JP2002287284A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2002287284A
JP2002287284A JP2001091505A JP2001091505A JP2002287284A JP 2002287284 A JP2002287284 A JP 2002287284A JP 2001091505 A JP2001091505 A JP 2001091505A JP 2001091505 A JP2001091505 A JP 2001091505A JP 2002287284 A JP2002287284 A JP 2002287284A
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Kenichi Nishi
賢一 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜剥がれ耐性に優れ、また現像処理におけるス
ラッジ汚れ耐性に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提
供する。 【解決手段】支持体上の一方の面にハロゲン化銀乳剤層
と保護層を有し、かつ反対側の面に非感光性親水性コロ
イド層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、乳
剤層を有する面及び反対側の面の支持体に近接する親水
性コロイド層にウレタンラテックスを含有し、なおかつ
該保護層に添加される硬膜剤量が下記(I)の条件を満
たすことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (I)(保護層に添加される硬膜剤量(g)/保護層の
ゼラチン量(g))/(乳剤層側の全硬膜剤量(g)/
乳剤層側の全ゼラチン量(g))>2.0

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷製版業界にお
いて用いられるハロゲン化銀写真感光材料に関し、より
詳しくは膜剥がれ耐性に優れ、また現像処理におけるス
ラッジ汚れ耐性に優れたハロゲン化銀写真感光材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷製版業界では、集版の工程におい
て、露光現像処理した感光材料を幾つか張り合わせて使
用するいわゆる貼り込みという作業がしばしば行われ、
裏面側、乳剤面側に関わらず直接テープを貼り付ける。
そしてこの貼り込みされた物を他に再度使用する場合、
貼り込みした物を一部分だけ変更する場合、貼り込みミ
ス等により修正を行う場合等、一度膜面に貼ったテープ
を剥すことがあり、この際に写真構成層と支持体の接着
性が悪いと、テープの剥離時に写真構成層がテープと同
時に剥がれてしまうという問題があった。
【0003】これらの接着性を改善する目的でポリマー
ラッテクスを添加することがしばしば行われてきた。感
光層あるいはその他の親水性コロイド層として塗布され
る塗液に、写真構成層の接着性向上のために当業者でよ
く用いられるごく一般的なポリマーラテックスを用いた
場合、塗液を液体の状態ままで放置すると、ポリマーラ
テックスが凝集をおこし、塗布故障の原因となったり、
また一般的なポリマーラテックスでは感光層あるいは支
持体に対して該感光層と同じ面の親水性コロイド層に接
着性が改善する量を添加した場合、硬調度や最高濃度の
低下を引き起こすという問題がある。
【0004】一方でハロゲン化銀感光材料の現像処理に
おいて、迅速性、簡易性、取り扱いの観点から、自動現
像機(以下自現機という)を使用することが多くなって
いる。近年さらに環境保護、作業の効率化の観点から現
像処理の低補充化、迅速化の要求が強くなってきている
が、これらの要求を満たすためには、現像液の活性を上
げることが一つの手段である。黒白感光材料の処理にお
いては現像主薬の濃度を高くすることで活性を上げるこ
とができるが、空気酸化による劣化が著しくなる。この
現像液の劣化を防ぐために亜硫酸塩を用いることは古く
から知られているが、補充量を低減しようとすると現像
液の空気酸化は更に進行し、性能を維持することが困難
となるため、0.3モル/リットル以上の大量の亜硫酸
塩が必要である。しかしながら亜硫酸塩はハロゲン化銀
に対して溶解作用を有するため、感光材料から現像液中
に亜硫酸銀錯体として銀が溶出しやすくなる。
【0005】また迅速で、かつランニングでの性能変動
を小さくするためには、ハロゲン化銀乳剤として現像性
の良好な塩臭化銀乳剤が用いられる。塩化銀含有率の高
い塩臭化銀乳剤を用いるほど良好な現像性を有する感光
材料が得られることが知られているが、このような塩化
銀含有率の高い塩臭化銀乳剤も、その溶解性の高さから
処理液、特に現像液中への銀が溶出しやすく、この溶出
した銀錯体は現像液中で容易に還元され、銀スラッジと
して現像液中に浮遊し、現像タンクやローラーに付着、
堆積する。これらの銀スラッジは処理する感材に付着し
て画像を汚したり、自現機自体を汚すため定期的に器具
の洗浄、メンテナンスが必要になっている。
【0006】これらの銀スラッジ汚れを少なくする方法
としては、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール
類(英国特許第940,169号)、2−メルカプト−
1,3,4−オキサジアゾール類あるいは1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール(米国特許第3,173,7
89号)、D,L−6,8−ジチオオクタン酸(米国特
許3,318,701号)、O−メルカプト安息香酸(英
国特許第1,144,481号)、脂肪族メルカプトカ
ルボン酸(米国特許第3,628,955号)、L−チア
ゾリジン−4−カルボン酸(J.Photogr.Sc
i.,13,233(1965))、ジスルフィド化合
物(特開昭52−36029号)、2−ベンゾオキサゾ
ールチオール、2−ベンゾイミダゾールチオール(Ph
otogr.Sci.Eng.,20,220(197
6))、アセチレングリコール類(特開昭55−959
47号)、2−メルカプトベンゾチアゾール−5−スル
ホン酸(特開昭56−72441号)、2−メルカプト
ベンツイミダゾール−5−スルホン酸(特開昭60−2
58537号)、4,6−ジメルカプト−2−置換−S
−トリアジン(特開平1−319031号、特開平3−
282457号)、4,6−ジメルカプト−2−(ジカ
ルボキシフェニル)アミノ−S−トリアジン(特開平4
−32248号)等の現像液中に溶出する銀イオンを少
なくしたり、銀イオンの銀への還元を抑制するような化
合物を現像液に添加する方法が知られている。しかしな
がら、これらの化合物を高濃度の亜硫酸塩(例えば0.
3モル/L以上)を含む現像液において銀スラッジ防止
剤として使用した場合、空気酸化によりスラッジ防止効
果を失ったり、低感化や軟調化、実用濃度(Dmax)
の低下、カブリの増加など写真特性に悪影響を与えた
り、また高価であったり、不快臭を有していたり、現像
液の補充量を低減して処理する場合には溶出される銀が
多くなりスラッジ防止効果が維持出来なくなるなど、十
分満足できるものとは言い難かった。
【0007】また銀スラッジ汚れを少なくする別の方法
としては、ハロゲン化銀乳剤層や保護層にポリマーラテ
ックスを添加する方法が知られおり、ゼラチンで安定さ
れたポリマーラテックスを含有するハロゲン化銀写真感
光材料が特開平6−35096号、同平6−23050
8号に記載されている。しかしながら、これらはいずれ
も現像液へ銀が溶出するのを抑制するものであって、既
に銀スラッジが発生している現像液で処理する場合、ハ
ロゲン化銀感光材料へ銀スラッジが付着するのを防止す
る効果はほとんどなく、特に接着性改良のためハロゲン
化銀乳剤層や保護層にポリマーラテックスを多量に添加
した場合は、逆に現像液へ銀が溶出しやすくなったり、
銀スラッジが付着しやすくなったりする結果となり、有
効な解決方法が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、テープによる貼り付け作業時
に膜剥がれを起こさず、なおかつ銀スラッジの発生した
現像液で現像処理を行っても銀スラッジが付着しないハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。さらに
は塗布後の保存安定性に優れた残色のないハロゲン化銀
写真感光材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記により達成された。
【0010】(1)支持体上の一方の面に少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層と保護層を有し、かつ反対側の
面に少なくとも1層の非感光性親水性コロイド層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀
乳剤層を有する面及び反対側の面の支持体に近接する親
水性コロイド層にウレタンラテックスを含有し、なおか
つ該保護層に添加される硬膜剤量が下記(I)の条件を
満たすことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (I)(保護層に添加される硬膜剤量(g)/保護層の
ゼラチン量(g))/(乳剤層側の全硬膜剤量(g)/
乳剤層側の全ゼラチン量(g))>2.0
【0011】(2)該ハロゲン化銀乳剤層には実質的に
硬膜剤を添加しないことを特徴とする(1)記載のハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0012】(3)該ハロゲン化銀乳剤が水に0.1重
量%以上溶解する増感色素により分光増感され、かつ該
ハロゲン化銀乳剤層もしくは保護層中に添加される硬膜
剤がビニルスルホン型硬膜剤であることを特徴とする
(1)または(2)に記載のハロゲン化銀写真感光材
料。
【0013】(4)前記反対側の面の非感光性親水性コ
ロイド層及び/または前記乳剤層側の保護層にベタイン
型界面活性剤を含有することを特徴とする(1)記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明に用いられるウレタンラテックスは、分子
鎖中にウレタン結合を有する高分子化合物の水分散物で
あり、通常ポリイソシアネートとポリオールの反応によ
り作られる。
【0015】好ましいポリイソシアネートは、モノマー
又は有機ジイソシアネートから作られた付加物であっ
て、ビウレット、アロファネート又はウレタン基或いは
イソシアネート環を含有することが出来る。イソシアネ
ートとしては、エチレンジイソシアネート、1,4−テ
トラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカン
ジイソシアネート、シクロブタン1,3−ジイソシアネ
ート、シクロヘキサン−1,3−及び1,4−ジイソシ
アナートイソシア5−イソシアネートメチルシクロヘキ
サン、2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネー
ト、5,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート及
びこれらの異性体の混合物を含む。また、2,4′−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4′−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェ
ニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,
4′−及び/又は4,4′−ジイソシアネート、ナフタ
レン−1,5−ジイソシアナーネートメチルシクロペン
テン、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−
ト、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシ
アネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネー
トなどがある。
【0016】また、好ましいポリオールとしては、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、グ
リセリン、トリメチロールプロパンなどがある。
【0017】これらによるウレタンポリマーを水分散性
にするために、有機酸をそのポリマー中に化学結合を介
して取り込ませる必要がある。好ましい有機酸として
は、少なくとも1つのイソシアネート反応性水素及び少
なくとも1つの親水性基を含み、例えば脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸、脂肪族又は芳香族の第1、又は第2アミ
ノ基をもつアミノカルボン酸、脂肪族ヒドロキシスルホ
ン酸、脂肪族又は芳香族の第1、又は第2アミノ基をも
つアミノスルホン酸等が挙げられるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0018】上記のポリイソシアネート類及びポリオー
ル類は、重付加体の溶解性、親水性又は疎水性、親水性
コロイドとの相溶性、重付加体製造の容易性などの観点
から種々の組み合わせの選択が可能である。
【0019】またこれらのウレタンラテックスは、ギュ
ンター・オーテル著「ポリウレタンハンドブック」(G
unter Oertel:Polyurethane
Handbook)p.21(1985)、村橋俊介
ら編「合成高分子」V p.309〜359などに記載
の方法を参考にして種々の条件で合成することが可能で
ある。
【0020】本発明のウレタンラテックスは、その重量
平均分子量が5×103以上のもので、好ましくは1×
104〜5×106である。
【0021】本発明のウレタンラテックスは市販もされ
ていて、例えばハイドランAP−10、AP−20、A
P−30F、AP−40、AP−40N、APX−10
1H、APX−110、ECOS−3300、HW−3
01、HW−310、HW−311、HW−312B、
HW−340、HW−350、HW−111、HW−9
35、HW−940、HW−950(いずれも大日本イ
ンキ化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0022】本発明のウレタンラテックスはハロゲン化
銀乳剤層を有する面及び反対側の面の支持体に近接する
親水性コロイド層に添加される。ハロゲン化銀乳剤層を
有する面の支持体に近接する親水性コロイド層とは、ハ
ロゲン化銀乳剤層の下層に下塗り層が塗設されている場
合は下塗り層であり、下塗り層が塗設されていない場合
はハロゲン化銀乳剤層が支持体近接層となるが、ハロゲ
ン化銀乳剤層にウレタンラテックスを含有させるのが好
ましい。また、前記反対側の面の支持体に近接する親水
性コロイド層としては、ハレーション防止ための染料を
含有する裏塗り層が好ましい。本発明の効果を得るのに
必要なウレタンラテックスの添加量は、添加する支持体
近接層のゼラチン量に対して重量比で0.05〜2.0
の任意の量であり、より好ましくは0.1〜1.5であ
る。
【0023】ハロゲン化銀写真感光材料にウレタンラテ
ックスを含有させる技術は、特開平5−127306
号、同平8−314046号、同2000−14770
1号等に記載されている。特開平5−127306号で
はハロゲン化銀乳剤層とは反対側の非感光性親水性コロ
イド層の上にウレタン樹脂をバインダーとする層を設け
ることでカール性を改良するものである。また特開20
00−147701号は乳剤保護層にウレタンラテック
スを含有させ、擦り傷耐性を高めたものであり、特開平
8−314046号ではヒドラジン誘導体を含む明室用
ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層側の親水性コロイド
層に水性ポリウレタンポリマーを含有させ、支持体と乳
剤層側の写真構成層との接着性を高めたものである。
【0024】ハロゲン化銀乳剤層を有する面及び反対側
の面の支持体に近接する親水性コロイド層にウレタンラ
テックスを含有させることにより、感光材料の写真構成
層と支持体との接着性を両面ともに高めることができ
た。しかしながら、ハロゲン化銀乳剤層に本発明のウレ
タンラテックスを有効量含有させた場合、乳剤面側の膜
剥がれは良好となるものの、乳剤面側の吸液量が増え乾
燥性が悪化し、さらに現像処理においては銀スラッジが
付着しやすくなることがわかった。吸液量を減らし乾燥
性を良好なものとするには硬膜剤量を増量する方法が有
効であるが、ハロゲン化銀乳剤層の硬膜剤量を増量する
方法は感光材料の写真特性に与える影響が大きく、感度
や硬調度の低下、あるいは最高濃度の低下を生じるもの
の、銀スラッジの付着についてはほとんど改善効果が見
られない。本発明者らはハロゲン化銀乳剤層の硬膜剤量
を増量する代わりに、保護層の硬膜剤量を増量させ、乳
剤層の硬膜剤量を減量することで感光材料の写真構成層
と支持体との接着性を高めたまま、写真特性に影響を与
えることなく、吸液量の増加を抑制し、現像処理におけ
る銀スラッジの付着を防止できることを見いだした。
【0025】前記保護層に添加される硬膜剤量は、(保
護層に添加される硬膜剤量(g)/保護層のゼラチン量
(g))/(乳剤層側の全硬膜剤量(g)/乳剤層側の
全ゼラチン量(g))>2.0の条件を満たす量である
ことが好ましく、さらにはハロゲン化銀乳剤層には実質
的に硬膜剤を添加しないことが好ましい。実質的に硬膜
剤を添加しないとは、硬膜剤の有無により吸液量に差が
全く見られない程度添加する場合は含むものである。ハ
ロゲン化銀乳剤層に全く硬膜剤を添加しなくても、乳剤
層にウレタンラテックスを含有させることにより、乳剤
層と支持体との接着性になんら問題がないことは、従来
技術から予想されない効果である。
【0026】本発明で用いられる増感色素について説明
する。最近では、画像のデジタル処理の発達に伴い、従
来の複雑なプロセスを経ずに、コンピューター上で集版
作業を行い、比較的安価なイメージセッターで直接、最
終版を形成させる方法が望まれている。そのためこのよ
うなイメージセッターで出力されたフィルムは、そのも
のが最終の版であるが故に、従来では実用上問題となら
なかった処理後の残色が、著しい場合は次工程の印刷版
の焼き付けや、色校正において問題を生じたり、着色し
ていること自体が商品としての価値を大きく損なう原因
となり、処理後の残色の少ないハロゲン化銀写真感光材
料が強く求められている。
【0027】このような要求に対して、残色の少ない増
感色素が特開平3−171135号、同平6−3139
43号、同平7−287337号、特願平10−308
29号等に開示されている。中でも水溶性に優れた増感
色素は、その役目を終えた後、ハロゲン化銀写真感光材
料を処理する間に、現像液、定着液、水洗液等の処理液
中に流出し、残色の点からも望ましい。したがって本発
明に用いられる増感色素は、水に0.1重量%以上溶解
することを特徴とするもので、公知のシアニン、メロシ
アニン、複合シアニン、複合メロシアニン、スチリル、
ヘミシアニン色素等から選択できるが、残色の点から
も、特開平3−171135号、同平6−313943
号、同平7−287337号、特願平10−30829
号等に記載の水溶性の増感色素が特に好ましい。特に好
ましい増感色素の具体例としては下記一般式(1)ある
いは一般式(2)で表されるものである。
【0028】
【化1】
【0029】一般式(1)中、Z1 は、下記一般式
(A)、(B)または(C)を表す。Y 1 は酸素原子、
イオウ原子、セレン原子またはNR11を表す。L1 、L
2 は置換されてもよいメチン基を表す。nは1または2
である。R11、R1 は置換されてもよいアルキル基を表
す。さらに、Z1 が一般式(A)で表される場合、
1 、R4 の少なくとも一つ、Z1 が一般式(B)で表
される場合、R1 、R7 の少なくとも一つ、Z1 が一般
式(C)で表される場合、R1 、R9 の少なくとも一つ
が可水溶性基で置換されている。M1 は該分子の電荷を
中和するためのカウンターイオンを表す。
【0030】
【化2】
【0031】一般式(2)中、Z2 は、下記一般式
(A)、(B)または(C)を表す。Y 2 、Y3 は酸素
原子、イオウ原子、セレン原子またはNR12を表す。L
3 、L4は置換されてもよいメチン基を表す。R12、R
2 、R3 は置換されてもよいアルキル基を表す。さら
に、Z2 が一般式(A)で表される場合、R2 、R3
4の少なくとも一つ、Z2 が一般式(B)で表される
場合、R2 、R3 、R7 の少なくとも一つ、Z2 が一般
式(C)で表される場合、R2 、R3 、R9 の少なくと
も一つが可水溶性基で置換されている。M2 は該分子の
電荷を中和するためのカウンターイオンを表す。
【0032】
【化3】
【0033】一般式(A)中、Y4 は酸素原子、イオウ
原子、セレン原子またはNR13を表す。R13、R4 は置
換されてもよいアルキル基を表す。R5 、R6 は各々独
立に水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、アリール基、アシル基、アシロキシ基、
アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、カル
バモイル基、スルファモイル基、カルボキシル基または
シアノ基を表す。上記置換基はさらに置換されていても
よい。さらにR5 、R6 は互いに結びついて脂肪族環、
芳香族環を形成してもよく、その場合はR5 、R6 につ
いて示した置換基例中の同じか、異なっていてもよい1
つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
【化4】
【0035】一般式(B)中、R7 は置換されてもよい
アルキル基を表す。R8 は各々独立にアルキル基、アル
ケニル基、アルコキシ基、スルホ基またはハロゲン原子
を表す。mは0〜4の整数を表す。mが2以上の場合、
複数のR8 は同じでも、異なっていてもよく、互いに連
結して環を形成していてもよい。
【0036】
【化5】
【0037】一般式(C)中、R9 は置換されてもよい
アルキル基を表す。
【0038】以下に本発明に用いられる増感色素の具体
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】本発明に用いる水溶性の増感色素を、本発
明のハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有
用であることが認められている乳剤調製のいかなる工程
中であってもよいが、増感色素が水溶性であることか
ら、脱塩終了後に添加することが好ましい。例えば、脱
塩後から化学熟成開始前までの時期、化学熟成直前また
は化学熟成工程中の時期、化学熟成後から乳剤が塗布さ
れる前までのいかなる時期、工程中において添加されて
もよい。また同一化合物を単独で、または異種構造の化
合物を組み合わせて、例えば化学熟成中と化学熟成完了
後とに分けたり、あるいは化学熟成前と化学熟成工程中
とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割して
添加する化合物および化合物の組み合わせの種類をも変
えて添加してもよい。
【0044】本発明の増感色素の添加量は、ハロゲン化
銀粒子の形状、サイズにより異なるが、好ましくはハロ
ゲン化銀1モル当たり、4×10-8〜8×10-2モル、
さらに好ましくは1×10-7〜1×10-3モル、特に好
ましくは1×10-5〜5×10-3モルの範囲内で用いる
ことができる。
【0045】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
硬膜剤として無機または有機の硬膜剤を使用することが
できる。例えばクロル酸(クロム明ばん、酢酸クロムな
ど)、アルデヒト類(ホルムアルデヒト、グリオキサー
ル、グルタールアルデヒトなど)、N−メチロール化合
物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイ
ンなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジ
オキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリ
アクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,3
−ビニルスルホニル−2−プロパノールなど)、活性ハ
ロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒロキシ−S−
トリアジンなど)ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ム
コフェノキシクロル酸など)などを単独または組み合わ
せて用いることができる。しかしながら、残色の少ない
水溶性の増感色素は、水に溶存している酸素や空気中の
酸素による増感色素の酸化分解を生じやすく、また硬膜
剤による影響も受けやすい。特に塗布後の保存安定性に
おいてその影響は顕著となり、増感色素の分解によりカ
ブリを生じたり、感度が低下したりする。本発明の保護
層の硬膜剤量を増量させ、乳剤層の硬膜剤量を減量する
方法によりその影響をかなり低減するすることができた
が、さらに水に0.1重量%以上溶解する増感色素が添
加された乳剤層側にビニルスルホン型硬膜剤を用いるこ
とにより、塗布後の保存安定性を改善することができ
た。
【0046】次に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤について述べる。本発明
に用いられるハロゲン化銀乳剤には特に制限はないが、
塩化銀含有率が50モル%以上である塩化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀を用いることが特に好ましい。塩沃臭化
銀を用いる場合には、沃化銀の含有率が5モル%以下、
より好ましくは1モル%以下である。本発明に用いられ
るハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子の形状は、特に
好ましくは立方体のような規則的な結晶体を有するもの
であるが、その他の八面体、不定形、板状のようなもの
であってもよい。
【0047】本発明に用いられるハロゲン化銀の平均粒
子サイズは、0.5μm以下の粒子が好ましく、より好
ましくは0.4μm以下であって、粒子サイズ分布が9
5%の粒子が数平均粒子サイズの±20%以内、好まし
くは±15%以内のサイズに入る単分散ハロゲン化銀粒
子がよい。ハロゲン化銀乳剤の調製方法は、順混合、逆
混合、同時混合等のハロゲン化銀写真感光材料の分野で
公知の種々の方法が用いられる。
【0048】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には
ハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程に於て亜
硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、ロジウム塩もしくはその錯
塩、イリジウム塩もしくはその錯塩を共存させてもよ
い。本発明の化学増感に先だって行うpAgの調整の手
段としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、臭化カ
リウム、ヨウ化カリウム、硝酸銀などを用いればよい。
乳剤のpAgは化学熟成開始後、塗布直前の間に各種添
加剤や塗布液の濃度変化により変化するが、上記の化合
物で同様に調整できる。
【0049】本発明のハロゲン化銀乳剤は種々の化学増
感剤によって増感することが好ましく、硫黄増感、還元
増感、金増感、セレン増感、テルル増感などの方法を用
いることができるが、塩化金酸、三塩化金酸、チオシア
ネート金酸などを増感剤として用いる金増感が好まし
い。さらに好ましくは、硫黄プラス金増感による化学増
感が最も好ましい。硫黄増感剤としては、ゼラチン中に
含まれる硫黄化合物のほか種々の硫黄化合物、例えばチ
オ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等
を用いることができる。
【0050】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は4
級アンモニウム塩、チオエーテル化合物、ポリエチレン
オキサイド誘導体、ジケトン類などを用いて増感するこ
ともできる。これらの方法は米国特許第2,708,1
62号、同3,046,132号、同3,046,13
3号、同3,046,134号、同3,046,135
号、英国特許第939,357号等に記載されている。
【0051】本発明のハロゲン化銀乳剤には種々の親水
性コロイドが用いられ、ハロゲン化銀乳剤用および/ま
たは他の写真構成層用のベヒクルとして使用する親水性
コロイドには例えばゼラチン、コロイド性アルブミン、
カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロース誘導体、寒天、アルギン
酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体、合成親水性コロ
イド、例えばポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピ
ロリドン、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、
部分加水分解物等があげられる。必要に応じて、これら
のコロイドの二つ以上の相溶性混合物を使用する。この
中で最も一般的に用いられるのはゼラチンであるが、ゼ
ラチンは一部または全部を合成高分子物質で置き換える
ことができるほか、いわゆるゼラチン誘導体すなわち分
子中に含まれる官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒ
ドロオキシ基、カルボキシル基をそれらと反応し得る基
を一個持った試薬で処理、改質した物は他の高分子物質
の分子鎖を結合させたグラフトポリマーで置き換えて使
用してもよい。
【0052】本発明の感光材料のハロゲン化銀乳剤層ま
たは他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防止、ス
ベリ性改良、乳化分散、接着防止など種々の目的で界面
活性剤を含んでもよい。例えば、サポニン(ステロイド
系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレ
ングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル類またはポリエチレングリコールアルキルアリ
ールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、
ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリア
ルキレングリコールアルキルアミンまたはアミド類、シ
リコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリオ
キシドーリル誘導体(たとえばアルケニルコハク酸ポリ
グリセリド、アルキルソエノールポリグリセリド)、多
価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステ
ル類などの非イオン性界面活性剤、アルキルカルボン酸
塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフ
ォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキ
ル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−ア
シル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステ
ル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルリン
酸エステル類などのような、カルボキシ基、スルホ基、
ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基
を含むアニオン界面活性剤:アルキルアミン塩類、脂肪
族あるいは芳香族第4級アンモニュウム塩類、ピリジウ
ム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニュウム
塩類、および脂肪族または複素環を含むホスホニウムま
たはスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用い
ることができるが、乳剤層とは反対側の面の非感光性親
水性コロイド層及び/または保護層にはベタイン型界面
活性剤を含有させるのが好ましい。本発明の支持体と写
真構成層との接着性はベタイン型界面活性剤を含有させ
ることにより更に高めることができる。
【0053】ベタイン型界面活性剤とは、一分子中にア
ニオン性基とカチオン性基とをあわせ持っていて分子内
塩を形成している界面活性剤のことを言い、ベタイン型
界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベ
タイン型、イミダゾリウム型などがある。ベタイン型界
面活性剤の好ましい添加量はそれぞれの写真構成層にお
いて0.001〜2.0g/m2であり、さらに好まし
くは0.01〜1.0g/m2である。
【0054】本発明の感光材料のハロゲン化銀乳剤層ま
たは他の親水性コロイド層には、感光材料の製造工程、
保存中あるい写真処理中のカブリを防止し、あるいは写
真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させ
ることができる。すなわちアゾール類例えばベンゾチア
ゾリウム塩、ニトロインダゾール類、トリアゾール類、
ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニ
トロ−またはハロゲン置換体)、あるいはチオケト化合
物、例えばオキサゾリンチオン、あるいはアザインデン
類、例えばテトラザインデン類(特に4−ヒドロキシ置
換(1,3,3a,7)テトラザインデン類)、あるい
はベンゼンチオスルホン酸類、あるいはベンゼンスルフ
ィン酸などのようなカブリ防止剤または安定剤として知
られた多くの化合物を加えることができる。
【0055】本発明の感光材料のハロゲン化銀乳剤層に
はヒドラジン化合物を含有することができる。本発明に
用いられるヒドラジン化合物には、米国特許第4,22
4,401号、同第4,243,734号、同第4,2
72,614号、同第4,385,108号、同第4,
269,929号、同第4,323,643号、及び特
開昭56−106244号、同61−267759号、
同61−230145号、同62−270953号、同
62−178246号、同62−180361号、同6
2−275247号、同63−253357号、同63
−265239号、特願平1−92356号、同1−9
9822号等の明細書に記載されたヒドラジン化合物な
どがあり、本発明に使用することができ、特に下記の一
般式(3)で表されるヒドラジン化合物を使用するのが
好ましい。
【0056】
【化10】
【0057】一般式(3)中、R1 は脂肪族基または芳
香族基を表し、R2 は2価の脂肪族基または2価の芳香
族基を表す。R3 は水素原子、脂肪族基または芳香族基
を表し、R4 は脂肪族基を表す。Gはカルボニル基、ス
ルホニル基、スルフィニル基、オキサリル基またはホス
ホリル基を表す。R5 は水素原子、脂肪族基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、芳香族基、アミノ基または一
般式(4)を表す。一般式(3)中のイソチオウレイド
基はプロトン酸の塩になっていてもよい。
【0058】
【化11】
【0059】一般式(4)中、Q+ はカチオン性の基を
含む基を表し、A- はアニオンを表すが、Q+ がスルホ
基を含む時は不要である。
【0060】ヒドラジン化合物は、適当な水混和性有機
溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、
プロパノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチ
ルケトンなど)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用
いることができる。また、既によく知られた乳化分散法
によって、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルテレ
フタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作成して用いることもできる。コロイドミル、ボール
ミルあるいは超音波による固体分散法として知られてい
る方法によって用いることができる。
【0061】本発明の感光材料において、上記のヒドラ
ジン誘導体は、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好
ましい。層中でのヒドラジン誘導体の含有量は、用いら
れるハロゲン化銀乳剤の特性、化合物の化学構造及び現
像条件によって異なるので、適当な含有量としては、ハ
ロゲン化銀乳剤中の銀1モル当り約1×10-6〜5×1
-2モルの範囲が実際上有用であり、より好ましくは、
1×10-5〜2×10 -2モルの範囲がよい。
【0062】本発明の感光材料にはヒドラジン化合物と
共に造核促進剤を含むことが好ましい。造核促進剤と
は、ヒドラジン化合物の存在下で硬調化促進効果をもつ
ものであり、ハロゲン化銀乳剤層その他の親水性コロイ
ド層に、特開昭62−222241号、米国特許第4,
975,354号、特開平7−140577号、特開平
7−159915号、特開平8−171166号、特開
平8−190165号、特開平8−248579号、特
開平8−297339号等に記載されている化合物を使
用することができる。
【0063】本発明の感光材料には、前記以外の種々の
化合物、たとえば帯電防止剤、ハレーション防止染料、
イラジエーション防止染料、可塑剤、ジヒドロキシベン
ゼン類以外の他の現像主薬、紫外線吸収剤、蛍光染料、
現像促進剤、カプラー等を使用するこができる。
【0064】本発明の感光材料には、ハロゲン化銀乳剤
層やその他の親水性コロイド層に、接着防止の目的でシ
リカ、酸化マグネシウム、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート等のマット剤を使用することができる。
【0065】本発明に用いる感光材料には、ハロゲン化
銀乳剤層その他の親水性コロイド層に、寸度安定性の改
良などの目的で、水不溶または難溶性合成ポリマー分解
物を含むことができる。例えば、アルキル(メタ)アク
リレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、ス
チレンなどの単独もしくは組合せ、またはこれらとアク
リル酸、メタクリル酸、α、β−不飽和ジカルボン酸、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレンス
ルホン酸等の組合せを単量体成分とするポリマーを用い
ることができる。
【0066】本発明の感光材料においては、通常感光材
料の支持体として用いられるものがすべて用いられる。
例えばセルロースナイトレートフィルム、セルロースア
セテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフ
ィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリカーボネートフィルム、その他これら
の積層物、紙などがある。バライタまたはα−オレフィ
ンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレンなど炭
素原子2〜10のα−オレフィンのポリマーを塗布また
はラミネートした紙、特公昭47−19068号に示さ
れているような表面を粗面化することによって、他の高
分子物質との密着性をよくするプラスチックフィルム等
の支持体なども好適である。本発明における支持体は公
知の方法でコロナ処理されていてもよく、また必要に応
じて公知の方法にて下引き加工されていてもよい。
【0067】また、本発明の親水性コロイド層の塗布方
法としては、エアードクター、ブレードコート、スクイ
ズコート、エアーナイフコート、リバースロールコー
ト、キャストコート、エクストルージョンコート等の方
法が用いられる。そして塗布量は1〜15μm、より好
ましくは2〜10μmとすることがこのましい。
【0068】本発明のハロゲン化銀感光材料を用いて超
硬調の写真特性を得るには、従来のリス現像液や米国特
許第2,419,975号明細書に記載されたpH13
に近い高アルカリ現像液を用いる必要はなく、安定な現
像液を用いることができる。すなわち、本発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料は、保恒剤としての亜硫酸イオンを
充分に(特に0.15モル/l以上)含んだ現像液を用
いることができ、またpH9.5以上、特に10.0〜
12.0の現像液によって充分に超硬調のネガ画像を得
ることができる。現像主薬には特別な制限はなく、ジヒ
ドロキシベンゼン類、3−ピラゾリドン類、アミノフェ
ノール類などを単独あるいは組み合わせて用いる事がで
きる。現像液にはその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭
酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化
物、沃化物、及び有機カブリ防止剤(特に好ましくは、
ニトロインダゾール類またはベンゾトリアゾール類)の
如き、現像抑制剤ないし、カブリ防止剤などを含むこと
ができる。また、必要に応じて、硬水軟化剤、溶解助
剤、色調剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜
剤、フィルムの銀汚れ防止剤(例えば2−メルカプトベ
ンゾイミダゾール酸類)などを含んでいてもよい。これ
ら添加剤の具体例は、リサーチディスクロージャー17
6号の17643などに記載されている。
【0069】本発明では、感光材料中に現像主薬を内蔵
させて、アルカリ性のアクチベータ溶液で処理する方式
を採用しても良い。(特開昭57−129436号、同
57−129433号、同57−129434号、同5
7−129435号、米国特許4,323,643号な
どを参照)。処理温度は通常18℃から50℃の間で選
ばれるが、18℃より低い温度または50℃をこえる温
度としてもよい。現像処理には自動現像機を用いるのが
好ましい。本発明では感光材料を自動現像機に入れてか
ら出てくるまでのトータルの処理時間を45秒〜120
秒に設定しても充分に超硬調のネガ階調の写真特性が得
られる。
【0070】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、むろんこの記述により本発明が制限されるもので
はない。
【0071】<裏塗り液の調製>裏塗り液として、ゼラ
チン水溶液に本発明のウレタンラテックス(大日本イン
キ化学工業(株)製AP−20、または同AP−40
N)または比較例のポリエチルアクリレートラテックス
(L−1)を0.8g/m2添加し、表1に示す界面活
性剤、及び染料F−1を90mg/m2を加え、裏塗り
液を調製した。
【0072】<裏塗り保護液の調製>裏塗り保護液とし
て、ゼラチン水溶液に表1に示す界面活性剤、平均粒径
が6μmの球形ポリスチレンマット剤を20mg/m2
を加え裏塗り保護液を調製した。
【0073】ポリエチレンテレフタレートフィルム上に
硬膜剤として2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,
3,5−トリアジンナトリウム塩を裏塗り液、裏塗り保
護液に加えた後、裏塗り液のゼラチンが2.0g/
2、裏塗り保護液のゼラチンが1.0g/m2になるよ
うに塗布、乾燥させ表1に示す裏塗り済みフィルムを作
成した。
【0074】
【表1】
【0075】
【化12】
【0076】<ハロゲン化銀乳剤の調製>水600ml
中に塩化ナトリウム5g、ゼラチン40gを含む水溶液
に40℃でpAg8.5にコントロールしたダブルジェ
ット法で硝酸銀水溶液と3.25×10-6モル/モルA
gの水溶性イリジウム塩と2.0×10-7モル/モルA
gの水溶性ロジウム塩を含むハロゲン溶液を混合して、
平均粒径0.25μmの塩臭化銀(塩化銀含有率70モ
ル%)乳剤を調製し、銀1モルに対し0.2モルとなる
ようにヨウ化カリウム水溶液を添加した後、沈殿水洗再
溶解した。この乳剤に銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウ
ム6mg、塩化金酸8mgを加え、55℃で60分間加
熱し、化学増感を施した後、安定剤として4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
150mgを加えた(乳剤A)。
【0077】<乳剤塗布液の調製>この乳剤Aに増感色
素D−18を2.5×10-5モル/モルAg加え分光増
感した後、更に界面活性剤としてS−3を添加し、さら
に化合物A−1を2×10 -2モル/モルAg量添加した
後分割し、本発明のウレタンラテックス(大日本インキ
化学工業(株)製AP−40N、または同AP−30)
または比較例のラテックスL−1を0.6g/m2添加
して乳剤塗布液を調製した。
【0078】
【化13】
【0079】<保護液の調製>ゼラチン水溶液に表2に
示す界面活性剤、2.5μmの不定形シリカマット剤を
15mg/m2添加して保護液を調製した。
【0080】<塗布サンプルの作成>裏塗り済みフィル
ムA〜E上に硬膜剤として1,3−ジビニルスルホニル
−2−プロパノール(H−1)または2,4−ジクロロ
−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム
塩(H−2)を表2に示す量添加した後、乳剤塗布液は
硝酸銀で5g/m2、ゼラチンが2g/m2になるよう
に、またその上に保護液をゼラチンが0.8g/m2
なるように塗布、乾燥して表2に示すサンプルを作成し
た。
【0081】
【表2】
【0082】<膜剥がれの評価>作成したサンプルを1
0cm×30cmに裁断し、未露光のまま下記処方の現
像液と定着液CF6001(三菱製紙(株)製)を使用
し、35℃30秒で現像処理をおこなった後、直ちに乳
剤面と裏面の裁断面に日東電工(株)製ニットーリソグ
ラフィックテープ(製版用ポリエステルテープ)を貼
り、常温で2日間放置した後テープを剥離させた。その
際、膜面がテープとともに支持体より剥離した面積の割
合を評価した。結果を表3に示す。
【0083】 <現像液(濃縮物)> 1-フェニル-4-ヒト゛ロキシメチル-4-メチル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 2.3g ハイドロキノン 85.0g 水酸化ナトリウム 26.0g 炭酸ナトリウム 50.0g 亜硫酸カリウム 220.0g ジエチレントリアミン五酢酸 9.1g 臭化カリウム 12.5g ベンゾトリアゾール 0.6g 1-フェニル-5-メルカフ゜トテトラソ゛ール 0.1g ジエチレングリコール 110.0g 水を加えて 1リットル 上記濃縮物を水2部に対し1部の割合で希釈してpH1
0.5の現像液とした。
【0084】<銀スラッジ汚れ付着性の評価>前記現像
液と定着液を用いて、現像液は感材1m2 当たり180
ml、定着液は感材1m2 当たり200mlの補充条件
で、No1の試料を1日当たり大全200枚を38℃2
0秒の現像条件で処理する作業を3日間行った後、2日
間放置して銀スラッジを発生させ、その後各未露光サン
プルを処理してフィルム表面に見られる銀スラッジ汚れ
を目視評価した。銀スラッジ汚れの評価は5段階で行
い、5は銀スラッジ汚れ付着なし、4はわずかに付着、
3はやや付着、2は付着が多い、1は多量に付着のラン
ク分けにした。5及び4は問題なく良好に使用できるレ
ベルで、3ではやや付着するが許容できるレベル、2及
び1は実用上問題のあるレベルである。結果を表3に示
す。
【0085】<写真特性の評価>得られた試料を633
nmの干渉フィルターとステップウェッジを通して10-5
秒のキセノンフラッシュ光で露光を施した後、下記処方
の現像液と定着液PURCF901(三菱製紙(株)
製)を使用し、35℃30秒で現像した後、定着、水
洗、乾燥して、写真特性を求めた。感度値は、透過濃度
3.0を得るのに必要な露光量の逆数として求め、試料
No.1の感度を100とした時の相対的な値で示し
た。またDmaxは黒ベタ部の濃度を示した。結果を表
3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】表3の結果より、乳剤面、裏面にウレタン
ラテックスを添加した写真感光材料(No.3〜10、
12〜15)は、比較例の写真感光材料(No.1、
2、11)と比べて、乳剤面、裏面とも写真構成層と支
持体の接着性が向上していることがわかる。さらに保護
層に添加される硬膜剤量が(I)の条件を満たす本発明
の写真感光材料(No.6、7、9、10、12〜1
5)は、条件を満たさない比較例の写真感光材料(N
o.3〜5、8)と比べて感度低下や、Dmax低下を
起こすことなく銀スラッジ汚れ付着耐性に優れているこ
とがわかる。また界面活性剤としてベタイン型界面活性
剤(S−2)を含有している写真感光材料(No.1
4、15)は、乳剤面、裏面とも膜剥がれの評価におい
て全く膜が剥がれず、最も良い結果が得られていること
がわかる。
【0088】実施例2 <塗布後保存性の評価>実施例1において作成したサン
プルの内、No.3〜10の試料を、湿度55%RH、
温度45℃の下で20日間放置させた後、実施例1と同
様の方法にて現像処理を行い、塗布後の経時保存安定性
を調べた。実施例1の経時をかけずに処理して得られた
感度に対する感度変化の割合で評価した。得られた結果
を表4に示す。
【0089】
【表4】
【0090】表4の結果より、本発明の保護層に添加さ
れる硬膜剤量が(I)の条件を満たす写真感光材料は、
比較例の写真感光材料と比べて、塗布後の保存安定性に
優れており、さらに硬膜剤としてビニルスルホン型硬膜
剤(H−1)を使用した写真感光材料(No.9、1
0)では、より良好な結果が得られている。
【0091】
【発明の効果】本発明により、テープによる貼り付け作
業時に膜剥がれを起こさず、なおかつ銀スラッジの発生
した現像液で現像処理を行っても銀スラッジが付着しな
いハロゲン化銀写真感光材料を提供することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の面に少なくとも1層の
    ハロゲン化銀乳剤層と保護層を有し、かつ反対側の面に
    少なくとも1層の非感光性親水性コロイド層を有するハ
    ロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤
    層を有する面及び反対側の面の支持体に近接する親水性
    コロイド層にウレタンラテックスを含有し、なおかつ該
    保護層に添加される硬膜剤量が下記(I)の条件を満た
    すことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (I)(保護層に添加される硬膜剤量(g)/保護層の
    ゼラチン量(g))/(乳剤層側の全硬膜剤量(g)/
    乳剤層側の全ゼラチン量(g))>2.0
  2. 【請求項2】 該ハロゲン化銀乳剤層には実質的に硬膜
    剤を添加しないことを特徴とする請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀乳剤が水に0.1重量%
    以上溶解する増感色素により分光増感され、かつ該ハロ
    ゲン化銀乳剤層もしくは保護層中に添加される硬膜剤が
    ビニルスルホン型硬膜剤であることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記反対側の面の非感光性親水性コロイ
    ド層及び/または前記乳剤層側の保護層にベタイン型界
    面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
JP2001091505A 2001-03-28 2001-03-28 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JP2002287284A (ja)

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