JP2002287043A - 微細構造体および微細構造体の製造方法 - Google Patents

微細構造体および微細構造体の製造方法

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JP2002287043A
JP2002287043A JP2001091339A JP2001091339A JP2002287043A JP 2002287043 A JP2002287043 A JP 2002287043A JP 2001091339 A JP2001091339 A JP 2001091339A JP 2001091339 A JP2001091339 A JP 2001091339A JP 2002287043 A JP2002287043 A JP 2002287043A
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epoxy resin
polymerization initiator
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JP2001091339A
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English (en)
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Shunji Uejima
俊司 上島
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子をアクチュエータで駆動する光スイ
ッチングデバイスにおいて、低コストで、耐久性および
信頼性の高いデバイスを提供する。 【解決手段】 フォトリソグラフィ技術により製造した
アクチュエータ6の層に光学素子の層に光潜在性重合開
始剤添加エポキシ樹脂35を用いて成形型70で成形し
て製造する際に、樹脂35の温度を60℃以上500℃
以下の温度にヒータ105で制御すると共に、光源12
5からの光を部分的に当てて仮止めする。これにより、
精度良く成形型70とアクチュエータ6が成形されたワ
ーク20との位置合わせができ、膜厚も管理できる。し
たがって、アクチュエータ6と光学素子が積層された構
成の微細構造体を精度良く製造でき、歩留まりを向上で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミクロンあるいは
サブミクロンのマイクロ光学素子を備えた光スイッチン
グデバイスなどのマイクロマシンを製造するのに適した
微細構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタなどの画像表示装置のライ
トバルブとして光をオンオフ制御できる画像表示デバイ
スとしては、液晶を用いたものが知られている。しかし
ながら、この液晶を用いた画像表示デバイスは、高速応
答特性が悪く、たかだか数ミリ秒程度の応答速度でしか
動作しない。このため、高速応答を要求されるような高
解像度の画像を表示する装置、さらには、光通信、光演
算、ホログラムメモリー等の光記録装置、光プリンター
を、液晶を用いたスイッチングデバイスで実現するのは
難しい。
【0003】そこで、上記のような用途に対応できる高
速動作可能なスイッチングデバイスあるいは画像表示デ
バイスが求められており、ミクロンオーダあるいはさら
に小さなサブミクロンオーダの微細構造(マイクロスト
ラクチャ)を備えたスイッチングデバイスの開発が鋭意
進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】その1つが本願出願人
が出願中の、光を全反射して伝達可能な導光部の全反射
面に対しスイッチング部の抽出面を接触させてエバネセ
ント光を抽出し、光学素子の1波長程度あるいはそれ以
下の微小な動きによって、高速で光を変調制御可能な光
スイッチングデバイスである。
【0005】図1に、エバネセント光によるスイッチン
グを行う画像表示デバイス(光スイッチングデバイス)
を用いた画像表示装置の一例としてプロジェクタ80の
概略を示してある。このプロジェクタ80は、白色光源
81と、この白色光源81からの光を3原色に分解して
画像表示ユニット(光スイッチングユニット)55の導
光板(光ガイド)1に入射させる回転色フィルタ82
と、各色の光を変調して出射する画像表示ユニット55
と、出射された光85を投映する投写用レンズ86とを
備えている。そして、各色毎の変調された光85がスク
リーン89に投写され、時間的に混色されることにより
多諧調のマルチカラーの画像が出力される。プロジェク
タ80は、さらに、画像表示ユニット55および回転色
フィルタ82を制御してカラー画像を表示する制御回路
84を備えている。画像表示ユニット55は、光ガイド
1と以下に詳述する画像表示デバイス(光スイッチング
デバイス)50とにより構成されており、この制御回路
84からカラー画像を表示するためのデータφなどは画
像表示デバイス50に供給される。
【0006】このように、図1に示したプロジェクタ8
0は、光を全反射しながら伝達する光ガイド1に投影用
の光を供給する光源81などと共に光ガイド1から出射
された光を投写するレンズ85などを備えた光を入出力
する手段と、光ガイド1に供給された投映用の光を変調
する画像表示デバイス50とを備えており、画像表示デ
バイス50により光ガイド1から漏出するエバネセント
光を制御して画像が表示される。
【0007】図2に、エバンセント波(エバネセント
光)を利用して光を変調する画像表示デバイス(エバネ
セント光スイッチングデバイス)50の概要を示してあ
る。画像表示デバイス50は複数の光スイッチング素子
(光スイッチング機構)10が2次元に配列されたスイ
ッチングデバイスであり、個々の光スイッチング素子1
0は、単体では導入された光2を全反射して伝達可能な
導光板(光ガイド)1に接近および離反して光を変調可
能な光学素子(スイッチング部)3と、この光学素子部
3を駆動するアクチュエータ6とを備えている。そし
て、光学素子3の層およびアクチュエータ6の層がアク
チュエータ6を駆動する駆動回路およびデジタル記憶回
路(記憶ユニット)が作りこまれた半導体基板20の上
に積層され、1つの画像表示デバイスとして集積化され
ている。
【0008】図2を参照してエバネセント光を利用した
本例の画像表示デバイス50についてさらに詳しく説明
しておく。個々の光スイッチング素子10をベースに説
明すると、図2の左側に示した光スイッチング素子10
aはオン状態であり、右側に示した光スイッチング素子
10bがオフ状態である。光学素子3は、導波路として
の機能を果たす導光板1の面(全反射面)1aに密着す
る面(接触面または抽出面)3aと、この面3aが全反
射面1aに密着したときに漏れ出たエバネセント波を抽
出するV字型のプリズム(マイクロプリズム4)と、こ
のプリズム4の底面で導光板1に対しほほ垂直な方向に
反射するための反射膜46と、V字型のプリズム4を支
持するサポート構造5とを備えている。
【0009】アクチュエータ6は、光学素子3を静電駆
動するタイプであり、そのために、光学素子3のサポー
ト構造5と機械的に連結されて光学素子3と共に動く上
電極(第1の電極)7と、この上電極7と対峙した位置
で半導体基板20に固定された下電極(第2の電極)8
を備えている。さらに、上電極7はアンカープレート9
から上方に伸びた支柱11により支持されている。
【0010】図2に示したように、導光板1には光源か
ら照明光2が全反射面1aで全反射する角度で供給され
ており、その内部の全ての界面、すなわち、光学素子部
(光スイッチング部)3に面した側1aと、上方の面
(出射面)において光が繰り返し全反射し、導光板1の
内部が光線で満たされる。したがって、この状態で巨視
的には照明光2は導光板1の内部に閉じ込められ、その
中を損失なく伝播している。一方、微視的には、導光板
1の全反射している面1aの付近では、導光板1から光
の波長程度のごく僅かな距離だけ、照明光2が一度漏出
し、進路を変えて再び導光板1の内部に戻るという現象
が起きている。このように面1aから漏出した光を一般
にエバネッセント波と呼ぶ。このエバネッセント波は、
全反射面1aに光の波長程度またはそれ以下の距離で他
の光学部材を接近させることにより取り出すことができ
る。本例の光スイッチング素子10は、この現象を利用
して導光板1を伝達する光を高速で変調、すなわち、ス
イッチング(オンオフ)することを目的としてデザイン
されている。
【0011】たとえば、図2の光スイッチング素子10
aでは、光学素子3が導光板1の全反射面1aに接触し
た第1の位置にあるので、光学素子3の面3aによりエ
バネセント波を抽出することができる。このため、光学
素子3のマイクロプリズム4で抽出した光2は反射膜4
6で角度が変えられて出射光2aとなる。そして、この
出射光2aが図1に示すプロジェクタ80の投映用の光
85として利用される。一方、光スイッチング素子10
bでは、電極7および8の間に働く静電力により光学素
子3が導光板1から離れた第2の位置に動かされる。し
たがって、光学素子3によってエバネセント波は抽出さ
れず、光2は導光板1の内部から出ない。
【0012】エバネセント波を用いた光スイッチング素
子は単独でも光をスイッチングできる装置として機能す
るが、図2に示したように、これらを1次元あるいは2
次元方向、さらには3次元に並べて配置することができ
る構成になっている。特に、2次元にマトリクスあるい
はアレイ状に並べて配置することにより、液晶あるいは
DMDと同様に平面的な画像を表示可能な映像デバイス
あるいは画像表示ユニット55を提供することができ
る。そして、エバネセント光を用いた画像表示デバイス
50では、スイッチング部である光学素子3の移動距離
がサブミクロンオーダとなるので、液晶より1桁あるい
はそれ以上応答速度の速い光変調装置として利用でき、
これを用いた高速動作が可能なプロジェクタ80あるい
は直視型の画像表示装置を提供することが可能となる。
さらに、エバネセント光を用いた光スイッチング素子1
0は、サブミクロンオーダの動きで光をほぼ100パー
セントオンオフすることが可能であり、非常にコントラ
ストの高い画像を表現することができる。このため、時
間的な分解能を高くすることが容易であり、高コントラ
ストの画像表示装置を提供できる。
【0013】さらに、この光スイッチングデバイス50
では、駆動回路などが作りこまれた半導体集積基板20
にアレイ状に配置されたアクチュエータ6および光学素
子3が積層された構成の画像表示デバイス50を1チッ
プで提供することが可能である。すなわち、半導体基板
20の上にアクチュエータ6および光学素子3といった
マイクロストラクチャが構築されたマイクロマシンある
いは集積化デバイスである画像表示デバイス50と光ガ
イド1とを組み立てることにより画像表示ユニット55
を供給でき、これを組み込むことにより動作速度が速く
高解像で、さらに、高コントラストの画像を表示できる
プロジェクタを提供できる。
【0014】また、アクチュエータ6は、図2の上下1
対の電極を備えたものに限定されず、上電極7および下
電極8に加え、これらの間で動く中間電極を備えたも
の、さらに、電極対を使用した静電アクチュエータの代
わりに、ピエゾ素子などの他の電気信号により駆動力を
供給可能な機構を用いてアクチュエータを構成すること
も可能でありアクチュエータとしてはいくつかのものが
考えられている。したがって、以下、本明細書では、簡
単のため上下電極の静電駆動タイプのアクチュエータに
基づき説明するが、アクチュエータの構成はこれに限定
されるものではない。
【0015】このようなスイッチングデバイスは、複雑
な電極構造を備えたアクチュエータ6の層を半導体の製
造プロセスなどで技術が確立しているフォトリソグラフ
ィ技術で製造し、光学的な性能を要求される光学素子3
の層はUV照射により型転写で構造を成形する2P法
(Photo-polymer法)を用いたマイクロレ
プリカ技術で製造することが可能である。そして、この
製造方法によれば、各層の構成に対し各々の製造技術を
活かすことができ、駆動性能の高いアクチュエータ層
と、光学性能の高い光学素子層を備えたハイブリッドな
微細構造体を製造することができる。
【0016】しかしながら、各々の層の製造プロセスが
異なるので、それぞれの層を異なった装置あるいは異な
ったタイミングで製造することになり、アクチュエータ
層までが製造された基板上に重ねて光学素子層を形成す
るといった製造方法になる。各々の製造プロセスを分離
できるので、製造プロセスを最適化しやすく、品質管理
も容易になるというメリットもあるが、その反面、2つ
の異なる製造プロセスによって製造されるパーツの位置
を精度良く一致させる必要があるという問題もある。す
なわち、アクチュエータおよび光学素子は、各々の10
μmから10数μm程度の非常に小さな部品であるが、
これらが一対一に対応して積層されていないとスイッチ
ング素子として作用しない。したがって、歩留まりが低
下すると共に、フォトリソグラフィ技術でアクチュエー
タ層まで製造した高価な基板が無駄になるので、経済的
なロスも大きい。
【0017】さらに、位置合わせ以外でも、マイクロレ
プリカ技術により製造する光学素子層に不具合がある
と、アクチュエータ層まで製造した基板のロスになる。
したがって、光学素子層を歩留まり良く製造することが
上記のような光スイッチングデバイスを経済的に量産す
る上では非常に重要なファクターとなる。
【0018】そこで、本発明においては、微細構造を備
えた層に重ねて、2P法を用いたマイクロレプリカ技術
により微細な構造を備えた層を成形するのに用いるエポ
キシ系樹脂の特性を向上させ、微細構造体を実装封止後
した後においても、微細構造体の特性を安定的に保つ事
と、そのエポキシ系樹脂の特性に合わせた製造方法を提
供することを目的としている。
【0019】特に、一般的に2P法に用いられる樹脂が
アクリル系樹脂であり、アクリル系樹脂の光硬化後にお
けるアウトガスの発生は数%(重量比)程度発生する。
このアウトガスは、微細構造物の実装後の特性維持に悪
影響を及ぼす。また、硬化後のアウトガスの発生が殆ど
無いエポキシ系樹脂は、経時変化によるゲル化、2液混
合エポキシ系樹脂においては混合後のポットライフが短
い事、2P法による製造過程においてエポキシ系樹脂を
50℃程度加熱した場合エポキシ系樹脂の硬化が始ま
り、樹脂層厚みを制御する事が困難である等、取扱が難
しく微細構造体の製造過程において歩留まりの低下、材
料費の高騰につながる要因を排除し、安価でかつ容易に
特性の安定した微細構造物を提供し、微細構造体を精度
良く製造するのに適した製造方法を提供することを目的
としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
2P法に用いるエポキシ系樹脂を硬化後のアウトガス発
生の殆どないエポキシ系樹脂でありながら、加熱による
硬化、ゲル化が無く、光のみに反応し硬化する、光潜在
性重合開始剤である例えばオーテックス株式会社の製造
しているパーキットを添加した光潜在性重合開始剤添加
エポキシ樹脂(例えば東都化成株式会社のYDF-8170
C)を用い、第1の構造層を備えた基板を温調したスピ
ンコータ-テーブルにセットし、光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂を80℃に過熱することにより粘度を
0.03Pa・S 程度に低くした光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂を塗布し、スピンコータ-テーブルを1
000rpmで30秒程度回転することにより加熱した
光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂が、第1の構造層
を備えた基板上に約2マイクロメートルの厚さで形成さ
れる。この光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を第2
の構造物形状を形成する転写型を減圧環境下で合わせ加
圧、アライメントし、光潜在性重合開始剤添加エポキシ
樹脂を光硬化し第2の構造物を形成する。
【0021】また、第1の構造層を備えた基板上に第2
の構造物を形成するための光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂層を形成する手段として、ノードソン株式会社
の製造しているエアロコートシステムなどの、スプレー
コートタイプの塗布装置を用いて塗布することにより、
凸凹のある第1の構造物表面に均一な膜厚の光潜在性重
合開始剤添加エポキシ樹脂層を形成する事も可能であ
る。
【0022】この時、第2の構造層を全体的に光硬化さ
せるのではなく、まず、部分的に光硬化することにより
短時間で型合わせを行い、型ずれを防止すると共に、そ
の後、光硬化する時間を十分に確保できるようにしてい
る。すなわち、本発明の微細構造体の製造方法は、基板
上に形成された、ほぼミクロン単位の構造を備えた第1
の構造層と、この第1の構造層に対しほぼ平行に配置さ
れた型転写用の成形型との間に光潜在性重合開始剤添加
エポキシ樹脂を挟んだ状態で、該光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂を光硬化することにより第2の構造層を
形成する成形工程を有し、この成形工程は、第2の構造
層の一部に光を当てて硬化する第1の工程と、第2の構
造層全体に光を当てて硬化する第2の工程とを有する。
光硬化する過程を2段階に分けることにより、高精度で
位置合わせを行うことができ、その後、さらに硬化を十
分に行うことができる。
【0023】第1の構造層が、複数の微細構造体が集合
したチップエリアが複数個、前記基板上の所定の領域内
に適当な間隔で配置された構成の場合、成形工程では、
各々のチップエリアの上に、成形型により複数の微細構
造体の集合を形成する。そのようなケース、すなわち、
ある程度の面積の基板(ウェハあるいはワーク)に複数
のチップを同時に成形する場合には、チップエリア以外
の複数の部分に光を当てて硬化することが望ましい。2
段階に分けて光硬化を行うことにより、最初に光硬化し
た部分と、その後に光硬化した部分で若干の構造的ある
いは光学的な相違あるいは境界領域が発生する可能性が
ある。これに対し、チップエリア外のある部分を先に硬
化し、チップエリア内は同一のタイミングで硬化するこ
とにより、製品性能上、均一性が要求される部分は均質
な条件で光硬化することができる。その一方で、部分的
に先行して硬化させることができるので、位置的な精度
も非常に高くできる。
【0024】また、光硬化する際、あるいはそれに先立
って成形型を加圧するときの光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂の状態を均一にすることも重要である。特
に、光硬化する際に膜厚を管理することが成形型により
成形する構造の精度を確保する上で重要であるが、光潜
在性重合開始剤添加エポキシ樹脂の粘度が高いと膜厚管
理が難しい。そこで、成形工程では、光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂の温度を制御することが望ましい。
第1の構造層と成形型で光潜在性重合開始剤添加エポキ
シ樹脂を挟む前に光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
の温度を65℃に制御し粘度を0.06Pa・S程度にな
るように制御しておくことも可能である。また、成形中
も光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂の粘度を同程度
に維持することが望ましく、そのためには、成形工程中
に基板および成形型の少なくとも一方の温度を制御する
ことが望ましい。
【0025】さらに、膜厚を管理するには、基板または
成形型のいずれか少なくとも一方の側から加圧すること
により膜厚を均一にすることも重要なことである。その
際、チップエリアが集合した領域の内部に支点(加重
点)があるように加圧することが望ましい。チップエリ
アの外を支点として加圧すると、精度が必要とされるチ
ップエリア内で成形型あるいは基板がゆがみ易く、これ
らの間の寸法が不均一になりやすい。
【0026】さらに、加圧する際は、基板または成形型
の少なくとも一方を、加圧する支点を中心に可動にして
おくことが望ましい。動ける状態で指示されている成形
型あるいは基板が、固定された側にならって動くので、
相対的な平行度を高くすることが可能となり、より精度
の高い第2の構造層を成形できる。したがって、第2の
構造層の歩留まりを向上することができ、第1の構造層
まで製造された基板をロスする割合が減少する。このた
め、経済的に性能の良い微細構造体を製造できる。
【0027】さらに、第1の構造層と、第2の構造層と
の密着度を上げることも重要であり、特に、上述したよ
うに第2の構造層が第1の構造層によって駆動されるよ
うなデバイスではこれらの構造層の間の付着力を高くす
ることが耐久性などの面で重要である。そのための1つ
の方法は、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を第1
の構造層に重ねる前に第1の構造層の表面をプラズマ処
理することである。これにより、第1の構造層が第2の
構造層と接触する面を活性化することができるので、付
着力が増加する。また、プラズマ処理することにより第
1の構造層の表面粗さを上げる効果もあり、これにより
接触面積が増加することも付着力を向上すること寄与す
る。
【0028】また、第1の構造層の表面にカップリング
剤を塗布することも密着力を向上するために効果があ
る。カップリング剤としては、シラン系のカップリング
剤を用いることができる。
【0029】さらに、成形型を取り外すときは、第2の
構造層あるいは第1の構造層に負荷が掛からないように
することが望ましい。チップエリア外の領域に離型剤を
塗布することにより、成形型を剥離する際に要する力を
弱めることができ、その一方で、チップエリア内の構造
を変えずに済む。したがって、成形型を剥離する際にチ
ップエリア内で無理な力が発生しにくく、成形型を剥離
するときのトラブルを未然に防止できる。
【0030】また、このように形成された微細構造物
を、減圧封止しデバイスとして構成する際においても、
第2の構造物が光潜在性重合開始剤を添加したエポキシ
樹脂である場合、アウトガスの発生が無くデバイスの信
頼性向上に寄与する。更に、このデバイスの減圧封止材
料として、光潜在性重合開始剤を添加したエポキシ樹脂
を用いる事で、減圧封止材料からのアウトガス放出をな
くし第1の構造物および第2の構造物の周囲を減圧環境
に維持できる。
【0031】さらに光潜在性重合開始剤を添加したエポ
キシ樹脂、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂で形成
された封止剤表面にTiN、SiN.SiO2.Pt.
Al等の無機膜を500Å程度スパッタリング、蒸着、
CVDにより保護膜を形成する事で、ガスバリア効果が
向上しデバイスの信頼性向上に寄与するものである。特
にTiNはガスバリア性に優れ10E−10Pa以上の極
高真空状態を維持する場合にも使用できる。
【0032】このような本発明の微細構造体の製造方法
により、2P法により精度良くまたは歩留まり良く第2
の構造層を型成形することが可能となる。したがって、
フォトリソグラフィ技術により形成された微細構造をも
つ第1の構造層に、2P法により微細構造層を精度良く
位置合わせしながら製造することができる。さらに、第
2の構造層の歩留まりを向上できるので、フォトリソグ
ラフィ技術により製造された高価な第1の構造層および
基板のロスを防止することができる。したがって、第1
の構造層のアクチュエータがアレイ状に配置された層で
あり、その層に重ねて光学素子がアレイ状に配置された
第2の構造層を精度良く製造することができる。このた
め、本発明の微細構造体の製造方法は、マイクロマシン
のうち、特に、上記のようなアクチュエータと光学素子
といったハイブリッドな構造の光スイッチングデバイス
を製造するのに適した方法であり、本発明により、アク
チュエータと光学素子の密着度が非常に高く、品質の良
い光微細構造体であるスイッチングデバイスを提供する
ことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下では、図2に示した光スイッ
チングデバイス50の製造過程を示しながら、本発明に
ついてさらに説明する。図3ないし図11に、光スイッ
チング素子10を半導体基板20の上にアレイ状に並べ
て形成し、光スイッチングデバイス(画像デバイス)を
製造する一連の流れを示してある。図3ないし図5に示
す工程は、第1の構造層となるアクチュエータ6の層を
製造する工程である。図3に示してあるように、CMO
Sが構成されている基板20の上面21に第1の電極層
としてポリシリコンの薄膜31をディポジットする。次
に、その電極層31にパターニング41を行い、下電極
8と、ばねおよび上電極を兼ねた構造のアンカー部分9
を形成する。
【0034】図4に示してあるように、電極層31の上
に酸化シリコン系のPSG(Phospho-Silicate-Glass)
により犠牲層32を形成する。PSG層は、フォトリソ
グラフィ技術により半導体装置を製造する際にも多用さ
れているものであり、膜厚を管理する技術も確立されて
いる。したがって、下に存在する半導体基板20に形成
されたCMOS回路にダメージを与えずに、その半導体
基板の上に、ミクロンオーダあるいはサブミクロンオー
ダの精度で構造物を製造するのに適している。その犠牲
層32にストッパーの役目をするディンプル13用の凹
み42を掘り、また、ポストとなる部分をパターニング
43により形成する。
【0035】図5に示してあるように、犠牲層32の上
に、ばねと上電極を兼ねた構造7を形成する第2の電極
層33を、図3と同様に、ポリシリコンをディポジット
した薄膜により形成する。この段階でポスト11も形成
され、アクチュエータ6としての構造が半導体基板20
の上に形成される。
【0036】次に、このアクチュエータ6の上にマイク
ロ光学素子部3を形成するプロセスに移行する。まず、
図6に示してあるように、第2の電極層33の上、すな
わち、上電極7に第1の犠牲層32と同じ物質であるP
SGを第2の犠牲層34としてディポジットし、パター
ニング44を行う。そして、図9に示すように、プリズ
ム4の基礎となるV型をしたパターン(サポート構造)
5を形成する。このため、図7に示してあるように、ア
クチュエータ層6の上、すなわち、上電極7と犠牲層3
4の上に第3の構造層となる光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂35を塗布する。さらに、その上からV溝の
型(転写型)70を光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹
脂層35に押し付け、光潜在性重合開始剤添加エポキシ
樹脂からなる構造であるサポート構造5を転写する。
【0037】光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層3
5は、光潜在性重合開始剤を添加したエポキシ系樹脂。
エポキシ樹脂はビスフェノール型(例えば東都化成 YD
F−8170C)、フェノールノボラック型(日本化薬
RE−305、スリーボンド2088)、水添ビスフェノ
ール(坂本薬品 ビスフェノールA、ビスフェノール
F)、クレゾールノボラック(オーテックス株式会社 E
SCAL1950)、などの光潜在性重合開始剤添加エポキ
シ樹脂が使用できる。
【0038】転写型は、酸化シリコンあるいは樹脂によ
る、少なくとも紫外線領域では透明なものが採用され、
図8に示したように、光潜在性重合開始剤添加エポキシ
樹脂層35に転写型70を当てた状態でUV照射などによ
り光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層35を所望の
形状に硬化させる。UV照射により型転写で基板上に構
造を成形する方法は2P(Photo-polymer
法)として公知であり、詳しい説明は省略する。
【0039】その後、図9に示すように、転写型70を
取り外すと転写型70の形状にそってV溝45を備えた
サポート構造5が製造される。その後に、図10に示す
ように、V溝45の上部にアルミニウム、または銀、ま
たはそれらの合金をスパッタリングして反射膜46を形
成し、第4の構造層となる透明な光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂36をV溝形状に成型された光潜在性重
合開始剤添加エポキシ樹脂層35に塗布する。そして、
その上から平坦な型を転写してV溝45を平坦に埋め、
所望の形状を備えたマイクロプリズム4が製造される。
この光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂36も、上記
の光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層35と同様に
2P法により成形できる光潜在性重合開始剤添加エポキ
シ樹脂を用いることが望ましい。この工程により、アク
チュエータ6の上に、抽出したエバネセント光を上方に
反射するマイクロプリズム4を備えた光学素子3が形成
される。
【0040】次に、図11に示すように、個々の画素を
構成する光学素子3を分離するため、第2の犠牲層34
の上に積層された光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
層35および36を垂直方向に犠牲層33が現れるまで
酸素プラズマエッチングなどを用いて溝47を掘り、そ
の溝47を通して犠牲層32および34を形成するPS
Gをドライエッチングするためのフッ化水素酸(BH
F)ガス48を供給する。その結果、素子分離されたそ
れぞれの光学素子3を駆動するためにアクチュエータ6
を構成する上電極7が動作する空間が形成される。した
がって、この段階で、光スイッチングデバイス50が製
造できる。
【0041】以上のような工程により、光スイッチング
デバイス50は製造可能であるが、図3ないし図6に示
した工程ではアクチュエータ6を構成する構造層(第1
の構造層)をフォトリソグラフィ技術で製造するのに対
し、図7ないし図10においては、光学素子3を構成す
る構造層(第2の構造層)を2P法を用いたマイクロレ
プリカ技術で製造している。したがって、上述したよう
に、本例の光スイッチングデバイス50は、ミクロンオ
ーダの微細構造体でありながら、種類の異なる製造方法
により形成される層を重ねて製造し、さらに、これらの
層で形成される微細構造をミクロンあるいはサブミクロ
ン単位で位置合わせしないと精度の高いスイッチング素
子を構成することができない。このため、異なる微細構
造の層を精度良く重ねて製造することが重要となる。
【0042】本例の製造方法では、まず、図7に示した
アクチュエータ6の層に光潜在性重合開始剤添加エポキ
シ樹脂35を塗布する際には、図12に示すように、光
潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35の温度管理をし
ている。図12に示した装置90は、光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂タンク91から定量吐出装置92に
供給配管93を介して光潜在性重合開始剤添加エポキシ
樹脂を供給するものであるが、供給配管93の途中に温
調部94を設け、温調装置95により吐出装置92から
吐出される光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35の
温度が一定になるようにしている。更に光潜在性重合開
始剤添加エポキシ樹脂塗布装置90は温調装置95およ
び温調部94により温度管理され一定温度に保たれてい
る。塗布された光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層
35は、スピンドルテーブル96が回転することによ
り、半導体基板20上に2μm程度の光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂層を形成できる。
【0043】また、第1の構造層を備えた基板上に第2
の構造物を形成するための光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂層を形成する別の手段として、スプレーコート
タイプの塗布装置を用いて塗布する方法がある。図16
に示すスプレーコート装置309は、光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂35を貯える光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂タンク300、光潜在性重合開始剤添加
エポキシ樹脂35を霧状に噴霧するためのピストンポン
プ301、ピストンポンプ301から送られる光潜在性
重合開始剤添加エポキシ樹脂量を制御する為のノズルコ
ントローラー302、霧状に噴霧された光潜在性重合開
始剤添加エポキシ樹脂を噴霧し樹脂粒径を選別するジェ
ネレーター303、ジェネレーター303で発生させた
霧状の光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を第1の構
造物が形成された基板上に塗布するためのノズル30
4、ノズル304を制御するノズルコントローラー30
5、第1の構造物が形成された基板を固定するテーブル
308から構成されている。次に、スプレー塗布装置3
09を用いた塗布方法について説明する。光潜在性重合
開始剤添加エポキシ樹脂タンク91に光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂を充填する。充填された光潜在性重
合開始剤添加エポキシ樹脂は、ピストンポンプ301に
加圧され、コントローラー302の制御信号に基づきジ
ェネレーター303で霧状に噴霧される。ジェネレータ
ー303内は樹脂の霧濃度が一定に保たれる。ジェネレ
ーター303内部の粒径の揃った部位からノズルコント
ローラー305の信号に基づきノズル304から光潜在
性重合開始剤添加エポキシ樹脂が噴射される。噴射され
た樹脂はテーブル308上に固定されたウェハ20に到
達し光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層35を形成
する。ウェハ20表面は第1の構造物によりウェハ表面
が凹凸であった場合においても、均一な膜厚で樹脂層を
形成する事ができる。
【0044】この時、必要に応じ粘度を下げる目的で希
釈液メチルエチルケトンを用い適度な粘度に希釈する。
メチルエチルケトンは揮発性が高く塗布後は速やかに蒸
発する事から、第2の構造層形成に悪影響を及ぼさず、
塗布液の粘度を下げ薄膜塗布に有効である。また、スプ
レー塗布装置309にヒーターを設けエポキシ樹脂の粘
度を下げる方法も有効である。発明者の実験によれば、
0.05Pa・S程度の粘度すると、ウェハ20上に2μ
m厚みの均一な光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層
35を形成するのに適している。
【0045】なお、本図および以下の図において、光ス
イッチング素子10の1組の構成を例示しているものが
あるが、本例の製造方法を模式的に示しているに過ぎ
ず、実際には、後述するようにワークに複数のチップが
配置され、さらに1つのチップに数千から数万単位の光
スイッチング素子がアレイ状に配置されている。
【0046】光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35
の温度は約70℃〜150℃に管理することが望まし
く、ビスフェノールF(東都化成 YDF-8170Cでは、
この温度で0.41Pa・S〜0.01Pa・S 程度の
粘度になる。特に、0.05Pa・S程度の粘度になる
ように樹脂温度を100℃程度に管理することが望まし
い。この程度の粘度に保持すると十分な流動性があり、
アクチュエータ6の層の表面にほぼ一様の膜厚で光潜在
性重合開始剤添加エポキシ樹脂35が塗布され、その
後、成形型70を加圧して膜厚管理するのも容易とな
る。
【0047】次に、このようにしてウェハ上に光潜在性
重合開始剤添加エポキシ樹脂層を形成した基板を、型転
写治具セットしてV型をしたパターンを転写する方法を
説明する。まず、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
35をアクチュエータ6の層の表面に滴下した状態の基
板20を図13に示す転写治具100にセットして、成
形型との位置合わせを行う。図13では、スピンコート
やスプレーコートにより均一な厚みの光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂層を有する基板ではなく、光潜在性
重合開始剤が基板上に滴下された状態からV型のパター
ンを転写する場合を例に説明する。転写治具100のう
ち、転写型70と、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹
脂層35が塗布されたアクチュエータ部6の間は真空ポ
ンプ140によって14.7Paに減圧されている。本例
の転写治具100は、台盤101の上に、θステージ1
02、Yステージ103およびXステージ104が配置
され、その上に基板20が設置される。したがって、こ
れらのステージ102、103および104を適当に操
作することにより基板20の位置を高精度で自由に設定
することができる。さらに、基板20を支持する部分に
はヒータ105が配置されており温調装置106により
ヒータ105の温度、すなわち、基板20の温度が制御
できるようになっている。このため、転写治具100に
基板20が設置されている間は、アクチュエータ6の層
の表面に塗布あるいは滴下された光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂35の温度は適当な粘度となるように維
持される。したがって、転写型70で型成形するときに
適当な膜厚に管理することが容易になる。
【0048】図12や図16には図示していないが、基
板20には位置決めピン107が設けられており、転写
治具100に基板20を最初に設置するときは、この位
置決めピン107の位置を転写治具100の適当なマー
クに合わせることにより基板20の位置合わせを粗調整
することができる。転写治具100は、さらに、成形型
70をホールドできる型チャック108を備えており、
成形型70をホールドした状態で基板20と平行に軸1
09を伝わって基板20の上に設置することができる。
【0049】図14に実際の基板(ウェハあるいはワー
ク)20の配置の一例を示してある。ワーク20にはチ
ップとなる領域(チップエリア)22が複数設けられて
おり、これらのエリア22がアレイ状に配置されてい
る。各々のチップエリア22は、光スイッチングデバイ
ス50に相当しており、このエリア22の内部に数千か
ら数万程度の光スイッチング素子10がアレイ状に形成
される。ワーク20の図面上の上下方向に延びる中心線
上の上下の2点に位置合わせ用の大きなマーク(ラージ
マーク)24が設けられ、左右の4点に位置合わせ用の
小さなマーク(スモールマーク)25が設けられてい
る。これらのマーク24および25は、チップエリア2
2が配列されたワーク20の中心領域23から外れた領
域29に配置されており、ワーク20および成形型70
の両方に設けられている。そして、まず、ラージマーク
24を合わせることによって粗調整され、その後、スモ
ールマーク25を合わせることによりワーク20と成形
型70が詳細に位置合わせされ、予め形成されている個
々のアクチュエータ6の上に光学素子3を作りこむこと
ができる。転写治具100は、減圧チャンバ150を備
えており、貼り合わせ時の光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂35への空気の混入や、光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂35に溶け込んだ気泡などが原因で光学
素子3に不具合が発生し歩留まりを下げるような事態と
なるのを未然に防止することができる。
【0050】図13に示した転写冶具100には、これ
らのマーク24および25により転写型70とウェア2
0との位置あわせを行う機能として、型チャック108
を貫通するように複数の光学装置(CCD)110が設
けられている。これらの光学装置110は、成形型70
のマーク24および25の上にそれぞれ配置されてお
り、成形型70を通して(透して)ワーク20に設けら
れた対応するマーク24および25を拡大してみること
により、ワーク20と成形型70とをミクロン単位ある
いはそれ以下の誤差の高精度で一致させることができ
る。一致させる工程は、オペレータが目で見ながら行っ
ても良いし、画像処理によりロボットで自動的に行うよ
うにしても良い。
【0051】本例の転写冶具100は、型チャック10
8で成形型70を保持した状態で、ワーク20をステー
ジ102、103および104を操作して適切な位置に
移動し、マーク24および25が一致すると、型チャッ
ク108で保持した成形型70をワーク20に重ねるよ
うに降ろして加圧する。このため、転写冶具100には
加圧ハンドル115が設けられており、ハンドル115
を回転すると成形型70がワーク20に押付けられる。
加圧ハンドル115は、ワーク20のほぼ中央になるよ
うに配置されており、加重は成形型70のほぼ中央を中
心として加えられる。すなわち、図14に示したワーク
20のアレンジから見ると、チップエリア22が集中し
ているワーク20の中央を中心として加圧される。加圧
するポイントとしては、ワーク20の中央ではなく、ワ
ーク20の周囲にすることも可能であるが、成形型70
およびワーク20ともに、周囲に加重が加えられると湾
曲する可能性がある。したがって、ワーク20と成形型
70との隙間が一定になりにくく、光潜在性重合開始剤
添加エポキシ樹脂を成形する際の膜厚が一定しにくい。
これに対し、成形型70あるいはワーク20の中心部を
加圧すると、成形型70あるいはワーク20が湾曲する
可能性は少なくなり、膜厚の管理がしやすい。
【0052】さらに、本例の転写冶具100では、ワー
ク20の全エリアのうち、チップエリア22が配置され
た領域23をほぼカバーできる程度の直径のロードセル
120を加圧ハンドル115で加圧するようにしてい
る。したがって、ロードセル120で圧力はチップエリ
ア22が配置された領域にわたりほぼ平均化される。こ
のため、さらに、成形型70がゆがむ可能性は小さくな
り、膜厚の管理がしやすくなる。
【0053】加えて、ロードセル120は、加圧ハンド
ル115と接触する部分116を支点として旋回できる
ようになっている。したがって、ワーク20の表面、す
なわち、アクチュエータ6の層の表面に多少の傾きがあ
ったような場合には、成形型70をワーク20に押付け
ると、その傾きに沿って成形型70も傾く。このため、
成形型70とワーク20あるいはアクチュエータ層との
間のギャップは均一に保持され、膜厚の一定した微細構
造物(第2の構造層、本例では光学素子3の層)を形成
することができる。
【0054】また、成形型70を加圧するときに、成形
型70とワーク20との間にある光潜在性重合開始剤添
加エポキシ樹脂35の量そのものが膜厚管理の障害にな
る可能性がある。すなわち、光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂35の量が多いと、それを周囲に均等に広げ
ることが難しくなり、さらに、ワーク20の面積に対し
て成形型70で成形する構造層の膜厚が非常に厚い場合
は、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35の粘度を
下げて流動性を上げても、光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂35を流動させることは非常に難しくなる。し
たがって、ワーク20あるいはアクチュエータ6の層の
上に滴下あるいは塗布する光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂量も管理することが望ましい。本出願の発明者
らの実験によると、2平方cm当りに光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂量は0.05mg程度以下に収める
ことにより、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35
を成形型の周囲まで均一に広げることができる。
【0055】さらに、本例の転写装置100は、紫外線
を発生する光源125と、光源125からの光を成形型
70を透過してスポット的に光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂層35に照射する照射装置126を備えてい
る。したがって、成形型70とワーク20(実際はアク
チュエータ6の層)で光潜在性重合開始剤添加エポキシ
樹脂35を挟み込んだ状態で光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂35の一部を光硬化できるようになってい
る。このため、転写冶具100にセットした状態で、光
潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35の一部を硬化す
ることによりワーク20と成形型70との位置関係を固
定(仮固定または仮止め)することができる。したがっ
て、これら成形型70とワーク20とを非常に精度良く
位置合わせした状態で、位置ずれなどを起こさずに転写
冶具100から外し、他の環境あるいは装置へ動かすこ
とができる。
【0056】仮止めする位置27は、図14に示すよう
に、ワーク20の内、チップエリア22に予定されてい
ない場所29が望ましい。仮止めした場所27は、光潜
在性重合開始剤添加エポキシ樹脂35を硬化するタイミ
ングおよび条件が他の部分とは異なる。したがって、微
弱とはいえ、硬化した光潜在性重合開始剤添加エポキシ
樹脂の状態が他の場所と異なり、また、仮止めした場所
27の周囲に界面が生じやすい。このため、仮止めした
場所27あるいはその周囲では光学的な性質を担保でき
ない可能性がある。しかしながら、チップエリア22か
ら外れた領域29であれば、チップを製造する際にダイ
ジングしてカットしてしまう領域なので、チップ自体の
性能には影響を与えずにすむ。そして、仮止めすること
により、チップ内のアクチュエータ6の層と、光学素子
3の層との位置合わせも精度良く維持することができ
る。
【0057】仮止めされた成形型70とワーク20は、
位置がずれない状態になっている。したがって、図15
に示すように、転写冶具100から外して光源151か
らの紫外線152を照射し、時間をかけて光潜在性重合
開始剤添加エポキシ樹脂35を硬化させることができ
る。このため、アライメントする転写治具を占有する時
間を最小限にとどめる事ができ効率的な製造が可能とな
る。
【0058】このようにして光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂35を硬化させ、アクチュエータ6の層の上
に光学素子3の層を精度良く、この段階までは歩留まり
良く形成することができる。そして、光学素子3の層を
歩留まり良く完成するためには、さらに、成形型70を
取り外すことを考慮する必要がある。すなわち、成形型
70を取り外す際に、硬化した光潜在性重合開始剤添加
エポキシ樹脂35からスムーズに成形型70が外れない
と、あるいは剥がれないと、硬化した光潜在性重合開始
剤添加エポキシ樹脂35の構造をみずから壊すことにな
り、光学素子として利用できなくなる。このため、本例
では、さらに、ワーク20のうち、チップエリア22と
して確保されている領域23の外側、すなわち、ワーク
20の周囲の領域29に対応する成形型70の表面に離
形剤を塗布することにより成形型70を剥がすときに必
要とされる力を小さくしている。したがって、ワーク2
0の全体としては成形型70を剥離しやすくなるので、
チップエリア22の中でも剥離に伴うトラブルを防止す
ることができる。
【0059】剥離しやすくすると共に、成形型70によ
って成形された光学素子3の層(第2の構造層)がアク
チュエータ6の層(第1の構造層)より剥がれにくくし
ておくことも重要である。光学素子3とアクチュエータ
6との密着性を上げる方法の1つは、アクチュエータ6
の表面をプラズマ処理することである。これにより、ア
クチュエータ6の表面が活性化されるので、その上に成
形される光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層との付
着力を高くすることができる。また、プラズマ処理する
ことによりアクチュエータ6の表面の面積が増えるの
で、その点でも接続強度を上げやすい。プラズマ処理と
しては、具体的には、真空アルゴンプラズマ、大気圧ヘ
リウムプラズマ、大気圧窒素プラズマなどの方法を挙げ
ることができる。
【0060】さらに、アクチュエータ6の表面をカップ
リング剤で処理することも有効である。カップリング剤
によりこれらの層の接合力を高くすることができるから
である。カップリング剤としては、半導体基板などの処
理にシラン系カップリングが多く用いられており、同じ
シラン系のカップリング剤で処理することによりプラズ
マ処理と同様に接続強度を上げることができる。
【0061】次に、微細構造体の性能向上と信頼性向上
を目的に、デバイス可動部を減圧封止する方法について
図2を参照して説明する。半導体基板20上に形成され
たスイッチングデバイス50上に光ガイド1を固定する
際、光ガイド1を支える支柱200上に光ガイド1を乗
せ、位置決めを行い図示しない光潜在性重合開始剤添加
エポキシ樹脂塗布装置で、一部減圧口を除き、支柱20
0に沿って光潜在性重合開始剤添加樹脂202を塗布す
る。その後、図示しない減圧チャンバにて14.7Pa程
度に減圧した状態で、減圧口を光潜在性重合開始剤添加
樹脂202で封止し、減圧チャンバに入れたまま紫外線
スポット照射装置で、紫外線を照射し硬化する。これに
より、光スイッチングデバイス50は外気と遮断され、
気体の抵抗を受けることなく動作でき、高速なスイッチ
ングが可能となる。更に、光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂で封止した事により、封止剤からのアウトガス
が無い為、信頼性も向上する。
【0062】更に、図2に示す光潜在性重合開始剤添加
エポキシ樹脂202上に、ガスバリア層201を形成す
るため、蒸着により窒化シリコンを5000Å程度成膜
する。ガスバリア層201は外部からのガスの遮断を更
に効果的にできる。従って、封止された光スイッチング
デバイス50は、半永久的に減圧環境を維持でき光スイ
ッチングユニット55の動作信頼性を飛躍的に向上させ
ることが可能になる。
【0063】以上に説明した製造方法により半導体基板
20の上にアクチュエータ6および光学素子3が垂直に
積み重ねあわされた光スイッチングデバイス50を非常
に精度良く安定して製造することができ、歩留まりを向
上できる。そして、この光スイッチングデバイス50と
光ガイド導光板1とを組み合わせることにより図1およ
び図2に基づき説明した光スイッチングユニット55を
提供することができる。したがって、本発明により、ア
クチュエータ6と光学素子3が一体となった耐久性が高
く、より高速で駆動できる光スイッチングユニット55
を歩留まり良く製造することが可能となる。また、光潜
在性重合開始剤添加エポキシ樹脂材料のポットライフ切
れによる不良発生、材料管理の工数削減が実現できる。
更に、光スイッチングユニット55の組立て後の光潜在
性重合開始剤添加エポキシ樹脂部からのアウトガスの発
生を押さえる事ができるため、アクチュエータ6は安定
的に動作する事が可能となり、品質のよい光スイッチン
グユニットを低コストで提供することが可能となる。ま
た、光スイッチングユニット55はTiNで形成された
ガスバリア層201により減圧環境を維持できる事から
デバイスの耐久性向上が図れる。よって、この光スイッ
チングユニット55を用いてより解像度が高く、耐久性
および信頼性の高い画像表示装置を低コストで提供でき
る。また、この半導体基板上に光スイッチングアレイが
形成された光スイッチングデバイス50により、光コン
ピュータ、光プリンタなどの多種多様な装置を提供する
ことが可能となる。
【0064】なお、本例では、CMOS基板の上に構造
物を構成する例を説明しているが、バイポーラ回路基
板、半導体レーザ基板あるいはその他の半導体基板上に
光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂製の微細構造物を
構築する場合に本発明を適用できることはもちろんであ
る。さらに、上記では、半導体基板上に静電アクチュエ
ータと、光学素子が垂直に積み重ねられた光スイッチン
グ素子を例に説明しているが、ピエゾ効果などの他の電
気機械的な効果を用いたアクチュエータを用いることも
可能であり、その場合も、アクチュエータと光学素子が
接触する面を予めアニールあるいはイオン照射などの方
法により面粗度を調整することにより強度の高い光スイ
ッチング素子を提供することができる。また、スイッチ
ングする対象はエバネセント波に限定されることはな
く、他の光学系においてスイッチング作用を示す光学素
子アレイも同様に製造することができる。
【0065】さらに、本発明の製造方法および微細構造
体は、光スイッチング素子および光スイッチングデバイ
スに限定されることはなく、一般のマイクロストラクチ
ャであって、素材あるいは製造方法が異なる2つの層を
積み重ねて構成するものにも適用できる。たとえば、流
体を制御できるマイクロバルブをアクチュエータで駆動
するような微細構造体、面発光レーザに集光用のレンズ
を付加した微細構造体など、適用範囲は広い。
【0066】また、積層される構造体は2層に限定され
るものではなく、3層以上の構造体に対しても本発明を
適用することは可能であり、それら複数の構造体の層を
精度良く位置合わせできると共に極めて密着度高く接合
でき、これらの構造層により一体となった微細構造体を
提供することができる。そして、上に積み重ねられる構
造体の歩留まりを高く維持できるので、下層構造がすで
に形成された高価な基板を無駄にすることがなくなる。
このため、ミクロン単位あるいはサブミクロン単位の微
小あるいは微細で複雑な構造を備えた微細構造体を低コ
ストで提供することができる。さらに、硬化後のアウト
ガス発生を押さえたエポキシ樹脂での構造物形成ができ
る事から、信頼性の向上にも寄与する。
【0067】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、マイクロ光学素子を有する光スイッチングデバイス
などのミクロンオーダの構造を有する微細構造体を製造
する際に、製造方法あるいは素材が異なる2つの構造層
を精度良く接合した状態で製造する方法を開示してい
る。したがって、本発明により、上述した光スイッチン
グデバイスなどの積層される層の種類が異なるようなハ
イブリッドな微細構造体を精度良く製造することが可能
となり、歩留まりも向上、光潜在性重合開始剤添加エポ
キシ樹脂材料の削減、安定したデバイスを製造できる。
このため、本発明によりエバネセント光を操作する光ス
イッチングデバイスなどのマイクロマシンを低コストで
量産することが可能となり、信頼性および耐久性の高い
マイクロマシンを低コストで提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エバネセント光を利用した映像表示デバイスを
用いたプロジェクタの概要示す図である。
【図2】エバネセント光を利用した映像表示デバイス
(スイッチングデバイス)の概要を示す図である。
【図3】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、半導体基板の上に第1の電極層を形成
した状態を示す図である。
【図4】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第1の電極層の上に第1の犠牲層を形
成した状態を示す図である。
【図5】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第1の犠牲層の上に第2の電極層(ば
ね層)を形成した状態を示す図である。
【図6】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第2の電極層の上に第2の犠牲層を形
成した状態を示す図である。
【図7】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、第2の電極層および犠牲層の上に光潜
在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層を設けて転写型を押
しつける様子を示す図である。
【図8】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
層に転写型を押しつけた状態を示す図である。
【図9】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセス
を示す図であり、転写型をはずしてV字型のサポート構
造を形成した状態を示す図である。
【図10】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセ
スを示す図であり、プリズムを形成した状態を示す図で
ある。
【図11】図2に示す光スイッチング素子の製造プロセ
スを示す図であり、素子分離した後に犠牲層を取り除い
た状態を示す図である。
【図12】型成形するための光潜在性重合開始剤添加エ
ポキシ樹脂を塗布する工程をさらに詳細に示す図であ
る。
【図13】型成形する際に、位置合わせおよび成形型を
合わせる工程をさらに詳細に示す図である。
【図14】ワークの配置例を示す図である。
【図15】型成形する際に、光硬化する工程をさらに詳
細に示す図である。
【図16】光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を塗布
する際に、スプレーコート方式で塗布する装置を示す図
である。
【符号の説明】
1 光ガイド 2 照明光 3 光学素子部 4 マイクロプリズム 5 V型のサポート構造 6 アクチュエータ部 7 上電極およびばね構造 8 下電極 9 アンカー 10 光スイッチング素子 11、200 ポスト(支柱) 13 ディンプル 20 半導体基板(ウェハ、ワーク) 22 チップエリア 23 チップエリアが配置された中心領域 24 ラージマーク 25 スモールマーク 27 仮止めする個所 29 チップエリアが配置されていない周辺領域 32、34 犠牲層 35、36 光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂層 50 スイッチングデバイス 55 光スイッチングユニット 70 転写型 90 光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を滴下す
る装置 91 光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂タンク 92 定量吐出装置 93 供給配管 94 温調部 95 温調装置 96 スピンドルテーブル 100 転写治具 101 台盤 102 θステージ 103 Yステージ 104 Xステージ 105 ヒータ 106 温調装置 107 位置決めピン 108 型チャック 109 軸 110 光学装置 115 加圧ハンドル 116 加重点(支点) 120 ロードセル 125 光源 140 真空ポンプ 150 減圧チャンバ 151 光源 152 光線 201 ガスバリア層 202 光潜在性重合開始剤添加樹脂 301 ピストンポンプ 302 コントローラー 303 ジェネレーター 304 ノズル 305 ノズルコントローラー 308 テーブル 309 スプレー塗布装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の構造物と該第1の構造物上に形成
    される第2の構造物を備え、前記第2の構造物は第1の
    構造物上に型転写により形成する微細構造体であって、
    第2の構造物は光潜在性重合開始剤を添加した光潜在性
    重合開始剤添加エポキシ樹脂を用いた事を特徴とする微
    細構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、微細構造体の製造工
    程において光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を加熱
    する工程をへた後、前記、光潜在性重合開始剤添加エポ
    キシ樹脂は光硬化されることを特徴とする微細構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記第1の構造物が
    フォトリソグラフィ工程を経て作られたことを特徴とす
    る微細構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1において、第1の構造層がアク
    チュエータとして機能する部分を備えている事を特徴と
    する微細構造体。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記、光潜在性重合
    開始剤添加エポキシ樹脂を60℃以上500℃以下に加
    熱する工程をへた後、光硬化により前記光潜在性重合開
    始剤添加エポキシ樹脂を硬化した事を特徴微細構造体。
  6. 【請求項6】 請求項4において、第1の構造層が静電
    アクチュエータである微細構造体。
  7. 【請求項7】 請求項4において、前記第2の構造層
    は、前記アクチュエータにより駆動される素子となる微
    細構造体。
  8. 【請求項8】 請求項6において、前記素子は、複数の
    光学素子である微細構造体。
  9. 【請求項9】 第1の構造物と該第1の構造物上に形成
    される第2の構造物を備え、前記第2の構造物は第1の
    構造物上に型転写により形成される微細構造体におい
    て、第1の構造物と第2の構造物を減圧封止する第3の
    構造物を備える微細構造体であって、第3の構造物は、
    光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂を用いた事を特徴
    とする微細構造体。
  10. 【請求項10】 請求項9の微細構造体であって、第3
    の構造物上に無機膜を成膜した事を特徴とする微細構造
    体。
  11. 【請求項11】 請求項10の微細構造体であって、第
    3の構造物上に形成された無機膜がTiNであることを
    特徴とする微細構造体。
  12. 【請求項12】 第1の構造物と該第1の構造物上に形
    成される第2の構造物を備え、前記第2の構造物は第1
    の構造物上に型転写により形成される微細構造体におい
    て、第2の構造物に光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹
    脂を用い、前記、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
    を60℃以上500℃以下に加熱し、スピンコート方式
    で第1の構造層上に第2の構造層になる光潜在性重合開
    始剤添加エポキシ樹脂を塗布する事を特徴とする微細構
    造体の製造方法。
  13. 【請求項13】 第1の構造物と該第1の構造物上に形
    成される第2の構造物を備え、前記第2の構造物は第1
    の構造物上に型転写により形成される微細構造体におい
    て、第2の構造物に光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹
    脂を用い、前記、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
    を、希釈溶剤メチルエチルケトンで希釈し粘度を下げた
    状態で、第1の構造物上に第2の構造層になる光潜在性
    重合開始剤添加エポキシ樹脂を塗布する事を特徴とする
    微細構造体の製造方法。
  14. 【請求項14】 第1の構造物と該第1の構造物上に形
    成される第2の構造物を備え、前記第2の構造物は第1
    の構造物上に型転写により形成される微細構造体におい
    て、第2の構造物に光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹
    脂を用い、前記、光潜在性重合開始剤添加エポキシ樹脂
    を、スプレーコート方式で第2の構造層になる光潜在性
    重合開始剤添加エポキシ樹脂を塗布する事を特徴とする
    微細構造体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005178236A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Matsushita Electric Works Ltd 微細形状物の成形方法及び成形機
JP2006136487A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Fujinon Corp 電子内視鏡用撮像装置
JP2007173811A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Princo Corp Ic整合基板とキャリアの結合構造、及びその製造方法と電子デバイスの製造方法
JP2007529333A (ja) * 2004-03-15 2007-10-25 ジョージア テック リサーチ コーポレイション 微小電気機械システム用のパッケージングおよびその製造方法

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