JP2002287466A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002287466A
JP2002287466A JP2001091215A JP2001091215A JP2002287466A JP 2002287466 A JP2002287466 A JP 2002287466A JP 2001091215 A JP2001091215 A JP 2001091215A JP 2001091215 A JP2001091215 A JP 2001091215A JP 2002287466 A JP2002287466 A JP 2002287466A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光ドラムの表面に配置した帯電ローラに、
直流バイアス電圧に交流バイアス電圧を重畳させたバイ
アス電圧を印加する画像形成装置において、帯電ローラ
の放電電流を長期に亘って一定に保持する。 【解決手段】 交流バイアス電圧Voを含むバイアス電
圧が帯電ローラに印加される。これによって、帯電ロー
ラと感光ドラムとの間に、容量負荷電流、抵抗負荷電
流、放電電流が流れる。以上、各電流をトータルした電
流の交流成分を検出し、この交流成分電流のピーク値と
実効値を検出する。ピーク値からはさらに、放電電流を
なしとした場合の仮想電流の実効値を推定演算する。こ
の推定演算値と検出された実効値との差分を放電電流と
して検出する。この検出された放電電流に基づいて放電
電流が規定値に収束するように、交流バイアス電圧を制
御する。これによって、帯電ローラの放電電流が長期に
亘って一定に保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを用いた画像形成装置
は周知のように感光体表面を所定の電位に均一帯電処理
する工程を含んでおり、その帯電手段の一つとして感光
体表面にローラ帯電部材(以下単に「帯電ローラ」とす
る。)を当接し、この帯電ローラに直流バイアス電圧に
正弦波の交流バイアス電圧を重畳させたバイアス電圧を
印加する方法がある。この方法では、感光体表面を帯電
処理する際、交流バイアス電圧が、帯電ローラと感光体
との間に放電を起こし、感光体表面を均一に帯電させる
ことが可能である。
【0003】図8はバイアス電圧と、感光体表面を帯電
させる際に発生する電流の波形との関係を示す図であ
る。バイアス電源の出力電圧であるバイアス電圧を帯電
ローラに印加すると、バイアス電圧のうちの交流バイア
ス電圧Voと同位相の電流、すなわち帯電ローラと感光
ドラムとの間の抵抗性負荷に流れる抵抗負荷電流Izr
と、交流バイアス電圧より90°位相が進んだ電流、す
なわち帯電ローラと感光ドラムとの間の容量性負荷に流
れる容量負荷電流Izcと、交流バイアス電圧の振幅が
ピーク時にパルス的に流れる電流、すなわち帯電ローラ
と感光ドラムとの間の放電電流Isが流れ、以上3つの
電流をトータルすると、帯電ローラと感光ドラムの間に
交流バイアス電圧Voと似た波形の帯電電流Ioが流れ
る。Imは帯電ローラからバイアス電源に引き込まれる
電流を検出した場合の検出電流波形である。
【0004】図9は交流バイアス電圧の振幅とバイアス
電源が出力する出力電流(帯電電流)と、の関係を示す
図である。同図に示すように、交流バイアス電圧の振幅
を徐々に上げていくと、所定電圧振幅Vs以下では、電
圧振幅と出力電流はほぼ比例している。これは抵抗負荷
電流Izrと容量負荷電流Izcとは電圧振幅に比例
し、かつ電圧振幅が小さいために放電現象が発生せず、
放電電流Isが流れていないためである。
【0005】さらにバイアス電圧の振幅を大きくしてい
くと所定電圧振幅Vsで放電現象が始まり、トータル出
力電流Ioも比例関係から外れ放電電流Is分だけが多
く流れるようになる。放電電流の発生は、感光ドラム表
面の帯電を均一化させる効果をもたらすが、充分にこの
効果を得るためには放電電流を一定値以上にする必要が
ある。従来は、放電電流と帯電電流のピーク値の相関関
係を利用してトータル出力電流のピーク値を所定値にす
ることにより、放電電流を制御していた。
【0006】図10は、従来に用いられ放電電流制御機
能を有する高圧電源(バイアス電源)の回路図である。
【0007】図10中、705は感光ドラム、707は
帯電ローラである。高圧電源部300に、制御部4にあ
るCPU5からクロックパルスが出力されている。クロ
ックパルスはプルアップ抵抗6、ベース抵抗7を介して
トランジスタ8のベースに入力されると、トランジスタ
8はそれに従ってスイッチング動作し、抵抗9を介して
接続されている後述のオペアンプ10の出力に応じた振
幅のクロックパルスを発生する。
【0008】このクロックパルスの振幅が大きいと後述
する高圧トランス12に入力される正弦波の駆動電圧振
幅も大きくなり、結果として高圧トランス12の2次巻
線側から出力される交流バイアス電圧の振幅も大きくな
る。トランジスタ8のコレクタから出力されるクロック
パルスは抵抗13〜23と、コンデンサ24〜29と、
オペアンプ30、31によって構成される4次のバタワ
ースフィルタと1次のハイパスフィルタからなるフィル
タ回路32に入力され、フィルタ回路32からは+12
Vを中心とした正弦波信号が出力される。そしてこの出
力は抵抗33〜38と、コンデンサ39、トランジスタ
40〜42、ツェナーダイオード43によって構成され
るプッシュプルの高圧トランスドライブ回路44を介し
て高圧トランス12の1次巻線に入力され、2次巻線側
に正弦波の交流バイアス高圧が発生する。
【0009】また、高圧トランス12の2次巻線側の一
方は抵抗45を介して直流高圧発生回路(DC高圧発生
回路)46に接続されていることにより、直流バイアス
電圧に交流バイアス電圧が重畳されたバイアス電圧が出
力保護抵抗47を介して帯電ローラ707に印加され
る。
【0010】ピーク電流検出回路200は、直流電流を
分離するための高圧コンデンサ48と電流モニタ用の抵
抗124とを介して、帯電ローラ707から高圧電源部
300へ引き込まれる帯電電流を検出する。この帯電電
流から検出する電圧のピーク電圧をダイオード123と
コンデンサ121でホールドすることにより電流のピー
ク値を検出する。抵抗122はコンデンサ121の放電
抵抗である。
【0011】そして帯電ローラ707から引き込まれる
電流のピーク値を所定値に制御するために、ホールドさ
れた電流のピーク値の検出電圧は、抵抗59、68、6
9、70、コンデンサ67、およびオペアンプ66、7
4から構成される増幅回路で増幅され、オペアンプ10
のマイナス端子に出力される。オペアンプ10は、プラ
ス端子に抵抗88、89からなる基準電圧が印加され、
その出力端子が抵抗9を介してトランジスタ8のコレク
タに接続されていることにより、前述したフィルタ回路
32に入力されるクロックパルスの振幅を制御してい
る。この結果、帯電電流のピーク値が一定に制御され、
帯電電流のピーク値との相関関係により、放電電流も一
定値に制御される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、帯電ロ
ーラ707の使用初期時における帯電電流のピーク値と
放電電流の特性とに対して、一定期間使用した後のピー
ク値と放電電流の特性とは、帯電ローラ707のトナー
による汚れ等により、放電電流の開始電流値が低くなる
ため、上記のように、帯電電流のピーク値を一定値にす
る制御だけでは、積算出力印字枚数が多くなるに従って
放電電流が増加してしまう。
【0013】感光ドラム705の劣化となる感光ドラム
705の表面の削れ量は放電電流に比例するため、結果
として前述の従来例のように帯電電流のピーク値を一定
値に制御するだけでは、積算出力印字枚数が多くなるに
従って感光ドラム705の削れていくスピードが加速的
に増していき、感光ドラム705の寿命を短くさせる問
題があった。
【0014】さらに、放電電流量が過度に増大した場合
には、感光ドラム705の帯電量が増大し、感光ドラム
705の抵抗値が低下する高温多湿環境下において良好
な画像の安定的持続を行うための条件設定が難しくなる
問題も有している。
【0015】そこで、本発明は、被帯電部材の表面に配
置した帯電部材に、直流バイアス電圧に交流バイアス電
圧を重畳させたバイアス電圧を印加する画像形成装置に
おいて、帯電部材の放電電流を長期に亘って一定に保持
するようにした画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、被帯電部材と、該被帯電部材を帯電させるための帯
電部材と、直流バイアス電圧に交流バイアス電圧を重畳
させたバイアス電圧を該帯電部材に印加するバイアス電
源と、を有する画像形成装置において、前記帯電部材と
前記被帯電部材との間に流れる帯電電流のピーク値を検
出し、その検出値に基づき放電電流をなしとした場合の
仮想電流の実効値を推定算出する推定電流検出手段と、
前記帯電部材と前記被帯電部材との間に実際に流れる帯
電電流の実効値を検出する実際電流検出手段と、前記推
定電流検出手段と前記実際電流検出手段の検出値に基づ
いて、前記帯電部材が前記被帯電部材を帯電させる際に
前記被帯電部材との間に発生する放電電流を検出する放
電電流検出手段と、を備える、ことを特徴とする画像形
成装置にある。
【0017】請求項2に係る本発明は、前記バイアス電
源は、前記放電電流検出手段の検出値に基づき、前記放
電電流が所定値に収束するように、前記交流バイアス電
圧の振幅を制御することを特徴とする請求項1記載の画
像形成装置にある。
【0018】請求項3に係る本発明は、前記交流バイア
ス電圧は正弦波交流電圧で、前記推定電流検出手段は、
検出した帯電電流のピーク値に基づき、正弦波形電流と
して前記仮想電流の実効値を推定算出することを特徴と
する請求項1または2記載の画像形成装置にある。
【0019】請求項4に係る本発明は、前記交流バイア
ス電圧は正弦波交流電圧で、前記実際電流検出手段は、
前記被帯電部材と前記帯電部材の間に流れる帯電電流の
うちの交流成分電流を全波整流化して電流検出を行い、
その電流検出値を帯電電流の実効値とすることを特徴と
する請求項1、2、または3記載の画像形成装置にあ
る。
【0020】請求項5に係る本発明は、前記交流バイア
ス電圧にリミット値が設定されていることを特徴とする
請求項1、2、3、または4記載の画像形成装置にあ
る。
【0021】請求項6に係る本発明は、前記被帯電部材
と前記帯電部材とを複数有し、各帯電部材に前記バイア
ス電源によって独立したバイアス電圧が印加され、前記
放電電流検出手段は、各前記帯電部材の放電電流を検出
し、前記バイアス電源は、検出された前記放電電流に基
づいて各放電電流が所定値に収束するようにそれぞれの
バイアス電圧内の交流バイアス電圧の振幅を制御するこ
とを特徴とする請求項2、3、4、または5記載の画像
形成装置にある。
【0022】請求項7に係る本発明は、前記被帯電部材
と前記帯電部材とを複数有し、各帯電部材に前記バイア
ス電源によって共通のバイアス電圧が印加され、前記放
電電流検出手段は、所定の前記帯電部材の放電電流を検
出し、前記バイアス電源は、検出された前記放電電流に
基づいて所定の前記帯電部材の放電電流が所定値に収束
するように、前記バイアス電圧内の交流バイアス電圧の
振幅を制御することを特徴とする請求項2、3、4、ま
たは5記載の画像形成装置にある。
【0023】請求項8に係る本発明は、画像形成動作と
して電子写真プロセスを用いることを特徴とする請求項
1、2、3、4、5、6、または7記載の画像形成装置
にある。
【0024】請求項9に係る本発明は、前記被帯電部材
として、感光ドラムを用いることを特徴とする請求項
1、2、3、4、5、6、7、または8記載の画像形成
装置にある。
【0025】請求項10に係る本発明は、前記帯電部材
として、前記被帯電部材に当接させたローラ型の帯電ロ
ーラを用いることを特徴とする請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、または9記載の画像形成装置にある。
【0026】[作用]以上の構成に基づく主な作用は、
次の通りである。
【0027】推定電流検出手段は、帯電部材と被帯電部
材の間に流れる帯電電流のピーク値を検出し、その検出
値に基づき放電電流が発生しないとした場合の仮想電流
の実効値を推定算出する。
【0028】実際電流検出手段は、帯電部材と被帯電部
材の間に実際に流れる帯電電流の実効値を検出する。こ
の両電流の差は、放電電流であるため、放電電流検出手
段は推定電流検出手段と実際電流検出手段の検出値の差
分演算をすれば、放電電流を検出することができる。
【0029】仮想電流の検出に関しては、例えは交流バ
イアス電圧が正弦波電圧の場合、帯電電流をほぼ正弦波
成分の電流と放電電流とに分けることができる。また放
電電流のピーク値が帯電電流のピーク値より小さいか
ら、帯電電流のピーク値に基づいて正弦波電流として、
仮想電流の実効値を演算すれば、放電電流を除いた電流
成分の実効値が求められる。これによって、高精度に放
電電流を検出することができ、検出された放電電流をも
とに、交流バイアス電流の振幅を制御すれば、放電電流
を一定値に制御することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して発明の実施
の形態を説明する。
【0031】〈第1の実施の形態〉本実施の形態では、
画像形成装置としてインラインカラー印刷機が用いら
れ、図1は、その概略構成を示す図である。
【0032】給紙部701、または給紙部703が備え
られ、ここに配置された記録部材702または記録材7
04はローラによって搬送され保持される。保持された
記録部材702、704の上方に、3つのローラ718
によって支持され、回転可能なベルト状の中間転写体7
12が設置されている。中間転写体712と記録部材7
02、704とは、ローラ709の支持によって密接さ
れている。中間転写体712の上方において記録部材7
02、704との対向面に4色の感光ドラム705Y、
705M、705C、705Kが配置されている。各感
光ドラムに対応して、バイアス電源として4つの高圧電
源部3が設けられ、各高圧電源部3は制御部4と接続さ
れ、制御部4からのクロックパルスでバイアス電圧を生
成し、帯電器707Y、707M、707C、707K
に印加している。
【0033】感光ドラム705Y、705M、705
C、705Kは、帯電器707Y、707M、707
C、707Kに内蔵されている帯電ローラ707YS,
707MS、707CS、707KSにより一定電位に
均一に帯電される。
【0034】インラインカラー印刷機内のコントローラ
部(不図示)は、ホストコンピュータ等(不図示)によ
り作成される特定の記述言語により記述された信号を受
信し、感光ドラム705Y、705M、705C、70
5K上で潜像を作るための信号処理を行う。この信号
は、光学ユニット710Y、710M、710C、71
0Kに送信される。光学ユニット710Y、710M、
710C、710Kでは、電気信号を光信号に変換し、
高速度で回転するポリゴンモータ(不図示)に取り付け
られたポリゴンミラー(不図示)に照射し、ポリゴンミ
ラー(不図示)により反射された光信号は反射ミラー
(不図示)によって感光ドラム705Y、705M、7
05C、705K表面に照射される。光照射を受けるこ
とでこの光照射部位のみ電位が変化し、感光ドラム70
5Y、705M、705C,705K上に静電潜像が形
成される。
【0035】各感光ドラム705Y、705M、705
C、705Kの近傍に現像器708Y、708M、70
8C,708Kが配置され、ここには現像スリーブ70
8YS、708MS、708CS、708KS及び現像
剤があり、感光ドラム705Y、705M、705C,
705K上に形成された静電潜像に従い現像スリーブ7
08YS、708MS、708CS、708KSにより
現像剤中のトナーのみが感光ドラム705Y、705
M、705C、705Kに付着し、画像として具現化さ
れる。感光ドラム705Y、705M、705C、70
5K上に画像として具現化されたトナー像は転写バイア
スが印加されている中間転写体712に転写される。中
間転写体712に転写されたトナー像は、さらに記録部
材上に転写される。このトナー像が転写された記録部材
は、定着ユニット713を通過し、ここでトナー像が永
久定着されて外部に排紙される。
【0036】図2は、高圧電源部3の詳細な構成を示す
回路図である。
【0037】高圧電源部3は、インラインカラー印刷機
を制御する制御部4と接続される。制御部4には、CP
U5が備えられ、CPU5は内部のROM5aに書き込
まれたプログラムに従いタイマ5c、I/O5e、A/
D5f、D/A5dの各種入出力を動作させて、インラ
インカラー印刷機の制御を実行する。
【0038】CPU5のI/O5eから内部タイマ5c
で生成されたクロックパルスが高圧電源部3に出力され
る。
【0039】高圧電源部3では、トランジスタ8のベー
スは、ベースダンパ抵抗7、プルアップ抵抗6を介し
て、CPU5のI/O5eと接続される。トランジスタ
8のエミッタ端子は接地され、コレクタ端子は抵抗9を
介してオペアンプ10の出力端子に接続されている。オ
ペアンプ10のプラス入力端子は、CPU5のD/A5
dに接続され、マイナス入力端子は、放電電流検出回路
100の出力端子と接続されている。
【0040】CPU5のI/O5e、D/A5dから、
クロックパルスと電圧幅信号が出力される。電圧幅信号
は、所定値として制御したい放電電流に対応して設定さ
れている。これによってトランジスタ8のコレクタ端子
からは、オペアンプ10の出力電圧に従い振幅を制御さ
れたクロックパルスが出力される。トランジスタ8のコ
レクタ端子は、フィルタ回路32に接続される。このフ
ィルタ32からは、クロックパルスの振幅に対応して、
+12Vを中心電圧とした入力されたクロック周波数と
同じ周波数の正弦波が出力される。
【0041】この正弦波出力は、抵抗33〜38、コン
デンサ39、トランジスタ40〜42、ツェナーダイオ
ード43により構成されるプッシュプルの高圧トランス
ドライブ回路44を介して高圧トランス12の1次巻線
に入力される。これによって、2次巻線側には、クロッ
ク周波数、電圧幅信号に対応した正弦波交流バイアス電
圧が発生する。高圧トランス12の2次巻線側の一方は
抵抗45を介して直流バイアス電圧を発生する直流高圧
発生回路46に接続され、他方が保護抵抗47を介して
帯電ローラ707YS、707MS、707CS、70
7KSと接続される。これによって、直流バイアス電圧
に交流バイアス電圧が重畳されたバイアス電圧が帯電ロ
ーラ707YS、707MS、707CS、707KS
に印加される。
【0042】図11は放電電流検出回路のブロック図で
ある。放電電流検出回路100は、帯電ローラ1から高
圧トランス12等を介し、帯電電流を検出する(図2参
照)。図11に示すように、帯電電流の電圧信号が入力
されると、実際電流検出手段101と推定電流検出手段
102に入力される。実際電流検出手段101はトータ
ル出力電流Io(図8参照)を検出し、放電電流検出手
段103に出力する。推定電流検出手段102は、トー
タル出力電流Ioのピーク値から放電電流をなしとした
場合の推定電流正弦波を算出し、放電電流検出手段10
3に出力する。放電電流検出手段103は、入力された
トータル出力電流Ioと推定電流正弦波との差により、
放電電流のみを抽出し、放電電流検出回路100から出
力する。以下に、放電電流検出回路100を詳しく説明
する。
【0043】放電電流検出回路100は、直流電流を分
離するための高圧コンデンサ48と電流モニタ用の抵抗
49とを介して高圧電源部3に引き込まれる帯電電流を
検出する。ここで検出される電流は正弦波出力であるの
で、抵抗49の両端に発生する電圧信号が、抵抗50〜
53、59、オペアンプ55、56、ダイオード54、
57、58で構成される全波整流回路にて波形整形され
る。この全波整流された信号Aは、抵抗60〜62、6
4、コンデンサ63、65によりRMS検出IC76に
入力される。このRMS検出IC76では、放電電流を
含む実際に帯電ローラ707YS、707MS、707
CS、707KSに流れている帯電電流の実効値を検出
し、その検出値は、抵抗77、78、81、オペアンプ
82、コンデンサ79、80により、直流電圧値として
出力される。
【0044】また、全波整流された信号Aは、抵抗5
9、オペアンプ66、コンデンサ67、抵抗70にて構
成されるピーク電流検出回路に接続されている。この回
路にて帯電ローラ707YS、707MS、707C
S、707KSに流れている帯電電流のピークを検出す
る。
【0045】ここで帯電ローラ707YS、707M
S、707CS、707KSに流れている電流は、帯電
ローラ707YS、707MS、707CS、707K
Sに印加される高圧出力が正弦波であるために放電が発
生していない場合には正弦波電流である。このためにピ
ーク検出値を抵抗68、69にて分圧することによって
実効値を算出することが可能である。
【0046】また、放電電流が流れている場合において
も、高圧電源部3が出力するトータル出力電流は、図3
に示すように、正弦波電流のピーク値を放電電流のピー
クが上回ることが無い(実際の動作では)ために放電電
流を無しとした場合の帯電電流(仮想電流)の実効値の
検出が可能である。
【0047】したがって、RMS検出IC76で検出さ
れた放電電流を含む帯電電流に相当する直流電圧値と、
ピーク検出回路にて検出された放電電流を含まない帯電
電流に相当する直流電圧を抵抗71〜73、83、オペ
アンプ74にて構成される差動増幅回路に出力し、その
差分を増幅することにより、帯電ローラ707YS、7
07MS、707CS、707KSに流れる放電電流の
みを抽出することができる。
【0048】この放電電流量が、CPU5で設定されて
D/A5dから出力される電圧幅信号値と一致するよう
ようにオペアンプ10が動作して、高圧トランス12の
交流バイアス電圧の振幅を可変し、帯電ローラ707Y
S、707MS、707CS、707KSに流れる電流
値を制御する。このような動作により帯電ローラ707
YS、707MS、707CS、707KSと感光ドラ
ム705Y、705M、705C、705Kとの間の放
電電流が所定値に制御され、帯電ローラ707YS、7
07MS、707CS、707KSがトナーTで汚れて
も、放電電流が増加することなく、感光ドラム705
Y、705M、705C、705Kの寿命を延ばすこと
ができる。
【0049】更に感光ドラム705Y、705M、70
5C、705Kの帯電電位を均一かつ安定化させること
ができるため、長期に亘って良好な画像品質を安定的に
提供することが可能である。
【0050】なお、本実施の形態では、4つの感光ドラ
ム705Y、705M、705C、705K毎に、高圧
電源部3を設置し、感光ドラム705Y、705M、7
05C、705Kを独立に帯電させる構成としたが、こ
のほか、4つの感光ドラム705Y、705M、705
C、705Kに共通の高圧電源部3を用い、所定の感光
ドラム705Y、705M、705C、705Kの放電
電流を検出し、各感光ドラム705Y、705M、70
5C、705Kに共通に印加されるバイアス電圧を制御
することも可能である。
【0051】〈第2の実施の形態〉以下、第2の実施の
形態を説明する。
【0052】図4は第2の実施の形態における高圧電源
部の構成を示す図である。第1の実施の形態では、CP
U5に放電電流の所定値として電圧幅信号を設定し、こ
の電圧幅信号と放電電流検出回路100で検出された放
電電流値とを、オペアンプで比較し、放電電流を制御す
るようしたが、本実施の形態では、放電電流値と所定値
の比較、放電電流の制御は、制御部4で行うようになっ
ている。
【0053】このため、高圧電源部は図4に示す高圧電
源部130を用いる。
【0054】高圧電源部130は、放電電流検出部10
0の出力が制御部4のA/D5fに出力され、オペアン
プ10のマイナス入力端子が抵抗88、89で構成され
た分圧回路を介してダイオード85、86、およびコン
デンサ87で構成され整流回路により高圧トランス12
の2次巻線側に接続される。その他は、第1の実施の形
態の高圧電源部3と同じであるので説明を省略する。
【0055】放電電流検出回路100は放電電流を直流
電圧として検出するから、CPU5のA/D5fに印加
される信号は、放電電流のI−V変換後の直流電圧であ
る。
【0056】図5は高圧トランス12の出力する交流バ
イアス電圧振幅に対するCPU5のA/Dポート5fに
入力される放電電流のI−V変換後の値を示すグラフを
示す。放電電流Isは、交流バイアス電圧振幅がVs以
上となるときに発生する。
【0057】次に、図4、図5に基づいて制御動作を説
明する。
【0058】印刷動作開始時にまずCPU5のI/O5
eからクロックパルスの出力を行い、次にD/A5dの
出力を順次増加させて、CPU5のA/D5fにて電圧
を検出する。高圧卜ランス12の出力電圧振幅が小さい
領域(図5のトータル出力電流の直線領域)では、帯電
ローラ707YS、707MS、707CS、707K
Sから感光ドラム705Y、705M、705C、70
5Kへの電流すなわち高圧電源部130に流れる帯電電
流は容量性負荷Izc+抵抗性負荷Izrに対して流れ
るもののみである。この場合には、放電電流検出部10
0の出力には検出電圧が発生しない。
【0059】その後、更に高圧トランス12の出力電圧
振幅を増大させていくことにより、放電が開始し、負荷
+抵抗性負荷に対して流れる電流に加え放電電流が帯電
ローラ707YS、707MS、707CS、707K
Sから感光ドラム705Y、705M、705C、70
5Kへ流れる。この放電電流Isが流れ始めると、放電
電流検出部100の出力に放電電流値に相当する直流電
圧が発生する。CPU5はこの電圧をあらかじめ定めら
れた所定値(規定値)と一致するように、D/A5dか
らの出力電圧を可変し、高圧トランス12の出力電圧振
幅を制御する。
【0060】図6は、CPU5における制御流れを示す
フローチャートである。
【0061】すなわち、印刷ジョブが開始され高圧電圧
制御シーケンスが開始され(S100)、帯電ローラ7
07YS、707MS、707CS、707KSヘのバ
イアス電圧が出力開始可能かどうかを判断し(S10
1)、可能であれば、I/O5eにクロックパルスを出
力する(S102)。その後、CPU5のD/A5dに
Dd=00を書き込み(S103)、D/A5dからこ
の値を出力する(S104)。その後、A/D5fによ
り放電電流検出回路100の検出値である直流電圧を読
み込む(S105)。A/Dで読み込んだ値をあらかじ
め設定された規定値と同等であるかを比較する(S10
6)。このA/D値があらかじめ設定された規定値と同
等であればCPU5がD/A5dの出力を固定する。そ
の後、印刷終了指令があるかどうかを判断し、終了指令
があるまで上記処理を実行する(S109、S11
0)。
【0062】また、A/D5fに入力された放電電流の
検出電圧があらかじめ設定された規定値と同等でない場
合には、Ddに交流バイアス電圧の増加させたい値に相
当するAaを加え(S111)、D/A5dからこの値
を出力する(S112)。その後、D/Aに入力された
放電電流の検出電圧があらかじめ設定された規定値と同
等になるまで、(S105)からの動作を続ける。上記
の制御によって、放電電流が常に管理される状態にあ
り、感光ドラム705Y、705M、705C、705
Kの寿命を延ばすことが可能となり、更に、感光ドラム
705Y、705M、705C、705Kの劣化などの
影響を受けないために、継続的かつ安定した画像品質の
提供が可能となった。
【0063】〈第3の実施の形態〉次に、第3の実施の
形態について説明する。
【0064】第1および第2の実施の形態では、放電電
流に誤検出があると、その誤検出値に基づいても交流バ
イアス電圧の振幅が制御されるから、異常電圧の発生が
生じることがある。この場合、機器に設けられている安
全装置が作動し、機器の使用が停止される。
【0065】本実施の形態は、放電電流検出回路100
にノイズなどの誤検出があった場合でも、印刷が続ける
ことができるようにする。
【0066】このために、第2の実施の形態における制
御部4のROM5bに最大の交流バイアス電圧を制御す
るためのリミット値を記憶させる。高圧電源部には第2
の実施の形態と同じ高圧電源部130を用いる。回路の
構成は上述したものと同様なので説明は省略する。
【0067】次に、図7のフローチャートに基づいて制
御の流れを説明する。
【0068】S100からS104までは、第2の実施
の形態と同じであるので説明を省略する。
【0069】D/A5dにDout=00を出力した後
(S104)、A/D5fにて入力された放電電流の検
出電圧をチェックし(S105)、この検出電圧がRO
Mに記憶されている規定値と同等の場合には第2の実施
の形態と同様に印刷終了までこのD/A5d内の電圧を
出力し、高圧トランスの交流バイアス電圧の振幅を制御
する。放電電流検出回路100からの検出電圧が規定値
でない場合でかつ規定値以上の電圧値が検出された場合
には、CPU5はD/A5dにあらかじめ設定されてい
るリミット値を出力して印刷動作を実行する。
【0070】また、A/D5fに入力された検出電圧が
規定値以下の場合においては、CPUの内部レジスタD
dにDd+Aaを書き込む(S111)。このAaは第
2の実施の形態と同様に交流バイアス高圧の出力電圧増
加分に相当した値である。その後、Dd値とリミット値
とを比較し(S122)、Dd値がリミット値未満の場
合には、DdをD/A5dに書き込み出力する(Sl1
2)。その後、S106に戻り、上記の制御が繰り返し
て実行する。
【0071】S122において放電電流の検出電圧がリ
ミット値以上の場合には、D/A5dにリミット値を書
き込み、この値にて高圧トランス12の出力電圧振幅を
制御して印刷動作を実行する。
【0072】以上のように、何らかの原因にて放電電流
に誤検出があった場合においても印刷動作を停止するこ
とが無いためユーザに対して必要以上の手間をかけさせ
ること無く、感光ドラム705Y、705M、705
C、705Kの寿命を向上させ、更に継続的に安定した
画像品質を提供できる画像形成装置の実現が可能となっ
た。
【0073】なお、A/D5fからの検出電圧の読取り
に関して、例えばA/Dの検出精度を向上させるために
複数回の検出を行い、その最大、最小を無視した検出値
の平均を採用することもできる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、放
電電流が検出できるから、検出された放電電流をもと
に、交流バイアス電圧の振幅を制御することで、放電電
流を一定に制御することができる。これによって帯電部
材(帯電ローラ)の汚れ、などによる被帯電部材(感光
ドラム)削れのスピードを一定とすることができ、更
に、常に一定の放電電流にて印刷動作が可能となったた
めに、被帯電部材の寿命を伸ばすことが可能となり、被
帯電部材上の帯電量を常に一定にする制御が可能となっ
たために優れた画像品質を継続して安定的に提供するこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例であるインラインカラー印
刷機の構成を示す概略図である。
【図2】第1の実施の形態における高圧電源部の構成を
示す回路図である。
【図3】バイアス電圧と、感光体表面を帯電させる際に
発生する電流および高圧電源部内の検出電圧の波形との
関係を示す図である。
【図4】第2の実施の形態における高圧電源部の構成を
示す図である。
【図5】交流バイアス電圧振幅に対する放電電流のI−
V変換後の値のグラフを示す図である。
【図6】第2の実施の形態の制御の流れを示すフローチ
ャートである。
【図7】第3の実施の形態の制御の流れを示すフローチ
ャートである。
【図8】バイアス電圧と、感光体表面を帯電させる際に
発生する電流の波形との関係を示す図である。
【図9】交流バイアス電圧の振幅とバイアス電源が出力
する出力電流(帯電電流)との関係を示す図である。
【図10】従来に用いられ放電電流制御機能を有する高
圧電源部の回路図である。
【図11】放電電流検出回路のブロック図である。
【符号の説明】
3、130 バイアス電源 101 実際電流検出手段 102 推定電流検出手段 103 放電電流検出手段 705Y、705M、705C、705K 被帯電部
材(感光ドラム) 7YS、707MS、707CS、707KS 帯電
部材(帯電ローラ)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電部材と、該被帯電部材を帯電させ
    るための帯電部材と、直流バイアス電圧に交流バイアス
    電圧を重畳させたバイアス電圧を該帯電部材に印加する
    バイアス電源と、を有する画像形成装置において、 前記帯電部材と前記被帯電部材との間に流れる帯電電流
    のピーク値を検出し、その検出値に基づき放電電流をな
    しとした場合の仮想電流の実効値を推定算出する推定電
    流検出手段と、 前記帯電部材と前記被帯電部材との間に実際に流れる帯
    電電流の実効値を検出する実際電流検出手段と、 前記推定電流検出手段と前記実際電流検出手段の検出値
    に基づいて、前記帯電部材が前記被帯電部材を帯電させ
    る際に前記被帯電部材との間に発生する放電電流を検出
    する放電電流検出手段と、を備える、 ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記バイアス電源は、前記放電電流検出
    手段の検出値に基づき、前記放電電流が所定値に収束す
    るように、前記交流バイアス電圧の振幅を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記交流バイアス電圧は正弦波交流電圧
    で、前記推定電流検出手段は、検出した帯電電流のピー
    ク値に基づき、正弦波形電流として前記仮想電流の実効
    値を推定算出することを特徴とする請求項1または2記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記交流バイアス電圧は正弦波交流電圧
    で、前記実際電流検出手段は、前記被帯電部材と前記帯
    電部材の間に流れる帯電電流のうちの交流成分電流を全
    波整流化して電流検出を行い、その電流検出値を帯電電
    流の実効値とすることを特徴とする請求項1、2、また
    は3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記交流バイアス電圧にリミット値が設
    定されていることを特徴とする請求項1、2、3、また
    は4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記被帯電部材と前記帯電部材とを複数
    有し、前記各帯電部材に前記バイアス電源によって独立
    したバイアス電圧が印加され、前記放電電流検出手段
    は、前記各帯電部材の放電電流を検出し、前記バイアス
    電源は、検出された前記放電電流に基づいて各放電電流
    が所定値に収束するようにそれぞれのバイアス電圧内の
    交流バイアス電圧の振幅を制御することを特徴とする請
    求項2、3、4、または5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記被帯電部材と前記帯電部材とを複数
    有し、各帯電部材に前記バイアス電源によって共通のバ
    イアス電圧が印加され、前記放電電流検出手段は、所定
    の前記帯電部材の放電電流を検出し、前記バイアス電源
    は、検出された前記放電電流に基づいて所定の前記帯電
    部材の放電電流が所定値に収束するように、前記バイア
    ス電圧内の交流バイアス電圧の振幅を制御することを特
    徴とする請求項2、3、4、または5記載の画像形成装
    置。
  8. 【請求項8】 画像形成動作として電子写真プロセスを
    用いることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、または7記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記被帯電部材として、感光ドラムを用
    いることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、または8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記帯電部材として、前記被帯電部材
    に当接させたローラ型の帯電ローラを用いることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または
    9記載の画像形成装置。
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