JP4356912B2 - ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法 - Google Patents

ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4356912B2
JP4356912B2 JP2001111881A JP2001111881A JP4356912B2 JP 4356912 B2 JP4356912 B2 JP 4356912B2 JP 2001111881 A JP2001111881 A JP 2001111881A JP 2001111881 A JP2001111881 A JP 2001111881A JP 4356912 B2 JP4356912 B2 JP 4356912B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
resin substrate
heat treatment
rod
shaped portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001111881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002289761A (ja
Inventor
一 斉木
憲峰 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2001111881A priority Critical patent/JP4356912B2/ja
Priority to TW090117196A priority patent/TW503546B/zh
Priority to US09/917,903 priority patent/US6648211B2/en
Publication of JP2002289761A publication Critical patent/JP2002289761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4356912B2 publication Critical patent/JP4356912B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/151Die mounting substrate
    • H01L2924/153Connection portion
    • H01L2924/1531Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface
    • H01L2924/15312Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface being a pin array, e.g. PGA

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
  • Multi-Conductor Connections (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入出力端子としてのピンを立設したピン立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン立設基板に用いる入出力端子としてのピン、及び、このピンの製造方法に関し、特に、ピンと樹脂製基板との接合強度を向上させたピン立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、樹脂製基板との接合強度を向上させることができるピン、及び、このピンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、入出力端子としてのピンを、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成された樹脂製基板に立設したピン立設樹脂製基板が知られている。
例えば、図12に部分拡大断面図を示すピン立設樹脂製基板201が挙げられる。このピン立設樹脂製基板201は、略矩形の略板形状の樹脂製基板203と、これに立設された多数のピン221とからなる。
【0003】
このうち樹脂製基板203は、内部や表面に配線層(図示しない)が形成された樹脂絶縁層205を有し、主面203A側(図中上方)には、ソルダーレジスト層207から露出するピンパッド209が多数形成されている。
一方、ピン221は、例えば、194合金からなり、略円柱形状の棒状部221Aと、このピンパッド209側の端部に形成された略円板状の径大部221Bとから構成されている。そして、このピン221は、径大部221B全体と棒状部221Aのうち径大部221B側の一部とがピンパッド209にハンダHDで接合されることにより、樹脂製基板203に固着されている。なお、このピン221としては、194合金のほか、例えば、純銅、リン青銅、洋白、ベリリウム銅などの銅系金属や、コバール(Fe−Ni−Co合金)、42合金(Fe−42wt%Ni合金)などの鉄系金属のピンが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなピン立設樹脂製基板201は、ピン221に応力が掛かったときに、ピン221とピンパッド209との接合強度が低いため、このピンとピンパッドとの接合部分(ハンダ接合部分)で破壊されることがある。また、ピンパッド部分が基板より剥がれて破壊されることがある。
【0005】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、ピンに応力が掛かってもピンとピンパッドとの接合部分、またはピンパッド部分が破壊されにくいピン立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン立設基板に用いるピン、及び、このピンの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板と、上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、を備え、上記ピンは、上記ピンパッドにハンダ接合する前に500℃以上の加熱による熱処理でやわらかくされており、純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有し、少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付けされているピン立設樹脂製基板(請求項1)である。
【0007】
ピンは、一般に線材を所定形状に成形して得るが、素材を所定の径の線材とするにあたって、引き抜き等の加工をされるため、加工歪みにより硬くなる。また、径大部を形成するための加工等によっても硬くなる。このため、ピンは、素材そのものより硬くなっていると考えられる。
これに対し、本発明によれば、ピンは、加熱による熱処理で熱処理前に比してやわらかくされている。このため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板のピンパッドとの接合部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高い。
尚、ピンに応力をかける引っ張り試験に於いて、ピン立設樹脂製基板の破壊の形態には、ピン自体が切れる「ピン切れモード」、ピンとピンパッドとの接合部分(ピンとハンダとの接合部分やハンダとピンパッドとの接合部分)で剥がれる「ハンダ剥がれモード」、ピンパッドと樹脂製基板との間で剥がれる(ピンパッド部分が破壊される)「基板破壊モード」とがある。この内、「ハンダ剥がれモード」は、ハンダ接合部分の強度不足であり好ましくないし、「基板破壊モード」は、樹脂製基板自体が破壊してしまうため好ましくない。よって、引っ張り試験に於いては、ピンのハンダ接合強度が強く、かつ樹脂製基板自体が破壊しない「ピン切れモード」が要求されることがある。本発明によると、ピンに応力が掛かっても、やわらかくなったピン自体が変形して応力を吸収するので、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくいため、上記の要求を満たすことが可能となる。
【0008】
ところで、セラミック製基板にピンが立設されたピン立設セラミック製基板においては、ピンが高温で熱処理されているものが、従来から存在している。これは、通常、ピンはセラミック製基板にロウ付け接合されるので、その接合の際、自ずと例えば800℃程度の高温にさらされるからである。
これに対し、ピン立設樹脂製基板では、樹脂製基板の耐熱性を考慮して、ピンは、200〜300℃程度の低温でハンダ接合されるので、ピン自身が特に高温にさらされることがなく、従って、ピンが硬く、それほど応力を吸収することができなかった。
【0009】
しかし、本発明では、上述したように、ピンが熱処理されて、やわらかくなっているので、ピンに掛かった応力が吸収されやすく、ピン立設樹脂製基板、即ちピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくい。
なお、ピンの材質としては、棒状部と径大部とが同材質であり、鉄系金属と比べて比較的やわらかい純銅(無酸素銅)または194合金(銅合金)を用いるのが好ましい。
【0010】
また、前記ピン立設樹脂製基板であって、前記ハンダ付けに用いるハンダは、Sn−Sb系ハンダ、Pb−Sn系ハンダ、およびSn−Ag系ハンダの何れかであるピン立設樹脂製基板(請求項2)とすると良い
【0011】
ピンは、成形途中の加工歪みにより、一般に、素材そのものより硬くなっていると考えられる。
これに対し、本発明によれば、ピンは、500℃以上に加熱する熱処理が施されている。このため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板のピンパッドとの接合部分や、ピンパッド部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高い。
なお、ピンの材質としては、棒状部と径大部とが同材質であり、鉄系金属と比べて比較的やわらかい金属、例えば、純銅(無酸素銅)、194合金(銅合金)、リン青銅、洋白、黄銅などの、銅系金属が挙げられる。これら銅系金属は、上記熱処理を加えることにより、更にやわらかくなるため、ピンの材質として好ましい。また、銅系金属は、電気伝導率が高く、体積抵抗率が低いため、ピン材料として好ましい。この内、純銅(無酸素銅)または194合金(銅合金)を用いるのが好ましい。
【0012】
さらに、前記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、500℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施されているピン立設樹脂製基板(請求項3)とすると良い
【0013】
本発明によれば、ピンは、500℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施されているので、このような熱処理がされていないピンに比してやわらかくなっている。このため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板のピンパッドとの接合部分やピンパッド部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高い。
なお、ピンの熱処理の温度上限は、これらの融点よりも低い範囲で適宜選択すればよいが、あまり高温で処理すると、ピンがやわらかくなり過ぎてしまう。また、加熱に費用が掛かることなどを考慮し、例えば、900℃以下とするのが好ましい。
【0014】
ところで、セラミック製基板にピンが立設されたピン立設セラミック製基板においては、ピンが高温で熱処理されているものが、従来から存在している。これは、通常、ピンはセラミック製基板にロウ付け接合されるので、その接合の際、自ずと高温にさらされるからである。
これに対し、ピン立設樹脂製基板では、樹脂製基板の耐熱性を考慮して、ピンは、200℃程度の低温でハンダ接合されるので、特に高温にさらされることがなく、従って、ピンが硬く、それほど応力を吸収することができなかった。
【0015】
しかし、本発明では、上述したように、ピンが高温で熱処理されて、やわらかくなっているので、ピンに掛かった応力が吸収されやすく、ピン立設樹脂製基板が破壊されにくい
【0016】
また、前記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、550℃以上に加熱する熱処理が施されているピン立設樹脂製基板(請求項4)とすると良い
【0017】
銅系金属からなるピンは、成形途中の加工歪みにより、加工歪みのない素材そのものより硬くなっている。
これに対し、本発明によれば、純銅または194合金からなるピンは、550℃以上に加熱する熱処理が施されている。このため、ピンは確実にかつ十分に軟化する。このため、銅系金属からなるピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板のピンパッドとの接合部分やピンパッド部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。特に、550℃以上に加熱すると、ピンが確実にかつ十分に軟化するため、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高い。
なお、ピンの熱処理の温度上限は、これらの融点よりも低い範囲で適宜選択すればよいが、あまり高温で処理すると、ピンがやわらかくなり過ぎてしまう。また、加熱に費用が掛かることなどを考慮し、例えば、900℃以下とするのが好ましい
【0018】
さらに、前記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有するピン立設樹脂製基板(請求項5)とすると良い
【0019】
上記したように、線材を所定形状に成形して得たピンでは、銅系金属の素材を所定の径の線材とするときの加工歪みや、径大部を形成するための加工等によって加工硬化して硬くなるため、ピンは素材そのものより硬くなっていると考えられる。このように比較的硬いピンをハンダによって樹脂製基板のピンパッドに固着しても、ピンに応力が掛かると、ピンが硬いために変形しにくく、ピンとピンパッドとの接合部分やピンパッド部分が破壊しやすくなると考えられる。
【0020】
これに対し、本発明によれば、ピンは、銅系金属からなるピンであり、ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有する軟らかいピンである。このため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板のピンパッドとの接合部分やピンパッド部分に掛かる応力や、樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高い。
なお、ピンをビッカース硬度Hv≦135とするには、いずれの手法によっても良いが、ピンを鋳造するなど硬化しない手法で製造するほか、プレス等を用いるなど一旦通常の手法で形成した後に加熱する手法、例えば、高周波電磁場にピンをおいて加熱する手法や、レーザ光を照射してピンを加熱する手法、ヒータを有する炉内にピンを投入して輻射熱で加熱する手法などが挙げられる。
尚、上記ピンのビッカース硬度は、ビッカース硬度Hv≦95とすることが好ましい。ビッカース硬度Hv≦95とすると、ピンが確実にかつ十分に軟化しているため、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が極めて高い。
また、上記ピンのビッカース硬度の下限値は、60≦ビッカース硬度Hvとすることが好ましい。これよりもビッカース硬度の値が小さくなると、ピンが極めて軟らかくなり過ぎるため、この範囲とした。
なお、ピンの材質としては、棒状部と径大部とが同材質であり、鉄系金属と比べて比較的やわらかい金属、例えば、純銅(無酸素銅)、194合金(銅合金)、リン青銅、洋白、黄銅などの、銅系金属が挙げられる。この内、純銅(無酸素銅)または194合金(銅合金)を用いるのが好ましい。
【0021】
また、上記ピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、ビッカース硬度を低下させる熱処理をされてなるピン立設樹脂製基板とすると良い。
【0022】
本発明では、ピンがビッカース硬度を低下させる熱処理をされているので、通常の製法でピンを製作し、その後の熱処理でビッカース硬度を低下させるから、製作や入手容易なピンを用いることができ、安価なピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0023】
さらに、上記ピン立設樹脂製基板であって、前記ピンはベルト炉内を通過させる熱処理をされてなるピン立設樹脂製基板とするのが好ましい。ベルト炉での熱処理を行えば、ピン全体を均一にかつ確実に加熱して熱処理でき、しかも、安価に処理できるので、安価なピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0024】
また、ピンのハンダ付けに用いるハンダは、ピン立設樹脂製基板の耐熱性、このピン立設樹脂製基板にICチップ等の電子部品を搭載する際のハンダ付け温度等を考慮して適宜選択すれば良い。例えば、Sn/Sb系ハンダ、Pb/Sn系ハンダ、Sn/Ag系ハンダ、Pb系ハンダ、Pb/Sn/Sb系ハンダなどが挙げられる。なおこれらのハンダには、Cu,Ag,Bi,Au,Pb,In,Al,As等を添加したものも含まれる。
従って、上記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ハンダは、Sn/Sb系ハンダ、Pb/Sn系ハンダ、及びSn/Ag系ハンダのいずれかであるピン立設樹脂製基板とするのが好ましい。
中でも、Sn/Sb系ハンダおよびPb/Sn/Sb系ハンダ等のSbを有するハンダは、Pb/Sn系ハンダなどに比して濡れ性がやや低く、相対的に濡れ拡がりにくい性質を有するので、ピンの棒状部への這い上がり高さを低く抑えることができる点で好ましい。特に、Sbの含有量が3wt%以上のハンダが好ましい。Sbの含有量を3wt%以上とすることにより、ハンダの濡れ性の低下がはっきりと現れ、確実にハンダの濡れ広がりや這い上がりを防止可能となる。一方、ハンダ濡れ性の極端な低下によるハンダ接合の困難を回避するため、Sbの含有量を15wt%以下とすることが好ましい。このようなハンダの例として、95Sn−5Sb(融点235〜240℃)、82Pb−10Sn−8Sb(融点255〜257℃)等のハンダが挙げられる。特に、ピンの表面にAuめっき層が形成される場合、特に、Auめっき層の厚みが0.04μm以上の場合には、ハンダの濡れ性が良好になりやすく、ピンの棒状部へ高く這い上がり過ぎる傾向にあるので、上記各Sbを有するハンダを用いることが好ましい。
【0025】
また上記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、前記熱処理に先立って、機械的研磨を施されてなるピン立設樹脂製基板とするのが好ましい。
ピンはプレス等によって製造された時点では、バリ等が各所に生じていたり、鋭い角部が形成されていたりする場合がある。このようなバリや鋭い角部は、容易に剥がれ落ちて金属微粉となって基板各所あるいは他の電子部品に付着し、短絡や絶縁不良を引き起こす危険性があるため、例えばバレル研磨等の機械的研磨によってバリを除去して鋭い角部を面取りすることが行われる。かかる機械的研磨は、ピンの熱処理の前後いずれに行っても良い。しかしながら、かかる機械的研磨を行うと、メディア、砥粒などがピン表面に衝突することによりピン表面が硬くなる。従って、熱処理によってピンを軟らかくした後に機械的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピンを再び硬くすることとなる点で好ましくない。
【0026】
これに対し、上記のよう熱処理に先立って機械的研磨を行っておくと、たとえ機械的研磨によってピンが硬化しても熱処理でピンを軟化させることができるので、機械的研磨の影響をも無くすることができる。
なお、機械的研磨としては、バレル研磨、サンドブラスト、ショットブラスト、研磨粒子入りのウォータージェット、液体ホーニング、研磨剤を含有したブラシ体による研磨などが挙げられる。中でも機械的研磨として、バレル研磨を用いるのが好ましい。バレル研磨によれば大量のピンを同時にかつ安価に処理することができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面取りを均一に行うことができるからである。
【0027】
さらに、上記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ピンの径大部は、前記棒状部側と反対の方向に球面を含むピン立設樹脂製基板(請求項7)とすると良い。
【0028】
本発明によれば、ピンの径大部は、棒状部側と反対の方向に膨らむ球面を有しているので、ピンとピンパッドとは、径大部の球面がピンパッド側に向いた状態でハンダ接合されている。
このため、径大部が釘頭状のピンなどに比して、ピンの径大部とピンパッドとの間に、これらを接合するハンダの量を多く確保することができるので、これらの接合強度を向上させることができる。
また、径大部が球面を含む形状になっているので、ピンに応力が掛かったときに、応力が特定の点だけに集中することなく、接合部分全体で吸収されやすい。従って、ピン本体に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
さらに、ピンは、高温で熱処理されてやわらかくなっているので、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収し、ピンと樹脂製基板との接合部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、これらの相乗効果により、ピンに応力が掛かっても、樹脂製基板自体が破壊されにくく、信頼性が高い。
【0029】
さらに、上記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板であって、前記樹脂製基板の主面は、少なくとも前記ピンパッドが露出する底部を有する凹部を有し、前記ピンは、少なくとも前記径大部が上記凹部に収容され、且つ少なくとも該ピンの前記棒状部の一部が上記主面から突き出ている立設樹脂製基板(請求項8)とすると良い。
【0030】
ピンと樹脂製基板との接合強度を増すためには、一般的には、径大部の高さ(軸線方向の長さ)を大きくし、ピンとピンパッドとを接合するハンダの量をより多く確保するのが好ましい。しかし、径大部の高さが大きくなると、ピンをソケット等に挿入したとき、大きな径大部があるために、ピン立設樹脂製基板とソケット等との隙間も大きくなりやすい。
これに対し、本発明のピン立設樹脂製基板は、ピンパッドが少なくとも底部に露出する凹部を有し、ピンの径大部はこの凹部内に収納されている。従って、ピンに径大部が形成されているにも拘わらず、ピンをソケット等に挿入したときに、ピン立設樹脂製基板とソケット等との隙間を小さくすることができる
【0031】
また他の解決手段は、純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有するピンを、500℃以上の加熱による熱処理を施してやわらかくするピン熱処理工程と、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパッドに、上記ピンのうち少なくとも上記径大部とをハンダ付けするピン固着工程と、を備えるピン立設樹脂製基板の製造方法(請求項9)である。
【0032】
本発明によれば、ピン熱処理工程において、ピンを加熱する熱処理を施してやわらかくする。そして、ピン固着工程において、やわらなくなったピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ接合する。
従って、製造されたピン立設配線基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。よって、この製造方法によれば、ピンに応力が掛かっても樹脂製基板自体(ピンとピンパッドとの接合部分、またはピンパッド部分)の破壊されにくいピン立設樹脂製基板を製造することができる。
【0033】
また、前記ピン立設樹脂製基板であって、前記ピン熱処理工程において、前記ピンを550以上に加熱する立設樹脂製基板の製造方法(請求項10)とすると良い
【0034】
本発明によれば、ピン熱処理工程において、ピンを550℃以上に加熱する熱処理を施すので、これによって、ピンはやわらかくなる。そして、ピン固着工程において、やわらなくなったピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ接合する。
従って、製造されたピン立設配線基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。よって、この製造方法によれば、ピンに応力が掛かっても、樹脂製基板自体(ピンとピンパッドとの接合部分、またはピンパッド部分)の破壊されにくいピン立設樹脂製基板を製造することができる。
【0035】
さらに、前記ピン立設樹脂製基板であって、前記ピン熱処理工程において、前記ピンを550以上900℃以下に加熱する立設樹脂製基板の製造方法(請求項11)とすると良い
【0036】
前記製造方法によれば、ピン熱処理工程において、ピンを550℃以上900℃以下に加熱する熱処理を施すので、これによって、ピンはやわらかくなる。そして、ピン固着工程において、やわらなくなったピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ接合する。
【0037】
従って、製造されたピン立設配線基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。よって、この製造方法によれば、ピンに応力が掛かっても樹脂製基板自体(ピンとピンパッドとの接合部分、またはピンパッド部分)が破壊されにくいピン立設樹脂製基板を製造することができる。
【0038】
なお、ピンの熱処理の温度上限は、これらの融点よりも低い範囲で適宜選択すればよいが、あまり高温で処理すると、ピンがやわらかくなり過ぎてしまう。また、加熱に費用が掛かることなどを考慮し、例えば、900℃以下とするのが好ましい。
尚、上記いずれかのピン熱処理工程において、ピンを550℃以上に加熱する熱処理を施すのが好ましい。550℃以上に加熱すると、ピンは確実にかつ十分に軟化するためである。
【0040】
本発明によれば、ピン硬度引き下げ工程において、ピンのビッカース硬度をHv≦135に引き下げる。そして、ピン固着工程において、硬度が引き下げられて、やわらなくなったピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ接合する。
従って、製造されたピン立設配線基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。よって、この製造方法によれば、ピンに応力が掛かっても樹脂製基板自体(ピンとピンパッドとの接合部分、またはピンパッド部分)が破壊されにくいピン立設樹脂製基板を製造することができる。
尚、上記製法方法に於いて、ピンの硬度をビッカース硬度Hv≦95に引き下げるピン硬度引き下げ工程とすることが好ましい。ビッカース硬度Hv≦95とすると、ピンが確実にかつ十分に軟化しているため、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が極めて高くなる。
また、上記ピンのビッカース硬度の下限値は、60≦ビッカース硬度Hvとすることが好ましい。
【0041】
また上記ピン立設樹脂製基板の製造方法であって、前記ピン硬度引き下げ工程は、ピンを加熱する熱処理によってビッカース硬度を引き下げるピン熱処理工程であるピン立設樹脂製基板の製造方法とすると良い。
【0042】
熱処理によってピンのビッカース硬度を引き下げる場合には、多数のピンを容易に均一な条件で処理することができるからである。
【0043】
さらに、上記ピン立設樹脂製基板の製造方法であって、前記ピン硬度引き下げ工程は、ピンを、ベルト炉内を通過させる熱処理によってビッカース硬度を引き下げるピン立設樹脂製基板の製造方法とするのが好ましい。ベルト炉での熱処理を行えば、ピン全体を均一にかつ確実に加熱して熱処理でき、しかも、安価に処理できるので、安価なピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0044】
さらに、上記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板の製造方法であって、前記ピン熱処理工程に先立って、前記ピンに機械的研磨を施す機械的研磨工程を備えるピン立設樹脂製基板の製造方法とすると良い。
【0045】
ピンはプレス等によって製造された時点では、バリ等が各所に生じていたり、鋭い角部が形成されていたりする場合がある。このようなバリや鋭い角部は、容易に剥がれ落ちて金属微粉となって基板各所あるいは他の電子部品に付着し、短絡や絶縁不良を引き起こす危険性があるため、例えばバレル研磨等の機械的研磨によってバリを除去して鋭い角部を面取りすることが行われる。かかる機械的研磨は、ピンの熱処理の前後いずれに行うこともできる。
しかしながら、かかる機械的研磨を行うと、メディア、砥粒などがピン表面に衝突することによりピン表面が硬くなる。従って、熱処理によってピンを軟らかくした後に機械的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピンを再び硬くすることとなる点で好ましくない。
【0046】
これに対し、本発明では、ピン熱処理工程に先立って機械的研磨工程を備えるので、たとえ機械的研磨によってピンが硬化しても熱処理でピンを軟化させることができるので、機械的研磨の影響をも無くし、軟らかいピンを固着することができる。
なお前記したように、機械的研磨工程としては、バレル研磨、サンドブラスト、ショットブラスト、研磨粒子入りのウォータジェット、液体ホーニング、研磨剤を含有したブラシ体による研磨など各種の工程が挙げられる。
【0047】
特に、上記のピン立設樹脂製基板の製造方法であって、前記機械的研磨工程は、前記ピンにバレル研磨を施すバレル研磨工程であるピン立設樹脂製基板の製造方法とするのが好ましい。
【0048】
本発明では、機械的研磨工程として、バレル研磨を施すバレル研磨工程を採用している。このバレル研磨によれば大量のピンを同時にかつ安価に処理することができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面取りを均一に行うことができる点で好ましいからである。
【0049】
さらに他の解決手段は、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板のうち、前記ピンパッドに、純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有するピンであって、ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有し、500℃以上に加熱する熱処理が施されたピンの少なくとも上記径大部をハンダ付けするピン固着工程、を備えるピン立設樹脂製基板の製造方法(請求項12)である。
【0050】
本発明では、ビッカース硬度Hv≦135のやわらかいピンを用いるので、ピンに応力が掛かってもピンが変形して応力を緩和するので、固着されたピンと樹脂製基板との接続強度が高くなり、高い信頼性を有するピン立設樹脂製基板とすることができる。
尚、上記製法方法に於いて、ピンの硬度をビッカース硬度Hv≦95に引き下げるピン硬度引き下げ工程とすることが好ましい。ビッカース硬度Hv≦95とすると、ピンが確実にかつ十分に軟化しているため、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が極めて高くなる。
【0051】
さらに、上記いずれかに記載のピン立設樹脂製基板の製造方法であって、前記ピン熱処理工程は、前記棒状部側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含む前記径大部を有するピンを加熱する熱処理を施すピン立設樹脂製基板の製造方法とするのが好ましい。
【0052】
本発明によれば、ピン固着工程で、球面を含む径大部を有するピンを、この径大部をピンパッドに当接させてハンダ接合しているので、製造されたピン立設基板は、ピンに応力が掛かっても、この接合部分全体で応力が吸収されやすくなる。このため、ピン本体や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、球面を含む径大部を有するピンをピンパッドに固着しているので、これらの間に多量のハンダを確保し、これらの接合強度を向上させることができる。
さらに、ピン熱処理工程でピンがやわらかくなっているため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も応力を吸収し、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、これらの相乗効果により、本発明の製造方法によれば、ピンに応力が掛かってもピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくいピン立設樹脂製基板を製造することができる。
【0053】
さらに他の解決手段は、入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンであって、純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有し、500℃以上の加熱による熱処理が施されてやわらかくされてなるピン(請求項13)である。
【0054】
本発明のピンは、加熱により熱処理が施されてやわらかくされているので、このような熱処理がされていないピンに比してやわらかくなっている。このため、このピンを用いたピン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、本発明のピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0055】
また前記ピンであって、550℃以上に加熱する熱処理が施されてなるピン(請求項14)としても良い。
【0056】
前記ピンは、550℃以上加熱する熱処理が施されているので、このような熱処理がされていないピンに比してやわらかくなっている。このため、このピンを用いたピン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、本発明のピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0057】
さらに前記ピンであって、550℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施されてなるピン(請求項15)としても良い。
【0058】
前記ピンは、550℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施されているので、このような熱処理がされていないピンに比してやわらかくなっている。このため、このピンを用いたピン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、本発明のピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0059】
さらに前記ピンであって、ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有することを特徴とするピン(請求項16)としても良い。
【0060】
前記ピンは、ビッカース硬度Hv≦135の軟らかいピンである。このため、このピンを樹脂製基板にハンダ付け固着したピン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる
従って、本発明のピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる
尚、上記ピンのビッカース硬度は、ビッカース硬度Hv≦95のピンとすることが好ましい。ビッカース硬度Hv≦95とすると、ピンが確実にかつ十分に軟化しているため、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が極めて高くなる。また、上記ピンのビッカース硬度の下限値は、60≦Hvビッカース硬度とすることが好ましい
【0061】
また前記ピンであって、前記ピンを加熱する熱処理によってビッカース硬度を引き下げてなるピン(請求項17)としても良い。
【0062】
前記ピンは、熱処理によってビッカース硬度を引き下げられている。従って、当初から硬度の低いピンを用いる必要が無く、通常の製法でピンを製作し、その後の熱処理でビッカース硬度を引き下げるから、入手容易なピンを用いることができ、安価なピンとすることができる
【0063】
更に前記ピンの何れかであって、前記径大部は、前記棒状部側と反対の方向に球面を含むピン(請求項18)としても良い。
【0065】
また上記いずれかに記載のピンであって、前記熱処理に先立って、機械的研磨を施されてなるピンとするのが好ましい。
ピンは製造された時点では、バリ等や鋭い角部があることがあるため、予めバレル研磨等の機械的研磨によってバリ除去や角部の面取りを行う。かかる機械的研磨は、ピンの熱処理の前後いずれに行っても良い。しかしながら、かかる機械的研磨を行うと、メディア、砥粒などの衝突よりピン表面が硬くなるので、熱処理の後に機械的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピンを再び硬くすることとなる点で好ましくない。
【0066】
これに対し、上記のよう熱処理に先立って機械的研磨を行えば、たとえ機械的研磨によってピンが硬化しても熱処理でピンを軟化させることができるので、機械的研磨の影響をも無くすることができる。
なお、機械的研磨のうちでは、バレル研磨を用いるのが好ましい。バレル研磨は大量のピンを同時にかつ安価に処理することができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面取りを均一に行うことができるからである。
【0068】
本発明のピンを用いたピン立設基板を製造すると、ピン立設基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピンと基板との接合部分で応力が吸収されやすいので、ピン本体や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。また、球面を含む径大部とピンパッドとの間に多量のハンダを確保することができるので、これらの接合強度を向上させることができる。
従って、本発明のピンを用いてピン立設基板を製造すれば、ピンが高温で熱処理されやわらかくなっていることとの相乗効果により、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0069】
さらに他の解決手段は、入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンの製造方法であって、純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有するピンを500℃以上に加熱する熱処理を施してやわらかくする熱処理工程を備えるピンの製造方法(請求項19)である。
【0070】
本発明によれば、熱処理工程で、ピンを加熱する熱処理を施してやわらかくしている。従って、このようなピンを用いてピン立設基板を製造すれば、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収し、ピンと基板との接合部分や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
よって、この製造方法により製造されたピンを用いて、ピン立設基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、ピンとピンパッドとの接合部分またはピンパッド部分が破壊されにくく、信頼性が高いピン立設基板とすることができる。
【0071】
また前記ピンの製造方法であって、前記ピンを550℃以上に加熱する熱処理を施す熱処理工程を備えるピンの製造方法(請求項20)としたり、前記ピンを500℃以上900℃以下に加熱する熱処理工程を備えるピンの製造方法(請求項21)としても良い。
さらに前記ピンの製造方法であって、前記ピンの硬度を、ビッカース硬度Hv≦135に引き下げるピン硬度引き下げ工程を備えるピンの製造方法(請求項22)としても良く、上記ピン硬度引き下げ工程は、ピンを加熱する熱処理によってビッカース硬度を引き下げる熱処理工程であるピンの製造方法(請求項23)としても良い。
【0080】
さらに、上記ピンの製造方法であって、前記熱処理工程はベルト炉内を通過させる熱処理であるピンの製造方法とするのが好ましい。ベルト炉での熱処理を行えば、ピン全体を均一にかつ確実に加熱して熱処理でき、しかも、安価に処理できるので、ピンをさらに安価に製造することができる。
【0081】
さらに、ピンの径大部が、棒状部側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含む形状である場合には、このピンを用いて製造したピン立設基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピンと基板との接合部分で応力を吸収し、ピン本体や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、球面を含む径大部とピンパッドとの間に多量のハンダを確保することができる。
従って、上記の製造方法により製造されたピンを用いて、ピン立設基板を製造すれば、ピンが柔らかくなっていることとの相乗効果により、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設基板とすることができる。
【0082】
さらに、上記いずれかに記載のピンの製造方法であって、前記熱処理工程に先立って、前記ピンに機械的研磨を施す機械的研磨工程を備えるピンの製造方法とすると良い。
【0083】
ピンはプレス等によって製造された時点では、バリ等が各所に生じていたり、鋭い角部が形成されていたりする場合がある。このようなバリや鋭い角部は、容易に剥がれ落ちて金属微粉となって基板各所あるいは他の電子部品に付着し、短絡や絶縁不良を引き起こす危険性があるため、例えばバレル研磨等の機械的研磨によってバリを除去して鋭い角部を面取りすることが行われる。かかる機械的研磨は、ピンの熱処理の前後いずれに行うこともできる。
しかしながら、かかる機械的研磨を行うと、メディア、砥粒などがピン表面に衝突することによりピン表面が硬くなる。従って、熱処理によってピンを軟らかくした後に機械的研磨を行うと、せっかく軟らかくしたピンを再び硬くすることとなる点で好ましくない。
【0084】
これに対し、本発明では、ピンの熱処理工程に先立って機械的研磨工程を備えるので、たとえ機械的研磨によってピンが硬化しても熱処理でピンを軟化させることができるので、機械的研磨の影響をも無くした軟らかいピンを製造することができる。
【0085】
特に、上記のピンの製造方法であって、前記機械的研磨工程は、前記ピンにバレル研磨を施すバレル研磨工程であるピンの製造方法とするのが好ましい。
【0086】
本発明では、機械的研磨工程として、バレル研磨を施すバレル研磨工程を採用している。このバレル研磨によれば大量のピンを同時にかつ安価に処理することができ、しかも各ピンに対しバリ除去や面取りを均一に行うことができる点で好ましいからである。
【0087】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態のピン1を示す。このピン1は、194合金からなり、その表面には、厚さ約3.34μmのNiメッキ層が形成され、さらにその上には、厚さ約0.35μmのAuメッキ層が形成されている(図示しない)。ピン1は、棒状部1Aと、この一方の端部に形成された径大部1Bとから構成されている。このうち棒状部1Aは、直径約0.45mm、高さ(軸線方向の長さ)3.01mmの略円柱形状をなす。一方、径大部1Bは、棒状部1A側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含む形状、さらに具体的には、棒状部1A側と反対の方向に向かって略半球状に膨出した形状をなしている。径大部1Bの最大径は、約1.1mmであり、その高さ(軸線方向の長さ)は、0.34mmである。
また、このピン1は、500℃〜900℃に加熱し徐冷する熱処理が施されたものである。
【0088】
このようなピン1は、略半球状の径大部1Bを有するので、この径大部1B(球面)を基板に向けハンダ接合したピン立設基板においては、ピン1に応力が掛かったときに、その接合部分全体で応力が吸収されやすい。このため、ピン1本体や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1と基板とを接合するハンダを多量に確保することができるので、これらの接合強度を向上させることができる。
【0089】
さらに、このピン1は、500℃〜900℃に加熱する熱処理がされているので、熱処理がされていないピンに比して、やわらかくなっている。このため、このピン1を用いてピン立設基板を製造すれば、ピン立設基板は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体が応力を吸収しやすいので、ピン1と基板との接合部分や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン1を用いてピン立設基板を製造すれば、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設基板とすることができる。
【0090】
次いで、上記ピン1の製造方法について、図2、図3及び図4を参照しつつ説明する。
まず、断面が略円形の194合金からなる線材MTを用意する(図2(a)参照)。そして、第1把持工程で、図2(a)に示すように、プレス型P1,P2で、線材MTの一部が突出するように線材MTを把持する。
次に、第1プレス工程で、図2(b)に示すように、プレス型P1,P2とプレス型P3とでプレスを行い、線材MTよりも径が大きく、先端に球面を含む径大部1B′を形成する。
【0091】
次に、第2把持工程で、図3(a)に示すように、プレス型P1,P2で、線材MTの一部が新たに突出するように、線材MTを把持し直す。
次に、第2プレス工程で、図3(b)に示すように、再度プレスを行い、上記径大部1B′をさらに大きくする。これにより、上記ピン1の径大部1Bが形成される。このように複数回(本例では2回)にわたってプレスを行うことで、高さ(軸線方向の長さ)の大きな径大部1Bを形成することができる。
【0092】
次に、切断工程で、線材MTを所定の位置で切断し、線材MTと略同径な棒状部1Aを形成する。切断後、バリの除去や鋭い角部の面取りのため、ピン1に対し、公知の手法によりバレル研磨及び化学エッチングによる表面平滑化処理をする。
具体的には、バレル研磨工程において、図4に示すように公知の回転式バレル研磨装置BFを用い、直径3.0〜5.0mmのアルミナ系ボールからなるメディアBMと共に、回転容器BC内にピン1を多数投入し、数時間矢印BTで示すように回転させてバレル研磨を行う。これにより、ピン1のバリが除去され鋭い角部が面取りされる。なお、バレル研磨に際してメディアBMがピン1に衝突するため、ピン1の表面は加工硬化により硬くされる。
次いで、バレル研磨を施されたピン1を化学エッチングによる表面平滑化処理工程において、酸性溶液に浸漬し、表面の一部を溶解除去することにより表面を平滑化する。なお、この表面平滑化処理に行うと、ピン1にくい込むようにして付着したメディアBM等を除去することができる点でも好ましい。
【0093】
次に、熱処理工程で、ピン1を500℃〜900℃に加熱する熱処理を施す。さらに具体的に言うと、本実施形態では、ピン1を、昇温スピード約26℃/分で、最高温度634℃まで加熱し、600℃以上の加熱状態を5分以上保持して、その後、降温スピード約13℃/分で徐冷した。
その後、ピン1の酸化防止のために、その表面にNiメッキを施し、さらにその上に厚さ0.04μm以上(本実施形態では約0.35μm)となるようにAuメッキを施して、Niメッキ層及びAuメッキ層を形成すれば、上記ピン1が完成する。
【0094】
この製造方法では、熱処理工程で、ピン1を500℃以上900℃以下に加熱した後徐冷する熱処理をしているので、熱処理前に比して、ピン1はやわらかくなる。このようにピン1がやわらかくなるのは、194合金から線材MTを形成するときに生じる加工歪みや、この線材MTからピン1の径大部1Bを形成するときに生じる加工歪みによる残留応力が、この熱処理によって除去されるためであると考えられる。
ピン1がやわらかくなれば、以下で説明するように、このピン1を用いたピン立設基板は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体が変形して応力を吸収し、ピン1と基板との接合部分や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
【0095】
特に、本実施形態では、バレル研磨工程でピン1のバリ取りや面取りを行った後に熱処理を施した。このため、上記のようにバレル研磨によるピンに加工硬化を生じても、熱処理によって残留応力が除去されるので、バレル研磨による影響をも無くすことができた。従って、熱処理の後にバレル研磨を行う場合には、軟らかくされたピン1がバレル研磨により再び硬化するのと比較し、より好ましい。
【0096】
また、この製造方法により製造されるピン1は、球面を含む径大部1Bを有しているので、これを用いたピン立設基板は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1と基板との接合部分全体で応力を吸収し、ピン1本体や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1の径大部1Bと基板との間に多量のハンダを確保して、これらの接合強度を向上させることができる。
つまり、この製造方法により製造されたピン1を用いて、ピン立設基板を製造すれば、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設基板とすることができる。
【0097】
次いで、本実施形態のピン立設樹脂製基板11について、図5を参照しつつ説明する。図5(a)にはピン立設樹脂製基板11の側面図を示し、図5(b)にはその部分拡大断面図を示す。
このピン立設樹脂製基板11は、略矩形の略板形状の樹脂製基板13と、これに立設された多数の上記ピン1とからなる。
【0098】
このうち樹脂製基板13は、エポキシ樹脂からなる複数の樹脂絶縁層15A,15Bが積層され、さらにその表面に、エポキシ樹脂からなるソルダーレジスト層21が積層された樹脂製多層配線基板である。
樹脂絶縁層15A,15Bの層間や樹脂絶縁層15Aとソルダーレジスト層21との層間には、配線やパッド等の導体層17A,17Bがそれぞれ形成されている。また、樹脂絶縁層15A,15Bには、導体層17A,17B同士を接続するために、ビア導体19やスルーホール導体(図示しない)が多数形成されている。
【0099】
樹脂製基板13の主面13Aをなすソルダーレジスト層21には、多数の開口21Kが所定の位置に形成されている。そして、この開口21K内には、樹脂絶縁層15Aとソルダーレジスト層21との層間に形成された導体層17Aのうち、ピンパッド17APがそれぞれ露出している。
一方、ピン1は、その径大部1B(球面)を樹脂製基板13のピンパッド17AP側に向け、径大部1B全体と棒状部1Aのうち径大部1B側の一部とがピンパッド17APにハンダHD(Sn95%−Sb5%)で接合されることにより、樹脂製基板13に固着されている。
【0100】
このようなピン立設樹脂製基板11は、略半球状の径大部1Bを有するピン1が、この径大部1Bを樹脂製基板13のピンパッド17AP側に向けて、樹脂製基板13にハンダHDで接合されている。このため、ピン1に応力が掛かっても、この接合部分全体で応力が吸収されやすいので、ピン1本体に掛かる応力や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、径大部1Bとピンパッド17APとの間に多量のハンダHDを確保しているので、これらの接合強度を高くすることができる。
【0101】
しかも、ピン1は、500℃以上900℃以下に加熱し徐冷する熱処理が施されているので、このような熱処理がされていないピン1に比してやわらかくなっている。このため、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体も変形して応力を吸収するので、ピン1とピンパッド17APとの接合部分に掛かる応力や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。なお、徐冷とは徐々に冷却することをいう。
これらの相乗効果から、このピン立設樹脂製基板11は、ピン1に応力が掛かっても、ピン1とピンパッド17APとの接合部分またはピンパッド17AP部分が破壊されにくく、信頼性が高い。
【0102】
特に、このピン立設樹脂製基板11では、バレル研磨工程でピン1のバリ取りや面取りを行った後に熱処理を施したピン1をハンダ付け固着した。つまり、バレル研磨によるピンの加工硬化の影響をも無くし、十分に軟らかくされたピン1を用いているので、このピン立設樹脂製基板11は、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、特に信頼性が高い。
【0103】
次に、ピン1に施す熱処理の温度と、ピン1と樹脂製基板13との接合強度との関係について、表1を参照しつつ説明する。
ピンに施す熱処理の温度の違いによるピン1と樹脂製基板13との接合強度の差異を調べるために、以下のような調査を行った。
まず、前述したように、第1把持工程、第1プレス工程、第2把持工程、第2プレス工程、及び切断工程を行い、さらに、バレル研磨の工程及び化学エッチングによる表面平滑化処理の工程を行って、194合金の線材MTからピン1を多数形成した。次に、ピン熱処理工程で、ピン1を、最高470℃、550℃、634℃、740℃、880℃、または、950℃に加熱し、その後徐冷して、熱処理の温度が異なる6種類のピン1を得た。その後、各種のピン1の表面にNi−Auメッキ層を形成した。そして、後述するピン立設樹脂製基板11の製造方法のピン固着工程において、各種のピン1を、別々に樹脂製基板13にハンダ接合させ、ピン立設樹脂製基板11をそれぞれ製造した。なお、熱処理の温度が同一のピン1ごとに、それぞれ5個のピン立設樹脂製基板11を、即ち、全部で6×5=30個のピン立設樹脂製基板11を製造した。
【0104】
次に、各ピン立設樹脂製基板11について、ピン1の引っ張り試験(30度斜め引っ張り試験:ピンの棒状部との角度を30度方向への引っ張る試験、即ち、ピン立設樹脂製基板11の厚み方向との角度を30度方向へ引っ張る試験)を実施した。具体的には、ピン立設樹脂製基板11に多数立設されたピン1のいずれかを挟んで引っ張り、ピン1とピンパッド17APとの接合部分が破壊されずに、ピン1の棒状部1Aでピン1が切れたものを、接合部分の強度が十分に高いと判断して合格とした。一方、ピン1を挟んで引っ張った結果、ピン1とピンパッド17APとの接合部分で破壊されたものを、接合部分の強度が低いと判断して不合格とした。
なお、各ピン立設樹脂製基板11につき、10本のピン1について、引っ張り試験を行った。従って、同一の温度で熱処理されたピン1について、全部で50本、試験を行った。
さらに、上述した194合金からなるピン1の他に、純銅からなるピン1についても、194合金からなるピン1と同様にして調査した。
これらの結果をまとめて表1に示す。
【0105】
【表1】
Figure 0004356912
【0106】
表1から明らかなように、194合金からなるピン1及び純銅からなるピン1のいずれも、熱処理の温度を高くしていくと、それに伴って不合格のピン1(ピン1とピンパッド17APとの間で破壊されるピン1)の数が減少していく。そして、熱処理の温度が634℃、740℃、880℃、及び950℃では、194合金からなるピン1及び純銅からなるピン1のいずれも、不合格のピン1が存在しなかった。これらの結果から、少なくとも550℃以上の温度で熱処理を行えば、その効果が現れ、ピン1とピンパッド17APとの間で破壊されにくくなることが判る。さらに、634℃以上の温度で熱処理すれば、ピン1とピンパッド17APとの間でほとんど破壊されなくなることが判る。
【0107】
なお、上記調査では、上限の温度を950℃としているが、これは、あまり高い温度にすると、ピン1自体が溶解するからである。
以上の結果から、熱処理の温度を好ましくは550℃以上、さらに好ましくは600℃以上にすると、ピン1が十分にやわらかくなり、結果としてピン1とピンパッド17APとの接合強度が増加する。また、熱処理の温度は、ピン1の融点や、熱処理にかかるコスト等を考慮して、900℃以下とするのが好ましい。
【0108】
次に、別のピン立設樹脂製基板11について、194合金からなるピン1の引っ張り試験(0度引っ張り試験:ピンの棒状部との角度を0度方向への引っ張る試験、即ち、ピン立設樹脂製基板11の厚み方向へ引っ張る試験)を実施した。具体的には、ピン立設樹脂製基板11に多数立設されたピン1のいずれかを挟んで引っ張り、ピン1とピンパッド17APとの接合部分またはピンパッド17AP部分が破壊されずに、ピン1の棒状部1Aでピン1が切れたものを、接合部分の強度が十分に高いと判断して合格とした。一方、ピン1を挟んで引っ張った結果、ピン1とピンパッド17APとの接合部分またはピンパッド17AP部分で破壊されたものを、接合部分の強度が低いと判断して不合格とした。
なお、各ピン立設樹脂製基板11につき、10本のピン1について、引っ張り試験を行った。従って、同一の温度で熱処理されたピン1について、全部で50本、試験を行った。
これらの結果をまとめて表2に示す。
【0109】
【表2】
Figure 0004356912
【0110】
表2から明らかなように、194合金からなるピン1は、熱処理の温度を高くしていくと、それに伴って不合格のピン1(ピン1とピンパッド17APとの間またはピンパッド17AP部分で破壊されるピン1)の数が減少していく。そして、熱処理の温度が500℃以上では、194合金からなるピン1は、不合格のピン1が存在しなかった。これらの結果から、少なくとも500℃以上の温度で熱処理を行えば、その効果が現れ、ピン1とピンパッド17APとの間またはピンパッド17AP部分で破壊されにくくなることが判る。
【0111】
なお、上記調査では、上限の温度を900℃としているが、ピン1の融点や、熱処理にかかるコスト等を考慮して、900℃以下とするのが好ましいからである。
以上の結果から、熱処理の温度を500℃以上にすると、ピン1がやわらかくなり、結果としてピン1とピンパッド17APとの接合強度が増加することが判る。また、やわらかくなったピン1が、応力を緩和してピンパッド17AP部分で破壊することを防止することが判る。
【0112】
次いで、上記ピン立設樹脂製基板11の製造方法について、図6を参照しつつ説明する。
まず、棒状部1Aと径大部1Bとを有するピン1を用意する。具体的には、前述したように、第1把持工程、第1プレス工程、第2把持工程、第2プレス工程、及び切断工程を行い、さらに、次述するピン熱処理工程に先立って、バレル研磨の工程及び化学エッチングによる表面平滑化処理の工程を行って、194合金線材MTからピン1を形成する。
【0113】
次に、ピン熱処理工程で、このピン1を500℃〜900℃に加熱する熱処理を施す。具体的には、前述したように、ピン1を、昇温スピード約26℃/分で、最高温度634℃まで加熱し、600℃以上の加熱状態を5分以上保持して、その後、降温スピード約13℃/分で徐冷する。これによりピン1は、プレスやバレル研磨等による加工歪みが除去され、十分軟らかくされる。
その後、ピン1の酸化防止のために、その表面に厚さ約3.34μmのNiメッキを施し、さらにその上に、厚さ約0.35μmのAuメッキを施す。
【0114】
次に、上記樹脂製基板13を用意する。この樹脂製基板13は、公知の手法により、樹脂絶縁層15と導体層17とを交互に形成し、さらに、ソルダーレジスト層21を形成すればよい。そして、ハンダ印刷工程において、図6(a)に示すように、樹脂製基板13のピンパッド17AP上に、所定量のハンダペーストHDP(Sn95%、Sb5%)をそれぞれ印刷する。
【0115】
次に、載置工程において、図6(b)に示すように、ピン立て治具PJに、上記ピン1をそれぞれセットし、その上に、ハンダペーストHDPが印刷された樹脂製基板13を、位置合わせをして載置して、ピン1の径大部1Bをピンパッド17APに当接させる。そして、その上に錘WTを載せて、樹脂製基板13を押さえる。
次に、リフロー工程において、ピン立て治具PJに載置された樹脂製基板13をリフロー炉に入れ、図6(c)に示すように、ハンダペーストHDPを溶融させ、ピン1の径大部1B等をピンパッド17APにハンダ付けすれば、上記ピン立設樹脂製基板11が完成する。なお、本実施形態では、ハンダ印刷工程、載置工程及びリフロー工程が、ピン固着工程に相当する。
【0116】
この製造方法では、ピン熱処理工程で、ピン1に500℃以上900℃以下の加熱状態から徐冷する熱処理をしているので、熱処理前に比して、ピン1はやわらかくなる。従って、製造されたピン立設樹脂製基板11は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体が応力を吸収し、ピン1と樹脂製基板13との接合部分や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、この製造方法では、球面を含む径大部1Bをピンパッド17APに当接させてハンダ接合しているので、製造されたピン立設樹脂製基板11は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1と樹脂製基板13との接合部分全体で応力を吸収し、ピン1本体や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1の径大部1Bとピンパッド17APとの間に、多量のハンダHDを確保することができるので、接合部分の強度を向上させることができる。
よって、この製造方法によれば、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板11を製造することができる。
【0117】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について、図7を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態のピン1は、その材料が純銅からなる以外は上記実施形態1のピン1と同様であり、また、ピン1の製造方法も同様である(図1〜図4参照)。
【0118】
一方、ピン立設樹脂製基板111は、図7に示すように、樹脂製基板113が上記実施形態1の樹脂製基板13と異なる。なお、図7(a)はピン立設樹脂製基板111の側面図を、図7(b)はその部分拡大断面図を示している。
このピン立設樹脂製基板111は、略矩形の略板形状の樹脂製基板113と、これに立設された多数のピン1とからなる。
【0119】
このうち樹脂製基板113は、エポキシ樹脂からなる複数の樹脂絶縁層115A,115B,115C,115Dが積層された樹脂製多層配線基板である。
樹脂絶縁層115Bと樹脂絶縁層115Cの層間、及び、樹脂絶縁層115Cと樹脂絶縁層115Dの層間には、配線やパッド等の導体層117A,117Bがそれぞれ形成されている。また、これらの導体層117A,117Bを接続するため、樹脂絶縁層115Cには、スルーホール導体119が多数形成されている。
樹脂製基板113の主面113Aには、主面113A側の2層の樹脂絶縁層115A,115Bを貫通する凹部121が、所定の位置に多数形成されている。そして、凹部121の底部には、導体層117Aのうち、ピンパッド117APがそれぞれ露出している。
【0120】
一方、ピン1は、その径大部1B(球面)を凹部121の底部に露出するピンパッド117AP側に向け、径大部1B全体と棒状部1Aのうち径大部1B側の一部とがピンパッド117APにハンダHDで接合されることにより、樹脂製基板113に固着されている。
また、ピン1のうち、径大部1B全体及び棒状部1Aの一部は、凹部121内にそれぞれ収納されている。また、ピン1とピンパッド117APとを接合するハンダHDも、そのほぼ全部が凹部121内に収納されている。
【0121】
このようなピン立設樹脂製基板111は、上記実施形態1と同様に、略半球状の径大部1Bを有するピン1が、この径大部1Bをピンパッド117AP側に向けて、樹脂製基板113にハンダHDで接合されている。このため、ピン1に応力が掛かっても、この接合部分全体で応力が吸収されやすいので、ピン1本体に掛かる応力や樹脂製基板113本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1とピンパッド117APとの接合部分に多量のハンダHDが確保されているので、これらの接合強度を向上させることができる。
【0122】
しかも、ピン1は、500℃以上900℃以下の加熱状態から徐冷する熱処理が施されているので、このような熱処理がされていないピン1に比してやわらかくなっている。このため、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体も変形して応力を吸収するので、ピン1と樹脂製基板113との接合部分に掛かる応力や樹脂製基板113本体に掛かる応力を軽減することができる。
これらの相乗効果から、このピン立設樹脂製基板111は、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高い。
【0123】
さらに、このピン立設樹脂製基板111は、ピンパッド117APが底部に露出する凹部121を有し、ピン1の径大部1Bはこの凹部121内に収納されている。従って、ピン1に径大部1Bが形成されているにも拘わらず、ピン1をソケット等に挿入したときに、ピン立設樹脂製基板111とソケット等との隙間を小さくすることができる。
【0124】
次いで、本実施形態のピン立設樹脂製基板111の製造方法について説明する。
まず、上記実施形態1と同様に、棒状部1Aと径大部1Bとを有する純銅からなるピン1を用意し、ピン熱処理工程で、このピン1を500℃〜900℃に加熱し、その後徐冷する。その後、ピン1の表面に、Ni−Auメッキ層を形成する。
次に、公知の手法により製造した上記樹脂製基板13を用意する。そして、ハンダボール投入工程において、樹脂製基板113に形成された各凹部121内に、ハンダボールを投入し、ハンダボールを溶解させてピンパッド117APに固着させる。
【0125】
次に、ピン立て治具載置工程において、ピン立て治具PJに上記ピン1をそれぞれセットし、これを樹脂製基板113上に位置合わせをして載置する。
次に、リフロー工程において、ピン立て治具PJ及び樹脂製基板113等をリフロー炉に入れ、ハンダを再度溶融させて、ピン1の径大部1B等をピンパッド117APにハンダ付けすれば、上記ピン立設樹脂製基板111が完成する。なお、本実施形態では、ハンダボール投入工程、ピン立て治具載置工程、及びリフロー工程が、ピン固着工程に相当する。
【0126】
本実施形態においても、ピン熱処理工程で、ピン1に500℃以上900℃以下の加熱状態から徐冷する熱処理をしているので、熱処理前に比して、ピン1はやわらかくなる。従って、製造されたピン立設樹脂製基板111は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体が応力を吸収し、ピン1と樹脂製基板113との接合部分や樹脂製基板113本体に掛かる応力を軽減することができる。
【0127】
また、球面を含む径大部1Bをピンパッド117APに当接させてハンダ接合しているので、製造されたピン立設樹脂製基板111は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1と樹脂製基板113との接合部分全体で応力を吸収し、ピン1本体や樹脂製基板113本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、球面を含む径大部1Bとピンパッド117APとの間に多量のハンダHDを確保し、接合強度を向上させることができる。
よって、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板111を製造することができる。
【0128】
(実施形態3)
次いで、第3の実施形態について説明する。上記実施形態1,2では、銅系金属である194合金や純銅(無酸素銅)からなるピン1を用いて、樹脂製基板にハンダ付け立設した。本実施形態3でも、銅系金属からなるピンを用いる。また、上記実施形態1,2では、径大部1Bが棒状部1A側と反対の方向に向かって略半球状に膨らむ形状のピン1を用いたが、本実施形態3では、径大部を略円板状とした、いわゆるネイルヘッド形状のピンを用いる点、及びピンやピンパッドの寸法が異なる。しかし他は、上記実施形態1,2とほぼ同様であるので、異なる部分を中心に説明し、同様の部分は説明を省略あるいは簡略化する。
【0129】
本実施形態3で用いるピン301は、194合金からなり、図8に示すように、棒状部301Aとこの一方の端部(図中上端部)に形成された径大部301Bとからなる。このピン301は実施形態1,2で用いたピン1に比して小さなピンであり、その棒状部301Aは、直径0.31mm、高さ(軸線方向の長さ)1.83mmの略円柱形状をなす。一方、径大部301Bは、直径0.65mm、厚さ0.20mmの略円板形状をなしており、ピン301はいわゆるネイルヘッド形状のピンとなっている。
【0130】
このピン301は、194合金の線材を用いてプレスにより径大部301Bを成形する公知の手法で製造されたものである。このピン301の成形後、バレル研磨の工程(図4参照)、及び化学エッチングによる表面平滑化処理の工程を行う。さらにピンの熱処理工程において、図9に示すように、トレイTR内に収容したピン301を、ローラRO1,RO2の間に架け渡され所定のスピードで移動するベルトBL上に載せ、ヒータHTの加熱により所定の温度プロファイルとされたベルト炉FP内を通過させて加熱し徐冷する熱処理を施す。具体的には、ピン301を、ベルトスピード150mm/min、最高温度792℃まで加熱し、780℃以上の加熱状態を4.5分以上保持し、その後徐冷した。
【0131】
これにより、ピン301は、熱処理前に比してやわらかくなる。つまり硬度が引き下げられる。194合金の原材から線材を引き抜きなどによって形成する際の加工硬化、あるいは径大部301Bを形成する際の加工硬化、さらにはバレル研磨による加工硬化によって硬くなったピン301が、熱処理によって軟らかくなったためと考えられる。
【0132】
次いで、このピン301を立設したピン立設樹脂製基板311について説明する。このピン立設樹脂製基板311は、図10(a)に示すように、略矩形板状の樹脂製基板313のうち、一方の面(図中上面)に、熱処理を施した多数のピン301を立設したものである。この樹脂製基板313は、エポキシ樹脂からなる複数の樹脂絶縁層315A,315Bが積層され、さらにその表面に、エポキシ樹脂からなるソルダーレジスト層321が積層された樹脂製多層配線基板である。
樹脂絶縁層315A,315Bの層間や樹脂絶縁層315Aとソルダーレジスト層321との層間には、配線やパッド等の導体層317A,317Bがそれぞれ形成されている。また、樹脂絶縁層315A,315Bには、導体層317A,317B同士を接続するために、ビア導体319やスルーホール導体(図示しない)が多数形成されている。
【0133】
樹脂製基板313の主面313Aをなすソルダーレジスト層321には、多数の開口321Kが所定の位置に形成されている。この開口321Kは直径1.0mmであり、その内には、導体層317Aの一部をなすピンパッド317APがそれぞれ露出している。
ピン301は、その径大部301Bをピンパッド317AP側に向け、径大部301Bの端面(図中下面)及び側面がハンダHDでピンパッド301APと接合されることにより、樹脂製基板313に固着されている。なお、径大部301Bの棒状部側の面(図中上面)には、ハンダHDは濡れ拡がらないか、若干濡れ拡がる状態とされている。
【0134】
このピン立設樹脂製基板311では、ピン301に上述した高温での熱処理が施されているので、このような熱処理がされていない、つまり加工硬化により硬くなっているピン301に比してやわらかくなっている。このため、ピン301に応力が掛かったときに、ピン301自体も変形して応力を吸収するので、ピン301とピンパッド317APとの接合部分に掛かる応力や樹脂製基板313本体に掛かる応力を軽減し、これらの部分での破壊を防止することができる。このため、このピン立設樹脂製基板311は、ピン301に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いものとなる。
【0135】
また、このピン立設樹脂製基板311でも、バレル研磨工程でピン301のバリ取りや面取りを行った後に熱処理を施したピン301をハンダ付け固着した。つまり、バレル研磨によるピンの加工硬化の影響をも無くし、十分に軟らかくされたピン301を用いているので、このピン立設樹脂製基板311は、ピン301に応力が掛かっても、破壊されにくく、特に信頼性が高い。
【0136】
次に、194合金製のピン301に施す熱処理の温度と、ピン301の硬さ(ビッカース硬度Hv)との関係について説明する。
ピンに施す熱処理の温度の違いによるピン301のビッカース硬度Hvの差異を調べるために、以下のような調査を行った。
まず、上述のように公知の手法でピン301を形成し、バレル研磨及び化学エッチングによる表面平滑化処理を行って、コバールからなるピン301を多数形成した。
【0137】
次に、図9に示すベルト炉FPの温度プロファイルを変えて、ピン熱処理工程で、ピン301を、最高温度が900℃、850℃、800℃、750℃、700℃、650℃、600℃、550℃、500℃、450℃、350℃にそれぞれ加熱し、その後徐冷して、熱処理しないで室温の保持した1種を加え、熱処理の温度が異なる12種類のピン301を得た。これら12種のピン301(各10ヶ)について、マイクロビッカース計測装置(AKASHI社製MVK−E2、測定条件:荷重500g、15秒)により、棒状部301A(図8参照)の断面部(即ち、ピン立設樹脂製基板11の厚み方向と垂直の方向へ切断したピンの棒状部の断面部:本実施例では、棒状部301Aの長さ方向の約半分の部分での断面部)の表面のビッカース硬度Hvをそれぞれ測定した。その結果を、表3に示す。
【0138】
【表3】
Figure 0004356912
【0139】
表3から明らかなように、194合金からなるピン301
は、熱処理をしない室温の場合、及び熱処理の最高温度が450℃以下の場合には、いずれもビッカース硬度Hvが平均値で150程度の比較的高い値である、つまりピンが比較的に硬い状態にある。これに対し、熱処理の温度をこれより高くするとビッカース硬度Hvが急激に低下し、最高温度が500℃以上の熱処理を施したもの、特に550℃以上の熱処理を施したもの、具体的には、最高温度で900℃、850℃、800℃、750℃、700℃、650℃、600℃、550℃、または500℃の熱処理を施したものでは、いずれもビッカース硬度Hvが135以下の低い値となる。つまり、熱処理によりピンが軟らかくなることが判る。これは、ピン301が熱処理により軟化したためと考えられる。また、好ましくは、ビッカース硬度Hvが95以下の、最高温度で550℃以上の熱処理を施したものが良い。
【0140】
その後、各種のピン301の表面にそれぞれNi(2.7〜3.3μm)及びAu(0.28〜0.39μm)のメッキ層を形成した。なお、メッキ層の厚さなどによっても異なるが、このNi−Auメッキ層の形成により、ピン301の表面のビッカース硬度Hvは10〜20程度上昇する。しかし、メッキによる硬度上昇を考慮しても、熱処理による硬度の低下は明確に現れる。
そして、樹脂製基板313にそれぞれピン301をハンダ接合させ、ピン立設樹脂製基板311をそれぞれ製造した。
【0141】
上記の各試験結果から、熱処理は最高温度500℃以上とすると良く、最高温度を550℃以上とするのがさらに好ましいことが判る。
【0142】
本実施形態のピン立設樹脂製基板311の製造は、実施形態1,2と同様である。即ち、194合金からなるピン301を製造し、バレル研磨工程及び表面平滑化処理工程を経て、上述のように熱処理を施し、その後、Niメッキ及びAuメッキを施しておく。別途、図11(a)に示すように、上述の樹脂製基板313を用意する。なお、この図では、樹脂製基板313の形態は簡略化して表示している。この樹脂製基板313は、公知の手法により、図示しない樹脂絶縁層315と導体層317とを交互に形成し、さらに、ソルダーレジスト層321を形成すればよい。
【0143】
その後、ピン301を樹脂製基板313に固着する、具体的には、ハンダ印刷工程において、図11(a)に示すように、樹脂製基板313のピンパッド317AP上に、所定量のハンダペーストHDP(Sn95%−Sb5%、融点235〜240℃)をそれぞれ印刷する。
次に、載置工程において、図11(b)に示すように、ピン立て治具PJに形成したピン挿入孔PJHに上記ピン301をそれぞれセットし、その上に、ハンダペーストHDPが印刷された樹脂製基板313を位置合わせして載置して、ピン301の径大部301Bをピンパッド317AP上のハンダペーストHDPに当接させる。そして、その上に錘WTを載せて、樹脂製基板313を押さえる。
さらに、リフロー工程において、ピン立て治具PJ上に載置された樹脂製基板313をリフロー炉に入れ、最高260〜265℃に加熱してハンダペーストHDPを溶融させて、図11(c)に示すように、ピン301の径大部301Bをピンパッド317APにハンダ付けすれば、上記ピン立設樹脂製基板311が完成する。
【0144】
以上において、本発明を各実施形態1,2,3に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態1,2では、略半球状の径大部1Bを有するピン1を示したが、径大部1Bを他の形状、例えば実施形態3と同様に略円板状とすることもできる。このような形状のピンであっても、ピンが高温で熱処理され、やわらかくなっていることにより、ピンに応力が掛かったときに破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板11,111とすることができる。
【0145】
また、上記各実施形態では、ハンダHDとして、Sn/Sb系ハンダを用いたが、Pb/Sn系ハンダ、Sn/Ag系ハンダ等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係るピンを示す全体図である。
【図2】実施形態1に係るピンの製造方法を示す図であり、(a)は線材をプレス型で挟んだ様子を示す説明図であり、(b)はプレスして径大部の一部を形成した様子を示す説明図である。
【図3】実施形態1に係るピンの製造方法を示す図であり、(a)は径大部の一部を形成した線材をプレス型で挟み直した様子を示す説明図であり、(b)はプレスして径大部を形成した様子を示す説明図である。
【図4】ピンをバレル研磨するバレル研磨工程の模式図である。
【図5】実施形態1に係るピン立設樹脂製基板を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は部分拡大断面図である。
【図6】実施形態1に係るピン立設樹脂製基板の製造方法を示す図であり、(a)は樹脂製基板のピンパッドにハンダペーストを塗布した様子を示す説明図であり、(b)はピン立て治具に樹脂製基板を重ねてピンの径大部とハンダペーストを接触させた様子を示す説明図であり、(c)はハンダペーストをリフローしてピンパッドにピンをハンダ付けした様子を示す説明図である。
【図7】実施形態2に係るピン立設樹脂製基板を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は部分拡大断面図である。
【図8】実施形態3にかかるピンの形状を示す側面図である。
【図9】ピンに熱処理を施す様子を示す説明図である。
【図10】実施形態3にかかるピン立設樹脂製基板を示し、(a)は側面図、(b)は部分拡大断面図である。
【図11】実施形態3にかかるピン立設樹脂製基板の製造方法のうち、ピンの固着工程を示し、(a)は樹脂製基板のピンパッドにハンダペーストを塗布した状態、(b)はピン立て治具と樹脂製基板とを重ねてハンダペーストにピンの径大部を接触させた状態、(c)はリフローしてピンパッドにピンをハンダ付けした状態を示す説明図である。
【図12】従来技術に係るピン立設樹脂製基板を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1,301 ピン
1A,301A 棒状部
1B,301B 径大部
11,111,311 ピン立設樹脂製基板
13,113,313 樹脂製基板
13A,113A,313A (樹脂製基板の)主面
17AP,117AP,317AP ピンパッド
121,321 凹部
HD ハンダ

Claims (23)

  1. 主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板と、
    上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、を備え、
    上記ピンは、上記ピンパッドにハンダ接合する前に500℃以上の加熱による熱処理でやわらかくされており、純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有し、少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付けされている
    ピン立設樹脂製基板。
  2. 請求項1に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ハンダ付けに用いるハンダは、Sn−Sb系ハンダ、Pb−Sn系ハンダ、およびSn−Ag系ハンダの何れかである
    ピン立設樹脂製基板。
  3. 請求項1または2に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンは、500℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施されている
    ピン立設樹脂製基板。
  4. 請求項1または2に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンは、550℃以上に加熱する熱処理が施されている
    ピン立設樹脂製基板。
  5. 請求項1または2に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンは、ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有する
    ピン立設樹脂製基板。
  6. 請求項5に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンは、ビッカース硬度を低下させる熱処理をされてなる
    ピン立設樹脂製基板。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンの径大部は、前記棒状部側と反対の方向に球面を含む
    ピン立設樹脂製基板。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記樹脂製基板の主面は、少なくとも前記ピンパッドが露出する底部を有する凹部を有し、
    前記ピンは、少なくとも前記径大部が上記凹部に収容され、且つ少なくとも該ピンの前記棒状部の一部が上記主面から突き出ている
    ピン立設樹脂製基板。
  9. 純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有するピンを、500℃以上の加熱による熱処理を施してやわらかくするピン熱処理工程と、
    主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパッドに、上記ピンのうち少なくとも上記径大部とをハンダ付けするピン固着工程と、を備える
    ピン立設樹脂製基板の製造方法。
  10. 請求項9に記載のピン立設樹脂製基板の製造方法であって、
    前記ピン熱処理工程において、前記ピンを550以上に加熱する
    ピン立設樹脂製基板の製造方法。
  11. 請求項9に記載のピン立設樹脂製基板の製造方法であって、
    前記ピン熱処理工程において、前記ピンを550以上900℃以下に加熱する
    ピン立設樹脂製基板の製造方法。
  12. 主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板のうち、前記ピンパッドに、
    純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有するピンであって、ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有し、500℃以上に加熱する熱処理が施されたピンの少なくとも上記径大部をハンダ付けするピン固着工程、を備える
    ピン立設樹脂製基板の製造方法。
  13. 入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンであって、
    純銅または194合金からなる棒状部と、
    この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有し、
    500℃以上の加熱による熱処理が施されてやわらかくされてなる
    ピン。
  14. 請求項13に記載のピンであって、
    550℃以上に加熱する熱処理が施されてなる
    ピン。
  15. 請求項13に記載のピンであって、
    550℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施されてなる
    ピン。
  16. 請求項13に記載のピンであって、
    ビッカース硬度Hv≦135の硬度を有することを特徴とする
    ピン。
  17. 請求項16に記載のピンであって、
    前記ピンを加熱する熱処理によってビッカース硬度を引き下げてなる
    ピン。
  18. 請求項13〜請求項17のいずれか一項に記載のピンであって、
    前記径大部は、前記棒状部側と反対の方向に球面を含む
    ピン。
  19. 入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設基板に用いるピンの製造方法であって、
    純銅または194合金からなる棒状部と、この棒状部と同材質からなり、この棒状部より径大で、この棒状部の一方の端部に形成された径大部と、を有するピンを500℃以上に加熱する熱処理を施してやわらかくする熱処理工程を備える
    ピンの製造方法。
  20. 請求項19に記載のピンの製造方法であって、
    前記ピンを550℃以上に加熱する熱処理を施す熱処理工程を備える
    ピンの製造方法。
  21. 請求項19に記載のピンの製造方法であって、
    前記ピンを500℃以上900℃以下に加熱する熱処理を施す熱処理工程を備える
    ピンの製造方法。
  22. 請求項19に記載のピンの製造方法であって、
    前記ピンの硬度を、ビッカース硬度Hv≦135に引き下げるピン硬度引き下げ工程を備える
    ピンの製造方法。
  23. 請求項22に記載のピンの製造方法であって、
    前記ピン硬度引き下げ工程は、ピンを加熱する熱処理によってビッカース硬度を引き下げる熱処理工程である
    ピンの製造方法。
JP2001111881A 2000-04-10 2001-04-10 ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法 Expired - Lifetime JP4356912B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111881A JP4356912B2 (ja) 2000-04-10 2001-04-10 ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法
TW090117196A TW503546B (en) 2000-10-13 2001-07-13 Pin standing resin-made substrate, method of making pin standing resin-made substrate, pin and method of making pin
US09/917,903 US6648211B2 (en) 2000-10-13 2001-07-31 Pin standing resin-made substrate, method of making pin standing resin-made substrate, pin and method of making pin

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000108051 2000-04-10
JP2000313769 2000-10-13
JP2001-9809 2001-01-18
JP2000-108051 2001-01-18
JP2001009809 2001-01-18
JP2000-313769 2001-01-18
JP2001111881A JP4356912B2 (ja) 2000-04-10 2001-04-10 ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002289761A JP2002289761A (ja) 2002-10-04
JP4356912B2 true JP4356912B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=27481205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001111881A Expired - Lifetime JP4356912B2 (ja) 2000-04-10 2001-04-10 ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4356912B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7215030B2 (en) * 2005-06-27 2007-05-08 Advanced Micro Devices, Inc. Lead-free semiconductor package
US8153900B2 (en) 2007-08-30 2012-04-10 Shinko Electric Industries Co., Ltd. Wiring substrate with lead pin and lead pin
JP5581043B2 (ja) * 2009-11-24 2014-08-27 イビデン株式会社 半導体装置及びその製造方法
JP5763887B2 (ja) * 2010-02-24 2015-08-12 千住金属工業株式会社 銅カラム及びその製造方法
JP5373040B2 (ja) * 2011-11-30 2013-12-18 新光電気工業株式会社 リードピン付き配線基板
GB2557614A (en) 2016-12-12 2018-06-27 Infineon Technologies Austria Ag Semiconductor device, electronic component and method
JP6421294B1 (ja) * 2017-05-25 2018-11-14 株式会社三井E&Sマシナリー シャワーヘッド加工工具およびシャワーヘッド加工工具の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002289761A (ja) 2002-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3891838B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US6270363B1 (en) Z-axis compressible polymer with fine metal matrix suspension
US6660946B2 (en) Pin standing resin-made substrate, method of making pin standing resin-made substrate, pin and method of making pin
US20030178132A1 (en) Method for manufacturing connection structure
US5877079A (en) Method for manufacturing a semiconductor device and a method for mounting a semiconductor device for eliminating a void
JP4036786B2 (ja) 電子部品実装方法
US5551148A (en) Method for forming conductive bumps
US6555757B2 (en) Pin solder jointed to a resin substrate, made having a predetermined hardness and dimensions
US6648211B2 (en) Pin standing resin-made substrate, method of making pin standing resin-made substrate, pin and method of making pin
JPWO2008136419A1 (ja) 半導体装置及び製造方法並びにリペア方法
JP4356912B2 (ja) ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法
KR20130050894A (ko) 반도체 장치의 제조 방법
JP3550355B2 (ja) ピン立設基板
JP2001332583A (ja) 半導体チップの実装方法
TW557559B (en) Resin-made substrate on which there is installed with a vertically installed pin, manufacturing method thereof, and manufacturing method for pin
JP2004228595A (ja) ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法
JP3638542B2 (ja) ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法
JP2002289729A (ja) ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法
JP2002289316A (ja) ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法
JP2007027701A (ja) 配線基板
JP2002171055A (ja) 電子回路基板と電子部品及び電子回路装置並びにこれらの製造方法
JPH11245085A (ja) 接合部材およびこれを用いた半導体実装装置
JPH10116927A (ja) 接続端子及びその形成方法
JP2000091380A (ja) フリップチップの実装構造
KR100546001B1 (ko) 종방향 초음파를 이용한 전자부품의 솔더링 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080221

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20080902

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20081024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090108

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090731

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4356912

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term