JP2002286644A - ガス化装置 - Google Patents

ガス化装置

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JP2002286644A
JP2002286644A JP2001083570A JP2001083570A JP2002286644A JP 2002286644 A JP2002286644 A JP 2002286644A JP 2001083570 A JP2001083570 A JP 2001083570A JP 2001083570 A JP2001083570 A JP 2001083570A JP 2002286644 A JP2002286644 A JP 2002286644A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス化装置において、生成ガスの体積分率を高
速、低ノイズで正確に分析し、分析結果からガスの正確
な発熱量を計算し、その結果に基づいて、生成ガスの発
熱量を正確に制御する。 【解決手段】燃料と空気の供給により、燃焼用のガスを
生成するガス化炉1と、前記ガスの体積分率を分析する
ことにより発熱量の算出を行うガス発熱量測定装置42
と、前記算出結果に基づいて、前記燃料及び前記空気の
供給の制御を行う制御部7とを具備し、前記ガス発熱量
測定装置42は、試料としてのガスにレーザー光を照射
するレーザー部と、前記レーザー光の照射により前記ガ
スから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行う分光部
と、前記計測の結果から前記ガスの発熱量を算出する計
算部とを具備する、ガス化装置を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス化装置及びガ
ス発熱量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭ガスを使用した火力発電では、石炭
ガス化炉にて生成される生成ガスを燃料として、ガスタ
ービン等の発電設備に導いて使用している。発電設備で
は、目標とする発電量が設定されており、それに応じて
生成ガスの発熱量を制御することが重要である。そし
て、それに対応して、ガス化炉において生成ガスの発熱
量(組成)が許容範囲に入るように制御することが、非
常に重要である。発電所の発電目標設定値は、常に一定
ではなく、電力の使用量の変化や、時間帯等により短時
間で変更されることも多い。従って、それに応じて、ガ
ス化炉において生成される生成ガスの発熱量も迅速に制
御される必要がある。
【0003】従来の生成ガス発熱量の制御では、発熱量
は生成ガスを分析し、その分析結果を解析することで制
御を行っていた。図6を参照して、ガス化炉1における
発熱量制御について説明する。ガス化炉1、生成ガス
2、サンプリング管3、前処理部4、ガスクロマトグラ
フ5、計算部6、制御部7、燃料供給弁13、空気供給
弁14、配管12、ガスタービン11からなる。ガス化
炉1は、燃料(石炭)供給弁13及び空気供給弁14を
経由して石炭及び空気の供給を受け、ガスタービン11
用の高温・高圧(例えば400℃、30気圧)の生成ガ
ス2を生成する。生成ガス2は、ガスタービン11に送
られる配管12の途中で、その一部が、サンプリング管
3によりサンプリングされ、発熱量を測定する測定系へ
流入する。サンプリングガスは、前処理部4において、
降圧、冷却、除塵、除湿等の前処理を行い、常圧・常温
で乾燥し、かつ塵を含まない状態にする。その後、サン
プリングガスをガスクロマトグラフ5へ送る。ガスクロ
マトグラフ5では、サンプリングガスである生成ガス2
が分析され、ガスの組成が測定される。ここで通常、石
炭ガス化生成ガスの場合は、およそ一酸化炭素(CO)
10〜30%、水素(H)4〜10%、メタン(CH
)0.1〜1%、二酸化炭素(CO)5〜10%、
窒素(N)55〜70%の範囲の体積分率を有する。
そして、上記分析結果に基づいて、計算部6にいおて、
単位体積当たりの発熱量Q(kcal/Nm)が計算
される。生成ガス2の発熱量Qの計算結果は、制御部7
へ出力される。そして、この結果とその時点での発熱量
目標値との相違に基づいて、ガス化炉1内へ投入される
石炭量、空気量が設定される。設定に基づき、それぞれ
燃料供給弁13及び空気供給弁14により石炭及び空気
の供給量が制御され、生成ガス2の発熱量が常に許容範
囲に入るように制御される。
【0004】このように従来の石炭ガス化による発電に
おいては、ガス化炉1による生成ガス2の発熱量をガス
クロマトグラフ5で測定し、その値によってガス化炉1
を制御していた。しかし、ガスクロマトグラフ5では、
分析に要する時間が5分程度以上必要とされるため速や
かな制御が出来なかった。これに対し、近年の火力発電
では、昼間と夜間との使用電力が大幅に違うため、従来
に比べて負荷(発電量)の時間的変動が大きくなってお
り、これに対処するため最大負荷を100%とすると、
少なくとも1分間当たり3%程度の負荷を増減できる制
御速度が要求されている。従って、この速度に対応でき
るガス化炉が必要であり、これに組み合わせるガス発熱
量測定装置が要求されている。また、前処理部4におい
て、降圧、冷却、除塵、除湿時にトラうブルが起きる場
合があり、メインテナンスに労力を要していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ガスの組成を高速に測定することが可能なガス発熱
量測定装置及びガス発熱量測定方法を提供することであ
る。
【0006】本発明の他の目的としては、ガスの組成を
低ノイズで計測することが可能なガス発熱量測定装置及
びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0007】本発明の更に他の目的は、ガスの組成を前
処理を行うことなく計測することが可能なガス発熱量測
定装置及びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0008】本発明の更に他の目的は、ガスの組成か
ら、ガスの発熱量を計算することが可能なガス発熱量測
定装置及びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0009】本発明の更に他の目的は、生成ガスの組成
を高速、低ノイズかつ前処理無しで測定することが可能
なガス化装置及びガス化方法を提供することである。
【0010】本発明の更に他の目的は、生成ガスをサン
プリングすることなく、配管途中で直接にガス組成分析
し、その結果に基づいてガス発熱量を精度良く求めるこ
とが可能なガス化装置及びガス化方法を提供することで
ある。
【0011】本発明の更に他の目的は、生成ガスの発熱
量を正確に制御することが可能なガス化装置及びガス化
方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のガス発熱量測定装置は、試料としてのガス
にレーザー光を照射するレーザー部(図2(a)、3
9)と、前記レーザー光の照射により前記ガスから生じ
る散乱光の波長毎の強度の計測を行う分光部(図2
(a)、41)と、前記計測の結果から前記ガスの発熱
量を算出する計算部(図2(a)、6)とを具備する。
【0013】また、本発明のガス発熱量測定装置は、前
記ガスが、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、前
記レーザー光(図2(a)、30)の波長が、前記有機
芳香族物質からの散乱光の強度が前記計測対象ガスから
の散乱光の強度より小さいように選択されている。
【0014】更に、本発明のガス発熱量測定装置は、前
記レーザー光(図2(a)、30)が、波長が400n
m以上である。
【0015】更に、本発明のガス発熱量測定装置は、前
記レーザー光(図2(a)、30)が、偏向した光であ
る。
【0016】上記課題を解決するために、本発明のガス
化装置(図1、30)は、燃料と空気の供給により、燃
焼用のガスを生成するガス化炉(図1、1)と、レーザ
ー光を用いて前記ガスの分析を行い、前期分析の結果に
基づいて前記ガスの発熱量の算出を行うガス発熱量測定
装置(図1、42)と、前記算出の結果に基づいて、前
記燃料及び前記空気の供給の制御を行う制御部(図1、
7)とを具備する。
【0017】また、本発明のガス化装置は、前記ガス発
熱測定装置(図1、42)が、上記のいずれかのガス発
熱量測定装置(図2(a))である。
【0018】上記課題を解決するために、本発明のガス
発熱量測定方法は、試料としてのガスにレーザー光を照
射するステップと、前記レーザー光の照射により前記ガ
スから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行うステッ
プと、前記計測の結果から前記ガスの発熱量を算出する
ステップとを具備する。
【0019】また、本発明のガス発熱量測定方法は、前
記ガスが、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、前
記レーザー光の波長が、前記有機芳香族物質からの散乱
光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より小
さいように選択されている。
【0020】更に、本発明のガス発熱量測定方法は、前
記レーザー光の波長が、400nm以上である。
【0021】更に、本発明のガス発熱量測定装置は、前
記ガスからの前記レーザー光の反射光(図2(b)、3
5)以外の散乱光(図2(b)、31)について、波長
毎の強度の計測を行う。
【0022】上記課題を解決するために、本発明のガス
化方法は、燃料と空気の供給により、燃焼用のガスを生
成するするステップと、前記ガスにレーザー光を照射す
るステップと、前記レーザー光の照射により前記ガスか
ら生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行うステップ
と、前記計測の結果に基づいて、ガスの発熱量の算出を
行うステップと、前記算出の結果に基づいて、前記燃料
及び前記空気の供給の制御を行うステップとを具備す
る。
【0023】なお、本明細書中における「散乱光」に
は、蛍光を含んでいる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明であるガス化装置の
実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。本
実施例においては、発電用ガスタービンに用いられるガ
ス化装置を例に示して説明するが、他の用途に用いられ
るガス化装置においても、適用可能である。
【0025】(実施例1)本実施例では、本発明である
ガス化装置用のガス発熱量測定装置に関する実施の形態
について、添付図面を参照して説明する。
【0026】図2(a)は、本発明であるガス発熱量測
定装置42の実施例を示すブロック図であり、レーザー
部39、サンプル部40、分光部41(以上、ガス測定
部8)、計算部6からなる。レーザー部39は、レーザ
ー15、パワーメータ16、第1のミラー17、第1の
レンズ18を具備し、レーザー光30を出力し、測定試
料であるガスへ照射する機能を有する。サンプル部40
は、第1の石英窓19、第2の石英窓20、電磁弁1
0、計測部9、パージガイド21を具備し、レーザー光
30が照射できるような形で、測定試料であるガス(以
下、「測定ガス」という)を内部に保持又は流通させる
機能を有する。分光部41は、第2のレンズ22、第3
のレンズ23、偏光素子24、第2のミラー25、フィ
ルター26、第4のレンズ27、分光器28、ICCD
(Intensified Charge Coupl
ed Device)カメラ29を具備し、測定ガスか
らの散乱光31を分光し、測定データとして取り出す機
能を有する。計算部6は、測定データに基づいて、測定
ガスの発熱量を計算する機能を有する。レーザー光を用
いた本ガス発熱量測定装置42により、短時間に正確に
ガスの発熱量を計算することが可能である。
【0027】以下に、本発明であるガス発熱量測定装置
42の構成の詳細について、図2(a)を参照して説明
する。まず、レーザー光30を出力しサンプルガスへ照
射する機能を有するレーザー部39について説明する。
レーザー15は、レーザー発信によりレーザー光30を
出力する。使用するレーザー15により、レーザー光3
0の波長は、所望のものを使用できる。本発明では、波
長が可視光域(400nm〜700nm)のものを使用
する。ここでは、532nmのものを用いている。
【0028】パワーメータ16は、レーザー15から出
力されるレーザー光30の進行方向上の、レーザー15
の先にやや離れてある。その測定部にレーザー光30を
通過させることにより、レーザー光30の出力を正確に
計測することが出来る計測機器である。この数値をフィ
ードバックし、レーザー15の出力を調整する。
【0029】第1のミラー17は、レーザー15から出
力されたレーザー光30の進行方向上の、パワーメータ
16の先にやや離れてある。レーザー光30の進行方向
を、測定ガスの存在する測定領域44の方向へ、反射に
より向けさせるミラーである。
【0030】第1のレンズ18は、第1のミラー17で
反射したレーザー光30の進行方向(測定領域44の方
向)上であって、ミラーから少し離れた位置にある。レ
ーザー光30が測定領域44の中心で焦点を結ぶよう
に、レーザー光30を絞るレンズである。
【0031】次に、レーザー光30が照射できるような
形で測定ガスを保持又は流通させる機能を有するサンプ
ル部40について説明する。サンプル部40は、測定ガ
スが内部に存在しており、それを外部(レーザー部39
や分光部41を含む)にリークさせないような構造をし
ている。測定用のレーザー光30及び測定ガスからの散
乱光は、石英窓から出入りする。
【0032】第1の石英窓19及び第2の石英窓20
は、サンプル部40の端にあり、レーザー光30の進行
方向上の、第1のレンズ18の先にやや離れてある。測
定ガスを外部へ流出させないための石英ガラス製の窓で
ある。石英ガラス製にしているのは、その窓をレーザー
光30が透過できるようにするためである。また、2重
にしているのは、石英ガラス1枚が破損しても、ガスが
リークしないようにするためである。
【0033】電磁弁10は、レーザー光30の進行方向
上の、第2の石英窓20の先にやや離れてある。測定ガ
スを保持又は流通させる部分(計測部9)と、第2の石
英窓20のある部分とを隔絶するための弁である。通常
は、閉じている。これは、長期間に渡り第2の石英窓2
0を測定ガスに曝しておくと、ガス中の不純物により、
石英窓が汚れてしまい、その汚れの為にレーザーによる
測定が困難となるからである。測定時には開口される。
【0034】パージガイド21は、レーザー光30の進
行方向上の、電磁弁10の先にやや離れてある。測定ガ
スが、第1の石英窓19及び第2の石英窓20の方へ流
入するのを防止するために、電磁弁10の脇から計測部
9へ向けてパージガスを流す際のガイドである。測定ガ
スの流入を防止するのは、測定ガス中の不純物により第
2の石英窓20が汚されるのを防止するためにである。
石英窓の汚れは、レーザー光30による測定を困難にす
るからである。
【0035】計測部9は、レーザー光30の進行方向上
の測定ガスが存在している測定領域44を含む場所であ
り、パージガイド21に隣接している。測定領域44に
存在するガスにレーザー光30が照射されることにより
測定がなされる。ただし、測定ガスは、この場所で留ま
っている必要は無く、計測部9がガス供給用の配管の途
中であって、その配管中をガスが滞留することなく流れ
ている(動いている)状態であっても測定可能である。
【0036】ここで、サンプル部40に関して、図3を
参照して、更に説明する。図3(a)は側面図であり、
(b)はその平面図である。(a)において、測定ガス
流路37とサンプル部40とは計測部9において交差し
ている。測定ガスは、測定ガス流路37を通り、計測部
9に達し、更にその先へ流れていく。その際、計測部9
での測定ガスの密度が高くなるように、測定ガス流路3
7の内部に絞り36が設置されている。設置場所は、絞
り36の出口が計測部9の直前になる位置である。密度
を高くするのは、レーザー光30が測定ガスに照射され
てできる散乱光の強度を上げて、測定精度を向上させる
ためである。絞り36の入口(計測部9と反対の側)は
測定ガス流路37と同等の円形の開口広さであるが、流
路を絞り、計測部9の直前の出口では、狭い楕円形の開
口広さとなっており(図3(b))、計測部9の測定領
域44において著しく測定ガスの密度が高くなる。
【0037】また、パージガス38は、電磁弁10の脇
からパージガイド21を通過し、測定ガス流路37へ排
出される。このガスの流れにより、測定ガスが、測定ガ
ス流路37から第2の石英窓20の方へ流れ込まない。
通常、パージガス38として不活性ガスを用い、ここで
は、窒素ガスを使用している。
【0038】次に、測定ガスからの散乱光31を分光
し、測定データとして取り出す機能を有する分光部41
について説明する。ここで、測定領域44の中心部から
散乱された散乱光31は、レーザー光30からある角度
をなして、計測部9−パージガイド21−電磁弁10−
第2の石英窓−第1の石英窓19を経て、分光部41へ
入る。第2のレンズ22及び第3のレンズ23は、サン
プル部40の第1の石英窓19の外側の、散乱光31の
進行方向上に、この順にやや離れてある。測定ガスによ
る散乱光31を集光するためのレンズである。
【0039】偏光素子24は、散乱光31の進行方向上
の、第3のレンズ23の先にやや離れてある。散乱光3
1の内、特定の偏光面を持つ散乱光32のみを進行方向
は変えずに透過させる偏光素子である。
【0040】第2のミラー25は、散乱光32の進行方
向上の、偏光素子24の先にやや離れてある。散乱光3
2の進行方向を曲げて分光器28方向へ導くミラーであ
る。
【0041】フィルター26は、第2のミラー25で曲
げられた散乱光32の進行方向上の、第2のミラー25
の先にやや離れてある。特定の波長の散乱光33のみ透
過させるフィルター26である。ここでは、570〜7
00nmの光が透過するフィルターを使用する。
【0042】第4のレンズ27は、散乱光33の進行方
向上の、フィルター26の先にやや離れてありる。散乱
光33を分光器28に集光する。
【0043】分光器28は、散乱光33の進行方向上の
第4のレンズ27の先にある。充分に狭い複数の波長領
域に散乱光33を分光する。
【0044】ICCDカメラ29は、分光器28に接続
されている。光の強度を計測する光電子増倍型のデバイ
スである。分光器28で分光された各波長の光の強度を
計測する。
【0045】次に、測定データに基づいて、サンプルガ
スの発熱量を計算する機能を有する計算部6について説
明する。計算部6は、各波長毎の散乱光33の強度か
ら、ガスの体積分率を計算する。そのガスの体積分率か
ら、ガスの発熱量が計算できる。
【0046】次に、本発明であるガス化装置のガス発熱
量測定装置42の実施例に関する動作について、図2、
図3、図4、図7を参照して説明する。
【0047】まず、ガス発熱量測定装置42に用いられ
るラマン散乱分光法の測定原理について説明する。波数
ν(波長λの逆数)のレーザー光を物質に照射し、その
散乱光を分光すると、ν、ν±ν、ν±ν、…のよ
うな波数を持つ散乱光が得られる。この内、ν±ν
相当する散乱をラマン散乱といい、ν−νを持つ成分
をストークスラマン散乱、ν+νを持つ成分をアンチ
ストークスラマン散乱という。通常、ラマン散乱として
測定されるのは、ストークスラマン散乱である。また、
νをラマンシフトといい、物質固有の値を取る。すな
わち、ラマン散乱光におけるラマンシフトνを計測す
ると、レーザー光を散乱した物質が何であるかの定性分
析が可能となる。物質は混合されていても構わない。加
えて、ラマン散乱光の強度は存在する分子数に比例する
ので、散乱光の強度を測定することで定量分析も可能で
ある。図7において、縦軸はラマン散乱光の強度、横軸
は散乱光の波長(=1/(ν−ν))である。各物質
(CO、CO、Nなど)により、ラマン散乱光の波
長が決まっているので、その波長の位置で物質が同定で
き、また、各散乱光強度から、各物質の体積分率が計算
できる。
【0048】以上から、ラマン散乱が、混合物の定性及
び定量分析において有用であることが分かる。ただし、
測定する物質の量が多く存在する必要がある。また、ラ
マン散乱光の強度は、νの4乗に比例し、波長が長いレ
ーザー光を使用する場合、散乱光の強度は著しく低下す
る。従って、波長の長過ぎるレーザーは用いられない。
【0049】次に、本発明であるガス発熱量測定装置4
2に関する動作について、図2、図3、図4を参照して
説明する。まず、図2(a)において、レーザー15か
らレーザー光30が発射される。本実施例では、レーザ
ー光30は、パルスの形で発射し、それと同期を取った
分光器28及びICCDカメラ29により散乱光33の
計測が行われる。また、継続的にレーザー光30を発射
し、それの散乱光33を計測することも可能である。
【0050】また、本実施例では、可視光である波長5
32nmのレーザーを使用する。レーザー波長の選択
は、以下のような観点から行った。もし、400nmよ
り波長の短い355nmの紫外光レーザーでは、測定ガ
ス中の有機化学物質の芳香族成分からの散乱光が強くな
り、それがノイズ光として測定に悪影響を及ぼす。ま
た、逆に、波長が長すぎると、ラマン散乱光の強度が低
下してしまい、検出が困難になる。従って、本実施例で
は、測定ガス中の芳香族成分からの散乱光がほとんど無
く、かつ、測定対象物質(CO,CO,N,C
,HO,H)からの散乱光が十分の強度を得ら
れる、レーザー波長を選択した。
【0051】また、レーザー光30は、偏向した光であ
る偏光を用いる。偏光のレーザー光を出力するレーザー
を使用しても良いし、偏光素子を通過させたレーザー光
を使用しても良い。そのようなレーザー光30を用いる
と、測定ガスからの散乱光31の内、ラマン散乱光以外
の単なる散乱光は偏光ではないので、途中に入れた偏光
素子24により、それらのほとんどはカットされる。従
って、偏光であるラマン散乱光のみが、偏光素子24を
透過することができ、ノイズ光の抑制された測定結果が
得られるのである。
【0052】レーザー光30は、計測部9の中心付近の
測定領域44で焦点を結ぶように、ミラー17で方向を
曲げられ、第1のレンズ18で絞られる。そして、サン
プル部40の第1の石英窓19及び第2の石英窓20を
透過し、測定ガスの存在する計測部9へ到達する。
【0053】図2(a)の計測部9において、測定用の
レーザー光30は測定領域44の測定ガスに入射する
と、測定ガスに散乱されて、強度の強い反射光35とそ
の他の散乱光となる。図2(b)において、反射光35
は、レーザー光30がそのまま反射した反射光であり、
測定したい測定ガスからのラマン散乱光に比較して非常
に強度が強い。従って、反射光35が、後段の分光部4
1に進入して測定の妨げとなることがないように、測定
する散乱光は、反射光35の方向から角度をずらした、
散乱光31とする。散乱光31の測定により、角度のず
れた反射光35の影響は受けずに済む。散乱光31の方
向は、レーザー光30と反射光35が成す角を二等分す
る方向から、ある角度だけずれた方向とする。その角を
散乱角αと呼ぶことにする。散乱角α34は、5〜30
度であり、本実施例では、5度である。散乱角α34が
小さいほど、散乱光31の強度は強くなり、測定精度が
向上するが、反射光35の影響も強くなる。逆に散乱角
α34が大きいほど、散乱光31の強度は弱くなるが、
反射光35の影響も弱くなる。従って、両者の兼ね合い
と、他の測定条件等を勘案し、適切な値を選択する。
【0054】散乱光31は、第2の石英窓20及び第1
の石英窓19を経由して第2のレンズ22及び第3のレ
ンズ23で集光される。測定に用いる光の強度を高める
ためである。
【0055】そして集光された散乱光31は偏光素子2
4を通過し、偏光である散乱光32となる。このとき、
偏光素子24と同じ偏光面を持った散乱光しか偏光素子
24を通過できない。レーザー光30は、偏光であるの
で、そのラマン散乱光も偏光である。しかし、単なる乱
反射光や蛍光は、偏光ではないので、この時点でカット
することが可能である。
【0056】さらに、散乱光32は、第2のミラー25
で分光器28へ向けて反射された後、フィルター26
で、波長が570nm〜700nm以外の成分がカット
された、最終的な散乱光33となる。フィルター26に
より、残っていたレーザー光30の反射成分(波長53
2nm)を除去することが出来る。この散乱光33は、
ノイズ光やレーザー光30の反射光35をほとんど含ま
ない、計測対象ガスからのラマン散乱光である。
【0057】最終的に得られた散乱光33は、分光器2
8に入いる。そこで、各波長毎のチャンネルに分けられ
る。そして、各波長毎の光の強度をICCDカメラ29
により測定することにより測定結果が得られる。
【0058】測定された各波長におけるラマン散乱光の
分析結果(各波長における散乱光33の強度のデータ)
は、計算部6に出力され、そこで発熱量が計算される。
計算は、ガスの分析結果において、波形の強度のピーク
を示す波長から物質を同定し、強度からその物質の体積
分率を計算する。そして、その体積分率に、各ガス成分
の標準状態における単位体積当たりの発熱量を掛け合わ
せれば、各ガス成分毎の単位体積当たりの発熱量が計算
できる。その合計が、生成ガス2全体の単位体積当たり
の発熱量である。
【0059】図4において、本実施例1のガス発熱量測
定装置42を用いて、ガス化装置で生成されたガスを測
定した結果を示す。(a)、(b)とも、縦軸は、散乱
光33の信号強度(最大値で正規化)、横軸は、計測チ
ャンネルである。計測チャンネルは、波長に対応してい
る。そして、(a)は、波長355nmの紫外光レーザ
ーによる計測結果であり、(b)は、波長532nmの
本実施例での可視光レーザーによる計測結果である。図
で明らかなように、(a)では、その有機芳香族物質か
らの散乱光であるノイズ光が非常に大きく、測定対象物
質(CO,CO,N,CH,HO,H)の信
号のS/Nに悪影響を与えている。しかし、(b)の本
実施例の波長532nmのレーザー光30では、ノイズ
光の影響がほとんど無くなっている。
【0060】本実施例で示したガス発熱量測定装置42
では、(1)レーザー光30の波長を紫外域から可視域
にしたことにより、有機芳香族物質からの散乱光をほぼ
ゼロに抑えることが可能となる、(2)偏光であるレー
ザー光30を使用しているので、ラマン散乱光も偏光で
あり、従って、偏光素子24により、他のノイズとなる
散乱光等は除去される、(3)レーザー光30の反射光
35の方向からある角度を成す方向の散乱光31を計測
しているので、強度の非常に大きい反射光35の影響を
少なく出来る、等の効果により測定精度を大きく向上さ
せる効果がある。
【0061】また、パージガス38を導入することによ
り、前処理無しで、ガス発熱量測定装置42を汚染する
ことなく、配管12中のガスを直接測定することが可能
となり、従って、高速で測定が可能となる。
【0062】なお、本実施例で使用されている、ミラー
およびレンズは、レーザー15、計測部9および分光器
28の位置関係により、本発明の技術的思想の範囲で増
減することや、位置が変更することが可能であり、上記
実施例の形態に拘束されるものではない。
【0063】(実施例2)次に、本発明であるガス化装
置の第二の実施の形態に関して、添付図面を参照して説
明する。本実施例では、発電用ガスタービンに用いられ
るガス化装置にを例に示して説明するが、他の用途に用
いられるガス化装置においても、適用可能である。
【0064】以下、本発明であるガス化装置の実施例の
構成に関して、添付図面を参照して説明する。図1を参
照して、本実施例では、燃料及び空気をガス化炉1へ供
給し、生成した生成ガス2は、配管12を通り、ガスタ
ービン11へ供給される。その際、ガスタービン11に
供給する生成ガス2の発熱量を正確に制御する必要があ
る。その制御は、実施例1で説明したガス発熱量測定装
置42を使用して行う。すなわち、実施例1のガス発熱
量測定装置42をガス化装置に組み込む。そして、配管
12の途中において、ガス測定部8を用いて、配管12
を流れる生成ガス2のラマン散乱光の測定を行う。その
測定結果に基づき、計算部6にて生成ガス2の組成を計
算する。計測から計算結果が出るまでの時間は非常に短
時間である。そして、その計算値に基づいて、制御部7
で、ガス化炉1に供給する燃料および空気を制御する。
このようにして、本発明により、ガス化炉1において生
成される生成ガス2の発熱量が正確に制御される。
【0065】本発明であるガス化装置の構成について、
詳細に説明する。ガス化炉1は、燃料及び空気の供給を
受け、燃料及び空気を理論空燃比を小さくして不完全燃
焼させ、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタン
(CH)等を生成させ、燃料ガスとして取り出すもの
である。本実施例では、燃料として石炭を用いている。
【0066】生成ガス2は、ガス化炉1により生成した
ガスである。石炭ガス化の場合、生成ガス2は、およそ
一酸化炭素(CO)10〜30%、水素(H)4〜1
0%、メタン(CH)0.1〜1%、二酸化炭素(C
O2)5〜10%、窒素(N )55〜70%の範囲の
体積分率を有する。
【0067】配管12は、ガス化炉1とガスタービン1
1を結ぶ配管であり、ガス化炉1で生成した生成ガス2
のガスタービン11への流路である。
【0068】ガスタービン11は、火力発電において、
発電用に用いられるタービンである。生成ガス2の供給
により運転している。
【0069】計算部6、ガス測定部8、計測部9、電磁
弁10は、実施例1で説明したガス発熱量測定装置42
の一部である。計測部9は、配管12とガス測定部8と
が交わっている場所である。この場所において、生成ガ
ス2がガス発熱量測定装置42により、その発熱量を測
定される。また、実施例1の測定ガス流路37は、本実
施例においては、配管12に相当し、絞り36は、配管
12内に設置されている。計算部6の生成ガス2の発熱
量の計算結果は、制御部7に出力される。その他の各部
は、実施例1と同様なので説明は省略する。
【0070】制御部7は、計算部6において計算された
発熱量と、その時点で必要とされる発熱量(外部から入
力)とを比較し、その差を計算する。そして、その結果
に基づいて、生成ガス2の発熱量が必要とされる発熱量
になるように、燃料供給弁13及び空気供給弁14の制
御で燃料及び空気の増減を行う。燃料及び空気の増減量
は、例えば、燃料及び空気の組成から生成ガスの組成を
求め、発熱量を計算する方法において、燃料及び空気の
組成を逐次代入する方法や、逆計算を行なう方法で計算
できる。なお、制御部7の機能を計算部6に行わせるこ
とも可能である。
【0071】燃料供給弁13及び空気供給弁14は、そ
れぞれ燃料及び空気をガス化炉1へ供給するための弁で
あり、制御部7により制御される。
【0072】次に、本発明であるガス化装置の実施例の
動作について、図面を参照して説明する。図1を参照し
て、ガス化炉1では、燃料である石炭及び空気の供給を
受けて、ガスタービン11用の燃である生成ガス2を生
成している。生成ガス2の組成は、ガス化炉1の燃焼条
件により決まる。また、ガスタービン11に必要な生成
ガス2の発熱量は、ガスタービン11の運転条件で決ま
る。従って、ガスタービン11の運転条件に応じて、ガ
ス化炉1の燃焼条件を対応させ、所望の生成ガスを生成
する必要がある。燃焼条件の制御は、ガス発熱量装置装
置42による発熱量分析の結果に基づき、燃料である石
炭及び空気の供給を制御することで行う。以下に、本発
明であるガス化装置の動作について、詳細に説明する。
【0073】ガス化炉1は、燃料及び空気(必要に応じ
て水蒸気)の供給を受け、それらを高温高圧下で空気と
燃料の比を理論空気燃料費より小さくし、不完全燃焼さ
せ、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタン(CH
)を主な燃料ガス成分とする生成ガス2を生成する。
ガス化炉1の運転温度、運転圧力、燃料及び空気の供給
量により、生成ガス2における各成分の体積分率が決ま
る。
【0074】ガス化炉1で生成された生成ガス2は、配
管12を通りガスタービン11へ供給される。その際、
配管12の途中に組み込まれたガス発熱量測定装置42
により、生成ガス2の発熱量の測定を行う。ここでは、
配管12からサンプリング管等により生成ガス2の一部
を測定装置に導く、という間接的な測定ではなく、配管
12中の生成ガス2を直接測定する。直接測定により、
ガスタービン11へ供給される生成ガス2の発熱量をよ
り速く、より正確に測定することが可能となる。
【0075】ガス発熱量測定装置42における動作は、
実施例1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0076】ガス発熱量測定装置42により算出された
生成ガス2の発熱量は、制御部7へ送られる。そして、
そこで、算出された発熱量と必要とされる発熱量とを比
較する。そして、その結果に基づいて、所望の発熱量に
なるように、運転条件を変化させる。運転条件として、
ここでは、燃料及び空気を増減させる。増減方法は、制
御部7が前述の算出結果に基づいて計算した所望の供給
量になる用に、燃料供給弁13及び空気供給弁14の制
御を行う。なお、他の運転条件(ガス化炉1の運転温
度、運転圧力等)の制御により、生成ガス2の成分を制
御することも可能である。
【0077】カラムを用いたガスクロマトグラフとは異
なり、レーザー光を利用しているので、前処理の必要が
無く、測定が迅速で応答性が非常に良い。また、配管1
2の生成ガス2を直接分析しているので、分析結果が非
常に正確である。従って、正確な制御が必要なガスター
ビン11の生成ガス2の発熱量を、常に最適に制御する
ことが可能となる。
【0078】(実施例3)次に、本発明であるガス化装
置の第三の実施の形態に関して、添付図面を参照して説
明する。本実施例では、発電用ガスタービンに用いられ
るガス化装置にを例に示して説明するが、他の用途に用
いられるガス化装置においても、適用可能である。
【0079】以下、本発明であるガス化装置の実施の形
態に関して、添付図面を参照して説明する。図5を参照
して、本実施例のガス化装置は、実施例2のガス発熱量
測定装置42が配管12内の生成ガス2を直接分析する
のに対して、サンプル管3によりサンプリングした生成
ガス2の一部をガス発熱量測定装置42で測定する点
が、実施例2と異なる。その他の構成及び動作は、実施
例2と同様である。本実施例においても、ガス化炉1に
おいて生成される生成ガス2の発熱量が正確に制御され
る。
【0080】次に、本発明であるガス測定装置の実施例
の構成について、詳細に説明する。図5を参照して、サ
ンプリング管3は、ガス化炉1で生成された生成ガス2
(CO、H、CH等)が流れる配管12から、測定
試料として生成ガス2の一部を抜き取る。抜き取りは、
連続的な小流量の生成ガス2の分流とすることや、少量
だけの抜き取りとすることが可能である。
【0081】前処理部4は、サンプリング管3で採取さ
れた生成ガス2に対し、降圧、冷却、除塵、除湿等の
後、常圧・常温で乾燥し、かつ塵を含まない状態にする
前処理を行うことが可能である。前処理が不必要な場合
には、処理を行わずに生成ガス2を通過させることも可
能である。
【0082】計測部9は、前処理部4を通り出てきた生
成ガス2を、レーザー光30を用いて分析測定する場所
である。
【0083】上記以外の本実施例における各構成部は、
実施例2と同様なので、説明を省略する。
【0084】次に、本発明であるガス化装置の実施例の
動作について、図面を参照して説明する。ガス化炉1
は、燃料及び空気(必要に応じて水蒸気)の供給を受
け、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタン(CH
)を主な燃料ガス成分とする生成ガス2を生成する。
【0085】ガス化炉1で生成された生成ガス2は、配
管12を通りガスタービン11へ供給される。その際、
配管12の途中で、サンプリング管3が、生成ガス2の
一部を採取する。採取された生成ガス2は、前処理部4
へ入る。前処理部4においては、ガスが非常に汚れてい
る場合等において必要に応じて前処理を行う。ただし、
生成ガス2が清浄ならば、必ずしもその必要はない。前
処理部4から出た生成ガス2は、ガス発熱量測定装置4
2の計測部9において、生成ガス2の発熱量の測定を行
う。測定済みの生成ガス2は、元の配管12に戻すか、
又は、排気する。
【0086】ガス発熱量測定装置42における動作を含
むその他の動作は、実施例1及び実施例2と同様である
ので、ここでは説明を省略する。
【0087】本実施例では、実施例2と異なり、配管1
2上でガス発熱量の測定を行っていない。配管や装置上
の要請により、配管12に直接にガス発熱量測定装置4
2を接合しない場合や、生成ガス2の状態により、分析
前に前処理が必要な場合等において、本実施例のケース
を用いることが可能である。
【0088】また、本実施例では、実施例2と異なり、
前処理部4での前処理を行う場合には、迅速性という面
で若干実施例2に劣るものの、ラマン散乱光を用いる分
析の性質上、カラムを用いたガスクロマトグラフに比較
して充分に高速に測定することが可能である。また、前
処理が必要ない場合には、実施例2と同等の高速応答性
を持った測定を行うことが可能である。
【0089】
【発明の効果】本発明により、ガスを高速、低ノイズで
正確に分析し、分析結果からガスの正確な発熱量を計算
することが可能となる。
【0090】また、本発明により、生成ガスの発熱量を
配管途中で直接測定し、生成ガスの発熱量をより正確に
制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるガス化装置の実施の一形態を示す
構成図である。
【図2】(a)本発明であるガス発熱量測定装置の実施
の一形態を示す構成図である。 (b)本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態
におけるレーザー光の散乱経路を説明する図である。
【図3】(a)本発明であるガス発熱量測定装置の実施
の一形態の一部を示す構成図である。 (b)本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態
の一部を別角度から見た示す構成図である。
【図4】(a)レーザー波長355nmを用いた場合
の、ガス発熱量測定装置を用いたガス分析の測定結果で
ある。 (b)レーザー波長532nmを用いた場合の、本発明
であるガス発熱量測定装置の実施の一形態を用いたガス
分析の測定結果である。
【図5】本発明であるガス化装置の他の実施の一形態を
示す構成図である。
【図6】従来のガス化装置の形態を示す構成図である。
【図7】ラマン散乱光の測定例を示す図である。
【符号の説明】
1 ガス化炉 2 生成ガス 3 サンプリング管 4 前処理部 5 ガスクロマトグラフ 6 計算部 7 制御部 8 ガス測定部 9 計測部 10 電磁弁 11 ガスタービン 12 配管 13 燃料供給弁 14 空気供給弁 15 レーザー 16 パワーメータ 17 第1のミラー 18 第1のレンズ 19 第1の石英窓 20 第2の石英窓 21 パージガイド 22 第2のレンズ 23 第3のレンズ 24 偏光素子 25 第2のミラー 26 フィルター 27 第4のレンズ 28 分光器 29 ICCD(Intensified Char
ge Coupled Device)カメラ 30 レーザー光(入射光) 31 散乱光 32 散乱光(偏光成分) 33 散乱光(フィルターを透過したもの) 34 散乱角α 35 反射光 36 絞り 37 測定ガス流路 38 パージガス 39 レーザー部 40 サンプル部 41 分光部 42 ガス発熱量測定装置 43 窓 44 測定領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10J 3/46 C10J 3/46 H L G01K 17/00 G01K 17/00 A G01N 21/64 G01N 21/64 Z Fターム(参考) 2G043 AA01 BA13 CA01 DA05 EA01 EA03 GA02 GA03 GB01 HA01 HA02 HA07 JA01 KA02 KA05 KA07 KA09 LA01 MA01 MA11 NA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料としてのガスにレーザー光を照射する
    レーザー部と、 前記レーザー光の照射により前記ガスから生じる散乱光
    の波長毎の強度の計測を行う分光部と、 前記計測の結果から前記ガスの発熱量を算出する計算部
    と、 を具備する、 ガス発熱量測定装置。
  2. 【請求項2】前記ガスは、有機芳香族物質と計測対象ガ
    スとを含み、 前記レーザー光の波長が、前記有機芳香族物質からの散
    乱光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より
    小さいように選択されている、 請求項1に記載のガス発熱量測定装置。
  3. 【請求項3】前記レーザー光が、波長が400nm以上
    である、 請求項1又は2に記載のガス発熱量測定装置。
  4. 【請求項4】前記レーザー光が、偏向した光である、 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガス発熱量測定
    装置。
  5. 【請求項5】燃料と空気の供給により、燃焼用のガスを
    生成するガス化炉と、 レーザー光を用いて前記ガスの分析を行い、前期分析の
    結果に基づいて前記ガスの発熱量の算出を行うガス発熱
    量測定装置と、 前記算出の結果に基づいて、前記燃料及び前記空気の供
    給の制御を行う制御部と、 を具備する、 ガス化装置。
  6. 【請求項6】前記ガス発熱量測定装置が、請求項1乃至
    4のいずれか一項に記載のガス発熱量測定装置である、 請求項5に記載のガス化装置。
  7. 【請求項7】試料としてのガスにレーザー光を照射する
    ステップと、 前記レーザー光の照射により前記ガスから生じる散乱光
    の波長毎の強度の計測を行うステップと、 前記計測の結果から前記ガスの発熱量を算出するステッ
    プと、 を具備する、 ガス発熱量測定方法。
  8. 【請求項8】前記ガス発熱量測定方法は、 前記ガスが、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、 前記レーザー光の波長が、前記有機芳香族物質からの散
    乱光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より
    小さいように選択されている、 請求項7に記載のガス発熱量測定方法。
  9. 【請求項9】前記ガス発熱量測定方法は、 前記レーザー光の波長が、400nm以上である、 請求項7又は8に記載のガス発熱量測定方法。
  10. 【請求項10】前記ガス発熱量測定方法は、 前記ガスからの前記レーザー光の反射光以外の散乱光に
    ついて、波長毎の強度の計測を行う、 請求項7乃至9のいずれか一項に記載のガス発熱量測定
    方法。
  11. 【請求項11】燃料と空気の供給により、燃焼用のガス
    を生成するするステップと、 前記ガスにレーザー光を照射するステップと、 前記レーザー光の照射により前記ガスから生じる散乱光
    の波長毎の強度の計測を行うステップと、 前記計測の結果に基づいて、ガスの発熱量の算出を行う
    ステップと、 前記算出の結果に基づいて、前記燃料及び前記空気の供
    給の制御を行うステップと、 を具備する、 ガス化方法。
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