をピン301自身の変形で吸収し、ピン
301と樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛
かる応力を軽減することができる。このため、この製造
方法により製造されたピン301を用いて、ピン立設樹
脂製基板を製造すれば、ピン301に応力が掛かって
も、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板
とすることができる。
【0082】特に、本実施形態では、バレル研磨工程で
ピン301のバリ取りや面取りを行った後に熱処理を施
した。このため、上記のようにバレル研磨によるピンに
加工硬化を生じても、熱処理によって残留応力が除去さ
れ軟らかくされ、バレル研磨による影響をも無くすこと
ができた。従って、熱処理の後にバレル研磨を行う本実
施形態は、軟らかくされたピン1がバレル研磨により再
び硬化するのと比較し、より好ましい。
【0083】なおその後、ピン301の酸化防止のため
に、その表面に約3μmのNiメッキを施し、さらにそ
の上に厚さ0.04μm以上(本実施形態では約0.3
5μm)となるようにAuメッキを施して、Niメッキ
層及びAuメッキ層を形成し、上記ピン301を完成さ
せる。
【0084】次いで、本実施形態のピン立設樹脂製基板
311について、図5を参照しつつ説明する。図5
(a)にはピン立設樹脂製基板311の側面図を示し、
図5(b)にはその部分拡大断面図を示す。このピン立
設樹脂製基板311は、略矩形の略板形状の樹脂製基板
313と、これに立設された多数の上記ピン301とか
らなる。
【0085】このうち樹脂製基板313は、エポキシ樹
脂からなる複数の樹脂絶縁層315A,315Bが積層
され、さらにその表面に、エポキシ樹脂からなるソルダ
ーレジスト層321が積層された樹脂製多層配線基板で
ある。樹脂絶縁層315A,315Bの層間や樹脂絶縁
層315Aとソルダーレジスト層321との層間には、
配線やパッド等の導体層317A,317Bがそれぞれ
形成されている。また、樹脂絶縁層315A,315B
には、導体層317A,317B同士を接続するため
に、ビア導体319やスルーホール導体(図示しない)
が多数形成されている。
【0086】樹脂製基板313の主面313Aをなすソ
ルダーレジスト層321には、直径1.03mmの多数
の開口321Kが所定の位置に形成されている。そし
て、この開口321K内には、樹脂絶縁層315Aとソ
ルダーレジスト層321との層間に形成された導体層3
17Aのうち、ピンパッド317APがそれぞれ露出し
ている。従って、本実施形態においてはピンパッド31
7の露出部の径は、1.03mmである。ピン301
は、その径大部301Bをピンパッド317AP側に向
け、径大部301Bの端面(図中下面)及び側面がハン
ダHD(Sn95%−Sb5%、融点235〜240
℃)でピンパッド317APと接合されることにより、
樹脂製基板313に固着されている。なお、径大部30
1Bのうち棒状部側の面(図中上面)には、ハンダHD
は濡れ拡がらないか、若干濡れ拡がる状態とされてい
る。
【0087】このピン立設樹脂製基板311では、ピン
301に上述した高温での熱処理が施されて、ビッカー
ス硬度Hv=150程度に引き下げられているので、こ
のような熱処理がされていない、つまり加工硬化により
Hv=250程度に硬くなっているピン301に比して
軟らかくなっている。このため、ピン301に応力が掛
かったときに、ピン301自体も変形して応力を吸収す
るので、ピン301とピンパッド317APとの接合部
分に掛かる応力や樹脂製基板313本体に掛かる応力を
軽減し、これらの部分での破壊を防止することができ
る。このため、このピン立設樹脂製基板311は、ピン
301に応力が掛かっても、破壊しにくく信頼性が高い
ものとなる。
【0088】次に、コバール製のピン301に施す熱処
理の温度と、ピン301の硬さ(ビッカース硬度H
v)、及びピン301−樹脂製基板313間の接合強度
との関係について説明する。ピンに施す熱処理の温度の
違いによるピン301のビッカース硬度Hv、及びピン
301−樹脂製基板313間の接合強度の差異を調べる
ために、以下のような調査を行った。まず、上述のよう
に公知の手法でピン301を形成し、バレル研磨及び化
学エッチングによる表面平滑化処理を行って、コバール
からなるピン301を多数形成した。
【0089】次に、図4に示すベルト炉FPの温度プロ
ファイルを変えるとともに、ベルトBLの送りスピード
を2種(300mm/min、150mm/min)か
ら選択して、ピン熱処理工程で、ピン301を、上記し
た最高792℃の他、最高350℃、382℃、582
℃、593℃、795℃、940℃、945℃にそれぞ
れ加熱し、その後徐冷して、熱処理しないで室温に保持
した1種を加え、熱処理の温度が異なる9種類のピン3
01を得た。これら9種のピン301(各5ヶ)につい
て、マイクロビッカース計測装置(AKASHI社製M
VK−E2、測定条件:荷重500g、15秒)によ
り、棒状部301Aの先端301AT(図1参照)での
ビッカース硬度Hvをそれぞれ測定した。その結果を、
表1に示すとともに、図6に熱処理の最高温度とビッカ
ース硬度の平均値との関係を示す。
【0090】
【表1】
【0091】表1及び図6のグラフから明らかなよう
に、コバールからなるピン301は、熱処理をしない室
温の場合、及び熱処理の最高温度が593℃以下の場合
には、いずれもビッカース硬度Hvが平均値で250程
度の高い値である、つまりピンが硬い状態にある。これ
に対し、ベルトスピードに拘わらず、熱処理の温度をこ
れより高くするとビッカース硬度Hvが急激に低下し、
最高温度が600℃以上の熱処理を施したもの、特に7
00℃以上の熱処理を施したもの、具体的には、最高温
度で795℃、792℃、940℃、または945℃の
熱処理を施したものでは、いずれもビッカース硬度Hv
が200以下、具体的には、最高値で見ると170以
下、平均値で見て150以下の低い値になる。つまり、
熱処理によりピンが軟らかくなることが判る。熱処理に
よりピン301の内部組織が変化して軟化したためと考
えられる。
【0092】その後、各種のピン301の表面にそれぞ
れNi(2.7〜3.31μm)及びAu(0.28〜
0.39μm)のメッキ層を形成した。なお、メッキ層
の厚さなどによっても異なるが、このNi−Auメッキ
層の形成により、ビッカース硬度Hvは10〜20程度
上昇する。しかし、メッキによる硬度上昇を考慮して
も、熱処理による硬度の低下は明確に現れる。そして、
樹脂製基板313にそれぞれピン301をハンダ接合さ
せ、ピン立設樹脂製基板311をそれぞれ製造した。な
お、熱処理条件が同一のピン301ごとに、それぞれ3
個のピン立設樹脂製基板311を、即ち、全部で9×3
=27個のピン立設樹脂製基板311を製造した。
【0093】次に、各ピン立設樹脂製基板311につい
て、ピン301の30度斜め引張試験を実施した。具体
的には、ピン立設樹脂製基板311に多数立設されたピ
ン301のいずれかを挟み、ピン301の軸に対し、つ
まり樹脂製基板313の主面313Aに直交する方向に
対して斜め30度に傾けた方向に引っ張った。なお、各
ピン立設樹脂製基板311につき、10本のピン301
について試験を行い、ピン301が破断したり、ピン3
01と樹脂製基板313との接続が破壊したときの強度
を測定した。従って、同一の温度で熱処理されたピン3
01について、全部で30本、試験を行った。これらの
結果を表2に示すとともに、図7に引張強度の平均値の
変化を示す。
【0094】
【表2】
【0095】表2及び図7のグラフから明らかなよう
に、本実施形態のコバールからなるピン301は、熱処
理をしない室温の場合、及び熱処理の最高温度が593
℃以下の場合には、いずれも引張強度が低い。これに対
し、ベルトスピードに拘わらず、熱処理の温度を高く
し、最高温度が600℃以上の熱処理を施したもの、特
に700℃以上の熱処理を施したもの、具体的には、最
高温度で795℃、792℃、940℃、または945
℃の熱処理を施したものでは、いずれも引張強度が平均
値で25.5N以上に向上することが判る。
【0096】また、前記したように、このピン301の
引張強度の適否を判断する1つの目安として、さらに、
引張強度が最低22.2N(=2.27kgf)以上あ
ることも求められることがある。この要求に対しても、
最高温度が600℃未満の場合には、その最低値が12
〜14N程度の低い値となっており、この要求を満足で
きないものが含まれることが判る。これに対し、最高温
度が600℃以上の熱処理、具体的には最高温度で79
5℃、792℃、940℃、または945℃としたもの
では、最低値でいずれも22.2Nを越えており、いず
れのピンについてもこの要求(規格)を満足できること
が判る。特に、最高温度が900℃以上のもの、具体的
には940℃及び945℃のものでは、引張強度が平均
値で30N以上、最低値でも24N以上と特に高くな
り、さらに信頼性の高いピン立設樹脂製基板311とす
ることができる。
【0097】上記30度斜め引張試験の結果から、熱処
理は最高温度600℃以上とすると良く、最高温度が高
いほど引張強度が向上する傾向を示していることから、
最高温度を700℃以上とするのがさらに好ましいこと
が判る。特に、最高温度を900℃以上とすると、引張
強度を平均値で30N以上の高いものとすることができ
ることが判る。一方、最高温度の上限としては、コバー
ルの融点が約1450℃であることから、これ以下であ
る必要がある。但し、高温での熱処理は、対応する設備
や費用を要することから、できるだけ低い温度が好まし
く、1100℃以下、さらには、1000℃以下での熱
処理が好ましい。
【0098】さらに、ピンのビッカース硬度Hv(平均
値)と30度斜め引張強度(平均値)との関係を、図8
のグラフに示す。この散布図のグラフから明らかなよう
に、ピンのビッカース硬度Hvが200以下、さらには
Hv≦170、具体的には、平均値でHv=150程度
の軟らかいピン301をハンダ付け固着したピン立設樹
脂製基板では、引張強度が平均値で25.5N以上に改
善されることが判る。従って、本実施形態のごとく、熱
処理したピンに限らず、ビッカース硬度Hv≦200、
更に好ましくはHv≦170としたピンを用いることに
よって、ピンと樹脂製基板との接続強度を高くし、ピン
立設樹脂製基板311の信頼性を高くすることができる
ことが判る。
【0099】さらに、比較形態として、同じくコバール
からなり、同様に熱処理等を行い、ピン301と寸法の
み異なるピン(棒状部φ0.3×1.87、径大部φ
0.60×0.13、全長2.0)を用いて、樹脂製基
板313にハンダ付けしたピン立設樹脂製基板につい
て、同様の30度斜め引張試験を行った。この結果につ
いて、表3に示す。この比較形態に用いるピンは、上記
実施形態のピン301に比して、径大部の径が小さく
(0.65→0.60)、厚みが薄い(0.20→0.
13)点で異なるものである。
【0100】
【表3】
【0101】表3から明らかなように、比較形態にかか
るピン立設樹脂製では、本実施形態のピン301とは異
なる結果となった。即ち、最高温度で795℃、792
℃、940℃、または945℃の熱処理を施したものも
含め、いずれの熱処理温度のものでも、30度斜め引張
強度が低く、このピン301の引張強度の適否を判断す
る目安である平均値で25.5Nという要求、さらには
最低22.2N以上という要求を満足できないことが判
る。つまり、この寸法のピンを用いる場合には、たとえ
熱処理を行い、ピンのビッカース硬度を引き下げたとし
ても、引張強度を向上させて上記目安である平均値2
5.5N以上、及び最低値22.2N以上の強度を満足
することができないことが判る。
【0102】これは、熱処理によるピン硬度引き下げの
効果は存在していると思われるものの、本実施形態にか
かるピン301よりも寸法(径大部の径や厚さ)が小さ
いことによる影響が大きく、比較形態では、ピン硬度引
き下げの効果が顕在化しなかったものと考えられる。ま
た、ピン硬度引き下げの効果があらわれて引張強度が高
くなる効果が得られるピン寸法の範囲があることが判
る。つまり、この程度の寸法の小型ピンにおいては、ピ
ンを熱処理してその硬度を引き下げたことによる影響の
寄与よりも、その形状(寸法)を変化させたことによる
影響の寄与が大きいこと、及びピン硬度引き下げの効果
が顕在化する適正な寸法の範囲が存在することを示して
いる。
【0103】そこで、ピンの径大部の径と厚さを変えた
ピンを製作し、熱処理しないピンに加え、上述したベル
トスピード150mm/分、最高温度792℃の条件で
熱処理を行ったピンについて、同様に30度斜め引張試
験の引張強度を測定した。その引張強度の平均値を表4
に示す。
【0104】
【表4】
【0105】上記表4から明らかなように、熱処理を行
ったピンを用いると、熱処理を行わないピンを用いたも
のに比して、いずれにおいても引張強度が向上すること
が判る。特に、径大部の径が0.6〜0.7mmで、径
大部の厚さが0.15〜0.20mmの範囲で引張強度
の向上が著しく、この範囲ではいずれも引張強度の平均
値が25.5N以上となることが判る。また、表4には
記載しなかったが、ピンに熱処理を施したもののうち、
径大部の径(mm)と厚さ(mm)が、0.60×0.
20、0.65×0.15、0.65×0.20、0.
70×0.15、0.70×0.20の5種類のピンを
用いた場合には、いずれも引張強度の最低値が22.2
N以上となった。つまり、径大部の径が0.60mm厚
さが0.20mmのもの、及び径が0.65〜0.70
mmで厚さが0.15〜0.20mmのものについて
は、最低値22.2Nの要求をも満足できるものとなる
ことが判った。
【0106】なお、42合金(42Ni−Fe)からな
るピン301についても調査したところ、ほぼ同様の結
果であった。
【0107】次いで、上記ピン立設樹脂製基板311の
製造方法について、図9を参照しつつ説明する。まず、
棒状部301Aと径大部301Bとを有し、熱処理さ
れ、硬度が引き下げられたピン301を用意する。具体
的には、前述したように、把持工程、プレス工程、及び
切断工程を行い、さらに、バレル研磨の工程及び化学エ
ッチングによる表面平滑化処理の工程を行って、コバー
ルの線材MTからピン301を成形し、ピン熱処理工程
(ピン硬度引き下げ工程)で熱処理を施してピン硬度を
引き下げる。その後、ピン301の酸化防止のために、
その表面にNiメッキ及びAuメッキを施す。
【0108】次に、前記した樹脂製基板313を別途用
意する。この樹脂製基板313は、公知の手法により、
樹脂絶縁層315と導体層317とを交互に形成し、さ
らに、ソルダーレジスト層321を形成すればよい。そ
の後、ピン301を樹脂製基板313に固着する、具体
的には、ハンダ印刷工程において、図9(a)に示すよ
うに、樹脂製基板313のピンパッド317AP上に、
所定量のハンダペーストHDP(Sn95%−Sb5
%、融点235〜240℃)をそれぞれ印刷する。次
に、載置工程において、図9(b)に示すように、ピン
立て治具PJに形成したピン挿入孔PJHに上記ピン3
01をそれぞれセットし、その上に、ハンダペーストH
DPが印刷された樹脂製基板313を位置合わせして載
置し、ピン301の径大部301Bをピンパッド317
AP上のハンダペーストHDPに当接させる。そして、
その上に錘WTを載せて、樹脂製基板313を押さえ
る。さらに、リフロー工程において、ピン立て治具PJ
上に載置された樹脂製基板313をリフロー炉に入れ、
最高260℃に加熱してハンダペーストHDPを溶融さ
せて、図9(c)に示すように、ピン301の径大部3
01Bをピンパッド317APにハンダ付けすれば、上
記ピン立設樹脂製基板311が完成する。
【0109】この製造方法では、ピン301が予め熱処
理されて、その硬度が低くなっているので、熱処理しな
いものに比して、ピン301は軟らかい。従って、製造
されたピン立設樹脂製基板311において、ピン301
とピンパッド317AP(樹脂製基板313)との間に
ハンダ付けによって生じる応力や、ピン301に外部か
ら掛かる応力を、ピン301自体が吸収し、ピン301
と樹脂製基板313との接合部分や樹脂製基板313本
体に掛かる応力を軽減することができる。よって、この
製造方法によれば、ピン301に応力が掛かっても、破
壊しにくく信頼性が高いピン立設樹脂製基板311を製
造することができる。
【0110】特に、このピン立設樹脂製基板311で
は、バレル研磨工程でピン301のバリ取りや面取りを
行った後に熱処理を施したピン301をハンダ付け固着
している。つまり、熱処理後にバレル研磨を行った場合
と異なり、バレル研磨によるピンの加工硬化の影響を無
くして熱処理の効果を十分に発揮させ、十分に軟らかく
されたピン301を用いているので、このピン立設樹脂
製基板311は、ピン301に応力が掛かっても、破壊
されにくく、特に信頼性が高い。
【0111】以上において、本発明を実施形態に即して
説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適
用できることはいうまでもない。例えば、上記実施形態
では、いわゆるネイルヘッド形状のピンを用いたが、径
大部の形状を、例えば、棒状部の端部に形成された略円
板状の円板部と、例えば銀ロウ材などからなりこの円板
部から棒状部側と反対の方向に向かって膨出する略半球
状の半球部とからなる形状とすることもできる。また、
上記実施形態では、ハンダHDとして、Sn/Sb系ハ
ンダを用いたが、Pb/Sn系ハンダ、Sn/Ag系ハ
ンダを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかるピンの形状を示す側面図であ
る。
【図2】実施形態に係るピンの製造方法を示す図であ
り、(a)は線材をプレス型で挟んだ様子を示す説明図
であり、(b)はプレスして径大部を形成した様子を示
す説明図である。
【図3】ピンをバレル研磨するバレル研磨工程の模式図
である。
【図4】ピンに熱処理を施す様子を示す説明図である。
【図5】実施形態に係るピン立設樹脂製基板を示す図で
あり、(a)は側面図であり、(b)は部分拡大断面図
である。
【図6】コバールからなる熱処理条件の異なるピンにお
ける、熱処理の最高温度とビッカース硬度Hvの平均値
との関係を示すグラフである。
【図7】コバールからなる熱処理条件の異なるピンをそ
れぞれ立設したピン立設樹脂製基板の30度斜め引張試
験における、熱処理の最高温度と引張強度の平均値との
関係を示すグラフである。
【図8】コバールからなるピンのビッカース硬度Hv
と、これを立設したピン立設樹脂製基板の30度斜め引
張試験における引張強度の平均値との関係を示すグラフ
である。
【図9】実施形態にかかるピン立設樹脂製基板の製造方
法のうち、ピンの固着工程を示し、(a)は樹脂製基板
のピンパッドにハンダペーストを塗布した状態、(b)
はピン立て治具と樹脂製基板とを重ねてハンダペースト
にピンの径大部を接触させた状態、(c)はリフローし
てピンパッドにピンをハンダ付けした状態を示す説明図
である。
【図10】従来技術に係るピン立設樹脂製基板を示す部
分拡大断面図である。
【符号の説明】
301 ピン 301A 棒状部 301B 径大部 311 ピン立設樹脂製基板 313 樹脂製基板 313A (樹脂製基板の)主面 317AP ピンパッド 321 凹部 HD ハンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E063 GA07 GA09 HA01 HB11 HB16 5E077 BB12 BB31 CC26 DD01 EE02 JJ24 5E317 BB01 CC08 CC15 GG20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主面を有する略板形状をなし、樹脂または
    樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出する
    露出部の径が0.9〜1.1mmのピンパッドを有する
    樹脂製基板と、 上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、を備え、 上記ピンは、 コバール又は42合金からなる棒状部と、 この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、
    この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜
    0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部
    と、を有し、 ビッカース硬度Hv≦200の硬度を有し、 少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付けさ
    れているピン立設樹脂製基板。
  2. 【請求項2】主面を有する略板形状をなし、樹脂または
    樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出する
    露出部の径が0.9〜1.1mmのピンパッドを有する
    樹脂製基板と、 上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、を備え、 上記ピンは、 ピン成形後に700℃以上に加熱する熱処理が施されて
    おり、 コバール又は42合金からなる棒状部と、 この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、
    この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜
    0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部
    と、を有し、 少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付けさ
    れているピン立設樹脂製基板。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のピン立設
    樹脂製基板であって、 前記ピンの径大部の径が0.65〜0.70mmである
    ピン立設樹脂製基板。
  4. 【請求項4】コバール又は42合金からなる棒状部と、
    この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、
    この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜
    0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部
    と、を有するピンの硬度をビッカース硬度Hv≦200
    に引き下げるピン硬度引き下げ工程と、 主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複
    合材料から構成され、上記主面に露出する露出部の径が
    0.9〜1.1mmのピンパッドを有する樹脂製基板の
    うち、上記ピンパッドに、上記ピンの径大部を当接させ
    て、上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも上記径
    大部とをハンダ付けするピン固着工程と、を備えるピン
    立設樹脂製基板の製造方法。
  5. 【請求項5】主面を有する略板形状をなし、樹脂または
    樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出する
    露出部の径が0.9〜1.1mmのピンパッドを有する
    樹脂製基板のうち、 上記ピンパッドに、 コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒状部と
    同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の
    一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70mmで
    厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有するピ
    ンであって、ビッカース硬度Hv≦200の硬度を有す
    るピンの上記径大部を当接させて、 上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも上記径大部
    をハンダ付けするピン固着工程を備えるピン立設樹脂製
    基板の製造方法。
  6. 【請求項6】コバール又は42合金からなる棒状部と、
    この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、
    この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜
    0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部
    と、を有するピンを700℃以上に加熱するピン熱処理
    工程と、 主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複
    合材料から構成され、上記主面に露出する露出部の径が
    0.9〜1.1mmのピンパッドを有する樹脂製基板の
    うち、上記ピンパッドに、上記ピンの径大部を当接させ
    て、上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも上記径
    大部とをハンダ付けするピン固着工程と、を備えるピン
    立設樹脂製基板の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のピン立設樹脂製基板の製
    造方法であって、 前記ピン熱処理工程に先立って、前記ピンに機械的研磨
    を施す機械的研磨工程を備えるピン立設樹脂製基板の製
    造方法。
  8. 【請求項8】主面を有する略板形状をなし、樹脂または
    樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出する
    露出部の径が0.9〜1.1mmのピンパッドを有する
    樹脂製基板のうち、 上記ピンパッドに、 コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒状部と
    同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の
    一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70mmで
    厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有するピ
    ンであって、700℃以上に加熱するピン熱処理された
    ピンの上記径大部を当接させて、 上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも上記径大部
    をハンダ付けするピン固着工程を備えるピン立設樹脂製
    基板の製造方法。
  9. 【請求項9】入出力端子としてのピンを基板に立設した
    ピン立設基板に用いるピンであって、 コバール又は42合金からなる棒状部と、 この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、
    この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜
    0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部
    と、を有し、 ビッカース硬度Hv≦200の硬度を有するピン。
  10. 【請求項10】入出力端子としてのピンを基板に立設し
    たピン立設基板に用いるピンであって、 コバール又は42合金からなる棒状部と、 この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、
    この棒状部の一方の端部に形成され、径が0.60〜
    0.70mmで厚さが0.15〜0.20mmの径大部
    と、を有し、 700℃以上に加熱するピン熱処理が施されてなるピ
    ン。
  11. 【請求項11】入出力端子としてのピンを基板に立設し
    たピン立設基板に用いるピンの製造方法であって、 コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒状部と
    同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の
    一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70mmで
    厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有するピ
    ンの硬度を、ビッカース硬度Hv≦200に引き下げる
    ピン硬度引き下げ工程を備えるピンの製造方法。
  12. 【請求項12】入出力端子としてのピンを基板に立設し
    たピン立設基板に用いるピンの製造方法であって、 コバール又は42合金からなる棒状部と、この棒状部と
    同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の
    一方の端部に形成され、径が0.60〜0.70mmで
    厚さが0.15〜0.20mmの径大部と、を有するピ
    ンを、700℃以上に加熱するピン熱処理工程 を備えるピンの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のピンの製造方法であ
    って、 前記ピン熱処理工程に先立って、前記ピンに機械的研磨
    を施す機械的研磨工程を備えるピンの製造方法。
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