JP3842982B2 - ガス発熱量測定装置、ガス化装置、ガス発熱量測定方法及びガス化方法 - Google Patents

ガス発熱量測定装置、ガス化装置、ガス発熱量測定方法及びガス化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス化装置及びガス発熱量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭ガスを使用した火力発電では、石炭ガス化炉にて生成される生成ガスを燃料として、ガスタービン等の発電設備に導いて使用している。発電設備では、目標とする発電量が設定されており、それに応じて生成ガスの発熱量を制御することが重要である。そして、それに対応して、ガス化炉において生成ガスの発熱量(組成)が許容範囲に入るように制御することが、非常に重要である。
発電所の発電目標設定値は、常に一定ではなく、電力の使用量の変化や、時間帯等により短時間で変更されることも多い。従って、それに応じて、ガス化炉において生成される生成ガスの発熱量も迅速に制御される必要がある。
【0003】
従来の生成ガス発熱量の制御では、発熱量は生成ガスを分析し、その分析結果を解析することで制御を行っていた。図6を参照して、ガス化炉1における発熱量制御について説明する。ガス化炉1、生成ガス2、サンプリング管3、前処理部4、ガスクロマトグラフ5、計算部6、制御部7、燃料供給弁13、空気供給弁14、配管12、ガスタービン11からなる。ガス化炉1は、燃料(石炭)供給弁13及び空気供給弁14を経由して石炭及び空気の供給を受け、ガスタービン11用の高温・高圧(例えば400℃、30気圧)の生成ガス2を生成する。生成ガス2は、ガスタービン11に送られる配管12の途中で、その一部が、サンプリング管3によりサンプリングされ、発熱量を測定する測定系へ流入する。サンプリングガスは、前処理部4において、降圧、冷却、除塵、除湿等の前処理を行い、常圧・常温で乾燥し、かつ塵を含まない状態にする。その後、サンプリングガスをガスクロマトグラフ5へ送る。ガスクロマトグラフ5では、サンプリングガスである生成ガス2が分析され、ガスの組成が測定される。ここで通常、石炭ガス化生成ガスの場合は、およそ一酸化炭素(CO)10〜30%、水素(H)4〜10%、メタン(CH)0.1〜1%、二酸化炭素(CO)5〜10%、窒素(N)55〜70%の範囲の体積分率を有する。そして、上記分析結果に基づいて、計算部6にいおて、単位体積当たりの発熱量Q(kcal/Nm)が計算される。生成ガス2の発熱量Qの計算結果は、制御部7へ出力される。そして、この結果とその時点での発熱量目標値との相違に基づいて、ガス化炉1内へ投入される石炭量、空気量が設定される。設定に基づき、それぞれ燃料供給弁13及び空気供給弁14により石炭及び空気の供給量が制御され、生成ガス2の発熱量が常に許容範囲に入るように制御される。
【0004】
このように従来の石炭ガス化による発電においては、ガス化炉1による生成ガス2の発熱量をガスクロマトグラフ5で測定し、その値によってガス化炉1を制御していた。しかし、ガスクロマトグラフ5では、分析に要する時間が5分程度以上必要とされるため速やかな制御が出来なかった。
これに対し、近年の火力発電では、昼間と夜間との使用電力が大幅に違うため、従来に比べて負荷(発電量)の時間的変動が大きくなっており、これに対処するため最大負荷を100%とすると、少なくとも1分間当たり3%程度の負荷を増減できる制御速度が要求されている。従って、この速度に対応できるガス化炉が必要であり、これに組み合わせるガス発熱量測定装置が要求されている。また、前処理部4において、降圧、冷却、除塵、除湿時にトラうブルが起きる場合があり、メインテナンスに労力を要していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ガスの組成を高速に測定することが可能なガス発熱量測定装置及びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的としては、ガスの組成を低ノイズで計測することが可能なガス発熱量測定装置及びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、ガスの組成を前処理を行うことなく計測することが可能なガス発熱量測定装置及びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、ガスの組成から、ガスの発熱量を計算することが可能なガス発熱量測定装置及びガス発熱量測定方法を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、生成ガスの組成を高速、低ノイズかつ前処理無しで測定することが可能なガス化装置及びガス化方法を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、生成ガスをサンプリングすることなく、配管途中で直接にガス組成分析し、その結果に基づいてガス発熱量を精度良く求めることが可能なガス化装置及びガス化方法を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、生成ガスの発熱量を正確に制御することが可能なガス化装置及びガス化方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のガス発熱量測定装置は、試料としてのガスにレーザー光を照射するレーザー部(図2(a)、39)と、前記レーザー光の照射により前記ガスから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行う分光部(図2(a)、41)と、前記計測の結果から前記ガスの発熱量を算出する計算部(図2(a)、6)とを具備する。
【0013】
また、本発明のガス発熱量測定装置は、前記ガスが、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、前記レーザー光(図2(a)、30)の波長が、前記有機芳香族物質からの散乱光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より小さいように選択されている。
【0014】
更に、本発明のガス発熱量測定装置は、前記レーザー光(図2(a)、30)が、波長が400nm以上である。
【0015】
更に、本発明のガス発熱量測定装置は、前記レーザー光(図2(a)、30)が、偏向した光である。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明のガス化装置(図1、30)は、燃料と空気の供給により、燃焼用のガスを生成するガス化炉(図1、1)と、レーザー光を用いて前記ガスの分析を行い、前期分析の結果に基づいて前記ガスの発熱量の算出を行うガス発熱量測定装置(図1、42)と、前記算出の結果に基づいて、前記燃料及び前記空気の供給の制御を行う制御部(図1、7)とを具備する。
【0017】
また、本発明のガス化装置は、前記ガス発熱測定装置(図1、42)が、上記のいずれかのガス発熱量測定装置(図2(a))である。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明のガス発熱量測定方法は、試料としてのガスにレーザー光を照射するステップと、前記レーザー光の照射により前記ガスから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行うステップと、前記計測の結果から前記ガスの発熱量を算出するステップとを具備する。
【0019】
また、本発明のガス発熱量測定方法は、前記ガスが、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、前記レーザー光の波長が、前記有機芳香族物質からの散乱光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より小さいように選択されている。
【0020】
更に、本発明のガス発熱量測定方法は、前記レーザー光の波長が、400nm以上である。
【0021】
更に、本発明のガス発熱量測定装置は、前記ガスからの前記レーザー光の反射光(図2(b)、35)以外の散乱光(図2(b)、31)について、波長毎の強度の計測を行う。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明のガス化方法は、燃料と空気の供給により、燃焼用のガスを生成するするステップと、前記ガスにレーザー光を照射するステップと、前記レーザー光の照射により前記ガスから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行うステップと、前記計測の結果に基づいて、ガスの発熱量の算出を行うステップと、前記算出の結果に基づいて、前記燃料及び前記空気の供給の制御を行うステップとを具備する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明であるガス化装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例においては、発電用ガスタービンに用いられるガス化装置を例に示して説明するが、他の用途に用いられるガス化装置においても、適用可能である。
【0025】
(実施例1)
本実施例では、本発明であるガス化装置用のガス発熱量測定装置に関する実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0026】
図2(a)は、本発明であるガス発熱量測定装置42の実施例を示すブロック図であり、レーザー部39、サンプル部40、分光部41(以上、ガス測定部8)、計算部6からなる。
レーザー部39は、レーザー15、パワーメータ16、第1のミラー17、第1のレンズ18を具備し、レーザー光30を出力し、測定試料であるガスへ照射する機能を有する。サンプル部40は、第1の石英窓19、第2の石英窓20、電磁弁10、計測部9、パージガイド21を具備し、レーザー光30が照射できるような形で、測定試料であるガス(以下、「測定ガス」という)を内部に保持又は流通させる機能を有する。分光部41は、第2のレンズ22、第3のレンズ23、偏光素子24、第2のミラー25、フィルター26、第4のレンズ27、分光器28、ICCD(Intensified Charge Coupled Device)カメラ29を具備し、測定ガスからの散乱光31を分光し、測定データとして取り出す機能を有する。計算部6は、測定データに基づいて、測定ガスの発熱量を計算する機能を有する。レーザー光を用いた本ガス発熱量測定装置42により、短時間に正確にガスの発熱量を計算することが可能である。
【0027】
以下に、本発明であるガス発熱量測定装置42の構成の詳細について、図2(a)を参照して説明する。
まず、レーザー光30を出力しサンプルガスへ照射する機能を有するレーザー部39について説明する。
レーザー15は、レーザー発信によりレーザー光30を出力する。使用するレーザー15により、レーザー光30の波長は、所望のものを使用できる。本発明では、波長が可視光域(400nm〜700nm)のものを使用する。ここでは、532nmのものを用いている。
【0028】
パワーメータ16は、レーザー15から出力されるレーザー光30の進行方向上の、レーザー15の先にやや離れてある。その測定部にレーザー光30を通過させることにより、レーザー光30の出力を正確に計測することが出来る計測機器である。この数値をフィードバックし、レーザー15の出力を調整する。
【0029】
第1のミラー17は、レーザー15から出力されたレーザー光30の進行方向上の、パワーメータ16の先にやや離れてある。レーザー光30の進行方向を、測定ガスの存在する測定領域44の方向へ、反射により向けさせるミラーである。
【0030】
第1のレンズ18は、第1のミラー17で反射したレーザー光30の進行方向(測定領域44の方向)上であって、ミラーから少し離れた位置にある。レーザー光30が測定領域44の中心で焦点を結ぶように、レーザー光30を絞るレンズである。
【0031】
次に、レーザー光30が照射できるような形で測定ガスを保持又は流通させる機能を有するサンプル部40について説明する。サンプル部40は、測定ガスが内部に存在しており、それを外部(レーザー部39や分光部41を含む)にリークさせないような構造をしている。測定用のレーザー光30及び測定ガスからの散乱光は、石英窓から出入りする。
【0032】
第1の石英窓19及び第2の石英窓20は、サンプル部40の端にあり、レーザー光30の進行方向上の、第1のレンズ18の先にやや離れてある。測定ガスを外部へ流出させないための石英ガラス製の窓である。石英ガラス製にしているのは、その窓をレーザー光30が透過できるようにするためである。また、2重にしているのは、石英ガラス1枚が破損しても、ガスがリークしないようにするためである。
【0033】
電磁弁10は、レーザー光30の進行方向上の、第2の石英窓20の先にやや離れてある。測定ガスを保持又は流通させる部分(計測部9)と、第2の石英窓20のある部分とを隔絶するための弁である。通常は、閉じている。これは、長期間に渡り第2の石英窓20を測定ガスに曝しておくと、ガス中の不純物により、石英窓が汚れてしまい、その汚れの為にレーザーによる測定が困難となるからである。測定時には開口される。
【0034】
パージガイド21は、レーザー光30の進行方向上の、電磁弁10の先にやや離れてある。測定ガスが、第1の石英窓19及び第2の石英窓20の方へ流入するのを防止するために、電磁弁10の脇から計測部9へ向けてパージガスを流す際のガイドである。測定ガスの流入を防止するのは、測定ガス中の不純物により第2の石英窓20が汚されるのを防止するためにである。石英窓の汚れは、レーザー光30による測定を困難にするからである。
【0035】
計測部9は、レーザー光30の進行方向上の測定ガスが存在している測定領域44を含む場所であり、パージガイド21に隣接している。測定領域44に存在するガスにレーザー光30が照射されることにより測定がなされる。ただし、測定ガスは、この場所で留まっている必要は無く、計測部9がガス供給用の配管の途中であって、その配管中をガスが滞留することなく流れている(動いている)状態であっても測定可能である。
【0036】
ここで、サンプル部40に関して、図3を参照して、更に説明する。図3(a)は側面図であり、(b)はその平面図である。(a)において、測定ガス流路37とサンプル部40とは計測部9において交差している。測定ガスは、測定ガス流路37を通り、計測部9に達し、更にその先へ流れていく。その際、計測部9での測定ガスの密度が高くなるように、測定ガス流路37の内部に絞り36が設置されている。設置場所は、絞り36の出口が計測部9の直前になる位置である。密度を高くするのは、レーザー光30が測定ガスに照射されてできる散乱光の強度を上げて、測定精度を向上させるためである。絞り36の入口(計測部9と反対の側)は測定ガス流路37と同等の円形の開口広さであるが、流路を絞り、計測部9の直前の出口では、狭い楕円形の開口広さとなっており(図3(b))、計測部9の測定領域44において著しく測定ガスの密度が高くなる。
【0037】
また、パージガス38は、電磁弁10の脇からパージガイド21を通過し、測定ガス流路37へ排出される。このガスの流れにより、測定ガスが、測定ガス流路37から第2の石英窓20の方へ流れ込まない。通常、パージガス38として不活性ガスを用い、ここでは、窒素ガスを使用している。
【0038】
次に、測定ガスからの散乱光31を分光し、測定データとして取り出す機能を有する分光部41について説明する。ここで、測定領域44の中心部から散乱された散乱光31は、レーザー光30からある角度をなして、計測部9−パージガイド21−電磁弁10−第2の石英窓−第1の石英窓19を経て、分光部41へ入る。
第2のレンズ22及び第3のレンズ23は、サンプル部40の第1の石英窓19の外側の、散乱光31の進行方向上に、この順にやや離れてある。測定ガスによる散乱光31を集光するためのレンズである。
【0039】
偏光素子24は、散乱光31の進行方向上の、第3のレンズ23の先にやや離れてある。散乱光31の内、特定の偏光面を持つ散乱光32のみを進行方向は変えずに透過させる偏光素子である。
【0040】
第2のミラー25は、散乱光32の進行方向上の、偏光素子24の先にやや離れてある。散乱光32の進行方向を曲げて分光器28方向へ導くミラーである。
【0041】
フィルター26は、第2のミラー25で曲げられた散乱光32の進行方向上の、第2のミラー25の先にやや離れてある。特定の波長の散乱光33のみ透過させるフィルター26である。ここでは、570〜700nmの光が透過するフィルターを使用する。
【0042】
第4のレンズ27は、散乱光33の進行方向上の、フィルター26の先にやや離れてありる。散乱光33を分光器28に集光する。
【0043】
分光器28は、散乱光33の進行方向上の第4のレンズ27の先にある。充分に狭い複数の波長領域に散乱光33を分光する。
【0044】
ICCDカメラ29は、分光器28に接続されている。光の強度を計測する光電子増倍型のデバイスである。分光器28で分光された各波長の光の強度を計測する。
【0045】
次に、測定データに基づいて、サンプルガスの発熱量を計算する機能を有する計算部6について説明する。
計算部6は、各波長毎の散乱光33の強度から、ガスの体積分率を計算する。そのガスの体積分率から、ガスの発熱量が計算できる。
【0046】
次に、本発明であるガス化装置のガス発熱量測定装置42の実施例に関する動作について、図2、図3、図4、図7を参照して説明する。
【0047】
まず、ガス発熱量測定装置42に用いられるラマン散乱分光法の測定原理について説明する。
波数ν(波長λの逆数)のレーザー光を物質に照射し、その散乱光を分光すると、ν、ν±ν、ν±ν、…のような波数を持つ散乱光が得られる。この内、ν±νに相当する散乱をラマン散乱といい、ν−νを持つ成分をストークスラマン散乱、ν+νを持つ成分をアンチストークスラマン散乱という。通常、ラマン散乱として測定されるのは、ストークスラマン散乱である。また、νをラマンシフトといい、物質固有の値を取る。すなわち、ラマン散乱光におけるラマンシフトνを計測すると、レーザー光を散乱した物質が何であるかの定性分析が可能となる。物質は混合されていても構わない。加えて、ラマン散乱光の強度は存在する分子数に比例するので、散乱光の強度を測定することで定量分析も可能である。図7において、縦軸はラマン散乱光の強度、横軸は散乱光の波長(=1/(ν−ν))である。各物質(CO、CO、Nなど)により、ラマン散乱光の波長が決まっているので、その波長の位置で物質が同定でき、また、各散乱光強度から、各物質の体積分率が計算できる。
【0048】
以上から、ラマン散乱が、混合物の定性及び定量分析において有用であることが分かる。ただし、測定する物質の量が多く存在する必要がある。また、ラマン散乱光の強度は、νの4乗に比例し、波長が長いレーザー光を使用する場合、散乱光の強度は著しく低下する。従って、波長の長過ぎるレーザーは用いられない。
【0049】
次に、本発明であるガス発熱量測定装置42に関する動作について、図2、図3、図4を参照して説明する。
まず、図2(a)において、レーザー15からレーザー光30が発射される。本実施例では、レーザー光30は、パルスの形で発射し、それと同期を取った分光器28及びICCDカメラ29により散乱光33の計測が行われる。また、継続的にレーザー光30を発射し、それの散乱光33を計測することも可能である。
【0050】
また、本実施例では、可視光である波長532nmのレーザーを使用する。
レーザー波長の選択は、以下のような観点から行った。もし、400nmより波長の短い355nmの紫外光レーザーでは、測定ガス中の有機化学物質の芳香族成分からの散乱光が強くなり、それがノイズ光として測定に悪影響を及ぼす。また、逆に、波長が長すぎると、ラマン散乱光の強度が低下してしまい、検出が困難になる。従って、本実施例では、測定ガス中の芳香族成分からの散乱光がほとんど無く、かつ、測定対象物質(CO,CO,N,CH,HO,H)からの散乱光が十分の強度を得られる、レーザー波長を選択した。
【0051】
また、レーザー光30は、偏した光である偏光を用いる。偏光のレーザー光を出力するレーザーを使用しても良いし、偏光素子を通過させたレーザー光を使用しても良い。そのようなレーザー光30を用いると、測定ガスからの散乱光31の内、ラマン散乱光以外の単なる散乱光は偏光ではないので、途中に入れた偏光素子24により、それらのほとんどはカットされる。従って、偏光であるラマン散乱光のみが、偏光素子24を透過することができ、ノイズ光の抑制された測定結果が得られるのである。
【0052】
レーザー光30は、計測部9の中心付近の測定領域44で焦点を結ぶように、ミラー17で方向を曲げられ、第1のレンズ18で絞られる。そして、サンプル部40の第1の石英窓19及び第2の石英窓20を透過し、測定ガスの存在する計測部9へ到達する。
【0053】
図2(a)の計測部9において、測定用のレーザー光30は測定領域44の測定ガスに入射すると、測定ガスに散乱されて、強度の強い反射光35とその他の散乱光となる。図2(b)において、反射光35は、レーザー光30がそのまま反射した反射光であり、測定したい測定ガスからのラマン散乱光に比較して非常に強度が強い。従って、反射光35が、後段の分光部41に進入して測定の妨げとなることがないように、測定する散乱光は、反射光35の方向から角度をずらした、散乱光31とする。散乱光31の測定により、角度のずれた反射光35の影響は受けずに済む。散乱光31の方向は、レーザー光30と反射光35が成す角を二等分する方向から、ある角度だけずれた方向とする。その角を散乱角αと呼ぶことにする。散乱角α34は、5〜30度であり、本実施例では、5度である。散乱角α34が小さいほど、散乱光31の強度は強くなり、測定精度が向上するが、反射光35の影響も強くなる。逆に散乱角α34が大きいほど、散乱光31の強度は弱くなるが、反射光35の影響も弱くなる。従って、両者の兼ね合いと、他の測定条件等を勘案し、適切な値を選択する。
【0054】
散乱光31は、第2の石英窓20及び第1の石英窓19を経由して第2のレンズ22及び第3のレンズ23で集光される。測定に用いる光の強度を高めるためである。
【0055】
そして集光された散乱光31は偏光素子24を通過し、偏光である散乱光32となる。このとき、偏光素子24と同じ偏光面を持った散乱光しか偏光素子24を通過できない。レーザー光30は、偏光であるので、そのラマン散乱光も偏光である。しかし、単なる乱反射光や蛍光は、偏光ではないので、この時点でカットすることが可能である。
【0056】
さらに、散乱光32は、第2のミラー25で分光器28へ向けて反射された後、フィルター26で、波長が570nm〜700nm以外の成分がカットされた、最終的な散乱光33となる。フィルター26により、残っていたレーザー光30の反射成分(波長532nm)を除去することが出来る。この散乱光33は、ノイズ光やレーザー光30の反射光35をほとんど含まない、計測対象ガスからのラマン散乱光である。
【0057】
最終的に得られた散乱光33は、分光器28に入いる。そこで、各波長毎のチャンネルに分けられる。そして、各波長毎の光の強度をICCDカメラ29により測定することにより測定結果が得られる。
【0058】
測定された各波長におけるラマン散乱光の分析結果(各波長における散乱光33の強度のデータ)は、計算部6に出力され、そこで発熱量が計算される。計算は、ガスの分析結果において、波形の強度のピークを示す波長から物質を同定し、強度からその物質の体積分率を計算する。そして、その体積分率に、各ガス成分の標準状態における単位体積当たりの発熱量を掛け合わせれば、各ガス成分毎の単位体積当たりの発熱量が計算できる。その合計が、生成ガス2全体の単位体積当たりの発熱量である。
【0059】
図4において、本実施例1のガス発熱量測定装置42を用いて、ガス化装置で生成されたガスを測定した結果を示す。(a)、(b)とも、縦軸は、散乱光33の信号強度(最大値で正規化)、横軸は、計測チャンネルである。計測チャンネルは、波長に対応している。そして、(a)は、波長355nmの紫外光レーザーによる計測結果であり、(b)は、波長532nmの本実施例での可視光レーザーによる計測結果である。図で明らかなように、(a)では、その有機芳香族物質からの散乱光であるノイズ光が非常に大きく、測定対象物質(CO,CO,N,CH,HO,H)の信号のS/Nに悪影響を与えている。しかし、(b)の本実施例の波長532nmのレーザー光30では、ノイズ光の影響がほとんど無くなっている。
【0060】
本実施例で示したガス発熱量測定装置42では、(1)レーザー光30の波長を紫外域から可視域にしたことにより、有機芳香族物質からの散乱光をほぼゼロに抑えることが可能となる、(2)偏光であるレーザー光30を使用しているので、ラマン散乱光も偏光であり、従って、偏光素子24により、他のノイズとなる散乱光等は除去される、(3)レーザー光30の反射光35の方向からある角度を成す方向の散乱光31を計測しているので、強度の非常に大きい反射光35の影響を少なく出来る、等の効果により測定精度を大きく向上させる効果がある。
【0061】
また、パージガス38を導入することにより、前処理無しで、ガス発熱量測定装置42を汚染することなく、配管12中のガスを直接測定することが可能となり、従って、高速で測定が可能となる。
【0062】
なお、本実施例で使用されている、ミラーおよびレンズは、レーザー15、計測部9および分光器28の位置関係により、本発明の技術的思想の範囲で増減することや、位置が変更することが可能であり、上記実施例の形態に拘束されるものではない。
【0063】
(実施例2)
次に、本発明であるガス化装置の第二の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例では、発電用ガスタービンに用いられるガス化装置にを例に示して説明するが、他の用途に用いられるガス化装置においても、適用可能である。
【0064】
以下、本発明であるガス化装置の実施例の構成に関して、添付図面を参照して説明する。
図1を参照して、本実施例では、燃料及び空気をガス化炉1へ供給し、生成した生成ガス2は、配管12を通り、ガスタービン11へ供給される。その際、ガスタービン11に供給する生成ガス2の発熱量を正確に制御する必要がある。その制御は、実施例1で説明したガス発熱量測定装置42を使用して行う。すなわち、実施例1のガス発熱量測定装置42をガス化装置に組み込む。そして、配管12の途中において、ガス測定部8を用いて、配管12を流れる生成ガス2のラマン散乱光の測定を行う。その測定結果に基づき、計算部6にて生成ガス2の組成を計算する。計測から計算結果が出るまでの時間は非常に短時間である。そして、その計算値に基づいて、制御部7で、ガス化炉1に供給する燃料および空気を制御する。このようにして、本発明により、ガス化炉1において生成される生成ガス2の発熱量が正確に制御される。
【0065】
本発明であるガス化装置の構成について、詳細に説明する。
ガス化炉1は、燃料及び空気の供給を受け、燃料及び空気を理論空燃比を小さくして不完全燃焼させ、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタン(CH)等を生成させ、燃料ガスとして取り出すものである。本実施例では、燃料として石炭を用いている。
【0066】
生成ガス2は、ガス化炉1により生成したガスである。石炭ガス化の場合、生成ガス2は、およそ一酸化炭素(CO)10〜30%、水素(H)4〜10%、メタン(CH)0.1〜1%、二酸化炭素(CO2)5〜10%、窒素(N)55〜70%の範囲の体積分率を有する。
【0067】
配管12は、ガス化炉1とガスタービン11を結ぶ配管であり、ガス化炉1で生成した生成ガス2のガスタービン11への流路である。
【0068】
ガスタービン11は、火力発電において、発電用に用いられるタービンである。生成ガス2の供給により運転している。
【0069】
計算部6、ガス測定部8、計測部9、電磁弁10は、実施例1で説明したガス発熱量測定装置42の一部である。
計測部9は、配管12とガス測定部8とが交わっている場所である。この場所において、生成ガス2がガス発熱量測定装置42により、その発熱量を測定される。また、実施例1の測定ガス流路37は、本実施例においては、配管12に相当し、絞り36は、配管12内に設置されている。計算部6の生成ガス2の発熱量の計算結果は、制御部7に出力される。
その他の各部は、実施例1と同様なので説明は省略する。
【0070】
制御部7は、計算部6において計算された発熱量と、その時点で必要とされる発熱量(外部から入力)とを比較し、その差を計算する。そして、その結果に基づいて、生成ガス2の発熱量が必要とされる発熱量になるように、燃料供給弁13及び空気供給弁14の制御で燃料及び空気の増減を行う。燃料及び空気の増減量は、例えば、燃料及び空気の組成から生成ガスの組成を求め、発熱量を計算する方法において、燃料及び空気の組成を逐次代入する方法や、逆計算を行なう方法で計算できる。なお、制御部7の機能を計算部6に行わせることも可能である。
【0071】
燃料供給弁13及び空気供給弁14は、それぞれ燃料及び空気をガス化炉1へ供給するための弁であり、制御部7により制御される。
【0072】
次に、本発明であるガス化装置の実施例の動作について、図面を参照して説明する。
図1を参照して、ガス化炉1では、燃料である石炭及び空気の供給を受けて、ガスタービン11用の燃である生成ガス2を生成している。生成ガス2の組成は、ガス化炉1の燃焼条件により決まる。また、ガスタービン11に必要な生成ガス2の発熱量は、ガスタービン11の運転条件で決まる。従って、ガスタービン11の運転条件に応じて、ガス化炉1の燃焼条件を対応させ、所望の生成ガスを生成する必要がある。燃焼条件の制御は、ガス発熱量装置装置42による発熱量分析の結果に基づき、燃料である石炭及び空気の供給を制御することで行う。
以下に、本発明であるガス化装置の動作について、詳細に説明する。
【0073】
ガス化炉1は、燃料及び空気(必要に応じて水蒸気)の供給を受け、それらを高温高圧下で空気と燃料の比を理論空気燃料費より小さくし、不完全燃焼させ、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタン(CH)を主な燃料ガス成分とする生成ガス2を生成する。ガス化炉1の運転温度、運転圧力、燃料及び空気の供給量により、生成ガス2における各成分の体積分率が決まる。
【0074】
ガス化炉1で生成された生成ガス2は、配管12を通りガスタービン11へ供給される。その際、配管12の途中に組み込まれたガス発熱量測定装置42により、生成ガス2の発熱量の測定を行う。ここでは、配管12からサンプリング管等により生成ガス2の一部を測定装置に導く、という間接的な測定ではなく、配管12中の生成ガス2を直接測定する。直接測定により、ガスタービン11へ供給される生成ガス2の発熱量をより速く、より正確に測定することが可能となる。
【0075】
ガス発熱量測定装置42における動作は、実施例1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0076】
ガス発熱量測定装置42により算出された生成ガス2の発熱量は、制御部7へ送られる。そして、そこで、算出された発熱量と必要とされる発熱量とを比較する。そして、その結果に基づいて、所望の発熱量になるように、運転条件を変化させる。運転条件として、ここでは、燃料及び空気を増減させる。増減方法は、制御部7が前述の算出結果に基づいて計算した所望の供給量になる用に、燃料供給弁13及び空気供給弁14の制御を行う。
なお、他の運転条件(ガス化炉1の運転温度、運転圧力等)の制御により、生成ガス2の成分を制御することも可能である。
【0077】
カラムを用いたガスクロマトグラフとは異なり、レーザー光を利用しているので、前処理の必要が無く、測定が迅速で応答性が非常に良い。また、配管12の生成ガス2を直接分析しているので、分析結果が非常に正確である。従って、正確な制御が必要なガスタービン11の生成ガス2の発熱量を、常に最適に制御することが可能となる。
【0078】
(実施例3)
次に、本発明であるガス化装置の第三の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例では、発電用ガスタービンに用いられるガス化装置にを例に示して説明するが、他の用途に用いられるガス化装置においても、適用可能である。
【0079】
以下、本発明であるガス化装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
図5を参照して、本実施例のガス化装置は、実施例2のガス発熱量測定装置42が配管12内の生成ガス2を直接分析するのに対して、サンプル管3によりサンプリングした生成ガス2の一部をガス発熱量測定装置42で測定する点が、実施例2と異なる。その他の構成及び動作は、実施例2と同様である。本実施例においても、ガス化炉1において生成される生成ガス2の発熱量が正確に制御される。
【0080】
次に、本発明であるガス測定装置の実施例の構成について、詳細に説明する。図5を参照して、サンプリング管3は、ガス化炉1で生成された生成ガス2(CO、H、CH等)が流れる配管12から、測定試料として生成ガス2の一部を抜き取る。抜き取りは、連続的な小流量の生成ガス2の分流とすることや、少量だけの抜き取りとすることが可能である。
【0081】
前処理部4は、サンプリング管3で採取された生成ガス2に対し、降圧、冷却、除塵、除湿等の後、常圧・常温で乾燥し、かつ塵を含まない状態にする前処理を行うことが可能である。前処理が不必要な場合には、処理を行わずに生成ガス2を通過させることも可能である。
【0082】
計測部9は、前処理部4を通り出てきた生成ガス2を、レーザー光30を用いて分析測定する場所である。
【0083】
上記以外の本実施例における各構成部は、実施例2と同様なので、説明を省略する。
【0084】
次に、本発明であるガス化装置の実施例の動作について、図面を参照して説明する。
ガス化炉1は、燃料及び空気(必要に応じて水蒸気)の供給を受け、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタン(CH)を主な燃料ガス成分とする生成ガス2を生成する。
【0085】
ガス化炉1で生成された生成ガス2は、配管12を通りガスタービン11へ供給される。その際、配管12の途中で、サンプリング管3が、生成ガス2の一部を採取する。採取された生成ガス2は、前処理部4へ入る。前処理部4においては、ガスが非常に汚れている場合等において必要に応じて前処理を行う。ただし、生成ガス2が清浄ならば、必ずしもその必要はない。前処理部4から出た生成ガス2は、ガス発熱量測定装置42の計測部9において、生成ガス2の発熱量の測定を行う。測定済みの生成ガス2は、元の配管12に戻すか、又は、排気する。
【0086】
ガス発熱量測定装置42における動作を含むその他の動作は、実施例1及び実施例2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0087】
本実施例では、実施例2と異なり、配管12上でガス発熱量の測定を行っていない。配管や装置上の要請により、配管12に直接にガス発熱量測定装置42を接合しない場合や、生成ガス2の状態により、分析前に前処理が必要な場合等において、本実施例のケースを用いることが可能である。
【0088】
また、本実施例では、実施例2と異なり、前処理部4での前処理を行う場合には、迅速性という面で若干実施例2に劣るものの、ラマン散乱光を用いる分析の性質上、カラムを用いたガスクロマトグラフに比較して充分に高速に測定することが可能である。また、前処理が必要ない場合には、実施例2と同等の高速応答性を持った測定を行うことが可能である。
【0089】
【発明の効果】
本発明により、ガスを高速、低ノイズで正確に分析し、分析結果からガスの正確な発熱量を計算することが可能となる。
【0090】
また、本発明により、生成ガスの発熱量を配管途中で直接測定し、生成ガスの発熱量をより正確に制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるガス化装置の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】(a)本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態を示す構成図である。
(b)本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態におけるレーザー光の散乱経路を説明する図である。
【図3】(a)本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態の一部を示す構成図である。
(b)本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態の一部を別角度から見た示す構成図である。
【図4】(a)レーザー波長355nmを用いた場合の、ガス発熱量測定装置を用いたガス分析の測定結果である。
(b)レーザー波長532nmを用いた場合の、本発明であるガス発熱量測定装置の実施の一形態を用いたガス分析の測定結果である。
【図5】本発明であるガス化装置の他の実施の一形態を示す構成図である。
【図6】従来のガス化装置の形態を示す構成図である。
【図7】ラマン散乱光の測定例を示す図である。
【符号の説明】
1 ガス化炉
2 生成ガス
3 サンプリング管
4 前処理部
5 ガスクロマトグラフ
6 計算部
7 制御部
8 ガス測定部
9 計測部
10 電磁弁
11 ガスタービン
12 配管
13 燃料供給弁
14 空気供給弁
15 レーザー
16 パワーメータ
17 第1のミラー
18 第1のレンズ
19 第1の石英窓
20 第2の石英窓
21 パージガイド
22 第2のレンズ
23 第3のレンズ
24 偏光素子
25 第2のミラー
26 フィルター
27 第4のレンズ
28 分光器
29 ICCD(Intensified Charge Coupled Device)カメラ
30 レーザー光(入射光)
31 散乱光
32 散乱光(偏光成分)
33 散乱光(フィルターを透過したもの)
34 散乱角α
35 反射光
36 絞り
37 測定ガス流路
38 パージガス
39 レーザー部
40 サンプル部
41 分光部
42 ガス発熱量測定装置
43 窓
44 測定領域

Claims (9)

  1. 石炭ガス化装置で生成された常圧よりも高圧な石炭ガス化ガスが流れる配管と、
    前記配管の途中における前記石炭ガス化ガスの流路を絞った絞り部材の出口の直後の箇所に設けられた測定部と、
    前記測定部を通過する前処理をしていない前記石炭ガス化ガスに波長が400nm以上のレーザー光を照射するレーザー部と、
    前記レーザー光の照射により前記石炭ガス化ガスから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行う分光部と、
    前記計測の結果から前記石炭ガス化ガスの発熱量を算出する計算部と
    を具備し、
    前記測定部は、
    前記レーザー光が通過する窓と、
    前記窓と前記測定部の前記石炭ガス化ガスが通過する領域との間に設けられ、前記窓を前記石炭ガス化ガスから保護し、前記レーザー光が前記石炭ガス化ガスへ照射されるとき開く弁と
    を備える
    ガス発熱量測定装置。
  2. 前記測定部は、前記レーザー光を照射するとき、前記窓を前記石炭ガス化ガスから保護するように、前記窓から前記領域へ向かう方向に不活性ガスを流す
    請求項1に記載のガス発熱量測定装置。
  3. 前記石炭ガス化ガスは、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、
    前記レーザー光の波長が、前記有機芳香族物質からの散乱光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より小さいように選択されている
    請求項1乃至2のいずれかに記載のガス発熱量測定装置。
  4. 前記レーザー光が、偏光した光である
    請求項1乃至のいずれかに記載のガス発熱量測定装置。
  5. 燃料と空気の供給により、燃焼用の常圧よりも高圧な石炭ガス化ガスを生成する石炭ガス化炉と、
    前記石炭ガス化炉から延びている前記石炭ガス化ガスが流れる配管の途中における前記石炭ガス化ガスの流路を絞った箇所に設けられ、前記石炭ガス化ガスの発熱量の算出を行う請求項1乃至のいずれかに記載のガス発熱量測定装置と、
    前記算出の結果に基づいて、前記燃料及び前記空気の供給の制御を行う制御部と
    を具備する
    ガス化装置。
  6. 石炭ガス化装置で生成され前処理をしていない、常圧よりも高圧な石炭ガス化ガスを、測定領域を含む配管に流すステップと、ここで、前記測定領域は、前記配管の途中における前記石炭ガス化ガスの流路を絞った箇所に設けられ、
    前記測定領域へ波長が400nm以上のレーザー光を導入する窓と前記配管との間に設けられ前記窓を前記石炭ガス化ガスから保護する弁を開くステップと、
    前記石炭ガス化ガスに前記レーザー光を照射するステップと、
    前記レーザー光の照射により前記石炭ガス化ガスから生じる散乱光の波長毎の強度の計測を行うステップと、
    前記計測の結果から前記石炭ガス化ガスの発熱量を算出するステップと
    を具備する
    ガス発熱量測定方法。
  7. 前記開閉部を開くステップ部は、前記窓から前記領域へ向かう方向に不活性ガスを流すステップを備える
    請求項に記載のガス発熱量測定方法。
  8. 前記石炭ガス化ガスが、有機芳香族物質と計測対象ガスとを含み、
    前記レーザー光の波長が、前記有機芳香族物質からの散乱光の強度が前記計測対象ガスからの散乱光の強度より小さいように選択されている
    請求項乃至のいずれかに記載のガス発熱量測定方法。
  9. 燃料と空気の供給により、燃焼用の常圧よりも高圧な石炭ガス化ガスを生成するステップと、
    レーザー光を用いて前記石炭ガス化ガスの分析を行い、前記分析の結果に基づいて、前記石炭ガス化ガスの発熱量の算出を行う請求項乃至のいずれか一項に記載のガス発熱量測定方法を実行するステップと、
    を具備する
    ガス化方法。
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