JP3638542B2 - ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法 - Google Patents

ピン立設樹脂製基板、ピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン及びピンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入出力端子としてのピンを立設したピン立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン立設樹脂製基板に用いる入出力端子としてのピン、及び、このピンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入出力端子としてのピンを、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成された樹脂製基板に立設したピン立設樹脂製基板が知られている。
例えば、図8に部分拡大断面図を示すピン立設樹脂製基板201が挙げられる。このピン立設樹脂製基板201は、略矩形の略板形状の樹脂製基板203と、これに立設された多数のピン221とからなる。
【0003】
このうち樹脂製基板203は、内部や表面に配線層(図示しない)が形成された樹脂絶縁層205を有し、主面203A側(図中上方)には、ソルダーレジスト層207から露出するピンパッド209が多数形成されている。
一方、ピン221は、例えば、194合金(Cu−(2.1-2.6wt%)Fe−(0.05-0.2wt%)Zn−(0.015-0.15wt%)P)からなり、略円柱形状の棒状部221Aと、このピンパッド209側の端部に形成された略円板状の径大部221Bとから構成されている。そして、このピン221は、径大部221B全体と棒状部221Aのうち径大部221B側の一部とがピンパッド209にハンダHDで接合されることにより、樹脂製基板203に固着されている。なお、このピン221としては、194合金のほか、例えば、純銅、リン青銅、洋白、ベリリウム銅などの銅系金属や、コバール(Fe−Ni−Co合金)、42合金(Fe−42wt%Ni合金)などの鉄系金属のピンが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなピン立設樹脂製基板201は、例えば、ピン221を引っ張った場合など、ピン221に応力が掛かったときに、比較的小さな応力で、ピン221とピンパッド209との間のハンダHD部分で破断したり、樹脂製基板205(樹脂絶縁層205)がえぐれるようにして破断することがある。これは、ピン221が硬いために、ハンダ付けによって生じた応力や引張試験などで加えられた応力を吸収できず、何らかの原因で応力が集中すると、ピン221の棒状部221Aで破断する前に、ピン221とピンパッド209との間のハンダHD部分や、樹脂製基板203(樹脂絶縁層205)が破断するためであると推測される。
従って、このようなピン221を接続した場合には、引張試験において、硬いピン221の棒状部221Aが破断するまで耐えるような接続強度の高いものも現れるが、極端に接続強度の低いものも現れ、全体としてバラツキが大きく信頼性に欠ける接合となる。
【0005】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、ピンに応力が掛かっても破壊されにくく、信頼性の高いピン立設樹脂製基板、このピン立設樹脂製基板の製造方法、ピン立設樹脂製基板に用いるピン、及び、このピンの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板と、上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、を備え、上記ピンは、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であって、上記ピンの成形に用いる最終的な形状において、加熱による熱処理で残留する加工歪みを予め除去してやわらかくされた線材を用いて、棒状部と、この棒状部の一方の端部に位置しこの棒状部より径大な径大部と、が成形されてなり、少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付けされているピン立設樹脂製基板である。
【0007】
ピンは、一般に線材をプレス等により所定形状に成形して得る。ところで、素材を所定
の径の線材とするにあたっては、引き抜き等の加工がなれるため、線材は加工歪みにより硬くなる。また、ピン成形時にも、径大部を成形するための加工等によっても硬くなる。このため、ピンは、素材そのものより硬くなっていると考えられる。
そこで、一旦形成したピンに熱処理を施してやわらかくすることも考えられる。しかし、各ピンを熱処理するには工数が掛かる。さらに、多数のピンを1つの容器に入れて一度に熱処理する場合には、容器内のピンの位置によってかけられる温度にばらつきが生じることがあるため、容器に入れるピンの数があまり多数にならないように制限して、均一に熱処理を施すのが好ましく、熱処理が面倒になりがちである。
【0008】
これに対し、本発明によれば、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材を、ピンに加工する前の最終的な形状の線材とした上で、加熱による熱処理で熱処理前に比してやわらかくしている。このため、線材の引き抜き等による加工歪みを予め除去してあるから、ピンに残るのは、ピン成形時の加工による硬化、例えば、径大部成形のための加工による硬化であるので、その硬化の程度は低く、ピンは比較的軟らかい状態が保たれる。従って、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収するので、ピンと樹脂製基板との接合部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、これらの部分で破壊されにくくなり、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高い。例えば、引張試験で破壊する場合には、ピンとピンパッドとの間のハンダ部分や、樹脂製基板がえぐれるように破断することがなく、ピンの棒状部で破断するというように、引張強度にばらつきが少なく、信頼性が高い。
【0009】
ところで、セラミック製基板にピンが立設されたピン立設セラミック製基板においては、ピンが高温で熱処理されているものが、従来から存在している。これは、通常、ピンはセラミック製基板にロウ付け接合されるので、その接合の際、自ずと例えば800℃程度の高温にさらされるからである。
これに対し、ピン立設樹脂製基板では、樹脂製基板の耐熱性を考慮して、ピンは、200〜300℃程度の低温でハンダ接合されるので、ピン自身が特に高温にさらされることがなく、従って、ピンが硬い場合には、それほど応力を吸収することができなかった。
【0010】
しかし、本発明では、上述したように、ピンの成形に用いる最終的な形状において予め熱処理された線材を用いて成形されて、ピンがやわらかくなっているので、ピンに掛かった応力が吸収されやすく、ピン立設樹脂製基板が破壊されにくくなり、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高くなる。
なお、線材及びピンの材質としては、純銅(無酸素銅)、194合金(銅・鉄合金)、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅を用いる。これらは、コバールや42合金などの鉄系金属に比して、径大部の成形などピンの加工による加工硬化が少ないため、熱処理によって線材を軟らかくした効果が、ピン成形後まで継続する。従って、軟らかいピンを固着できるから、特に好ましい。
【0011】
また、ピンのハンダ付けに用いるハンダは、ピン立設樹脂製基板の耐熱性、このピン立設樹脂製基板にICチップ等の電子部品を搭載する際のハンダ付け温度等を考慮して適宜選択すれば良い。例えば、Sn/Sb系ハンダ、Pb/Sn系ハンダ、Sn/Ag系ハンダなどが挙げられる。なおこれらのハンダには、Cu,Ag,Bi,Au,Pb,In,Al,As等を添加したものも含まれる。
従って、上記ピン立設樹脂製基板であって、前記ハンダは、Sn/Sb系ハンダ、Pb/Sn系ハンダ、及びSn/Ag系ハンダのいずれかであるピン立設樹脂製基板とするのが好ましい。
中でも、Sn/Sb系ハンダは、Pb/Sn系ハンダなどに比して濡れ性がやや低く、相対的に濡れ拡がりにくい性質を有するので、ピンの棒状部への這い上がり高さを低く抑えることができる点で好ましい。
【0012】
さらに、ピン立設樹脂製基板であって、前記ピンは、450℃以上900℃以下に加熱する前記熱処理が施された前記線材を用いて成形されてなるピン立設樹脂製基板とすると良い。
【0013】
本発明によれば、ピンは、450℃以上の高温で加熱する熱処理が施された線材を用いて成形しているので、線材に確実に熱処理がされており、この線材及びこれを用いて成形したピンは確実に軟らかくなっている。このため、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が確実に変形して応力を吸収するから、このピン立設樹脂製基板は、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高い。
なお、線材の熱処理には、大きな熱エネルギーを要するため、線材に必要以上に高温にすることはコストアップとなる。本発明では、熱処理を900℃以下とすることで、コストを低減できる。
また、前記熱処理を600℃以上900℃以下に加熱する熱処理とすると、確実に線材及びピンをやわらかくすることができるのでより好ましい。
【0014】
さらに上記ピン立設樹脂製基板であって、前記ピンのビッカース硬度Hvが、Hv=70〜120であるピン立設樹脂製基板とするのと良い。
【0015】
ビッカース硬度Hvが120以下の軟らかいピンを用いると、ピンに掛かった応力を確実に吸収でき、ピン立設樹脂製基板が破壊されにくくなり、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高くなる。
一方、ビッカース硬度Hvが70以下であると、軟らかすぎてプレス加工などによるピン製造が難しくなる。
【0016】
さらに、上記いずれか1項に記載のピン立設樹脂製基板であって、前記ピンの径大部は、前記棒状部側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含むピン立設樹脂製基板とすると良い。
【0017】
本発明によれば、ピンの径大部は、棒状部側と反対の方向に膨らむ球面を有しているので、ピンとピンパッドとは、径大部の球面がピンパッド側に向いた状態でハンダ接合されている。
このため、径大部が平坦な釘頭状のピンなどに比して、ピンの径大部とピンパッドとの間に、これらを接合するハンダの量を多く確保することができるので、これらの接合強度を向上させることができる。
また、径大部が球面を含む形状になっているので、ピンに応力が掛かったときに、応力が特定の点だけに集中することなく、接合部分全体で吸収されやすい。従って、ピン本体に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
さらに、ピンは、上述の如く高温で熱処理されてやわらかくなった線材を用いて成形されているので、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収し、ピンと樹脂製基板との接合部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピン立設樹脂製基板は、これらの相乗効果により、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高い。
【0018】
さらに他の解決手段は、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であって、ピンの成形に用いる最終的な形状の線材に加熱による熱処理を施して残留する加工歪みを除去してやわらかくする線材熱処理工程と、上記熱処理された線材を用いて、棒状部と、この棒状部の一方の端部に位置しこの棒状部より径大な径大部と、を有するピンを成形するピン成形工程と、主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパッドに、上記ピンの径大部を当接させて、上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも上記径大部とをハンダ付けするピン固着工程と、を備えるピン立設樹脂製基板の製造方法である。
【0019】
本発明によれば、線材熱処理工程において、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなり、ピンの成形に用いる最終的な形状の線材に、この線材を加熱する熱処理を施して、残留する加工歪みを除去してやわらかくし、その後ピンを成形する。そして、ピン固着工程において、やわらかいピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ接合する。
従って、製造されたピン立設配線基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。よって、この製造方法によれば、ピンに応力が掛かっても破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性の高いピン立設樹脂製基板を製造することができる。なお、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材は、コバールや42合金などの鉄系金属に比して、径大部の成形などピンの加工による加工硬化が少ないため、熱処理によって線材を軟らかくした効果が、ピン成形後まで継続する。従って、軟らかいピンを固着できるから、特に好ましい。
【0020】
さらに、上記ピン立設樹脂製基板の製造方法であって、前記熱処理は、前記線材を450℃以上900℃以下に加熱する熱処理であるピン立設樹脂製基板の製造方法とすると良い。
【0021】
本発明によれば、線材熱処理工程において、線材を450℃以上に加熱する熱処理を施すので、これによって、線材を確実にやわらかくできる。そして、ピン固着工程において、この線材を用いて成形したピンを、樹脂製基板のピンパッドにハンダ接合する。従って、この製造方法によれば、ピンに応力が掛かっても破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性の高いピン立設樹脂製基板をより確実に製造することができる。
なお、線材の熱処理には、大きな熱エネルギーを要するため、線材を必要以上に高温にすることはコストアップとなる。本発明では、線材熱処理工程を900℃以下とすることで、コストを低減できる。
また、前記熱処理を600℃以上900℃以下に加熱する熱処理とすると、確実に線材及びピンをやわらかくすることができるのでより好ましい。
【0022】
さらに他の解決手段は、入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設樹脂製基板に用いるピンであって、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であって、上記ピンの成形に用いる最終的な形状において、加熱による熱処理で残留する加工歪みを予め除去してやわらかくされた線材を用いて、棒状部と、この棒状部の一方の端部に位置しこの棒状部より径大な径大部と、を成形してなるピンである。
【0023】
本発明のピンは、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であり、しかも、ピンの成形に用いる最終的な形状において、加熱により熱処理が施されて残留する加工歪みが予め除去されてやわらかくされた線材を用いているので、このような熱処理がされていない線材を用いて成形したピンに比してやわらかくなっている。このため、このピンを用いたピン立設樹脂製基板を製造すると、ピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収しやすいので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、本発明のピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。 なお、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材は、コバールや42合金などの鉄系金属に比して、径大部の成形などピンの加工による加工硬化が少ないため、熱処理によって線材を軟らかくした効果が、ピン成形後まで継続し、軟らかいピンを成形できるから、特に好ましい。
【0024】
また、上記ピンであって、450℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施された前記線材を用いて成形されてなるピンとすると良い。
【0025】
本発明のピンは、450℃以上の高温で加熱する熱処理が施された線材を用いて成形しているので、線材に確実に熱処理がされており、この線材及びこれを用いて成形したピンが軟らかくなっている。このため、このピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板を確実に製造することができる。
なお、線材の熱処理には、大きな熱エネルギーを要するため、線材を必要以上に高温にすることはコストアップとなる。本発明では、熱処理を900℃以下とすることで、コストを低減できる。
また、前記熱処理を600℃以上900℃以下に加熱する熱処理とすると、確実に線材及びピンをやわらかくすることができるのでより好ましい。
【0026】
さらに上記ピンであって、ビッカース硬度Hvが、Hv=70〜120であるピンとすると良い。
【0027】
このようなビッカース硬度Hvが120以下の軟らかいピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すると、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を確実に吸収できるので、ピンと樹脂製基板との接合部分や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。このため、ピン立設樹脂製基板が破壊されにくくなり、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性を高くすることができる。
一方、ビッカース硬度Hvが70以下であると、軟らかすぎてプレス加工などによるピン製造が難しくなる。
【0028】
さらに、上記いずれか1項に記載のピンであって、前記ピンの径大部は、前記棒状部側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含むピンとすると良い。
【0029】
本発明によれば、ピンの径大部は、棒状部側と反対の方向に膨らむ球面を含んでいる。従って、このピンを基板のピンパッドとハンダ付けするときには、径大部の球面がピンパッド側に向いた状態でハンダ接合される。
このピンを用いると、径大部が平坦な釘頭状のピンなどに比して、ピンの径大部とピンパッドとの間に、これらを接合するハンダの量を多く確保することができるので、これらの接合強度を向上させることができる。
また、径大部が球面を含む形状になっているので、ピンに応力が掛かったときに、応力が特定の点だけに集中することなく、接合部分全体で吸収されやすい。従って、ピン本体に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
さらに、ピンは、高温で熱処理されてやわらかくなった線材を用いて成形されているので、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体も変形して応力を吸収し、ピンと樹脂製基板との接合部分に掛かる応力や樹脂製基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
従って、このピンを用いたピン立設樹脂製基板では、これらの相乗効果により、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高い。
【0030】
さらに他の解決手段は、入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設樹脂製基板に用いるピンの製造方法であって、上記ピンの成形に先立って、上記ピンの成形に用いる最終的な形状で、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材に加熱による熱処理を施して残留する加工歪みを除去してやわらかくする線材熱処理工程を備えるピンの製造方法である。
【0031】
本発明によれば、ピンに成形に先立って、線材熱処理工程で、ピンの成形に用いる最終的な形状で、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材に、この線材を加熱する熱処理を施して残留する加工歪みを除去してやわらかくしている。従って、このような線材を用いてピンを成形すれば、ピンもやわらかいものとすることができる。従って、このようなピンを用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かったときに、ピン自体が応力を吸収し、ピンと基板との接合部分や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
よって、この製造方法により製造されたピンを用いて、ピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0032】
さらに上記ピンの製造方法であって、前記線材熱処理工程は、前記線材を450℃以上900℃以下に加熱する熱処理であるピンの製造方法とすると良い。
【0033】
本発明によれば、線材は、線材熱処理工程で450℃以上の高温で加熱されるので、線材に確実に熱処理がされており、この線材、及びこれを用いて成形したピンを確実に軟らかいものとすることができる。このため、このピンを用いたピン立設樹脂製基板は、ピンに応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキも少なく、信頼性が高い。
なお、線材の熱処理には、大きな熱エネルギーを要するため、線材を必要以上に高温にすることはコストアップとなる。本発明では、熱処理を900℃以下とすることで、コストを低減できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態のピン1を示す。このピン1は、194合金からなり、その表面には、厚さ約3.34μmのNiメッキ層が形成され、さらにその上には、厚さ約0.35μmのAuメッキ層が形成されている(図示しない)。ピン1は、棒状部1Aと、この一方の端部に形成された径大部1Bとから構成されている。このうち棒状部1Aは、直径約0.45mm、高さ(軸線方向の長さ)3.01mmの略円柱形状をなす。一方、径大部1Bは、棒状部1A側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含む形状、さらに具体的には、棒状部1A側と反対の方向に向かって略半球状に膨出した形状をなしている。径大部1Bの最大径は、約1.2mmであり、その高さ(軸線方向の長さ)は、0.34mmである。
また、このピン1は、450℃〜900℃に加熱し徐冷する熱処理が施された194合金からなる線材を成形して得たものである。
【0035】
このピン1は、略半球状の径大部1Bを有するので、この径大部1B(球面)を基板に向けハンダ接合したピン立設樹脂製基板においては、ピン1に応力が掛かったときに、その接合部分全体で応力が吸収されやすい。このため、ピン1本体や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1と基板とを接合するハンダを多量に確保することができるので、これらの接合強度を向上させることができる。
【0036】
さらに、このピン1は、450℃〜900℃に加熱する熱処理がされた194合金からなる線材を成形して得ているので、熱処理がされていない線材を用いたピンに比して、やわらかくなっている。このため、このピン1を用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピン立設樹脂製基板は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体が応力を吸収しやすいので、ピン1と基板との接合部分や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。ま
た、引張強度試験などの破壊試験を行った場合にも、ピン1と基板との接合部分や基板本体で破壊せず
に、ピン1の棒状部1Aで破断するので、破壊強度のバラツキが少なくなる
従って、このピン1を用いてピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキが少なく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0037】
次いで、上記ピン1の製造方法について、図2〜図5を参照しつつ説明する。
まず、図2に示すように、断面が略円形(φ0.45mm)の194合金からなり、コイル状に巻かれた線材MTを用意する。まず線材熱処理工程において、線材MTを450℃〜900℃に加熱した後徐冷する熱処理を施す。さらに具体的に言うと、本実施形態では、線材MTをオーブンOVに入れ、最高温度680℃まで加熱し、600℃以上の加熱状態を5分以上保持して、その後、徐冷した。この熱処理により、線材MTを所定の径にするための引き抜き加工などによって、線材MTに残留する加工歪みを除き、線材MTをやわらかくする。徐冷とは、徐々に線材の温度を下げることをいう。
なお、上記では、最高温度を680℃としているが、熱処理温度による線材MTの軟化の程度、ピン1(194合金)の融点や、熱処理にかかるコスト等を考慮して、450〜900℃の範囲から選択するのが好ましい。
【0038】
その後、第1把持工程で、図3(a)に示すように、プレス型P1,P2で、線材MTの一部が突出するように線材MTを把持する。
次に、第1プレス工程で、図3(b)に示すように、プレス型P1,P2とプレス型P3とでプレスを行い、線材MTよりも径が大きく、先端に球面を含む径大部1B′を形成する。
【0039】
次に、第2把持工程で、図4(a)に示すように、プレス型P1,P2で、線材MTの一部が新たに突出するように、線材MTを把持し直す。
次に、第2プレス工程で、図4(b)に示すように、再度プレスを行い、上記径大部1B′をさらに大きくする。これにより、上記ピン1の径大部1Bが形成される。このように複数回(本例では2回)にわたってプレスを行うことで、高さ(軸線方向の長さ)の大きな径大部1Bを形成することができる。
【0040】
次に、切断工程で、線材MTを所定の位置で切断し、線材MTと略同径な棒状部1Aを形成する。切断後、バリの除去や鋭い角部の面取りのため、ピン1に対し、公知の手法によりバレル研磨及び化学エッチングによる表面平滑化処理をする。
具体的には、バレル研磨工程において、図5に示すように公知の回転式バレル研磨装置BFを用い、直径3.0〜5.0mmのアルミナ系ボールからなるメディアBMと共に、回転容器BC内にピン1を多数投入し、数時間矢印BTで示すように回転させてバレル研磨を行う。これにより、ピン1のバリが除去され鋭い角部が面取りされる。なお、バレル研磨に際してメディアBMがピン1に衝突するため、ピン1の表面は加工硬化により若干硬くなる。
次いで、バレル研磨を施されたピン1を化学エッチングによる表面平滑化処理工程において、酸性溶液に浸漬し、表面の一部を溶解除去することにより表面を平滑化する。なお、この表面平滑化処理に行うと、ピン1にくい込むようにして付着したメディアBM等を除去することができる点でも好ましい。
【0041】
その後、ピン1の酸化防止のために、その表面にNiメッキを施し、さらにその上に厚さ0.04μm以上(本実施形態では約0.35μm)となるようにAuメッキを施して、Niメッキ層及びAuメッキ層を形成すれば、上記ピン1が完成する。
【0042】
このピン1の製造方法では、線材熱処理工程で、ピンの成形に用いる最終的な形状の線材MTを450℃以上900℃以下に加熱した後徐冷する熱処理をしているので、熱処理前に比して、線材MTはやわらかくなる。このように線材MTがやわらかくなるのは、前記したように、194合金から線材MTを形成するときに生じる加工歪みが、この熱処理によって除去されるためであると考えられる。
なお、その後、ピン1の成形において、プレス加工で径大部1Bを形成したため、径大部1Bには加工歪みが残留し、若干硬度が上がる。また、バレル研磨によっても硬度が若干上がる。しかし、ピン1の成形前に予め線材MTをやわらかくしているため、径大部1Bに残る加工歪みは相対的に低く、径大部1Bはある程度軟らかさを保っている。特に、本実施形態ではピン1は194合金からなるため、コバールや42合金などの鉄系金属の場合に比して、径大部1Bの形成等に伴う加工歪みによる硬化の度合いがごく小さいので、径大部1Bも比較的軟らかい状態を保つ。
【0043】
このピン1のビッカース硬度、具体的には棒状部1Aを切断しその中心部分におけるビッカース硬度を、ビッカース硬度計(ASAKA社製MVK−EII)を用いて測定したところ、線材MTを熱処理しないでピンを成形した場合には、Hv=147であった。これに対し、本実施形態のピン1では、Hv=109であった。なお、ピン1の径大部1Bのビッカース硬度は、棒状部1Aのそれより5程度大きいだけであった。このことから、径大部1Bに若干の加工による硬化があるがその影響は少ないことが理解できる。
【0044】
ピン1、特に径大部1Bがやわらかいと、以下で説明するように、このピン1を用いたピン立設樹脂製基板は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1(径大部1B)自体が変形して応力を吸収し、ピン1と基板との接合部分や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
【0045】
また、この製造方法により製造されるピン1は、球面を含む径大部1Bを有しているので、これを用いたピン立設樹脂製基板は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1と基板との接合部分全体で応力を吸収し、ピン1本体や基板本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1の径大部1Bと基板との間に多量のハンダを確保して、これらの接合強度を向上させることができる。
つまり、この製造方法により製造されたピン1を用いて、ピン立設樹脂製基板を製造すれば、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0046】
次いで、本実施形態のピン立設樹脂製基板11について、図6を参照しつつ説明する。図6(a)にはピン立設樹脂製基板11の側面図を示し、図6(b)にはその部分拡大断面図を示す。
このピン立設樹脂製基板11は、略矩形の略板形状の樹脂製基板13と、これに立設された多数の上記ピン1とからなる。
【0047】
このうち樹脂製基板13は、エポキシ樹脂からなる複数の樹脂絶縁層15A,15Bが積層され、さらにその表面に、エポキシ樹脂からなるソルダーレジスト層21が積層された樹脂製多層配線基板である。
樹脂絶縁層15A,15Bの層間や樹脂絶縁層15Aとソルダーレジスト層21との層間には、配線やパッド等の導体層17A,17Bがそれぞれ形成されている。また、樹脂絶縁層15A,15Bには、導体層17A,17B同士を接続するために、ビア導体19やスルーホール導体(図示しない)が多数形成されている。
【0048】
樹脂製基板13の主面13Aをなすソルダーレジスト層21には、多数の開口21Kが
所定の位置に形成されている。そして、この開口21K内には、樹脂絶縁層15Aとソルダーレジスト層21との層間に形成された導体層17Aのうち、ピンパッド17APがそれぞれ露出している。
一方、ピン1は、その径大部1B(球面)を樹脂製基板13のピンパッド17AP側に向け、径大部1B全体と棒状部1Aのうち径大部1B側の一部とがピンパッド17APにハンダHD(Sn95%−Sb5%)で接合されることにより、樹脂製基板13に固着されている。
【0049】
このピン立設樹脂製基板11について、ピン1の接続強度(引張強度)を測定した。具体的には、ピン立設樹脂製基板11に多数立設されたピン1のうち、いずれかのピン1の棒状部1Aを把持し、基板11に対して垂直から20度傾けた方向に引っ張り、破壊した時点の引張強度を測定するとともに、破壊のモードを分類した。
なお、3ヶのピン立設樹脂製基板11につき、各々10本のピン1について、引っ張り試験を行った。従って、同一の温度で熱処理し線材から形成されたピン1について、全部で30本、試験を行った。
また、比較形態として、線材MTを熱処理しなかった以外は同様にして製作したピンを樹脂製基板13にハンダ付けして製作したピン立設樹脂製基板についても、同様にしてピンの接続強度(引張強度)を測定し、破壊のモードを分類した。
引張強度の結果をまとめて表1に示し、破壊モードの分類を表2に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003638542
【0051】
【表2】
Figure 0003638542
【0052】
表1から理解できるように、比較形態のピン及びピン立設樹脂製基板では、引張強度のバラツキ(標準偏差)が大きく、引張強度の高いピンも存在するが、最低値が51.0N(=5.20kgf)であることから判るように引張強度の極端に低いピンも存在することが判る。一方、本実施形態のピン1及びピン立設樹脂製基板11は、引張強度の平均値では比較形態よりも若干低いが、バラツキが標準偏差で10分の1以下となり、バラツキが非常に小さくなっていることが判る。従って、引張強度の極端に小さいピン1が存在しないことから、各ピン1がほぼ均一な引張強度を持ち、高い信頼性を有することが判る。
【0053】
さらに、表2によれば、比較形態では、基板がえぐれるようにして破壊する基板破壊のモードや、ピンの径大部とピンパッド17APとの間のハンダHDで破断するハンダ破壊のモードが発生することがある。これは、ハンダ付けに際して発生した応力や、引張強度試験時に掛かった応力をピンの径大部で吸収できないために、何らかの原因で応力の集中する個所が有ると、その部分から破断するために、生じるモードであると推察される。またこれらのモードとなるものは、引張強度の大きさが、ハンダHD自身の強度やハンダ付けの条件、基板の強度などに影響されることとなるため、制御しにくく、引張強度のバラツキが大きくなると考えられる。
【0054】
これに対し、本実施形態では、いずれもピン1で破断するピン切れモードとなり、基板破壊やハンダ破壊を生じていない。ピン1の径大部1Bが軟らかいために、ハンダ付けに際して発生した応力や、引張強度試験時に掛かった応力をピン1の径大部1Bで吸収できたため、この部分では破断を生じず、いずれもピン1が破壊したものと推察される。
【0055】
さらに、このピン立設樹脂製基板11は、略半球状の径大部1Bを有するピン1が、この径大部1Bを樹脂製基板13のピンパッド17AP側に向けて、樹脂製基板13にハンダHDで接合されている。このため、ピン1に応力が掛かっても、この接合部分全体で応力が吸収されやすいので、ピン1本体に掛かる応力や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、径大部1Bとピンパッド17APとの間に多量のハンダHDを確保しているので、これらの接合強度を高くすることができる。
しかも、ピン1は、上述のように450℃以上900℃以下に加熱し徐冷する熱処理が施された線材MTを用いて成形されいる。これらの相乗効果から、このピン立設樹脂製基
板11は、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキが少なく、信頼性が高い。
【0056】
次いで、上記ピン立設樹脂製基板11の製造方法について、図7を参照しつつ説明する。
まず、前述したように、線材熱処理工程で、線材MTを450℃〜900℃に加熱しその後徐冷する熱処理を施す。具体的には、前述したように、線材MTを、最高温度680℃まで加熱し、600℃以上の加熱状態を5分以上保持して、その後、徐冷する(図2参照)。これにより線材MTは、引き抜き加工などによる加工歪みが除去され、十分軟らかくされる。
次いで、この線材MTから、棒状部1Aと径大部1Bとを有するピン1を成形する。具体的には、前述したように、第1把持工程、第1プレス工程、第2把持工程、第2プレス工程、及び切断工程を行い、さらに、バレル研磨の工程及び化学エッチングによる表面平滑化処理の工程を行って、ピン1を形成する(図3〜図5参照)。
その後、ピン1の酸化防止のために、その表面に厚さ約3μmのNiメッキを施し、さらにその上に、厚さ約0.35μmのAuメッキを施す。
【0057】
次に、上記樹脂製基板13を用意する。この樹脂製基板13は、公知の手法により、樹脂絶縁層15と導体層17とを交互に形成し、さらに、ソルダーレジスト層21を形成すればよい。そして、ハンダ印刷工程において、図7(a)に示すように、樹脂製基板13のピンパッド17AP上に、所定量のハンダペーストHDP(Sn95%、Sb5%)をそれぞれ印刷する。
【0058】
次に、載置工程において、図7(b)に示すように、ピン立て治具PJの挿入孔PJH内に、上記ピン1をそれぞれセットし、その上に、ハンダペーストHDPが印刷された樹脂製基板13を、位置合わせをして載置し、ピン1の径大部1Bをピンパッド17APに当接させる。そして、その上に錘WTを載せて、樹脂製基板13を押さえる。
次に、リフロー工程において、ピン立て治具PJに載置された樹脂製基板13をリフロー炉(図示しない)に入れ、図7(c)に示すように、ハンダペーストHDPを溶融させ、ピン1の径大部1B等をピンパッド17APにハンダ付けすれば、上記ピン立設樹脂製基板11が完成する。なお、本実施形態では、ハンダ印刷工程、載置工程及びリフロー工程が、ピン固着工程に相当する。
【0059】
この製造方法では、線材熱処理工程で、線材MTに450℃以上900℃以下の加熱状態から徐冷する熱処理をしているので、熱処理前に比して、線材MT及びこれを用いて成形されたピン1はやわらかくなる。従って、製造されたピン立設樹脂製基板11は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1自体が応力を吸収し、ピン1と樹脂製基板13との接合部分や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、この製造方法では、球面を含む径大部1Bをピンパッド17APに当接させてハンダ接合しているので、製造されたピン立設樹脂製基板11は、ピン1に応力が掛かったときに、ピン1と樹脂製基板13との接合部分全体で応力を吸収し、ピン1本体や樹脂製基板13本体に掛かる応力を軽減することができる。
また、ピン1の径大部1Bとピンパッド17APとの間に、多量のハンダHDを確保することができるので、接合部分の強度を向上させることができる。
よって、この製造方法によれば、ピン1に応力が掛かっても、破壊されにくく、破壊強度のバラツキが小さく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板11を製造することができる。
【0060】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態では、略半球状の径大部1Bを有するピン1を示したが、径大部1Bを他の形状、例えば略円板状とすることもできる。このような形状のピンであっても、線材が高温で熱処理され、ピンがやわらかくなっていることにより、ピンに応力が掛かったときに破壊されにくく、信頼性が高いピン立設樹脂製基板とすることができる。
【0061】
また、コバールや42合金などの鉄系金属からなるピンについて、実施形態と同様に、予め熱処理をした線材を用いてピンを成形し、これを用いてピン立設樹脂製基板を形成しても良い。但し、鉄系金属では径大部の成形による加工歪みに伴う加工硬化が大きくなるので、実施形態で使用した194合金など銅系金属を用いるのがより好ましい。
また、上記各実施形態では、ハンダHDとして、Sn/Sb系ハンダを用いたが、Pb/Sn系ハンダ、Sn/Ag系ハンダを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るピンを示す全体図である。
【図2】 実施形態に係るピンの製造方法のうち、線材を熱処理する様子を示す説明図である。
【図3】 実施形態に係るピンの製造方法を示す図であり、(a)は線材をプレス型で挟んだ様子を示す説明図であり、(b)はプレスして径大部の一部を形成した様子を示す説明図である。
【図4】 実施形態に係るピンの製造方法を示す図であり、(a)は径大部の一部を形成した線材をプレス型で挟み直した様子を示す説明図であり、(b)はプレスして径大部を形成した様子を示す説明図である。
【図5】 ピンをバレル研磨するバレル研磨工程の模式図である。
【図6】 実施形態に係るピン立設樹脂製基板を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は部分拡大断面図である。
【図7】 実施形態に係るピン立設樹脂製基板の製造方法を示す図であり、(a)は樹脂製基板のピンパッドにハンダペーストを塗布した様子を示す説明図であり、(b)はピン立て治具に樹脂製基板を重ねてピンの径大部とハンダペーストを接触させた様子を示す説明図であり、(c)はハンダペーストをリフローしてピンパッドにピンをハンダ付けした様子を示す説明図である。
【図8】 従来技術に係るピン立設樹脂製基板を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ピン
1A 棒状部
1B 径大部
11 ピン立設樹脂製基板
13 樹脂製基板
13A (樹脂製基板の)主面
17AP ピンパッド
HD ハンダ

Claims (12)

  1. 主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板と、
    上記ピンパッドにハンダ接合されたピンと、
    を備え、
    上記ピンは、
    純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であって、上記ピンの成形に用いる最終的な形状において、加熱による熱処理で残留する加工歪みを予め除去してやわらかくされた線材を用いて、
    棒状部と、
    この棒状部の一方の端部に位置しこの棒状部より径大な径大部と、
    が成形されてなり、
    少なくとも上記径大部が上記ピンパッドにハンダ付けされている
    ピン立設樹脂製基板。
  2. 請求項1に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンは、
    450℃以上900℃以下に加熱する前記熱処理が施された前記線材を用いて成形されてなる
    ピン立設樹脂製基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンのビッカース硬度Hvが、Hv=70〜120である
    ピン立設樹脂製基板。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のピン立設樹脂製基板であって、
    前記ピンの径大部は、前記棒状部側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含むピン立設
    樹脂製基板。
  5. 純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であって、ピンの成形に用いる最終的な形状の線材に加熱による熱処理を施して残留する加工歪みを除去してやわらかくする線材熱処理工程と、
    上記熱処理された線材を用いて、棒状部と、この棒状部の一方の端部に位置しこの棒状部より径大な径大部と、を有するピンを成形するピン成形工程と、
    主面を有する略板形状をなし、樹脂または樹脂を含む複合材料から構成され、上記主面に露出したピンパッドを有する樹脂製基板のうち、上記ピンパッドに、上記ピンの径大部を当接させて、上記ピンパッドと上記ピンのうち少なくとも上記径大部とをハンダ付けするピン固着工程と、
    を備えるピン立設樹脂製基板の製造方法。
  6. 請求項5に記載のピン立設樹脂製基板の製造方法であって、
    前記熱処理は、前記線材を450℃以上900℃以下に加熱する熱処理であるピン立設樹脂製基板の製造方法。
  7. 入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設樹脂製基板に用いるピンであって、
    純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材であって、上記ピンの成形に用いる最終的な形状において、加熱による熱処理で残留する加工歪みを予め除去してやわらかくされた線材を用いて、
    棒状部と、
    この棒状部の一方の端部に位置しこの棒状部より径大な径大部と、
    を成形してなるピン。
  8. 請求項7に記載のピンであって、
    450℃以上900℃以下に加熱する熱処理が施された前記線材を用いて成形されてなる
    ピン。
  9. 請求項7または請求項8に記載のピンであって、
    ビッカース硬度Hvが、Hv=70〜120である
    ピン。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のピンであって、
    前記ピンの径大部は、前記棒状部側と反対の方向に向かって膨らむ球面を含むピン。
  11. 入出力端子としてのピンを基板に立設したピン立設樹脂製基板に用いるピンの製造方法であって、
    上記ピンの成形に先立って、上記ピンの成形に用いる最終的な形状で、純銅、194合金、リン青銅、洋白、黄銅、ベリリウム銅のいずれかからなる線材に、加熱による熱処理を施して残留する加工歪みを除去してやわらかくする線材熱処理工程
    を備えるピンの製造方法。
  12. 請求項11に記載のピンの製造方法であって、
    前記線材熱処理工程は、前記線材を450℃以上900℃以下に加熱する熱処理であるピンの製造方法。
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